JPH10100157A - 短時間で温度制御可能な金型構造 - Google Patents

短時間で温度制御可能な金型構造

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JPH10100157A
JPH10100157A JP28037496A JP28037496A JPH10100157A JP H10100157 A JPH10100157 A JP H10100157A JP 28037496 A JP28037496 A JP 28037496A JP 28037496 A JP28037496 A JP 28037496A JP H10100157 A JPH10100157 A JP H10100157A
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temperature
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pipe
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篤志 海老沢
Toru Sugiyama
亨 杉山
Atsushi Kubota
厚 久保田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 射出成形、ガスアシスト成形等の成形法に適
用される金型の昇温、降温等の温度制御が効率よく短時
間で行ない得る金型構造を提供する。 【解決手段】 樹脂成形用金型における温度制御を容易
にするために、キャビティ周辺に形成された径の小さな
金型温調用管路と、該金型温調用管路の両端を金型温調
機の入出力端に接続するためのホースの接続部として形
成された分岐型接続用構造体(マニホールド)と、を有
する、短時間で温度制御可能な金型構造によって解決さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の一
般射出成形及びガスアシスト成形において、各種製品の
外装部品、外板、精密部品等の成形品で高品質の表面、
高い寸法精度を要求され、かつハイサイクルが要求され
る分野の成形方法に適用可能な金型構造に関するもので
ある。
【0002】本発明は、特に、各種成形品のウエルドラ
インの発生やジェッティング等の外観不良、寸法精度不
良、無機フィラー充填材料における外観不良を解消する
ために、金型温度を高くした場合のハイサイクル成形用
の金型構造に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の成形加工、特にエ
ンジニアリングプラスチックにおいては、成形残留応力
や成形品外観不良の問題、無機フィラー充填材料におい
てはフィラーの浮きの問題を解決するために、金型温度
を樹脂の熱変形温度よりも5〜20度程度低く設定する
ということが知られている。
【0004】しかしながら、前記設定温度にする場合
は、金型の昇温、降温のための所要時間が長くなる、金
型温度を100℃を超える高温に上げることができな
い、成形サイクルが長くなる、等の諸問題があった。
【0005】また、金型昇温、降温の時間短縮や均一金
型温度制御を行なうためには、金型温調管路をできるだ
け多く設定し、金型を昇温、降温するための温調用媒体
の流量を多くすることも周知の事実である。
【0006】しかしながら、成形品を金型から脱型させ
るための突き出しピンが優先され、金型温調管路を設定
できないという問題がある。また、金型温調管路の径を
小さくすれば、前記突き出しピンを避けて設定する事も
可能であるが、金型温調機と連結するためのホースの接
続用口金が取り付けられない場合や取り付けられても口
金の径が狭められるため前記媒体の圧力損失が起こり、
金型昇温および降温の効率が悪くなるという問題があっ
た。
【0007】これらの問題を解決するために金型温調管
路を直列に連結する方法をとるが、この場合、前記温調
用媒体の流動長が長くなり圧力損失が起こり効率が悪く
なってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の射出
成形、ガスアシスト成形等における金型の昇温、降温の
温度制御が効率良くかつ短時間内で実施可能な成形用金
型構造を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、射出成
形用金型において、金型温度制御を効率良く行なうため
に内径の小さな金型温調用管路と金型温調機に接続され
る温調用媒体の供給用ホースおよび回収用ホースの両接
続部に接続用構造体(以下、マニホールドという)を設
けた、短時間で温度制御可能な金型構造によって解決さ
れる。
【0010】この金型構造において、前記それぞれのマ
ニホールドの金型に接する側には、金型温調用管路と同
じ位置で同じ数の開孔が設けてあり、金型温調機に接続
されるホース側には、ホース接続用の接続管が設けてあ
り、それぞれがマニホールド内の中空部を介して連結さ
れるようになっている。
【0011】この際、金型温調用管路の数や径を考慮し
前記媒体の圧力損失が懸念される場合には、金型温調機
に接続されるホースの数を増やしマニホールドを分割す
ることもできる。
【0012】本発明にかかる金型構造を利用することに
より、車両用のグリル類、ドアハンドル、グリップ等の
自動車部品、Fax装置、複写機等の各種事務機器、携帯
電話、携帯用端末等の通信機器、家庭用電気製品のハウ
ジングやシャーシ等に適する成形品を安定して得ること
ができる。この金型は、熱可塑性樹脂の射出成形、中空
成形部を有するガスアシスト成形、射出圧縮成形等の各
種成形法に適用することができる。
【0013】本発明により得られる、温度を効率良く迅
速、かつ均一に昇温、降温させる金型構造は、前述のよ
うに金型温調用管路と金型温調機に接続されるホースと
の接続部マニーホールドを設けるものであるが、その
際、金型温調用管路の内径は、3mmから10mmの大きさ
で、金型強度上問題の無い範囲で数多く均一に設けるこ
とで実現できる。
【0014】本発明による金型構造は、迅速な温度制御
を行なう目的のために、その熱伝導率が20〜150J
/sec・m・degの範囲に属する金属素材により金型
本体が形成されることが望ましい。このような範囲に属
する金属材料としては、例えば、鋼、SUS等の他、ア
ルミ合金、亜鉛合金、ベリリウム銅合金等の非鉄合金が
挙げられる。
【0015】
【発明の作用】本発明によれば、金型温度の昇温、降温
が効率良く迅速に行え、作業準備の所要時間を短縮する
ことができる。また、100℃以上の金型温度も容易に
短時間でかつ金型表面の温度分布を均一にしつつ実現で
きる。
【0016】本発明によれば、成形1サイクルの間に金
型温度を昇温、降温させる金型冷熱サイクルにおいて、
