JPH10108395A - モータ用ロータ - Google Patents

モータ用ロータ

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JPH10108395A
JPH10108395A JP8259406A JP25940696A JPH10108395A JP H10108395 A JPH10108395 A JP H10108395A JP 8259406 A JP8259406 A JP 8259406A JP 25940696 A JP25940696 A JP 25940696A JP H10108395 A JPH10108395 A JP H10108395A
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JP
Japan
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rotor
shaft
plastic magnet
rotor shaft
concave portion
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JP8259406A
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English (en)
Inventor
Takuro Sawara
▲琢▼郎 佐原
Hisahiro Iida
尚弘 飯田
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温雰囲気下であってもプラスチックマグネ
ットに対するロータシャフトの固定強度を確保でき、高
温状態での信頼性を向上できるモータ用ロータを得る。 【解決手段】 プラスチックマグネット12の固定部1
8に対応してロータシャフト20の外周部に凹部32を
設けると共に、凹部32に対応して固定部18に凸部3
6を設けることによって、高温雰囲気下で凸部36が膨
張すると、凹部32の内壁が軸線方向へ向けて突っ張る
ように押圧される。これによりロータシャフト20の固
定強度が維持されるため、高温雰囲気下でのロータ10
の信頼性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PM型ステッピン
グモータ等のモータ用ロータに係り、特に車両の排気ガ
ス還元装置等の高温雰囲気下で使用されるPM型ステッ
ピングモータに好適なモータ用ロータに関する。
【0002】
【従来の技術】モータ用ロータ、例えば、図11に示さ
れるPM型ステッピングモータ用ロータ130はフェラ
イト粉末とナイロン系の熱可塑性樹脂材とを混合して形
成された略円筒形状のプラスチックマグネット132を
備えている。このプラスチックマグネット132の中心
には、ステンレス系の金属材料によって形成されたロー
タシャフト134がインサート成形により貫通状態で配
置されている。このロータシャフト134の軸線方向中
間部には、ロータシャフト134の他の部分よりも大径
の大径部136が形成されており、プラスチックマグネ
ット132の内周部から径方向内側へ向けて延出された
固定部138が大径部136を包み込んだ状態で大径部
136へ密着されている。これによって、プラスチック
マグネット132に対するロータシャフト134の変移
(ずれ)や抜けを防止している。このため、モータ組付
け状態においてプラスチックマグネット132の外側に
配置されたステータコア(図示省略)で発生した回転磁
界をプラスチックマグネット132が受けると、プラス
チックマグネット132とロータシャフト134が一体
的に回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ロータ130を用いたPM型ステッピングモータを、例
えば、車両の排気ガス還元装置の弁体開閉駆動用など、
摂氏120度前後の高温雰囲気下で用いると、周囲の熱
やモータ自体の発熱によってロータ130が加熱され、
プラスチックマグネット132とロータシャフト134
が膨張する(図12に図示された状態)。ここで、一般
的に、プラスチックマグネット132に用いられる熱可
塑性樹脂材の線膨張係数は、例えば、37.5×10-6
であるのに対して、ロータシャフト134を形成するス
テンレス材の線膨張係数は、例えば、17.3×10-6
と低い。このため、プラスチックマグネット132とロ
ータシャフト134の双方が膨張すると、固定部138
と大径部136との間に隙間Mが生じてロータシャフト
134の固定強度が低下するという問題があった。
【0004】本発明は、上記事実を考慮して、高温雰囲
気下であってもプラスチックマグネットに対するロータ
シャフトの固定強度を確保でき、高温状態での信頼性を
向上できるモータ用ロータを得ることが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のモータ用
