JPH10101797A - オレフィン性二重結合末端を有するポリサルファイド 化合物とその製造方法 - Google Patents

オレフィン性二重結合末端を有するポリサルファイド 化合物とその製造方法

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JPH10101797A
JPH10101797A JP27884096A JP27884096A JPH10101797A JP H10101797 A JPH10101797 A JP H10101797A JP 27884096 A JP27884096 A JP 27884096A JP 27884096 A JP27884096 A JP 27884096A JP H10101797 A JPH10101797 A JP H10101797A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光重合、ラジカル重合あるいはマイケル付加等
により硬化するオレフィン性二重結合末端を有するポリ
サルファイド化合物及びそれを容易に製造する方法を提
供する。 【解決手段】下記一般式(1): (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。)で表さ
れ、上記一般式(1)中のAが、 (イ)−(R−S)− (但し、Rは2価の基であり、xは1〜5の整数であ
る。)で表されるポリサルファイド構造単位を有し、か
つ末端に、 (ロ)〜〜R−S− (但し、Rは2価の基である。)で表されるチオエ−
テル基を含有する、ポリサルファイド構造を持つ2価以
上の基であることを特徴とするオレフィン性二重結合末
端を有するポリサルファイド化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種々の化学反応に利
用でき、特にラジカル重合硬化、あるいはチオール基を
有する化合物と光硬化可能な組成物を与え、塗料、コー
ティング材、接着剤、インキ等に有用である新規なオレ
フィン性二重結合末端を有するポリサルファイド化合物
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子末端に少なくとも2個のアリル基、
又は(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー
類、オリゴマー類は、種々の反応に利用でき、特にポリ
チオール化合物と併用して光硬化性樹脂を与えること、
ラジカル反応により単独で重合硬化すること、あるい
は、エポキシ系硬化性組成物の硬化促進剤として有用で
あることが知られている。
【0003】また、分子末端に少なくとも2個のチオー
ル基を有するポリサルファイド化合物は、シーリング
材、塗料、接着剤等に広く用いられている。中でも米国
特許第2,466,963号に記載されているポリサル
ファイド化合物は、種々の酸化剤、エポキシド化合物、
イソシアネート化合物と容易に反応して高分子量化し、
耐油性、耐薬品性、耐水性、ガスバリア性、耐候性、接
着性に優れたゴム弾性体が得られるため、シーリング材
の原料として長年使用されている。
【0004】そこで、このようなポリサルファイド化合
物を光硬化、ラジカル重合、あるいはポリエン特有の種
々の反応に利用するために、従来より末端基の不飽和基
への変換が試みられてきた。
【0005】また、特公昭49−43700号には、上
記ポリサルファイド化合物を用いた硬化性組成物に、ポ
リオールジアクリレート及びポリオールトリアクリレー
トを混合することにより、硬化促進効果及び接着促進効
果が得られることが開示されている。特公平7−456
27号には、同様のポリサルファイド化合物を用いた一
液型シーラント組成物に、アクリレート基が3以上であ
るアクリレート化されたモノマーと、分子量が500〜
2000のチオール基末端のポリサルファイド化合物を
反応させた次の一般式(3)で表される生成物を使用す
ることにより著しい硬化促進作用が得られることが開示
されている。
【0006】
【化3】 (但し、LPはMorton Internation
al Inc.の一連の液体ポリサルファイドポリマー
を表す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬化物
の耐水性、耐薬品性及び耐候性に影響を及ぼすとことが
予想されるエステル結合を全く含まない、オレフィン性
二重結合末端を有するポリサルファイド化合物は今のと
ころ得られていない。また、上記の製造方法では、原料
に分子量の大きいポリサルファイド化合物を用いた場
合、2量体及び3量体の副生により非常に高粘度なポリ
マーとなって扱いにくいという欠点を有していた。 従
って本発明の目的は、耐油性、耐薬品性、耐水性、ガス
バリア性、耐候性、接着性に優れた重合硬化物を与え、
使用目的に応じて適当な分子量及び粘度を有する、高純
度のオレフィン性二重結合末端を有するポリサルファイ
ド化合物及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、チオール基末端ポリサルファイ
ド化合物に、オレフィン性二重結合を含有する有機ハロ
ゲン化合物を、塩基性試薬の共存下で反応させることに
より、チオール基が完全に消失し、粘度上昇の少ないオ
レフィン性二重結合末端を有するポリサルファイド化合
物を容易にかつ高純度で合成できることを見い出し、本
発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明のオレフィン性二重結合
