JP2989600B1 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

Info

Publication number
JP2989600B1
JP2989600B1 JP10377165A JP37716598A JP2989600B1 JP 2989600 B1 JP2989600 B1 JP 2989600B1 JP 10377165 A JP10377165 A JP 10377165A JP 37716598 A JP37716598 A JP 37716598A JP 2989600 B1 JP2989600 B1 JP 2989600B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
sensor coil
field
field coils
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10377165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000193409A (ja
Inventor
永一 坂東
哲也 藤村
登誉子 薩摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP10377165A priority Critical patent/JP2989600B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2989600B1 publication Critical patent/JP2989600B1/ja
Publication of JP2000193409A publication Critical patent/JP2000193409A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 位置検出の感度の大きい部位にセンサーを配
設し、変位を正確に検出する。 【解決手段】 位置検出装置は、少なくとも一対の界磁
コイルと、界磁コイルに位相差のある交流電流を流す交
流電源8と、界磁コイル間に配設されるセンサーコイル
を備え、センサーコイルに誘導される交流の位相でセン
サーコイルの位置を検出する。さらに、一対の界磁コイ
ルに流す電流比を調整する電流比調整回路13を交流電
源8に設けており、界磁コイルに流す電流比を、センサ
ーコイルが最も正確に位置を検出できるように設定す
る。また位置検出装置は、3組の界磁コイルを互いに直
交する面内に配設している。あるいは、センサーコイル
を人体の動く部分に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動する部分、た
とえば、顎や手の動きといった人体の動く部分を非接触
状態で測定できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、界磁コイルからセンサーコ
イルに交流を誘導して人体の動く部分の立体位置を検出
する装置を開発した(特公平5−51293号公報)。
この装置は、図1に示すように、上顎と下顎の相対位置
を検出するために、取付部材4を介して下顎にセンサー
コイル5を、上顎に界磁コイル6を装着する。界磁コイ
ル6はX軸、Y軸、Z軸の位置を検出するために、図2
〜図4に示すように、3組設けている。互いに対向して
配設される界磁コイル6は、一方をサイン波で、他方を
コサイン波で励起する。すなわち、一対をなす各組の界
磁コイル6は90度の位相差のある交流で励起される。
センサーコイル5がサイン波で励起される界磁コイル6
に接近すると、センサーコイル5に誘導される交流はサ
イン波に近くなり、コサイン波で励起される界磁コイル
6に接近すると、コサイン波に近くなる。このため、セ
ンサーコイル5に誘導される交流の位相を検出して、位
置を検出できる。
【0003】センサーコイル5のX、Y、Z位置を順番
に検出するために、3組の界磁コイル6は一定の周期で
切り換え、あるいは、3組の界磁コイル6を異なる周波
数で励起する。一定の周期で切り換える装置は、X位置
を検出した後にY位置を検出し、Y位置を検出した後に
Z位置を検出する。このようにして、一定の周期でX、
Y、Z位置を順番に検出する。3組の界磁コイル6を異
なる周波数で励起する装置は、センサーコイル5に誘導
される信号をバンドパスフィルターで選別して、X、
Y、Z位置を検出できる。
【0004】さらに、本発明者は、図6に示すように、
3組の界磁コイル6を、非磁性体の球面シェル1の表面
に、互いに直交する姿勢に配設する位置検出装置を開発
した(特開平10−108853号公報)。この位置検
出装置は、球面シェル1の内部に、センサーコイル5を
配設する。界磁コイル6を交流で励起し、この界磁コイ
