JPH10102395A - 記録紙の製造方法 - Google Patents

記録紙の製造方法

Info

Publication number
JPH10102395A
JPH10102395A JP8255853A JP25585396A JPH10102395A JP H10102395 A JPH10102395 A JP H10102395A JP 8255853 A JP8255853 A JP 8255853A JP 25585396 A JP25585396 A JP 25585396A JP H10102395 A JPH10102395 A JP H10102395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
weight
absorbing polymer
recording paper
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8255853A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Nakano
幸弘 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP8255853A priority Critical patent/JPH10102395A/ja
Publication of JPH10102395A publication Critical patent/JPH10102395A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字性、取り扱い性さらには耐水性を改善し
た優れたインクジェット用記録紙を提供することを目的
とする。 【解決手段】 パルプを主体とする紙の表面に、吸水量
が自重の 1.5倍以上10倍未満、吸水速度が 0.1ml/分・
g以上、かつ重量平均粒子径が5μm以下である水不溶
性の吸水ポリマーを用いた記録紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを使用
する記録紙の製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは印字性、または印字性と耐水性に優れたインクジェ
ットプリンタ用の記録紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録は騒音が無く、高速記録が可能であり、端
末プリンターなどに採用され近年急速に普及している。
また、多数個のインクノズルを使用することにより、多
色記録を行うことも容易であり、各種のインクジェット
記録方式による多色インクジェット記録が実施されてい
る。
【0003】このインクジェット記録用のインクとして
は、安全性、記録特性の面から、主に水を主成分とする
水性インクが使用され、ノズルの目詰り防止および吐出
特性の向上のために多価アルコール等が添加されている
場合が多い。
【0004】このインクジェット記録においては普通紙
を利用できる利点がある。しかしながら多色記録におい
ては、一般の普通紙では鮮明な印字画像が得られないた
め、記録紙としての性能を充分満足していないのが実状
である。インクジェット記録紙に要求される性質を列挙
すると、 (1)ドット形状が円に近く、且つ滲みなどの広がりが
無く、ドット周辺がシャープで解像度が高いこと (2)ドットの色濃度が高く、鮮明であること (3)インクの吸収性が高く速乾性に優れ、且つインク
の吸収量が多いこと (4)印刷後、印字部に水を滴下してもインクが滲まな
いこと(耐水性) などが挙げられる。
【0005】これまで上記の(1)〜(3)の要求を満
たすために、顔料、接着剤等からなる塗被層を原紙表面
に設けた塗被紙タイプのものが検討、上市されている。
例えば、特開昭55-51583号、特開昭58-72495号公報にお
いては粒径0.05〜10μmのシリカ粉末と高分子結着剤と
を含む被覆層を設けたインクジェット記録紙が提案され
ている。しかしながら、これらの記録紙は印字性、乾燥
性は普通紙に比べると良好になるものの、まだ充分とは
いえず、さらに耐水性が全くないといった状態である。
また、特公昭64-5551 号、特公昭64-5552 号公報にパル
プに吸水ポリマーを配合した記録紙が提案されている
が、吸水ポリマーの吸水量が自重の50倍以上もあるため
に、 1.高湿度下に放置しておくと記録紙がべたつく。また
印刷後、高湿度下に数日間保存しておくと、吸水ポリマ
ーの高い吸湿性によるためか画像が滲んでくる。 2.印刷後、インクを多量に吸収した吸水ポリマーの存
在が触手で分かり紙触りが悪くなる(べたつく)。 3.上記の特許公報には、インクの吸収速度に影響を及
ぼすと考えられる吸水ポリマーの吸水速度について何も
記載されていないが、吸水速度の遅いポリマーを用いる
と、吸水ポリマーを入れていない記録紙よりも印刷後の
インク乾燥性が悪くなる。 4.パルプと吸水ポリマーを混合後、通常の水を用いた
湿式抄紙により記録紙を作成すると、抄紙液中でかなり
膨潤していた吸水ポリマーが、乾燥過程で大きな体積減
少を生じるため、得られる記録紙がかなり粗密となる。 といった問題点が発生する。
【0006】従って、本発明の目的は、これら印字性、
取り扱い性さらには耐水性を改善した、優れたインクジ
ェット用記録紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、紙
の表面および内部、または紙表面に塗布した塗被層の表
面および内部に特定の吸水ポリマーを含有させることに
よって達成された。
【0008】即ち、本発明は、パルプを主体とする紙の
表面に、吸水量が自重の 1.5倍以上10倍未満、吸水速度
が 0.1ml/分・g以上、かつ重量平均粒子径が5μm以
下である水不溶性の吸水ポリマーを用紙1m2 当たり0.
