JP3812004B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、吸気弁又は排気弁を開閉させる回転軸と回転伝達部材との間に形成した圧力室をベーンによって進角室と遅角室とに区画し、進角室と遅角室との選択的な流体の給排によって回転伝達部材と回転軸との相対位相を可変することで、吸気弁又は排気弁の開閉時期を制御する内燃機関の弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
これらの種類の弁開閉時期制御装置は、例えば、特開平1−92504号公報や実開平2−50105号公報に開示されている。これらの従来の弁開閉時期制御装置には、回転伝達部材と回転軸との相対変位を制限するために、受容孔、退避孔、退避孔内に受容孔側にスプリングで付勢されたノックピンからなる位相保持機構が備わっている。
【0003】
この位相保持機構は、図5(A)〜(C)に示すように、回転軸1の外周に、回転軸1に一体固定したロータ2と、ロータ2の外側に相対回転可能な回転伝達部材3を配置している。ロータ2の外周には、ロータ2の径方向に延びる複数のベーン4が取り付けられている。それぞれのベーン4は、ロータ2の外側と回転伝達部材3の内側との間に円周上に複数形成された流体圧室5内に延びており、それぞれの流体圧室5を進角室5aと遅角室5bに区画している。回転伝達部材3には放射方向に退避孔6が形成されており、退避孔6内にはスプリング7によってロータ2側に付勢されたノックピン8が収容されている。ロータ2には、ノックピン8が挿入可能な受容孔9が形成されている。進角室5aには流体通路10bを介して流体が給排され、遅角室5bには流体通路10cを介して流体が給排されている。この弁開閉時期制御装置は、進角室5aと遅角室5bとの流体圧の圧力差によって、ベーン4を流体圧室5の範囲で変位させることによって、回転伝達部材3とロータ2(回転軸1)との位相を変換している。ここに示した従来技術は、回転伝達部材3とロータ2(回転軸1)とが、時計の回転方向に回転するものであり、退避孔6と受容孔9の位置関係が、回転伝達部材3の回転に対して最遅角の位置に設けられている。受容孔9に挿入されたノックピン8は、連通路10aを介して供給される流体の流体圧によって、スプリング7の付勢力に抗して退避孔6に退けられる。連通路10aは、流体通路10bと回転軸1の内部で合流しており、流体通路10cは、連通路10a及び流体通路10bと独立している。
【0004】
上記の構成の従来技術の作動は、例えば図5(A)に示す最進角位置から、図示しない流体制御装置により流体通路10cを介して流体を遅角室5bへ供給し、進角室5aの流体を流体通路10bを介して排出することにより、進角室5aと遅角室5bの流体圧差によりベーン4が図5(A)にBで示す矢印の方向へ回転する。これによって、ロータ2が回転伝達部材3との間で相対回転して、図5(B)に示す最遅角位置まで位相を変換する。最遅角位置になると、退避孔6と受容孔9との位置が合致し、スプリング7の付勢力によりノックピン8が受容孔9に挿入され、ロータ2と回転伝達部材3との相対回転を規制する。次に、最遅角位置から進角させる場合には、図5(C)に示すように、図示しない流体制御装置により流体通路10bを介して流体を進角室5aへ供給し、遅角室5bの流体を流体通路10cを介して排出すると共に、連通路10aにも流体を供給して、ノックピン8を受容孔9から退避孔6へ排出することにより、図5(C)にAで示す矢印の方向へベーン4を回転するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の弁開閉時期制御装置によれば、ノックピン8は回転伝達部材3とロータ2とが最遅角位置になる毎に受容孔に挿入され、進角方向に位相を変換するときに、ノックピン8を退避孔6へ離脱させると共に進角室5aと遅角室5bとの流体圧差によって回転伝達部材3とロータ2とを進角させている。連通路10aと流体通路10bとを、回転軸1の内部で合流させている技術的なねらいは、遅角方向へ作用させる流体通路10cを独立させて、最遅角位置となったときに受容孔9を空っぽにしてノックピン8を受け入れる体制を整えておくため、並びにノックピン8を受容孔9から排出する流体と、進角方向へ移相する流体を同時に供給することで、ノックピン8の排出処理と、回転位相の進角方向への変換とのレスポンスを向上させるためのものである。しかしながら、上記従来技術のノックピン8は、弁開閉時期制御装置を作動させて最遅角位置となる毎に受容孔9に係合するので、ノックピン8の作動回数が膨大な回数となり、ノックピン8の摩耗に対する耐久性、耐久性を考慮した材料、加工方法の選定や、ノックピン8の作動を支える退避孔6および受容孔9の摩耗に対する耐久性、耐久性を考慮した材料、加工方法の選定など、さまざまな条件を検討し、耐久性を確保するために非常に高価な材料を用いなければならないなどの問題があった。
