JPH10103030A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JPH10103030A
JPH10103030A JP25930496A JP25930496A JPH10103030A JP H10103030 A JPH10103030 A JP H10103030A JP 25930496 A JP25930496 A JP 25930496A JP 25930496 A JP25930496 A JP 25930496A JP H10103030 A JPH10103030 A JP H10103030A
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hole
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knock pin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンタイプの弁開閉時期制御装置におい
て、回転伝達部材と回転軸との相対変位を制限する位相
保持機能のノックピンの耐久性を向上させる。 【解決手段】 回転伝達部材18と内部ロータ22(回
転軸)との間に形成された圧力室をベーンによって進角
室38a,遅角室38bに区画し、各流体通路28,30
よりそれぞれ進角室38a,遅角室38bに選択的に流
体を供給して相対位相を可変するととともに、回転伝達
部材18に形成した退避孔40には回転軸側へ付勢され
たノックピン44を収容し、回転軸と回転伝達部材との
相対位相が所定の位相のときにノックピンを回転軸側の
受容孔48に収容して位相保持を行い、受容孔からノッ
クピンを排出する流体を受容孔に給排する連通路50
を、退避孔と受容孔の同期位置を最遅角位置としたと
き、その同期直前に流体を供給する前記流体通路と連通
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、吸気弁又
は排気弁を開閉させる回転軸と回転伝達部材との間に形
成した圧力室をベーンによって進角室と遅角室とに区画
し、進角室と遅角室との選択的な流体の給排によって回
転伝達部材と回転軸との相対位相を可変することで、吸
気弁又は排気弁の開閉時期を制御する内燃機関の弁開閉
時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これらの種類の弁開閉時期制御装置は、
例えば、特開平1−92504号公報や実開平2−50
105号公報に開示されている。これらの従来の弁開閉
時期制御装置には、回転伝達部材と回転軸との相対変位
を制限するために、受容孔、退避孔、退避孔内に受容孔
側にスプリングで付勢されたノックピンからなる位相保
持機構が備わっている。
【0003】この位相保持機構は、図6(A)〜(C)
に示すように、回転軸1の外周に、回転軸1に一体固定
したロータ2と、ロータ2の外側に相対回転可能な回転
伝達部材3を配置している。ロータ2の外周には、ロー
タ2の径方向に延びる複数のベーン4が取り付けられて
いる。それぞれのベーン4は、ロータ2の外側と回転伝
達部材3の内側との間に円周上に複数形成された流体圧
室5内に延びており、それぞれの流体圧室5を進角室5
aと遅角室5bに区画している。回転伝達部材3には放
射方向に退避孔6が形成されており、退避孔6内にはス
プリング7によってロータ2側に付勢されたノックピン
8が収容されている。ロータ2には、ノックピン8が挿
入可能な受容孔9が形成されている。進角室5aには流
体通路10bを介して流体が給排され、遅角室5bには
流体通路10cを介して流体が給排されている。この弁
開閉時期制御装置は、進角室5aと遅角室5bとの流体
圧の圧力差によって、ベーン4を流体圧室5の範囲で変
位させることによって、回転伝達部材3とロータ2(回
転軸1)との位相を変換している。ここに示した従来技
術は、回転伝達部材3とロータ2(回転軸1)とが、時
計の回転方向に回転するものであり、退避孔6と受容孔
9の位置関係が、回転伝達部材3の回転に対して最遅角
の位置に設けられている。受容孔9に挿入されたノック
ピン8は、連通路10aを介して供給される流体の流体
圧によって、スプリング7の付勢力に抗して退避孔6に
退けられる。連通路10aは、流体通路10bと回転軸
1の内部で合流しており、流体通路10cは、連通路1
0a及び流体通路10bと独立している。
【0004】上記の構成の従来技術の作動は、例えば図
6(A)に示す最進角位置から、図示しない流体制御装
置により流体通路10cを介して流体を遅角室5bへ供
給し、進角室5aの流体を流体通路10bを介して排出
することにより、進角室5aと遅角室5bの流体圧差に
よりベーン4が図6(A)にBで示す矢印の方向へ回転
する。これによって、ロータ2が回転伝達部材3との間
で相対回転して、図6(B)に示す最遅角位置まで位相
を変換する。最遅角位置になると、退避孔6と受容孔9
との位置が合致し、スプリング7の付勢力によりノック
ピン8が受容孔9に挿入され、ロータ2と回転伝達部材
