JPH10104298A - コンデンサに流れるリップル電流の評価装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータに使用されるコンデンサが実装時
とほぼ同じ条件で評価できるようにする。 【解決方法】 試料用コンデンサ５，６に直流電流を通
電される直流電源３と、上記試料用コンデンサに直流電
流に重畳して、低周波電流を通電させる低周波電源１
と、試料用コンデンサに低周波電流に重畳して高周波電
流を通電させる高周波発振器７，８とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサに流れ
るリップル電流特に高周波リップルを含んだリップル電
流に対する評価装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電源装置は低コスト、小型化のた
めに、高周波インバータ化が進んでいる。例えば高周波
インバータを用いた電源装置を図２に示す。図２におい
て、２１は商用電源が接続される入力端子、２２はダイ
オード又はサイリスタ等により構成されている入力整流
器、２３は平滑用リアクトル、２４は平滑用の電解コン
デンサ、３０はＩＧＢＴ，ＭＯＳＦＥＴ，バイポーラト
ランジスタ等のスイッチング素子３１〜３６と、このス
イッチング素子３１〜３６と逆並列に接続されたフリー
ホイリングダイオード４１〜４６で構成されるインバー
タである。

【０００３】交流の商用電源を入力整流器２２により整
流し、リアクトル２３、コンデンサ２４により平滑す
る。平滑された直流を直流電源としてインバータ３０を
高周波スイッチングして所定の周波数の交流を出力端子
２６に得る。出力端子２６に得られた高周波交流は、直
接負荷に供給される場合や、出力トランスに供給され、
その出力トランスの２次側に誘起された高周波電圧が整
流器により整流され、平滑装置により平滑されて負荷に
供給される場合などがある。

【０００４】ところで、このような電源装置では、平滑
用コンデンサに流れる電流は、図３に示すように、３相
の場合３６０Ｈｚの商用リップル電流に、インバータ３
０のスイッチング素子３１〜３６がスイッチングよる充
電及び放電の２０ｋＨｚ以上の高周波リップル電流が重
畳して流れている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】電解コンデンサは過大
なリップル電流を流すと発熱が大きくなり、静電容量の
減少をきたし破損することもある。このため、電解コン
デンサは商用リップルにおける許容リップル電流は規定
されているが、高周波リップルを含んだ電流に対してど
の程度まで許容されるか等、明確な評価がなされていな
かった。

【０００６】本発明は、インバータに使用されるコンデ
ンサが高周波リップルに対してどのような特性が得られ
るか評価する場合、その評価が容易な評価装置を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
試料コンデンサに直流電流を通電させる直流電源と、上
記試料用コンデンサに上記直流電流に重畳して低周波電
流を通電させる低周波電源と、上記試料用コンデンサに
上記低周波電流に重量して高調波電流を通電させる高周
波発振器とを備えたものである。

【０００８】試料用コンデンサには、直流電源による直
流電流と低周波電源による低周波電流と、高周波発振器
による高周波電流が重畳して流れる。従って、資料用コ
ンデンサを実装時の条件でリップル電流の試験を行うこ
とができ、リップル電流に対する評価を行える。

【０００９】請求項２記載の発明は、試料用コンデンサ
に直流電流を通電させる直流電源と、２次巻線が上記試
料用コンデンサと上記直流電源と直列に設けられた絶縁
トランスと、上記絶縁トランスの１次巻線に設けられ低
周波電流を通電させる低周波電源と、上記試料用コンデ
ンサと並列に高周波電流を通電させる高周波発振器とを
備えたものである。

【００１０】試料用コンデンサに直流電源による直流電
流が流れる。絶縁トランスを介して低周波電源の低周波
電流が直流に重畳され、さらに高周波発振器の高周波電
流が低周波電流に重畳される。これにより、試料用コン
デンサを実装時の条件で、リツプル電流の試験を行うこ
とができ、リップル電流に対する評価を行える。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態につい
て、その一例を図１を参照して説明する。図１におい
て、１は低周波電源で５０又は６０Ｈｚ、１５０又は１
８０Ｈｚ、３００又は３６０Ｈｚの周波数を有してい
る。２は絶縁トランスで２次側は中間タップを有してい
る。３は直流電源、４は限流用抵抗で、直流電源３との
直列回路がトランスの中間タップに接続されている。
５，６はトランス２の２次側両端に接続された試料のコ
ンデンサで、電源装置では平滑用コンデンサ２４として
使用されるものである。７，８は２０ｋＨｚ以上の周波
数を有する高周波発振器であり、インバータ３０のスイ
ッチング周波数に適用されている。９，１０は高周波を
バイパスするバイパス用コンデンサである。