【0006】
一方、上記従来の弁開閉時期制御装置においてノックピン8を設ける最大の目的は、次のとおりである。主にエンジンの停止時など、流体の圧力源が停止することにより、進角室5aと遅角室5bとの内部の流体圧が低下した後に、次にエンジンを始動させると、エンジンの始動と同時に進角室5aと遅角室5bとの内部の流体圧を確保することができないことにより、ベーン4が流体室5内を自由に回転することができ、流体室5の内壁に当接して打音を発生する。この打音を防止するためにベーン4の移動を規制する必要があり、少なくともエンジン始動後の進角室5aと遅角室5bとの内部の流体圧が確保されるまで、回転伝達部材3とロータ2の相対回転を停止させるためにノックピン8を設けている。逆に、エンジンの通常運転中においては、少なくとも進角室5aと遅角室5bの一方には流体が満たされることにより、ベーン4が流体室5内を自由に回転することが制限され打音の発生の問題は起きない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決する、すなわち、ノックピンの耐久性を向上させることを目的として、ノックピンによる回転伝達部材とロータ(回転軸)との係合をエンジンの始動時にのみ作動させ、エンジンの通常運転中は受容孔に挿入されないようにした弁開閉時期制御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この出願の発明らはさまざまな検討を重ね、エンジンの通常運転中は受容孔内に流体を満たすことにより、この流体の抵抗によってノックピンが受容孔に挿入できなくすることにより、課題を解決できることを確認した。
【0009】
請求項1及び2の発明を採用した弁開閉時期制御装置は、退避孔と受容孔の同期位置を最遅角位置または最進角位置とし、連通路を同期する直前に流体を供給する流体通路と連通したことにより、回転軸と回転伝達部材とが同期位置となる(すなわち、回転軸と回転伝達部材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させる)ときに、受容孔内に流体が満たされていることを達成するものである。つまり、エンジン運転中に回転軸と回転伝達部材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させ、受容孔と退避孔との位置が合致し、退避孔内に収容されたノックピンが受容孔側へ付勢される力によって、ノックピンが受容孔に挿入されようとするが、回転軸と回転伝達部材とを最遅角または最進角の位置へ相対変位させる流体の一部が受容孔内に満たされており、この流体によってノックピンが受容孔に挿入されることを防止する。一方、エンジンを停止することにより、流体の圧力発生源が停止するので、複数の流体通路、進角室、遅角室、連通路及び受容孔内の流体圧力は徐々に低下する。そして、次回エンジンを始動する時に、回転軸と回転伝達部材とが最遅角または最進角の位置へ相対変位し、受容孔と退避孔との位置が合致することにより、ノックピンが受容孔内に挿入し、回転軸と回転伝達部材との相対変位を規制する。このことによって、エンジン始動時にベーンが流体圧室の内壁と接触して打音を発生することを防止することができるものである。
【0010】
さらに、請求項1の発明では、上記連通路に絞りが設けられている。この絞りによって、受容孔内に供給された流体を連通路から排出されることを防止するので、受容孔内に確実に流体を満たすことができ、ノックピンが受容孔に挿入されて、回転軸と回転伝達部材との相対位相を規制することがない。
請求項2の発明では、上記連通路にチェックボールを設けることで、受容孔内に供給された流体を連通路を介して排出されないようにし、受容孔内の流体を確実に保持するものである。
【0011】
