JP3406463B2 - 床タイル - Google Patents
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Description
性、耐汚れ性、耐凹み性、ワックスとの密着性などの諸
物性が総合的に改善されたドライメンテナンス性の良好
な床タイルに関する。
ングには、塩化ビニル樹脂製の床タイルが多用されてい
る。しかし、塩化ビニル樹脂製の床タイルは、火災時に
有害な塩化水素ガスを含んだ煙を多量に発生するため、
人体に悪影響を及ぼし、避難行動や消火活動を妨げると
いう問題がある。また、可塑剤や安定剤を多量に含むた
め、臭気が強いという問題もある。
ポリプロピレンに注目し、ポリプロピレンにエチレン−
酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウム等を配合して成る
床材を提案した(特願平5−296154号)。
体をポリプロピレンに配合しているため、それまでのポ
リプロピレン製の床材に見られたような脆さがなく、耐
汚れ性や耐傷性もある程度は改善されるという利点を有
するものであった。
床材は、ポリッシャー(バフマシン)で磨いても表面光
沢が大幅に向上せず、また、耐汚れ性や耐傷性の改善も
充分とは言えないため、表面が汚れやすく傷が入りやす
いという問題があり、傷によって表面光沢が低下する
と、ポリッシャーで磨いても表面光沢の回復が充分でな
いという問題があった。しかも、ワックスとの密着性に
劣るため、床材表面にワックス等を塗布してもすぐに剥
がれるという問題があり、ポリッシャーによるドライメ
ンテナンス性が良いとは言い難いものであった。
耐傷性、耐汚れ性、ワックスとの密着性、耐凹み性など
の諸物性を総合的に改善して、ドライメンテナンス性に
優れた床タイルを提供することを目的としている。
め、本発明の請求項1に係る床タイルは、30〜65重
量部のポリエチレンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体
を50〜30重量部、エチレン−メタクリル酸共重合体
を20〜5重量部、無機質充填材を50〜300重量部
の割合で配合して成ることを特徴とするものである。
レンが高密度ポリエチレンであることを特徴とし、請求
項3の床タイルは、ロジンを1〜15重量部の割合で更
に配合したことを特徴とし、請求項4の床タイルは、裏
面に寒冷紗等の繊維層を積層したことを特徴とするもの
である。
重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重
合体を70〜30重量部、無機質充填材を50〜300
重量部の割合で配合した裏面層を、裏面に積層したこと
を特徴とし、請求項6の床タイルは、裏面層にロジンを
1〜15重量部の割合で更に配合したことを特徴し、請
求項7の床タイルは、裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層
を積層したことを特徴とするものである。
チレンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を50〜30
重量部、エチレン−メタクリル酸共重合体を20〜5重
量部の割合で配合したものを基材樹脂とする請求項1の
床タイルは、後述する実験データから判るように、ポリ
プロピレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を配合した
ものを基材樹脂とする先に提案した床材(以下、先の床
材という)とほぼ同程度の初期の表面光沢を有する。
面を磨くと、後述する実験データから判るように、先の
床材は表面光沢があまり向上しないのに対し、請求項1
の床タイルは表面光沢が顕著に向上する。また、表面に
傷を付けて表面光沢を低下させてからポリッシャーで表
面を磨くと、先の床材も請求項1の床タイルも表面光沢
は回復するが、先の床材は回復後の表面光沢があまり良
くないのに対し、請求項1の床タイルは回復後の表面光
沢が極めて良好である。しかも、請求項1の床タイル
は、後述の実験データから判るように、先の床材に比べ
ると、耐汚れ性、耐傷性、ワックスとの密着性などが遥
かに良好である。従って、本発明の請求項1の床タイル
は、先の床材に比べてメンテナンス性が大幅に向上す
る。
顕著に改善され、ドライメンテナンス性が大幅に向上す
るのは、第一の成分樹脂であるポリエチレンが側鎖の
少ない直鎖状分子構造のポリマーで、表面の光沢や耐汚
