JPH10100219A - 熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JPH10100219A
JPH10100219A JP8280184A JP28018496A JPH10100219A JP H10100219 A JPH10100219 A JP H10100219A JP 8280184 A JP8280184 A JP 8280184A JP 28018496 A JP28018496 A JP 28018496A JP H10100219 A JPH10100219 A JP H10100219A
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JP
Japan
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sheet
thermoplastic resin
resin sheet
cooling drum
temperature
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JP8280184A
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English (en)
Inventor
Satoyuki Kotani
智行 小谷
Satoyuki Itagaki
智行 板垣
Kiyoshi Yasumura
淨 安村
Yoshitaka Nakayama
義孝 中山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に傷、筋、縞、厚さむら等のない外観良好
な熱可塑性樹脂シートの工業的有利な製造方法を提供す
る。 【解決手段】ダイ(1)から回転冷却ドラム(4)表面
上に押し出された溶融状熱可塑性樹脂シート(2)を回
転冷却ドラム(4)表面上に密着させる工程を含む熱可
塑性樹脂シートの製造方法において、熱可塑性樹脂シー
ト(3)の温度[T2]が下記の式(I)の範囲内の際
に当該熱可塑性樹脂シート(3)の表面に表面保護シー
ト(9)を貼着する。 【数1】[Tm−200]≦T2≦[Tm−50]
(I) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂シー
トの製造方法に関し、詳しくは、従来の熱可塑性樹脂シ
ートの問題点であるシート表面の外観不良を一挙に解決
し、さらに、生産性の向上も達成し得る熱可塑性樹脂シ
ートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂シート及びその成形品は、
多種の用途に使用されている。例えば、ポリエステルシ
ートは、成形性、ガスバリア性、機械的特性などに優れ
ているため、冷蔵庫の内箱、カップ、トレイ、ディスプ
レー、看板、屋根材などに広く使用されている。
【0003】上記の様な熱可塑性樹脂シートは、通常、
ダイから押し出された溶融状熱可塑性樹脂シートを回転
冷却ドラムに密着させて急冷することにより、実質的に
非晶性の熱可塑性樹脂シートとして得られる。しかしな
がら、斯かる熱可塑性樹脂シートを製造する際には次の
様な問題がある。すなわち、特に厚い熱可塑性樹脂シー
トの場合はその製造工程の搬送時にシートの表面に傷が
入ると言う問題がある。また、原料樹脂が結晶性の熱可
塑性樹脂である場合や厚い熱可塑性樹脂シートを製造せ
んとした場合には、得られる製品シートの表面に筋や縞
が発生するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、表面に傷、筋、
縞、厚さむら等のない外観良好な熱可塑性樹脂シートの
工業的有利な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、ダイから回転冷却ドラム表面上に押し出された溶融
状熱可塑性樹脂シートを回転冷却ドラム表面上に密着さ
せる工程を含む熱可塑性樹脂シートの製造方法におい
て、熱可塑性樹脂シートの温度[T2]が下記の式
(I)の範囲内の際に当該熱可塑性樹脂シートの表面に
表面保護シートを貼着することを特徴とする熱可塑性樹
脂シートの製造方法に存する。
【0006】
【数4】 [Tm−200]≦T2≦[Tm−50] (I) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図に基づいて
詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法に使用され
るシート化装置の一例を示す側面説明図である。本発明