01〜30重量部の割合で噴霧することを特徴とする記録紙
の製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、吸水量が自重の 1.5倍以
上10倍未満、吸水速度が 0.1ml/分・g以上、かつ重量
平均粒子径が5μm以下である水不溶性の吸水ポリマー
とパルプとを、パルプ 100重量部に対して吸水ポリマー
が1〜100 重量部の割合で混合し、この混合物を抄紙す
ることを特徴とする記録紙の製造方法に関する。
【0010】さらに、本発明は、吸水量が自重の 1.5倍
以上10倍未満、吸水速度が 0.1ml/分・g以上、かつ重
量平均粒子径が5μm以下である水不溶性の吸水ポリマ
ーと顔料とを顔料 100重量部に対して水不溶性の吸水ポ
リマーが0.01〜100 重量部の割合で含有する塗被層を、
パルプを主体とする紙表面に設けることを特徴とする記
録紙の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず本発明に用いられる水不溶性の吸水ポリマーの組成
としては、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加
水分解物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中
和物架橋体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
のケン化物架橋体、アクリロニトリル共重合体もしくは
アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、自己架
橋型ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中
和物架橋体、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−
ヒドロキシ3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−ヒドロ
キシ3−メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアン
モニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−ヒドロキシ2
−アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド)架橋体、ポリ(2−ヒドロキシ3−アクリ
ロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムクロライ
ド)架橋体、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルト
リエチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド)架橋体、ポリ(2−アクリロイルオキシエチル
トリエチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(ビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド)架橋
体、ポリ(ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロ
ライド)架橋体、ポリ(4−ビニル−N−メチルピリジ
ニウムクロライド)架橋体、N,N−ジメチル置換3,5
−メチルピペリジニウムクロライド架橋体、ポリ(ジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ
(ジエチルジアリルアンモニウムクロライド)架橋体、
ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩)架橋
体、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸
塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド硫酸塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミド硫酸塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノ
エチルアクリレート塩酸塩)架橋体、ポリ(ジメチルア
