JPH10101431A - 強誘電体材料の製法および半導体記憶装置とその製法 - Google Patents
強誘電体材料の製法および半導体記憶装置とその製法Info
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- JPH10101431A JPH10101431A JP8256017A JP25601796A JPH10101431A JP H10101431 A JPH10101431 A JP H10101431A JP 8256017 A JP8256017 A JP 8256017A JP 25601796 A JP25601796 A JP 25601796A JP H10101431 A JPH10101431 A JP H10101431A
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Landscapes
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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- Non-Volatile Memory (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ReMnO3 の基本構造で、結晶性に優れ、
半導体メモリなどに用いた場合に高特性の強誘電性を有
する膜を半導体基板などに成膜することができる強誘電
体材料の具体的な成膜法およびその製法により得られる
強誘電体膜を用いた半導体記憶装置およびその製法を提
供する。 【解決手段】 ターゲット7と基板4とを対向させて容
器内に配設し、レーザアブレーションまたはスパッタリ
ングにより前記基板に強誘電体膜を成膜する方法であっ
て、前記ターゲットとしてRe(ReはYを含むランタ
ノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸化物ターゲ
ットを用い、前記容器内の酸素分圧をレーザアブレーシ
ョンの場合は10-2Torr以下、スパッタリングの場
合は10-4以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き
付けながら、基本構造がReMnO 3 の強誘電体材料を
前記基板表面に成膜する。
半導体メモリなどに用いた場合に高特性の強誘電性を有
する膜を半導体基板などに成膜することができる強誘電
体材料の具体的な成膜法およびその製法により得られる
強誘電体膜を用いた半導体記憶装置およびその製法を提
供する。 【解決手段】 ターゲット7と基板4とを対向させて容
器内に配設し、レーザアブレーションまたはスパッタリ
ングにより前記基板に強誘電体膜を成膜する方法であっ
て、前記ターゲットとしてRe(ReはYを含むランタ
ノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸化物ターゲ
ットを用い、前記容器内の酸素分圧をレーザアブレーシ
ョンの場合は10-2Torr以下、スパッタリングの場
合は10-4以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き
付けながら、基本構造がReMnO 3 の強誘電体材料を
前記基板表面に成膜する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不揮発性メモリ、薄
膜型コンデンサ、電気光学デバイスなどを構成すること
ができる強誘電体薄膜の製法ならびにその材料を用いた
半導体記憶装置およびその製法に関する。さらに詳しく
は、レーザアブレーションやスパッタリングなどによ
り、ReMnO3 (ReはYを含むランタノイド系元
素、以下同じ)を基本構造とし、結晶性が良く強誘電体
特性の優れた強誘電体膜を成膜する方法ならびにその薄
膜を用いた半導体記憶装置およびその製法に関する。
膜型コンデンサ、電気光学デバイスなどを構成すること
ができる強誘電体薄膜の製法ならびにその材料を用いた
半導体記憶装置およびその製法に関する。さらに詳しく
は、レーザアブレーションやスパッタリングなどによ
り、ReMnO3 (ReはYを含むランタノイド系元
素、以下同じ)を基本構造とし、結晶性が良く強誘電体
特性の優れた強誘電体膜を成膜する方法ならびにその薄
膜を用いた半導体記憶装置およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電体膜の自発分極による半導
体層の抵抗変化を検出する方式のメモリ(半導体記憶装
置)の代表的なものには、金属膜−強誘電体膜−半導体
層構造(以下、MFS構造という)のFETがある。こ
れは、ゲート絶縁膜に強誘電体を用いたMFS構造で、
図3(a)〜(b)に強誘電体の残留分極と共に示され
るように、強誘電体の残留分極によりチャネル部に反転
層を形成して書込みを行う。このタイプのメモリは非破
壊読出しが可能なため、書換回数を向上させるには有利
となる。図3(a)〜(b)において、21はたとえば
p型の半導体基板、22、23はそれぞれn+ 型の不純
物が導入されて形成されたソース領域およびドレイン領
域、26はソース領域22およびドレイン領域23によ
り挟まれたチャネル領域で、そのチャネル領域26上に
強誘電体膜27およびゲート電極28がそれぞれ形成さ
れている。(a)はゲート電極28に正の電位が印加さ
れてオンの状態を示し、(b)はゲート電極28に負の
電位が印加されてオフの状態を示している。この強誘電
体膜27として、従来はBaTiO3 、PZT(Pb
(Zr1-x Tix )O3 )、PLZT(Pb1-y Lay
(Zr1-a Tia )1-y/ 4 O3 )などの酸化物ペロブス
カイト構造を有するものが用いられている。
体層の抵抗変化を検出する方式のメモリ(半導体記憶装
置)の代表的なものには、金属膜−強誘電体膜−半導体
層構造(以下、MFS構造という)のFETがある。こ
れは、ゲート絶縁膜に強誘電体を用いたMFS構造で、
図3(a)〜(b)に強誘電体の残留分極と共に示され