末端を有するポリサルファイド化合物は、下記一般式
(1):
【0010】
【化4】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。)で表さ
れ、上記一般式(1)中のAが、 (イ)−(R−S)− (但し、Rは2価の基であり、xは1〜5の整数であ
る。)で表されるポリサルファイド構造単位を有し、か
つ末端に、 (ロ)〜〜R−S− (但し、Rは2価の基である。)で表されるチオエ−
テル基を含有する、ポリサルファイド構造を持つ2価以
上の基であることを特徴とする。
【0011】また、本発明のオレフィン性二重結合末端
を有するポリサルファイド化合物の製造方法は、(A)
チオール基末端ポリサルファイド化合物に、(B)下記
一般式(2):
【0012】
【化5】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。またX
は、ハロゲン基である。)で表されるオレフィン性二重
結合を含有する有機ハロゲン化合物を、(C)塩基性試
薬の共存下で反応させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 [1]オレフィン性二重結合末端を有するポリサルファ
イド化合物の構造について:本発明のオレフィン性二重
結合末端を有するポリサルファイド化合物は、下記一般
式(1):
【0014】
【化6】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。)で表さ
れ、上記一般式(1)中のAが、 (イ)−(R−S)− (但し、Rは2価の基であり、xは1〜5の整数であ
る。)で表される構造単位を有し、かつ末端に、 (ロ)〜〜R−S− (但し、Rは2価の基である。)で表されるチオエ−
テル基を含有する、ポリサルファイド構造を持つ2価以
上の基であるものである。
【0015】上記一般式(1)中のRが炭素数1〜1
0のアルキレン基、または−R−O−R´−で表される
基である場合、アルキレン基、−R−、及び−R´−の
構造は直鎖状でも分岐状でもよく、2種以上の構造を有
していてよいが、炭素数が多すぎると原料の有機ハロゲ
ン化合物の反応性が低下するので10個までが好まし
い。従って、Rの具体例としては、カルボニル基以外
に、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピ
レン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、1,1
−ジメチルエチレン基、−CH−O−CH−、−C
−O−C−、−CHCH(CH)−O
−CHCH(CH)−等が挙げられる。これらの中
で最も好ましいものは、カルボニル基またはメチレン基
である。
【0016】すなわち、その場合のオレフィン性二重結
合末端を有するポリサルファイド化合物の末端基は、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、またはアリル基とな
る。上記一般式(1)のA骨格を形成するポリサルファ
イド構造単位(イ)中の2価の基R及び末端チオエー
テル基(ロ)中の2価の基Rは直鎖状、分岐状及び環
状のいずれの構造でもよく、また、二重結合やヘテロ原
子を含有していてもよい。さらにこれらは、2種以上の
構造を有していてよい。上記2価の基R及Rの中で
も、(ハ)−COC2nOC−及び/
又は−CHCH(OH)CH−(但し、nは、1〜
2の整数である。)で表される基を含有するものが好ま
しい。
【0017】このような構造を有する基Aは、2価以上
であってもよいが、全ての末端にはチオエーテル基を含
有しているものとする。
【0018】以上のような構造を有するオレフィン性二
重結合末端を有するポリサルファイド化合物は、室温で
流動性を有し、分子量が100〜200,000好まし
くは500〜60,000である。 [2]オレフィン性二重結合末端を有するポリサルファ
イド化合物の製造方法について:上述したように、本発
明のオレフィン性二重結合末端を有するポリサルファイ
ド化合物は、(A)チオール基末端ポリサルファイド化
合物に、(B)オレフィン性二重結合を含有する有機ハ
ロゲン化合物を、(C)塩基性試薬の共存下で反応させ
ることにより得られる。 (A)チオール基末端ポリサルファイド化合物 本発明におけるチオ−ル基末端ポリサルファイド化合物
は、主鎖中に、(ニ)−(COC2nOC
−S)−(但し、xは1〜5の整数であり、nは
1〜2の整数である。)で表される構造単位を含有し、
かつ末端に、(ホ)−COC2nOC
−SH(但し、nは1〜2の整数である)で表されるチ
オ−ル基を有するものが好ましい。このようなポリサル
ファイド化合物は室温で流動性を有し、数平均分子量
(Mn)は、通常100〜200,000であり、好ま
しくは400〜50,000である。このようなポリサ
ルファイド化合物の好ましい例は、米国特許2,46
6,963号に記載されている。
【0019】また、主鎖中に、(ヘ)−(R0)
(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、mは6〜
200の整数をの整数を示す。)で表されるポリエ−テ
ル部分と、(ト)−(COC2nOC
−S)−、及び−(CHCH(OH)CH
)−(但し、xは1〜5の整数であり、nは1〜2
の整数である。)で表される構造単位とを含有し、かつ
末端に、(チ)−COC2nOC−S
H及び/又は−CHCH(OH)CH−SH(但
し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオ−ル基