ミノエチルメタクリレート塩酸塩)架橋体、ポリ(ジメ
チルアミノプロピルアクリレート塩酸塩)架橋体、ポリ
(ジメチルアミノプロピルメタクリレート塩酸塩)架橋
体、ポリエチレンイミンハイドロクロライド架橋体等が
挙げられ、これらは単独でも、2種類以上の混合系で用
いてもよい。また、本発明の目的とする吸水物性を損な
わない範囲で必要に応じて、上記吸水ポリマーは他の親
水性モノマーと共重合してもよい。
【0012】本発明においては、特に、インクジェット
記録用のインク中の染料は殆どが直接染料または酸性染
料であることから、ポリ(2−メタクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ
(2−ヒドロキシ3−メタクリロイルオキシプロピルト
リメチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−
ヒドロキシ3−メタクリロイルオキシプロピルトリエチ
ルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−ヒドロ
キシ2−アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド)架橋体、ポリ(2−ヒドロキシ3−
アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムク
ロライド)架橋体、ポリ(2−メタクリロイルオキシエ
チルトリエチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポリ
(2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド)架橋体、ポリ(2−アクリロイルオキシ
エチルトリエチルアンモニウムクロライド)架橋体、ポ
リ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)架橋体、ポリ(ビニルベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライド)架橋体、ポリ(4−ビニル−N−メチ
ルピリジニウムクロライド)架橋体、N,N−ジメチル
置換3,5 −メチルピペリジニウムクロライド架橋体、ポ
リ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)架橋
体、ポリ(ジエチルジアリルアンモニウムクロライド)
架橋体、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸
塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト硫酸塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド硫酸塩)架橋体、ポリ(ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルアミド硫酸塩)架橋体、ポリ(ジメチル
アミノエチルアクリレート塩酸塩)架橋体、ポリ(ジメ
チルアミノエチルメタクリレート塩酸塩)架橋体、ポリ
(ジメチルアミノプロピルアクリレート塩酸塩)架橋
体、ポリ(ジメチルアミノプロピルアミノメタクリレー
ト塩酸塩)架橋体、ポリエチレンイミンハイドロクロラ
イド架橋体等の分子構造中にカチオン基を有する吸水ポ
リマーを用いるのが好ましい。これらは単独でも、2種
類以上の混合系でも良く、また本発明の目的とする吸水
物性を損なわない範囲で必要に応じて、上記ポリマーは
他の親水性モノマーと共重合しても良い。特にモノマー
成分として2−メタクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライドを50モル%以上、さらに好まし
くは80モル%以上の割合で共重合した吸水ポリマーが印
字性、耐水性において良好な結果を示すことから好まし
い。
【0013】上記吸水ポリマーは、逆相懸濁重合、逆相
乳化重合、溶液重合、バルク重合の何れの方法で合成し
てもよい。上記架橋体の製造において使用できる架橋剤
としては、2個以上の重合性基を持つモノマーを挙げる
ことができる。例えば、特公昭60-24807号公報記載のジ
アクリレート、又はメチレンビスアクリルアミド等が挙
げられる。ポリアクリル酸の部分中和物においては、さ
らに、特公昭58-35605号公報記載の多価アルコールや特