れ性などの改善に有効に作用すること、第二の成分樹
脂として配合されるエチレン−酢酸ビニル共重合耐(以
下、EVAと記す)がポリエチレンとの相溶性に優れ、
比較的軟質で極性を有するため、ワックスとの密着性や
柔軟性などの改善に有効に作用すること、第三の成分
樹脂として配合されるエチレン−メタクリル酸共重合体
(以下、EMAAと記す)がポリエチレンやEVAと良
く調和し、比較的硬質で、表面の光沢、耐汚れ性、耐傷
性、耐凹み性などの改善に有効に作用すること、等の理
由によるものと考えられる。
子の枝分かれが少ない高密度ポリエチレンが好適であ
り、このような高密度ポリエチレンを用いた請求項2の
床タイルは、低密度ポリエチレンを用いたものよりも上
記諸物性の改善効果が顕著である。
ンが30重量部より少なくなり、EVAが50重量部よ
り多くなると、ワックスとの密着性や柔軟性は顕著に向
上するけれども、表面光沢がかなり低下し、耐汚れ性、
耐傷性、耐凹み性なども低下する。一方、ポリエチレン
が65重量部より多くなり、EVAが30重量部より少
なくなると、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性な
どは向上するけれども、ワックスとの密着性が極端に低
下し、柔軟性も低下する。
AAが5重量部より少なくなると、表面の光沢、耐汚れ
性、耐傷性、耐凹み性などがあまり向上せず、逆に、2
0重量部より多くなると、ワックスとの密着性や柔軟性
が大幅に低下する。また、無機質充填材の配合量は、前
記のように50〜300重量部の範囲内であり、これよ
り多くなると床タイルが脆弱化し、少なくなると床タイ
ルの難燃性が低下するといった不都合を生じる。
ンを1〜15重量部の割合で更に配合すると、ワックス
との密着性が一層向上し、メンテナンス性が更に良くな
る。そして、請求項4の床タイルのように、寒冷紗等の
繊維層を裏面に積層すると、該繊維層のアンカー効果に
よって床地面に対する接着性が向上する。
請求項5の床タイルのように裏面層を積層して複層構造
としてもよい。この裏面層は、表面光沢、耐汚れ性、耐
傷性、ワックスとの密着性などを改善する必要がないの
で、第一の成分樹脂としてポリエチレンに限ることなく
ポリオレフィンが使用される。裏面層の組成は、ポリオ
レフィン30〜70重量部に対してエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を70〜30重量部、無機質充填材を50〜
300重量部の割合とすることが必要で、ポリオレフィ
ンが70重量部より多くなり、エチレン−酢酸ビニル共
重合体が30重量部より少なくなり、無機質充填材が3
00重量部より多くなると、裏面層が硬くて脆いものに
なり、接着性も低下するといった不都合を生じる。ま
た、これとは逆に、ポリオレフィンが30重量部より少
なくなり、エチレン−酢酸ビニル共重合体が70重量部
より多くなり、無機質充填材が50重量部より少なくな
ると、裏面層の難燃性や耐凹み性が低下するといった不
都合を生じる。
記の裏面層にロジンを1〜15重量部の割合で更に配合
すると、床地面に対する接着性が向上し、請求項8の床
材のように、裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層を積層す
ると、接着性が更に向上する。
の具体的な実施形態を詳述する。
の斜視図、図2はその概略断面図である。
cm程度の正方形に形成されたもので、床タイル本体1
(表面層)の裏面には裏面層2が積層一体化されてお
り、更に裏面層2の底面には寒冷紗等の繊維層3が半ば
埋入状態で積層されている。
リエチレンに、EVAを50〜30重量部、EMAAを
20〜5重量部、無機質充填材を50〜300重量部の
割合で配合したものであり、その好ましい厚みは1〜5
mm程度であるが、特に限定されるものではない。
は、中・低圧法で製造される分子の枝分れが少ない高密
度ポリエチレン(比重:0.94〜0.96程度)が好
適に使用されるが、高圧法で製造される低密度ポリエチ
レン(比重:0.92程度)も勿論使用することができ
る。
酸ビニル含有率が15〜70重量%の範囲にある比較的
軟質のEVAが好適に使用され、このようなEVAはワ
ックスとの密着性や柔軟性などの改善に有効に作用す
る。
メタクリル酸の含有率が4〜15重量%の範囲にあるも
のが好適に使用され、このようなEMAAはポリエチレ
ンやEVAと良く調和し、比較的硬質で、表面光沢、耐