るように、強誘電体の残留分極によりチャネル部に反転
層を形成して書込みを行う。このタイプのメモリは非破
壊読出しが可能なため、書換回数を向上させるには有利
となる。図3(a)〜(b)において、21はたとえば
p型の半導体基板、22、23はそれぞれn+ 型の不純
物が導入されて形成されたソース領域およびドレイン領
域、26はソース領域22およびドレイン領域23によ
り挟まれたチャネル領域で、そのチャネル領域26上に
強誘電体膜27およびゲート電極28がそれぞれ形成さ
れている。(a)はゲート電極28に正の電位が印加さ
れてオンの状態を示し、(b)はゲート電極28に負の
電位が印加されてオフの状態を示している。この強誘電
体膜27として、従来はBaTiO3 、PZT(Pb
(Zr1-x Tix )O3 )、PLZT(Pb1-y Lay
(Zr1-a Tia )1-y/ 4 O3 )などの酸化物ペロブス
カイト構造を有するものが用いられている。
【0003】一方、MFS構造では、Siからなる半導
体基板21上に強誘電体膜27を形成する際に、その界
面にSiO2 のような不要な膜が生成され、動作電圧が
増大するだけでなく、トラップ順位の発生により強誘電
体膜27中に電荷が注入され、残留分極により電荷を打
ち消してしまうという問題がある。このような問題を避
けるため、上からコントロール電極、強誘電体膜、フロ
ーティングゲート、ゲート酸化膜(SiO2 )、Si基
板と積層されたMFMIS構造のものも考えられてい
る。この構造では、強誘電体膜を電極の金属材料上に成
膜することができるため、金属材料を選ぶことにより、
電極上に整合性よく強誘電体膜を形成しやすい。
体基板21上に強誘電体膜27を形成する際に、その界
面にSiO2 のような不要な膜が生成され、動作電圧が
増大するだけでなく、トラップ順位の発生により強誘電
体膜27中に電荷が注入され、残留分極により電荷を打
ち消してしまうという問題がある。このような問題を避
けるため、上からコントロール電極、強誘電体膜、フロ
ーティングゲート、ゲート酸化膜(SiO2 )、Si基
板と積層されたMFMIS構造のものも考えられてい
る。この構造では、強誘電体膜を電極の金属材料上に成
膜することができるため、金属材料を選ぶことにより、
電極上に整合性よく強誘電体膜を形成しやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強誘電体材料として、
従来のように、ReMnO3 以外の酸化物ペロブスカイ
ト構造の酸化物を使用すると、前述のように、Si上に
直接強誘電体膜を成膜しようとしても、Si基板の表面
が酸化してSiO2 などの酸化膜を介在させることにな
る。この酸化膜は誘電率が小さく、誘電率の大きい強誘
電体膜より多くの電圧を消耗するため、高い書込み電圧
を必要とするなどの特性が低下するという問題がある。
しかも、従来用いられている酸化物ペロブスカイト構造
の強誘電体は、酸素欠損が生じて価数変動が起こる可能
性があり、空間電荷が増加し得る。そのため、強誘電特
性が低下するという問題がある。
従来のように、ReMnO3 以外の酸化物ペロブスカイ
ト構造の酸化物を使用すると、前述のように、Si上に
直接強誘電体膜を成膜しようとしても、Si基板の表面
が酸化してSiO2 などの酸化膜を介在させることにな
る。この酸化膜は誘電率が小さく、誘電率の大きい強誘
電体膜より多くの電圧を消耗するため、高い書込み電圧
を必要とするなどの特性が低下するという問題がある。
しかも、従来用いられている酸化物ペロブスカイト構造
の強誘電体は、酸素欠損が生じて価数変動が起こる可能
性があり、空間電荷が増加し得る。そのため、強誘電特
性が低下するという問題がある。
【0005】一方、本発明者らがたとえば第56回応用
物理学会学術講演会予稿集の440頁「ReMnO3 薄
膜の不揮発性メモリー応用の提案」(1995年、8月
26日発行)にも発表しているように、YMnO3 など
の、Yを含むランタノイド系元素ReとMnの酸化物R
eMnO3 は、強誘電性を有すると共に、誘電率が小さ
いなどの利点を有する材料で、不揮発性メモリへの応用
を提案している。しかし、ReMnO3 は成膜条件が難
しくて、ReMnO3 をターゲットとしてスパッタリン
グなどにより成膜しても、完全な結晶構造の薄膜が得ら
れ難いため、リーク電流などの誘電特性が悪く実用化に
至っていない。
物理学会学術講演会予稿集の440頁「ReMnO3 薄
膜の不揮発性メモリー応用の提案」(1995年、8月
26日発行)にも発表しているように、YMnO3 など
の、Yを含むランタノイド系元素ReとMnの酸化物R
eMnO3 は、強誘電性を有すると共に、誘電率が小さ
いなどの利点を有する材料で、不揮発性メモリへの応用
を提案している。しかし、ReMnO3 は成膜条件が難
しくて、ReMnO3 をターゲットとしてスパッタリン
グなどにより成膜しても、完全な結晶構造の薄膜が得ら
れ難いため、リーク電流などの誘電特性が悪く実用化に
至っていない。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、レーザアブレーションやスパッタリングの方
法によっても、ReMnO3 の基本構造で、結晶性に優
れ、半導体メモリなどに用いた場合に高特性の強誘電性
を有する膜を半導体基板などに成膜することができる強
誘電体材料の具体的な成膜法を提供することを目的とす
る。
たもので、レーザアブレーションやスパッタリングの方
法によっても、ReMnO3 の基本構造で、結晶性に優
れ、半導体メモリなどに用いた場合に高特性の強誘電性
を有する膜を半導体基板などに成膜することができる強
誘電体材料の具体的な成膜法を提供することを目的とす
る。
【0007】本発明の他の目的は、本発明の強誘電体材
料の製法により得られる強誘電体膜を用いた半導体記憶
装置およびその製法を提供することにある。
料の製法により得られる強誘電体膜を用いた半導体記憶
装置およびその製法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは基本構造が