公昭61-42723号公報記載の多価エポキシ化合物も挙げる
ことができる。
【0014】但し、上記吸水ポリマーの重量平均粒子径
(光散乱法にて測定)が5μmより大きい場合は、粉砕
等を行い、重量平均粒子径を5μm以下にする必要があ
る。粉砕の方法としては、まず粗粒子を水で膨潤させ、
粉砕後乾燥、収縮させると比較的容易に所望の粒径にな
る。重量平均粒子径は、5μm以下、好ましくは1μm
以下、更に好ましくは 0.5μm以下である。重量平均粒
子径が5μmを超えると、吸水ポリマーが記録紙表面に
存在することが認知され、ベタつく感触になる。また、
紙を擦ると吸水ポリマーが脱落しやすく、特に印刷物を
強く擦ると、インクを吸収した吸水ポリマーが動き、印
字画像がかすれるといった問題が発生するため好ましく
ない。
【0015】また、上記吸水ポリマーの吸水量は、自重
の 1.5倍以上10倍未満、吸水速度は0.1ml /分・g以上
であることが必要である。
【0016】本発明で定義する吸水ポリマーの吸水量
は、ポリマー1gを大過剰のイオン交換水(約 500g)
中に分散させ、該ポリマーの吸水量が平衡状態になるま
で膨潤させた後(約6時間)、光散乱法により吸水前と
吸水後のポリマーの平均粒子径を測定し、その体積差を
求めることで吸水量を算出したものである。また吸水速
度は、被吸収液としてイオン交換水を用い、特開平5-40
182 号記載のDW法に準じ、 1.0gの吸水ポリマーに対
する1分間の吸水量として求めたものである。
【0017】吸水量は、自重の 1.5倍以上10倍未満、好
ましくは2倍〜8倍であることが、高湿度下での保存時
における耐べた付き性、並びに高湿度下での印字画像の
にじみ安定性の面で好ましい。また、吸水速度は 0.1ml
/分・g以上、好ましくは1ml/分・g以上であること
がインクの吸収性(特に印刷後の乾燥性)から好まし
い。これら吸水量および吸水速度は、吸水ポリマーの架
橋密度により容易に制御できる。例えば吸水量は、架橋
密度を高くすると低下し、架橋密度を低くすると増大す
る。また、吸水速度は、一般に架橋密度を低くするに従
い低下し、逆に粒子表面近傍の架橋密度を適度に高める
と吸水速度は著しく上昇することが知られている(特公
平1-17411 号公報)。
【0018】本発明において、記録紙は上記の吸水ポリ
マーをパルプを主体とする紙、例えばJISハンドブッ
ク38(紙・パルプ、1994) p38〜p55 に記載されている
紙に1m2 当たり0.01〜30重量部、好ましくは 0.5〜15
重量部、更に好ましくは1〜10重量部を噴霧することに
より得ることができる。吸水ポリマーの噴霧量が0.01重
量部未満であると吸水ポリマーの効果が発現せず好まし
くない。また30重量部を超えると紙の種類にもよるが紙
表面がべたつく、またパルプ間の間隙が無くなりインク
吸収速度が悪くなるため好ましくない。また、吸水ポリ
マー噴霧液中には本発明の効果を損なわない範囲で水溶
性樹脂、各種界面活性剤、シリカ、炭酸カルシウム等の
無機粉体等を含有させても良い。特に界面活性剤の配合
はインクとの濡れ性を向上させる働きがあるため、好ま
しく用いることができる。
【0019】また、本発明において、記録紙は上記の吸
水ポリマーを公知の方法でパルプ中に分散させた後、製
紙することにより得ることができる。パルプと吸水ポリ
マーの配合比は、パルプ 100重量部に対して吸水ポリマ
ー1〜100 重量部、好ましくは3〜70重量部、更に好ま
しくは5〜40重量部である。吸水ポリマーが1重量部未
満の場合は、吸水ポリマーの効果が発現せず好ましくな
い。また 100重量部を超える場合は、紙がべたつく、お
よび印字性、インク吸収性が悪化するため好ましくな
い。また、この製紙工程中に各種添加剤、例えばタル
ク、クレー、重炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム
等の填料や各種界面活性剤、防腐剤を併用することもで
きる。また、多量のサイズ剤の併用は本発明の効果を低
減するので好ましくないが、少量の使用であれば併用し
ても良い。
【0020】さらに、本発明において、記録紙は上記吸
水ポリマーと顔料を含有する塗被層を、パルプを主体と
する紙表面に設けることにより得ることができる。顔料
と吸水ポリマーの配合比は、顔料 100重量部に対して吸
水ポリマー0.01〜100 重量部、好ましくは1〜70重量
