JPH10274525A - 傾斜センサとそれを搭載した電子機器 - Google Patents

傾斜センサとそれを搭載した電子機器

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JPH10274525A
JPH10274525A JP9079837A JP7983797A JPH10274525A JP H10274525 A JPH10274525 A JP H10274525A JP 9079837 A JP9079837 A JP 9079837A JP 7983797 A JP7983797 A JP 7983797A JP H10274525 A JPH10274525 A JP H10274525A
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JP
Japan
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tilt
magnetic
magnetic core
inclination
electronic device
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JP9079837A
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Norio Miyauchi
則雄 宮内
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜センサの小型化と傾斜センサの腕時計へ
の搭載と多機能化を課題とする。 【解決手段】 磁性流体2と磁心9と該磁心9に巻回さ
れた励磁コイル7と傾斜角を検出する検出コイル8から
成る傾斜センサ1において、該傾斜センサ1は、非磁性
容器3に注入かつ密閉された磁性流体2を有し、前記磁
心9は、前記容器の外周面を囲む、狭路45aでつなが
った左右の磁極6、4および左右の磁極6、4につなが
らない中央の磁極5を有し、容器3の中心と中央の磁極
5に結合する中央の磁心部を結ぶ線分XーXに対して左
右対称の形状であり、励磁コイル7は、左右の磁極に結
合する左下の磁心部64と右下の磁心部68に連続して
巻回され、検出コイル8は該中央の磁心部10に巻回さ
れていることを特徴とするものであり、この傾斜センサ
を電子機器に組み込んである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性流体を採用し
て傾斜角を検出するための検出コイルを有する傾斜セン
サの構造、およびこの傾斜センサを組み込んだ電子機器
の機能に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々のセンサ技術が開発され、こ
のようなセンサ技術を適用した電子機器が種々製品化さ
れている。その中に、傾斜角を測定して、防犯用に使用
されるものも出現してきた。この傾斜センサは磁性流体
を応用して作られるもので、その開発の一例として、特
開昭61ー207915号公報に開示されたようなもの
がある。
【0003】特開昭61−207915号公報に開示さ
れている傾斜センサを図12に示す。該傾斜センサ50
は、容器52に入った磁性流体51、該磁性流体51に
接する足53a、53bと該足をつなぐ胴53cを有す
る開磁路磁心53、該開磁路磁心53の胴53cに巻回
した励磁コイル56、該開磁路磁心53の足53a、5
3bに各々巻回し、両足の磁束の差を検出する検出コイ
ル54、55から構成される。
【0004】ここで、2個の傾斜センサから得られるX
軸とY軸方向への傾斜角に基づいて、傾斜方向とXY水
平面に対する傾斜角を算出する方法を説明する。図13
は傾斜方向とXY水平面に対する傾斜角を算出する方法
を説明するベクトル図である。図13(a)に示すよう
に、Z軸上の単位ベクトルez(0,0,1)は、Z軸
からX軸方向にθ、さらにY軸方向にφだけ傾斜すると
ez’に、あるいは図13(b)に示すように、Z軸か
らY軸方向にφ、さらにX軸方向にθだけ傾斜するとも
う1個のez’になる。よって前記単位ベクトルezは
