JPH0999482A - ブランクの保持方法及び保持機構 - Google Patents

ブランクの保持方法及び保持機構

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JPH0999482A
JPH0999482A JP25997095A JP25997095A JPH0999482A JP H0999482 A JPH0999482 A JP H0999482A JP 25997095 A JP25997095 A JP 25997095A JP 25997095 A JP25997095 A JP 25997095A JP H0999482 A JPH0999482 A JP H0999482A
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Application number
JP25997095A
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English (en)
Inventor
Junji Fujii
淳司 藤井
Hiroshi Odaka
博 小高
Takatsugu Moriwaki
隆次 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブランクを良好に保持してブランクの脱落を
防止することができるブランクの保持方法及び保持機構
を提供する。 【解決手段】 対向して配置された一対のブランク保持
リング42,43を有し、両リング42,43の互いに対向する面
にそれぞれ穴部46,52の周囲に沿ってブランク保持用の
切欠部47,53が形成され、上側ブランク保持リング42が
下側ブランク保持リング43への移動が可能となっている
ブランク保持機構41を有している。両リング42,43が切
欠部47,53においてブランク16の厚さ寸法以上の隙間を
あけた状態でブランクを切欠部47,53に挿入した後、両
リング42,43を互いに近接するように動かして切欠部47,
53に挿入されたブランク16を圧締して保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製品の熱成形
分野におけるブランクの保持方法及び保持機構に関す
る。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】例えば、
容器の熱成形技術において、多量のスクラップが発生す
るシートからの熱成形技術に対して、スクラップの発生
のない、ブランク(プレフォームドブランク又はプレカ
ットブランク)を用いる熱成形技術が既に多数提案され
ている。しかし、従来のブランクを用いた熱成形技術に
よれば、生産性、操作性、装置の規模、価格等の点で一
長一短があり、これらを同時に満足するものは未だ提案
されていない。
【0003】例えば、プレフォームドブランクを使用し
た熱成形技術は、射出成形によりプレフォームドブラン
クを成形した後、加圧成形するものであるが、装置の小
型化は図れるものの、生産性が極めて低く、かつ多層シ
ートよりなる容器の成形が困難である。プレカットブラ
ンクを使用した熱成形技術は、例えば特開平1−103424
号公報で提案されているように、従来の熱成形機にブラ
ンクの保持手段と移送手段を設け、ブランクを供給した
後、熱成形するようにしたものであるが、生産性を上げ
るには大型化は避けられず、高価格とならざるをえな
い。
【0004】また、特公昭57-1415号公報に係るSFP
(スクラップレスフォーミングプロセス)のように、プ
レカットブランクを加圧し、プレフォームしたブランク
を使用する技術によれば、成形されたシートを角形にカ
ットし、これを加圧圧縮して所定のブランクに成形した
後、熱成形するものであるが、工程数が多くなり、装置
の複雑化、高価格化、操作の困難性が伴う。
【0005】一方、本出願人は、特願平5-211537(特開
平7-60829号公報)において、生産性が高くなると共
に、熱成形操作も容易となる樹脂製品の熱成形方法及び
この装置を提案した。図6〜図12を参照してこの熱成形
方法において使用する装置11を説明する。図6に示すよ