部、更に好ましくは5〜50重量部である。吸水ポリマー
が0.01重量部未満であると吸水ポリマーの効果が発現せ
ず好ましくない。また、100重量部を超えると印字性、
インク吸収性が悪くなるため好ましくない。ここで顔料
とは、通常の塗被紙に用いられるものであれば特に制限
されるものでなく、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン
等の無機粉体を挙げることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。尚、以下の例において、「部」は「重量部」を表
す。
【0022】まず、本発明における各種特性の測定法に
ついて説明する。
【0023】(1)吸水ポリマーの吸水量 ポリマー1gを大過剰のイオン交換水(約 500g)中に
分散し、該ポリマーの吸水量が平衡状態になるまで膨潤
させた後(約6時間)、光散乱法により吸水前と吸水後
のポリマーの粒子径を測定し体積差を求めることで、吸
水倍率を算出した。また、初期粒径が50μm以上の吸水
ポリマーについては、吸水後光散乱法では測定できない
大きさになるため、吸水後吸引濾過し以下の式から吸水
倍率を求めた。
【0024】
【数1】
【0025】(2)吸水ポリマーの吸水速度 吸水速度は、被吸収液としてイオン交換水を用い、特開
平5-40182 号公報記載のDW法に準じ、 1.0gの吸水ポ
リマーに対する1分間の吸水量として求めた。
【0026】(3)べた付き性 印刷前の記録紙を温度40℃、相対湿度80%の部屋に24時
間放置後、記録紙表面のべた付きを触手により評価し
た。 ◎:べたつかない ○:少しべたつく ×:かなりべたつく。
【0027】(4)印刷性 CANON(株)製のバブルジェットプリンターBJC-82
0Jを用い、図柄パターンを印字し、印字品質、インク吸
収性(速乾性)を評価し、記録性を以下のように判定し
た。尚、印字品質は拡大鏡で肉眼観察にて評価し、イン
ク吸収性は印字直後、図柄パターンを指で1回こすって
インクによる記録紙の汚れ度合いを評価した。 印字品質 ◎:非常に良好(ドットが均一で鮮明) ○:良好 △:やや劣る ×:ドットの流れ、はじき、にじみがある インク吸収性 ◎:非常に良好(記録紙が汚れない) ○:良好 △:やや劣る ×:記録紙がかなり汚れる。
【0028】(5)耐水性 印刷後、印字画像にイオン交換水を数滴滴下し、インク
の滲み度合いを目視にて評価した。 ◎:滲まない ○:ほとんど滲まない △:若干滲む ×:滲みが激しい。
【0029】<実施例1〜3、8〜10、15〜17、比較例
1〜3、7〜9、13〜15>2リットルビーカーにて疎水
性有機担体としてアイソパー(エクソン社、イソパラフ
ィン) 560gおよび非イオン性界面活性剤としてソルビ
タンモノラウレート56gを混合し、オイル液を作製し
た。別に1リットルビーカーにて2−メタクリロイルオ
キシエチルトリメチルアンモニウムクロライド 600g
(80%水溶液)および架橋剤としてメチレンビスアクリ
ルアミド12gをイオン交換水 136gに溶解し、単量体水
溶液を作製した。オイル液に対してホモジナイザーを用
い、8000rpm にて攪拌しながら単量体水溶液を徐々に加
えた。添加終了後、 180分間乳化分散を継続し(平均循
環数:3000パス)、モノマーエマルションを作製した。
攪拌機、温度計および窒素導入管を接続した2リットル
の3つ口セパラブルフラスコに作製したモノマーエマル
ションを全量仕込み、窒素ガスを 1.5リットル/分の流
量で 120分間バブリングし、モノマーエマルションを脱
気した。次に、このモノマーエマルションの温度を35℃
の一定温度に保持した後、表1に示した重合開始剤を順
次添加して重合を開始した。約4時間後には重合は終了
し、重量平均粒子径が0.12μm(光散乱法にて測定)の
油中水型カチオン性ポリマーエマルションを得た(以下
PMEAC 架橋体と略す)。次に、上記エマルションを遠心
分離し粒子を回収した。その後エタノール洗浄/遠心分
離を1回行い、粒子の一部を取り出し、60℃、24時間減
圧乾燥した。表1〜7に乾燥・解砕した吸水ポリマーの
粒径、吸水物性を示す。
【0030】次にこの吸水ポリマーをメタノール中に5
%濃度で分散させ、これを種々の紙(はがき、普通紙)
に所定量噴霧した。得られた記録紙の記録特性ならびに
取り扱い性を表2及び表3に示す。また、原料パルプLB
KP 100重量部を、レフアイナーでろ水度(フリーネスC.
