JPH10102315A - オイリングノズル - Google Patents

オイリングノズル

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JPH10102315A
JPH10102315A JP25815996A JP25815996A JPH10102315A JP H10102315 A JPH10102315 A JP H10102315A JP 25815996 A JP25815996 A JP 25815996A JP 25815996 A JP25815996 A JP 25815996A JP H10102315 A JPH10102315 A JP H10102315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fiber
oiling nozzle
sliding portion
supply hole
Prior art date
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Pending
Application number
JP25815996A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Yoshino
寧孝 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速走行する繊維20に対して、均一にオイル
21を付着させられるオイリングノズル10を得る。 【解決手段】繊維20を案内する摺動部111、該摺動
部11よりも入口側に開口したオイル供給孔12を有す
るセラミックス製のオイリングノズル10であって、上
記摺動部11とオイル供給孔12との間にオイル溜まり
13を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸後の繊維にオ
イルを付着させる際に用いるオイリングノズルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維の紡糸工程において、溶融原液を紡
糸ノズルから噴出させて得られた繊維は、その後の巻取
り工程で撚りがほどけたり、あるいは加工工程で切れて
しまう等の不都合を防止するために、まずオイリングノ
ズルによってオイルが付着される。
【0003】図3に示すように、このオイリングノズル
10は、V溝状の摺動部11と、この摺動部11の入口
側に開口するオイル供給孔12、摺動部11に備えられ
たオイル溜まり14を有しており、全体をアルミナ、ジ
ルコニア等のセラミックスで一体的に形成したものであ
る。なお、入口側とは繊維20が入ってくる側であり、
図2(C)の上側を言い、反対に繊維の出ていく側であ
る図2(C)の下側を出口側と言う。
【0004】そして、図2(C)に示すように、繊維2
0を摺動部11に摺動させながら矢印方向に高速で送
り、同時にオイル供給孔12からオイル21を噴出する
ことによって、繊維20にオイル21を付着させるよう
になっている。このとき、噴出したオイル21はオイル
溜まり14に溜まり、繊維20の全面に付着するように
なっている。
【0005】このようなオイリングノズル10に求めら
れる特性としては、繊維20に良好にオイル21を付着
できることだけでなく、繊維20に傷等を付けることな
く、長期間摩耗せずに使用できることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の繊維
20は断面が異形状のものが多く、しかも効率を上げる
ために繊維20の送り速度が5000〜8000m/分
と極めて速くなっている。これに対し、上記オイル21
は、ギヤポンプ(不図示)によってオイル供給孔12か
ら噴出されるため、断続的な噴出となってしまい、高速
走行する繊維20に対して均一にオイル21を付着させ
ることができず、オイル21の付着にムラが生じるとい
う問題点があった。
【0007】そのため、繊維20のオイル21の付着が
充分でない部分が高速で摺動することにより、摺動部1
1が摩耗しやすかった。この部分が摩耗すると、繊維2
0に傷を付けやすくなるため、1ヶ月程度の使用でオイ
リングノズル10全体を交換しなければならないという
不都合があった。
【0008】また、繊維20のオイル21の付着が充分
でない部分は、その後の巻取り工程で撚りがほどけた
り、加工工程で切断してしまう等の問題もあった。
【0009】なお、図3に示すように、オイリングノズ
ル10の摺動部11にはオイル溜まり14を備えている
が、上述したようにオイル21自体が断続的にしか供給
されないため、高速走行する繊維20へ均一にオイル2
1を付着させることができなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、繊維を
案内する摺動部と、該摺動部よりも入口側に開口したオ
イル供給孔を有するセラミックス製のオイリングノズル
であって、上記摺動部とオイル供給孔との間にオイル溜
まりを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、摺動部とオイル供給孔の間に
オイル溜まりを備えたことによって、オイル供給孔から
噴出されたオイルは、このオイル溜まりに蓄えられて表
面張力によって盛り上がり、この限界を超えたオイルが
繊維に付着することになる。この時、表面張力は安定し
ているため、繊維に均一にオイルを付着させることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
よって説明する。
【0013】図1に示すオイリングノズル10は、V溝
状の摺動部11と、該摺動部11の入口側に開口するオ
イル供給孔12と、摺動部11とオイル供給孔12の間
に備えたオイル溜まり13と、摺動部11に備えたオイ
ル溜まり14を有している。そして、このオイリングノ
ズル10は、全体がアルミナやジルコニア等のセラミッ
クスで形成されている。
【0014】上記摺動部11は、繊維20を案内する際
に、繊維20と摺動する部分のことであり、図1(C)
に示すようにほぼストレート状に形成してある。この摺
動部11の入口側は、繊維20と接触しないように斜面
状となっており、この部分にオイル供給孔12が開口
し、かつこの斜面状部分におけるオイル供給孔12と摺
動部11の間に少なくとも一部が開口するようにオイル
溜まり13を形成している。
【0015】図2に拡大図を示すように、本発明のオイ
リングノズル10では、オイル供給孔12より噴出した
オイル21は一度オイル溜まり13に蓄えられる。そし
て、このオイル溜まり13に蓄えられたオイル21は表
面張力で盛り上がり、この限界を超えたオイル21が繊
維20に付着することになる。この時、表面張力は安定
