JPH10101633A - 高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造法 - Google Patents

高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造法

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JPH10101633A
JPH10101633A JP25615596A JP25615596A JPH10101633A JP H10101633 A JPH10101633 A JP H10101633A JP 25615596 A JP25615596 A JP 25615596A JP 25615596 A JP25615596 A JP 25615596A JP H10101633 A JPH10101633 A JP H10101633A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光学活性アミノ酸エステルの光学分割におい
て、従来法より更に安価で効率的に高光学純度の光学活
性アミノ酸エステルを得る光学分割法を提供する。 【解決手段】D体を含む光学活性アミノ酸エステルと、
下記一般式の化1 (式中R1 は核置換基を有することのあるフェニル基で
あり、R2 は脂肪族オキシカルボニル基、核置換基を有
することのあるベンジルオキシカルボニル基であり、R
3 はアルキル基を表す)で示されるN−置換−α−L−
アスパルチル−L−フェニルアラニンアルキルエステル
とを水溶液中で混合して反応させ、化1で表される化合
物とD体のアミノ酸エステルの付加体を析出させる高光
学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性アミノ酸
エステルの光学分割法に関する。アミノ酸の光学活性体
は、特にそのL体は動物にとって極めて重要な栄養源で
ある。また、その対掌体であるD体は医薬品原料として
最近その重要性が増してきている。アミノ酸エステル等
のアミノ酸の光学活性体も、同様に医薬品の原料または
不斉合成のための補助剤または触媒の配位子の原料とし
て有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】ラセミ体のアミノ酸エステル、例えばD
L−フェニルアラニンアルキルエステルの光学分割につ
いてはいくつかの方法が知られている。
【0003】そのなかで、特公昭62−56857号に
ジペプチド誘導体を光学分割剤として用いるラセミ体ア
ミノ酸エステルの光学分割法が開示されている。この方
法では、溶媒中でジペプチド誘導体とD−アミノ酸エス
テルの付加体を形成させ、析出させ、これをろ過により
分離・回収した後、酸水溶液で処理することによりD−
アミノ酸エステルを回収するものである。
【0004】また特公昭59−43159では、N−置
換−α−アミノ酸とDL−アミノ酸エステルを水溶液中
で酵素により反応させ、生成したジペプチド誘導体とD
−アミノ酸エステルの付加体のスラリ−水溶液からろ過
により付加体を回収し、更に酸による分解によりD−ア
ミノ酸エステルを回収する光学分割法が開示されてい
る。
【0005】これらの方法では、付加体のろ過性が悪い
ため操作性が悪いこと及び不純物としてL−アミノ酸エ
ステルやDL−アミノ酸が混入した場合の精製効率が悪
いこと、更にろ過操作は工業的に煩雑で装置が高価であ
る等の問題点があった。
【0006】また特公平2−12238及び特公平−1
2240に、N−置換α−アミノ酸とDL−アミノ酸エ
ステルから酵素反応により生成した、ジペプチド誘導体
とD−アミノ酸エステルの付加体を水非混和性有機溶媒
によりスラリ−として回収し、更に酸による分解により
D−アミノ酸エステルを回収する方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、未反応のDL−アミノ酸エ
ステルや分解生成物のDL−アミノ酸も同時に回収され
るため、99%以上の極めて高い光学純度の光学活性ア
ミノ酸またはその誘導体を回収することは不可能であっ
た。
【0007】近年、その重要性が増している医薬品原料
の用途として使用される光学活性アミノ酸またはその誘
導体には、薬効の違い、副作用等の危険性から、高い光
学純度及び高い化学純度が要求される。このため、工業
的に生産性が高く、操作の簡素な光学活性アミノ酸また
はその誘導体の回収法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