ル6からセンサーコイル5に誘導される信号を演算し
て、センサーコイル5の位置または姿勢を検出する。
【0005】この構造の界磁コイル6は、円形に巻かれ
たコイルを、球面シェル1の表面に沿って移動させて、
正確な位置に配設できる。3組の界磁コイル6となる6
個のコイルは、同じ形状のものを製作し、これを球面シ
ェル1の表面に沿って移動させて、正確な位置に配設で
きる。このため、界磁コイル6を簡単に製作できると共
に、正確な位置に容易に配設できる。
【0006】センサーコイル5が、一対の界磁コイル6
に対する位置を検出する一つの動作原理は下記の通りで
ある。図5において、界磁コイル6BをEcosωtの
交流で励磁し、手前の界磁コイル6AをEsinωtの
交流で励磁するとき、すなわち、両界磁コイル6A、6
Bを、位相差が90度で同一周波数の交流で励磁する
と、センサーコイル5が両界磁コイル6の中央に位置す
るとき、センサーコイル5には、両界磁コイル6A、6
Bの中間の位相の交流、すなわちcos(ωt+π/
4)の交流が誘導される。
【0007】センサーコイル5が中央から矢印Aの方向
に移動する程、センサーコイル5に誘導される交流の位
相は、sinωtに近付き、中央から矢印Bの方向に移
動する程、cosωtの交流に近付く。したがって、セ
ンサーコイル5に誘導される交流の位相を検出して、セ
ンサーコイル5のA−B方向の位置が測定できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、センサ
ーコイルは、誘導される交流の位相で位置を検出できる
が、位置の変位に対する位相差は、直線的に変化しな
い。図7は、センサーコイルに誘導される交流の位相
が、一対の界磁コイルの位置に対して変化する状態を示
している。この図は、一対の界磁コイルを、位相差を1
70度とする同じ周波数の交流を流して、その中間にセ
ンサーコイルを配設したときの、センサーコイルに誘導
される交流の位相を示している。
【0009】この図は、センサーコイルが一対の界磁コ
イルの中央部分に位置するときは、位置の変化に対し
て、センサーコイルに誘導される交流の位相が直線的に
変化する状態を示している。さらに、センサーコイルが
界磁コイルの中央に位置するときは、センサーコイルの
変位に対して位相の変化が大きくなることを示してい
る。
【0010】この図に示すように、センサーコイルが、
一対の界磁コイルの中央部分に配設されるときに、セン
サーコイルは位相で位置を正確に検出できる。しかしな
がら、センサーコイルが片方の界磁コイルに接近するに
したがって、変位量に対する位相の変化が小さくなる。
図7において、センサーコイルが、界磁コイルの中央部
分で、±10mm変位するときに、位相の変化は最大に
なる。しかしながら、センサーコイルが、この領域から
ずれると、位置の変位に比較して位相の変化が急激に少
なくなる。このため、一対の界磁コイルの間にセンサー
コイルを配設して、位置を検出する装置は、センサーコ
イルを界磁コイルのほぼ中央に配設する必要があり、こ
の位置からずれると、正確に高い精度で位置を検出でき
なくなる欠点があった。
【0011】実際の使用状態において、センサーコイル
は常に一対の界磁コイルの中央に位置しない。用途によ
っては、センサーコイルは、中央部分から片方の界磁コ
イルに接近する位置で変位する。位置検出装置は、セン
サーコイルが中央部分からずれるにしたがって、測定精
度が低下する。センサーコイルの装着位置を変更して、
一対をなす界磁コイルの中央位置に配設させると、測定
精度を向上できる。しかしながら、常にセンサーコイル
を一対の界磁コイルの中央に配設するためには、センサ
ーコイルの取り付け位置を正確に調整する必要があっ
て、装着に手間がかかって面倒である。また、使用状態
によっては、センサーコイルを一対の界磁コイルの中央
に配設できないこともある。
【0012】本発明は、さらにこのような欠点を解決す
ることを目的に開発されたものである。本発明の重要な
目的は、センサーコイルが一対の界磁コイルの中央から
ずれても、変位を正確に検出できる位置検出装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の位置検出装置
は、少なくとも一対の界磁コイルと、一対の界磁コイル
に位相差のある交流電流を流す交流電源8と、一対の界
磁コイルの間に配設されるセンサーコイルとを備える。
この装置は、センサーコイルに誘導される交流の位相で
センサーコイルの位置を検出する。
【0014】さらに、本発明の請求項1の位置検出装置
は、一対の界磁コイルに流す電流比を調整する電流比調
整回路13を交流電源8に設けている。電流比調整回路
13は、一対の界磁コイルに流す電流比を、センサーコ
イルが最も正確に位置を検出できるように設定する。
【0015】本発明の請求項2の位置検出装置は、3組