請求項3の発明は、退避孔と受容孔の同期位置を最遅角位置とし、連通路は回転伝達部材と回転軸とを遅角移相させる遅角用室へ流体を供給する流体通路と連通したことである。エンジンを停止し複数の流体通路、進角室、遅角室、連通路及び受容孔内の流体圧力が低下した後にエンジンを始動するときには、流体源からの流体圧が十分な値となる前にクランクシャフトの回転がタイミングベルト又はタイミングチェーンを介して回転伝達部材に伝達し、この回転がベーンを介して回転軸を回転することになる。このとき、ベーンの両端に形成される進角室、遅角室の流体圧が低下していることから、上記の回転力によってベーンが最遅角位置まで変位し、回転伝達部材と回転軸とを遅角移相させる。請求項3の発明においては、このときにノックピンを受容孔に挿入して回転軸と回転伝達部材との相対変位を規制することによって、打音の発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願の発明に係る各実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態1を示す図1において、符号12は図示しないシリンダヘッドに回転可能に支持された吸気弁用カムシャフトであり、弁開閉時期制御装置は、この吸気弁用カムシャフト12の先端部に次に詳細を説明するように取付けられている。この実施形態における回転伝達部材は、ベルト又はチェーンによって回転力が伝達されるタイミングプーリ14に対し相対回転不能に一体に固定された外部ロータ18及び外板20により構成されている。すなわち、外板20とタイミングプーリ14とは、間に外部ロータ18を挟んでボルト16により共締めされている。タイミングプーリ14と外板20の軸方向に扁平な円筒部分は、カムシャフト12の先端部に止着された内部ロータ22を内周域に挟み込んでいる。内部ロータ22は、タイミングプーリ14及び外部ロータ18と相対回転可能に、カムシャフト12の端部にボルト17によって締付けられている。吸気用カムシャフト12の内部には、それぞれ軸方向に遅角油路28と進角油路30とが切削されており、遅角油路28と進角油路30は後述する圧力室側の外周オイル給排口35,36と、これらと反対側の終端側の外周オイル給排口32,34とを連通し、上記外周オイル給排口32,34は、図示しないオイルポンプから供給される流体としてのオイルが切換バルブ111を介して選択的に給排状態となって通流する。
【0013】
切換バルブ111は、ソレノイド112へ通電することによってスプール113をスプリング114に抗して図示右方向へ摺動されるものであり、オイルポンプから供給されるオイルを油路115から取入れ、一方のポート通路117を外周オイル給排口32に連通し、他方のポート通路116を外周オイル排出口34に連通している。119はドレンであり、ソレノイド112の非通電時にはポート通路117が給圧状態、ポート通路116が排圧状態となり、ソレノイド112の通電時にはその逆になる。従って、非通電時に進角通路28にオイルが供給され、通電時に遅角通路30にオイルが供給される。
【0014】
次に図2に示すように、外部ロータ18の内周側には仕切壁33によって形成されたここでは5個の圧力室38と1つの退避孔40が形成されている。圧力室38は内部ロータ側から放射方向に突設したベーン52で二つの作動室38a,38bに区画される。作動室38aは内部ロータ22に形成された中間通路54を介して進角通路28の外周オイル給排口35に連通され、作動室38bは同じく内部ロータ22に形成された中間通路56を介して遅角通路30の外周オイル給排口36に連通されている。ベーン52はバネ部材49によって遠心方向に付勢されている。
【0015】
上記退避孔40は、外側にエア抜きを有する蓋材42で封栓され、その内部には外側に付勢手段を構成するスプリング46が配置され、このスプリング46は退避孔40の内部に位置されたノックピン44を内側へ付勢している。この退避孔40とほぼ同径で内部ロータ22の外周には受容孔48が形成される。この受容孔48は更に軸心方向に延びる連通路50が形成され、該連通路50はカムシャフト12の外周オイル給排口36に連通している。従って、連通路50は外周オイル給排口36を介して遅角通路30に連通される。上記ノックピン44,受容孔48,退避孔40及びスプリング46は位相保持機構29を構成する。
【0016】
また、受容孔48と退避孔40とが同相となるときのカムシャフト12と外部ロータ18との位相は、最遅角状態に設定されている。すなわち、ベーン52が進角時に給圧側となる作動室38aを最縮小しているとき受容孔48と退避孔40との位相が一致するものである。