ReMnO3 の強誘電体膜を半導体メモリや薄膜コンデ
ンサなどに実用化するため、半導体基板などに成膜する
と結晶性が低下し、リーク電流が増大する原因を鋭意検
討を重ねて調べた結果、ReMnO3 をターゲットとす
るスパッタリングやレーザアブレーション法では、Re
やMnは酸化しやすいため、従来行われているような酸
化物形成方法および酸素分圧で成長させると、Reリッ
チのRe2 O3 やMnリッチのMn3 O4 、ReMn2
O5 などの形成が促進され、ターゲット表面の組成ずれ
が生じたり、これらの酸化物の状態で基板表面に成膜さ
れるのが原因であることを見出した。さらに、鋭意検討
を重ねた結果、ターゲットとしてReとMnとの合金か
らなる非酸化物ターゲットを用い、成膜装置の容器内の
酸素分圧をレーザアブレーションの場合は10-2Tor
r以下、さらに好ましくは10-4Torr以下、スパッ
タリングの場合は10-4Torr以下とし、前記基板の
成膜面に酸化源を吹き付けながら成膜することにより、
結晶性の優れたReMnO3 を成膜することができ、リ
ーク電流の低下などの強誘電特性の優れた強誘電体膜を
得ることができることを見出した。
ReMnO3 の強誘電体膜を半導体メモリや薄膜コンデ
ンサなどに実用化するため、半導体基板などに成膜する
と結晶性が低下し、リーク電流が増大する原因を鋭意検
討を重ねて調べた結果、ReMnO3 をターゲットとす
るスパッタリングやレーザアブレーション法では、Re
やMnは酸化しやすいため、従来行われているような酸
化物形成方法および酸素分圧で成長させると、Reリッ
チのRe2 O3 やMnリッチのMn3 O4 、ReMn2
O5 などの形成が促進され、ターゲット表面の組成ずれ
が生じたり、これらの酸化物の状態で基板表面に成膜さ
れるのが原因であることを見出した。さらに、鋭意検討
を重ねた結果、ターゲットとしてReとMnとの合金か
らなる非酸化物ターゲットを用い、成膜装置の容器内の
酸素分圧をレーザアブレーションの場合は10-2Tor
r以下、さらに好ましくは10-4Torr以下、スパッ
タリングの場合は10-4Torr以下とし、前記基板の
成膜面に酸化源を吹き付けながら成膜することにより、
結晶性の優れたReMnO3 を成膜することができ、リ
ーク電流の低下などの強誘電特性の優れた強誘電体膜を
得ることができることを見出した。
【0009】すなわち、前述のように、ターゲットとし
てReMnO3 を使用すると、たとえ成膜装置内の酸素
分圧を低くしていても、ターゲットに含まれる酸素によ
りターゲットの組成変化が生じたり、ターゲットから基
板表面に到達するまでにReやMnが酸化して、Reリ
ッチやMnリッチの酸化物が生成される。しかし、ター
ゲットとして非酸化物ターゲットを使用し、成膜装置内
の酸素分圧を低くすることにより、そのような問題がな
く、結晶性の良いReMnO3 を成膜することができ
た。
てReMnO3 を使用すると、たとえ成膜装置内の酸素
分圧を低くしていても、ターゲットに含まれる酸素によ
りターゲットの組成変化が生じたり、ターゲットから基
板表面に到達するまでにReやMnが酸化して、Reリ
ッチやMnリッチの酸化物が生成される。しかし、ター
ゲットとして非酸化物ターゲットを使用し、成膜装置内
の酸素分圧を低くすることにより、そのような問題がな
く、結晶性の良いReMnO3 を成膜することができ
た。
【0010】本発明のレーザアブレーションによる強誘
電体材料の製法は、ターゲットと基板とを対向させて容
器内に配設し、前記ターゲットとしてRe(ReはYを
含むランタノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸
化物ターゲットを用い、前記容器内の酸素分圧を10-2
Torr以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き付
けながら前記ターゲットにレーザを照射することによ
り、基本構造がReMnO3 の強誘電体材料を前記基板
表面に成膜することを特徴とする。
電体材料の製法は、ターゲットと基板とを対向させて容
器内に配設し、前記ターゲットとしてRe(ReはYを
含むランタノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸
化物ターゲットを用い、前記容器内の酸素分圧を10-2
Torr以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き付
けながら前記ターゲットにレーザを照射することによ
り、基本構造がReMnO3 の強誘電体材料を前記基板
表面に成膜することを特徴とする。
【0011】ここに酸化源とは、酸素、オゾン、N
2 O、ラディカルイオン源などの相手の元素を酸化させ
得る気体、イオンなどを意味する。また、酸素分圧と
は、酸化源が吹き付けられている状態での成膜をする容
器内の酸素分圧をいう。
2 O、ラディカルイオン源などの相手の元素を酸化させ
得る気体、イオンなどを意味する。また、酸素分圧と
は、酸化源が吹き付けられている状態での成膜をする容
器内の酸素分圧をいう。
【0012】また、本発明のスパッタリングによる強誘
電体材料の製法は、ターゲットと基板とを対向させて容
器内に配設し、前記ターゲットとしてRe(ReはYを
含むランタノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸
化物ターゲットを用い、前記容器内の酸素分圧を10-4
Torr以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き付
けながら前記ターゲットに電圧を印加することにより、
基本構造がReMnO 3 の強誘電体材料を前記基板表面
に成膜することを特徴とする。
電体材料の製法は、ターゲットと基板とを対向させて容
器内に配設し、前記ターゲットとしてRe(ReはYを
含むランタノイド系元素)とMnとの合金からなる非酸
化物ターゲットを用い、前記容器内の酸素分圧を10-4
Torr以下とし、前記基板の成膜面に酸化源を吹き付