しているため、繊維20が高速走行してもオイル21を
均一に付着させることができるのである。
【0016】即ち、本発明では、オイル供給孔12から
噴出したオイル21を直接繊維20に付着させずに、一
度オイル溜まり13に蓄えることによって、均一に付着
できるようにしたものである。そのため、ギヤポンプ等
によって断続的にオイル21が噴出されても、均一に繊
維20に付着させることができる。
【0017】なお、本発明では、上述したようにオイル
溜まり13によって均一にオイル21を付着できること
から、その他の部分のオイル溜まりは必要ない。ただ
し、繊維20の案内速度が速い場合には、オイル21を
より均一に付着させるために、図1、2に示すように摺
動部11にもオイル溜まり14を備えることが好まし
い。
【0018】なお、摺動部11とオイル供給孔12との
間に形成するオイル溜まり13の送り方向の長さLは
0.3〜3mmの範囲とすることが好ましい。これは、
長さLが3mmを超えるとオイル21のみに繊維20が
接して、ガイド上でオイル21をなじませにくくなり、
0.3m未満ではオイル21を付着させにくいためであ
る。また、オイル溜まり13の出口側の周縁部13a
は、曲率半径1mm以上の範囲で曲面状に形成すること
が好ましい。これは、オイル21の繊維20側への供給
を良好にするとともに、繊維20が摺動しても傷をつけ
にくくするためである。
【0019】また、摺動部11にオイル溜まり14を形
成する場合は、その送り方向の長さL’は0.3〜3m
mの範囲とし、かつ周縁部14aを曲率半径0.5mm
以上の曲面状とすることが好ましい。
【0020】なお、上記オイル溜まり13、14の形状
を、入口よりも内部が広がったようなインクボトル形状
とすることによって、よりオイル21を溜める効果を高
めることもできる。
【0021】さらに、摺動部11の表面は、繊維20に
傷をつけずに良好に案内するために中心線平均粗さ(R
a)0.75μm以下の滑らかな面とすることが好まし
い。
【0022】このオイリングノズル10を使用する場合
は、図1(C)に示すように、紡糸直後の繊維20を摺
動部11で案内しながら高速で矢印方向に送り、同時に
オイル供給孔12からオイル21を供給すれば、上述し
たようにオイル21はオイル溜まり13に溜められて繊
維20の全面に付着することになる。その結果、オイル
21を均一に付着した繊維20は摺動部11との摺動性
に優れ、オイリングノズル10の摩耗を防止できる。し
かも、その後の巻取り工程で繊維20の撚りがほどけた
り、加工工程で切断してしまうことも防止できる。
【0023】なお、本発明のオイリングノズル10の本
体は、Al2 3 を主成分としSiO2 、MgO、Ca
O等を含むアルミナセラミックスや、ZrO2 を主成分
としてY2 3 、MgO、CaO等を含む部分安定化ジ
ルコニアセラミックスを用いる。そして、これらの原料
粉末を用いて、射出成形することによって、図1に示す
ような複雑な形状に成形し、所定の条件で焼成すること
によって得ることができる。
【0024】なお、本発明のオイリングノズル10は、
図1、2に示した形状に限らず、若干の形状変更は可能
である。その場合も、繊維20が接触する摺動部11の
入口側に繊維20と接触しないようにオイル供給孔12
を設け、このオイル供給孔12と摺動部11との間に少
なくとも一部が開口するようにオイル溜まり13を備え
れば良い。
【0025】
【実施例】図1に示すオイリングノズル10を試作し
た。本体はアルミナセラミックスで形成し、オイル溜ま
り13の長さLは0.8mm、周縁部13aの曲率半径
は1.36mmとし、摺動部11に備えたオイル溜まり
14の長さL’は0.8mm、周縁部14aの曲率半径
は0.5mmとした。
【0026】一方、比較例として、上記本体と同じ材料
で図3に示すように摺動部11にのみオイル溜まり14
を有する従来のオイリングノズル10を試作した。
【0027】それぞれのオイリングノズル10を実機に
組み込み、ポリエステルの繊維を送り速度5500m/
分で使用した。その後、摩耗によって繊維20に傷が発
生し、交換が必要となるまでの期間(寿命)を比較し
た。
【0028】その結果、比較例では1ヶ月の使用で、摺
動部11の出口側端部の摩耗が激しく、交換が必要であ
った。これに対し、本発明実施例では、6ヶ月間使用可
能であり、大幅に寿命を延ばすことができた。
【0029】これは、オイル溜まり13を備えたことに
より、繊維20にオイル21が均一に付着して、摺動部
11での摺動性が良好となるためである。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、繊維を案
内する摺動部と、該摺動部よりも入口側に開口したオイ
ル供給孔を有するセラミックス製のオイリングノズルで
あって、上記摺動部とオイル供給孔との間にオイル溜ま
りを備えたことによって、高速走行する繊維に対しても
均一にオイルを付着させることができる。
【0031】その結果、摺動部での繊維の摺動性を良好
にして、オイリングノズルの摩耗を防止し、寿命を長く
できる。また、繊維にオイルを均一に付着できることか
ら、その後の巻取り工程にて撚りがほどけたり、加工工
程で繊維が切断してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のオイリングノズルを入口側か
らみた平面図、(B)は(A)のA方向から見た側面
図、(C)は(A)のX−X線断面図である。
【図2】図1(C)における繊維の摺動部近傍を示す拡
大断面図である。
【図3】(A)は従来のオイリングノズルを入口側から
みた平面図、(B)は(A)のB方向から見た側面図、
(C)は(A)のY−Y線断面図である。
【符号の説明】
10:オイリングノズル 11:摺動部 12:オイル供給孔 13:オイル溜まり 14:オイル溜まり 20:繊維 21:オイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維を案内する摺動部と、該摺動部よりも
    入口側に開口したオイル供給孔を有するセラミックス製
    のオイリングノズルであって、上記摺動部とオイル供給
    孔との間にオイル溜まりを備えたことを特徴とするオイ
    リングノズル。
JP25815996A 1996-09-30 1996-09-30 オイリングノズル Pending JPH10102315A (ja)

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JP25815996A JPH10102315A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 オイリングノズル

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