JPH10102748A - 床タイル - Google Patents
床タイルInfo
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- JPH10102748A JPH10102748A JP27997196A JP27997196A JPH10102748A JP H10102748 A JPH10102748 A JP H10102748A JP 27997196 A JP27997196 A JP 27997196A JP 27997196 A JP27997196 A JP 27997196A JP H10102748 A JPH10102748 A JP H10102748A
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Abstract
性、耐汚れ性、耐凹み性などの諸物性を総合的に改善
し、ワックスを使用しないで充分なメンテナンスを行え
る床タイルを提供する。 【解決手段】 30〜55重量部のポリエチレンに、メ
タクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで
変性された変性ポリオレフィンを15〜45重量部、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体を55〜0重量部、無機質
充填材を50〜300重量部の割合で配合して床タイル
1を構成する。好ましくは特定組成の裏面層2と繊維層
3を積層し、裏面層にロジンを更に含有させる。
Description
性、耐汚れ性、耐凹み性などの諸物性が総合的に改善さ
れ、ワックスを使用しないで満足なメンテナンスを行え
る床タイルに関する。
ングには、塩化ビニル樹脂製の床タイルが多用されてい
る。しかし、塩化ビニル樹脂製の床タイルは、火災時に
有害な塩化水素ガスを含んだ煙を多量に発生するため、
人体に悪影響を及ぼし、避難行動や消火活動を妨げると
いう問題がある。また、可塑剤や安定剤を多量に含むた
め、臭気が強いという問題もある。
ポリプロピレンに注目し、ポリプロピレンにエチレン−
酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウム等を配合して成る
床材を提案した(特願平5−296154号)。
体をポリプロピレンに配合しているため、それまでのポ
リプロピレン製の床材に見られたような脆さがなく、耐
汚れ性や耐傷性もある程度は改善されるという利点を有
するものであった。
床材は、ポリッシャー(バフマシン)で磨いても表面光
沢が大幅に向上せず、また、耐汚れ性や耐傷性の改善も
充分とは言えないため、表面が汚れやすく傷が入りやす
いという問題があり、傷によって表面光沢が低下する
と、ポリッシャーで磨いても表面光沢が充分に回復しな
いので、メンテナンス性が良いとは言い難いものであっ
た。
で、表面の光沢、耐傷性、耐汚れ性、耐凹み性などの諸
物性を総合的に改善し、ワックスを使用しないで満足な
メンテナンスを行える床タイルを提供することを目的と
している。
め、本発明の請求項1に係る床タイルは、30〜55重
量部のポリエチレンに、メタクリル酸、無水マレイン
酸、アクリル酸のいずれかで変性された変性ポリオレフ
ィンを15〜45重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合
体を55〜0重量部、無機質充填材を50〜300重量
部の割合で配合して成ることを特徴とするものである。
レンが高密度ポリエチレンであることを特徴とし、請求
項3の床タイルは、変性ポリオレフィンがメタクリル
酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性され
たエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴と
し、請求項4の床タイルは、変性ポリオレフィンが、無
水マレイン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合
体であって、酢酸ビニルを15〜30重量%含んだもの
であることを特徴とし、請求項5の床タイルは、裏面に
寒冷紗等の繊維層を積層したことを特徴とするものであ
る。
重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重
合体を70〜30重量部、無機質充填材を50〜300
重量部の割合で配合した裏面層を、裏面に積層したこと
を特徴とし、請求項7の床タイルは、裏面層にロジンを
1〜15重量部の割合で更に配合したことを特徴し、請
求項8の床タイルは、裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層
を積層したことを特徴とするものである。