けながら前記ターゲットに電圧を印加することにより、
基本構造がReMnO 3 の強誘電体材料を前記基板表面
に成膜することを特徴とする。
【0013】このように、レーザアブレーションやスパ
ッタリングに用いるターゲットとして非酸化物ターゲッ
トを用い、容器内の酸素分圧を低くして成膜することに
より、ターゲットの組成変化が生じることもなく、ま
た、ReリッチやMnリッチの酸化物が生成されること
もないため、結晶性が良く誘電特性の優れた強誘電体膜
が得られる。
ッタリングに用いるターゲットとして非酸化物ターゲッ
トを用い、容器内の酸素分圧を低くして成膜することに
より、ターゲットの組成変化が生じることもなく、ま
た、ReリッチやMnリッチの酸化物が生成されること
もないため、結晶性が良く誘電特性の優れた強誘電体膜
が得られる。
【0014】本発明の半導体記憶装置は、半導体基板表
面側に強誘電体膜を有する半導体記憶装置であって、前
記強誘電体膜が請求項1または2記載の方法により成膜
された、基本構造がReMnO3 の強誘電体材料からな
っている。
面側に強誘電体膜を有する半導体記憶装置であって、前
記強誘電体膜が請求項1または2記載の方法により成膜
された、基本構造がReMnO3 の強誘電体材料からな
っている。
【0015】強誘電体膜を有する半導体記憶装置の本発
明の製法は、前記強誘電体膜を成膜する工程に、請求項
1または2記載の方法を用いるものである。
明の製法は、前記強誘電体膜を成膜する工程に、請求項
1または2記載の方法を用いるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の強誘電体材料の製法、ならびにその強誘電体材料を
用いた半導体記憶装置およびその製法について説明をす
る。
明の強誘電体材料の製法、ならびにその強誘電体材料を
用いた半導体記憶装置およびその製法について説明をす
る。
【0017】前述のように、ReMnO3 はつぎのよう
な特徴を有している。 (1)ReもMnも非常に酸化しやすい金属であるた
め、酸素欠損による空間電荷が少ない。 (2)揮発性元素のPbやBiなどを含まないため、空
間電荷が少ない。 (3)一軸性(六方晶系)の強誘電体であるため、ドメ
イン反転に伴う疲労が少ない。 (4)MFSデバイスとして用いる場合の強誘電体膜と
接するSi基板部分の自然酸化膜を還元し、強誘電体膜
に効果的に電圧を印加することができる。 (5)比誘電率が約20と小さいため、MFIS構造
(強誘電体膜と半導体基板との間に絶縁膜が形成される
構造)のデバイスとして用いる場合、強誘電体膜に効果
的に電圧を印加することができる。 (6)フローティングゲート型(前述のMFMIS構
造)で用いる場合、3価の元素を添加して抵抗を小さく
したZnOを電極として用いることができる。このZn
Oはどのような基板上でも容易にC軸配向すると共に、
エッチングしやすいなどのメリットがある。
な特徴を有している。 (1)ReもMnも非常に酸化しやすい金属であるた
め、酸素欠損による空間電荷が少ない。 (2)揮発性元素のPbやBiなどを含まないため、空
間電荷が少ない。 (3)一軸性(六方晶系)の強誘電体であるため、ドメ
イン反転に伴う疲労が少ない。 (4)MFSデバイスとして用いる場合の強誘電体膜と
接するSi基板部分の自然酸化膜を還元し、強誘電体膜
に効果的に電圧を印加することができる。 (5)比誘電率が約20と小さいため、MFIS構造
(強誘電体膜と半導体基板との間に絶縁膜が形成される
構造)のデバイスとして用いる場合、強誘電体膜に効果
的に電圧を印加することができる。 (6)フローティングゲート型(前述のMFMIS構
造)で用いる場合、3価の元素を添加して抵抗を小さく
したZnOを電極として用いることができる。このZn
Oはどのような基板上でも容易にC軸配向すると共に、
エッチングしやすいなどのメリットがある。
【0018】しかし、前述のように、たとえば半導体記
憶装置を製造するために、半導体基板上にReMnO3
の薄膜を成膜しようとすると、ターゲットの表面の組成
変化が生じることなどにより、成膜される強誘電体膜が
ReリッチやMnリッチの酸化膜となる。その結果、成
膜面の表面が非晶質になったりして、完全な結晶の薄膜
を安定して成膜することができず、半導体記憶装置や薄
膜コンデンサなどへの実用化が行われていない。
憶装置を製造するために、半導体基板上にReMnO3
の薄膜を成膜しようとすると、ターゲットの表面の組成
変化が生じることなどにより、成膜される強誘電体膜が
ReリッチやMnリッチの酸化膜となる。その結果、成
膜面の表面が非晶質になったりして、完全な結晶の薄膜
を安定して成膜することができず、半導体記憶装置や薄
膜コンデンサなどへの実用化が行われていない。
【0019】本発明者らは、ReMnO3 の結晶性に優
れた構造の薄膜を安定して半導体基板などに成膜するた
め鋭意検討を重ねた結果、前述のように、ReやMnは
酸化しやすく、ReMnO3 をターゲットとする成膜法
のように、原材料から酸素を放出させる成膜法では、た
とえ成膜装置内の酸素分圧を低くしていても、放出する
酸素の影響を受けてターゲット表面の組成ずれが生じた
り、ReリッチのRe 2 O3 やMnリッチのMn
3 O4 、ReMn2 O5 などの酸化物の状態で基板表面
に成膜されることにより、ReMnO3 の成長が阻害さ
れるということを見出した。
れた構造の薄膜を安定して半導体基板などに成膜するた
め鋭意検討を重ねた結果、前述のように、ReやMnは
酸化しやすく、ReMnO3 をターゲットとする成膜法
のように、原材料から酸素を放出させる成膜法では、た
とえ成膜装置内の酸素分圧を低くしていても、放出する
酸素の影響を受けてターゲット表面の組成ずれが生じた
り、ReリッチのRe 2 O3 やMnリッチのMn
3 O4 、ReMn2 O5 などの酸化物の状態で基板表面
に成膜されることにより、ReMnO3 の成長が阻害さ
れるということを見出した。
【0020】そしてさらに、ReとMnとの合金で、酸
素を含まない非酸化物をターゲットとして成膜装置内の
酸素分圧をレーザアブレーションの場合は10-2Tor