成形サイクルを長くすること無く実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示す添付図を参照
しつつ本発明を開示する。図1は本発明にかかる金型構
造の断面図である。この金型は、固定側主型1と可動側
主型2との合せ面にキャビティ3が形成される。
【0018】キャビティ3は固定側入れ駒4と可動側入
れ駒5の対向部により形成されている。固定側入れ駒4
及び可動側入れ駒5には、金型温調用管路6(管路内径
8mm)が10本形成されており、該金型温調用管路6は
流路分岐管であるマニホールド7とシール材8を挟んで
接続されている。
【0019】マニーホールド7は、水または油等の温調
用媒体の供給側と回収側の2つが別々に固定側入れ駒4
と可動側入れ駒5にそれぞれ設置してある。マニホール
ド7は、金型温調機から温調用媒体を流すホース9と接
続する接続部10及び金型温調用管路と接続する開孔1
1のそれぞれがマニホールド内の中空部12でつながっ
ている。温調用媒体は、実線矢印または破線矢印のよう
にホース9、マニホールド中空部12を介して入れ駒4
(5)に形成された金型温調用管路6に対して供給され
かつ回収される。
【0020】実施例1 実施例1では、温調機TURBU-TD-U4-H((株)シスコ
製)を使用し、100℃の加圧した熱水を1200 l/hrで
本発明の金型に巡回させ金型表面温度の昇温速度の測定
と金型温度のバラツキを測定した。比較例として同じ大
きさの金型で冷却管路内径12mmが6本の金型を用い同
じ実験を行い比較した。なお、金型本体の素材として
は、熱伝導率が61J/sec・m・degの鋼材を使用
した。
【0021】昇温速度については本発明の実施例は比較
例の5倍の速度であり、温度のバラツキについては比較
例の1/11であった。表1にその結果を示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 実施例2では、温調機TURBU-TD-U4-H((株)シスコ
製)を使用し、100℃の加圧した熱水を1200 l/hrで
本発明の金型に循環させ、熱可塑性樹脂である変性PPO
樹脂NORYL SE1(日本ジーイープラスッチクス(株)製)
により図3に示す成形品Mを50ショット成形した後の
金型表面温度と温度バラツキを評価した。比較例として
同じ入れ駒構造の同じ金型で温調用管路内径12mmが5
本の場合での同じ実験を行い比較した。
【0024】本発明の金型によれば、成形後の平均表面
温度は101℃、バラツキは3degであったのに対し、比較
例では成形後の平均表面温度は112℃、バラツキは15d
egであった。表2に実施例2の金型表面温度の結果を示
す。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、金型の昇温、降温を効
率良く短時間でしかも均一にすることができ成形準備の
作業時間を短縮、安定した成形が可能になる。また、1
00℃以上の金型温度についても確実に設定温度通りに
調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる金型構造の実施例の構
成例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明にかかる金型構造の実施例のマ
ニホールド部構成例を示す図である。
【図3】図3は、本発明にかかる金型を用いて成形した
成形品の斜視図である。
【符号の説明】 1 固定側主型 2 可動側主型 3 キャビティ 4 固定側入れ駒 5 可動側入れ駒 6 金型温調用管路 7 マニホールド 8 シール材 9 流体ホース 10 ホース接続用開孔 11 金型温調管路接続用開孔 12 マニホールド中空部 M 成形品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形用金型において、金型温度制御
    を効率良く迅速に行うために金型温調用管路内径が3mm
    から10mmのものを金型強度上問題にならない範囲に設
    置することを特徴とする、短時間で温度制御可能な金型
    構造。
  2. 【請求項2】 前記金型温調用管路に対して温調用媒体
    を供給するためのホース接続部、ならびに、前記金型温
    調用管路からの温調用媒体を前記金型温調機に向けて回
    収するためのホース接続部、のそれぞれに前記温調用管
    路に適合せしめて分岐させるための供給側マニホールド
    ならびに回収側マニホールドを設置することを特徴とす
    る、請求項1に記載の金型構造。
  3. 【請求項3】 前記両マニホールドは脱着可能な別部品
    として構成され、前記金型温調管路とマニホールド管路
    との間には、温調媒体の漏れを防止するためのシール材
    がそれぞれ設置されることを特徴とする、請求項1また
    は2のいずれかに記載の金型構造。
  4. 【請求項4】 前記金型温調用管路が1〜8系統配設さ
    れ、前記両マニホールドには、前記金型温調用管路の系
    統数に相当する分岐管路を有するマニホールド中空部が
    形成されることを特徴とする、請求項1ないし3のいず
    れかに記載の金型構造。
  5. 【請求項5】 その熱伝導率が20〜150J/sec
    ・m・degの範囲に属する金属素材により金型本体が形
    成されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の金型構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6861021B2 (en) 2002-04-16 2005-03-01 General Electric Company Molding tool construction and molding method
JP2008080507A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Mitsubishi Heavy Industries Plastic Technology Co Ltd 急速加熱冷却が可能な金型
JP2010110989A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Matsui Mfg Co 加熱冷却切替装置及びこれを備えた金型加熱冷却システム
CN108407242A (zh) * 2018-05-11 2018-08-17 珠海格力精密模具有限公司 模具

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CN108407242B (zh) * 2018-05-11 2023-10-27 珠海格力精密模具有限公司 模具

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