JPH10102082A - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents
内燃機関用潤滑油組成物Info
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- JPH10102082A JPH10102082A JP4196697A JP4196697A JPH10102082A JP H10102082 A JPH10102082 A JP H10102082A JP 4196697 A JP4196697 A JP 4196697A JP 4196697 A JP4196697 A JP 4196697A JP H10102082 A JPH10102082 A JP H10102082A
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Abstract
塩基価の低下が少なく、特にディーゼルエンジン用とし
て好適な内燃機関用潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 潤滑油基油に、(A)過塩基性アルカリ
土類金属サリチレート、(B)過塩基性アルカリ土類フ
ェネート、及び(C)ビス型アルケニルコハク酸イミド
もしくはビス型アルキルコハク酸イミド又はそれらのホ
ウ素付加物を配合してなる内燃機関用潤滑油組成物であ
る。
Description
成物に関し、特にディーゼルエンジン用に適した内燃機
関用潤滑油組成物に関する。
ーゼルエンジンは、窒素酸化物(NO X )及び煤を主体
とする粒子状排出物(PM)の低減を目的とした排ガス
規制に対応するため、排ガス再循環(EGR),燃料の
高圧噴射化,燃焼室やピストン形状の改良等が検討され
ている。これらの技術はピストン温度の上昇につなが
り、ピストンの清浄性、すなわちエンジン自体の耐久信
頼性の維持,向上のため、潤滑油に対してより高い耐熱
性や清浄分散性が要求されている。また、メインテナン
ス費用の低減や廃油処理の観点から、オイル交換期間や
オイル交換距離の延長が望まれているが、燃料中の硫黄
分の燃焼により生成する硫酸の混入やオイルの酸化によ
る劣化酸のため、それらを中和する目的で添加されてい
る過塩基性の金属系清浄剤が消耗し限界があった。金属
系清浄剤の消耗、すなわち全塩基価の極端な低下は、中
和能力や酸化防止能力の不足によりリングやライナの腐
食やデポジットの発生を引き起こすので、その低下を抑
制する潤滑油組成物が求められれている。
型のアルケニルコハク酸イミドを含んだエンジン潤滑油
基油組成物が開示されているが、使用中の全塩基価の低
下が大きく清浄性も不十分である。また、特開平7−3
31270号公報には、アルカリ土類金属系清浄剤、ジ
アルキルジチオリン酸亜鉛、コハク酸イミド系無灰分散
剤及び無灰酸化防止剤を含む内燃機関用潤滑油組成物が
開示されているが、具体的に開示されている添加剤の組
み合わせでは、使用中の全塩基価の低下が大きい。
らなされたもので、清浄性に優れ、かつ長期間使用して
も全塩基価の低下が少なく、特にディーゼルエンジン用
として好適な内燃機関用潤滑油組成物を提供することを
目的とするものである。
重ねた結果、特定の二種類の過塩基性アルカリ土類金属
系清浄剤と特定のコハク酸イミド系無灰分散剤を併用す
ることにより本発明の目的を効果的に達成しうることを
見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明
は、潤滑油基油に、(A)過塩基性アルカリ土類金属サ
リチレート、(B)過塩基性アルカリ土類金属フェネー
ト、及び(C)ビス型アルケニルコハク酸イミドもしく
はビス型アルキルコハク酸イミド又はそれらのホウ素付
加物を配合してなる内燃機関用潤滑油組成物である。
明する。先ず、本発明の内燃機関用潤滑油組成物におけ
る潤滑油基油として鉱油及び/又は合成油が用いられ
る。この鉱油や合成油については、一般に内燃機関用潤
滑油の基油として用いられているものであればよく、特
に制限はないが、100℃における動粘度が1〜20m
m2 /sの範囲にあるものが好ましく、2〜15mm2
/sの範囲にあるものがより好ましい。基油の動粘度が
高すぎると燃費が悪化し、逆に、低すぎると蒸発性が高
く、オイル消費が多くなり好ましくない。また、この基
油の低温流動性の指標である流動点については特に制限
はないが、−10℃以下であるのが好ましい。
り、用途などに応じて適宜選定すればよい。鉱油として
は、例えばパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基
系鉱油などが挙げられ、具体例としては、溶剤精製また
は水添精製による軽質ニュートラル油,中質ニュートラ
ル油,重質ニュートラル油,ブライトストックなどを挙