活性アミノ酸エステルの光学分割において、従来法より
更に安価で効率的に高光学純度の光学活性アミノ酸エス
テルを得る光学分割法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
鋭意検討した結果、D体を含む光学活性アミノ酸エステ
ルと、下記一般式の化2
【0010】
【化2】
【0011】で表される化合物とD体のアミノ酸エステ
ルの付加体を析出させ、この付加体より光学分割された
D−アミノ酸エステルを回収する際に、付加体を水不混
和溶媒の抽出により水相と分離し、付加体をスラリ−と
して含有する有機溶媒相を水及び酸水溶液で洗浄し精製
した後に、酸水溶液で付加体を酸分解することにより、
水相に高い光学純度のD−アミノ酸エステルが回収でき
ることが判明し、本発明を完成した。
【0012】本発明の晶析に供されるアミノ酸エステル
としては、下記の化3
【0013】
【化3】
【0014】(式中R1 は直鎖状もしくは分岐鎖状アル
キル、アルキルチオ、アルコキシ、ベンジル及びインド
イルアルキル及びそれらのヒドロキシ、ハロゲン、アル
キル及びニトロ置換誘導体、R2 は、R1 とは異なる鎖
状または分枝鎖状のアルキル基を表す。) 具体的には、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシ
ン、メチオニン、フェニルグリシン、フェニルアラニ
ン、ナフチルアラニン、チロシン、トリプトファン、ホ
モフェニルアラニン,3,4−ジヒドロキシフェニルア
ラニン,2,4−ジヒドロキシフェニルアラニン,3,
4−メチレン−ジオキシフェニルアラニン、3,4−ジ
メトキシフェニルアラニン、3(4)−メトキシ4
(3)−ヒドロキシフェニルアラニン、3、4−イソプ
ロピリデンジオキシフェニルアラニン、プロリン、ピペ
リジンカルボン酸、ピラジンカルボン酸のアルキルエス
テルが挙げられる。
【0015】また、エステル部分のアルコール残基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基等が好ましいものとして
挙げられる。
【0016】化3で表されるアミノ酸及びその誘導体と
しては、好ましくは、フェニルアラニンまたは環置換誘
導体及びこれらを親アミノ酸とする誘導体、ホモフェニ
ルアラニンまたは環置換誘導体及びこれらを親アミノ酸
とする誘導体、ナフチルアラニンまたは環置換誘導体の
アルキルエステル、フェニルグリシンまたは環置換誘導
体のアルキルエステルである。
【0017】上記の化3で表されるアミノ酸エステル
は、ラセミ体であっても、光学異性体を含む光学活性ア
ミノ酸エステル、少なくともD−アミノ酸エステルを含
むものであれば構わない。
【0018】よって、ラセミ体からの光学分割剤を用い
る光学分割、プロキラルな前駆体からの不斉合成等によ
り調製された光学純度が充分でないアミノ酸エステル
や、また、発酵法により製造されたアミノ酸類につい
て、発酵液を処理する段階でその一部がラセミ化したも
のであってもよい。
【0019】また、化3で表されるアミノ酸エステルに
は、不純物としてアミノ酸が含まれていても構わない。
その許容範囲には、特に限定がないが、好ましくはアミ
ノ酸エステルの重量に対して、アミノ酸は20重量パー
セント以下である。 本発明に供されるラセミ体のアミ
ノ酸エステルは、遊離のアミンの形で使用してもよい
が、その塩の形でもまた使用することができる。このと
きの塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸と
の塩、アルキルスルホン酸、安息香酸等の有機酸との塩
などが例示される。
【0020】本発明で使用する光学分割剤は、化2で表
されるアミノ基に置換基を有するL−アミノ酸とをエス
テル化した核置換基を有することのあるL−フェニルア
ラニンからなるジペプチドである。遊離の酸の形として
使用が可能であるが、塩としても使用できる。そのとき
の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カル
シウム等のアルカリまたはアルカリ土類金属との塩、ア
ンモニア、ジメチルアミン等のアミンとの塩などが例示
できる。
【0021】本発明の光学分割における化2と化3で表
される化合物からの付加体の形成は、溶液中で行われ
る。
【0022】化2で表されるジペプチドと化3で表され
るアミノ酸エステルのD体との1対1の付加体が優先的
またはより優勢に形成もしくは析出することにより、ア
ミノ酸エステルのL体との分割がなされる。よって、光
学分割剤の使用量は、処理を行うアミノ酸エステルに含
まれるD−アミノ酸エステルに対して、1モル等量以下