の界磁コイルを、互いに直交する面内に配設している。
この位置検出装置は、3組の界磁コイルで、センサーコ
イルの位置を立体的に検出できる。
【0016】本発明の請求項4の位置検出装置は、セン
サーコイルを人体の動く部分に固定する。人体に固定さ
れるセンサーコイルは、たとえば、人体の顎の動き等を
正確に検出する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態
は、本発明の技術思想を具体化するための位置検出装置
を例示するものであって、本発明は位置検出装置を下記
のものに特定しない。
【0018】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応す
る番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解
決するための手段の欄」に示される部材に付記してい
る。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形
態の部材に特定するものでは決してない。
【0019】以下、位置検出装置を上下の顎の相対位置
を検出する装置に使用した具体例を示す。ただ、本発明
の位置検出装置は、顎等の人体の変位のみでなく、全て
の物の変位を検出することもできるのは言うまでもな
い。
【0020】顎の動きを検出する位置検出装置は、上顎
に対する下顎の動きを検出する。図6に示す位置検出装
置は、下顎に連結されるセンサーコイル5と、このセン
サーコイル5に非接触に配設される3組の界磁コイル6
とを備えている。この界磁コイル6は、図8に示すよう
に、交流で励起する交流電源8に接続される。界磁コイ
ル6からセンサーコイル5に誘導される信号は、演算手
段7に入力される。演算手段7は、センサーコイルに誘
導される交流を演算して、センサーコイル5の位置また
は姿勢を演算する。
【0021】3組の界磁コイル6は、円形に巻かれたコ
イルを互いに対向する位置に配設している。3組の界磁
コイル6は、非磁性体の球面シェル1の表面に、互いに
直交する姿勢で配設されている。球面シェル1の内部に
は、センサーコイル5を配設している。界磁コイル6か
らセンサーコイル5に誘導される信号を演算して、セン
サーコイル5の位置と姿勢を検出する。
【0022】図6に示す界磁コイルは、頭蓋を球面シェ
ル1に配設して、この球面シェルに固定している。球面
シェル1は、頭蓋を定位置に連結するために、頭蓋を入
れて定位置に連結するためのキャップ2を固定してい
る。球面シェル1には、界磁コイル6を固定しているの
で、頭蓋を球面シェル1に連結すると、上顎が界磁コイ
ル6の定位置に連結される。
【0023】センサーコイル5は、下顎に剛体結合した
取付部材4に連結される。取付部材4は、両端と先端の
互いに離れた3標点にセンサーコイル5を連結してい
る。センサーコイル5で、取付部材4の3標点の位置と
姿勢が演算されると、下顎の上顎に対する相対位置は立
体的に計算できる。この図に示す界磁コイルを使用する
位置検出装置は、球面シェル1に対する3個のセンサー
コイル5の位置を検出して、上顎に対する下顎の動き、
すなわち、顎運動を計測する。
【0024】図の装置は、上顎を球面シェル1の特定の
位置に連結しているが、上顎は必ずしも球面シェル1に
連結する必要はない。図示しないが、上顎と下顎の両方
に複数のセンサーコイルを連結し、上顎および下顎の界
磁コイルに対する相対位置を検出して、下顎の上顎に対
する相対的な動きを検出することもできる。
【0025】センサーコイル5は、種々の用途に市販さ
れているコアー入りの小形チョークコイルが使用でき
る。センサーコイル5は、好ましくは、3組のチョーク
コイルを、互いに直角に連結したものを使用する。それ
ぞれのチョークコイルは、その中心線を、各組の界磁コ
イル6と平行とする姿勢に配設する。界磁コイル6と平
行に配設されるチョークコイルは、界磁コイル6から効
率よく信号が誘導される。下顎が動くと、チョークコイ
ルは、界磁コイル6に対して傾斜する。チョークコイル
が界磁コイル6に対して傾斜すると、チョークコイルに
誘導される交流の振幅は小さくなる。このため、チョー
クコイルに誘導される交流の振幅を検出して、界磁コイ
ル6に対する傾斜角を検出することもできる。
【0026】界磁コイル6は、センサーコイル5の、
X、Y、Z軸方向の変位を検出するために3組設けられ
る。界磁コイル6A、6B、6C、6D、6E、6F
は、図6に示すように、球面シェル1の表面に配設され
ている。球面シェル1は、界磁コイル6を定位置に配設
するための芯材である。球面シェル1は、界磁コイル6
が発生する磁界を乱さないように、プラスチック等の非
磁性体で成形される。
【0027】球面シェル1は、界磁コイル6を配設する
ためのものであるから、界磁コイル6の無い部分は除去
できる。図6の球面シェル1は、下方を開口している。