げることができる。
レフィン,α−オレフィンコポリマー,ポリブテン,ア
ルキルベンゼン,ポリオールエステル,二塩基酸エステ
ル,ポリオキシアルキレングリコール,ポリオキシアル
キレングリコールエステル,ポリオキシアルキレングリ
コールエーテル,シリコーンオイルなどを挙げることが
できる。
は二種以上を組み合わせて使用することができ、鉱油と
合成油を組み合わせて使用してもよい。次に、潤滑油基
油に配合される(A)〜(C)成分について説明する。(A)成分 過塩基性アルカリ土類金属サリチレートは、アルキルサ
リチル酸のアルカリ金属塩であり、通常、炭素数10〜
18のα−オレフィンでフェノールをアルキル化し、次
いでコルベシュミット反応でカルボキシル基を導入した
後、複分解する等の方法により得られる。アルキルサリ
チル酸の具体的例としては、ドデシルサリチル酸,オク
チルサリチル酸が挙げられる。アルカリ土類金属として
は、カルシウム,バリウム,マグネシウムが挙げられる
が、効果の点でカルシウムが好ましい。該過塩基性アル
カリ土類金属サリチレートの全塩基価(JIS K−2
501;過塩素酸法)は10〜300mgKOH/g、
好ましくは50〜200mgKOH/gである。全塩基
価が低すぎると酸中和性が劣り、高すぎると潤滑油中の
灰分が増加し、燃焼室堆積物の増加や触媒コンバータの
詰まりが生じ好ましくない。
用いてもよく、二種以上を用いてもよい。また、その配
合量は、組成物全量に基づき、0.1〜20重量%の範
囲が好ましく、1〜10重量%の範囲が更に好ましい。
0.1重量%未満では、他成分との相乗効果による清浄
性,潤滑油の全塩基価の低下抑制効果が不十分な場合が
あり、20重量%を超えても、配合量に相当する効果の
向上がみられない場合がある。
ノール又は硫化アルキルフェノールのアルカリ金属塩で
あり、通常、アルキルフェノールまたは硫化アルキルフ
ェノールのアルカリ土類金属を炭酸化する方法により得
られる。アルカリ土類金属としては、カルシウム,バリ
ウム,マグネシウムが挙げられるが、効果の点でカルシ
ウムが好ましい。該過塩基性アルカリ土類金属フェネー
トの全塩基価(JIS K−2501;過塩素酸法)は
10〜300mgKOH/g、好ましくは50〜200
mgKOH/gである。全塩基価が低すぎると酸中和性
が劣り、高すぎると潤滑油中の灰分が増加し、燃焼室堆
積物の増加や触媒コンバータの詰まりが生じ好ましくな
い。
用いてもよく、二種以上を用いてもよい。また、その配
合量は、組成物全量に基づき、0.1〜20重量%の範
囲が好ましく、1〜10重量%の範囲が更に好ましい。
0.1重量%未満では、他成分との相乗効果による清浄
性,潤滑油の全塩基価の低下抑制効果が不十分な場合が
あり、20重量%を超えても、配合量に相当する効果の
向上がみられない場合がある。(C)成分 ビス型アルケニルコハク酸イミドは、通常、下記の一般
式(I)
量200〜4000を有する炭素数2〜15のオレフィ
ン重合物から形成されたアルケニル基を示し、それらは
たがいに同一でも異なっていてもよく、R3 ,R4 はそ
れぞれ炭素数2〜5のアルキレン基を示し、それらはた
がいに同一でも異なっていてもよい。nは0又は1〜1
0の整数である。)で表される。この一般式(I)中の
R1 ,R2 は数平均分子量200〜4000を有する炭
素数2〜15のオレフィン重合物から形成されたアルケ
ニル基を示すが、その数平均分子量は500〜3000
が好ましく、700〜2300が更に好ましい。好まし
いアルケニル基はポリイソブテニル基である。
ポリイソブテンやエチレン−プロピレン共重合体を無水
マレイン酸と反応させた後、例えばテトラエチレンペン
タミンのようなポリアミンと反応させて得ることができ
る。ビス型アルキルコハク酸イミドは前記一般式(I)
のアルケニル基を水添すればよい。
アルキルコハク酸イミドのホウ素付加物は、両コハク酸
イミドを、例えばホウ酸,ホウ酸無水物,ハロゲン化ホ
ウ素,ホウ酸エステル,ホウ酸アミド,酸化ホウ素で処
理することによって得ることができる。本発明において
は、上記(C)成分は一種用いてもよく、二種以上を用
いてもよい。また、その配合量は、組成物全量に基づ
き、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、1〜8重量
%の範囲が更に好ましい。0.1重量%未満では、他成
分との相乗効果による清浄性,潤滑油の全塩基価の低下
抑制効果が不十分な場合があり、10重量%を超えて
も、配合量に相当する効果の向上がみられない場合があ
る。
K−2501;過塩素酸法)については、低すぎると
酸中和性が劣り、高すぎると燃焼室堆積物が増加するな
どの点から5〜20mgKOH/gの範囲に調整してお
くのが好ましい。本発明の組成物は、潤滑油基油に上記
(A)〜(C)成分を配合することにより得られるが、