チレンに、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸
のいずれかで変性された変性ポリオレフィンを15〜4
5重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体を55〜0重
量部の割合で配合したものを基材樹脂とする請求項1の
床タイルは、後述する実験データから判るように、ポリ
プロピレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を配合した
ものを基材樹脂とする先に提案した床材(以下、先の床
材という)と同等以上の初期の表面光沢を有する。そし
て、ポリッシャー(バフマシン)で表面を磨くと、後述
する実験データから判るように、先の床材は表面光沢が
あまり向上しないのに対し、請求項1の床タイルは表面
光沢が顕著に向上する。また、表面に傷を付けて表面光
沢を低下させてからポリッシャーで表面を磨くと、先の
床材も請求項1の床タイルも表面光沢は回復するが、先
の床材は回復後の表面光沢があまり良くないのに対し、
請求項1の床タイルは回復後の表面光沢が極めて良好で
ある。更に、請求項1の床タイルは、後述の実験データ
から判るように、先の床材に比べると、耐汚れ性や耐傷
性が遥かに良好である。従って、本発明の請求項1の床
タイルは、先の床材に比べてメンテナンス性が大幅に向
上する。
顕著に改善され、メンテナンス性が大幅に向上するの
は、第一の成分樹脂であるポリエチレンが側鎖の少な
い直鎖状分子構造のポリマーで、表面の光沢や耐汚れ性
などの改善に有効に作用すること、第二の成分樹脂と
して配合される変性ポリオレフィンが充填材との相溶性
に優れ、耐汚れ性や耐傷性などの改善に有効に作用する
こと、第三の成分樹脂として配合されるエチレン−酢
酸ビニル共重合体がポリエチレンや変性ポリオレフィン
と良く調和し、柔軟性や成形性などの改善に有効に作用
すること、等の理由によるものと考えられる。
子の枝分かれが少ない高密度ポリエチレンが好適であ
り、このような高密度ポリエチレンを用いた請求項2の
床タイルは、低密度ポリエチレンを用いたものよりも上
記諸物性の改善効果が顕著である。
フィンとしては、メタクリル酸、無水マレイン酸、アク
リル酸のいずれかで変性されたエチレン−酢酸ビニル共
重合体が好適であり、特に、無水マレイン酸で変性され
たエチレン−酢酸ビニル共重合体であって酢酸ビニルを
15〜30重量%含んだものは、第一の樹脂成分である
ポリエチレンや第三の樹脂成分であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体と良く調和して相乗的に諸物性の改善に極
めて有効に作用するため、これらの変性されたエチレン
−酢酸ビニル共重合体を用いた請求項3の床タイルや請
求項4の床タイルは諸物性の改善効果が顕著である。
ンが30重量部より少なくなり、変性ポリオレフィンが
45重量部より多くなると、柔軟性は向上するけれど
も、表面光沢がかなり低下し、耐汚れ性、耐傷性、耐凹
み性なども低下する。一方、ポリエチレンが55重量部
より多くなり、変性ポリオレフィンが15重量部より少
なくなると、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性などは良好で
あるが、柔軟性が低下する。また、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体が55重量部より多くなると、柔軟性は向上
するけれども、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性
などが低下する。更に、無機質充填材が300重量部よ
り多くなると床タイルが脆弱化し、50重量部より少な
くなると床タイルの難燃性が低下するといった不都合を
生じる。
等の繊維層を裏面に積層すると、該繊維層のアンカー効
果によって床地面に対する接着性が向上する。
請求項6の床タイルのように裏面層を積層して複層構造
としてもよい。この裏面層は、表面光沢、耐汚れ性、耐
傷性などを改善する必要がないので、第一の成分樹脂と
してポリエチレンに限ることなくポリオレフィンが使用
される。裏面層の組成は、ポリオレフィン30〜70重
量部に対してエチレン−酢酸ビニル共重合体を70〜3
0重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合と
することが必要で、ポリオレフィンが70重量部より多
くなり、エチレン−酢酸ビニル共重合体が30重量部よ
り少なくなり、無機質充填材が300重量部より多くな
ると、裏面層が硬くて脆いものになり、接着性も低下す
るといった不都合を生じる。また、これとは逆に、ポリ
オレフィンが30重量部より少なくなり、エチレン−酢
酸ビニル共重合体が70重量部より多くなり、無機質充
填材が50重量部より少なくなると、裏面層の難燃性や