うに、この熱成形装置11は、ブランク加熱・移送手段12
と、樹脂製品の成形手段13とを有し、これら12,13が分
離して配置されている。前記ブランク加熱・移送手段12
は、第1の回転体14と、この第1の回転体14の外周面に
沿って設けられた複数のブランク保持部15及びブランク
離脱部22と、前記ブランク保持部15にブランク16を送る
ブランク供給部17と、ブランク押込み部18と、前記ブラ
ンク16を加熱するためのブランク加熱部19等を備えて構
成される。
【0006】前記第1の回転体14は、その中心にモータ
等の回転駆動手段に連結された回転軸21を有している。
図7にも示すように、前記ブランク保持部15は、ブラン
ク16が挿入される円形状の開口部15Aを有し、この開口
部15A の内周面にはブランク16が係合するV字状の溝15
Bが形成されている。また、開口部15Aの上端近傍には、
ブランク16が挿入されやすいように若干のテーパ15Cが
形成されている。そして、前記ブランク保持部15は、脚
部15Dを介して第1の回転体14に固定されている。
【0007】前記ブランク離脱部22は、前記開口部15A
内を挿通してブランク16を押し上げる筒状部22A、この
筒状部22Aの基部22B及びこの基部22Bの下に設けられ、
エアシリンダー等と連結した進退自在のロッド22Cを備
えている。この基部22Bには、前記ブランク保持部15が
上下動する際にガイドともなる前記脚部15Dが挿通する
孔部22Dが形成されている。
【0008】このブランク離脱部22の筒状部22A内に
は、ブランク供給部17からブランク16を1個ずつブラン
ク保持部15に取るための吸引カップ23が設けられてい
る。この吸引カップ23は、エアシリンダ等により進退自
在に構成されている。前記基部22Bには、この吸引カッ
プ23が進退する際に挿通する孔部22Eが形成されてい
る。
【0009】前記ブランク供給部17は、ブランク16のガ
イド17A、ガイド17A に沿って設けられたヒータ17B 等
が備えられたものである。前記ブランク押込み部18は、
エアシリンダ等により進退可能とされたロッド18A及び
このロッド18Aの先端に取り付けられたブランク押し込
み用リング18Bを備えている。前記ブランク加熱部19
は、赤外線ヒータ19Aよりなり、前記ブランク保持部15
の回転軌跡の近傍に円形状に設けられたものである。
【0010】図6,7に示すように、前記樹脂製品の成
形手段13は、第2の回転体24、この第2の回転体24の外
周面に等間隔に設けられた3個の成形用金型25、プラグ
26が設けられたクランプ(圧空チャンバー)27等を備え
て構成される。前記第2の回転体24は、中心に回転駆動
手段に連結された回転軸28を有している。この回転軸28
と前記第1の回転体14の回転軸21とは、平行の位置関係
であり、両回転軸21,28は、図6に示すように、前記ブ
ランク離脱部22が伸長してブランク16を前記金型25に供
給できる程度に離れている。
【0011】前記各金型25は、図11に示すように、キャ
ビティ29が所定容器に対応した凹状に形成され、更にこ
のキャビティ29より若干大きな径で水平の周縁部31が形
成されたものである。この周縁部31には、例えば4本の
ピン32がブランク16を保持するために等間隔で立設され
ている。各金型25は、水冷式の冷却機能を有している。
そして、ブランク16を定位置に配置するためのガイド部
25Aがこの周縁部31と連続して形成されている。各金型2
5の底部には、複数の真空吸引孔33が形成され、各真空
吸引孔33は、第2の回転体24内部を通って真空ポンプと
連通している。
【0012】前記クランプ27は、図12に示すように、上
面部にプラグ26のロッド34が進退する孔35及び圧空口36
が形成されたものである。このクランプ27の外径は、ク
ランプ27が前記金型25に保持されたブランク16の端縁部
を押さえ付けられるように、前記金型25の周縁部31の径
より若干小さめとなっている。このプラグ26は、エアシ
リンダ等により進退自在となっており、絞り比の大きい
場合に使用される。
【0013】次に、この熱成形装置11を使用した樹脂製
品の熱成形方法を説明する。先ず、図8に示すように、