球面シェル1の下方から内部に人体を挿入して、下顎の
動きを検出している。図示しないが、球面シェルの前方
を開口して、球面シェルに挿入した人体の状態を確認す
ることもできる。さらに、図示しないが、球面シェル
は、人体全体が入ることのできる大きさとすることもで
きる。人体全体が入ることのできる球面シェルは、上顎
と下顎にそれぞれ複数のセンサーコイルを固定して、人
体を球面シェルに固定せず、また、人体が球面シェルの
内部で移動できるようにして、下顎の上顎に対する動き
を検出できる。
【0028】球面シェル1の表面に固定される一対の界
磁コイル6Aと6B、6Cと6D、6Eと6Fは、互い
に対向する位置に配設されている。界磁コイル6は円形
に巻かれたコイルで、球面シェル1の外側、あるいは内
側に固定される。界磁コイル6は、好ましくは、ヘルム
ホルツ・コイルと同じ構造に設計される。すなわち、一
対の界磁コイル6は、各々の円形コイルの半径を、両コ
イル間の間隔に等しくする。球面シェル1の外表面の半
径をrとするとき、界磁コイル6を円形に巻く半径は
0.894rとする。この半径に巻いた円形コイルは、
球面シェル1の外側に沿わせると、ヘルムホルツ・コイ
ルと同じように、半径に等しい間隔に配設される。球面
シェル1の定位置に配設される界磁コイル6は、接続剤
で固定され、あるいは、非磁性体の連結具で球面シェル
1に固定される。
【0029】ヘルムホルツ・コイルと同じ構造の界磁コ
イル6は、一対の界磁コイル6の間隔が広すぎず、ま
た、狭すぎることもなく、その内部に配設されるセンサ
ーコイル5の位置を正確に演算できる特長がある。一対
の界磁コイル6の間隔が広すぎると、界磁コイル6の間
の磁界が弱くなり、反対に間隔が接近しすぎるとセンサ
ーコイルの位置を正確に検出できなくなる。また、界磁
コイル6の間に人体の一部を入れるのも難しくなる。
【0030】界磁コイル6は、球面シェル1の外側でな
く、内側に沿わせて固定することもできる。球面シェル
1の内側に界磁コイル6を配設する装置は、球面シェル
1の内径をrとして、界磁コイル6の巻き径を0.89
4rとする。この界磁コイル6も、球面シェル1の内面
に沿わせて定位置に配設した状態で、接続し、あるいは
非磁性体の連結具で定位置に固定する。
【0031】一対をなす界磁コイル6は、図8に示すよ
うに交流電源8に接続されて、互いに位相差が90度で
ある交流で励起される。界磁コイル6を励起する交流電
源8は、3組の界磁コイル6を異なる周波数で同時に励
起する発振回路14を内蔵する。図に示す位置検出装置
は、X、Y、Z方向の位置を検出するために3組の界磁
コイル6を備えている。
【0032】X、Y、Z方向の位置を検出するために、
3組の界磁コイル6は異なる周波数で励起される。た
だ、同じ組である一対をなす界磁コイル6は、位相が異
なり、周波数を同一とする交流で励起される。一対をな
す界磁コイル6を同一周波数で異なる位相差とする位置
検出装置は、3組のセンサーコイル5に誘導される交流
の位相差で位置を検出できる。
【0033】交流電源8は、図9に示すようにX方向の
位置を検出する界磁コイル6A、Bを、角速度ω1の周
波数で、Y軸方向の位置を検出する界磁コイル6C、D
を角速度ω2の周波数で、Z方向の位置を検出する界磁
コイル6E、Fを角速度ω3の周波数で励起する発振回
路14を備えている。
【0034】さらに、交流電源8は、発振回路14から
出力される交流の位相を変化させる位相シフト回路15
と、一対の界磁コイルに流す電流比を調整する電流比調
整回路13とを内蔵している。位相シフト回路15は、
発振回路14から出力される交流の位相を、たとえば、
90度または180度変化させる。発振回路14と位相
シフト回路15から出力される交流は、角速度をω1、
ω2、ω3として、位相を90度、または180度シフト
したサイン波である。
【0035】交流電源8は、図に示すように、複数の発
振回路14で周波数の異なる交流を発生させることもで
きるが、マイクロコンピュータとD/Aコンバータとを
使用して、位相差が90度または180度で、周波数が
異なるサイン波を発生させることもできる。この交流電
源8は、マイクロコンピュータでデジタル量のサイン波
を作り、これをD/Aコンバータでアナログ量に変換す
る。
【0036】図9に示す電流比調整回路13は、連動す
る2連の可変抵抗器16である。2連の可変抵抗器16
は、発振回路14と位相シフト回路15の出力側に接続
されている。可変抵抗器16は、図の矢印で示すよう
に、互いに逆方向に摺動子を移動させる。一方の電流を
大きくして、他方の電流を小さくするためである。電流
比調整回路13に可変抵抗器16を使用する位置検出装
置は、交流電源を安価に製作できる。ただ、電流比調整
回路には、必ずしも可変抵抗器を使用する必要はない。
電流比調整回路は、図示しないがトランジスターやFE