汚れ性、耐傷性、耐凹み性などの改善に有効に作用す
る。メタクリル酸の含有率が15重量%より多いEMA
Aは脆すぎ、硬すぎ、成形しにくいので、耐傷性、滑り
性などの改善が不充分となり、メタクリル酸の含有率が
4重量%より少ないEMAAは、その性質が低密度ポリ
エチレンによく似ているため、床タイルの耐傷性、耐凹
み性などの改善が不充分となる。
種々の充填材を使用できるが、その中でも10μm以下
の平均粒径を有する炭酸カルシウムの粉末や、この炭酸
カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との混合粉末
が好適に使用される。炭酸カルシウム粉末を配合するだ
けでも床タイル本体1に難燃性を付与することはできる
が、炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との
混合粉末を配合すると、水酸化アルミニウムが熱分解時
に水を放出するため、難燃性の高い床材を得ることがで
きる。
無機質充填材の配合割合を、それぞれ30〜65重量
部、50〜30重量部、20〜5重量部、50〜300
重量部とする理由については、既に詳細に説明したの
で、ここでは説明を省略する。
重量部の割合で更に配合することが望ましく、このよう
にロジンを配合すると、ワックスとの密着性が一層顕著
に向上する。ロジンの配合量が15重量部より多くなる
と、床タイル本体1の色相が不安定化する恐れがあり、
1重量部より少なくなると、ワックスとの密着性を顕著
に高めることが難しくなる。
じて顔料、過酸化系の架橋剤、カップリング剤、ビスア
マイド等の滑剤、フェノール系の酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系の光安定剤など、各種の添加剤を少量含有さ
せてもよい。
リオレフィンに、EVAを70〜30重量部、無機質充
填材を50〜300重量部の割合で配合したものであ
り、その厚みは0.5〜5mm程度であるが、特に限定
されるものではない。
エチレンやポリプロピレン等が使用される。このように
ポリエチレンに限らず他のポリオレフィンも使用できる
のは、裏面層2の場合、表面光沢、耐汚れ性、耐傷性な
どを向上させる必要がないからである。
有率が15〜70重量%の比較的軟質のものと、酢酸ビ
ニル含有率が70〜90重量%の比較的硬質のものを混
合して使用することが望ましく、このように酢酸ビニル
含有率の大きいEVAを混合すると、耐凹み性やクッシ
ョン性などの改善に有効である。
前記と同様のものが使用される。
填材の配合割合を、それぞれ30〜70重量部、70〜
30重量部、50〜300重量部とする理由について
は、既に詳細に説明したので、ここでは説明を省略す
る。
の割合で配合することが望ましく、このようにロジンを
配合すると、床地面に対する接着性が向上する。これ
は、ロジンがEVAとの相溶性に富み、無機質充填材と
の密着性にも優れているため、無機質充填材を裏面層2
にしっかり保持して裏面層2の脆弱化を抑制し、床地面
との接着強度(耐剥離強度)を向上させる働きをするか
らである。従って、裏面層2にロジンを配合した床材
は、市販の床用接着剤を用いて床地面に強固に接着する
ことができる。ロジンの配合量が15重量部より多くな
ると、裏面層2の抗張力の低下を招く恐れがあり、ま
た、1重量部より少なくなると、接着性を顕著に向上さ
せることが難しくなるので、好ましくない。
繊維層3が半ば埋入状態で積層されており、この繊維層
3のアンカー効果によって裏面層2の床地面に対する接
着性が一層高められている。繊維層3としては、寒冷紗
の他、不織布、織布、ガラス繊維、紙など、種々のもの
が使用される。
に応じて少量配合してもよいことは言うまでもない。
3とからなる床タイルは、例えば次の方法によって製造
することができる。
と、50〜30重量部のEVAと、20〜5重量部のE
MAAと、50〜300重量部の無機質充填材と、必要
に応じて1〜15重量部のロジンと少量の添加剤とを混
合し、押出機で造粒して粉粒体を造る。
と、70〜30重量部のEVAと、50〜300重量部
の無機質充填材と、必要に応じて1〜15重量部のロジ
ンと少量の添加剤とを混合し、押出機でシーティングし
て、裏面層となるシートを造る。
シート上面に前記の粉粒体を積層して加熱し、加圧ロー
ル等で加圧して一体化した後、所定の寸法の正方形に切
断して床タイルを製造する。尚、繊維層3は後で裏面層
2の底面に熱圧着するようにしてもよい。