耐凹み性が低下するといった不都合を生じる。
の裏面層にロジンを1〜15重量部の割合で更に配合す
ると、床地面に対する接着性が向上し、請求項8の床材
のように裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層を積層する
と、接着性が更に向上する。
の具体的な実施形態を詳述する。
の斜視図、図2はその概略断面図である。
cm程度の正方形に形成されたもので、床タイル本体1
(表面層)の裏面には裏面層2が積層一体化されてお
り、更に裏面層2の底面には寒冷紗等の繊維層3が半ば
埋入状態で積層されている。
リエチレンに、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリ
ル酸のいずれかで変性された変性ポリオレフィンを15
〜45重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体を50〜
0重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で
配合したものであり、その好ましい厚みは1〜5mm程
度であるが、特に限定されるものではない。
は、中・低圧法で製造される分子の枝分れが少ない高密
度ポリエチレン(比重:0.94〜0.96程度)が好
適に使用されるが、高圧法で製造される低密度ポリエチ
レン(比重:0.92程度)も勿論使用することができ
る。
としては、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸
のいずれかで変性された低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(以下EVAと記す)、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体などが使用される。この中では、変性EVAが好適で
あり、特に、無水マレイン酸で変性されたEVAであっ
て酢酸ビニルを15〜30重量%含んだ変性EVAは、
第一成分樹脂のポリエチレンや第三成分樹脂のEVAと
良く調和し、特に充填材との相溶性が良く、相乗的に諸
物性(特に、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性な
ど)の改善に極めて有効に作用するため、頗る好適に使
用される。
ル含有率が15〜70重量%の範囲にある比較的軟質の
EVAが好適に使用され、このようなEVAは柔軟性な
どの改善に有効に作用する。尚、このEVAは、第二成
分樹脂として上記の変性EVAを用いる場合は省略して
もよい。
種々の充填材を使用できるが、その中でも10μm以下
の平均粒径を有する炭酸カルシウムの粉末や、この炭酸
カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との混合粉末
が好適に使用される。炭酸カルシウム粉末を配合するだ
けでも床タイル本体1に難燃性を付与することはできる
が、炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との
混合粉末を配合すると、水酸化アルミニウムが熱分解時
に水を放出するため、難燃性の高い床材を得ることがで
きる。
ン、EVA、無機質充填材の配合割合を、それぞれ30
〜55重量部、15〜45重量部、55〜0重量部、5
0〜300重量部とする理由については、既に詳細に説
明したので、ここでは説明を省略する。
じて顔料、過酸化系の架橋剤、カップリング剤、ビスア
マイド等の滑剤、フェノール系の酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系の光安定剤など、各種の添加剤を少量含有さ
せてもよい。
リオレフィンに、EVAを70〜30重量部、無機質充
填材を50〜300重量部の割合で配合したものであ
り、その厚みは0.5〜5mm程度であるが、特に限定
されるものではない。
エチレンやポリプロピレンなどが使用される。このよう
にポリエチレンに限らず他のポリオレフィンも使用でき
るのは、裏面層2の場合、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性
などを向上させる必要がないからである。
有率が15〜70重量%の比較的軟質のものと、酢酸ビ
ニル含有率が70〜90重量%の比較的硬質のものを混
合して使用することが望ましく、このように酢酸ビニル
含有率の大きいEVAを混合すると、耐凹み性やクッシ
ョン性などの改善に有効である。
前記と同様のものが使用される。
質充填材の配合割合を、それぞれ30〜70重量部、7
0〜30重量部、50〜300重量部とする理由につい
ては、既に詳細に説明したので、ここでは説明を省略す
る。
の割合で配合することが望ましく、このようにロジンを
配合すると、床地面に対する接着性が向上する。これ