ロータは、シャフトよりも線膨張係数が高い材料によっ
て形成されたプラスチックマグネットが、一体成形によ
り前記シャフトの外周部に固着されたモータ用ロータで
あって、前記シャフトの外周部に形成された凹部と、前
記プラスチックマグネットの前記凹部に入り込んで形成
され、熱膨張して前記凹部に挟持される凸部と、を備え
ることを特徴としている。
【0006】上記構成のモータ用ロータでは、プラスチ
ックマグネットに形成された凸部がシャフトに形成され
た凹部へ入り込んでいる。ここで、シャフトを形成する
材料よりもマグネットを形成する材料の方が線膨張係数
が高いため、高温雰囲気下では、凹部以上に凸部の体積
が膨張され、膨張した凸部が凹部の内周部分を突っ張る
ように押圧する。このため、シャフトの間の固定強度が
増加され、仮に、熱膨張差でシャフトとプラスチックマ
グネットとの間に隙間が生じたとしても、シャフトの凹
部に入り込んだプラスチックマグネットの凸部が凹部の
内周部分に押圧されて突っ張り作用によって挟持される
こととなるため、シャフトとプラスチックマグネットと
の確実な固定が維持される。
【0007】ここで、シャフトの外周部に形成される凹
部とは、シャフトの外周の外径が部分的に小径とされる
凹みであり、凸部が半径方向と略直交する方向に熱膨張
した場合に、この押圧力を受けて凸部を挟み込む一対の
内壁を備えている。したがって、シャフト外周へ互いに
離間した複数の凸部を設けることによって、これらの凸
部の間を実質的に凹んだ凹部としてもよい。また、プラ
スチックマグネットに形成される凸部は、シャフトの軸
線方向に膨張して凹部の内壁を押圧する場合以外に、シ
ャフトの接線方向へ膨張して凹部の内壁を押圧するもの
であってもよい。
【0008】請求項2記載のモータ用ロータは、請求項
1記載のモータ用ロータにおいて、前記凹部の底部にお
ける前記シャフトの軸線に対して直交する断面形状が、
非円形状とされたことを特徴としている。
【0009】上記構成のモータ用ロータでは、凹部の底
部での断面形状が非円形状とされているため、高温状態
(高温雰囲気下)でのマグネットとシャフトの間の固定
強度が増加されるのみならず、通常状態(常温雰囲気
下)では凹部の底部と、この底部に固着した凸部によっ
てマグネットに対するシャフトの相対的な回転(例え
ば、空転)が防止される。すなわち、凹部と凸部の組み
合わせは、マグネットのシャフトへの固定手段と熱膨張
時の固定維持手段とを兼ねている。
【0010】請求項3記載のモータ用ロータは、シャフ
トの外周部に固着されて前記シャフトと前記シャフトの
周囲に設けられたマグネットとを連結する連結部材が、
前記シャフトよりも線膨張係数が高い材料によって形成
されたモータ用ロータであって、前記シャフトの外周部
に形成された凹部と、前記連結部材に形成されると共に
前記凹部に入り込み、熱膨張して前記凹部に挟み込まれ
る凸部と、を備えることを特徴としている。
【0011】上記構成のモータ用ロータでは、シャフト
とマグネットとを連結する連結部材に形成された凸部が
シャフトに形成された凹部へ入り込んでいる。ここで、
シャフトを形成する材料よりもマグネットを形成する材
料の方が線膨張係数が高いため、高温雰囲気下では、凹
部以上に凸部の体積が膨張され、膨張した凸部が凹部の
内周部分を突っ張るように押圧する。このため、シャフ
トの間の固定強度が増加され、仮に、凹部及び凸部以外
で連結部材とシャフトとの間に隙間が生じてもシャフト
が連結部材へ確実に固定される。
【0012】ここで、シャフトの外周部に形成される凹
部とは、シャフトの外周の外径が部分的に小径とされる
凹みであり、凸部が半径方向と略直交する方向に熱膨張
した場合に、この押圧力を受けて凸部を挟み込む一対の
内壁を備えている。したがって、シャフト外周へ互いに
離間した複数の凸部を設けることによって、これらの凸
部の間を実質的に凹んだ凹部としてもよい。また、連結
部材に形成される凸部は、シャフトの軸線方向に膨張し
て凹部の内壁を押圧する場合以外に、シャフトの接線方
向へ膨張して凹部の内壁を押圧するものであってもよ
い。
【0013】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施の
形態に係るモータ用ロータ10(以下、単に「ロータ1
0」と称する。)の断面図が示されている。この図に示
されるように、ロータ10はプラスチックマグネット1
2を備えている。このプラスチックマグネット12は、
例えば、ナイロン系の熱可塑性樹脂材に磁性体粉末とし
てのフェライト粉末を含有した材料によって略円筒形状
に成形されている。このプラスチックマグネット12の
内壁の軸線方向中間部からは支持部16が略直角方向へ
延出されており、この支持部16を介して円筒形状の固
定部18が一体に形成されている。この固定部18はプ
ラスチックマグネット12の径方向中央に形成されてお
り、その中心にはステンレス材等の金属材料によって形