をポリッシャー(バフマシン)で磨くと、後述する実験
データに示すように、床タイル本体1の表面光沢が顕著
に向上する。そして、床タイル本体1の耐汚れ性、耐傷
性、ワックスとの密着性、耐凹み性などの諸物性が総合
的に改善されており、表面に傷が入って表面光沢が低下
しても、ポリッシャーで表面を磨くと表面光沢が顕著に
回復する。従って、この床タイルはポリッシャーによる
ドライメンテナンス性が極めて良好である。
善されており、床タイル本体1をバックアップして良好
な踏圧感を付与することができる。そして、ロジンを配
合したものは、床地面に対する接着性が良好であり、繊
維層3を裏面層2の底面に積層したものは、接着性が顕
著に向上する。
略して床タイル本体1のみの単層構造としてもよく、こ
のような単層構造の床タイルとする場合は、その裏面に
前記の繊維層3を半ば埋入状態で積層して接着性を高め
ることが望ましい。
と比較例を説明する。
レン(東ソー(株)製のHDPE2400)に、酢酸ビ
ニル含有率が60重量%のEVA[以下、EVA(V
A:60%)と記す]を45重量部、メタクリル酸含有
率が10重量%のEMAAを10重量部、平均粒径が3
μmの炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で均一
に混練して押出機から押出し、これを粉砕して1.9m
m以下の粒径を有する粉粒体を得た。
(東ソー(株)製のHDPE5700)に、EVA(V
A:60%)を40重量部、酢酸ビニル含有率が80重
量%のEVA[以下、EVA(VA:80%)と記す]
を20重量部、上記の炭酸カルシウム粉末を220重量
部の割合で混練し、押出機でシーティングして裏面層と
なるシート(厚さ1mm)を形成した。
を積層して200℃に加熱し、10kg/cm2 でプレ
スして、厚さ2.5mmの床タイル本体1を一体に形成
した二層構造の床タイルのサンプルを作製した。
ッシャーによる表面光沢の向上の程度、表面に傷を入
れた後のポリッシャーによる表面光沢の回復の程度、
耐汚れ性(変色度)、耐傷性、ワックスとの密着
性、残留凹み、柔軟性を、次の要領で調べた。
度 上記のサンプルをプラスチック基板上に紙製のハードボ
ードを介して貼付け、光沢計(スガ試験機(株)製のH
G−246)を使用してJIS K 7105の試験方
法に基づき、このサンプルの表面層の初期の表面光沢度
を測定した。その結果は、下記の表1に示すように11
%であった。
製作所製の床用電動ポリッシャーMPS−70・12)
を使用し、ナイロン製の軟らかいパッド(住友スリーエ
ム(株)製の黄パッド)を250rpmの回転速度で2
0sec/m2 回転させてサンプルの表面をバフ(ドラ
イバフ)した。そして、光沢計を用いて上記と同様の方
法でバフ後のサンプルの表面光沢度を測定したところ、
下記の表1に示すように26%まで上昇した。同様にし
て第2回目のドライバフ操作と表面光沢度の測定、第3
回目のドライバフ操作と表面光沢度の測定を繰り返し行
ったところ、下記の表1に示すように、第2回目のドラ
イバフ後の表面光沢度は33%、第3回目のドライバフ
後の表面光沢度は36%であり、表面光沢が顕著に向上
した。
る表面光沢の回復の程度 上記の軟らかいパッドに代えて、硬いパッド(住友スリ
ーエム(株)製の緑パッド)をポリッシャーに装着し、
該パッドを250rpmで20sec/m2 回転させて
サンプルの表面に傷を入れ、その表面光沢度を測定し
た。その結果、表面光沢度は下記の表1に示すように9
%まで低下した。
に再び交換し、前記のドライバフ操作と表面光沢度の測
定を3回繰り返して、サンプルの表面光沢の回復の程度
を調べた。その結果、下記の表1に示すように、第1回
目のバフ後の表面光沢度は24%、第2回目のバフ後の
表面光沢度は30%、第3回目のバフ後の表面光沢度は
31%であり、表面光沢は表面に傷を入れる前の状態に
近いところまで回復することが判った。
を入れない場合の耐汚れ性と、表面層を摩耗して傷を入
れた場合の耐汚れ性を、次の要領で調べた。
性]サンプルの表面に、JIS L 1023に準じる
標準汚染物質を落としながら、JIS A 1453の
方法に準じて、研磨紙を巻き付けないゴム輪でサンプル
の表面を80回研磨し、更に、汚染物質を落とすのをや
めて上記ゴム輪で20回研磨した。そして、JIS K
7105の色差測定法によって、上記の汚れたサンプ
ルと汚れのない元のサンプルとの色差(ΔE)を求め
た。その結果、色差は下記の表2に示すように僅か2.