T等の半導体素子を使用して、電気的に一対の界磁コイ
ルの電流比を調整することもできる。
【0037】電流比調整回路13は、センサーコイルの
移動距離に対して、位相の変化が大きくなるように調整
する。図5に示すように一対の界磁コイルを配設して、
その間に配設されたセンサーコイルに誘導される交流の
位相を示すグラフを、図10に示す。ただし、この図
は、界磁コイルの半径を100mm、一対の界磁コイル
の間隔を200mmとし、一対の界磁コイルを位相差を
170度として、界磁コイル6A:6Bに、1:1〜
1:3の電流比で交流を流したときに、センサーコイル
に誘導される交流の位相を示している。
【0038】この図に示すように、界磁コイルの電流比
で、センサーコイルに誘導される交流の位相が変化す
る。センサーコイルに誘導される交流は、大電流の界磁
コイルから離れて、小電流の界磁コイルに接近する位置
で、位相の変化が最大となる。図11は、界磁コイル間
の各位置におけるセンサーコイルの交流位相の変化率を
示している。界磁コイル6Aに対して、界磁コイル6B
の電流を大きくするほど、位相の変化率が最大になる部
分は、界磁コイル6Aに接近する。センサーコイルは、
変位に対して位相の変化が最大になる位置で、もっとも
高感度に変位を検出できる。
【0039】したがって、センサーコイルが界磁コイル
6Aに接近して配設されるほど、界磁コイル6Aに対す
る界磁コイル6Bの電流を大きく調整して、変位に対す
る位相の変化が最大になるように調整する。すなわち、
センサーコイルが一対の界磁コイルの中心からずれるに
したがって、センサーコイルが離れる界磁コイルの電流
を大きく、センサーコイルが接近する界磁コイルの電流
を小さくなるように、電流比調整回路13で一対の界磁
コイルの電流比を調整して、変位に対する位相の変化が
最大になるようにする。
【0040】演算手段7は、3組のセンサーコイル5に
誘導される交流をフィルター手段9で周波数別に選択
し、特定周波数の位相と振幅を検出して、センサーコイ
ル5の位置を演算する。図8に示す演算手段7は、界磁
コイル6とセンサーコイル5から入力される信号から、
特定周波数の交流を選別して取り出すフィルター手段9
であるアナログフィルターと、アナログフィルターから
出力される交流を矩形波に整形する波形整形回路10
と、この波形整形回路10の出力を比較するエクスクル
ーシブオア回路11と、このエクスクルーシブオア回路
11の出力パルスの時間幅を測定して位相差を検出する
カウンター12を備える。
【0041】アナログフィルターは、界磁コイル6を励
磁し、センサーコイル5に誘導される周波数の信号のみ
を通過させるバンドパスフィルターである。図8に示す
演算手段7は、X、Y、Z軸方向の位置を検出するため
に、3組のアナログフィルターを備える。X軸方向の位
置を検出するためのアナログフィルターは、角速度ω1
の周波数成分のみを通過させる。Y軸方向、Z軸方向を
検出するためのアナログフィルターは、角速度がω2、
ω3である周波数成分のみを通過させる。
【0042】センサーコイル5には界磁コイル6を励磁
する周波数の信号が誘導されるので、界磁コイル6とセ
ンサーコイル5に接続される一対をなすアナログフィル
ターは、同じ周波数の信号を通過させるバンドパスフィ
ルターである。アナログフィルターは、一般的に、入力
側と出力側とで位相がずれる特性を有する。図8に示す
演算手段7は、界磁コイル6とセンサーコイル5の信号
の位相差を検出して位置を検出する。アナログフィルタ
ーを通過するときにできる信号の位相差は、位置を検出
する誤差の原因となる。位相差による誤差を解消するた
めに、界磁コイル6とセンサーコイル5とに接続される
二つのアナログフィルターは、通過する信号の位相差を
同じに調整する。両方のアナログフィルターで位相差が
発生しても、同じように位相がずれると、その界磁コイ
ル6とセンサーコイル5の信号の位相差は同じとなるか
らである。
【0043】波形整形回路10は、アナログフィルター
を通過した信号が入力される。波形整形回路10は二つ
あり、一方には界磁コイル6を励磁するサイン波、又は
コサイン波いずれかの交流を加え、他方の波形整形回路
10には、センサーコイル5に誘導された交流を加える
(図12の(1)、(2)の入力波形)。波形整形回路
10は、入力される信号を、図12の(3)、(4)で
示す矩形波に整形する。
【0044】エクスクルーシブオア回路11は、両入力
信号の位相差成分を取り、図12の(5)に示すよう
に、位相差に相当するパルス幅tの信号を出力する。出
力信号のパルス幅tがカウンター12で測定され、カウ
ンター12の出力が位相差を表示する。
【0045】いま仮に、波形整形回路10の一方に、サ
イン波を入力し、この状態で、センサーコイル5がサイ
ン波で励磁される一方の界磁コイル6に接近すると、セ
ンサーコイル5に誘導される交流の位相は、図12の