【００１２】低周波電源１がトランス２の１次側に供給
され、２次側に低周波の電圧が誘起する。２次側に誘起
した電圧により試料用コンデンサ５、直流電源３、限流
抵抗４、トランス２の２次巻線Ａに直流電流が流れる。
また、試料用コンデンサ６、バイアス用の直流電源３、
限流抵抗４、トランスの２次巻線Ｂに直流電流が流れ
る。この時、高周波発振器７，８を動作させると、高周
波発振器７の高周波は、高周波バイパス用コンデンサ
９、試料用コンデンサ５に流れる。一方、高周波発振器
８の高周波は、高周波バイパス用コンデンサ１０を介し
て試料用コンデンサ６に流れる。

【００１３】従って、試料用コンデンサ５又は６には、
直流電源３による直流電流に、低周波電源１の低周波電
流と、高周波発振器７又は８の高周波電流とが重畳した
電流が流れる。すなわち、試料用コンデンサ５又は６に
は図３に示すような低周波のリップル電流に、高周波の
リップル電流が重畳して、充電及び放電を行いながら電
流が流れる。

【００１４】これにより、試料用コンデンサを実機とほ
とんど同じ条件で試験し、評価することができる。そし
て、電源装置に最適のコンデンサを得て、電源装置に使
用することができ、リップル電流による破損を防止する
ことができる。

【００１５】なお、低周波電源１及び高周波発振器７，
８は各種周波数に対応できるように周波数が可変できる
ことが望ましい。また、直流電源も直流電圧が可変でき
ることが望ましい。

【００１６】また、上記実施の形態では、電源装置を入
力整流器の出力をリアクトルとコンデンサで平滑し、イ
ンバータで高周波交流に変換する電源装置に適用した場
合について説明したが、電源装置はこれに限定されるこ
となく、各種電源装置に適用することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上のように請求項１及び２の発明によ
れば、試料用コンデンサを実装時の条件でリップル電流
の試験を行うことができ、リップルに対する評価を行え
る。これにより、電解コンデンサがインバータに使用さ
れた場合の実装時の破損を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコンデンサに流れるリップル電流の評
価装置の一実施の形態を示すブロック図である。

【図２】図１で評価されたコンデンサが実施される電源
装置のブロック図である。

【図３】図１で評価されたコンデンサに流れるリップル
電流の模擬的な波形図である。

【符号の説明】

１ 低周波電源 ２ 絶縁トランス ３ 直流電源 ４ 限流用抵抗 ５，６ （試料用）コンデンサ ７，８ 高周波発振器 ９，１０ バイパス用コンデンサ ２２ 入力整流器 ２４ 平滑コンデンサ ３０ インバータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 吉行 大阪府大阪市東淀川区淡路２丁目14番３号 株式会社三社電機製作所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試料用コンデンサに直流電流を通電させ
   る直流電源と、上記試料用コンデンサに上記直流電流に
   重量して低周波電流を通電させる低周波電源と、上記試
   料用コンデンサに上記低周波電流に重畳して高調波電流
   を通電させる高周波発振器とを備えたコンデンサに流れ
   るリップル電流の評価装置。
2. 【請求項２】 試料用コンデンサに直流電流を通電させ
   る直流電源と、２次巻線が上記試料用コンデンサと上記
   直流電源とが直列に設けられた絶縁トランスと、上記絶
   縁トランスの１次巻線に設けられ低周波電流を通電させ
   る低周波電源と、上記試料用コンデンサと並列に高周波
   電流を通電させる高周波発振器とを備えたコンデンサに
   流れるリップ電流の評価装置。