5%であった。
IS A 1453の方法に基づいて、研磨紙を巻き付
けたゴム輪でサンプルの表面を150回摩耗した。そし
て、この摩耗して傷を入れたサンプルの表面に上記の汚
染物質を落としながら、上記と同様に研磨紙を除去した
ゴム輪で床材サンプルの表面を80回研磨し、更に、汚
染物質を落とすのをやめて20回研磨してから、上記と
同様に色差(ΔE)を測定した。その結果、色差は下記
の表2に示すように4.1%と少なかった。
き付けたゴム輪でサンプルの表面を150回研磨し、表
面の傷の深さをレーザー表面形状測定顕微鏡((株)キ
ーエンス製のVF−7500)で観察した。その結果、
表面の傷の深さは下記の表2に示すように中程度であっ
た。
リントプロ)を3回塗布し、このワックス層に1mm四
方の碁盤目状の切り込みを入れた。そして、その上に粘
着テープ(ニチバン(株)製のセロテープ)を貼付けて
から該テープを剥がし、サンプル表面のワックス残存率
(碁盤目状に切り込みを入れたワックスの全目数に対す
る残存目数の百分率)を調べた。その結果、ワックス残
存率は下記の表2に示すように55%以上であった。
の残留凹みを調べた結果、下記の表2に示すように残留
凹みは小さかった。
多数の試験片を作製した。そして、直径が異なる複数の
パイプに上記の帯状試験片を巻き付ける操作を3回ずつ
繰り返し、3回とも帯状試験片にひび割れが生じない最
小直径のパイプを調べて、そのパイプの直径の大小から
柔軟性の良否を判断した。その結果、試験片にひび割れ
が生じない最小のパイプの直径は、下記の表2に示すよ
うに30mmであった。
度ポリエチレン(HDPE2400)55重量部に、実
施例1で使用したEVA(VA:60%)を35重量
部、実施例1で使用したEMAAを10重量部、実施例
1で使用した炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合
で均一に混練し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒
径:1.9mm以下)を用いた以外は実施例1と同様に
して、実施例2の床タイルのサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)45重量部に、実施例1で使
用したEVA(VA:60%)を40重量部、実施例1
で使用したEMAAを15重量部、実施例1で使用した
炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で均一に混練
し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm
以下)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3
の床タイルのサンプルを作製した。
ついて、実施例1と同様にしてポリッシャーによる表
面光沢の向上の程度、表面に傷を入れた後のポリッシ
ャーによる表面光沢の回復の程度、耐汚れ性(変色
度)、耐傷性、ワックスとの密着性、残留凹み、
柔軟性を調べた。その結果を下記の表1及び表2に示
す。
レン(徳山曹達(株)製のFM801)に、酢酸ビニル
含有率が28重量%のEVA[以下、EVA(VA:2
8%)と記す]を50重量部、実施例1で使用した炭酸
カルシウム粉末を200重量部の割合で均一に混練し、
これを粉砕して粉粒体(粒径:1.9mm以下)を得
た。そして、実施例1と同様にして、裏面層となるシー
ト(厚さ1mm)を造り、このシートの上に上記の粉粒
体を積層して200℃で加熱し、50kg/cm2 でプ
レスして厚さ2.5mmの床タイル本体を一体に形成し
た比較例1の床材のサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)55重量部に、実施例1で使
用したEVA(VA:60%)を45重量部、実施例1
で使用した炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で
均一に混練し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:
1.9mm以下)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、比較例2の床タイルのサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)40重量部に、実施例1で使
用したEVA(VA:60%)を35重量部、実施例1
で使用したEMAAを25重量部、実施例1で使用した
炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で均一に混練
し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm
以下)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3
の床タイルのサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)20重量部に、実施例1で使