上記実施形態1の構成では、図2に示す最遅角状態において、切換バルブ111が非通電にされると、オイルポンプからのオイルがポート通路117、外周オイル給排口32、進角通路28及び中間通路54を介して作動室38aにオイルが供給される。従来装置は、進角用のオイルの一部を連通路50にも供給して進角位相への切換えと同時にノックピン44を退避孔40へ退避させていた。しかし、この実施形態1では、連通路50を遅角通路30に連通しているので、遅角位相時に遅角通路30を介して受容孔48にもオイルを供給し、受容孔48に油圧を貯えている。図2に示す最遅角位置となって、受容孔48と退避孔40とが同相となっても、この油圧によってダンピング効果を発揮し、退避孔40の内部に配置されたスプリング46の付勢力によって受容孔48側へ挿入しようとするノックピン44の挿入を阻止する。そして、次に切換バルブ111を非通電状態とし、進角通路28及び中間通路54を介して作動室38aにオイルを供給すると、ノックピン44が受容孔48に挿入されていないので、何らの抵抗もなくスムーズに進角位相を行うことができ、図3に示すように、外部ロータ18と内部ロータ22との位相が最遅角状態より進角し、受容孔48が退避孔40より進相することになる。受容孔48が退避孔40より進相すれば、ノックピン44がいくらスプリング46によって軸心方向に押圧されても内部ロータ22の外周を押圧するだけで、ノックピン44が受容孔48に係合する位相保持状態は生じない。こうして実施形態1では、受容孔48と退避孔40とが位相同期する前に供給側となる作動室38bへのオイルの一部が連通路50を介して受容孔48に充填されていることにより、受容孔48と退避孔40とが位相同期しても、受容孔48のオイルのダンパ作用によってノックピン44は受容孔48に係合することなく、弁開閉軸制御動作の動作不良を起すことなく、またノックピン44が作動しないことにより摩耗等の問題が発生することなく、安定に連続して位相制御を行うことができるのである。
【0017】
また、エンジン始動時(特に、エンジン停止後ある程度の時間が経過した作動室38a,38bの油圧が抜けた後にエンジンを始動する場合)には、図示しないオイルポンプがエンジンの始動と共に作動しても、カムシャフト12の初期回転のときには圧力室38(作動室38a,38b)に十分な油圧を供給することができない。従って、外部ロータ18と内部ロータ22とが自由に相対回転してしまう。そこで、エンジンの始動時には一旦切換バルブ111を通電状態として遅角位相を行って、図2に示す最遅角状態とする。この場合には、エンジンのクランクシャフト(図示せず)の回転が外部ロータ18から内部ロータ22に伝達される回転の伝達によっても遅角方向に付勢されるので、比較的弱い油圧によっても遅角位相は達成される。図2に示す最遅角状態となると、受容孔48には十分な油圧が充填されていないことにより、スプリング46の付勢力によってノックピン44が受容孔48に挿入されて、外部ロータ18と内部ロータ22との相対回転を規制して、ベーン52が圧力室38の内壁に当接して打音を発生することを防止する。更に、作動室38b及び受容孔48に供給される油圧が十分な油圧となると、ノックピン44をスプリング46に抗して受容孔48から排出する。この状態となると、作動室38bに十分な油圧が供給されており、ベーン52が圧力室38内で進角方向に移動することもなく打音が発生することもない。
【0018】
なお、実施形態1では、最遅角位置に退避孔40と受容孔48を形成しているが、排気弁を駆動するカムシャフトに実施形態1の弁開閉時期制御装置を取付けて最進角位置に退避孔40と受容孔48を形成した場合には、外部ロータ18と内部ロータ22との間に圧力室38に作用する油圧による力よりも小さな力のスプリングを配置して、圧力室38の油圧が低下すると強制的に最進角位置に位相を変換し、ノックピン44で外部ロータ18と内部ロータ22との自由な相対回転を規制することで対応できる。
【0019】
さらに、実施形態1の弁開閉時期制御装置は、上記連通路50に積極的な絞り50aを設けたものである。この連通路50に設けた絞り50aによって、遅角側へ変位させた際に受容孔48に供給されるオイルが連通路50を介して排出されることがなく、オイルを受容孔48内に確実に貯えることができ、通常運転状態においては、ノックピン44が受容孔48に挿入することを確実に阻止することが可能となる。
【0020】
次に実施形態2を示す図4の弁開閉時期制御装置は、受容孔48と連通路50との境界に、リテーナ60に係留されたチェックポール61を設けたものである。リテーナ60内のチェックポール61は、連通路50の受容孔側エッジを弁座としている。このような構成によっても、位相同期前に充填されている受容孔内のオイルはダンパ作用を行い、ノックピンは受容孔48に係合することができない。図4(A)は、最遅角状態に至った、すなわち受容孔48と退避孔40とが位相同期した状態を示し、それまでの間、連通路50には遅角用のオイルが受容室48に充填されている。その後、進角動作に変ると、図4(B)のように、遅角油圧が排圧状態となり、進角油圧が給圧状態となって、ノックピン44が受容孔48に係合しようとするが、チェックボール61が連通路50を閉じるため、受容孔48のオイルがスプリング46の力に勝りノックピン44を退避孔内に退避させた状態を維持する。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、内燃機関の始動時にだけノックピンが受容孔に係合して位相保持することができ、ノックピンの作動頻度を低減して耐久性が高まるとともに打音を防止し、ノックピンのロック現象を回避して信頼性の高い弁開閉時期制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明に係る実施形態1の弁開閉時期制御装置を示し、図2のB−B線に沿った側断面図である。