3との相対回転を規制する。次に、最遅角位置から進角
させる場合には、図6(C)に示すように、図示しない
流体制御装置により流体通路10bを介して流体を進角
室5aへ供給し、遅角室5bの流体を流体通路10cを
介して排出すると共に、連通路10aにも流体を供給し
て、ノックピン8を受容孔9から退避孔6へ排出するこ
とにより、図6(C)にAで示す矢印の方向へベーン4
を回転するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の弁開閉時期
制御装置によれば、ノックピン8は回転伝達部材3とロ
ータ2とが最遅角位置になる毎に受容孔に挿入され、進
角方向に位相を変換するときに、ノックピン8を退避孔
6へ離脱させると共に進角室5aと遅角室5bとの流体
圧差によって回転伝達部材3とロータ2とを進角させて
いる。連通路10aと流体通路10bとを、回転軸1の
内部で合流させている技術的なねらいは、遅角方向へ作
用させる流体通路10cを独立させて、最遅角位置とな
ったときに受容孔9を空っぽにしてノックピン8を受け
入れる体制を整えておくため、並びにノックピン8を受
容孔9から排出する流体と、進角方向へ移相する流体を
同時に供給することで、ノックピン8の排出処理と、回
転位相の進角方向への変換とのレスポンスを向上させる
ためのものである。しかしながら、上記従来技術のノッ
クピン8は、弁開閉時期制御装置を作動させて最遅角位
置となる毎に受容孔9に係合するので、ノックピン8の
作動回数が膨大な回数となり、ノックピン8の摩耗に対
する耐久性、耐久性を考慮した材料、加工方法の選定
や、ノックピン8の作動を支える退避孔6および受容孔
9の摩耗に対する耐久性、耐久性を考慮した材料、加工
方法の選定など、さまざまな条件を検討し、耐久性を確
保するために非常に高価な材料を用いなければならない
などの問題があった。
【0006】一方、上記従来の弁開閉時期制御装置にお
いてノックピン8を設ける最大の目的は、次のとおりで
ある。主にエンジンの停止時など、流体の圧力源が停止
することにより、進角室5aと遅角室5bとの内部の流
体圧が低下した後に、次にエンジンを始動させると、エ
ンジンの始動と同時に進角室5aと遅角室5bとの内部
の流体圧を確保することができないことにより、ベーン
4が流体室5内を自由に回転することができ、流体室5
の内壁に当接して打音を発生する。この打音を防止する
ためにベーン4の移動を規制する必要があり、少なくと
もエンジン始動後の進角室5aと遅角室5bとの内部の
流体圧が確保されるまで、回転伝達部材3とロータ2の
相対回転を停止させるためにノックピン8を設けてい
る。逆に、エンジンの通常運転中においては、少なくと
も進角室5aと遅角室5bの一方には流体が満たされる
ことにより、ベーン4が流体室5内を自由に回転するこ
とが制限され打音の発生の問題は起きない。
【0007】本発明は、上記課題を解決する、すなわ
ち、ノックピンの耐久性を向上させることを目的とし
て、ノックピンによる回転伝達部材とロータ(回転軸)
との係合をエンジンの始動時にのみ作動させ、エンジン
の通常運転中は受容孔に挿入されないようにした弁開閉
時期制御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この出願の発明らはさまざまな検討を重ね、エンジ
ンの通常運転中は受容孔内に流体を満たすことにより、
この流体の抵抗によってノックピンが受容孔に挿入でき
なくすることにより、課題を解決できることを確認し
た。
【0009】請求項1の発明を採用した弁開閉時期制御
装置は、退避孔と受容孔の同期位置を最遅角位置または
最進角位置とし、連通路を同期する直前に流体を供給す
る流体通路と連通したことにより、回転軸と回転伝達部
材とが同期位置となる(すなわち、回転軸と回転伝達部
材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させる)と
きに、受容孔内に流体が満たされていることを達成する
ものである。つまり、エンジン運転中に回転軸と回転伝
達部材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させ、
受容孔と退避孔との位置が合致し、退避孔内に収容され
たノックピンが受容孔側へ付勢される力によって、ノッ
クピンが受容孔に挿入されようとするが、回転軸と回転
伝達部材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させ
る流体の一部が受容孔内に満たされており、この流体に
よってノックピンが受容孔に挿入されることを防止す
る。一方、エンジンを停止することにより、流体の圧力
発生源が停止するので、複数の流体通路、進角室、遅角
室、連通路及び受容孔内の流体圧力は徐々に低下する。
そして、次回エンジンを始動する時に、回転軸と回転伝
達部材とが最遅角または最進角の位置へ相対変位し、受
容孔と退避孔との位置が合致することにより、ノックピ
ンが受容孔内に挿入し、回転軸と回転伝達部材との相対
変位を規制する。このことによって、エンジン始動時に