成されたシャフトとしてのロータシャフト20が貫通状
体で固定されている。ここで、本ロータ10は、ロータ
シャフト20を成形金型内に配置して上述したプラスチ
ックマグネット12を形成する樹脂材料を成形金型内に
射出する所謂インサート成形法によって一体成形されて
おり、これによって、固定部18へロータシャフト20
が固着される構成である。
【0014】また、このロータシャフト20の軸線方向
中間部で且つ固定部18の内側には空転止め部24が形
成されている。ここで、図2には図1の2−2線に沿っ
た断面図が示されている。この図に示されるように、空
転止め部24はロータシャフト20の固定部18への埋
設部の外径寸法よりも一辺の長さが長い略正方形状とさ
れており、正方形の四辺に対応する空転止め部24の外
周部分は平面部24Aとされている。ここで、上述した
ように、本ロータ10はインサート成形法によって一体
成形されているため、固定部18の内部には空転止め部
24と同一形状(すなわち、略正方形状)の孔28が形
成されており、正方形の四辺に対応する孔28の内周部
分は平面部28Aとされている。これによって、ロータ
10の回転時には、空転止め部24の平面部24Aと孔
28の平面部28Aが係合し、これにより、プラスチッ
クマグネット12に対するロータシャフト20の相対的
な回転(例えば、プラスチックマグネット12の空転)
を確実に防止できるようになっている。
【0015】また、図1に示されるように、ロータシャ
フト20には固定部18に軸線方向に隣接して、モータ
組付け時におけるベアリング(図示省略)の位置決め用
の台座30が形成されている。この台座30はロータシ
ャフト20の固定部18への埋設部よりも外径寸法が大
きい円盤状とされており、軸線方向一方の端面が固定部
18の軸線方向他方の端部18Aに接触している。モー
タ組付け時には、ロータシャフト20にリング状のベア
リングを嵌め込み、台座30の固定部18とは逆側の端
面にベアリングを当接させることによって、ベアリング
を容易に位置決めできるようになっている。
【0016】ここで、本ロータ10では、ロータシャフ
ト20に台座30と空転止め部24とを設けることによ
って、台座30と空転止め部24との間に、底部32A
での外径寸法が台座30及び空転止め部24の外径寸法
よりも小さい凹部としての環状の溝部32が形成されて
いる。この溝部32は、モータ使用時の環境温度雰囲気
(例えば、摂氏120度の高温雰囲気)下でプラスチッ
クマグネット12とロータシャフト20の双方が熱膨張
した場合に生じる隙間Lよりも深さが深く(大きく)な
るように設定されている。また、溝部32の内部にはプ
ラスチックマグネット12を形成する樹脂材が隙間なく
入り込み、断面形状が溝部32の断面形状と同一形状の
凸部としての突出部36が形成されている。
【0017】さらに、このロータシャフト20の軸線方
向一端部には雄ねじ部40が形成されており、ロータシ
ャフト20回転時に雄ねじ部40へ螺合される部品を軸
線方向へ駆動する構成である。
【0018】次に本実施の形態の作用について説明す
る。本ロータ10は、例えば、PM型ステッピングモー
タのロータとして使用され、PM型ステッピングモータ
のステータコア(図示省略)に巻き付けられたコイルが
通電され、これによって発生した回転磁界をプラスチッ
クマグネット12が受けると、プラスチックマグネット
12と共にロータシャフト20が回転される。
【0019】ところで、本ロータ10を適用したPM型
ステッピングモータが、車両の排気ガス還元装置の弁体
開閉駆動用など、高温雰囲気(例えば、周囲の温度が摂
氏120度の環境)下や、或いは、モータ作動時の発熱
等によってモータ自体が高温となった場合には、ロータ
10のプラスチックマグネット12やロータシャフト2
0が熱膨張する。ここで、本ロータ10のプラスチック
マグネット12を形成する樹脂材の線膨張係数は、3
7.5×10-6であり、ロータシャフト20を形成する
ステンレス材の線膨張係数は、1/2以下の17.3×
10-6である。したがって、高温雰囲気下では、ロータ
シャフト20よりもプラスチックマグネット12が半径
方向へ大きく膨張して、図3に示されるように、空転止
め部24と固定部18の孔28の間に隙間Lが生じる
が、これと共に、固定部18に形成された突出部36が
ロータシャフト20の軸線方向(図3の矢印A、B方
向)へ膨張する。これによって、溝部32の対向する縦
壁部32B、32Cが膨張した突出部36によって押圧
される。これにより、ロータシャフト20とプラスチッ
クマグネット12との固定が維持され、ロータ10の回
転時におけるロータシャフト20の振動を防止でき、プ
ラスチックマグネット12とロータシャフト20の磨耗
を確実に防止できる。このため、高温状態(高温雰囲気
下)でのロータ10(すなわち、ステッピングモータ)
の信頼性を向上できる。
【0020】なお、本実施の形態では、凹部としての溝