数1、数2に示すように2個のez’ に変換される。
ここで、θ、φはそれぞれ2個の傾斜センサから得られ
るX軸とY軸方向への傾斜角となる。
【0005】 eZ’=(sinθ,cosθ・sinφ,cosθ・cosφ) (数 1)
【0006】 eZ’=(sinθ・cosφ,sinφ,cosθ・cosφ) (数 2)
【0007】数1、数2により、図13に示す傾斜方向
αとZ軸からの傾斜角βを算出すると、数3、数4に示
すようになり、XY水平面からの傾斜角はπ/2ーβと
なる。ただし、傾斜方向αは、2値となるので平均をと
る。
【0008】 α=(arctan(sinφ/tanθ) +arctan(tanφ/sinθ))/2 (数3)
【0009】 β=arccos(cosθ・cosφ) (数4)
【0010】図12に示す従来の傾斜センサの平面図に
より、傾斜センサ50の傾斜の測定原理について図13
を参考にして説明する。傾斜センサ50が、図13に示
すように、XY水平面からez’方向(ez’が傾斜セ
ンサ50の傾斜測定方向になる)に傾斜角π/2ーβ傾
斜すると、図12に示すように、開磁路磁心53の足5
3a、53bに対して磁性流体51の液面51aが傾斜
し、この時、励磁コイル56に交流の励磁電流を流して
励磁コイル56を励磁すると、磁性流体51の液面51
aに接する開磁路磁心53の両足53a、53b付近の
お互いの、磁束の通りにくさを表わす磁気抵抗は、接す
る磁性流体51の量に応じて異なるため、両足53a、
53bを通る磁束には、差が生じ、検出コイル54、5
5を貫く磁束にも差が生じて、該検出コイル54、55
に発生する電圧に差が生じることになるので、この電圧
の差を傾斜角π/2ーβとして検出できる。以上によ
り、傾斜センサ50が傾斜を測定する傾斜測定面は紙面
になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
傾斜センサ50には小型化が難しいという問題がある。
つまり、小型化するために磁性流体51の入った容器5
2を小さくしようとすると、開磁路磁心53の両足53
a、53b間距離が小さくなり、励磁コイル56によっ
て発生する磁束は、磁性流体51を通らずに開磁路磁心
53の両足53a、53b間を通ってしまうので該傾斜
センサの検出コイルの出力差が減小してしまうという問
題が発生する。
【0012】また、従来の傾斜センサ50を、例えば小
型の電子機器である腕時計に搭載するため、図12に示
すZ方向が文字板に垂直になるように腕時計内に設置し
ようとすると、磁性流体容器52、検出コイル54、5
5、励磁コイル56がZ方向に重なっているため、傾斜
センサ50のZ方向の厚みが厚く、腕時計はかなり厚く
なるので、腕時計として使いにくくなるという問題があ
った。
【0013】一方、腕時計内に傾斜センサを収めようと
するには文字板に平行になるように配置すればよいが、
そこで図12に示すZ方向が文字板と平行になるよに腕
時計内に設置すると、腕時計は厚くならないが、傾斜を
測定するときに、図12に示す傾斜の測定方向を傾斜面
に向けなければならないので、毎回、腕時計を腕からは
ずさなければならないという使いにくさの問題があっ
た。
【0014】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、(1)小型化の容易な傾斜センサ(2)腕につけた
状態でも傾斜角を容易に測定できる多機能傾斜センサ付
電子機器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】磁性流体と磁心と該磁心
に巻回された励磁コイルと傾斜角を検出する検出コイル
から成る傾斜センサにおいて、該傾斜センサは、非磁性
容器に注入かつ密閉された磁性流体を有し、前記磁心
は、前記容器の外周面を囲む左右の磁極および該左右の
磁極につながらない中央の磁極を有し、容器の中心と中
央の磁極に結合する中央の磁心部を結ぶ線分に対して左
右対称の形状であり、励磁コイルは、左右の磁極に結合
する磁心部に巻回され、検出コイルは該中央の磁心部に
巻回されていることを特徴とする。
【0016】前記傾斜センサの励磁コイルを検出コイル