であればよい。
【0023】付加体を形成する際に使用される溶媒は、
化2で表されるジペプチドと化3で表されるアミノ酸エ
ステルを溶解するものを用いる。好ましくは、水溶液中
で行うが、水混和性の有機溶媒が含有していてもよい。
【0024】反応温度は特別な限定はないが、例えば室
温から60℃程度とすることができる。
【0025】水溶性溶媒のpHは、4〜8、好ましくは
約5から約7に保つのが望ましい。よって、pHをこの
範囲に保つために緩衝剤を用いることもできる。
【0026】付加体の分離は、水非混和性有機溶媒を用
いて、付加体の結晶をスラリ−状に抽出する。使用する
水非混和性有機溶媒の量としては、必ずしも限定的では
なく、付加体の1モルに対して、0.5〜5kg程度で
あればよい。
【0027】抽出溶媒としては、n−ヘキサン、ベンゼ
ン、ジエチルエーテル等の無極性溶媒、酢酸イソブチ
ル、酢酸イソプロピル等のエステル類、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類を例示することができる。この中
で、特に、メチルイソブチルケトン、酢酸イソブチルが
好ましい。
【0028】抽出の際の温度は、特に限定されないが、
室温から60℃程度とすることができ、付加体を形成さ
せる際の反応温度でよい。
【0029】また、上記の付加体の形成法として、化2
と化3で表される化合物は、いずれか一方を水非混和性
の有機溶媒に溶解し、もう一方を水性溶媒に溶解し、こ
れらを混和した状態で、水性溶媒中のpHを調整する等
の操作により、付加体を形成させてもよい。その際の水
不混和性有機溶媒が、上記の付加体の結晶のスラリーを
抽出する際の溶媒と同一であってもよい。その際は、付
加体の形成に伴い、付加体の結晶が有機溶媒中にスラリ
−として抽出されるため、反応終了後、水相を分離すれ
ば良い。
【0030】また、分離される水相中には付加体を形成
しないアミノ酸エステル、特に過剰のL体のアミノ酸エ
ステルが含有するため、高純度のL体のアミノ酸エステ
ルの製造のための原料として使用することができる。
【0031】有機溶媒のスラリ−として回収した粗製付
加体化合物は、水及び塩酸水溶液で洗浄を行う。この洗
浄は、上記の付加体の結晶の有機溶媒スラリ−に洗浄液
を加え、機械的攪拌を行い、所定の温度で、所定の時間
経過後、静置した後、水相を分液することにより実施さ
れる。よって、攪拌は、激しいほど好ましいが、例えば
50rpm〜400rpmとすることができる。また、
攪拌時間は、10分間〜30分間とすることができる
が、特に限定されない。
【0032】水による洗浄では、主に不純物であるアミ
ノ酸が除去される。よって、その含有量によって、使用
される水の量及び回数が決まる。洗浄に利用される水の
量は、付加体の有機溶媒スラリ−の重量に対して、10
wt%〜200wt%が好ましい。洗浄回数は、特に限
定されない。
【0033】しかし、一般的に水による洗浄では有機溶
媒中に存在するL−体のアミノ酸エステルを効果的に除
くことは難しく、又後述の酸洗浄によりアミノ酸は効率
的に除去できるので、水洗浄は必ずしも必須条件ではな
い。
【0034】酸水溶液による洗浄では、付加体を形成し
ていないアミノ酸エステル、特に、L体のアミノ酸エス
テルの除去を目的として実施する。この際、付加体の一
部は、酸分解が起こり、目的のアミノ酸エステルの回収
率の低下を伴う。よって、酸水溶液中の酸の全使用量
は、付加体及び付加体を形成していないアミノ酸エステ
ルのモル量に対して、0.1〜0.7等量とすることが
できる。洗浄回数は、多いほど好ましいが、操作の効率
性から、2回〜5回とすることができるが、これに限定
されるものではない。
【0035】酸の種類としては、塩酸、硫酸、臭化水素
酸等の無機酸、またはアルキルスルホン酸、安息香酸等
の有機酸が例示される。
【0036】酸の濃度は、好ましくは0.1mol/リ
ットル〜5mol/リットルとすることができるが、特
に限定されない。
【0037】洗浄の温度は、特に限定されないが、室温
以上60℃以下が好ましく、スラリ−抽出を行った温度
で実施しても構わない。
【0038】また、水による洗浄と酸水溶液による洗浄
の操作順は、水洗の後、塩酸水溶液で洗浄することが好
ましいが、順序が変わってもよい。
【0039】洗浄後の付加体の有機溶媒スラリ−は、酸
分解により酸性水溶液として高純度のD体のアミノ酸エ
ステルが回収される。その操作は、上記の酸水溶液によ
る洗浄と同様の操作で行われる。加える酸水溶液中の酸
量は、酸分解を行う付加体のモル量以上であればよく、
好ましくは、1.2〜2.0モル等量である。
【0040】本発明で例えば、塩酸水溶液相中に回収さ