(2)の矢印で示す方向に位相がずれてサイン波に近付
き、波形整形回路10の出力信号の位相差が少なくな
る。したがって、エクスクルーシブオア回路11の出力
信号のパルス幅tは短く、カウンター12の計測値は低
くなる。反対に、センサーコイル5がサイン波で励磁さ
れる界磁コイル6から離れ、コサイン波で励磁される界
磁コイル6に近付くと、センサーコイル5に誘導される
交流は、サイン波から位相のずれが大きくなり、エクス
クルーシブオア回路11の出力パルス幅が広く、カウン
ター12の計測値が高くなる。
【0046】カウンターの計測値は、X、Y、Z軸の変
位量に対して、直線的に変化しない。したがって、図1
0に示す特性曲線をコンピュータに記憶させ、これに基
づいて、検出した位相差から移動位置を演算して、正確
に位置を検出できる。
【0047】以上の実施の形態は、界磁コイル6を位相
差90度の交流で励磁したが、位相差は必ずしも90度
にする必要はなく、両界磁コイル6に流す交流に位相差
がある限り使用できる。ただし、界磁コイル6の位相差
が少ないと、測定精度が低下する。
【0048】図8に示す演算手段7は、アナログフィル
ターで検出した信号を周波数別に選別している。ただ
し、本発明の位置検出装置は、演算手段7を図8に示す
回路に特定しない。演算手段7にはマイクロコンピュー
タを使用することもできる。マイクロコンピュータは、
センサーコイル5に誘導される信号を内蔵するA/Dコ
ンバータでデジタル量に変換し、これを演算してセンサ
ーコイル5のX、Y、Z軸の位置を計算できる。マイク
ロコンピュータは、センサーコイル5に誘導される信号
を、FFT等の数学的な手法を用いてフーリエ級数に展
開し、フーリエ級数から角周波数成分の位相のずれを求
めてセンサーコイル5のX、Y、Z軸方向の位置を計算
する。マイクロコンピュータを使用した演算手段7は、
アナログフィルターのような調整を必要とせず、安価に
多量生産できる。
【0049】図8に示す人体用の位置検出装置は、3組
の界磁コイル6を、それぞれ異なる周波数で同時に励起
する。すなわち、界磁コイル6Aと6Bを角速度ω1の
交流で、界磁コイル6Cと6Dを角速度ω2の交流で、
界磁コイル6Eと6Fを角速度ω3の交流で励起する。
ただ、本発明の人体用の位置検出装置は、図13に示す
ように、界磁コイル6A、6B、6C、6D、6E、6
Fを、角速度ω1、ω2、ω3の3つの周波数を含む交流
で励起して、複数組の界磁コイルを異なる周波数で同時
に励起することもできる。演算手段7のフィルター手段
9が、各界磁コイル6の交流を周波数別に選別して位置
を演算できるからである。ただし、界磁コイル6A、6
C、6Eを励起する交流と、界磁コイル6B、6D、6
Fを励起する交流とは、位相差のある交流を使用する。
このように、複数の界磁コイルを同じ信号で励起する人
体用の位置検出装置は、回路を簡素化できる特長があ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明の位置検出装置は、センサーコイ
ルを必ずしも一対の界磁コイルの中央に配設することな
く、その変位を正確に検出できる特長がある。それは、
本発明の位置検出装置が、一対の界磁コイルを位相差の
ある交流で励起して、その間に配設されたセンサーコイ
ルに誘導される交流の位相で位置を検出し、さらに、一
対の界磁コイルに流す電流比を電流比調整回路で調整し
て、センサーコイルの変位に対する位相の変化を大きく
調整できるからである。
【0051】センサーコイルの変位に対する位相の変化
は、センサーコイルの両端に位置する界磁コイルの電流
比を調整することで、容易に変更することができる。つ
まり、センサーコイルの位置の変動に対する位相変位を
最大にするよう、調整することができる。したがって、
界磁コイル間のセンサーコイルの位置に応じて、最良の
測定結果が得られるよう設定できるので、極めて感度の
高い位置検出が実現される。
【0052】このため、本発明の位置検出装置は、従来
のように位置変位に対する感度の最も高い位置に、あら
かじめセンサーコイルを正確に配置する必要がなく、極
めて便利に使用できる特長が実現される。また本発明の
位置検出装置は、このような正確な位置決めを行う手間
を省くことができることに加え、構造上センサーコイル
を界磁コイルの中央に配置することができない場合にお
いても、最適な測定結果が得られる状態に変更して使用
することができる。このように、本発明の位置検出装置
は、極めて自由度の高い位置検出を、簡単な構造によっ
て実現できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の人体用の立体変位センサーの使用状態の
一例を示す斜視図