として、検出コイルを励磁コイルとして使用することを
特徴とする。
【0017】前記磁心は、略L字型をしており、該略L
字型の一方には、磁性流体が注入された容器が配置さ
れ、もう一方には、前記励磁コイルと検出コイルが巻回
されていることを特徴とする。
【0018】傾斜センサを有する電子機器は、それぞれ
の傾斜センサ出力の検出手段、水平面に対する傾斜角を
算出する演算手段と、該水平面に対する傾斜角を表示す
る表示手段を有すること特徴とする。
【0019】傾斜センサは、傾斜測定面が電子機器の表
示板面に垂直になるように、電子機器に設置されている
ことを特徴とする。
【0020】2個の傾斜センサは、同一面内にお互いの
傾斜測定面が直交するように電子機器に設置されている
ことを特徴とする。
【0021】電子機器は、傾斜センサを対象物に照準す
る照準器を有することを特徴とする。
【0022】電子機器は、対象物と測定点までの距離を
入力、あるいは、対象物の高さを入力する手段、対象物
の高さ、あるいは、対象物と測定点までの距離を算出す
る演算手段と、該対象物の高さ、あるいは、対象物と測
定点までの距離を表示する表示手段を有することを特徴
とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面に基づいて詳述する。初めに本発明の傾斜センサの
構造を説明する。図1は本発明の第1の傾斜センサの斜
視図である。
【0024】傾斜センサの構成は以下のようである。傾
斜センサ1は、円板状の非磁性容器3に注入かつ密閉さ
れた磁性流体2を有し、磁心9は、該容器の円筒面を囲
む、狭路45aでつながった左右の磁極6、4および該
左右の磁極6、4につながらない中央の磁極5と、中央
の磁極5に結合する中央の磁心部10と、左の磁極6に
結合する左上の磁心部63、該左上の磁心部63に結合
する左中央の磁心部62、該左中央の磁心部62に結合
しかつ端部69で中央の磁心部10に結合する左下の磁
心部64を有する左の磁心部61と、右の磁極4に結合
する右上の磁心部67、該右上の磁心部67に結合する
右中央の磁心部66、該右中央の磁心部66に結合しか
つ端部69で中央の磁心部10に結合する右下の磁心部
68を有する右の磁心部65から構成されている。磁心
9は、容器3の中心と中央の磁極5に結合する中央の磁
心部10を結ぶ線分XーXに対して左右対称の形状であ
り、励磁コイル7は、左右の磁極6、4に結合する左下
の磁心部64と右下の磁心部68に連続して巻回され、
検出コイル8は中央の磁心部10に巻回されている。
【0025】前記3個の磁極、すなわち、左右の磁極
6、4が狭路45aでつながり、中央の磁極5が該左右
の磁極6、4につながってないのは、該磁極間の磁気抵
抗を大きくし、励磁コイルによって発生し、左右、中央
の磁極6、4、5に入る磁束ができるだけ磁性流体2を
経由して他の磁極に入るようにするためである。円筒状
の容器3を非磁性にするのは、傾斜センサ1の傾斜感度
を生じさせるために、励磁コイル7によって発生された
磁束に円筒状の容器3に遮られることがなく磁性流体2
を通させるためである。さらに、本実施例において、前
記容器の形状は、円板状であるが、傾斜センサの傾斜角
の検出精度を落とさないかぎりにおいては、正多角形状
でもよく、円板状にこだわるものでない。ただし、容器
はX−Xに対して左右対称になる位置に配置される必要
がある。
【0026】次に、傾斜センサ1の傾斜測定の原理を説
明する。まず、励磁コイル7に正弦波状の励磁電流を印
加する。ここで、傾斜センサ1が、図13に示すよう
に、XY水平面からez’方向に傾斜角π/2ーβ傾斜
すると、容器3に注入かつ密閉された磁性流体2は、該
磁性流体2の、容器3に接触していない面が水平になる
ように、容器3の内部を移動し、その結果、左右の磁極
6、4に接する磁性流体の量が異なり、左右の磁極6、
4付近の磁束の通りにくさを表わす磁気抵抗は異なり、
線分X−Xに対する左右磁気対称性が崩れ、励磁コイル
7によって発生する磁束が中央の磁極5を通って検出コ
イル8を巻回した中央の磁心部10に流れ、検出コイル
8に前記傾斜センサ1の傾斜角に対応した誘起電圧が発
生するので該誘起電圧の大きさを傾斜角π/2ーβとし
て検出できる。