の熱可塑性樹脂シート(以下シートと略記する)の製造
方法は、ダイ(1)から回転冷却ドラム(4)表面上に
押し出された溶融状シート(2)を回転冷却ドラム
(4)表面上に密着させて製品シート(3)を得る点に
おいては、従来の製造方法と同じである。そして、本発
明の特徴は、熱可塑性樹脂シートの温度が特定の範囲内
のときに当該熱可塑性樹脂シートの表面に表面保護シー
トを貼着する点にある。
【0008】そして、本発明の好ましい態様において
は、静電印加密着法によって溶融状シート(2)を回転
冷却ドラム(4)表面上に密着させた後、回転冷却ドラ
ム(4)表面上の溶融状シート(2)を回転可能なタッ
チロール(5)にて押圧し、タッチロール(5)による
押圧直前の溶融状シート(2)(図1におけるA部分)
の温度[T1]が特定の範囲内にある様にする。
【0009】上記の静電印加密着法とは、電気的に接地
された回転冷却ドラム(4)の表面上に溶融押出され、
回転冷却ドラム(4)表面上に着地する前の溶融状シー
ト(2)に対して、高圧電源(82)に接続された静電
印加電極(81)により静電気を印加させることによ
り、溶融状シート(2)を回転冷却ドラム(4)表面に
静電気的に密着させる方法である。
【0010】静電印加密着法の具体的な方法としては、
特に限定されるものではなく、公知の技術が適用でき
る。静電印加電極(81)としては、例えば、線状電極
やブレード電極などが使用され、この形状は、特に限定
されるものではなく、静電気の印加効果を向上させるた
めに、線状電極の径を小さくしたり、ブレード電極のエ
ッジ部を鋭くしてもよい。
【0011】静電印加電極(81)の材質は、金属や炭
素などの電気伝導性のものであればよく、特に限定され
るものではないが、例えば、タングステン、ニッケル、
アモルファス金属が挙げられる。ここで、アモルファス
金属とは、適当な金属合金を溶融状態から急冷すること
により製造することが出来る非晶質金属合金であり、強
靱性、耐食性が優れた材料である。
【0012】金属合金組成は、通常、鉄、コバルト、ニ
ッケル等の遷移金属の1種または2種以上の主成分金属
に、必要に応じ、ベリリウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜
鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、銀、インジウ
ム、白金、金などの金属群、ホウ素、炭素、ケイ素、リ
ン、ゲルマニウム、アンチモン等の非金属・半金属群か
ら選択される1種または2種以上を配合したものであ
る。
【0013】静電印加電極(81)の配置位置は、装置
の構造や操作条件によっても変化するため、一概に決定
し得ないが、通常、溶融状シート(2)が回転冷却ドラ
ム(4)に着地する位置から3〜50mm、好ましくは
5〜15mm離れた位置の溶融シートの近接位置であ
る。また、印加電圧は、例えば、ワイヤー電極の線径、
ブレード電極の厚さ、溶融状シート(2)との距離等に
よって異なり、限定されるものではないが、直径0.1
〜0.4mmのワイヤー電極の場合、通常5000〜1
5000V程度である。
【0014】尚、静電印加密着法を適用する際、例え
ば、静電印加電極(81)を複数にしたり、静電印加電
極(81)を加熱したり、静電印加電極(81)の上面
または側面の少なくとも一部にカバーを取り付けたり、
溶融状シート(2)に赤外線を照射したり、或いは、絶
縁層を設けた回転冷却ドラム、梨地状に表面を粗面化し
た回転冷却ドラム、液体を塗布した回転冷却ドラム等を
使用することが出来る。
【0015】そして、本発明の好ましい態様において
は、静電印加電極(81)は、溶融状シート(2)が最
初に接触する回転冷却ドラム(4)の近傍に配置され、
タッチロール(5)は、静電印加電極(81)の配置の
障害にならない限り、静電印加電極(81)に近接した
回転冷却ドラム(4)の近傍に配置される。また、タッ
チロール(5)にて押圧を有効に行うため、回転冷却ド
ラム(4)表面上の溶融状シート(2)を押圧する直前
における溶融状シート(図1におけるA部分)の温度
[T1]が特定の温度範囲内にある様にする。
【0016】先ず、本発明においては、静電印加電極
(81)によって印加される静電気の作用によって回転
冷却ドラム(4)に溶融状シート(2)を密着させる。
次いで、本発明においては、回転冷却ドラム(4)表面
上の溶融状シート(2)をタッチロール(5)にて押圧
する。
【0017】本発明においては、上記の押圧操作を更に
有効に行うため、タッチロール(5)にて押圧する直前
における溶融状シート(図1におけるA部分)の温度
[T1]が下記の式(II)を満足する様にするのが好ま