ベーンが流体圧室の内壁と接触して打音を発生すること
を防止することができるものである。
【0010】請求項2の発明は、上記連通路に絞りを設
けたことである。この絞りによって、受容孔内に供給さ
れた流体を連通路から排出されることを防止するので、
受容孔内に確実に流体を満たすことができ、ノックピン
が受容孔に挿入されて、回転軸と回転伝達部材との相対
位相を規制することがない。請求項3の発明は、上記通
路にチェックボールを設けることで、受容孔内に供給さ
れた流体を連通路を介して排出されないようにし、受容
孔内の流体を確実に保持するものである。
【0011】請求項4の発明は、退避孔と受容孔の同期
位置を最遅角位置とし、連通路は回転伝達部材と回転軸
とを遅角移相させる遅角用室へ流体を供給する流体通路
と連通したことである。エンジンを停止し複数の流体通
路、進角室、遅角室、連通路及び受容孔内の流体圧力が
低下した後にエンジンを始動するときには、流体源から
の流体圧が十分な値となる前にクランクシャフトの回転
がタイミングベルト又はタイミングチェーンを介して回
転伝達部材に伝達し、この回転がベーンを介して回転軸
を回転することになる。このとき、ベーンの両端に形成
される進角室、遅角室の流体圧が低下していることか
ら、上記の回転力によってベーンが最遅角位置まで変位
し、回転伝達部材と回転軸とを遅角移相させる。請求項
4の発明においては、このときにノックピンを受容孔に
挿入して回転軸と回転伝達部材との相対変位を規制する
ことによって、打音の発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この出願の発明に係る各実施形態
について図面を参照して説明する。実施形態1を示す図
1において、符号12は図示しないシリンダヘッドに回
転可能に支持された吸気弁用カムシャフトであり、弁開
閉時期制御装置は、この吸気弁用カムシャフト12の先
端部に次に詳細を説明するように取付けられている。こ
の実施形態における回転伝達部材は、ベルト又はチェー
ンによって回転力が伝達されるタイミングプーリ14に
対し相対回転不能に一体に固定された外部ロータ18及
び外板20により構成されている。すなわち、外板20
とタイミングプーリ14とは、間に外部ロータ18を挟
んでボルト16により共締めされている。タイミングプ
ーリ14と外板20の軸方向に扁平な円筒部分は、カム
シャフト12の先端部に止着された内部ロータ22を内
周域に挟み込んでいる。内部ロータ22は、タイミング
プーリ14及び外部ロータ18と相対回転可能に、カム
シャフト12の端部にボルト17によって締付けられて
いる。吸気用カムシャフト12の内部には、それぞれ軸
方向に遅角油路28と進角油路30とが切削されてお
り、遅角油路28と進角油路30は後述する圧力室側の
外周オイル給排口35,36と、これらと反対側の終端
側の外周オイル給排口32,34とを連通し、上記外周
オイル給排口32,34は、図示しないオイルポンプか
ら供給される流体としてのオイルが切換バルブ111を
介して選択的に給排状態となって通流する。
【0013】切換バルブ111は、ソレノイド112へ
通電することによってスプール113をスプリング11
4に抗して図示右方向へ摺動されるものであり、オイル
ポンプから供給されるオイルを油路115から取入れ、
一方のポート通路117を外周オイル給排口32に連通
し、他方のポート通路116を外周オイル排出口34に
連通している。119はドレンであり、ソレノイド11
2の非通電時にはポート通路117が給圧状態、ポート
通路116が排圧状態となり、ソレノイド112の通電
時にはその逆になる。従って、非通電時に進角通路28
にオイルが供給され、通電時に遅角通路30にオイルが
供給される。
【0014】次に図2に示すように、外部ロータ18の
内周側には仕切壁33によって形成されたここでは5個
の圧力室38と1つの退避孔40が形成されている。圧
力室38は内部ロータ側から放射方向に突設したベーン
52で二つの作動室38a,38bに区画される。作動
室38aは内部ロータ22に形成された中間通路54を
介して進角通路28の外周オイル給排口35に連通さ
れ、作動室38bは同じく内部ロータ22に形成された
中間通路56を介して遅角通路30の外周オイル給排口
36に連通されている。ベーン52はバネ部材49によ
って遠心方向に付勢されている。
【0015】上記退避孔40は、外側にエア抜きを有す
る蓋材42で封栓され、その内部には外側に付勢手段を
構成するスプリング46が配置され、このスプリング4
6は退避孔40の内部に位置されたノックピン44を内
側へ付勢している。この退避孔40とほぼ同径で内部ロ
ータ22の外周には受容孔48が形成される。この受容
孔48は更に軸心方向に延びる連通路50が形成され、
該連通路50はカムシャフト12の外周オイル給排口3
6に連通している。従って、連通路50は外周オイル給
排口36を介して遅角通路30に連通される。上記ノッ
クピン44,受容孔48,退避孔40及びスプリング46
は位相保持機構29を構成する。
【0016】また、受容孔48と退避孔40とが同相と