r以下、スパッタリングの場合は10-4Torr以下の
低い酸素分圧とし、強誘電体材料を成膜する基板の表面
に酸素、オゾン、N2 O、ラディカルイオンなどの酸化
源を局部的に吹き付けながら成膜することにより、結晶
性の優れたReMnO 3 を成膜することができることを
見出した。すなわち、この成膜法により、ターゲット表
面の組成変化などの現象を起すことなく、かつ、ターゲ
ットから飛散して基板に到達するまでの間にそれぞれの
ReやMnの元素が単独で酸化することがなく、基板上
に結晶性の優れたReMnO3 からなる強誘電体薄膜を
安定して成膜することができた。
素を含まない非酸化物をターゲットとして成膜装置内の
酸素分圧をレーザアブレーションの場合は10-2Tor
r以下、スパッタリングの場合は10-4Torr以下の
低い酸素分圧とし、強誘電体材料を成膜する基板の表面
に酸素、オゾン、N2 O、ラディカルイオンなどの酸化
源を局部的に吹き付けながら成膜することにより、結晶
性の優れたReMnO 3 を成膜することができることを
見出した。すなわち、この成膜法により、ターゲット表
面の組成変化などの現象を起すことなく、かつ、ターゲ
ットから飛散して基板に到達するまでの間にそれぞれの
ReやMnの元素が単独で酸化することがなく、基板上
に結晶性の優れたReMnO3 からなる強誘電体薄膜を
安定して成膜することができた。
【0021】つぎに、Re元素としてYを用い、レーザ
アブレーションおよびスパッタリングによりYMnO3
を成膜する方法について詳細に説明をする。
アブレーションおよびスパッタリングによりYMnO3
を成膜する方法について詳細に説明をする。
【0022】図1は、レーザアブレーション法によりY
MnO3 を成膜する模式的説明図である。図1におい
て、4は強誘電体膜を成膜する、たとえばシリコンなど
からなる基板、5はその表面に成膜されるYMnO3 、
6は酸素、オゾンなどの酸化源を供給する酸化源供給
路、7は、たとえばY-Mn合金のような非酸化物ター
ゲット、8はレーザ光源で、たとえばエネルギー密度が
0.5〜2J/cm2 で5〜20Hzのパルスのエキシ
マレーザからのレーザビームを使用できる。9はターゲ
ット7にレーザパルスを照射した際に生じるブルームを
示している。このレーザアブレーション法においては、
ターゲットとしてY-Mn合金の非酸化物ターゲットを
用い、基板の成膜する表面に酸化源を吹き付けながら酸
化物薄膜を形成することに特徴がある。すなわち、酸化
物ターゲットを用いると、ターゲットの組成が変化する
ために成膜される膜の組成が変化するという問題が生じ
るが、本発明による非酸化物ターゲットを用いることに
より、ターゲットは組成変化が生じることがなく、結晶
性の優れた強誘電体膜を成膜することができる。
MnO3 を成膜する模式的説明図である。図1におい
て、4は強誘電体膜を成膜する、たとえばシリコンなど
からなる基板、5はその表面に成膜されるYMnO3 、
6は酸素、オゾンなどの酸化源を供給する酸化源供給
路、7は、たとえばY-Mn合金のような非酸化物ター
ゲット、8はレーザ光源で、たとえばエネルギー密度が
0.5〜2J/cm2 で5〜20Hzのパルスのエキシ
マレーザからのレーザビームを使用できる。9はターゲ
ット7にレーザパルスを照射した際に生じるブルームを
示している。このレーザアブレーション法においては、
ターゲットとしてY-Mn合金の非酸化物ターゲットを
用い、基板の成膜する表面に酸化源を吹き付けながら酸
化物薄膜を形成することに特徴がある。すなわち、酸化
物ターゲットを用いると、ターゲットの組成が変化する
ために成膜される膜の組成が変化するという問題が生じ
るが、本発明による非酸化物ターゲットを用いることに
より、ターゲットは組成変化が生じることがなく、結晶
性の優れた強誘電体膜を成膜することができる。
【0023】この構成で、成長室内の真空度を10-4〜
10-5Torr程度にし、基板4の温度を700℃程度
にして、前述のレーザビームを24000パルス成長さ
せた結果、0.3〜1μm程度の厚さのYMnO3 の結
晶からなる強誘電体の薄膜が形成された。このレーザア
ブレーションによる成膜においては、ターゲットの酸化
やその酸化に伴う組成変化を防止するため、またターゲ
ットから基板表面に到達するまでの飛散中にYやMnが
個別に酸化しないようにするため、成膜装置内を10-2
Torr以下、さらに好ましくは10-4Torr以下
で、10-8Torr以上の酸素分圧とし、基板4の表面
に酸化源を吹き付けながら強誘電体膜の成長を行うこと
が望ましい。
10-5Torr程度にし、基板4の温度を700℃程度
にして、前述のレーザビームを24000パルス成長さ
せた結果、0.3〜1μm程度の厚さのYMnO3 の結
晶からなる強誘電体の薄膜が形成された。このレーザア
ブレーションによる成膜においては、ターゲットの酸化
やその酸化に伴う組成変化を防止するため、またターゲ
ットから基板表面に到達するまでの飛散中にYやMnが
個別に酸化しないようにするため、成膜装置内を10-2
Torr以下、さらに好ましくは10-4Torr以下
で、10-8Torr以上の酸素分圧とし、基板4の表面
に酸化源を吹き付けながら強誘電体膜の成長を行うこと
が望ましい。
【0024】また、スパッタリングによる成膜法は、模
式図的には図1に示される装置と同様であるが、レーザ
ビームを照射する代りにArなどの不活性ガス雰囲気
で、基板とターゲットとの間に高電圧を印加して不活性
ガスをイオン化し、ターゲットの元素を飛散させる点で
異なっている。したがって、この場合もターゲット7に
非酸化物ターゲットを用い、成膜装置内の酸素分圧を1
0-4Torr以下とし、基板の成膜表面に酸化源を吹き
付けながら成膜することに特徴がある。
式図的には図1に示される装置と同様であるが、レーザ
ビームを照射する代りにArなどの不活性ガス雰囲気
で、基板とターゲットとの間に高電圧を印加して不活性
ガスをイオン化し、ターゲットの元素を飛散させる点で
異なっている。したがって、この場合もターゲット7に
非酸化物ターゲットを用い、成膜装置内の酸素分圧を1