ブランク加熱・移送手段12において、吸引カップ23によ
りブランク供給部17からブランク16を1個ずつ取ってブ
ランク保持部15の開口部15Aのテーパ15C部分に載せる。
次に、図9に示すように、第1の回転体14を若干回転さ
せて前記ブランク保持部15をブランク押込み部18の位置
に到らせ、ここでブランク押込み部18のロッド18Aが下
に伸びてきてブランク16をブランク保持部15の溝15Bに
押し込み、この溝15Bにブランク16を係合させる。
【0014】引き続き、図10に示すように、第1の回転
体14を回転させ、この第1の回転体14の回転に伴ってブ
ランク保持部15に保持されたブランク16をブランク加熱
部19のヒータ19A により加熱する。次に、図6,11に示
すように、第1の回転体14が回転してブランク保持部15
が樹脂製品の成形手段13に到った時点で回転が一旦停止
し、ここでブランク離脱部22が上に伸長してブランク保
持部15に保持されたブランク16を押し出して溝15Bから
離脱させ、引き続きブランク16をブランク離脱部22の上
端に載せた状態でブランク16を金型25のガイド部25Aに
沿わせて周縁部31に押し当てる。そして、ブランク16
は、その端縁部が前記ピン32に突き刺さることにより金
型25に保持される。
【0015】次に、図12に示すように、第2の回転体24
が回転して金型25がクランプ27の位置に到った時点で回
転が一旦停止し、ここでクランプ27が降りてきてこのク
ランプ27によりブランク16を金型25の周縁部31に押さえ
付ける。引き続き、プラグアシスト圧空成形によりブラ
ンク16を金型25のキャビティ29形状に合わせて賦形す
る。次に、図6に示すように、第2の回転体14を120 度
回転させた後、成形された容器37を金型25から取り出
す。
【0016】上記熱成形装置11の場合、ブランク保持部
15において、開口部15A の内周面に形成されたV字状の
溝15Bにより、ブランク16の保持と離脱ができるように
なっている。しかし、このようなブランク16の装着と離
脱の操作は、V字状の溝15B に対して強制的に行うもの
であるため、これらの操作がスムーズに行われないこと
もある。また、ブランク16が溝15Bに装着されたとして
も、下向き時の重力、回転途中の遠心力、ブランク16の
加熱膨張或いは収縮によって、ブランク16がブランク保
持部15から脱落する虞れもある。更に、ブランク16の大
きさと厚さが若干異なるものに対しても、それぞれ対応
する溝15Bが形成されたブランク保持部15が必要となる
ため、多数のブランク保持部15を用意しなければならな
い、という問題もあった。
【0017】そこで、本発明は、ブランクを良好に保持
してブランクの脱落を防止することができるブランクの
保持方法及び保持機構を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、対
向して配置された一対のブランク保持リングを有し、前
記ブランク保持リングの互いに対向する面の少なくとも
一方の面には穴部の周囲に沿ってブランクの周縁部が保
持されるブランク保持用の切欠部が形成され、これらの
ブランク保持リングのうちの少なくとも一方のブランク
保持リングが他方のブランク保持リングへの移動が可能
となっているブランク保持機構におけるブランクの保持
方法であって、前記一対のブランク保持リングが前記切
欠部においてブランクの厚さ寸法以上の隙間をあけた状
態でブランクを前記一対のブランク保持リングの切欠部
に挿入した後、前記一対のブランク保持リングを互いに
近接するように動かして前記切欠部に挿入されたブラン
クを圧締して保持することを特徴とする。
【0019】前記一対のブランク保持リングを互いに近
接するように動かす場合、一方のブランク保持リングを
固定した状態で他方のブランク保持リングを一方のブラ
ンク保持リングに対して近接するように移動させてもよ
く、又は両方のブランク保持リングをそれぞれ移動させ
て両方のブランク保持リングを互いに近接させるように
してもよい。ブランク保持リングの切欠部に挿入された
ブランクは、一対のブランク保持リングの圧締によっ
て、確実な保持が可能になる。
【0020】また、一対のブランク保持リングを互いに