S.F.)400mlまで叩解し、これに上記の吸水ポリマーの所
定量を添加混合し、坪量60g/m2 の紙を抄紙機を用い
抄紙した。この記録紙についての記録特性ならびに取り
扱い性を表4及び表5に示す。さらに、坪量65g/m2
の上質紙に顔料としてカオリン(Engelhard M & C 製、
商品名、UW−90)50部、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工
業社製、商品名、タマパール121)25部、無定形シリカ
(日本シリカ社製、商品名、ニップシールLP)25部と、
接着剤として、スチレンブタジエン系ラテックス(住友
ノーガタック社製、商品名、SN307)8部、離型剤として
ステアリン酸カルシウム(サンノプコ社製、商品名、ノ
プコートC104)2部と、上記吸水ポリマーの所定量を主
成分とする固形分濃度45%の塗被液をロールコーターで
固形分換算で17g/m2 塗被し、熱風ドライヤーで乾燥
して記録紙を得た。この記録紙の記録特性、取り扱い性
の結果を表6及び7に示す。
【0031】<実施例4〜6、11〜13、18〜20>疎水性
有機液体、非イオン性界面活性剤、単量体等の組成と重
合開始剤を表1に示すように変更した以外は実施例1と
同様にして重合を行うことによって油中水型カチオン性
ポリマーエマルションを得た。それらの組成、重合開始
剤、および乾燥後得られた吸水ポリマーの粒径、吸水物
性を表1、2、4、6に示す。また、これら吸水ポリマ
ーを用い実施例1と同様に紙に噴霧して得た記録紙、実
施例8と同様にパルプと混合・抄紙して得た記録紙、お
よび実施例15と同様に塗被層中に混合して得た記録紙の
記録特性ならびに取り扱い性をそれぞれ表2、4、6に
示す。
【0032】<実施例7、14、21、比較例4〜6、10〜
12、16〜18>アクリル酸72.1gを18.0gの水で希釈し、
冷却しつつ30wt%の水酸化ナトリウム水溶液98.9gで中
和した後、 2.8wt%過硫酸カリウム10.7gを加えて均一
溶液とし、単量体/開始剤水溶液を作った。別に、還流
冷却管、滴下漏斗、攪拌棒、及び窒素導入管を備えた 5
00mlフラスコにシクロヘキサン 283gをとり、エチルセ
ルロース 0.9gを加えて攪拌(300rpm) ・分散させ、フ
ラスコを窒素置換した後、75℃に昇温した。これに前述
の単量体/開始剤水溶液を30分間にわたり滴下し、滴下
終了後、75℃で 1.5時間、さらに80℃で4時間攪拌・重
合した。重合終了後、生成物を分別し、減圧下に乾燥す
ることで重量平均粒子径が25μmの真球状粒子を得た。
得られた吸水ポリマーの吸水物性を表1、3、5、7に
示す。また、この吸水ポリマーを用い実施例1と同様に
紙に噴霧して得た記録紙、実施例8と同様にパルプと混
合・抄紙して得た記録紙、および実施例15と同様に塗被
層中に混合して得た記録紙の記録特性ならびに取り扱い
性をそれぞれ表3、5、7に示す。
【0033】また、上記の平均粒子径が25μmの真球状
粒子を一部取り出し、イオン交換水で自重の約 120倍に
膨潤させ、その後サンドミル粉砕機により粉砕すること
で、乾燥・解砕後重量平均粒子径が0.22μmの粒子を得
た。得られた吸水ポリマーの吸水物性を表1、3、5、
7に、またこの吸水ポリマーを用い実施例1と同様に紙
に噴霧して得た記録紙、実施例8と同様にパルプと混合
・抄紙して得た記録紙、および実施例15と同様に塗被層
中に混合して得た記録紙の記録特性ならびに取り扱い性
をそれぞれ表3、5、7に示す。
【0034】さらに、粉砕した吸水ポリマーをシクロヘ
キサン中に攪拌・分散させ、この中に50重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル水溶液を吸水ポリマ
ー中のアクリル酸ユニットに対し4重量%および30
重量%滴下し(以下を2%架橋、を15%架橋と記
す)、75℃で3時間架橋反応(後架橋)を行い、重量平
均粒子径が0.24μm の粒子(2%架橋物)と重量平均粒
子径が0.26μm の粒子(15%架橋物)を得た。得られた
吸水ポリマーの吸水物性を表1〜7に、またこの吸水ポ
リマーを用い実施例1と同様に紙に噴霧して得た記録
紙、実施例8と同様にパルプと混合・抄紙して得た記録
紙、および実施例15と同様に塗被層中に混合して得た記
録紙の記録特性ならびに取り扱い性をそれぞれ表2〜7
に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【本発明の効果】高湿度下に保存してもべたつきが小さ
く、印字画像が鮮明で、かつ印刷後の乾燥速度が速いと
いった特徴を有する。またさらに、印刷物の耐水性が優
れるといった特徴も有しているため、インクジェットプ
リンタ記録紙として好ましく用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを主体とする紙の表面に、吸水量
    が自重の 1.5倍以上10倍未満、吸水速度が 0.1ml/分・
    g以上、かつ重量平均粒子径が5μm以下である水不溶
    性の吸水ポリマーを用紙1m2 当たり0.01〜30重量部の
    割合で噴霧することを特徴とする記録紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 吸水量が自重の 1.5倍以上10倍未満、吸
    水速度が 0.1ml/分・g以上、かつ重量平均粒子径が5
    μm以下である水不溶性の吸水ポリマーとパルプとを、
    パルプ 100重量部に対して吸水ポリマーが1〜100 重量
    部の割合で混合し、この混合物を抄紙することを特徴と
    する記録紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 吸水量が自重の 1.5倍以上10倍未満、吸
    水速度が 0.1ml/分・g以上、かつ重量平均粒子径が5