通常潤滑油の物性向上のために、酸化防止剤,粘度指数
向上剤,金属不活性剤,流動点降下剤,耐摩耗剤,消泡
剤,極圧剤などの添加剤を適宜使用することもできる。
このような添加剤は様々なものがあるが、特に制限はな
く従来から公知のものが広く使用される。酸化防止剤と
しては、例えばアルキル化ジフェニルアミン,フェニル
−α−ナフチルアミンなどのアミン系化合物、2,6−
ジ−t−ブチルフェノール,4,4’−メチレンビス−
(2,6−ジ−t−ブチルフエノール)などのフェノー
ル系化合物を挙げることができ、これらは、通常、組成
物全量に基づき0.05〜2重量%の割合で使用され
る。粘度指数向上剤としては、例えばポリメチルメタク
リレート系,ポリイソブチレン系,エチレン−プロピレ
ン共重合体系,スチレン−イソプレン共重合体系,スチ
レン−ブタジエン水添共重合体系などを挙げることがで
き、これらは、通常、組成物全量に基づき0.5〜30
重量%の割合で使用される。金属不活性剤としては、ベ
ンゾトリアゾール,チアジアゾール,アルケニルコハク
酸エステルなどを挙げることができ、これらは、通常、
組成物全量に基づき0.005〜1重量%の割合で使用
される。流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリ
レート,ポリアルキルスチレンなどを挙げることがで
き、これらは、通常、組成物全量に基づき0.01〜1
重量%の割合で使用される。耐摩耗剤としては、MoD
TP,MoDTCなどの有機モリブデン化合物、ZnD
TPなどの有機亜鉛化合物、アルキルメルカプチルボレ
ートなどの有機ホウ素化合物、グラファイト,二硫化モ
リブデン,硫化アンチモン,ホウ素化合物,ポリテトラ
フルオロエチレンなどの固体潤滑剤系耐摩耗剤などを挙
げることができ、これらは、通常、組成物全量に基づき
0.1〜3重量%の割合で使用される。消泡剤として
は、ジメチルポリシロキサン,ポリアクリレートなどを
挙げることができ、通常、組成物全量に基づき0.00
05〜1重量%の割合で使用される。極圧剤としては、
硫化油脂,ジフェニルスルフィド,メチルトリクロロス
テアレート,塩素化ナフタレンなどを挙げることがで
き、通常、組成物全量に基づき0.1〜15重量%の割
合で使用される。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1〜3及び比較例1〜5 第1表に示す組成で内燃機関用潤滑油組成物を調製し
た。得られた各組成物について、以下に示すように、内
燃機関用潤滑油酸化安定度試験,エンジン清浄性試験を
を行った。その結果を第1表に示す。 (1)内燃機関用潤滑油酸化安定度試験 JIS K2514に準拠し、試験温度:165.5
℃,試験時間:72時間の条件で試験を行った。 (2)エンジン清浄性試験 排気量300ccの小型発電機用単気筒4サイクルディ
ーゼルエンジンを使用し、回転数:2700rpm,油
温:120℃,負荷:15N・m,燃料:硫黄分0.0
5重量%の軽油の条件で50時間運転した。その後、ピ
ストンのトップランド,トップグループ,セカンドラン
ド,サードランド,アンダークラウンの合計5カ所の清
浄性を10点法で評価し、その合計点を求めた。
mm2 /s(100℃) *2:ポリα−オレフィン系合成油,動粘度6mm2 /
s(100℃) *3:全塩基価170mgKOH/g(JIS K−2
501;過塩素酸法) *4:全塩基価170mgKOH/g(JIS K−2
501;過塩素酸法) *5:全塩基価170mgKOH/g(JIS K−2
501;過塩素酸法) *6:ポリイソブテニル基の数平均分子量1000,窒
素分含有量1.2重量% *7:ポリイソブテニル基の数平均分子量1000,窒
素分含有量1.2重量% ホウ素分含有量1.0重量% *8:ポリイソブテニル基の数平均分子量1000,窒
素分含有量2.1重量% *9:JIS K−2501;電位差滴定法(塩酸法) *10:JIS K−2501;電位差滴定法(塩酸
法) *11:前記のエンジン清浄性試験
浄性に優れ、かつ長期間使用しても全塩基価の低下が少
なく、特にディーゼルエンジン用として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 潤滑油基油に、(A)過塩基性アルカリ
土類金属サリチレート、(B)過塩基性アルカリ土類金
属フェネート、及び(C)ビス型アルケニルコハク酸イ
ミドもしくはビス型アルキルコハク酸イミド又はそれら
のホウ素付加物を配合してなる内燃機関用潤滑油組成
物。 - 【請求項2】 組成物全量基準で、(A)成分が0.1
〜20重量%、(B)成分が0.1〜20重量%、
(C)成分が0.1〜10重量%である請求項1記載の
内燃機関用潤滑油組成物。
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