近接するように動かして前記切欠部のブランクを圧締す
るようにしているため、厚さ寸法の異なるブランクに対
しても同様の確実な保持が可能になる。前記ブランク
は、プレカットブランク又はプレフォームドブランクの
いずれでもよい。ブランクの形状と厚さは、樹脂製品の
フランジ形状、絞り比等により決められる。
【0021】本発明の第2発明に係るブランクの保持方
法は、第1発明において、前記ブランクは、いずれか一
方のブランク保持リングの穴部を通して前記切欠部に挿
入することを特徴とする。即ち、前記ブランクは、いず
れか一方のブランク保持リングの穴部の真上からこの穴
部を通って前記前記切欠部に挿入されてこの切欠部にブ
ランクの周縁部が保持されることになる。
【0022】本発明の第3発明に係るブランクの保持機
構は、対向して配置された一対のブランク保持リングを
有し、前記ブランク保持リングの互いに対向する面の少
なくとも一方の面には穴部の周囲に沿ってブランクの周
縁部が保持されるブランク保持用の切欠部が形成され、
これらのブランク保持リングのうちの少なくとも一方の
ブランク保持リングが他方のブランク保持リングへの移
動が可能となっていることを特徴とする。
【0023】前記ブランク保持リングは、連続状のもの
でも、複数の部分に分割されていて隙間をあけて連続的
に設けられているものでもよい。前記ブランク保持リン
グは、冷却機能を備えているものが望ましい。前記ブラ
ンクの周縁部は、その全部が前記切欠部に保持されてい
ても、部分的に前記切欠部に保持されていてもよい。
【0024】本発明の第4発明に係るブランクの保持機
構は、第3発明において、前記切欠部が、前記ブランク
保持リングの互いに対向する面にそれぞれ形成されてい
ることを特徴とする。前記切欠部を前記ブランク保持リ
ングの互いに対向する面にそれぞれ形成しておくことに
より、ブランクの周縁部の上面と下面がそれぞれこの切
欠部に係止されるため、安定で確実なブランクの保持が
可能になる。
【0025】本発明の第5発明に係るブランクの保持機
構は、第3又は第4発明において、前記ブランク保持リ
ングの穴部の径がブランクの径より小さく、かつ前記切
欠部の径がブランクの径より大きいことを特徴とする。
本構成とすることにより、対向して配置された一対のブ
ランク保持リングの切欠部にブランクの周縁部が保持さ
れて、ブランクがブランク保持リングの穴部から抜け落
ちるということがなくなる。
【0026】本発明の第6発明に係るブランクの保持機
構は、第3〜第5発明のいずれかにおいて、前記一対の
ブランク保持リング同士が当接した状態において、前記
切欠部の縦幅寸法の合計は、前記ブランクの厚さ寸法よ
り小さいことを特徴とする。
【0027】即ち、切欠部が、ブランク保持リングの互
いに対向する面にそれぞれ形成されている場合、両ブラ
ンク保持リングの切欠部の縦幅寸法の合計は、前記ブラ
ンクの厚さ寸法より小さくなっているため、ブランク保
持リング同士を互いに近接するように動かすことによ
り、前記切欠部に挿入されたブランクを圧締することが
可能になる。
【0028】本発明の第7発明に係るブランクの保持機
構は、第3〜第6発明のいずれかにおいて、前記一対の
ブランク保持リングのうち、上側ブランク保持リングの
前記切欠部の切欠幅が0.1〜1.0mmであることを特徴とす
る。前記切欠幅を0.1mmより小さくするとブランクの保
持力が弱くなり、逆に1.0 mmより大きくするとブランク
の芯がずれやすい。好ましくは0.2〜0.5mmとする。
【0029】本発明の第8発明に係るブランクの保持機
構は、第3〜第7発明のいずれかにおいて、前記一対の
ブランク保持リングのうち、下側ブランク保持リングの
前記切欠部の切欠幅が0.1mm以上であることを特徴とす
る。前記切欠幅の上限はブランクの口径による。0.1mm
より小さいと、ブランクの保持力が弱くなる。
【0030】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の一実施形
態に係るブランクの保持方法及び保持機構を説明する。
この実施形態は、前記樹脂製品の熱成形装置(特開平7-
60829 号公報)に適用し、ブランク保持部15部分をこの