部32と凸部としての突出部36がそれぞれ1箇所しか
設けられていなかったが、溝部32と突出部36の組み
合わせをロータシャフト20の軸線方向に離間して複数
設けることで、より一層確実にロータシャフト20の固
定を維持できる。
【0021】また、本実施の形態では、凹部としての溝
部32が環状とされていたが、溝部32の形状はこれに
限るものではなく、例えば、凹部が雄ねじ部40のよう
な螺旋状の溝であってもよい。この場合であっても、ロ
ータシャフト20の軸線方向のガタツキを防止でき、ロ
ータシャフト20とプラスチックマグネット12との固
定が維持できる。
【0022】さらに、本実施の形態では、空転止め部2
4の断面形状を略正方形状とすることによって、プラス
チックマグネット12に対するロータシャフト20の相
対的な回転を防止したが、空転止め部24の断面形状は
略正方形状でなくとも、非円形状であればプラスチック
マグネット12に対するロータシャフト20の相対的な
回転を防止できる。したがって、空転止め部24の断面
形状は三角形や六角形等の略多角形状でもよく、また、
楕円形状であってもよい。さらには、円の外周の一部を
直線的に切り欠いて平面部を形成した形状であってもよ
い。
【0023】次に本発明の他の実施の形態について説明
する。なお、以下、前記第1の実施の形態と基本的に同
一の部位については、前記第1の実施の形態と同一の符
号を付与してその説明を省略する。
【0024】図4には本発明の第2の実施の形態に係る
ロータ50が断面図によって示されており、図5にはロ
ータ50を図4の矢印C方向から見た要部の拡大図が示
されている。これらの図に示されるように、本ロータ5
0には、ロータシャフト20の台座30に凹部としての
溝部54が形成されている。また、図5に示されるよう
に、この溝部54には、ロータ50回転時の回転方向及
びその逆方向へ壁面が向けられた縦壁部54A、54B
が互いに対向した状態で形成されている。
【0025】一方、この溝部54の内部には、固定部1
8の一方の端部から延出された断面形状が溝部54と同
形状の凸部としての突出部56が入り込んでいるため、
ロータ50の回転時には、溝部54の縦壁部54A或い
は縦壁部54Bが突出部56によって押圧されるため、
より一層確実にプラスチックマグネット12に対するロ
ータシャフト20の相対的な回転を防止することができ
る。
【0026】また、高温雰囲気下では、溝部54の対向
する縦壁部54A、54Bが膨張した突出部56によっ
てロータシャフト20の接線方向(図5の矢印D、E方
向)へ押圧されるため、高温状態(高温雰囲気下)であ
っても、ロータシャフト20の相対的な回転を防止でき
るのみならず、ロータシャフト20とプラスチックマグ
ネット12との間の回転方向の隙間がなくなるので回転
方向のガタツキをも防止できる。したがって、ロータ5
0の回転時におけるロータシャフト20の振動を防止で
き、プラスチックマグネット12とロータシャフト20
の感の磨耗を確実に防止できる。
【0027】次に本発明の第3の実施の形態について説
明する。図6には本発明の第3の実施の形態に係るロー
タ70の断面図が示されている。この図に示されるよう
に、本ロータ70のロータシャフト72には、固定部1
8に対応した部分の外周部の一部が削ぎ落とされ、且つ
底部が平面とされた一対の凹部74が形成されている。
【0028】一方、固定部18の内周部には、各凹部7
4に対応して径方向内側へ突出した凸部76が形成さ
れ、常温では各凹部74へ隙間なく入り込んでいる。こ
こで、ロータシャフト72の外周部の一部を削ぎ落と
し、且つこれによって形成された凹部74の底部を平面
とすることによって、ロータ70の回転時におけるプラ
スチックマグネット12に対するロータシャフト72の
相対的な回転(例えば、プラスチックマグネット12の
空転)を確実に防止できるようになっている。すなわ
ち、本実施の形態では、凹部74が前記第1の実施の形
態に係るロータ10の空転止め部24と同様の機能を有
している。
【0029】上記構成のロータ70では、高温雰囲気
(例えば、環境温度が摂氏120度)でプラスチックマ
グネット12とロータシャフト72が膨張し、その際の
線膨張係数の差による熱膨張差によって固定部18の内
周部とロータシャフト72の内周部の間に隙間(図示省
略)が形成されても、前記第1の実施の形態の凸部76
と同様に固定部18に形成された凸部76が軸線方向
(図6の矢印A、B方向)へ膨張し、これによって、凹
部74の内壁が凸部76によって押圧され、軸線方向の
隙間がなくなる。このため、凹部74と凸部76以外の
ロータシャフト72と固定部18の内周部との間に熱膨
張差による隙間が生じる場合であっても、ロータ70の
回転時にロータシャフト20とプラスチックマグネット
12とがガタツクことはなく、プラスチックマグネット
12とロータシャフト20の磨耗を確実に防止でき、高
温状態(高温雰囲気下)でのロータ70(すなわち、ス