【0027】図15は傾斜測定面の説明図である。図1
5により、傾斜センサ1が傾斜を測定する傾斜測定面を
説明する。傾斜測定面は、図15に示すように紙面とな
り、容器3の円板面13と平行な面となる。傾斜センサ
1がXY水平面150に置かれたときには、測定される
傾斜角は零度になり、傾斜センサ1が斜面a153上に
置かれたときには(傾斜センサ1はXY水平面150か
らez1’方向に傾斜角π/2−β1で傾斜する)、測
定される傾斜角は傾斜角151、π/2−β1となり、
同様に、傾斜センサ1が斜面b154に置かれたときに
は(傾斜センサ1はXY水平面150からez2’方向
に傾斜角π/2−β2で傾斜する)、測定される傾斜角
は傾斜角152、π/2−β2となる。
【0028】傾斜センサ1が水平のときは、左右の磁極
6、4に接する磁性流体の量が同じになり、かつ、磁心
9の形状は、容器3の中心と中央の磁心部10の中央を
結ぶ線分XーXに対して、左右対称なので、磁心9は線
分X−Xに対して磁気的にも対称になり、励磁コイル7
によって発生した磁束は、左右の磁心部61、65、左
右の中央の磁心部62、66、左右上の磁心部63、6
7、左右の磁心6、4、狭路45aと磁性流体で形成さ
れる磁気回路のみを流れ検出コイル8を巻回した中央の
磁針部10を流れないので検出コイル8には出力が生じ
ない。よって、検出コイル8の出力が零の時を、傾斜角
が零と定義できる。ここで、励磁電流が、逆向きに励磁
コイル7に印加された場合も、前記磁束の方向が逆方向
になるだけで同様であり説明を省略する。
【0029】図14は本発明の第2の傾斜センサの斜視
図であり、励磁コイルを巻回する磁心部の位置のみが図
1に示す傾斜センサと異なり他は同じである。励磁コイ
ル70は傾斜センサ110の磁心9の左中央の磁心部6
2と右中央の磁心部66に連続して巻回されている。
【0030】図2は本発明のさらに第3の傾斜センサの
斜視図である。傾斜センサ111の磁心90のX−X断
面は、略L字型をしており、該略L字型の一方には、磁
性流体2が注入された容器3が配置され、もう一方に
は、励磁コイル7と検出コイル8が巻回されており、他
の構成は図1に示す本発明の傾斜センサ1と同様である
ので説明を省略する。
【0031】図2に示す傾斜センサ111はX−X断面
がL字型で薄型、小型であり、以下で説明するように電
子機器に搭載し易い形状をしている。
【0032】次に本発明の傾斜センサを電子機器に採用
した構成について説明する。電子機器として携帯型の最
も代表的な例である腕時計を用いて説明する。
【0033】図3は傾斜センサX11を1個腕時計へ組
み込んだ図を示す。まず、図3の構成を説明する。傾斜
センサX11は、磁性流体2が注入された円板状容器3
の円板面13が文字板16に垂直(傾斜センサX11の
傾斜測定面が文字板16に垂直になる)に、またバンド
32の長さ方向に平行になるように時計ケース30内に
設置される。傾斜センサX11は略L字型をしているた
め、時計ケース30を厚くすることはない。
【0034】図4に示す第1の傾斜角測定ブロック図に
より、本発明の傾斜センサによる傾斜角の測定を説明す
る。まず、傾斜センサドライバ20は傾斜センサX11
の励磁コイルに正弦波状の交流励磁電流を印加する。傾
斜センサX11の出力を増幅する入力アンプ21a、傾
斜センサドライバ20の発生する交流励磁電流の周波数
のみを選別する狭帯域フィルタ21bとアナログ信号を
ディジタル信号に変換するA/Dコンバータ21cから
構成される検出手段21は、傾斜センサドライバ20に
励磁電流検出手段201を介して接続され、傾斜方向が
正負どちらなのかを割り出すために必要な、交流励磁電
流の正負に対応するディジタル信号をA/Dコンバータ
21cへ出力する励磁電流検出手段201からの出力に
より、傾斜センサX11の検出コイルのピーク出力に対
応する正負付検出データ(正負は傾斜方向に対応する)
を演算手段22に出力する。
【0035】該検出データを記憶するメモリー22aと
該メモリー22aとメモリー手段1、23のそれぞれの
メモリーデータから傾斜角を算出する演算回路22bか
ら構成される演算手段22は、該検出データとメモリー