を有するポリサルファイドポリエ−テル化合物も使用で
きる。
【0020】このポリサルファイドポリエ−テル化合物
は、同一分子量における粘度が上記ポリサルファイド化
合物よりも低く好ましい。また、(ヘ)のポリエ−テル
部分と、(ト)の構造単位とは任意の配列で結合してい
てよく、数平均分子量は(Mn)は通常600〜20
0,000であり、好ましくは800〜50,000で
ある。このようなポリサルファイドポリエ−テル化合物
の好ましい例は、例えば特開平4−363,325に記
載されている。 (B)オレフィン性二重結合を含有する有機ハロゲン化
合物 本発明におけるオレフィン性二重結合を含有する有機ハ
ロゲン化合物は、一般式(2):
【0021】
【化7】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。またX
は、ハロゲン基である。)で表されるものである。上記
一般式(2)中のRが炭素数1〜10のアルキレン
基、または−R−O−R´−で表される基である場合、
アルキレン基、−R−、及び−R´−の構造は直鎖状で
も分岐状でもよく、2種以上の構造を有していてよい
が、炭素数が多すぎると原料の有機ハロゲン化合物の反
応性が低下するので10個までが好ましい。従って、R
の具体例としては、カルボニル基以外に、メチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テト
ラメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエ
チレン基、−CH−O−CH−、−C−O−
−、−CHCH(CH)−O−CHCH
(CH)−等が挙げられる。これらの中で最も好まし
いものは、カルボニル基またはメチレン基である。ま
た、ハロゲン基としては、安価でかつ容易に反応するこ
とから、クロル基が好ましい。
【0022】従って、最も好ましいオレフィン性二重結
合を含有する有機ハロゲン化合物は、アクリロイルクロ
ライド、メタクリロイルクロライド、またはアリルクロ
ライドである。 (C)塩基性試薬 本発明において、チオール基末端ポリサルファイド化合
物に、オレフィン性二重結合を含有する有機ハロゲン化
合物を反応させる場合に共存させる塩基性試薬として
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチ
ルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、苛性ソーダ、
苛性カリ、アンモニア及びその水溶液等が挙げられる。
中でも、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ブチルア
ミン等の液状アミンは、適度な沸点を有しており、反応
中は蒸発せず、反応後に過剰の試薬を蒸留により簡便に
除去できるため好ましい。また、これらは2種以上を併
用して用いてもよい。 (D)反応条件 本発明のオレフィン性二重結合末端を有するポリサルフ
ァイド化合物は、チオール基末端ポリサルファイド化合
物及びオレフィン性二重結合を含有する有機ハロゲン化
合物に、塩基性試薬を全量仕込み混合した後、もしく
は、滴下しながら反応させることにより得られる。
【0023】オレフィン性二重結合を有する有機ハロゲ
ン化合物の量は、チオ−ル基末端ポリサルファイド化合
物のチオール基1モルに対して通常1〜50モル、好ま
しくは1〜20モルとする。この量が1モル未満では、
原料中のチオール基が残存し、50モルを越えると過剰
の試薬量が多くなり過ぎるため好ましくない。また、塩
基性試薬の量は、チオール基1モルに対して、通常1〜
2.0モル、好ましくは1〜1.5モルとする。この量
が1モル未満では、原料中のチオール基が残存し、2.
0モルを越えると、塩基性試薬が残存するため好ましく
ない。
【0024】反応温度は、通常−50℃〜180℃であ
り、好ましくは、−20℃〜100℃である。反応温度
が−50℃以下では反応性が低下して反応時間がかかり
過ぎ、反応温度が180℃を越えるとチオール基末端ポ
リサルファイド化合物が一部分解する可能性があるため
好ましくない。
【0025】また、本反応には溶媒として例えば、トル
エン、キシレン、N,N―ジメチルホルムアミド、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、エチルエーテル、プロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等を使用することがで
きる。
【0026】反応後余分のオレフィン性二重結合を含有
する有機ハロゲン化合物は蒸留により取り除くことがで
きる。また生成した塩はろ過により取り除くことができ
る。
【0027】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】[実施例1]ポリサルファイド化合物とし
て(東レチオコール(株)製、商品名“チオコールLP
3”、チオール基含量7.0重量%)200g、及びメ
タクリロイルクロライド(純度90%)54.2gを反
応容器に仕込み、攪拌しながら窒素置換した。次に反応
容器を15℃のウォーターバス中に浸漬して、トリエチ
ルアミン63.1gを2時間かけて滴下した後、1時間
攪拌して反応を終了した。過剰のメタクリロイルクロラ
イドを蒸留により除去した後、生成した塩をろ過により
取り除いた。
【0029】得られたオレフィン性二重結合末端を有す
るポリサルファイド化合物は、黄褐色で均一透明な液状
ポリマーであった。この化合物の25℃粘度は70ポイ
ズであり、ヨウ素で滴定したところ、チオール基は完全