れたD−アミノ酸エステルは、pH調整を行った後、濃
縮し、冷却晶析することによりD−アミノ酸エステル・
塩酸塩として回収することができる。また、回収された
水相に、必要に応じて触媒を加え、加水分解を行った
後、中和晶析によりD−アミノ酸を回収することもでき
る。
【0041】回収された有機溶媒中には、化2で表され
る光学分割剤であるジペプチドが溶解しているため、ア
ミノ酸エステルの光学分割に再使用できる。
【0042】以上には、N−置換−L−アスパラギン酸
とL−フェニルアラニンアルキルエステルからなるジペ
プチドを光学分割剤として用いるD−アミノ酸の光学分
割法に限定して記載したが、他のアミノ酸の組み合わせ
により構成されるジペプチドを光学分割剤として用いる
アミノ酸の光学分割法にも、適用することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何等限定されるもの
ではない。
【0044】実施例1 DL−フェニルアラニン(75mmol)、L−フェニ
ルアラニンメチルエステル(36.4mmol)、D−
フェニルアラニンメチルエステル(223.0mmo
l)を含む塩酸水溶液とN−ベンジルオキシカルボニル
−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
テル(190.9mmol)を含むNaOH水溶液を4
0゜Cで混合し、pHを7に調整し付加化合物を生成さ
せた。この付加化合物のスラリ−水溶液中にメチルイソ
ブチルケトン(400g)を加え、付加化合物を抽出し
た。水相を分液した後、純水180mlでメチルイソブ
チルケトン相を洗浄した後、HCl(37.5mmo
l)を含む水溶液(180ml)で3回洗浄してメチル
イソブチルケトン相に含有する付加化合物を精製した。
ここに、HCl(131.8mmol)を含有する水溶
液(180g)を加えて、50゜Cで酸分解を行った。
酸性水溶液相を分液し、含有物を液体クロマトグラフ
ィ−(カラム: TSKgel Enantio L
1,4.6mmID×25cm,東ソ−(株)社製)に
より分析した。
【0045】その結果、D−フェニルアラニンメチルエ
ステル:99.2mmol、L−フェニルアラニンメチ
ルエステル: 0.8mmol及びDL−フェニルアラ
ニン:0.6mmolが含有していた。
【0046】比較例1 付加化合物のスラリ−を含有するメチルイソブチルケト
ン相にHCl(375mmol)を溶解した水溶液(4
00ml)を加わえ、即ち水洗及び酸洗浄で精製するこ
となしに、直接、酸分解を行ったこと以外は、実施例1
と同様の操作を行った。
【0047】分液した酸性水溶液を分析した結果、D−
フェニルアラニンメチルエステル:211.2mmo
l、L−フェニルアラニンメチルエステル:29.2m
mol及びDL−フェニルアラニン: 28.0mmo
lが含有しており、充分な化学純度及び光学純度のD−
フェニルアラニンを回収することができなかった。
【0048】比較例2 付加化合物のスラリ−を含有するメチルイソブチルケト
ン相を純水(180ml)で5回洗浄した後、酸洗浄で
精製することなしに、酸分解に供したこと以外は、実施
例1と同様の操作を行った。その結果、D−フェニルア
ラニンメチルエステル:199.9mmol、L−フェ
ニルアラニンメチルエステル: 15.6mmol及び
DL−フェニルアラニン: 3.6mmolを酸性水
溶液中に回収したが、充分な化学純度及び光学純度のD
−フェニルアラニンを回収することができなかった。
【0049】実施例2 付加化合物のスラリ−を含有するメチルイソブチルケト
ン相を純水(180ml)で洗浄した後、HCl( 60
mmol)を含有した塩酸水溶液(180ml)で2回
洗浄して、付加化合物スラリ−を精製し、HCl( 25
5mmol)を含む塩酸水溶液(180ml)で酸分解
を行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0050】その結果、D−フェニルアラニンメチルエ
ステル:89.4mmol、L−フェニルアラニンメチ
ルエステル: 1.1mmol及びDL−フェニルアラ
ニン:0.5mmolを酸性水溶液中に回収した。
【0051】実施例3 付加化合物のスラリ−を含有するメチルイソブチルケト
ン相を純水(180ml)で洗浄した後、HCl( 20
mmol)を含有した塩酸水溶液(180ml)で2回
と純水(180ml)で2回洗浄して、付加化合物スラ
リ−を精製し、HCl( 335mmol)を含む塩酸水
溶液(400ml)で酸分解を行ったこと以外は、実施
例1と同様の操作を行った。