は、ロジンがEVAとの相溶性に富み、無機質充填材と
の密着性にも優れているため、無機質充填材を裏面層2
にしっかり保持して裏面層2の脆弱化を抑制し、床地面
との接着強度(耐剥離強度)を向上させる働きをするか
らである。従って、裏面層2にロジンを配合した床材
は、市販の床用接着剤を用いて床地面に強固に接着する
ことができる。ロジンの配合量が15重量部より多くな
ると、裏面層2の抗張力の低下を招く恐れがあり、ま
た、1重量部より少なくなると、接着性を顕著に向上さ
せることが難しくなるので、好ましくない。
繊維層3が半ば埋入状態で積層されており、この繊維層
3のアンカー効果によって裏面層2の床地面に対する接
着性が一層高められている。繊維層3としては、寒冷紗
の他、不織布、織布、ガラス繊維、紙など、種々のもの
が使用される。
に応じて少量配合してもよいことは言うまでもない。
いものであり、裏面層2を省略して床タイル本体1のみ
からなる単層の床タイルとしてもよい。その場合は、床
タイル本体1に上記のロジンを1〜15重量部の割合で
配合して、床地面に対する接着性を高めることが望まし
く、更に、上記の繊維層3を床タイル本体1の裏面に半
ば埋入状態で積層して接着性を一層向上させることが望
ましい。ロジンの配合量が15重量部より多くなると、
床タイル本体1の色相が不安定化する恐れがあり、1重
量部より少なくなると、接着性を顕著に高めることが難
しくなるので、いずれも好ましくない。
からなる床タイルは、例えば次の方法によって製造する
ことができる。
と、15〜45重量部の変性ポリオレフィンと、55〜
0重量部のEVAと、50〜300重量部の無機質充填
材と、必要に応じて少量の添加剤とを混合し、押出機で
造粒して粉粒体を造る。
と、70〜30重量部のEVAと、50〜300重量部
の無機質充填材と、必要に応じて1〜15重量部のロジ
ンと少量の添加剤とを混合し、押出機でシーティングし
て、裏面層となるシートを造る。
シート上面に前記の粉粒体を積層して加熱し、加圧ロー
ル等で加圧して一体化した後、所定の寸法の正方形に切
断して床タイルを製造する。尚、繊維層3は後で裏面層
2の底面に熱圧着するようにしてもよい。
をポリッシャー(バフマシン)で磨くと、後述する実験
データに示すように、ワックスを表面に塗布しなくても
床タイル本体1の表面光沢が顕著に向上する。そして、
床タイル本体1の耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性などの諸
物性が総合的に改善されており、表面に傷が入って表面
光沢が低下しても、ポリッシャーで表面を磨くと表面光
沢が顕著に回復する。従って、この床タイルはメンテナ
ンス性が極めて良好であり、ワックスを塗る必要がな
い。
善されており、床タイル本体1をバックアップして良好
な踏圧感を付与することができる。そして、ロジンを配
合したものは、床地面に対する接着性が良好であり、繊
維層3を裏面層2の底面に積層したものは、接着性が顕
著に向上する。
と比較例を説明する。
レン(東ソー(株)製のHDPE2400)に、無水マ
レイン酸で変性した変性EVA(三井・デュポンポリケ
ミカル(株)製のVR101)を15重量部、酢酸ビニ
ル含有率が19重量%の無変性のEVAを50重量部、
平均粒径が3μmの炭酸カルシウム粉末を220重量部
の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕
して1.9mm以下の粒径を有する粉粒体を得た。
(東ソー(株)製のHDPE5700)に、酢酸ビニル
含有率が60重量%の無変性のEVAを40重量部、酢
酸ビニル含有率が80重量%の無変性のEVAを20重
量部、上記の炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合
で混練し、押出機でシーティングして裏面層となるシー
ト(厚さ1mm)を形成した。
を積層して200℃に加熱し、10kg/cm2 でプレ
スして、厚さ2.5mmの床タイル本体1を一体に形成
した二層構造の床タイルのサンプルを作製した。
ッシャーによる表面光沢の向上の程度、表面に傷を入
れた後のポリッシャーによる表面光沢の回復の程度、
耐汚れ性(変色度)、耐傷性、残留凹み、柔軟性
を、次の要領で調べた。
度 上記のサンプルをプラスチック基板上に紙製のハードボ
ードを介して貼付け、光沢計(スガ試験機(株)製のH
G−246)を使用してJIS K 7105の試験方
法に基づき、このサンプルの表面層の初期の表面光沢度
を測定した。その結果は、下記の表1に示すように14
%であった。
製作所製の床用電動ポリッシャーMPS−70・12)
を使用し、ナイロン製の軟らかいパッド(住友スリーエ
ム(株)製の黄パッド)を250rpmの回転速度で2
0sec/m2 回転させてサンプルの表面をバフ(ドラ
イバフ)した。そして、光沢計を用いて上記と同様の方