実施形態の保持機構で置き換えたものである。従って、
ブランク保持部15以外の構成は、前記背景技術で説明し
た構成と同様であるため、本実施形態ではそれらの説明
を省略して、ブランク保持機構を中心に説明する。ま
た、前記背景技術で説明した構成部材と同一の構成部材
には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0031】図1,2に示すように、本実施形態のブラ
ンク保持機構41は、樹脂製品の熱成形装置の第1の回転
体14において、上下方向に対向して配置された一対のブ
ランク保持リング42,43及び各ブランク保持リング42,43
の脚部44,45を備えて構成される。上側ブランク保持リ
ング42は、円板状の外形を有し、中央に円形の穴部46が
形成されている。この穴部46の上側には、ブランク16の
挿入をガイドするためのテーパ42Aが穴部46に対して角
度θで形成されている。また、この上側ブランク保持リ
ング42の下面側には、穴部46の周囲に沿ってブランク16
の周縁部16Aが保持される円形状の切欠部47が形成され
ている。そして、このブランク保持リング42の穴部46の
径は、ブランク16の径より若干小さく、かつ切欠部47の
径は、ブランク16の径より若干大きくなっている。
【0032】この上側ブランク保持リング42の脚部44
は、このリング42の下側に等間隔で4個所に設けられ、
ブランク離脱部22の基部22B上に固定されている。従っ
て、この脚部44は、ロッド22Cの上下動に伴って筒状部2
2Aと共に動く。前記脚部44は、基部22B側に固定された
第1の筒部48と、リング42側に固定された、第1の筒部
48より小径の第2の筒部49とよりなる。この第1の筒部
48内には、第2の筒部49を上方に付勢する、ばねのよう
な弾性部材51が設けられている。これにより、ブランク
離脱部22が下降する際には一緒に上側ブランク保持リン
グ44も下降するが、ブランク離脱部22が伸長してブラン
ク16を金型25に供給する際にはこのリング42が金型25に
当接したまま止まり、ブランク16を載せた筒状部22Aは
そのまま伸長できる。
【0033】一方、下側ブランク保持リング43は、上側
ブランク保持リング42と同様に、円板状の外形を有し、
中央に円形の穴部52が形成されているものであるが、そ
の外径は上側ブランク保持リング42の外径より小さく、
上側ブランク保持リング42の脚部44内に収まっている。
この下側ブランク保持リング43の上面側には、穴部52の
周囲に沿ってブランク16の周縁部16Aが保持される切欠
部53が形成されている。そして、このブランク保持リン
グ43の場合も、穴部52の径は、ブランク16の径より若干
小さく、かつ切欠部53の径は、ブランク16の径より若干
大きくなっている。但し、具体的寸法に関して、切欠部
53の径は、両リング42,43とも同じであるが、穴部46,52
径は、適当に変わり得る。
【0034】図2に示すように、上側ブランク保持リン
グ42の切欠部47の切欠幅をd1とした場合、d1は0.1〜
1.0mmとし、好ましくは0.2〜0.5mmとする。また、下側
ブランク保持リング43の切欠部53の切欠幅をd2とした
場合、d2は0.1mm以上とし、上限はブランク16の口径に
よる。例えば、直径85mmのブランク16の場合、0.2mm〜1
5.0mmが好ましい。15.0mmより大きい場合には容器口縁
部の成形性が悪化する。前記上側及び下側ブランク保持
リング42,43中には、図示しないパイプが設けられ、各
パイプに冷却水が通水されている。
【0035】前記一対のブランク保持リング42,43同士
が当接した状態において、前記切欠部47,53の縦幅寸法
の合計は、ブランク16の厚さ寸法より小さくなってい
る。即ち、図2に示すように、ブランク16の厚さ寸法を
t、上側ブランク保持リング42の切欠部47の縦幅寸法を
la 、下側ブランク保持リング43の切欠部53の縦幅寸法
をlb とすると、t>(la +lb )である。これによ
り、ブランク16の周縁部16Aの上面と下面にそれぞれ切
欠部47,53が必ず当接するため、上下のブランク保持リ
ング42,43によるブランク16の圧締が行えるようにな
る。
【0036】次に、図1〜5を参照して、このブランク