0-4Torr以下とし、基板の成膜表面に酸化源を吹き
付けながら成膜することに特徴がある。
【0025】具体的には、たとえばRF出力が75Wの
RFマグネトロンスパッタ法により、基板温度を700
℃程度にして、成膜装置の容器内の酸素分圧を10-3〜
10 -4Torrにして成膜した。その結果、本発明によ
る非酸化物ターゲットを用いることにより、レーザアブ
レーションの場合と同様に、ターゲットに組成変化を生
じることなく、結晶性の優れた強誘電体膜を成膜するこ
とができた。なお、酸素分圧の下限は10-8Torr程
度以上であることが好ましい。
RFマグネトロンスパッタ法により、基板温度を700
℃程度にして、成膜装置の容器内の酸素分圧を10-3〜
10 -4Torrにして成膜した。その結果、本発明によ
る非酸化物ターゲットを用いることにより、レーザアブ
レーションの場合と同様に、ターゲットに組成変化を生
じることなく、結晶性の優れた強誘電体膜を成膜するこ
とができた。なお、酸素分圧の下限は10-8Torr程
度以上であることが好ましい。
【0026】一方、基本構造がYMnO3 で、Y/Mn
の原子比を1より大きく1.2以下または1より小さく
0.8以上にすることにより、表面のアモルファス層の
形成が抑制されると共に結晶粒の微細均一化が得られ、
誘電率の周波数分散が少なくなり、かつ、リーク電流も
減少することを本発明者らは見出している。このような
組成のYMnO3 からなる強誘電体膜を成膜するために
は、前述のYとMnの合金からなるターゲットを作製す
る際に、YとMnとの比率を変えておくことにより、前
述のいずれの方法においてもターゲットと同じ比率でY
とMnの割合のずれた基本構造がYMnO3 の強誘電体
膜が得られる。
の原子比を1より大きく1.2以下または1より小さく
0.8以上にすることにより、表面のアモルファス層の
形成が抑制されると共に結晶粒の微細均一化が得られ、
誘電率の周波数分散が少なくなり、かつ、リーク電流も
減少することを本発明者らは見出している。このような
組成のYMnO3 からなる強誘電体膜を成膜するために
は、前述のYとMnの合金からなるターゲットを作製す
る際に、YとMnとの比率を変えておくことにより、前
述のいずれの方法においてもターゲットと同じ比率でY
とMnの割合のずれた基本構造がYMnO3 の強誘電体
膜が得られる。
【0027】また、本発明者らは、基本構造がYMnO
3 で、4価の元素を添加することによりリーク電流を減
少させることができることを見出しているが、このよう
な組成のYMnO3 からなる強誘電体膜を成膜するため
には、前述のYとMnの合金からなるターゲットを作製
する際に、YとMnにさらにLaなどの4価の元素を添
加しておくことにより、またはLaなどの4価の元素の
比率を少なくしたYとMnとLaとの合金を作製してお
き、それをターゲットとして同様に行うことにより、前
述のいずれの方法においても4価の元素が添加され、も
しくはYの一部が4価の元素と置換した基本構造がYM
nO3 の強誘電体膜が得られる。この4価の元素を添加
し、もしくはYの一部を4価の元素と置換することによ
り、ReMnO3 はバンドギャップが小さく、若干のキ
ャリアの存在によってもp型となってリーク電流が増加
しやすいにも拘らず、キャリアが減少してリーク電流が
減少する。
3 で、4価の元素を添加することによりリーク電流を減
少させることができることを見出しているが、このよう
な組成のYMnO3 からなる強誘電体膜を成膜するため
には、前述のYとMnの合金からなるターゲットを作製
する際に、YとMnにさらにLaなどの4価の元素を添
加しておくことにより、またはLaなどの4価の元素の
比率を少なくしたYとMnとLaとの合金を作製してお
き、それをターゲットとして同様に行うことにより、前
述のいずれの方法においても4価の元素が添加され、も
しくはYの一部が4価の元素と置換した基本構造がYM
nO3 の強誘電体膜が得られる。この4価の元素を添加
し、もしくはYの一部を4価の元素と置換することによ
り、ReMnO3 はバンドギャップが小さく、若干のキ
ャリアの存在によってもp型となってリーク電流が増加
しやすいにも拘らず、キャリアが減少してリーク電流が
減少する。
【0028】以上の例ではランタノイド系元素Reとし
てYを用いたが、Y以外のYb、Er、Hoなどのラン
タノイド系元素についても同様の結果が得られる。
てYを用いたが、Y以外のYb、Er、Hoなどのラン
タノイド系元素についても同様の結果が得られる。
【0029】つぎに、本発明の強誘電体膜を用いる半導
体記憶装置について説明をする。図2は強誘電体膜を使
用する半導体記憶装置の構造例を示す図である。
体記憶装置について説明をする。図2は強誘電体膜を使
用する半導体記憶装置の構造例を示す図である。
【0030】図2(a)に示される構造は、半導体基板
21のソース領域22およびドレイン領域23で挟まれ
たチャネル領域26の表面に、強誘電体膜27が直接成
膜され、その上にゲート電極28が設けられたMFS構
造の半導体記憶装置の例である。この構造の半導体記憶
装置に本発明の方法により製造される強誘電体膜を用い
ると、強誘電体膜と半導体基板との接触部分の自然酸化
膜を還元し、強誘電体膜に効果的に電圧を印加すること
ができるため、とくに好ましい。
21のソース領域22およびドレイン領域23で挟まれ
たチャネル領域26の表面に、強誘電体膜27が直接成
膜され、その上にゲート電極28が設けられたMFS構
造の半導体記憶装置の例である。この構造の半導体記憶
装置に本発明の方法により製造される強誘電体膜を用い
ると、強誘電体膜と半導体基板との接触部分の自然酸化
膜を還元し、強誘電体膜に効果的に電圧を印加すること
ができるため、とくに好ましい。
【0031】図2(b)に示される構造は、(a)と同
様に半導体基板21のチャネル領域26上に通常のSi
O2 などからなるゲート絶縁膜25を介して強誘電体膜
27およびゲート電極28が設けられたMFIS構造の
半導体記憶装置の例である。この構造では、とくに本発
明の方法により製造される強誘電体膜27がReMnO