手段1、23にすでにメモリーされた傾斜角データ(検
出データに対応するデータと傾斜角の対応テーブル)を
参照して傾斜角を算出し、液晶ドライバ24に出力す
る。該液晶ドライバ24は、液晶表示体25に水平面に
対する傾斜角26(この場合、15度)を表示する。な
お、前記励磁電流検出手段201は同様な機能を有する
励磁電圧検出手段に置き換えることができる。
【0036】次に、図16に示す励磁検出切換手段を有
した第2の傾斜角測定ブロック図により、本発明の傾斜
センサによる傾斜角の測定を説明する。図16は図4と
励磁検出切換手段27を除いて同一なので、図17に示
す検出コイル電圧の傾斜角変化のグラフを使って、傾斜
センサドライバ20、検出手段21の入力アンプ21a
と傾斜センサX11の励磁コイル、検出コイルに接続
し、演算手段22の演算回路22bの出力信号により励
磁コイルを検出コイルに、検出コイルを励磁コイルに切
り換える励磁検出切換手段27の機能についてのみ説明
する。なお、図17に示す検出コイル電圧の傾斜角変化
のグラフは予め傾斜角データとしてメモリー手段1、2
3にメモリーされる。
【0037】まず、図17を説明する。検出コイル電圧
の傾斜角変化のグラフ170は図2における励磁コイル
7を励磁して検出コイル8で傾斜角を検出したときのデ
ータであり、検出コイル電圧が傾斜角に対してほぼリニ
アに変化する、最小検出コイル電圧170aと最大検出
電圧171aから成る直線部171と最小検出コイル電
圧170aと最大検出電圧172aから成る直線部17
2を有し、傾斜角が40度から90度では傾斜角が大き
くなるにつれて飽和し減小し、また、同様に傾斜角が−
40度から−90度では傾斜角の絶対値が大きくなるに
つれて飽和し減小する。
【0038】一方、グラフ173は図2における検出コ
イル8を励磁して励磁コイル7で傾斜角を検出したとき
のデータであり、検出コイル電圧が傾斜角に対してリニ
アに変化する、最小検出コイル電圧174bと最大検出
電圧174aから成る直線部174と最小検出コイル電
圧175bと最大検出電圧175aから成る直線部17
5を有し、傾斜角が70度から90度では傾斜角が大き
くなるにつれて飽和し、また、同様に傾斜角が−70度
から−90度では傾斜角の絶対値が大きくなるにつれて
飽和する。なお、グラフ170、グラフ173が傾斜角
0度を中心に左右対称形にならず、それぞれの最小検出
コイル電圧170a、173aとそれぞれに対する傾斜
角170b、173bがそれぞれ0mv、0度にならな
いが、傾斜角測定上問題とならない。図2における磁心
90がX−Xにたいして左右対称にできてないことが主
にこの原因である。
【0039】グラフ170の直線部171、172とグ
ラフ173の直線部174と175を使った傾斜角の測
定方法を説明する。直線部171を使って、最小検出コ
イル電圧170aから最大検出コイル電圧171aま
で、つまり傾斜角−5度(170bで示す)から40度
まで測定する。40度以上の傾斜角に対しては、励磁検
出切換手段27は検出コイル8の検出コイル電圧が最大
検出コイル電圧171aを越えたという内容の信号を演
算手段22の演算回路22bから入力し、励磁コイル7
を検出コイルに、検出コイル8を励磁コイルに切り換え
る。
【0040】グラフ173の直線部174を使って、最
小検出コイル電圧174bから最大検出コイル電圧17
4aまで、つまり傾斜角40度から70度まで測定する
ことになる。また、直線部172を使って、最小検出コ
イル電圧170aから最大検出コイル電圧172aま
で、つまり傾斜角−5度から−40度まで測定する。−
40度以上の傾斜角に対しては、励磁検出切換手段27
は検出コイル8の検出コイル電圧が最大検出コイル電圧
172aを越えたという内容の信号を演算手段22の演
算回路22bから入力し、励磁コイル7を検出コイル
に、検出コイル8を励磁コイルに切り換える。グラフ1
73の直線部175を使って、最小検出コイル電圧17
5bから最大検出コイル電圧175aまで、つまり傾斜
角−40度から−70度まで測定することになる。以上
の説明により励磁コイルと検出コイルの切り換えること
によって−40度から40度の傾斜角測定範囲を−70