なるときのカムシャフト12と外部ロータ18との位相
は、最遅角状態に設定されている。すなわち、ベーン5
2が進角時に給圧側となる作動室38aを最縮小してい
るとき受容孔48と退避孔40との位相が一致するもの
である。上記実施形態1の構成では、図2に示す最遅角
状態において、切換バルブ111が非通電にされると、
オイルポンプからのオイルがポート通路117、外周オ
イル給排口32、進角通路28及び中間通路54を介し
て作動室38aにオイルが供給される。従来装置は、進
角用のオイルの一部を連通路50にも供給して進角位相
への切換えと同時にノックピン44を退避孔40へ退避
させていた。しかし、この実施形態1では、連通路50
を遅角通路30に連通しているので、遅角位相時に遅角
通路30を介して受容孔48にもオイルを供給し、受容
孔48に油圧を貯えている。図2に示す最遅角位置とな
って、受容孔48と退避孔40とが同相となっても、こ
の油圧によってダンピング効果を発揮し、退避孔40の
内部に配置されたスプリング46の付勢力によって受容
孔48側へ挿入しようとするノックピン44の挿入を阻
止する。そして、次に切換バルブ111を非通電状態と
し、進角通路28及び中間通路54を介して作動室38
aにオイルを供給すると、ノックピン44が受容孔48
に挿入されていないので、何らの抵抗もなくスムーズに
進角位相を行うことができ、図3に示すように、外部ロ
ータ18と内部ロータ22との位相が最遅角状態より進
角し、受容孔48が退避孔40より進相することにな
る。受容孔48が退避孔40より進相すれば、ノックピ
ン44がいくらスプリング46によって軸心方向に押圧
されても内部ロータ22の外周を押圧するだけで、ノッ
クピン44が受容孔48に係合する位相保持状態は生じ
ない。こうして実施形態1では、受容孔48と退避孔4
0とが位相同期する前に供給側となる作動室38bへの
オイルの一部が連通路50を介して受容孔48に充填さ
れていることにより、受容孔48と退避孔40とが位相
同期しても、受容孔48のオイルのダンパ作用によって
ノックピン44は受容孔48に係合することなく、弁開
閉軸制御動作の動作不良を起すことなく、またノックピ
ン44が作動しないことにより摩耗等の問題が発生する
ことなく、安定に連続して位相制御を行うことができる
のである。
【0017】また、エンジン始動時(特に、エンジン停
止後ある程度の時間が経過した作動室38a,38bの
油圧が抜けた後にエンジンを始動する場合)には、図示
しないオイルポンプがエンジンの始動と共に作動して
も、カムシャフト12の初期回転のときには圧力室38
(作動室38a,38b)に十分な油圧を供給すること
ができない。従って、外部ロータ18と内部ロータ22
とが自由に相対回転してしまう。そこで、エンジンの始
動時には一旦切換バルブ111を通電状態として遅角位
相を行って、図2に示す最遅角状態とする。この場合に
は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)の回転が
外部ロータ18から内部ロータ22に伝達される回転の
伝達によっても遅角方向に付勢されるので、比較的弱い
油圧によっても遅角位相は達成される。図2に示す最遅
角状態となると、受容孔48には十分な油圧が充填され
ていないことにより、スプリング46の付勢力によって
ノックピン44が受容孔48に挿入されて、外部ロータ
18と内部ロータ22との相対回転を規制して、ベーン
52が圧力室38の内壁に当接して打音を発生すること
を防止する。更に、作動室38b及び受容孔48に供給
される油圧が十分な油圧となると、ノックピン44をス
プリング46に抗して受容孔48から排出する。この状
態となると、作動室38bに十分な油圧が供給されてお
り、ベーン52が圧力室38内で進角方向に移動するこ
ともなく打音が発生することもない。
【0018】なお、実施形態1では、最遅角位置に退避
孔40と受容孔48を形成しているが、排気弁を駆動す
るカムシャフトに実施形態1の弁開閉時期制御装置を取
付けて最進角位置に退避孔40と受容孔48を形成した
場合には、外部ロータ18と内部ロータ22との間に圧
力室38に作用する油圧による力よりも小さな力のスプ
リングを配置して、圧力室38の油圧が低下すると強制
的に最進角位置に位相を変換し、ノックピン44で外部
ロータ18と内部ロータ22との自由な相対回転を規制
することで対応できる。
【0019】次に実施形態2を示す図4の弁開閉時期制
御装置は、上記連通路50に積極的な絞り50aを設け
たものである。この連通路50に設けた絞り50aによ
ってて、遅角側へ変位させた際に受容孔48に供給され
るオイルが連通路50を介して排出されることがなく、
オイルを受容孔48内に確実に貯えることができ、通常
運転状態においては、実施形態1の場合以上にノックピ
ン44が受容孔48に挿入することを阻止することが可
能となる。
【0020】次に実施形態3を示す図5の弁開閉時期制
御装置は、受容孔48と連通路50との境界に、リテー
ナ60に係留されたチェックポール61を設けたもので
ある。リテーナ60内のチェックポール61は、連通路