法でバフ後のサンプルの表面光沢度を測定したところ、
下記の表1に示すように43%まで急上昇した。同様に
して第2回目のドライバフ操作と表面光沢度の測定、第
3回目のドライバフ操作と表面光沢度の測定を繰り返し
行ったところ、下記の表1に示すように、第2回目のド
ライバフ後の表面光沢度は49%、第3回目のドライバ
フ後の表面光沢度は53%であり、表面光沢が顕著に向
上した。
る表面光沢の回復の程度 上記の軟らかいパッドに代えて、硬いパッド(住友スリ
ーエム(株)製の緑パッド)をポリッシャーに装着し、
該パッドを250rpmで20sec/m2 回転させて
サンプルの表面に傷を入れ、その表面光沢度を測定し
た。その結果、表面光沢度は下記の表1に示すように9
%まで低下した。
に再び交換し、前記のドライバフ操作と表面光沢度の測
定を3回繰り返して、サンプルの表面光沢の回復の程度
を調べた。その結果、下記の表1に示すように、第1回
目のバフ後の表面光沢度は25%、第2回目のバフ後の
表面光沢度は31%、第3回目のバフ後の表面光沢度は
48%であり、表面光沢は表面に傷を入れる前の状態に
近いところまで回復することが判った。
を入れない場合の耐汚れ性と、表面層を摩耗して傷を入
れた場合の耐汚れ性を、次の要領で調べた。
性]サンプルの表面に、JIS L 1023に準じる
標準汚染物質を落としながら、JIS A 1453の
方法に準じて、研磨紙を巻き付けないゴム輪でサンプル
の表面を80回研磨し、更に、汚染物質を落とすのをや
めて上記ゴム輪で20回研磨した。そして、JIS K
7105の色差測定法によって、上記の汚れたサンプ
ルと汚れのない元のサンプルとの色差(ΔE)を求め
た。その結果、色差は下記の表2に示すように僅か4.
4%であった。
IS A 1453の方法に基づいて、研磨紙を巻き付
けたゴム輪でサンプルの表面を150回摩耗した。そし
て、この摩耗して傷を入れたサンプルの表面に上記の汚
染物質を落としながら、上記と同様に研磨紙を除去した
ゴム輪で床材サンプルの表面を80回研磨し、更に、汚
染物質を落とすのをやめて20回研磨してから、上記と
同様に色差(ΔE)を測定した。その結果、色差は下記
の表2に示すように7.5%と少なかった。
き付けたゴム輪でサンプルの表面を150回研磨し、表
面の傷の深さをレーザー表面形状測定顕微鏡((株)キ
ーエンス製のVF−7500)で観察した。その結果、
表面の傷の深さは下記の表2に示すように中程度であっ
た。
の残留凹みを調べた結果、下記の表2に示すように残留
凹みは9.4%であった。
多数の試験片を作製した。そして、直径が異なる複数の
パイプに上記の帯状試験片を巻き付ける操作を3回ずつ
繰り返し、3回とも帯状試験片にひび割れが生じない最
小直径のパイプを調べて、そのパイプの直径の大小から
柔軟性の良否を判断した。その結果、試験片にひび割れ
が生じない最小のパイプの直径は、下記の表2に示すよ
うに30mm以下であった。
度ポリエチレン(HDPE2400)54重量部に、実
施例1で使用した無水マレイン酸変性EVAを23重量
部、実施例1で使用した無変性のEVA(VA:19
%)を23重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム
粉末を220重量部の割合で均一に混練して押出機から
押出し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9
mm以下)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施
例2の床タイルのサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)50重量部に、実施例1で使
用した無水マレイン酸変性EVAを40重量部、実施例
1で使用した無変性のEVA(VA:19%)を10重
量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を220
重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これ
を粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm以下)を
用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の床タイ
ルのサンプルを作製した。
ついて、実施例1と同様にしてポリッシャーによる表
面光沢の向上の程度、表面に傷を入れた後のポリッシ
ャーによる表面光沢の回復の程度、耐汚れ性(変色
度)、耐傷性、残留凹み、柔軟性を調べた。その
結果を下記の表1及び表2に示す。
レン(徳山曹達(株)製のFM801)に、酢酸ビニル
含有率が28重量%の無変性のEVA(VA:28%)
を50重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末