しい。
【0018】
【数5】 [Tm−70]≦T1≦[Tm+50] (II) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)
【0019】上記の温度範囲と製品シート(3)の外観
特性との間には密接な関係がある。すなわち、温度[T
1]が[Tm−70]未満の場合または[Tm+50]
を超える場合は、押圧効果が小さくなるため、外観特性
の優れたシートが得られない虞がある。更に好ましい温
度[T1]は、[Tm−50]〜[Tm+30]の範
囲、特に好ましい温度[T1]は、[Tm−40]〜
[Tm+10]の範囲とされる。
【0020】次いで、本発明においては、剥離ロール
(7)により、回転冷却ドラム(4)から製品シート
(3)を剥離し、上下に配置された搬送ロール(1
0)、(10)により、製品シート(3)を搬送する。
【0021】本発明の最大の特徴は、製品シート(3)
の温度[T2]が下記の式(I)の範囲内の際に当該製
品シートの表面に表面保護シート(9)を貼着する。
【0022】
【数6】 [Tm−200]≦T2≦[Tm−50] (I) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)
【0023】表面保護シート(9)を貼着する際の製品
シート(3)の温度[T2]が[Tm−200]未満の
場合は、シート表面の傷入り防止の効果が小さ過ぎるた
め不適当であり、一方、温度[T2]が[Tm−50]
を超える場合は、シートの表面性が損なわれる様になり
不適当である。好ましい温度[T2]は、[Tm−18
0]〜[Tm−50]の範囲とされる。なお、製品シー
ト(3)の温度[T2]は、回転冷却ドラム(4)の温
度や回転速度によって調節することが出来る。
【0024】表面保護シート(9)としては、例えば、
ポリオレフィン系、アクリル系、ポリエステル系などの
素材であるベーフィルムに各種の粘着剤、ヒートシール
剤、圧着性シール剤などを設けたものや、各種のシール
剤を共押出ししたもの等が例示できる。更に、ベースフ
ィルムは、表面保護以外の機能を付与するためのもので
あってもよく、必要に応じて、白色化材、隠蔽材、色
材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃化
剤、易滑剤などの各種の添加剤を適宜配合したものであ
ってもよく、低オリゴマー化の公知の技術を適用してた
ものであってもよい。
【0025】製品シート(3)への表面保護シート
(9)の貼着は、各搬送ロール(10)と製品シート
(3)との間に各表面保護シート(9)を送給すること
によって行われる。そして、通常、表面保護シート
(9)の貼着をより強固にするため、表面保護シート
(9)が貼着された製品シート(12)は、上下に配置
された圧着ロール(11)、(11)の間に送通され
る。搬送ロール(10)及び圧着ロール(11)の温度
は、通常10〜60℃、好ましくは20〜50℃の範囲
とされる。なお、表面保護シート(9)が貼着された製
品シート(12)は、使用に際し、表面保護シート
(9)を剥離して使用される。
【0026】前記の熱可塑性樹脂としては、ポリエステ
ル類、ポリエステルエーテル類、ポリアミド類、ポリカ
ーボネート類、ポリエステルカーボネート類、ポリスル
ホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリエーテルイミド
類、ポリオレフィン類などが挙げられる。ポリオレフィ
ン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メ
チルペンテン−1等が挙げられる。
【0027】上記の熱可塑性樹脂の中では特にポリエス
テル類が好ましい。ポリエステル類としては、芳香族ジ
カルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる
出発原料として得られるポリエステル類が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸類成分としては、通常、テレフタル
酸がその代表例として挙げられるが、その他には、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル
酸、オキシカルボン酸(例えばp−オキシエトキシ安息
香酸)等が挙げられる。好ましい芳香族ジカルボン酸
は、テレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン
酸である。
【0028】一方、グリコール成分としては、通常、エ
チレングリコールがその代表例として挙げられるが、そ