50の受容孔側エッジを弁座としている。このような構
成によっても、位相同期前に充填されている受容孔内の
オイルはダンパ作用を行い、ノックピンは受容孔48に
係合することができない。図5(A)は、最遅角状態に
至った、すなわち受容孔48と退避孔40とが位相同期
した状態を示し、それまでの間、連通路50には遅角用
のオイルが受容室48に充填されている。その後、進角
動作に変ると、図5(B)のように、遅角油圧が排圧状
態となり、進角油圧が給圧状態となって、ノックピン4
4が受容孔48に係合しようとするが、チェックボール
61が連通路50を閉じるため、受容孔48のオイルが
スプリング46の力に勝りノックピン44を退避孔内に
退避させた状態を維持する。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、内燃
機関の始動時にだけノックピンが受容孔に係合して位相
保持することができ、ノックピンの作動頻度を低減して
耐久性が高まるとともに打音を防止し、ノックピンのロ
ック現象を回避して信頼性の高い弁開閉時期制御を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明に係る実施形態1の弁開閉時
期制御装置を示し、図2のB−B線に沿った側断面図で
ある。
【図2】 上記実施形態1における図1のA−A線に沿
った縦断面図である。
【図3】 上記実施形態1において最遅角状態から若干
進角動作を行っている状態を示す縦断面図である。
【図4】 この出願の発明に係る実施形態2の弁開閉時
期制御装置を示す側断面図である。
【図5】 この出願の発明に係る実施形態3の弁開閉時
期制御装置を示す側断面図であり、(A)は最遅角状
態、(B)は進角状態に変った進角移相前の状態、
(C)は若干進角動作を行っている状態を示す縦断面図
である。
【図6】 従来の弁開閉時期制御装置を示す各動作説明
図である。
【符号の説明】
12はカムシャフト(回転軸)、52はベーン、38は
圧力室、18は外部ロータ(回転伝達部材)、111は
切換バルブ、48は受容孔、40は退避孔、46はスプ
リング(付勢手段)、44はノックピン、29は位相保
持機構、50は連通路であり、各実施形態を示す各図に
おいて起用通の要素には同一の符号を付す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクプーリからの回転動力が伝達さ
    れるバルブ開閉用の回転軸と、 該回転軸と所定範囲で回転位相角可変に外装された回転
    伝達部材と、 前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に取り付けられ
    たベーンと、 前記回転軸と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベ
    ーンによって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧
    室と、 前記進角用室と遅角用室とのそれぞれに流体を給排する
    複数の流体通路と、 前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に形成され、内
    部に前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方側に付勢さ
    れたノックピンを収容する退避孔と、 前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方に形成され前記
    回転軸と前記回転伝達部材との相対位相が所定の位相で
    同期したときに前記ノックピンを収容する受容孔と、 該受容孔から前記ノックピンを排出する流体を前記受容
    孔に給排する連通路とを備えた弁開閉時期制御装置にお
    いて、 前記退避孔と前記受容孔の同期位置を最遅角位置または
    最進角位置とし、前記連通路を同期する直前に流体を供
    給する前記流体通路と連通したことを特徴とする弁開閉
    時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記連通路に絞りを設けたことを特徴と
    する請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記連通路に前記受容孔への流体の流れ
    を許容し、前記受容孔から前記連通路への流体の流れを
    阻止するチェックボールを配設したことを特徴とする請
    求項1記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記退避孔と前記受容孔の同期位置を最
    遅角位置とし、前記連通路は前記回転伝達部材と前記回
    転軸とを遅角移相させる遅角用室へ流体を供給する前記
    流体通路と連通したことを特徴とする請求項1記載の弁
    開閉時期制御装置。
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