を200重量部の割合で均一に混練して押出機から押出
し、これを粉砕して粉粒体(粒径:1.9mm以下)を
得た。そして、実施例1と同様にして、裏面層となるシ
ート(厚さ1mm)を造り、このシートの上に上記の粉
粒体を積層して200℃で加熱し、50kg/cm2 で
プレスして厚さ2.5mmの床タイル本体を一体に形成
した比較例1の床材のサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)60重量部に、実施例1で使
用した無水マレイン酸変性EVAを10重量部、実施例
1で使用した無変性のEVA(VA:19%)を30重
量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を220
重量部の割合で均一に混練して押出機で押出し、これを
粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm以下)を用
いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の床タイル
のサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)20重量部に、実施例1で使
用した無水マレイン酸変性EVAを50重量部、実施例
1で使用した無変性のEVA(VA:19%)を30重
量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を220
重量部の割合で均一に混練して押出機で押出し、これを
粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm以下)を用
いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の床タイル
のサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)55重量部に、実施例1で使
用した無変性のEVA(VA:19%)を45重量部、
実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を220重量部
の割合で均一に混練して押出機で押出し、これを粉砕し
て得られた粉粒体(粒径:1.9mm以下)を用いた以
外は、実施例1と同様にして比較例4の床タイルのサン
プルを作製した。
サンプルについて、実施例1と同様にしてポリッシャ
ーによる表面光沢の向上の程度、表面に傷を入れた後
のポリッシャーによる表面光沢の回復の程度、耐汚れ
性(変色度)、耐傷性、残留凹み、柔軟性を調べ
た。その結果を下記の表1及び表2に示す。
サンプルは初期の表面光沢度が14%で、ポリプロピレ
ンと無変性のEVA(VA:28%)を床タイル本体の
成分樹脂とする比較例1のサンプルの初期の表面光沢度
16%と同程度であるが、実施例2,3のサンプルは初
期の表面光沢度が37〜38%で、比較例1のサンプル
よりも遥かに優れている。
フを行うと、比較例1のサンプルでは表面光沢度が14
%と若干低下するのに対し、実施例1〜3のサンプルで
は表面光沢度が43〜51%まで上昇する。また、比較
例1のサンプルは、2回目及び3回目のドライバフを行
っても、表面光沢度が23%まで上昇するだけであるの
に対し、実施例1〜3の床材サンプルは、2回目及び3
回目のドライバフを行うと、表面光沢度が53〜59%
まで大幅に上昇する。
リエチレンを使用し、且つ、無変性のEVA以外に無水
マレイン酸変性EVAを更に配合した本発明の実施例1
〜3のサンプルは、ポリッシャーでドライバフした場合
の表面光沢の向上効果が顕著であることが判る。
比較例1のサンプルでは表面光沢度が4%と大幅に低下
するのに対し、実施例1〜3のサンプルでは表面光沢度
が9〜19%まで低下するだけであり、このことから実
施例1〜3の床材サンプルは比較例1の床材サンプルよ
りも傷が入りにくいことが判る。
ッシャーでドライバフを3回繰り返すと、比較例1のサ
ンプルも実施例1〜3のサンプルも表面光沢度は回復す
るが、比較例1のサンプルでは回復した表面光沢度が2
2%と低いのに対し、実施例1〜3の床材サンプルでは
回復した表面光沢度が48〜55%と高くなり、傷を入
れる前の表面光沢度と殆ど変わらなくなる。
リエチレンを使用し、且つ、無変性のEVA以外に無水
マレイン酸変性EVAを更に配合した実施例1〜3のサ
ンプルは、表面に傷が入ってもポリッシャーでドライバ
フすれば、表面光沢の回復効果が顕著であることが判
る。
の汚染液による変色度(色差)は、比較例1のサンプル
では11.9%であるのに対し、実施例1〜3のサンプ
ルでは1.2〜4.4%と非常に小さくなっている。そ
して、表面を摩耗した場合の汚染液による変色度も、比
較例1のサンプルでは17.3%と大きくなるのに対
し、実施例1〜3のサンプルでは3.0〜7.5%と小