の他には、ジエチレングリコール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールS等が挙げられる。好ましいグリコール
成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール又
は1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
【0029】上記の熱可塑性樹脂は、任意の重合方法、
例えば、溶融重合、固相重合などにより製造される。ポ
リエステルの場合、エステル化またはエステル交換触
媒、重縮合触媒の他、安定剤、粒子、滑剤、帯電防止剤
などの添加剤は、公知のものを使用することが出来る。
これらは、公知の方法により任意の段階で添加される。
【0030】熱可塑性樹脂がポリエステルである場合、
原料樹脂、製品シート及び成形品におけるポリエステル
の極限粘度は、通常0.50〜1.3dl/g、好まし
くは0.60〜1.1dl/gの範囲とされる。極限粘
度が0.50dl/g未満の場合は、得られる製品シー
トの機械的性質、特に耐衝撃性などが低く、深絞り成形
性が劣る虞がある。一方、極限粘度が1.3dl/gを
超える場合は、溶融流動性が劣るために製品シートの加
工が困難とり、深絞り成形性が劣る虞がある。
【0031】本発明の効果は、原料樹脂として下記の式
(III) を満足する結晶性ポリエステルを使用した際に顕
著である。何故ならば、従来法によれば、結晶性ポリエ
ステルから外観良好な製品シートを得ることは困難とさ
れていたが、本発明によれば、原料樹脂が結晶性ポリエ
ステルであっても外観良好な製品シートを得ることが出
来る。
【0032】
【数7】 [Tm−180]≦Tc≦[Tm−20] (III) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)、Tcは、
熱可塑性樹脂の降温結晶化温度(℃)を表す。)
【0033】なお、上記のTc及びTmの値は、実施例
で説明する評価方法により測定される値であり、熱可塑
性樹脂シートの示差走査熱量計(DSC)を使用した測
定により、溶融または急冷後に降温速度20℃/min
又は昇温速度20℃/minの条件下で得られるメイン
ピークを意味する。
【0034】上記の熱可塑性樹脂には、例えば、酸化ケ
イ素、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、カオリン、
酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の公知
の粒子、白色化材、隠蔽材、色材などを添加してもよ
い。また、必要に応じ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難
燃化剤、易滑剤などの各種の添加剤を適宜配合してもよ
い。更に、低オリゴマー化の公知の技術を適用してもよ
い。また、熱可塑性樹脂原料に再生品を配合すること
は、コスト面だけでなく、廃棄物の減量化という点から
も好ましい。
【0035】また、熱可塑性樹脂には、静電密着性をよ
り効果的に発揮させるため、例えば、熱可塑性樹脂の溶
融時の体積固有抵抗を5×106 〜5×108 ρv ,Ω
・cmに調節する方法が挙げられる。ポリエチレンテレフ
タレートには、リン化合物を併用することにより金属イ
オンを多量溶解する方法が挙げられる。
【0036】本発明における製品シートは、2層または
3層以上の積層体であってもよく、内層は再生品を使用
した製品シートであってもよい。製品シートには、表面
の傷入り防止や帯電防止などを目的とした各種の表面処
理を施してもよい。
【0037】本発明において、製品シートの平均厚さ
は、特に制限されないが、好ましくは0.5〜10m
m、更に好ましくは1.0〜7.0mm、特に好ましく
は2.0〜7.0mmの範囲とされる。製品シートの平
均厚さが0.5mm未満または10mmを超える場合
は、製品シートの外観改良の効果が得られない虞があ
る。
【0038】本発明によれば、得られる製品シートの外
観特性が改善されるのみならず、生産性の向上も実現す
ることが出来る。すなわち、本発明によれば、製品シー
トが特定温度範囲にある際に表面保護シートを貼着する
ため、シートの外観特性が容易に改善されると共に貼着
速度を高めることが出来る。また、熱可塑性樹脂の溶融
押出し速度を高めことが出来る。具体的には、例えば、
溶融押出し速度として600kg/hr以上、更に、8
00kg/hr以上においても外観特性の優れた製品シ
ートを得ることが出来る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されない。なお、実施例における種々の物性