用したEVA(VA:60%)を70重量部、実施例1
で使用したEMAAを10重量部、実施例1で使用した
炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で均一に混練
し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm
以下)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4
の床タイルのサンプルを作製した。
レン(HDPE2400)70重量部に、実施例1で使
用したEVA(VA:60%)を20重量部、実施例1
で使用したEMAAを10重量部、実施例1で使用した
炭酸カルシウム粉末を220重量部の割合で均一に混練
し、これを粉砕して得られた粉粒体(粒径:1.9mm
以下)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5
の床タイルのサンプルを作製した。
サンプルについて、実施例1と同様にしてポリッシャ
ーによる表面光沢の向上の程度、表面に傷を入れた後
のポリッシャーによる表面光沢の回復の程度、耐汚れ
性(変色度)、耐傷性、ワックスとの密着性、残
留凹み、柔軟性を調べた。その結果を下記の表1及び
表2に示す。
A:60%)とEMAAを床タイル本体の成分樹脂とす
る実施例1〜3の床タイルのサンプルは、いずれも初期
の表面光沢度が11〜13%の範囲にあり、ポリプロピ
レンとEVA(VA:28%)を床タイル本体の成分樹
脂とする比較例1のサンプルの初期の表面光沢度16%
とあまり変わらない。
フを行うと、比較例1のサンプルでは表面光沢度が14
%と若干低下するのに対し、実施例1〜3のサンプルで
は表面光沢度が26〜29%まで上昇する。そして、比
較例1のサンプルは、2回目及び3回目のドライバフを
行っても、表面光沢度が23%まで上昇するだけである
のに対し、実施例1〜3の床材サンプルは、2回目及び
3回目のドライバフを行うと、表面光沢度が36〜41
%まで大幅に上昇する。
リエチレンを使用し、且つ、EVA以外にEMAAを更
に配合した本発明の実施例1〜3のサンプルは、ポリッ
シャーでドライバフした場合の表面光沢の向上効果が顕
著であることが判る。
比較例1のサンプルでは表面光沢度が4%と大幅に低下
するのに対し、実施例1〜3のサンプルでは表面光沢度
が9〜12%まで低下するだけであり、このことから実
施例1〜3の床材サンプルは比較例1の床材サンプルよ
りも傷が入りにくいことが判る。
ッシャーでドライバフを3回繰り返すと、比較例1のサ
ンプルも実施例1〜3のサンプルも表面光沢度は回復す
るが、比較例1のサンプルでは回復した表面光沢度が2
2%と低いのに対し、実施例1〜3の床材サンプルでは
回復した表面光沢度が31〜39%と高くなり、傷を入
れる前の表面光沢度と殆ど変わらなくなる。
リエチレンを使用し、且つ、EVA以外にEMAAを更
に配合した実施例1〜3のサンプルは、表面に傷が入っ
てもポリッシャーでドライバフすれば、表面光沢の回復
効果が顕著であることが判る。
の汚染液による変色度(色差)は、比較例1のサンプル
では11.9%であるのに対し、実施例1〜3のサンプ
ルでは1.9〜2.5%と非常に小さくなっている。そ
して、表面を摩耗した場合の汚染液による変色度も、比
較例1のサンプルでは17.3%と大きくなるのに対
し、実施例1〜3のサンプルでは3.5〜4.1%と遥
かに小さくなっている。
リエチレンを使用し、且つ、EVA以外にEMAAを更
に配合した実施例1〜3のサンプルは、耐汚れ性も大幅
に向上することが判る。
サンプルの傷の深さが「小」ないし「中」であるのに対
し、比較例1の床材サンプルの傷の深さは「大」であ
り、このことから、実施例1〜3のサンプルは、耐傷性
も向上することが判る。
比較例1のサンプルのワックス残存率が0%であるのに
対し、実施例1〜3のサンプルは40%以上であり、ワ
ックスとの密着性も顕著に向上することが判る。なお、
実施例1〜3のサンプルの床タイル本体の層に更にロジ
ンを10重量部配合したサンプルを作製して、ワックス
との密着性を調べたところ、いずれもワックス残存率が
50%以上と向上し、ロジン配合によってワックスとの
密着性を充分に高められることが確認できた。
ンプルが「大」であるのに対し、実施例1〜3のサンプ
ルはいずれも「小」であり、耐凹み性も改善されること
が判る。
ンプルは比較例1のサンプルと同等もしくは若干良いだ
けであるあるが、柔軟性はロール巻きしない床タイルに
はそれほど重要な物性ではないので、問題となることは
ない。
プルは、ワックスとの密着性や柔軟性が実施例1〜3の
サンプルより良好であるが、耐汚れ性や耐傷性が悪く、
残留凹みも大きい。これに対し、EMAAを25重量部
と多量に含む比較例3のサンプルは、耐汚れ性や耐傷性
が良好で、残留凹みも小さいが、ワックスとの密着性が
10%以下と非常に悪く、柔軟性にも劣っている。この
ことから、耐汚れ性、耐傷性、ワックスとの密着性、残
留凹み、柔軟性などの諸物性を総合的に向上させるため