【0052】その結果、D−フェニルアラニンメチルエ
ステル:153.4mmol、L−フェニルアラニンメ
チルエステル: 4.6mmol及びDL−フェニル
アラニン: 1.1mmolを酸性水溶液中に回収し
た。
【0053】実施例4 DL−フェニルアラニンメチルエステル(250mmo
l)、DL−フェニルアラニン(25mmol)、N−
ベンジルオキシカルボニル−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステル(125mmol)によ
り、水溶液中で付加化合を生成させたこと以外は、実施
例1と同様の操作を行った。
【0054】その結果、D−フェニルアラニンメチルエ
ステル:41.6mmol、L−フェニルアラニンメチ
ルエステル: 0.2mmol及びDL−フェニルアラ
ニン:0.2mmolを酸性水溶液中に回収した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】D体を含む光学活性アミノ酸エステルと、
    下記一般式の化1 【化1】 (式中R1 は核置換基を有することのあるフェニル基で
    あり、R2 は脂肪族オキシカルボニル基、核置換基を有
    することのあるベンジルオキシカルボニル基であり、R
    3 はアルキル基を表す)で示されるN−置換−α−L−
    アスパルチル−L−フェニルアラニンアルキルエステル
    とを水溶液中で混合して反応させ、化1で表される化合
    物とD体のアミノ酸エステルの付加体を析出させる高光
    学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法において、
    当該付加体からの光学分割されたD−アミノ酸エステル
    の回収を以下の工程から実施することを特徴とする高光
    学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法。 (1)付加体を水不混和溶媒を用いて抽出により水相と
    分離し (2)付加体をスラリ−として含有する有機溶媒相を酸
    水溶液で洗浄することにより、精製した後 (3)酸水溶液で酸分解して、酸性水溶液として高光学
    純度のD−アミノ酸エステルを回収する
  2. 【請求項2】請求項1に記載の高光学純度光学活性アミ
    ノ酸エステルの製造方法において、工程(2)及び
    (3)で使用する酸として、無機のブレンステッド酸ま
    たは有機のブレンステッド酸を用いることを特徴とする
    高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の高光学純
    度光学活性アミノ酸エステルの製造方法において、工程
    (2)で洗浄に使用する酸の量が、アミノ酸エステル1
    モル当たり0.1〜0.7モル等量であることを特徴と
    する高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項3に記載の高光学純
    度光学活性アミノ酸エステルの製造方法において、酸に
    よる洗浄を複数回に分けて実施することを特徴とする高
    光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の
    高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法におい
    て、化1で表されるN−置換−α−L−アスパルチル−
    L−フェニルアラニンアルキルエステルとD−アミノ酸
    エステルの付加体の水性スラリ−からの抽出溶媒として
    使用される溶媒が、メチルイソブチルケトン又は酢酸イ
    ソブチルであることを特徴とする高光学純度光学活性ア
    ミノ酸エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の
    高光学純度光学活性アミノ酸エステルの製造方法におい
    て、光学活性アミノ酸エステルが、フェニルアラニン、
    フェニルグリシン、ホモフェニルアラニン、ナフチルア
    ラニンであることを特徴とする高光学純度光学活性アミ
    ノ酸エステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100389292B1 (ko) * 2001-01-22 2003-06-27 박용석 신규한 양전하 지질 및 전기 양전하 지질을 함유하는 리포솜

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