保持機構41におけるブランクの保持方法と共に、樹脂製
品の容器の熱成形方法を説明する。図1,2に示すよう
に、先ず、上下のブランク保持リング42,43を、切欠部4
7,53においてブランク16の厚さ寸法t以上の隙間があく
ように、上側ブランク保持リング42を下側ブランク保持
リング43に対して位置させる。即ち、上下の切欠部47,5
3間の間隔をldとすると、ld>tとなっている。
【0037】次に、図3,4に示すように、この状態で
吸引カップ23によりブランク供給部17からブランク16を
1個ずつ取って上側ブランク保持リング42のテーパ42A
に載せ、そのままブランク16を穴部46を通して引き込
み、上下のブランク保持リング42,43の切欠部47,53に挿
入する。この時点で、ブランク16の周縁部16Aの下面
は、下側ブランク保持リング43の切欠部53に当接してい
るが、周縁部16Aの上面は上側ブランク保持リング42の
切欠部47に対して隙間があいている。この後、上側ブラ
ンク保持リング42を下降させてブランク16の周縁部16A
の上面に上側ブランク保持リング42の切欠部47を当接さ
せ、引き続き上側ブランク保持リング42を下側に付勢す
ることにより上下のブランク保持リング42,43でブラン
ク16を圧締して保持する。
【0038】次に、図5に示すように、第1の回転体14
を回転させ、この第1の回転体14の回転に伴ってブラン
ク保持部15に保持されたブランク16をブランク加熱部19
のヒータ19Aにより加熱する。この後のブランク16の金
型25への受け渡し工程、この金型25でのブランク16の賦
形工程等は背景技術で説明した熱成形方法と同じであ
る。
【0039】〔実施例1〕前記実施形態において、具体
的条件を下記の通りとして樹脂製品を熱成形した。 ブランクの樹脂…ポリプロピレン、直径…85mm、厚さ…
1.0mm ブランク保持リングの材質…アルミニウム ヒータの加熱温度…400℃(ブランクの最高表面温度…2
10℃) 加熱時間…30秒間
【0040】 ブランクの厚さt…1.0mm 上側ブランク保持リングの切欠部の縦幅寸法la…0.3mm 下側ブランク保持リングの切欠部の縦幅寸法lb…0.3mm ブランクを挿入する際の一対のリングの上面と下面間の
間隔lc…0.6mm ブランクを挿入する際の上下の切欠部間の間隔ld…1.2
mm 上側ブランク保持リングの切欠幅d1…0.5mm 下側ブランク保持リングの切欠幅d2…0.8mm 上側ブランク保持リングのテーパの角度θ…30°
【0041】〔実施例2〕実施例1において、ブランク
16の厚さtを0.8mm とし、その他は実施例1と同様にし
て樹脂製品を熱成形した。
【0042】〔実施例3〕実施例1において、下側ブラ
ンク保持リング43の切欠幅d2を0.2mmとし、その他は実
施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0043】〔実施例4〕実施例1において、上側ブラ
ンク保持リング42の切欠幅d1を0.2mmとし、その他は実
施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0044】〔実施例5〕実施例1において、上側ブラ
ンク保持リング42の切欠幅d1を0.1mmとし、その他は実
施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0045】〔比較例1〕実施例1において、上側ブラ
ンク保持リング42の切欠幅d1を0.05mmとし、その他は
実施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0046】〔比較例2〕実施例1において、上側ブラ
ンク保持リング42の切欠幅d1を1.1mmとし、その他は実
施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0047】〔比較例3〕実施例1において、下側ブラ
ンク保持リング43の切欠幅d2を0.05mmとし、その他は
実施例1と同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0048】〔比較例4〕実施例1において、laを0.5