テッピングモータ)の信頼性を向上できる。
【0030】なお、本実施の形態では、凹部74の底部
を平面としたが、基本的に凹部74でのロータシャフト
72の軸線に直交する断面の形状が非円形状であればプ
ラスチックマグネット12に対するロータシャフト20
の相対的な回転を防止できる。したがって、例えば、図
7に示されるように、凹部74の底部を曲面としてもよ
い。
【0031】また、本実施の形態では、凹部74を一対
(すなわち、二か所)としたが、凹部74の数はこれに
限定されるものではなく、ロータシャフト72の固定部
18に対応して外周部に最低一か所形成すればよい。し
たがって、例えば、図8に示されるようにロータシャフ
ト72に3か所以上の凹部74を設けてもよい。
【0032】次に本発明の第4の実施の形態について説
明する。図9には本発明の第4の実施の形態に係るロー
タ90の断面図が示されている。この図に示されるよう
に、本ロータ90のロータシャフト92には、固定部1
8に対応して外周部に凹部としての環状の溝部94が形
成されている。また、この溝部94を境としてロータシ
ャフト20の軸線方向両側には格子状のローレット溝部
96が形成されている。このため、プラスチックマグネ
ット12に対するロータシャフト20の相対的な回転を
確実に防止できる。
【0033】一方、プラスチックマグネット12の固定
部18の内周部には、溝部94に対応して凸部としての
環状の突出部98が形成され、溝部94の内部に入り込
んでいる。ここで、本実施の形態でも、前記第1の実施
の形態と同様に、ロータ90がインサート成形法によっ
て一体成形されているため、常温(例えば、摂氏25
度)では、突出部98は溝部94に対して隙間無く入り
込んでいると共に、突出部98を境にして固定部18の
内周部の軸線方向両側部分ではローレット溝部96の内
部にプラスチックマグネット12の形成する樹脂材が隙
間無く入り込んでいる。
【0034】このため、高温雰囲気でプラスチックマグ
ネット12とロータシャフト92が膨張し、その際の線
膨張係数の差による熱膨張差によって固定部18の内周
部とロータシャフト92の内周部の間に隙間(図示省
略)が形成されても、前記第1の実施の形態の突出部3
6と同様に固定部18に形成された突出部98が軸線方
向(図9の矢印A、B方向)へ膨張し、これによって、
溝部94の内壁が突出部98よって押圧される。このた
め、ロータシャフト92と固定部18の内周部の間に隙
間が生じても、ロータ90の回転時にロータシャフト9
2とプラスチックマグネット12とがガタツクことはな
く、プラスチックマグネット12とロータシャフト92
の磨耗を確実に防止でき、高温状態(高温雰囲気下)で
のロータ90(すなわち、ステッピングモータ)の信頼
性を向上できる。
【0035】次に本発明の第5の実施の形態について説
明する。図10には本発明の第5の実施の形態に係るロ
ータ100の断面図が示されている。この図に示される
ように、本ロータ100は支持部16と固定部18が形
成された連結部材としての樹脂製のカラー102を備え
ている。このカラー102は円筒状に形成されたマグネ
ットとしてのプラスチックマグネット104の内部へ圧
入されて固定されている。なお、本ロータ100ではカ
ラー102をプラスチックマグネット104の内部へ単
に圧入することによって固定していたが、カラー102
の固定方法はこの態様に限るものではなく、例えば、接
着材等の固定手段によってカラー102をプラスチック
マグネット104の内部へ固定してもよい。また、この
カラー102にはシャフト20の溝部32に対応して断
面形状が溝部32の断面形状と同一形状の凸部としての
突出部36が形成されている。すなわち、前記第1の実
施の形態では支持部16と固定部18がプラスチックマ
グネット104の一部であったのに対して、本実施の形
態は支持部16と固定部18がプラスチックマグネット
104とは別部材で構成された点で第1の実施の形態と
異なる。したがって、凹部としての溝部32と凸部とし
ての突出部36は前記第1の実施の形態に係るロータ1
0の溝部32及び突出部36と実質的に同一の構成であ
る。このため、本実施の形態の構成でも前記第1の実施
の形態と同一の作用、効果を得ることができる。
【0036】なお、本実施の形態では、マグネットをプ
ラスチックマグネット104としたが、例えば、磁性体
粉末を焼結して形成されたマグネット等、他のマグネッ
トを適用してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
本発明に係るモータ用ロータは、プラスチックマグネッ
トが熱膨張した際には、膨張した凸部がシャフトの凹部
の内周部分(すなわち、互いに対向する内壁)を押圧す
るため、高温雰囲気下であってもシャフトの固定強度を
低下させることなく確実に固定できるという極めて優れ
た効果を有する。
【0038】また、請求項2記載の本発明に係るモータ
用ロータは、請求項1記載の本発明の効果を有するのみ