度から70度の範囲へ広げられることがわかる。
【0041】次に、本発明の傾斜センサを電子機器に組
み込んだ他の構造について説明する。なお、図5は2個
の傾斜センサを腕時計へ組み込んだ図をである。まず、
図5の構成を説明する。傾斜センサX11と傾斜センサ
Y12の2個の傾斜センサは、磁性流体2が注入された
円板状容器3の円板面13が文字板16に垂直(傾斜セ
ンサX11と傾斜センサY12の傾斜測定面が文字板1
6に垂直になる)に、また傾斜センサX11の円板面1
1がバンド32の長さ方向に平行(傾斜センサX11の
傾斜測定面がバンド32の長さ方向に平行になる、傾斜
センサY12の傾斜測定面がバンド32の長さ方向に垂
直になる)になるように、時計ケース30内に設置され
る。
【0042】図6に示す他の実施形態である第3の傾斜
角測定ブロック図により、本発明の傾斜センサによる傾
斜角の測定原理ならびに構成を説明する。まず、傾斜セ
ンサドライバ200は傾斜センサX11、傾斜センサY
12の励磁コイルに正弦波状の交流励磁電流を印加す
る。傾斜センサX11と傾斜センサY12の出力を選択
するセレクタ210dと傾斜センサX11と傾斜センサ
Y12の出力を増幅する入力アンプ210a、傾斜セン
サドライバ200の発生する交流励磁電流の周波数のみ
を選別する狭帯域フィルタ210bとアナログ信号をデ
ィジタル信号に変換するA/Dコンバータ210cから
構成される検出手段210は、傾斜センサドライバ20
0に接続され、傾斜方向が正負どちらなのかを割り出す
ために必要な、交流励磁電流の正負を対応するディジタ
ル信号をA/Dコンバータ210cへ出力する励磁電流
検出手段202からの出力により、傾斜センサX11、
傾斜センサY12のそれぞれの検出コイルのピーク出力
に対応する正負付検出データを演算手段220に出力す
る。
【0043】該演算手段220は、該検出データとメモ
リー手段1、23にすでにメモリーされた傾斜角データ
(傾斜センサX11と傾斜センサY12に対応する2個
の、検出データに対応するデータと傾斜角の対応テーブ
ル)を参照し、さらに数3と数4を使用して、傾斜方向
と水平面に対する傾斜角を算出し、液晶ドライバ240
に出力する。該液晶ドライバ240は、液晶表示体25
0にX軸から55度の傾斜方向27と水平面に対する傾
斜角26(この場合、15度)を表示する。
【0044】 α=(arctan(sinφ/tanθ) +arctan(tanφ/sinθ))/2 (数3)
【0045】 β=arccos(cosθ・cosφ) (数4)
【0046】次に、照準器を使った対象物に対する仰角
の測定を説明する。図7は傾斜センサと照準器を有する
腕時計の構成を説明する平面図である。図7に示すよう
に、傾斜センサを対象物に照準する照準器31は、傾斜
センサX11の傾斜感度方向33と該照準器の軸方向3
8が一致するように時計ケース300に取り付けられ
る。
【0047】図8は照準器の使い方の説明図である。図
9は照準器使用時の傾斜角測定ブロック図である。図1
0は対象物の高さと距離を求めるための説明図である。
図11は対称物の高さあるいは距離を求めるときの操作
手順と腕時計の状態図である。次に、図7〜図10を用
い、図11のフローに従って、対象物の高さあるいは対
象物までの距離の測定方法を説明する。最初にボタン3
4をプッシュする。すると、S1の如く、高さ、距離測
定モード状態が選択される。次に、図8(a)に示すよ
うに、まず高さあるいは距離を測定しようとする対象物
に照準器31の軸方向38を向ける。つぎに、高さある
いは距離を測定しようとする対象物を目40を通して図
(b)で示す照準器31の十字線43の交点に合わせ
る。すると、S2の如く、測定可能状態になるので、ボ
タン35をプッシュと、S3の如く、測定開始になる。
ここで、図9に示す傾斜角測定ブロック図にそって一連
の測定を説明する。
【0048】まず、傾斜センサドライバ200は傾斜セ
ンサX11、傾斜センサY12の励磁コイルに正弦波状
の交流励磁電流を印加する。検出手段210は、傾斜セ
ンサドライバ200に接続され、傾斜方向が正負どちら
なのかを割り出すために必要な、交流励磁電流の正負を
対応するディジタル信号をA/Dコンバータ210cへ