mm、lbを0.6mm、lcを0.1mmとし、その他は実施例1と
同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0049】〔比較例5〕実施例1において、ldを0.9
mm、laを0.1mm、lbを0.2mmとし、その他は実施例1と
同様にして樹脂製品を熱成形した。
【0050】前記実施例及び比較例について、成形品
の変形の有無、切欠部へのブランク挿入の安定性、
切欠部でのブランクの芯のずれ、加熱中のブランクの
脱落の有無、をそれぞれ評価した。それらの結果を表1
に示す。評価基準は、下記の通りである。
【0051】 成形品の変形の有無 ◎…成形品の変形は全くなし、△…成形品口縁部の一部
のみ変形、×…成形品口縁部が全体的に変形。 切欠部へのブランク挿入の安定性 ◎…ブランク挿入テスト100回中、全て挿入可能、△…
ブランク挿入テスト 100回中、1〜5回挿入不可、×
…ブランク挿入テスト100回中、6回以上挿入不可
【0052】 切欠部でのブランクの芯のずれ ◎…ブランクの芯のずれは全くなし、×…ブランクの芯
のずれが発生。 加熱中のブランクの脱落の有無 ◎…ブランク加熱テスト100回中、全て脱落なし、△…
ブランク加熱テスト 100回中、1〜5回脱落、×…ブ
ランク加熱テスト100回中、6回以上脱落。
【0053】
【表1】
【0054】表1より、前記実施例は、上下方向に対向
して配置された一対のブランク保持リング42,43を有
し、両ブランク保持リング42,43の互いに対向する面に
それぞれ穴部46,52の周囲に沿ってブランク保持用の切
欠部47,53が形成され、t>(la+lb)、かつd1=0.
1〜1.0mm、d2>0.1mm以上の条件を満たし、上側ブラン
ク保持リング42が下側ブランク保持リング43への移動が
可能となっているブランク保持機構41を有している。そ
して、このブランク保持機構41のブランク16の保持方法
において、lb>tの状態でブランク16を両ブランク保
持リング42,43間の切欠部47,53に挿入した後、上側ブラ
ンク保持リング42が下側ブランク保持リング43に近接す
るように動かして切欠部47,53に挿入されたブランク16
を圧締して保持するようにしたため、成形品の変形の
有無、切欠部へのブランク挿入の安定性、切欠部で
のブランクの芯のずれ、加熱中のブランクの脱落の有
無に関して、いずれも良好で問題がないことがわかる。
【0055】一方、比較例1によれば、d1が0.05mmで
あり、本発明に係る0.1mmより小さいため、前記、
及びについて、問題があることがわかる。比較例2に
よれば、d1が1.1mmであり、本発明に係る1.0mmより大
きいため、前記〜のいずれも問題があることがわか
る。比較例3によれば、d2を0.05mmであり、本発明に
係る0.1mmより小さいため、前記、及びについ
て、問題があることがわかる。
【0056】比較例4によれば、la+lbが1.1であ
り、ブランクの厚さtの1.0mmより大きいため、切欠部4
7,53に挿入されたブランク16を圧締することができず、
前記、及びについて、問題があることがわかる。
比較例5によれば、ldが0.9mmであり、ブランクの厚さ
tの1.0mmより小さいため、切欠部47,53にブランク16を
挿入することができず、成形できないことがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係るブランクの保持方法及び保
持機構によれば、ブランクを良好に保持してブランクの
脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製品の熱成形装
置におけるブランク保持機構の断面図である。
【図2】同ブランク保持機構の要部断面図である。
【図3】同ブランク保持機構へのブランク供給工程を示
す要部断面図である。
【図4】同ブランク保持機構へのブランク押込み工程を
示す要部断面図である。
【図5】同熱成形方法の加熱工程を示す要部断面図であ
る。
【図6】先願の実施形態及び一部本発明の実施形態にお
いて使用する装置の正面図である。
【図7】同実施形態に係るブランク保持部とブランク離