3 を基本構造とするもので、比誘電率が20程度と小さ
いため、ゲート電極28に印加される電圧の大部分がゲ
ート絶縁膜25で消耗されることがなく、強誘電体膜2
7にも充分に電圧が分配され、書込み時に電圧を必要以
上に高くしなくても済み好ましい。
様に半導体基板21のチャネル領域26上に通常のSi
O2 などからなるゲート絶縁膜25を介して強誘電体膜
27およびゲート電極28が設けられたMFIS構造の
半導体記憶装置の例である。この構造では、とくに本発
明の方法により製造される強誘電体膜27がReMnO
3 を基本構造とするもので、比誘電率が20程度と小さ
いため、ゲート電極28に印加される電圧の大部分がゲ
ート絶縁膜25で消耗されることがなく、強誘電体膜2
7にも充分に電圧が分配され、書込み時に電圧を必要以
上に高くしなくても済み好ましい。
【0032】図2(c)に示される構造は、半導体基板
21のチャネル領域26上に通常のSiO2 などからな
るゲート絶縁膜25を介してフローティングゲート24
が設けられ、その上に強誘電体膜27とゲート電極28
とが設けられたMFMIS構造の例である。この構造で
は、フローティングゲート24に3価の元素をドーピン
グしたZnOを用いることができ、ZnOは様々な基板
上に容易にc軸配向して形成されるため、その上に成膜
されるReMnO3 を基本構造とする強誘電体膜27の
結晶性が良く、優れた強誘電特性の強誘電体膜を得やす
くて好ましい。
21のチャネル領域26上に通常のSiO2 などからな
るゲート絶縁膜25を介してフローティングゲート24
が設けられ、その上に強誘電体膜27とゲート電極28
とが設けられたMFMIS構造の例である。この構造で
は、フローティングゲート24に3価の元素をドーピン
グしたZnOを用いることができ、ZnOは様々な基板
上に容易にc軸配向して形成されるため、その上に成膜
されるReMnO3 を基本構造とする強誘電体膜27の
結晶性が良く、優れた強誘電特性の強誘電体膜を得やす
くて好ましい。
【0033】前述の各半導体記憶装置を製造するには、
通常の半導体プロセスを用いて製造することができ、強
誘電体膜を成膜するときに、前述のレーザアブレーショ
ンまたはスパッタリングの方法を採用することにより、
リーク電流が小さく、誘電特性の優れた強誘電体膜を製
造することができる。なお、強誘電体膜のパターニング
は、成膜後にRIE法などにより行ってもよいし、リフ
トオフ法によりパターニングすることもできる。また、
FETのソース、ドレイン領域は、強誘電体膜を成膜す
る前に不純物を導入しておいてもよいし、強誘電体膜お
よびゲート電極を形成した後にセルフアライメントで行
ってもよい。
通常の半導体プロセスを用いて製造することができ、強
誘電体膜を成膜するときに、前述のレーザアブレーショ
ンまたはスパッタリングの方法を採用することにより、
リーク電流が小さく、誘電特性の優れた強誘電体膜を製
造することができる。なお、強誘電体膜のパターニング
は、成膜後にRIE法などにより行ってもよいし、リフ
トオフ法によりパターニングすることもできる。また、
FETのソース、ドレイン領域は、強誘電体膜を成膜す
る前に不純物を導入しておいてもよいし、強誘電体膜お
よびゲート電極を形成した後にセルフアライメントで行
ってもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明の強誘電体材料および半導体記憶
装置の製法によれば、強誘電体膜を成膜するのに、レー
ザアブレーションまたはスパッタリングのターゲットに
非酸化物ターゲットを使用し、成膜装置内の酸素分圧を
低くして基板の成膜面に酸化源を吹き付けながら成膜し
ているため、ReリッチやMnリッチの酸化物が生成さ
れて非晶質などが現れることなく、結晶性の優れた基本
構造がReMnO3 の強誘電体膜が得られる。その結
果、リーク電流を減少させることができ、本来のReM
nO3 の特徴を充分に生かした高特性の強誘電体膜を成
膜することができ、半導体記憶装置や薄膜コンデンサな
どの強誘電体膜を使用する電子部品を高特性で安価に得
ることができる。
装置の製法によれば、強誘電体膜を成膜するのに、レー
ザアブレーションまたはスパッタリングのターゲットに
非酸化物ターゲットを使用し、成膜装置内の酸素分圧を
低くして基板の成膜面に酸化源を吹き付けながら成膜し
ているため、ReリッチやMnリッチの酸化物が生成さ
れて非晶質などが現れることなく、結晶性の優れた基本
構造がReMnO3 の強誘電体膜が得られる。その結
果、リーク電流を減少させることができ、本来のReM
nO3 の特徴を充分に生かした高特性の強誘電体膜を成
膜することができ、半導体記憶装置や薄膜コンデンサな
どの強誘電体膜を使用する電子部品を高特性で安価に得
ることができる。
【0035】また、本発明の半導体記憶装置によれば、
基本構造がReMnO3 で結晶性の優れた強誘電体膜を
使用しているため、誘電率が小さく、途中に絶縁膜を介
しても強誘電体膜に充分に電圧を印加することができ、
パターニングの困難な強誘電体膜を絶縁膜上に形成する
ことができる。その結果、高特性の半導体記憶装置が安
価に得られる。
基本構造がReMnO3 で結晶性の優れた強誘電体膜を
使用しているため、誘電率が小さく、途中に絶縁膜を介
しても強誘電体膜に充分に電圧を印加することができ、
パターニングの困難な強誘電体膜を絶縁膜上に形成する
ことができる。その結果、高特性の半導体記憶装置が安
価に得られる。
【図1】本発明の強誘電体膜を成膜するレーザアブレー
ション法の模式的説明図である。
ション法の模式的説明図である。
【図2】本発明の方法により得られる強誘電体材料を応
用する半導体記憶装置の構造例を示す図である。
用する半導体記憶装置の構造例を示す図である。
【図3】強誘電体膜を用いた半導体記憶装置の動作説明
図である。
図である。
4 基板 6 酸化源供給路 7 ターゲット 8 レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/04 C04B 35/00 J 21/822 H01L 27/04 C 27/10 451 27/10 651 27/108 29/78 371 21/8242 21/8247 29/788 29/792