【図2】図1に示す立体変位センサーのX軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図3】図1に示す立体変位センサーのY軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図4】図1に示す立体変位センサーのZ軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図5】立体変位センサーがセンサーコイルの位置を検
出する動作原理を示す斜視図
【図6】球面シェルを使用した位置検出装置を示す概略
斜視図
【図7】電流の等しい界磁コイル間の各位置におけるセ
ンサーコイルに誘導される交流の位相変化を示すグラフ
【図8】本発明の実施例にかかる位置検出装置の演算手
段と交流電源の回路図
【図9】図8の交流電源を示す回路図
【図10】電流比の異なる界磁コイル間の各位置におけ
るセンサーコイルに誘導される交流位相を示すグラフ
【図11】電流比の異なる界磁コイル間の各位置におけ
るセンサーコイルに誘導される交流位相の変化率を示す
グラフ
【図12】図8に示す演算手段の各点の波形を示すグラ
【図13】本発明の他の実施例にかかる位置検出装置の
演算手段と交流電源の回路図
【符号の説明】
1…球面シェル 2…キャップ 4…取付部材 5…センサーコイル 6…界磁コイル 6A…界磁コイル 6B…界磁コイ
ル 6C…界磁コイル 6D…界磁コイ
ル 6E…界磁コイル 6F…界磁コイ
ル 7…演算手段 8…交流電源 9…フィルター手段 10…波形整形回路 11…エクスクルーシブオア回路 12…カウンター 13…電流比調整回路 14…発振回路 15…位相シフト回路 16…可変抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 7/00 - 7/34 102 G01D 5/00 - 5/252 G01B 5/39 - 5/62 A61B 5/06 - 5/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の界磁コイル(6)と、一
    対の界磁コイル(6)に位相差のある交流電流を流す交流
    電源(8)と、一対の界磁コイル(6)の間に配設されるセン
    サーコイル(5)とを備え、センサーコイル(5)に誘導され
    る交流の位相でセンサーコイル(5)の位置を検出する位
    置検出装置において、 交流電源(8)が、一対の界磁コイル(6)に流す電流比を調
    整する電流比調整回路(13)を備えることを特徴とする位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 3組の界磁コイル(6)が互いに直交する
    面内に配設されてなる請求項1に記載される位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 センサーコイル(5)が人体の動く部分に
    固定される請求項1に記載される位置検出装置。
JP10377165A 1998-12-29 1998-12-29 位置検出装置 Expired - Fee Related JP2989600B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10377165A JP2989600B1 (ja) 1998-12-29 1998-12-29 位置検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10377165A JP2989600B1 (ja) 1998-12-29 1998-12-29 位置検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2989600B1 true JP2989600B1 (ja) 1999-12-13
JP2000193409A JP2000193409A (ja) 2000-07-14

Family

ID=18508365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10377165A Expired - Fee Related JP2989600B1 (ja) 1998-12-29 1998-12-29 位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2989600B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017149010A1 (de) * 2016-03-01 2017-09-08 Ignident Gmbh Vorrichtung und verfahren zur vermessung einer unterkieferbewegung