および特性の測定方法、定義は下記の通りである。
【0040】(1)極限粘度:製品シート又は成形品よ
り任意に採取した1.00gの試料をフェノール/テト
ラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒10
0mlに溶解し、30℃にて測定した。
【0041】(2)融点[Tm]:示差走査熱量計(セ
イコー電子社製「DSC20型」)を使用して測定を行
った。シートから任意に採取した10mgの試料を窒素
中300℃で3分間溶融後、ドライアイスにて急冷し
た。昇温速度20℃/minの条件下、上記の急冷物を
20℃から昇温してメインピーク温度[Tm]を求め
た。
【0042】(3)降温結晶化温度[Tc]:示差走査
熱量計(セイコー電子社製「DSC20型」)を使用し
て測定を行った。シートから任意に採取した10mgの
試料を昇温速度20℃/minの条件下で20〜300
℃まで昇温し、次いで、300℃で3分間保持後、降温
速度20℃/minの条件下で降温してメインピーク温
度[Tc]を求めた。
【0043】(4)製品シートの平均厚さ:幅方向に5
mm毎に厚さを測定し、その平均値を求めた。なお、シ
ートの耳部は、平均厚さに含めていない。
【0044】(5)製品シート温度:放射温度計にて測
定した。
【0045】(6)製品シートの外観評価:シートから
任意に採取した10m2 の試料の外観を目視観察し、下
記の判断基準にて評価した。
【0046】
【表1】 ○:シートの表面に筋、縞、厚さむら等の外観不良が無
く、非常に美麗なシートである。 ×:上記の外観不良が著しく実用に耐えない。 △:上記○と×の中間的状況である。
【0047】実施例1 エステル化反応槽を使用して、ビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートオリゴマー100部の存在下、テ
レフタル酸87部とエチレングリコール65部とを常圧
下、250℃でエステル化反応を行った。反応開始5時
間後、エステル化率96%のポリエステルオリゴマーを
得た。
【0048】この反応系にエチルアシッドホスフェート
0.012部を加え、さらに、酢酸マグネシウム4水塩
0.08部と三酸化アンチモン0.04部を添加し、2
20℃から285℃まで漸次昇温すると共に、常圧から
漸次1mmHgまで減圧し、次いで、285℃、1mm
Hgの条件下で4時間45分重縮合反応を行いポリエス
テル(PET)を得た。
【0049】次に、上記のPETを真空下にて160℃
で4時間乾燥し、ベント付き押出機を使用し、樹脂温度
290℃にて溶融押出を行い、図1に示すシート化装置
にて処理し、厚さ2.0mmの表面平坦な透明のPET
シートを得た。なお、この際、溶融状シート(2)に対
して静電印加密着法を適用した。すなわち、静電印加電
極(81)として直径0.2mmのタングステンワイヤ
ー電極(81)を使用し、溶融状シート(2)が回転冷
却ドラム(4)に着地する位置のほぼ真上約8mmに配
置し、8kvの高圧電源(82)に接続した。また、回
転冷却ドラム(4)、タッチロール(5)、剥離ロール
(7)、搬送ロール(10)及び圧着ロール(11)の
温度は何れも40℃とした。
【0050】表面保護シート(9)としては、低密度ポ
リエチレン(LDPE)のベースフイルムの片面に圧着
用のシート材として、酢酸ビニルを15%配合したエバ
ール樹脂を設けたものを使用した。なお、斯かる表面保
護シートの厚さは40μmである。その他の製造条件お
よびPETシートの評価結果を表2に示す。外観特性に
優れた非常に美麗な透明のPETシートが得られた。
【0051】実施例2 実施例1において、重縮合反応時間を4時間30分と
し、二軸混練り押出機を使用してPETに濃度が10重
量%になる量の酸化チタン粒子を混練りし、この酸化チ
タン粒子配合PETと原料PETを酸化チタン粒子が1
重量%になる様に混合し、厚さ3.0mmの表面平坦の
白色PETシートを得た以外は、実施例1と全く同様に
して表面保護シートが設けられたPETシートを得た。
その他の製造条件およびPETシートの評価結果を表2
に示す。外観特性の優れた非常に美麗な白色のPETシ
ートが得られた。
【0052】比較例1 実施例1において、工程内で回転可能なロールにて搬送
させて冷却してから、表面保護シートの貼り合わせを行
うこと以外は、実施例1と全く同様にしてシート化およ
び表面保護シートの貼り合わせを実施した。製造条件お
よびシートの評価結果を表2に示す。シート表面に縦方
向に無数の傷が入り、実用に耐えるシートは得られなか
った。