Claims (4)
- 【請求項1】 ターゲットと基板とを対向させて容器内
に配設し、レーザアブレーションにより前記基板に強誘
電体膜を成膜する方法であって、前記ターゲットとして
Re(ReはYを含むランタノイド系元素)とMnとの
合金からなる非酸化物ターゲットを用い、前記容器内の
酸素分圧を10-2Torr以下とし、前記基板の成膜面
に酸化源を吹き付けながら前記ターゲットにレーザを照
射することにより、基本構造がReMnO3 の強誘電体
材料を前記基板表面に成膜することを特徴とする強誘電
体材料の製法。 - 【請求項2】 ターゲットと基板とを対向させて容器内
に配設し、スパッタリングにより前記基板に強誘電体膜
を成膜する方法であって、前記ターゲットとしてRe
(ReはYを含むランタノイド系元素)とMnとの合金
からなる非酸化物ターゲットを用い、前記容器内の酸素
分圧を10-4Torr以下とし、前記基板の成膜面に酸
化源を吹き付けながら前記ターゲットに電圧を印加する
ことにより、基本構造がReMnO3 の強誘電体材料を
前記基板表面に成膜することを特徴とする強誘電体材料
の製法。 - 【請求項3】 半導体基板表面側に強誘電体膜を有する
半導体記憶装置であって、前記強誘電体膜が請求項1ま
たは2記載の方法により成膜された、基本構造がReM
nO3 の強誘電体材料からなる半導体記憶装置。 - 【請求項4】 半導体基板表面側に強誘電体膜を有する
半導体記憶装置の製法であって、前記強誘電体膜を成膜
する工程が、請求項1または2記載の方法である半導体
記憶装置の製法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8256017A JPH10101431A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 強誘電体材料の製法および半導体記憶装置とその製法 |
PCT/JP1997/003455 WO1998013300A1 (en) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Ferroelectric material, method of manufacturing the same, semiconductor memory, and method of manufacturing the same |
KR10-1998-0703890A KR100490518B1 (ko) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | 강유전체재료와 그 제조방법 및 반도체기억장치와 그 제조방법 |
CA002238857A CA2238857C (en) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Ferroelectric material, method of manufacturing the same, semiconductor memory, and method of manufacturing the same |
US09/068,996 US6245451B1 (en) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Ferroelectric material, method of manufacturing the same, semiconductor memory, and method of manufacturing the same |
DE69737283T DE69737283T2 (de) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Ferroelektrisches material, verfahren zu seiner herstellung, halbleiterspeicheranordnung und verfahren zu seiner herstellung |
EP97941264A EP0864537B1 (en) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Ferroelectric material, method of manufacturing the same, semiconductor memory, and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
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JP8256017A JPH10101431A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 強誘電体材料の製法および半導体記憶装置とその製法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10101431A true JPH10101431A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17286761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8256017A Pending JPH10101431A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 強誘電体材料の製法および半導体記憶装置とその製法 |
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1996
- 1996-09-27 JP JP8256017A patent/JPH10101431A/ja active Pending
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