に消失していた。また、反応前後のIRスペクトルによ
り、SH基の消失、及びメタクリロイル基由来のカルボ
ニル基と末端オレフィン性二重結合を確認した。
【0030】[実施例2]ポリサルファイド化合物とし
て(東レチオコール(株)製、商品名“チオコールLP
3”、チオール基含量6.7重量%)200g、及びア
リルクロライドを100g、及びトリエチルアミン4
9.3gを反応容器に仕込み、攪拌しながら窒素置換し
た。次に反応容器を40℃のオイルバス中に浸漬して、
10時間かけて反応させた。過剰のアリルクロライドを
蒸留により除去した後、生成した塩をろ過により取り除
いた。
【0031】得られたオレフィン性二重結合末端を有す
るポリサルファイド化合物は、黄褐色で均一透明な液状
ポリマーであった。この化合物の25℃粘度は11ポイ
ズであり、ヨウ素で滴定したところ、チオール基は完全
に消失していた。また、反応前後のIRスペクトルによ
り、SH基の消失、及びアリル基由来の末端オレフィン
性二重結合を確認した。
【0032】[実施例3]ポリサルファイド化合物とし
て(東レチオコール(株)製、商品名“チオコールLP
282”、チオール基含量1.9重量%)200g、及
びアリルクロライドを100g、及びトリエチルアミン
14.0gを反応容器に仕込み、攪拌しながら窒素置換
した。次に反応容器を40℃のオイルバス中に浸漬し
て、5時間かけて反応させた。過剰のアリルクロライド
を蒸留により除去した後、生成した塩をろ過により取り
除いた。
【0033】得られたオレフィン性二重結合末端を有す
るポリサルファイド化合物は、黄褐色で均一透明な液状
ポリマーであった。この化合物の25℃粘度は95ポイ
ズであり、ヨウ素で滴定したところ、チオール基は完全
に消失していた。また、反応前後のIRスペクトルによ
り、SH基の消失、及びアリル基由来の末端オレフィン
性二重結合を確認した。
【0034】
【発明の効果】本発明のオレフィン性二重結合末端を有
するポリサルファイド化合物は、チオール基末端ポリサ
ルファイド化合物に、オレフィン性二重結合を含有する
有機ハロゲン化合物を、塩基性試薬の共存下で反応させ
ることにより、容易にかつ高純度で得られ、光重合硬
化、ラジカル重合硬化等により、広範囲の工業的利用が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:実施例1の原料ポリサルファイド化合物及び
生成物のIRスペクトルである。
【図2】:実施例2の原料ポリサルファイド化合物及び
生成物のIRスペクトルである。
【図3】:実施例3の原料ポリサルファイド化合物及び
生成物のIRスペクトルである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1): 【化1】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
    り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
    ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。)で表さ
    れ、上記一般式(1)中のAが、 (イ)−(R−S)− (但し、Rは2価の基であり、xは1〜5の整数であ
    る。)で表されるポリサルファイド構造単位を有し、か
    つ末端に、 (ロ)〜〜R−S− (但し、Rは2価の基である。)で表されるチオエ−
    テル基を含有する、ポリサルファイド構造を持つ2価以
    上の基であることを特徴とするオレフィン性二重結合末
    端を有するポリサルファイド化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のオレフィン性二重結合末
    端を有するポリサルファイド化合物において、前記
    (イ)ポリサルファイド構造単位中のR、及び(ロ)
    末端基中のRが、 −COC2nOC−及び/又は−CH
    CH(OH)CH−(但し、nは、1〜2の整数で
    ある。)で表される基を含有することを特徴とするオレ
    フィン性二重結合末端を有するポリサルファイド化合
    物。
  3. 【請求項3】請求項1及び2に記載のオレフィン性二重
    結合末端を有するポリサルファイド化合物において、一
    般式(1)で表され、かつ式中の基Rが、カルボニル
    基及び/またはメチレン基であることを特徴とするオレ
    フィン性二重結合末端を有するポリサルファイド化合
    物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載のオレフィン性二重結
    合末端を有するポリサルファイド化合物の製造法であっ
    て、(A)チオール基末端ポリサルファイド化合物に、
    (B)下記一般式(2): 【化2】 (但し、Rは、水素原子及び/またはメチル基であ
    り、Rは、カルボニル基、炭素数1〜10のアルキレ
    ン基及び、−R−O−R´−で表される基からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の2価の基である。またX
    は、ハロゲン基である。)で表されるオレフィン性二重
    結合を含有する有機ハロゲン化合物を、(C)塩基性試
    薬の共存下で反応させることを特徴とするオレフィン性
    二重結合末端を有するポリサルファイド化合物の製造方
    法。
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