【0053】比較例2 実施例1において、タッチロール(5)を使用せず、製
品シート(3)を得た後に冷却してから、表面保護シー
ト(9)の貼着を行った以外は、実施例1と同様にして
シート化および表面保護シートの貼着を実施した。製造
条件およびシートの評価結果を表2に示す。シート表面
に縦方向に無数の傷が入り、更に、筋、縞などの外観不
良が多発し、実用に耐えるシートは得られなかった。
【0054】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例 比較例 1 2 1 2 <シートの材料および製造条件> PET (wt%) 100 99 100 100 酸化チタン(wt%) 0 1 0 0 図1A部分の温度[T1]( ℃) 259 258 259 − 図1B部分の温度[T2]( ℃) 98 95 35 37 図1C部分の温度[T2]( ℃) 100 98 36 37 <シートの物性> 極限粘度(dl/g) 0.7 0.6 0.7 0.7 融点[Tm](℃) 254 253 254 254 降温結晶化温度[Tc]( ℃) 181 183 181 181 厚さ(mm) 2.0 3.0 2.0 2.0 シートの外観 ○ ○ × × ────────────────────────────────────
【0055】
【発明の効果】本発明のシートの製造方法は、他の特性
を損なうことなく、シートの外観特性を大幅に改良し、
生産性に優れた画期的な方法である。本発明の方法は、
あらゆる熱可塑性樹脂シートの製造方法に適用可能であ
り、その工業的価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用されるシート化装置の
一例を示す側面説明図
【符号の説明】
1:ダイ 2:溶融状シート 3:製品シート 4:回転冷却ドラム 5:タッチロール 7:剥離ロール 81:静電印加電極 82:高圧電源 9:表面保護シート 10:搬送ロール 11:圧着ロール 12:表面保護シートが貼着された製品シート A:タッチロールによって押圧する直前の溶融状シート
の部分 B:表面保護シートを貼着する直前の製品シートの部分 C:表面保護シートを貼着する直前の製品シートの部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 義孝 滋賀県坂田郡山東町井之口347番地 ダイ アホイルヘキスト株式会社滋賀事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイから回転冷却ドラム表面上に押し出
    された溶融状熱可塑性樹脂シートを回転冷却ドラム表面
    上に密着させる工程を含む熱可塑性樹脂シートの製造方
    法において、熱可塑性樹脂シートの温度[T2]が下記
    の式(I)の範囲内の際に当該熱可塑性樹脂シートの表
    面に表面保護シートを貼着することを特徴とする熱可塑
    性樹脂シートの製造方法。 【数1】 [Tm−200]≦T2≦[Tm−50] (I) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)
  2. 【請求項2】 静電印加密着法によって溶融状熱可塑性
    樹脂シートを回転冷却ドラム表面上に密着させた後、回
    転冷却ドラム上の溶融状熱可塑性樹脂シートを回転可能
    なタッチロールにて押圧する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 回転可能なタッチロールによる押圧直前
    の溶融状熱可塑性樹脂シートの温度[T1]が下記の式
    (II)を満足する請求項2記載の製造方法。 【数2】 [Tm−70]≦T1≦[Tm+50] (II) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)を表す。)
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が下記の式(III)を満足す
    る結晶性ポリエステルである請求項1〜3の何れかに記
    載の製造方法。 【数3】 [Tm−180]≦Tc≦[Tm−20] (III) (但し、Tmは、熱可塑性樹脂の融点(℃)、Tcは、
    熱可塑性樹脂の降温結晶化温度(℃)を表す。)
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂シートの平均厚さが0.5
    〜10mmである請求項1〜4の何れかに記載の製造方
    法。
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