    μm以下である水不溶性の吸水ポリマーと顔料とを顔料
    100重量部に対して水不溶性の吸水ポリマーが0.01〜10
    0 重量部の割合で含有する塗被層を、パルプを主体とす
    る紙表面に設けることを特徴とする記録紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 水不溶性の吸水ポリマーが、分子構造中
    にカチオン基を有する吸水ポリマーである請求項1〜3
    の何れか1項に記載の記録紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 水不溶性の吸水ポリマーを構成するモノ
    マーの50モル%以上が2−メタクリロイルオキシエチル
    トリメチルアンモニウムクロライドである請求項1〜4
    の何れか1項に記載の記録紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 水不溶性の吸水ポリマーの吸水量が自重
    の2〜8倍、吸水速度が1ml/分・g以上、かつ重量平
    均粒子径が1μm以下である請求項1〜6の何れか1項
    に記載の記録紙の製造方法。
JP8255853A 1996-09-27 1996-09-27 記録紙の製造方法 Pending JPH10102395A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8255853A JPH10102395A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 記録紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8255853A JPH10102395A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 記録紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10102395A true JPH10102395A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17284506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8255853A Pending JPH10102395A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 記録紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10102395A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010228392A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010228392A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4481244A (en) Material used to bear writing or printing
US6150289A (en) Coating composition for ink jet paper and a product thereof
KR101643554B1 (ko) 염화비닐계 수지 에멀션, 수성 잉크 및 기록용지
US4517244A (en) Recording medium and ink jet recording paper
CN101389706B (zh) 树脂组合物及其用途
EP0426391A2 (en) Synthetic resin emulsion, process for producing it and coating compositions comprising it
US5919558A (en) Inkjet recording sheet
JPS645551B2 (ja)
EP1184194B1 (en) Ink jet recording element
US6457824B1 (en) Ink jet printing method
JP2000153666A (ja) インクジェット記録要素の製造方法
JP6068979B2 (ja) 有機ポリマー粒子、紙コーティング組成物、および方法
US6455134B1 (en) Ink jet media comprising a coating containing amine functional emulsion polymers
JPS645552B2 (ja)
JP3159899B2 (ja) 画像記録方法
JP2003529640A (ja) アミン官能基グラフト化ポリビニルアルコール含有塗料組成物
JPH10102395A (ja) 記録紙の製造方法
JP2579233B2 (ja) 記録媒体
WO2005073311A1 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた記録材
JP4171863B2 (ja) 記録シート用バインダー及び記録シートの製造方法
US20020081442A1 (en) Coating fluid for the preparation of a recording medium for use in inkjet printing
JPH11138982A (ja) 記録媒体及びその製造方法
JP2001232932A (ja) インクジェット記録用紙用表面サイズ剤およびインクジェット記録用紙
WO2004069548A1 (en) Ink jet-receiving material and manufacturing method thereof
JPH08169176A (ja) インクジェット記録用ohpシート