【図2】 上記実施形態1における図1のA−A線に沿った縦断面図である。
【図3】 上記実施形態1において最遅角状態から若干進角動作を行っている状態を示す縦断面図である。
【図4】 この出願の発明に係る実施形態2の弁開閉時期制御装置を示す側断面図であり、(A)は最遅角状態、(B)は進角状態に変った進角移相前の状態、(C)は若干進角動作を行っている状態を示す縦断面図である。
【図5】 従来の弁開閉時期制御装置を示す各動作説明図である。
【符号の説明】
12はカムシャフト(回転軸)、52はベーン、38は圧力室、18は外部ロータ(回転伝達部材)、111は切換バルブ、48は受容孔、40は退避孔、46はスプリング(付勢手段)、44はノックピン、29は位相保持機構、50は連通路であり、各実施形態を示す各図において起用通の要素には同一の符号を付す。
Claims (3)
- クランクプーリからの回転動力が伝達されるバルブ開閉用の回転軸と、
該回転軸と所定範囲で回転位相角可変に外装された回転伝達部材と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に取り付けられたベーンと、
前記回転軸と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室と、
前記進角用室と遅角用室とのそれぞれに流体を給排する複数の流体通路と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に形成され、内部に前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方側に付勢されたノックピンを収容する退避孔と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方に形成され前記回転軸と前記回転伝達部材との相対位相が所定の位相で同期したときに前記ノックピンを収容する受容孔と、
該受容孔から前記ノックピンを排出する流体を前記受容孔に給排する連通路とを備えた弁開閉時期制御装置において、
前記退避孔と前記受容孔の同期位置を最遅角位置または最進角位置とし、前記連通路を同期する直前に流体を供給する前記流体通路と連通し、かつ、前記連通路に絞りを設けたことを特徴とする弁開閉時期制御装置。 - クランクプーリからの回転動力が伝達されるバルブ開閉用の回転軸と、
該回転軸と所定範囲で回転位相角可変に外装された回転伝達部材と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に取り付けられたベーンと、
前記回転軸と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室と、
前記進角用室と遅角用室とのそれぞれに流体を給排する複数の流体通路と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の一方に形成され、内部に前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方側に付勢されたノックピンを収容する退避孔と、
前記回転軸又は前記回転伝達部材の他方に形成され前記回転軸と前記回転伝達部材との相対位相が所定の位相で同期したときに前記ノックピンを収容する受容孔と、
該受容孔から前記ノックピンを排出する流体を前記受容孔に給排する連通路とを備えた弁開閉時期制御装置において、
前記退避孔と前記受容孔の同期位置を最遅角位置または最進角位置とし、前記連通路を同期する直前に流体を供給する前記流体通路と連通し、かつ、前記連通路に前記受容孔への流体の流れを許容し、前記受容孔から前記連通路への流体の流れを阻止するチェックボールを配設したことを特徴とする弁開閉時期制御装置。 - 前記退避孔と前記受容孔の同期位置を最遅角位置とし、前記連通路は前記回転伝達部材と前記回転軸とを遅角移相させる遅角用室へ流体を供給する前記流体通路と連通したことを特徴とする請求項1又は2記載の弁開閉時期制御装置。
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