さくなっている。
リエチレンを使用し、且つ、無変性のEVA以外に無水
マレイン酸変性EVAを更に配合した実施例1〜3のサ
ンプルは、耐汚れ性も大幅に向上することが判る。
サンプルの傷の深さが「小」ないし「中」であるのに対
し、比較例1の床材サンプルの傷の深さは「大」であ
り、このことから、実施例1〜3のサンプルは、耐傷性
も向上することが判る。
サンプルが8.1%であるのに対し、実施例1〜3のサ
ンプルは6.1〜9.4%であり、耐凹み性も多少改善
されることが判る。
サンプルは全て50mmφ未満であり、50mmφ以上
の比較例1のサンプルに比べると、柔軟性が向上してい
ることが判る。
%と多くし、無水マレイン酸変性EVAの配合割合を1
0重量%と少なくした比較例2のサンプルは、表面光沢
度、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性が実施例1〜3のサン
プルとほぼ同等であるが、柔軟性が60mmφ以上と悪
く、曲げるとひび割れを生じる恐れが大きい。そして無
水マレイン酸変性EVAを含まない比較例4のサンプル
は、実施例1〜3のサンプルに比べて、表面光沢度、耐
傷性、柔軟性等が低下している。一方、ポリエチレンの
配合割合を20重量%と少なくし、無水マレイン酸変性
EVAの配合割合を50重量部と多くした比較例3のサ
ンプルは、柔軟性に優れるが、表面光沢性、耐汚れ性、
耐傷性、耐凹み性があまり良くない。このことから、床
タイルの表面光沢度、耐汚れ性、耐傷性、残留凹み、柔
軟性などの諸物性を総合的に向上させるためには、ポリ
エチレンの配合割合を30〜55重量部の範囲とし、無
水マレイン酸変性EVAの配合割合を15〜40重量部
の範囲に設定する必要があると判断できる。
の床タイルは、ポリッシャー等による表面光沢の向上、
表面光沢の回復、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性、柔軟性
などの諸物性を総合的に改善することができ、ワックス
を使用しないで充分なメンテナンスを行えるといった顕
著な効果を奏する。そして、ロジンの配合や寒冷紗など
の繊維層の積層によって、床地面に対する接着性を一層
向上させることができるといった効果も奏する。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】30〜55重量部のポリエチレンに、メタ
クリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変
性された変性ポリオレフィンを15〜45重量部、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体を55〜0重量部、無機質充
填材を50〜300重量部の割合で配合して成る床タイ
ル。 - 【請求項2】ポリエチレンが高密度ポリエチレンである
請求項1に記載の床タイル。 - 【請求項3】変性ポリオレフィンが、メタクリル酸、無
水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性されたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は請求項2
に記載の床タイル。 - 【請求項4】変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で
変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体であって、酢
酸ビニルを15〜30重量%含んだものである請求項3
に記載の床タイル。 - 【請求項5】裏面に寒冷紗等の繊維層を積層した請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載の床タイル。 - 【請求項6】30〜70重量部のポリオレフィンに、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体を70〜30重量部、無機
質充填材を50〜300重量部の割合で配合した裏面層
を、裏面に積層した請求項1ないし請求項4のいずれか
に記載の床タイル。 - 【請求項7】裏面層にロジンを1〜15重量部の割合で
更に配合した請求項6に記載の床タイル。 - 【請求項8】裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層を積層し
た請求項6又は請求項7に記載の床タイル。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-09-30 JP JP27997196A patent/JP3406465B2/ja not_active Expired - Lifetime
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