ならず、マグネットに対するシャフトの相対的な回転を
確実に防止できるという極めて優れた効果を有する。
【0039】さらに、請求項3記載の本発明に係るモー
タ用ロータは、連結部材が熱膨張した際には、膨張した
凸部がシャフトの凹部の内周部分(すなわち、互いに対
向する内壁)を押圧するため、連結部材とマグネットが
別部材で構成されたロータが高温雰囲気下で使用されて
もシャフトの固定強度を低下させることなく確実に固定
できるという極めて優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るロータの断面
図である。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るロータの断面
図で、シャフト及びマグネットが熱膨張した際の要部の
拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るロータの断面
図である。
【図5】図4の矢印C方向から見た本発明の第2の実施
の形態に係るロータの拡大図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るロータの断面
図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るロータの変形
例の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るロータの他の
変形例の断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るロータの断面
図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るロータの断
面図である。
【図11】従来のロータの断面図である。
【図12】シャフト及びマグネットが熱膨張した際の従
来のロータの拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ロータ(モータ用ロータ) 12 プラスチックマグネット(マグネット) 18 固定部 20 ロータシャフト(シャフト) 32 溝部(凹部) 36 突出部(凸部) 50 ロータ(モータ用ロータ) 54 溝部(凹部) 56 突出部(凸部) 70 ロータ(モータ用ロータ) 20 ロータシャフト(シャフト) 74 溝部(凹部) 76 突出部(凸部) 90 ロータ(モータ用ロータ) 92 ロータシャフト(シャフト) 94 溝部(凹部) 98 突出部(凸部) 100 ロータ(モータ用ロータ) 102 カラー(連結部材) 104 プラスチックマグネット(マグネット)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトよりも線膨張係数が高い材料に
    よって形成されたプラスチックマグネットが、一体成形
    により前記シャフトの外周部に固着されたモータ用ロー
    タであって、 前記シャフトの外周部に形成された凹部と、 前記プラスチックマグネットの前記凹部に入り込んで形
    成され、熱膨張して前記凹部に挟持される凸部と、 を備えることを特徴とするモータ用ロータ。
  2. 【請求項2】 前記凹部の底部における前記シャフトの
    軸線に対して直交する断面形状が、非円形状とされたこ
    とを特徴とする請求項1記載のモータ用ロータ。
  3. 【請求項3】 シャフトの外周部に固着されて前記シャ
    フトと前記シャフトの周囲に設けられたマグネットとを
    連結する連結部材が、前記シャフトよりも線膨張係数が
    高い材料によって形成されたモータ用ロータであって、 前記シャフトの外周部に形成された凹部と、 前記連結部材に形成されると共に前記凹部に入り込み、
    熱膨張して前記凹部に挟み込まれる凸部と、 を備えることを特徴とするモータ用ロータ。
JP8259406A 1996-09-30 1996-09-30 モータ用ロータ Pending JPH10108395A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100908525B1 (ko) 2006-05-30 2009-07-20 니폰 덴산 시바우라 가부시키가이샤 모터 및 모터 제조 방법
JP2015070670A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 株式会社ミツバ ロータおよびブラシレスモータ
JP2017123711A (ja) * 2016-01-05 2017-07-13 ミネベアミツミ株式会社 ロータ及びそのロータを使用したモータ
JP2017147920A (ja) * 2015-08-26 2017-08-24 日立金属株式会社 表面磁石型回転子

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