WO2018130656A1 (de) * 2017-01-13 2018-07-19 Ignident Gmbh Vorrichtung und verfahren zur vermessung einer unterkieferbewegung

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005094677A1 (ja) 2004-03-31 2005-10-13 Japan Science And Technology Agency 生体内3次元運動測定装置及びその方法
US10240909B2 (en) * 2016-10-17 2019-03-26 The Boeing Company Three-dimensional gap measurement systems and methods

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017149010A1 (de) * 2016-03-01 2017-09-08 Ignident Gmbh Vorrichtung und verfahren zur vermessung einer unterkieferbewegung
EP3422996B1 (de) * 2016-03-01 2021-08-25 Ignident GmbH Vorrichtung und verfahren zur vermessung einer unterkieferbewegung
US11452585B2 (en) 2016-03-01 2022-09-27 Ignident Gmbh Device and method for measuring a movement of a mandible
WO2018130656A1 (de) * 2017-01-13 2018-07-19 Ignident Gmbh Vorrichtung und verfahren zur vermessung einer unterkieferbewegung
US11576767B2 (en) 2017-01-13 2023-02-14 Ignident Gmbh Device and method for measuring a movement of a mandible

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000193409A (ja) 2000-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4183753B2 (ja) 放射器の較正
JP4612915B2 (ja) 歯の噛み合わせ測定装置
JP2989600B1 (ja) 位置検出装置
JP2835603B2 (ja) 人体用の変位センサー
JP4324386B2 (ja) 顎運動の測定装置
JP3130289B2 (ja) タッチ信号プローブ
US10928465B2 (en) Magnetic transmitters for a magnetic tracking system
JP4612914B2 (ja) 顎運動の測定装置
JP4665051B2 (ja) 顎運動の測定装置とこれに使用されるセンサコイルの製造方法
CN108519563A (zh) 一种基于非晶丝的高分辨率正交磁通门三轴磁强计及其制造技术
JP2613177B2 (ja) 人体用の立体変位センサー
JP4369839B2 (ja) 回転センサ
JPH0551293B2 (ja)
WO2003006922A1 (en) Apparatus for determining orientation relative to a magnetic field in a three dimensional space
US6469501B1 (en) Conductive system for measuring the linear and angular positions of one object relative to another
JPH01104248A (ja) 顎運動の測定装置
JPS62100671A (ja) 磁界測定方法
JPS62179432A (ja) 顎運動の測定装置
RU2032882C1 (ru) Электромагнитный преобразователь пространственных перемещений
JP2002082006A (ja) 電磁誘導式力覚センサ
CN116068467A (zh) 一种磁传感器芯片测试装置
JP3051632U (ja) 小型磁界測定器
JP2003307404A (ja) 形状測定方法および形状測定装置
JPH10274525A (ja) 傾斜センサとそれを搭載した電子機器
JPH01276082A (ja) 磁気センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees