JPH099801A - 灌水用チューブ - Google Patents

灌水用チューブ

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JPH099801A
JPH099801A JP16910095A JP16910095A JPH099801A JP H099801 A JPH099801 A JP H099801A JP 16910095 A JP16910095 A JP 16910095A JP 16910095 A JP16910095 A JP 16910095A JP H099801 A JPH099801 A JP H099801A
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達也 大江
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光昭 藤村
Yoshio Shinagawa
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Abstract

(57)【要約】 【構成】[A]成分:MFRが0.01〜10g/10min、密度
が0.880〜0.940g/cm3、Mw/Mnが1.5〜3.
5、n-デカン可溶部(W:重量%)と密度(d:g/cm3)
とが、W<80×exp(−100(d−0.88))+
0.1で示される関係を満たし、GPC−IRによる高
分子量側および低分子量側の分岐数の平均値B1、B2が
B1≧B2である、中低圧法エチレン・α−オレフィン共
重合体100〜20重量%と、[B]成分:高圧法ポリエ
チレン0〜80重量%とからなる熱可塑性樹脂からなる
ことを特徴とする、ヒートシール部を有する灌水用チュ
ーブ。 【効果】ヒートシール性、ヒートシール強度、繰り返し
耐圧疲労強度、ヒートシール部の耐引っ張りクリープ
性、衝撃強度、破壊水圧、作業性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な灌水用チューブ
に関し、より詳しくは、ヒートシール性、ヒートシール
強度、繰り返し耐圧疲労強度、ヒートシール部の耐引張
クリープ性、衝撃強度に優れ、破壊水圧が高く、より低
密度でも強度が保たれており、また使用時に他のフィル
ムと密着を起こすことがなく、作業性に優れた灌水用チ
ューブに関する。
【0002】
【従来の技術】近年灌水用として、硬質合成樹脂管の替
わりに高圧法ポリエチレンや、エチレン・酢酸ビニル共
重合体を用いた灌水用チューブが利用されている。これ
らの灌水用チューブは、通水時には膨張して円筒形状を
呈し、非通水時には偏平形状を有するため、従来の硬質
合成樹脂管に比べ、収納、運搬、貯蔵が容易であり、更
に栽培植物の株間形式の変更あるいは灌水区域の任意の
形状に自由に適応設置することが出来るという特質があ
り、野菜等の栽培に広く採用されはじめている。
【0003】従来の高圧法ポリエチレンやエチレン・酢
酸ビニル共重合体からなる灌水用チューブは、通水−非
通水サイクルを繰り返すことにより、該灌水用チューブ
のヒートシール部に剥離を生ずるという問題があった。
【0004】本発明者らは先に、灌水用チューブの外層
として、特定のメルトインデックス、特定の密度、融点
を有するエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を
用いることにより(特公昭63−37607)、または
特定のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体と高
圧法ポリエチレンの組成物を使用することにより(特公
昭64−7732)、繰り返し耐圧疲労強度の良好な灌
水用チューブが得られることを見いだしている。しかし
ながら近年のフィルムに対する要求特性は益々厳しくな
っており、より一層のチューブ物性の向上が求められて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
要求に応えようとするものであって、ヒートシール性、
ヒートシール強度、繰り返し耐圧疲労強度、ヒートシー
ル部の耐引っ張りクリープ性、衝撃強度に優れ、破壊水
圧が高く、より低密度でも強度が保たれており、また使
用時に他のフィルムと密着を起こすことがなく、作業性
に優れた灌水用チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る灌水用チュ
ーブは、長さ方向に沿って延びた少なくとも1箇所の連
続したヒートシール部を有し、かつ長さ方向に適切な間
隔をおいて配置された多数の灌水用孔を有し、通水時は
膨張して円筒形状を呈するが、非通水時は偏平となる熱
可塑性樹脂製灌水用チューブであって、該熱可塑性樹脂
が、 [A](i)メルトフローレートが0.01〜10g/10mi
n、(ii)密度が0.880〜0.940g/cm3であり、(i
ii)GPCにおいて測定した重量平均分子量Mwと数平均
分子量Mnの比Mw/Mnが1.5〜3.5の範囲にあ
り、(iv)23℃におけるn-デカン可溶部(W:重量%)
と密度(d:g/cm3)とが、
【数2】 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 で示される関係を満たし、(v)GPC−IRによる高分
子量側の分岐数の平均値をB1、低分子量側の分岐数の
平均値をB2とするとき、B1≧B2である、エチレンと
炭素原子数4から12のα−オレフィンとからなる中低
圧法エチレン・α−オレフィン共重合体100〜20重
量%と、 [B]高圧法ポリエチレン0〜80重量%とからなること
を特徴とする灌水用チューブである。
【0007】上記[A]成分としては、メタロセン触媒の
存在下に、エチレンと炭素原子4から12のα−オレフ
ィンとを共重合させることにより得られるエチレン・α
−オレフィン共重合体が好ましい。メタロセン触媒の成
分として使用されるメタロセン化合物(I)としては、
下記一般式[1]または[2]で表されるメタロセン化合物
が好ましい。
【化3】MK(L1)X-2 … [1] [式中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属で
あり、KおよびL1は遷移金属原子に配位する配位子で
あり、配位子Kは同一または異なったインデニル基、置
換インデニル基またはその部分水添加物が低級アルキレ
ン基、または置換シリレン基を介して結合した2座配位
子であり、配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基または水素原子であり、Xは遷移金
属原子Mの原子価である。]
【0008】
【化4】M(L2)X [2] [式中、Mは周期律表第VIB族から選ばれる遷移金属
原子であり、L2は遷移金属原子Mに配位する配位子で
あり、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、シ
クロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基又は炭素数3〜10
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有
する置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シク
ロペンタジエニル基以外の配位子L2は、炭素原子数1
〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、
トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水素原子で
あり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。]
【0009】次に本発明に係る灌水チューブについて説
明する。
【0010】[[A]中低圧法エチレン・α−オレフィン
共重合体]本発明で用いられる中低圧法エチレン・α−
オレフィン共重合体は、エチレンと炭素原子数4〜12
のα−オレフィンとを共重合させて得られたエチレン・
α−オレフィン共重合体である。
【0011】この様なα−オレフィンとしては、具体的
には、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデ
セン−1等が挙げられる。なかでも、ヘキセン−1、4
−メチルペンテン−1、オクテン−1が好ましい。
【0012】また共重合体のメルトフローレート(AS
TM D1238;190℃、2.16kg、以下MF
R)は、0.01ないし10g/10min、好ましくは0.
5ないし5g/10minの範囲にあることが好ましい。MF
Rが0.01未満だと流動性が劣り成形性が悪く、MF
Rが10を超えると耐衝撃性や引き裂き強度等の機械的
特性が劣る。
【0013】この共重合体の密度は、0.880g/cm3
以上0.940g/cm3以下、好ましくは0.900 g/cm
3〜0.930 g/cm3であり、より好ましくは0.90
5 g/cm3〜0.925 g/cm3の範囲である。密度が0.
880g/cm3以下では引っ張り強さ及び剛性が低いため
好ましくなく、0.940g/cm3以上では耐衝撃性に劣
るため好ましくない。
【0014】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体の、GPCにおいて測定した重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnは1.5〜3.5
の範囲にある。
【0015】なお、分子量分布(Mw/Mn)は、ミリ
ポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測
定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、
カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、カラ
ム温度は140℃とし、移動相にはO-ジクロロベンゼン
(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田
薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/minで移動さ
せ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500
マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用い
た。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およ
びMw>4×106 については東ソー社製を用い、10
00<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカ
ル社製を用いた。
【0016】また本発明で用いられるエチレン・α−オ
レフィン共重合体は、23℃におけるデカン可溶部(W
(重量%))と密度(d)とが下記に示される関係を満た
している。
【数3】 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 なお直鎖状ポリエチレンのn-デカン可溶成分量(可溶成
分量の少ないもの程組成分布が狭い)の測定は、ポリエ
チレン約3gをn-デカン450mlに加え、145℃で溶
解した後23℃まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部
を除き、濾液よりn-デカン可溶部を回収することにより
行なわれる。
【0017】また本発明で用いられるエチレン・α−オ
レフィン共重合体は、GPC−IRによる高分子量側の
分岐数の平均値をB1、低分子量側の分岐数の平均値を
B2とするとき、B1≧B2の関係を満たしている。ここ
に、GPC−IRによる高分子量側の分岐数の平均値
(B1 )とは、GPCによって分子量分別された高分
子溶出量の累積重量分率が15〜85%(すなわち低分
子領域15%、高分子領域15%を除く高分子溶出成
分)の範囲で測定された分岐数の測定値群を、GPC溶
出曲線のピーク位置の分子量で2分割したもののうち、
高分子量側の値の平均値である。一方、低分子量側の分
岐数の平均値(B2 )とは、2分割したもののうち、
低分子量側の平均値である。
【0018】上記B1 およびB2 の測定条件は、次の通
りである。 測定装置:PERKIN ELMER 1760X カラム:TOSOH TSKgel GMH-HT(7.5mmI.D.×60
0mm)×1 溶離剤(eluent):MP−Jを0.05%含有のo-ジク
ロロベンゼン(ODCB)[和光純薬工業社製、extra
pure grade] カラム温度:140℃ サンプル濃度:0.1%(weight/volume) 射出容量(inj.volume):100マイクロリットル detector:MCT resolution:8cm-1 このように、n-デカン可溶成分量分率(W)と密度
(d)との関係、そしてGPC−IRによる高分子量側
の分岐数の平均値(B1)と、低分子量側の分岐数の平
均値(B2)との関係が上記のような関係を有するよう
なエチレン・α- オレフィン共重合体[A]は、組成分布
が狭く、しかもローポリマーが少ないので、ベトツキが
少ない。したがって、上記のようなエチレン・α- オレ
フィン共重合体[A]を用いると、繰り出し、巻入れ等の
操作性に優れた灌水用チューブを得ることができる。
【0019】[メタロセン触媒]本発明で用いる[A]中低
圧法エチレン・α−オレフィン共重合体は、メタロセン
触媒の存在下で製造される。ここでメタロセン触媒とは
メタロセン化合物(I)を含んでなる触媒のことであ
り、好ましくはメタロセン化合物(I)と、(a)微粒
子状担体、(b)有機アルミニウムオキシ化合物触媒成
分および/または(c)メタロセン化合物と反応してイ
オン性錯体を形成することができる成分、必要に応じて
(d)有機アルミニウム化合物触媒成分とから構成され
る。
【0020】[メタロセン化合物(I)]本発明で好まし
く用いられるメタロセン化合物(I)としては、下記一
般式[1]または[2]で示される遷移金属化合物が挙げら
れる。
【化5】MK(L1)X-2 … [1] [式中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属で
あり、KおよびL1は遷移金属原子に配位する配位子で
あり、配位子Kは同一または異なったインデニル基、置
換インデニル基またはその部分水添加物が低級アルキレ
ン基、または置換シリレン基を介して結合した2座配位
子であり、配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基または水素原子であり、Xは遷移金
属原子Mの原子価である。] 上記一般式[1]において、Mは周期律表第IVB族から選
ばれる遷移金属原子であり、具体的には、ジルコニウ
ム、チタン、ハフニウムであり、好ましくはジルコニウ
ムである。
【0021】Kは、遷移金属原子に配位する配位子であ
り、同一または異なったインデニル基、置換インデニル
基、またはインデニル基、置換インデニル基の部分水添
加物が低級アルキレン基等の2価の炭化水素基、シリレ
ン基、置換シリレン基等の2価のケイ素含有基を介して
結合した2座配位子である。ここで置換インデニル基と
して好適なものは、メチル基、エチル基、iso-プロピル
基、n-プロピル基、等の低級アルキル基、あるいはフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンからなる置換基を
少なくとも1個以上含むインデニル基である。
【0022】具体的に、エチレンビスインデニル基、エ
チレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)
基、エチレンビス(4-メチル-1-インデニル)基、エチ
レンビス(5-メチル-1-インデニル)基、エチレンビス
(6-メチル-1-インデニル)基、エチレンビス(7-メチ
ル-1-インデニル)基を例示することができる。
【0023】L1は、炭素数1〜12の炭化水素基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアル
キルシリル基または水素原子である。炭素数1〜12の
炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基などを例示することができ、
より具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチ
ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2-エチルヘキシル基、デシル基などのアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアル
キル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ベン
ジル基、ネオフィル基などのアラルキル基を例示するこ
とができる。
【0024】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などを
例示することができる。
【0025】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どを例示することができる。ハロゲン原子は、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素である。トリアルキルシリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基などを例示することができる。
【0026】このような一般式[1] で表わされるメタ
ロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジエ
チルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェ
ニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチル
ジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチ
レンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テト
ラヒドロインデニル)}メチルジルコニウムモノクロリ
ド、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,
5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス{1-(4-メチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス{1-(5-メチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-
(6-メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(7-メチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1-(5-メトキシインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(2,
3-ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(4,7-ジメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,7-ジメトキシイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデ
ン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなどが挙げられる。なお、上記例示におい
て、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,
3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体
を含む。本発明では、上記のようなジルコニウム化合物
において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフ
ニウム金属に置き換えたメタロセン化合物を用いること
ができる。
【0027】これらの、一般式[1] で表わされるメタ
ロセン化合物のうちでは、エチレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドが特に好ま
しい。
【0028】メタロセン化合物(I)の他の好ましい態
様は下記式[2]で表わされるメタロセン化合物である。
【0029】M(L2)X ・・・ [2] [式中、Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属
原子であり、L2 は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち少なくとも2個の配位子L2 は、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基または炭素原子数3
〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換
基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L2 は、炭素
原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
素原子であり、xは、遷移金属原子Mの原子価であ
る。] 上記式[2]におけるMは、上述した一般式[1]における
Mと同じである。L2は、遷移金属原子Mに配位した配
位子であり、これらのうち少なくとも2個の配位子L2
はシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニ
ル基、エチルシクロペンタジエニル基または炭素原子数
3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置
換基を有する置換シクロペンタジエニル基である。
【0030】なお、置換シクロペンタジエニル基は、置
換基を2個以上有していてもよく、2個以上の置換基は
各同一でも異なっていてもよい。置換シクロペンタジエ
ニル基は、置換基を2個以上有する場合は、少なくとも
1個の置換基が炭素原子数3〜10の炭化水素基であれ
ばよく、他の置換基はメチル基、エチル基または炭素原
子数3〜10の炭化水素基である。また、遷移金属原子
Mに配位している置換シクロペンタジエニル基は同一で
も異なっていてもよい。
【0031】炭素原子数3〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などを挙げることができる。アルキル基として
は、具体的には、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル
基、デシル基などが挙げられる。
【0032】シクロアルキル基としては、具体的には、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ
る。アリール基としては、具体的には、フェニル基、ト
リル基などが挙げられる。
【0033】アラルキル基としては、具体的には、ベン
ジル基、ネオフィル基などが挙げられる。これらのう
ち、アルキル基が好ましく、特にn-プロピル基、n-ブチ
ル基が好ましい。
【0034】本発明では、遷移金属原子Mに配位するシ
クロペンタジエニル基としては、置換シクロペンタジエ
ニル基が好ましく、炭素原子数3以上のアルキル基が置
換したシクロペンタジエニル基がより好ましく、二置換
シクロペンタジエニル基がさらに好ましく、1,3-置換シ
クロペンタジエニル基が特に好ましい。
【0035】また、上記式[2]において、遷移金属原子
Mに配位するシクロペンタジエニル基以外の配位子L2
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
または水素原子である。
【0036】これらの具体例としては、一般式[1]で表
わされる遷移金属化合物において上述した炭素原子数1
〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、
トリアルキルシリル基、ハロゲン原子の具体例と同様の
基、原子が挙げられる。
【0037】このような一般式[2]で表わされる遷移金
属化合物としては、具体的には、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n- プ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチル-n- ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(ジメチル-n- ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロ
リド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリ
ドなどが挙げられる。
【0038】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は、1,2-および1,3-置換体を含み、
三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。また、上
記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム
金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えた
遷移金属化合物を用いることができる。
【0039】これらの遷移金属化合物のうちでは、ビス
(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n- プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-
メチル-3-n- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドビス(1,3-ジメチル-シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドビス(1,3-ジ-n-ブチル-シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが特に好
ましい。
【0040】本発明では、上述のメタロセン化合物
(I)を、好ましくは(a)微粒子状担体、(b)有機
アルミニウムオキシ化合物触媒成分および/または
(c)遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成す
ることができる成分、必要に応じて(d)有機アルミニ
ウム化合物触媒成分と共に用いて、エチレン・α−オレ
フィンを共重合させることにより、成分[A]の中低圧法
エチレン・α−オレフィン共重合体を製造することがで
きる。
【0041】[微粒子状担体(a)]メタロセン触媒の調
製では、好ましくは微粒子状担体(a)が用いられる。
微粒子状担体(a)は、無機あるいは有機の化合物であ
って、粒径が通常10〜300μm程度であり、好まし
くは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の固体で
ある。
【0042】このうち、無機担体としては多孔質酸化物
が好ましく、具体的にはSiO2 、Al2O3 、Mg
O、ZrO2、TiO2 、B2O3、CaO、ZnO、B
aO、ZnO2 、SnO2 、ThO2 等またはこれらの
混合物、たとえばSiO2-MgO、SiO2-Al2O3、
SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O
3、SiO2-TiO2-MgO 等を例示することができ
る。これらの中では、SiO2およびAl2O3からなる
群から選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とする酸
化物が好ましい。
【0043】なお、上記無機酸化物には、少量のNa2
CO3、K2CO3、CaCO3 、MgCO3 、Na2SO
4、Al2(SO4)3 、BaSO4 、KNO3 、Mg
(NO3)2 、Al(NO3)3、Na2O 、K2O 、L
i2O 等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有
していても差し支えない。
【0044】このような担体は、その種類および製法に
より性状は異なるが、本発明で好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g 、好ましくは10
0〜700m2/g であり、細孔容積が0.3〜2.5cm3
/g であることが望ましい。
【0045】この担体は、必要に応じて100〜100
0℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられ
る。また、微粒子状担体として用いられる有機化合物と
しては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1
- ペンテンなどの炭素原子数2〜14のα- オレフィン
を主成分として生成される(共)重合体、あるいはビニ
ルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される
重合体もしくは共重合体を例示することができる。
【0046】[有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)]メタロセン触媒の調製に用いられる有機アルミ
ニウムオキシ化合物触媒成分(b)の代表例は、アルミ
ノオキサンである。具体的には、式 −Al(R)O−[ただし、Rはアルキル基である] で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程度のメチル
アルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエ
チルアルミノオキサン等が用いられる。
【0047】このようなアルミノオキサンは、従来公知
の製造方法で調製することができ、少なくとも1種以上
のトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物と水との反応で得ることができる。具体的には、次
のようなアルミノオキサンの製造方法が挙げられる。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水とを反応させる方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を作用
させる方法。
【0048】これらの方法のうちでは、(1) の方法を採
用するのが好ましい。なお、アルミノオキサンは、アル
ミニウム以外の有機金属成分を少量含有していても差し
支えない。また回収された上記のアルミノオキサンの溶
液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸
留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0049】アルミノオキサンを調製する際に用いられ
る有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミ
ニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
等のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウム
クロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライ
ド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキ
シド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキ
ルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。これ
らの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアル
ミニウムおよびトリシクロアルキルアルミニウムが特に
好ましい。
【0050】[メタロセン化合物と反応してイオン性錯
体を形成することができる成分(c)]メタロセン化合
物(I)と併用することができる触媒成分として、さら
にメタロセン化合物と反応してイオン性錯体を形成する
ことができる成分(c)、たとえばUSP−54771
8号公報に記載されたルイス酸、イオン性化合物および
カルボラン化合物が挙げられる。ルイス酸としては、ト
リフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボ
ロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al2
O3、SiO2−Al2O3 などが例示できる。
【0051】イオン性化合物としては、トリフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェ
ロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
などが例示できる。
【0052】カルボラン化合物としては、ドデカボラ
ン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウ
ム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニ
ウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチル
アンモニウム(トリデカハイドライド-7- カルバウンデ
カ)ボレートなどが例示できる。
【0053】このようなメタロセン化合物と反応してイ
オン性錯体を形成する化合物成分(c)は、単独で、ま
たは2種以上混合して用いることができる。
【0054】[有機アルミニウム化合物触媒成分(d)]
メタロセン触媒の調製において必要に応じて用いられる
有機アルミニウム化合物触媒成分(d)としては、具体
的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチ
ルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニ
ウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが例示でき
る。
【0055】[メタロセン触媒の調製]本発明の中低圧法
エチレン・α−オレフィン共重合体[A]の調製の際に用
いられるメタロセン触媒は、好ましくは上述したメタロ
セン化合物(I)と、微粒子状担体(a)と、有機アル
ミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および/またはメ
タロセンと反応してイオン性錯体を形成する化合物成分
(c)、必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒成分
(V)とから構成される。
【0056】微粒子状担体(a)とメタロセン化合物
(I)および/または有機アルミニウムオキシ化合物触
媒成分(b)またはメタロセン化合物と反応してイオン
性錯体を形成する化合物成分(c)等の触媒成分を接触
させるには、たとえば不活性炭化水素溶媒中で微粒子状
担体(a)と、メタロセン化合物(I)および/または
有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および/
またはメタロセン化合物と反応してイオン性錯体を形成
する化合物成分(c)等の触媒成分とを混合する。
【0057】不活性炭化水素溶媒としては、具体的に
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化
水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロル
ベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン炭化水素;ある
いはこれらの混合物などが挙げられる。
【0058】上記のようなメタロセン触媒を調製する際
の微粒子担体(a)、メタロセン化合物(I)、有機ア
ルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および/または
メタロセン化合物と反応してイオン性錯体を形成する化
合物成分(c)、必要に応じて用いられる有機アルミニ
ウム化合物成分(d)等の触媒成分の接触順序は、任意
に選ばれるが、好ましくは微粒子担体(a)と、有機ア
ルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および/または
イオン化イオン性化合物触媒成分(c)等の触媒成分と
を混合接触させ、次いで、メタロセン化合物成分(I)
を混合接触させることが行なわれる。
【0059】有機アルミニウム化合物触媒成分(d)を
用いる場合、微粒子状担体(a)と有機アルミニウムオ
キシ化合物触媒成分(b)とを混合接触させ、次いで、
メタロセン化合物(I)を混合接触させ、さらに有機ア
ルミニウム化合物触媒成分(d)を混合接触させること
が行なわれる。
【0060】上記の各触媒成分を微粒子状担体に混合接
触させる際の各触媒成分は、たとえば次のような割合で
使用される。微粒子状担体(a)、メタロセン化合物
(I)および有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)を混合接触させるに際して、成分(I)は、微粒
子状担体(a)1g当たり、遷移金属原子に換算して通
常5×10-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2
×10-4モルの量で用いられ、成分(I)の濃度は、約
10-4〜2×10-2モル/リットル(溶媒)、好ましく
は2×10-4〜10-2モル/リットル(溶媒)の範囲で
ある。
【0061】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)は、成分(b)中のアルミニウム原子と成分
(I)中の遷移金属原子との原子比[Al/遷移金属]
が通常10〜500、好ましくは20〜200となるよ
うな量で用いられる。
【0062】また、有機アルミニウム化合物触媒成分
(d)を用いる場合、成分(b)は前記と同様の量で用
いられ、成分(d)は、成分(d)中のアルミニウム原
子と成分(b)中のアルミニウム原子との原子比[成分
(d)のAl/成分(b)のAl]が通常0.02〜
3、好ましくは0.05〜1.5となるような量で用い
られる。
【0063】イオン化イオン性化合物触媒成分(c)を
用いる場合、成分(c)は、成分(I)と成分(c)と
のモル比[成分(I)/成分(c)]が通常0.01〜
10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられ
る。
【0064】微粒子状担体(a)、メタロセン化合物
(I)および有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)、および/またはイオン化イオン性化合物触媒成
分(c)さらに必要に応じて用いられる有機アルミニウ
ム化合物(d)等の触媒成分を混合接触させる際の混合
温度は、通常−50℃〜150℃、好ましくは−20℃
〜120℃であり、接触時間は1分〜50時間、好まし
くは10分〜25時間である。
【0065】このようにして得られた固体触媒が、たと
えばメタロセン化合物(I)および有機アルミニウムオ
キシ化合物触媒成分(b)のほかに、有機アルミニウム
化合物触媒成分(d)を含んでいる場合、この固体触媒
は、微粒子状担体1g当たり成分(I)に由来する遷移
金属原子が5×10-6〜5×10-4グラム原子、好まし
くは10-5〜2×10-4グラム原子の量で担持され、微
粒子状担体1g当たり成分(b)および成分(d)に由
来するアルミニウム原子が10-3〜5×10-2グラム原
子、好ましくは2×10-3〜2×10-2グラム原子の量
で担持されていることが望ましい。
【0066】エチレン・α−オレフィン共重合体[A]の
製造に用いられる触媒は、上記のような微粒子状担体
(a)、メタロセン化合物(I)および有機アルミニウ
ムオキシ化合物触媒成分(b)、および/またはイオン
化イオン性化合物触媒成分(c)さらに必要に応じて用
いられる有機アルミニウム化合物(d)等の触媒成分の
存在下にオレフィンを予備重合させて得られる予備重合
触媒であってもよい。予備重合は、上記のような成分の
存在下、不活性炭化水素溶媒中にオレフィンを導入する
ことにより行うことができる。予備重合の際に用いられ
るオレフィンとしては、エチレン、プロピレンおよび1
−ブテン等の炭素数が3−20のα−オレフィンを例示
することができる。これらの中では、重合の際に用いら
れるエチレン或いはエチレンとα−オレフィンとの組み
合わせが特に好ましい。予備重合の方法としては従来公
知の方法を採用することができる。
【0067】[中低圧法エチレン・α−オレフィン共重
合体の調製]本発明で用いられる中低圧法エチレン・α-
オレフィン共重合体[A]は、たとえば上記のようなメ
タロセン化合物(I)を含むメタロセン触媒の存在下
に、気相、またはスラリー状あるいは溶液状の液相で種
々の条件で、エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレ
フィンとを共重合させることにより得ることができる。
【0068】スラリー重合法または溶液重合法において
は、不活性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン
自体を溶媒とすることもできる。スラリー重合法および
溶液重合法で用いられる不活性炭化水素溶媒としては、
具体的には、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油等の石
油留分などが挙げられる。これら不活性炭化水素溶媒の
うち、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、石油留分が好
ましい。
【0069】重合を実施する際には、上記のようなメタ
ロセン触媒は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度で、
通常10-8〜10-3グラム原子/リットル、好ましくは
10-7〜10-4グラム原子/リットルの量で用いられる
ことが望ましい。
【0070】また、重合に際して、担体に担持されてい
る有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
有機アルミニウム化合物触媒成分(d)に加えて、さら
に担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物触媒
成分(b)および/または有機アルミニウム化合物触媒
成分(d)を用いてもよい。この場合、担持されていな
い有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
/または有機アルミニウム化合物触媒成分(d)に由来
するアルミニウム原子(Al)と、メタロセン触媒成分
(A)に由来する遷移金属原子(M)との原子比[Al
/M]は、5〜300、好ましくは10〜200、さら
に好ましくは15〜150の範囲である。
【0071】スラリー重合法における重合温度は、通常
−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の範囲であ
り、溶液重合法における重合温度は、通常−50〜50
0℃、好ましくは0〜400℃の範囲である。また、気
相重合法における重合温度は、通常0〜120℃、好ま
しくは20〜100℃の範囲である。
【0072】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/cm2
、好ましくは2〜50kg/cm2 の加圧条件下であり、重
合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式におい
ても行なうことができる。
【0073】本発明においては、上記中低圧法エチレン
・α−オレフィン共重合体[A]の調製に際し、必要に応
じて(1)多段重合、(2) 液相と気相の多段重合、または
(3)液相での予備重合を行なった後に気相での重合を行
なう等の手段を採用することができる。この多段重合法
としては、例えば、下記の[a]および[b]の工程を含む
多段重合法が挙げられる。 [a]前記のメタロセン触媒の存在下に、エチレンと炭素
原子数4−12のα−オレフィンとを共重合させ、エチ
レン・α−オレフィン共重合体[a−1]を製造する工程 [b]上記共重合反応が行われる重合器とは異なる重合器
に置いて、前記メタロセン系オレフィン重合用触媒およ
び[a−1]の存在下に、エチレンと炭素原子数4−12
のα−オレフィンとを共重合させ、エチレン・α−オレ
フィン共重合体[a−2]を製造する工程
【0074】この多段重合法では、直列に結合した複数
の重合器を用いて、まず上記のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体[a−1]を製造し、次いでエチレン・α−オ
レフィン共重合体[a−1]の製造に用いた重合器とは異
なる重合器にエチレン・α−オレフィン共重合体[a−
1]を導入し、エチレン・α−オレフィン共重合体[a−
1]の存在下にエチレン・α−オレフィン共重合体[a−
2]を製造することができる。また、まずエチレン・α
−オレフィン共重合体[a−2]を製造し、次いでエチレ
ン・α−オレフィン共重合体[a−2]の製造に用いた重
合器とは異なる重合器にエチレン・α−オレフィン共重
合体[a−2]を導入し、エチレン・α−オレフィン共重
合体[a−2]の存在下にエチレン・α−オレフィン共重
合体[a−1]を製造することもできる。
【0075】また、複数の重合器を並列に結合し、各重
合器において、それぞれエチレン・α−オレフィン共重
合体[a−1]、[a−2]を製造し、次いで両共重合体を
ブレンドすることもできる。
【0076】本発明に用いる共重合体[A]は、示差走査
型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピー
ク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm3 )〕と
が、 Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0077】[高圧法ポリエチレン]本発明で用いられる
高圧法ポリエチレン[B]は、例えばエチレンを、100
0−2000気圧、200−300℃でラジカル重合し
て合成する、いわゆる高圧法で合成することができる。
本発明で用いられる高圧法ポリエチレン[B]は、MFR
(190℃)が好ましくは0.1ないし10g/10min、
特に好ましくは0.5ないし5.0g/10minで、密度が
好ましくは0.910ないし0.935g/cm3の範囲の
もので、特に好ましくは0.920ないし0.930g/
cm3のものである。なお、本発明でいう高圧法ポリエチ
レンとは、エチレンの単独重合体のみならず、本発明の
目的を損なわない範囲、例えば10重量%以下の少量の
他の重合性単量体、例えば酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル等とエチレンとの共重合体であっても良い。
【0078】本発明における共重合体[A]と高圧法ポリ
エチレン[B]との配合比は、[A]が100〜20重量
%、[B]が0〜80重量%であり、[A]90〜20重量
%、[B]10〜80重量%で有ることがより好ましい。
[A]が20重量%未満であると、繰り返し耐圧疲労強度
の改良効果が十分ではない。また通常灌水用チューブと
して用いるなら、共重合体[A]と高圧法ポリエチレン
[B]の比は20重量部対80重量部ないし60重量部対
40重量部で充分であるが、特に耐衝撃性、耐引き裂き
性、剛性等が要求される場合は、共重合体[A]の割合を
増加させることにより対応できる。
【0079】また上記組成物には、その特性を損なわな
い範囲で耐候安定剤、耐熱安定剤、防曇剤、アンチブロ
ック剤、スリップ剤、滑材、顔料、染料等を添加しても
良い。上記のような組成物を得るには、公知の種々の方
法がとり得る。たとえば各樹脂をリボンブレンダー、ヘ
ンシェルミキサーで混合後、押出機で造粒する方法、あ
るいは直接バンバリーミキサー、ニーダー、二本ロール
等で溶融混合後、押出機で造粒する方法等がある。ま
た、フィルム成形時に、共重合体[A]と高圧法ポリエチ
レン[B]を、上記リボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー等で混合後、フィルム成形機のホッパー等の原料供給
部に投入して、フィルム成形し、テープ状の該熱可塑性
樹脂組成物フィルムを直接得ても良い。
【0080】このような組成物を用いて灌水用チュー
ブ、即ち灌水用屈曲自在な構造物を得るには、たとえば
フィルムの長さ方向に多数の灌水用の孔(孔は丸孔、多
角孔あるいはスリット状孔等いかなる形状でも良い)を
設けたテープ状の前記組成物より成る連続フィルムより
成る連続フィルムとを2本重ねて積層し、該積層したテ
ープ状物を走行させながら、その幅方向両耳部を連続し
てヒートシールすることにより得られる。
【0081】また、たとえばフィルムの長さ方向に多数
の灌水用の孔(孔は丸孔、多角孔あるいはスリット状孔
等いかなる形状でも良い)を設けたテープ状の前記組成
物より成る連続フィルムと設けないテープ状の前記組成
物より成る連続フィルムとを積層し、該積層したテープ
状物を走行させながら、その幅方向両耳部を連続してヒ
ートシールすることにより得られる灌水用チューブはよ
り好ましい。
【0082】用いるフィルムの厚さは通常50−100
0μmであり、好ましくは150−500μmである。灌
水用の孔を所定の位置、所定の長さで設ける方法として
は、レーザー光を照射することによる方法、カッター刃
による方法、および熱針による方法等が挙げられる。ま
た灌水用孔の目詰まりを防ぐため、内層として透水性で
水不溶性のシート状物を用いる場合は、前記テープ状フ
ィルム積層時に、両テープ状フィルム間に、透水性で水
不溶性の不織布等の連続したテープ状物が位置するよう
に積層した後、該積層テープ状物の幅方向両耳部をヒー
トシールすることにより得られる。
【0083】このようにして得られる灌水用チューブ
は、ヒートシール性、ヒートシール強度に優れているた
め、繰り返し耐圧疲労強度に(1.2m長のチューブ
に、灌水圧力1.0kg/cm2で2分間通水した後2分間非
通水状態とし、前記通水−非通水サイクルを繰り返し、
何回目で該チューブが破損するかを見る方法)も優れて
いる。
【0084】また、ヒートシール部の耐クリープ性、衝
撃強度に優れ、破壊水圧が高く、より低密度でも強度が
保たれており、透明性に優れている。また従来の灌水チ
ューブを使用する際には、同時に農業用のマルチフィル
ムを使用している場合、灌水チューブとマルチフィルム
とが密着するという欠点があった。しかし本発明で、特
にエチレン・α−オレフィン共重合体[A]の含有割合を
増加させた灌水チューブの場合、使用時に他のフィルム
と密着を起こすことがなく、作業性に優れるという特徴
を持つ。
【0085】本発明の灌水用チューブすなわち灌水用屈
曲自在の構造物は、水だけでなく、液状肥料、水溶性殺
虫剤、殺ダニ剤、水溶性殺カビ、殺ウイルス剤、水溶性
除草剤、防塵剤、その他の薬剤を含有する撤水もしくは
灌水を行うことができ、またさらに比較的浅い土中での
地中灌水も可能な広い適用範囲性を有する。
【0086】なお、チューブ内での生物の繁殖による目
詰まりを防止するために、着色することにより可視光線
を遮断することが好適である。着色するためにはカーボ
ンブラックを用いることが好適である。カーボンブラッ
クは、[A]成分である中低圧法エチレン・α−オレフィ
ン共重合体と、[B]成分である、高圧法ポリエチレンの
合計量100重量部に対して、1−10重量部、好まし
くは2−6重量部の割合で用いられる。
【0087】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0088】なお、参考例、実施例および比較例におい
て共重合体の基礎物性、およびフィルムの物性評価は、
下記のようにして行なった。 (1)密度 共重合体の密度は、190℃における2.16kg荷重で
のメルトフローレート(MFR)測定時に得られるスト
ランドを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温
まで徐冷した後、密度勾配管で測定した。 (2)メルトフローレート(MFR) 共重合体のメルトフローレートは、ASTM D 123
8(190℃、荷重2.16kg)に従って測定した。 (3)繰り返し耐圧疲労強度 1.2m長のチューブに、灌水圧力1.0kg/cm2で、3
5℃の水を2分間通水した後2分間非通水状態とし、前
記通水−非通水サイクルを繰り返し、何回目で該チュー
ブが破損するかを見る方法 (4)引っ張りクリープ ASTM−D2990,2991の方法に準じ、サンプ
ル幅15mm(引っ張り方向の中央部に幅方向のヒートシール部
を含む)、荷重1.5kg、温度40℃とし、切断までの時
間を測定した。 (5)ヒートシール強度 ヒートシール条件は、温度220℃、圧力2kg/cm2、加
圧時間2secで行い、幅15mmの試験片を引っ張り速度
200mm/minにおいて、引っ張り剥離または切断強度を
測定した。 (6)エルメンドルフ引裂強度 エルメンドル引裂強度は、ASTM−D1922に準拠
して、原反フィルムの MD方向およびTD方向につい
て引裂強度試験を行なって求めた。
【0089】
【参考例1】 [メタロセン触媒の調製]250℃で10時間乾燥したシ
リカ10kgを154リットルのトルエンで懸濁状にした
後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノオキサ
ンのトルエン溶液(Al;1.33モル/リットル)5
7.5リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温
度を0℃に保った。引続き0℃で30分間反応させ、次
いで、1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で
20時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄液を
デカンテーション法により除去した。
【0090】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン100リットルで再懸濁
化した。この系内へビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶
液(Zr;27.0ミリモル/リットル)16.8リッ
トルを80℃で30分間かけて滴下し、更に80℃で2
時間反応させた。その後、上澄液を除去し、ヘキサンで
2回洗浄することにより、1g当り3.5mgのジルコニ
ウムを含有する固体触媒を得た。
【0091】[予備重合触媒の調製]2.5モルのトリイ
ソブチルアルミニウムを含有する87リットルのヘキサ
ンに、上記で得られた固体触媒870gおよび1-ヘキセ
ン260gを加え、35℃で5時間エチレンの予備重合
を行なうことにより、固体触媒1g当り10gのポリエチ
レンが予備重合された予備重合触媒を得た。 [重合]連続式流動床気相重合装置を用い、上記予備重合
触媒の存在下に、エチレンと1-ヘキセンとの共重合を行
なってエチレン・1-ヘキセン共重合体を得た。
【0092】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が8.4重量%であ
り、密度が0.921g/cm3 であり、メルトフローレー
ト(MFR;ASTM D 1238−65T,190
℃、荷重2.16kg)が2.1g/10minであり、GPC
において測定した分子量分布(Mw/Mn)が2.0で
あった。
【0093】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が116℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.22重量%であった。
【0094】この共重合体(以下、A−1と略す場合が
ある)についてGPC−IR分析で測定した上述のB1
は14.2/1000C(炭素原子1000個当たり
14.2)であり、B2 は13.8/1000Cであ
った。
【0095】
【参考例2】連続式流動床気相重合装置を用い、上記参
考例1に記載の予備重合触媒の存在下に、エチレンと1-
ヘキセンとの共重合を行なってエチレン・1-ヘキセン共
重合体を得た。
【0096】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が9.9重量%であ
り、密度が0.915g/cm3 であり、メルトフローレー
ト(MFR;ASTM D 1238−65T,190
℃、荷重2.16kg)が2.2g/10minであり、GPC
において測定した分子量分布(Mw/Mn)が2.1で
あった。
【0097】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が108℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.33重量%であった。
【0098】この共重合体(以下、A−2と略す場合が
ある)についてGPC−IR分析で測定した上述のB1
は16.7/1000Cであり、B2 は16.3/1
000Cであった。
【0099】
【参考例3】2器の連続式流動床気相重合装置を直列に
結合した装置を用い、上記参考例1に記載の予備重合触
媒の存在下に、エチレンと1-ヘキセンとの共重合を行な
ってエチレン・1-ヘキセン共重合体(A−3)を得た。
【0100】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が8.7重量%であ
り、密度が0.920g/cm3 であり、メルトフローレー
ト(MFR;ASTM D 1238−65T,190
℃、荷重2.16kg)が2.0g/10minであり、GPC
において測定した分子量分布(Mw/Mn)が3.2で
あった。
【0101】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が114℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.29重量%であった。
【0102】この共重合体についてGPC−IR分析で
測定した上述のB1 は 15.0/1000Cであ
り、B2 は13.4/1000Cであった。
【0103】
【参考例4】チーグラー型Ti系重合触媒(マグネシウ
ム担持Ti系触媒およびアルキルアルミニウム)の存在
下に、エチレンと4-メチル-1- ペンテンとの共重合を行
なってエチレン・4-メチル-1- ペンテン共重合体(A−
4)を得た。
【0104】上記のようにして得られたエチレン・4-メ
チル-1- ペンテン共重合体は、4-メチル-1- ペンテン含
量が7.3重量%であり、密度が0.920g/cm3 であ
り、メルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8−65T,190℃、荷重2.16kg)が2.0g/10
minであり、GPCにおいて測定した分子量分布(Mw
/Mn)が3.6であった。
【0105】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が122℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が8.5重量%であった。
【0106】この共重合体についてGPC−IR分析で
測定した上述のB1 は10.3/1000Cであり、
B2 は13.9/1000Cであった。
【0107】高圧法ポリエチレン[B]成分 MFR0.5g/10分の高圧法ポリエチレン(密度:
0.926g/cm3)(ミラソンACE30N、三井ポリ
ケミカルKK、登録商標)を用いた。
【0108】
【実施例1】製造例1で得られた中低圧法エチレン・1
−ヘキセン共重合体(A−1)のフィルム(幅42mm、
厚さ0.2mm)で、フィルムの長さ方向に灌水用スリッ
トを穿設したものと、穿設しないものとの間に、熱可塑
性合成繊維からなる不織布の連続したテープ状物が位置
するように、これらのフィルムを走行させながら、連続
的に積層し、該積層フィルムを走行させながら、その幅
方向両端縁部を連続的にヒートシールして、灌水用屈曲
自在の構造物を得た。この構造物を用いて繰り返し耐圧
疲労強度試験および引っ張りクリープ試験を行った。結
果を第1表に示す。また、原反フィルムの引き裂き強
度、ヒートシール強度の試験結果を第1表に併記する。
【0109】
【実施例2】製造例1で製造した中低圧法エチレン・1
−ヘキセン共重合体(A−1)と、MFR0.5g/10mi
nの高圧法ポリエチレン(B)を(A−1)/(B)が
50/50の比率となるように二軸押し出し機を用いて
溶融混練し、ペレット化した。このペレットを用いてフ
ィルムを成形し、実施例1と同様に評価を行った。結果
を第1表に示す。
【0110】
【実施例3】実施例2において、A−1/Bの比率が3
0/70になるようにした以外は、実施例2と同様に行
った。結果を第1表に示す。
【0111】
【実施例4】製造例2で製造した中低圧法エチレン・1
−ヘキセン共重合体(A−2)を用いて、実施例1と同
様に行った。結果を第1表に示す。
【0112】
【実施例5】製造例2で製造した中低圧法エチレン・1
−ヘキセン共重合体(A−2)を用いて、実施例3と同
様に行った。結果を第1表に示す。
【0113】
【実施例5】実施例3において、A−1の替わりに製造
例3で製造した中低圧法エチレン・1−ヘキセン共重合
体(A−3)を用いて、実施例3と同様に行った。結果
を第1表に示す。
【0114】
【比較例1】製造例3で製造した中低圧法エチレン・4
−メチルペンテン−1共重合体(A−4)を用いた以外
は、実施例1と同様に行った。結果を第1表に示す。
【0115】
【比較例2】実施例3において、A−1のかわりにA−
4を用いた以外は、実施例3と同様に行った。結果を第
1表に示す。
【0116】
【比較例3】MFR0.5g/10minの高圧法ポリエチレ
ン(B)を用いて、実施例1と同様に行った。結果を第
1表に示す。
【0117】
【表1】
【0118】(7)農業用マルチフィルムとの密着性評
価 農業用マルチフィルムとして、以下のものを用いた。あ
る年の6月に、畝を有する畑において、畝の中央部に本
発明の灌水チューブを設置し、その上に厚さ30μmの
農業用透明マルチフィルム(高圧法ポリエチレンからな
る)をかぶせて用い、メロンのトンネル栽培を行った。
1週間毎に灌水を行い、その際に灌水チューブとマルチ
フィルムが密着しているかどうかを調べ、○、△、×で
密着の度合いおよび灌水ムラについて目視で評価した。 ○ 密着なし、灌水ムラなし △ 密着有り、灌水ムラやや有り × 密着有り、灌水不能(密着により灌水孔がふさがっ
て灌水できない状態)
【0119】
【表2】 *)該灌水用チューブの使用を中止した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さ方向に沿って延びた少なくとも1箇所
    の連続したヒートシール部を有し、かつ長さ方向に適切
    な間隔をおいて配置された多数の灌水用孔を有し、通水
    時は膨張して円筒形状を呈するが非通水時は偏平とな
    る、熱可塑性樹脂製灌水用チューブにおいて、該熱可塑
    性樹脂が、 [A](i)メルトフローレートが0.01〜10g/10mi
    n、(ii)密度が0.880〜0.940g/cm3であり、(i
    ii)GPCにおいて測定した重量平均分子量Mwと数平均
    分子量Mnの比Mw/Mnが1.5〜3.5の範囲にあ
    り、(iv)23℃におけるn-デカン可溶部(W:重量%)
    と密度(d:g/cm3)とが、 【数1】 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 で示される関係を満たし、(v)GPC−IRによる高分
    子量側の分岐数の平均値をB1、低分子量側の分岐数の
    平均値をB2とするとき、B1≧B2である、エチレンと
    炭素原子数4から12のα−オレフィンとからなる中低
    圧法エチレン・α−オレフィン共重合体100〜20重
    量%と、 [B]高圧法ポリエチレン0〜80重量%とからなること
    を特徴とする灌水用チューブ。
  2. 【請求項2】[A]成分の密度が、 0.900 g/cm3 以
    上 0.930 g/cm3 以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の灌水用チューブ。
  3. 【請求項3】[A]成分がメタロセン触媒により得られた
    ものであることを特徴とする請求項1および2に記載の
    灌水用チューブ。
  4. 【請求項4】メタロセン触媒の成分として使用されるメ
    タロセン化合物(I)が、下記一般式[1]または[2]で
    表されるメタロセン化合物であることを特徴とする、請
    求項3に記載の灌水用チューブ。 【化1】MK(L1)X-2 … [1] [式中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属で
    あり、KおよびL1は遷移金属原子に配位する配位子で
    あり、配位子Kは同一または異なったインデニル基、置
    換インデニル基またはその部分水添加物が低級アルキレ
    ン基、または置換シリレン基を介して結合した2座配位
    子であり、配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水素
    基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
    リアルキルシリル基または水素原子であり、Xは遷移金
    属原子Mの原子価である。] 【化2】M(L2)X [2] [式中、Mは周期律表第VIB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、L2は遷移金属原子Mに配位する配位子で
    あり、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、シ
    クロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
    基、エチルシクロペンタジエニル基又は炭素数3〜10
    の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有
    する置換シクロペンタジエニル基であり、置換シクロペ
    ンタジエニル基以外の配位子L2は、炭素原子数1〜1
    2の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリ
    アルキルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であ
    り、Xは遷移金属原子Mの原子価である。]
  5. 【請求項5】[B]成分の高圧法ポリエチレンの密度が、
    0.910〜0.935g/cm3であることを特徴とす
    る、請求項1から4に記載の灌水用チューブ。
  6. 【請求項6】灌水用チューブが、内外二層からなり、内
    層が外層の内側に位置し、かつ外層に固定された透水性
    で水不溶性のシート状物からなる屈曲自在の内層である
    ことを特徴とする、請求項1から5に記載の灌水用チュ
    ーブ。
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