出力する励磁電流検出手段202からの出力により、傾
斜センサX11、傾斜センサY12のそれぞれの検出コ
イルのピーク出力に対応する正負付検出データを演算手
段221に出力し、S4の如く、測定終了になる。
【0049】次に、図10に示す対象物までの距離lを
求めるときは、ボタン36をプッシュすることによっ
て、対象物の高さを選択しボタン37で既知の対象物の
高さhを入力し、対象物の高さhを求めるときは、同様
にボタン36をプッシュすることによって、対象物まで
の距離を選択しボタン37で既知の対象物までの距離l
を入力する。すると、対象物の高さhあるいは、対象物
までの距離lは、メモリー手段2、29にメモリーさ
れ、S5の如く、距離あるいは高さの演算可能状態にな
るので、ボタン35をプッシュする。演算手段221
は、前記検出データとメモリー手段1、23にすでにメ
モリーされた傾斜角データとメモリー手段2、29にメ
モリーされた対象物の高さhあるいは、対象物までの距
離lを参照し、以下に示す、数5あるいは数6を使っ
て、それぞれ対象物までの距離l、対象物の高さhを算
出し、算出結果を液晶ドライバ241へ出力する。
【0050】l=h/tanθ (数5)
【0051】h=l・tanθ (数6)
【0052】ここで、図10に示すように、傾斜センサ
Xで測定される傾斜角は、測定点45から対象物に対す
る視線の地平線とのなす仰角θとなる。S6の如く、距
離あるいは高さの液晶表示状態になり、液晶ドライバ2
41は、液晶表示板251に対象物までの距離あるいは
対象物の高さを表示する。該液晶表示体251に表示さ
れる対象物の高さ28は、対象物が高層ビルの場合で高
層ビルまでの距離を入力して求めた高層ビルの高さ(こ
の場合、120m)である。次に、ボタン35をさらに
プッシュすることによって、S7の如く、測定方向と直
交する方向の傾斜表示状態になり、測定時の傾斜センサ
Yの傾斜測定方向の傾斜を表示できる。次に、ボタン3
4をプッシュして一連の操作を終了する。
【0053】本発明の実施の形態の以上の説明におい
て、液晶ドライバによって測定で得られた傾斜角を液晶
表示体に表示したが、該傾斜角を指針でも表示できるこ
とは言うまでもない
【0054】
【発明の効果】以上の詳細な説明によって示されたよう
に、請求項1、2、3に記載の本発明によれば、傾斜セ
ンサの薄型化、小型化、傾斜角測定範囲の拡大化が可能
であり、請求項4、5、6に記載の本発明によれば、本
発明の傾斜センサは腕時計に搭載可能であり、腕時計を
腕につけた状態で、傾斜を測定できるので、傾斜センサ
付腕時計の使い易さに効果がある。また、請求項7、8
に記載の本発明によれば、対象物の高さ、対象物までの
距離を測定できるので、傾斜センサ付電子機器の多機能
化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の傾斜センサの斜視図である。
【図2】本発明の第3の傾斜センサの斜視図である。
【図3】1個の傾斜センサを有する腕時計の構成を説明
する平面図でる。
【図4】第1の傾斜角測定ブロック図である。
【図5】2個の傾斜センサを有する腕時計の構成を説明
する平面図でる。
【図6】第3の傾斜角測定ブロック図である。
【図7】傾斜センサと照準器を有する腕時計の構成を説
明する平面図でる。
【図8】照準器の使い方の説明図である。
【図9】照準器使用時の傾斜角測定ブロック図である。
【図10】対象物の高さと距離を求めるための説明図で
ある。
【図11】対称物の高さあるいは距離を求めるときの操
作手順と腕時計の状態図である。
【図12】従来の傾斜センサの平面図である。
【図13】傾斜方向とXY水平面に対する傾斜角を算出
する方法を説明するベクトル図である。
【図14】本発明の第2の傾斜センサの斜視図である。
【図15】傾斜測定面の説明図である。
【図16】第2の傾斜角測定ブロック図である。
【図17】検出コイル電圧の傾斜角変化のグラフであ
る。
【符号の説明】