には、EMAAの配合割合を5〜20重量部の範囲に設
定することが大切であると判断できる。
0重量部と少なくし、EVA(VA:60%)の配合割
合を70重量部と多くした比較例3のサンプルは、ワッ
クスとの密着性や柔軟性は良いが、表面光沢の向上や回
復が悪く、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性も悪い。そし
て、高密度ポリエチレンの配合割合を70重量部と多く
し、EVA(VA:60%)の配合割合を20重量部と
少なくした比較例4のサンプルは、表面光沢、耐汚れ
性、耐傷性、耐凹み性に優れるけれども、ワックスとの
密着性が0%であり、柔軟性も極めて悪い。このことか
ら、高密度ポリエチレンはEMAAと共に、表面光沢、
耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性などの向上に大きく寄与
し、EVAはワックスとの密着性や柔軟性の向上に大き
く寄与することが判り、これらの諸物性を総合的に向上
させるためには、高ポリエチレンの配合割合を30〜6
5重量部の範囲に設定し、EVAの配合割合を50〜3
0重量部の範囲に設定することが大切であると判断でき
る。
の床タイルは、ポリッシャーによる表面光沢の向上、表
面光沢の回復、耐汚れ性、耐傷性、ワックスとの密着
性、耐凹み性、柔軟性などの諸物性を総合的に改善する
ことができ、ポリッシャーによるドライメンテナンス性
を大幅に向上させることができるといった顕著な効果を
奏する。
スとの密着性を更に向上させることができ、また、裏面
層を積層して該裏面層にロジン配合したものは、床地面
に対する接着性を向上させることができ、その底面に寒
冷紗などの繊維層を積層したものは、接着性を一層向上
させることができるといった効果を奏する。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】30〜65重量部のポリエチレンに、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体を50〜30重量部、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体を20〜5重量部、無機質充
填材を50〜300重量部の割合で配合して成る床タイ
ル。 - 【請求項2】ポリエチレンが高密度ポリエチレンである
請求項1に記載の床タイル。 - 【請求項3】ロジンを1〜15重量部の割合で更に配合
した請求項1又は請求項2に記載の床タイル。 - 【請求項4】裏面に寒冷紗等の繊維層を積層した請求項
1ないし請求項3のいずれかに記載の床タイル。 - 【請求項5】30〜70重量部のポリオレフィンに、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体を70〜30重量部、無機
質充填材を50〜300重量部の割合で配合した裏面層
を、裏面に積層した請求項1ないし請求項4のいずれか
に記載の床タイル。 - 【請求項6】裏面層にロジンを1〜15重量部の割合で
更に配合した請求項5に記載の床タイル。 - 【請求項7】裏面層の底面に寒冷紗等の繊維層を積層し
た請求項5又は請求項6に記載の床タイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24871896A JP3406463B2 (ja) | 1996-08-31 | 1996-08-31 | 床タイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24871896A JP3406463B2 (ja) | 1996-08-31 | 1996-08-31 | 床タイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1077730A JPH1077730A (ja) | 1998-03-24 |
JP3406463B2 true JP3406463B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=17182316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24871896A Expired - Lifetime JP3406463B2 (ja) | 1996-08-31 | 1996-08-31 | 床タイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3406463B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-31 JP JP24871896A patent/JP3406463B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1077730A (ja) | 1998-03-24 |
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