脱部の断面図である。
【図8】ブランクのブランク保持部への供給方法を示す
断面図である。
【図9】ブランク保持部とブランク押込み部の断面図で
ある。
【図10】ブランク保持部とブランク加熱部の断面図で
ある。
【図11】ブランク離脱部と金型の断面図である。
【図12】金型とクランプの断面図である。
【符号の説明】
11 熱成形装置 12 ブランク加熱・移送手段 13 樹脂製品の成形手段 14 第1の回転体 16 ブランク 17 ブランク供給部 18 ブランク押込み部 19 ブランク加熱手段であるブランク加熱部 19A ヒータ 22 ブランク離脱部 23 吸引カップ 24 第2の回転体 26 プラグ 27 クランプ 29 キャビティ 31 周縁部 37 樹脂製品である容器 41 ブランク保持機構 42 上側ブランク保持リング 43 下側ブランク保持リング 46 上側ブランク保持リングの穴部 47 上側ブランク保持リングの切欠部 52 下側ブランク保持リングの穴部 53 下側ブランク保持リングの切欠部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された一対のブランク保持
    リングを有し、前記ブランク保持リングの互いに対向す
    る面の少なくとも一方の面には穴部の周囲に沿ってブラ
    ンクの周縁部が保持されるブランク保持用の切欠部が形
    成され、これらのブランク保持リングのうちの少なくと
    も一方のブランク保持リングが他方のブランク保持リン
    グへの移動が可能となっているブランク保持機構におけ
    るブランクの保持方法であって、 前記一対のブランク保持リングが前記切欠部においてブ
    ランクの厚さ寸法以上の隙間をあけた状態でブランクを
    前記一対のブランク保持リングの切欠部に挿入した後、
    前記一対のブランク保持リングを互いに近接するように
    動かして前記切欠部に挿入されたブランクを圧締して保
    持することを特徴とするブランクの保持方法。
  2. 【請求項2】 前記ブランクは、いずれか一方のブラン
    ク保持リングの穴部を通して前記切欠部に挿入すること
    を特徴とする請求項1に記載のブランクの保持方法。
  3. 【請求項3】 対向して配置された一対のブランク保持
    リングを有し、前記ブランク保持リングの互いに対向す
    る面の少なくとも一方の面には穴部の周囲に沿ってブラ
    ンクの周縁部が保持されるブランク保持用の切欠部が形
    成され、これらのブランク保持リングのうちの少なくと
    も一方のブランク保持リングが他方のブランク保持リン
    グへの移動が可能となっていることを特徴とするブラン
    ク保持機構。
  4. 【請求項4】 前記切欠部は、前記ブランク保持リング
    の互いに対向する面にそれぞれ形成されていることを特
    徴とする請求項3に記載のブランク保持機構。
  5. 【請求項5】 前記ブランク保持リングの穴部の径は、
    ブランクの径より小さく、かつ前記切欠部の径は、ブラ
    ンクの径より大きいことを特徴とする請求項3又は4に
    記載のブランク保持機構。
  6. 【請求項6】 前記一対のブランク保持リング同士が当
    接した状態において、前記切欠部の縦幅寸法の合計は、
    前記ブランクの厚さ寸法より小さいことを特徴とする請
    求項3〜5のいずれかに記載のブランク保持機構。
  7. 【請求項7】 前記一対のブランク保持リングのうち、
    上側ブランク保持リングの前記切欠部の切欠幅が0.1〜
    1.0mmであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか
    に記載のブランク保持機構。
  8. 【請求項8】 前記一対のブランク保持リングのうち、
    下側ブランク保持リングの前記切欠部の切欠幅が0.1mm
    以上であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに
    記載のブランク保持機構。
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