1 110 111 50 傾斜センサ 2 51 磁性流体 4 400 右の磁極 6 600 左の磁極 5 500 中央の磁極 7 56 励磁コイル 8 80 54 55 検出コイル 9 90 磁心 10 100 中央の磁心部 27 励磁検出切換手段 61 610 左の磁心部 65 650 右の磁心部 11 傾斜センサX 12 傾斜センサY 31 照準器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G04G 1/00 315 G04G 1/00 315Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性流体と磁心と該磁心に巻回された励
    磁コイルと傾斜角を検出する検出コイルから成る傾斜セ
    ンサにおいて、該傾斜センサは、非磁性容器に注入かつ
    密閉された磁性流体を有し、前記磁心は、前記容器の外
    周面を囲む左右の磁極および該左右の磁極につながらな
    い中央の磁極を有し、容器の中心と中央の磁極に結合す
    る中央の磁心部を結ぶ線分に対して左右対称の形状であ
    り、励磁コイルは、左右の磁極に結合する磁心部に巻回
    され、検出コイルは該中央の磁心部に巻回されているこ
    とを特徴とする傾斜センサ。
  2. 【請求項2】 前記傾斜センサの励磁コイルを検出コイ
    ルとして、検出コイルを励磁コイルとして使用すること
    を特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。
  3. 【請求項3】 前記磁心は、略L字型をしており、該略
    L字型の一方には、磁性流体が注入された容器が配置さ
    れ、もう一方には、前記励磁コイルと検出コイルが巻回
    されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜セン
    サ。
  4. 【請求項4】 傾斜センサを有する電子機器は、それぞ
    れの傾斜センサ出力の検出手段、水平面に対する傾斜角
    を算出する演算手段と、該水平面に対する傾斜角を表示
    する表示手段を有す傾斜センサ付電子機器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の傾斜センサは、傾斜測
    定面が電子機器の表示板面に垂直になるように、電子機
    器に設置されていることを特徴とする傾斜センサ付電子
    機器。
  6. 【請求項6】 2個の傾斜センサは、同一面内にお互い
    の傾斜測定面が直交するように電子機器に設置されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の傾斜センサ付電子
    機器。
  7. 【請求項7】 電子機器は、傾斜センサを対象物に照準
    する照準器を有することを特徴とする請求項5に記載の
    傾斜センサ付電子機器。
  8. 【請求項8】 電子機器は、対象物と測定点までの距離
    を入力、あるいは、対象物の高さを入力する手段、対象
    物の高さ、あるいは、対象物と測定点までの距離を算出
    する演算手段と、該対象物の高さ、あるいは、対象物と
    測定点までの距離を表示する表示手段を有することを特
    徴とする請求項7に記載の傾斜センサ付電子機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019128300A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 セイコーエプソン株式会社 電子時計、および電子時計の制御方法
JP2019128299A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 セイコーエプソン株式会社 電子時計、および電子時計の制御方法

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JP2019128300A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 セイコーエプソン株式会社 電子時計、および電子時計の制御方法
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