JPH0997937A - レーザ反射鏡の製造方法 - Google Patents

レーザ反射鏡の製造方法

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JPH0997937A
JPH0997937A JP25374195A JP25374195A JPH0997937A JP H0997937 A JPH0997937 A JP H0997937A JP 25374195 A JP25374195 A JP 25374195A JP 25374195 A JP25374195 A JP 25374195A JP H0997937 A JPH0997937 A JP H0997937A
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JP
Japan
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film
laser
molybdenum
reflecting mirror
sputtering
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Withdrawn
Application number
JP25374195A
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English (en)
Inventor
Takeshi Okada
岡田  健
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実使用上において、レーザパワーの吸収損失
と、それによる反射面の熱歪みが引起こす集光特性の低
下が問題とならない2.0%以下のレーザ光吸収率を達
成することができるレーザ反射鏡の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 反射鏡基板上に反射膜としてモリブデン
膜をコーティングする際に、スパッタ法を用いる。その
際、投入電力が1.5kW以上で、かつガス圧が1.0
mTorr以下の条件下でスパッタを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ反射鏡の製
造方法に関し、特に、CO2 レーザ、COレーザなどの
赤外レーザ装置に利用されるレーザ反射鏡の製造におい
て、反射膜としてのモリブデン膜をより緻密にし、吸収
のより少ない反射鏡を製造するための方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】レーザ用反射鏡の製造方法として、反射
鏡基板上にモリブデン薄膜を形成する方法がある。特公
平7−15523号公報は、精密加工された反射鏡基板
上にCO2 レーザ用反射鏡の反射膜としてモリブデン膜
を形成し、反射鏡を得ることを開示する。同公報におい
て、モリブデン薄膜は、イオンプレーティング法により
作製されている。
【0003】レーザ用の反射膜は、レーザで用いられる
波長の光に対して吸収率を極力抑えることが重要であ
る。たとえば、炭酸ガスレーザの場合、波長10.6μ
mの光に対する反射膜の吸収率が問題となる。この光に
対する単体モリブデンの理論的予想吸収率は1.5%で
ある。また、実際の使用に関しては、2.0%程度以下
の吸収率を満足する必要があると考えられる。従来の蒸
着法により作製されたモリブデン膜の吸収率は8%程度
の高い値であり、炭酸ガスレーザ用の反射膜の吸収率が
低い値を達成するための製造方法が確立していなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のモリブデン反射
膜の、炭酸ガスレーザ波長10.6μm光に対する吸収
率は、上述した理論的予測吸収率1.5%よりも大きな
値を示していた。そのため、レーザパワーの吸収損失
と、それによる反射面の熱歪みが引起こす集光特性の低
下が問題であった。そして、反射膜のレーザ光に対する
吸収率を2.0%以内で、できるだけ低く抑えることが
望まれていた。
【0005】本発明の目的は、反射膜としてモリブデン
膜を用いたレーザ反射鏡において、レーザ光に対する吸
収率を2.0%以内でできるだけ低く抑えることのでき
る反射鏡を製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従うレーザ反射
鏡の製造方法は、反射鏡基板上にモリブデン膜を形成し
て反射膜とするレーザ反射鏡の製造方法であり、モリブ
デン膜をスパッタ法で形成する工程を備え、スパッタ法
における投入電力が1.5kW以上であり、かつガス圧
が1.0mTorr以下であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、モリブデン薄膜形成
のため、スパッタ法を用いる。スパッタ法は、蒸着法、
イオンプレーティング法などの他の薄膜製造方法と異な
り、コーティング粒子の大部分を、10eV程度の運動
エネルギーを持つ粒子として基板へ衝突、付着させるこ
とができる。このためスパッタ法は、蒸着法、イオンプ
レーティング法などの方法と比較して、相対的に緻密な
膜組織を形成することができる。緻密な膜組織とするこ
とで、吸収の少ない反射膜を得ることができる。
【0008】本発明におけるスパッタ法として、好まし
くはマグネトロンスパッタ法を用いることができる。こ
れは、モリブデン膜を反射鏡基板にコーティングする際
に、高速であること、および1度に多数の基板を同時に
処理することができることによる。しかし、本発明にお
けるスパッタ法には、マグネトロンスパッタ法以外に、
イオンビームスパッタ法、コンベンショナルスパッタ法
なども適用され得る。
【0009】本発明では、反射鏡基板上に、スパッタ法
によりモリブデン薄膜を形成する。反射鏡基板材料とし
ては、銅、硅素、炭化硅素、アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金等が用いられる。モリブデン膜のコーティン
グ自体は、あらゆるタイプの反射鏡基板に対して適用可
能である。モリブデン膜を堆積させる基板面は、たとえ
ば超精密切削加工または研磨加工により鏡面仕上げされ
ている。
【0010】本発明では、スパッタ時の投入電力を高く
することにより、より緻密な膜組織の形成を達成するこ
とができる。これは、投入電力が高いほど、モリブデン
原料から反射鏡基板に向かって飛来する、スパッタされ
たモリブデン粒子の運動エネルギーが増大することによ
る。この運動エネルギーの増大により、緻密な膜組織が
形成される。このような観点において、本発明では、ス
パッタ法において1.5kW以上、好ましくは1.5〜
2.5kWの投入電力が用いられる。
【0011】一方、スパッタ時のガス圧を低くすること
により、さらに緻密な膜組織の形成が達成される。これ
は、ガス圧が低いほど、モリブデン原料から反射鏡基板
に向かって飛来する、スパッタされたモリブデン粒子の
ガス分子による散乱確率が低減するためである。ガス圧
を低く設定することで、スパッタ直後のモリブデン粒子
が持つ高い運動エネルギーを基板衝突まで保持できる確
率が高くなり、その結果、緻密なモリブデン膜組織が形
成される。このような観点において、本発明では、スパ
ッタ法において1.0mTorr以下、好ましくは0.
24〜1.0mTorrのガス圧を用いている。
【0012】このようにして、緻密な膜組織を形成する
ことにより、膜表面での光学応答が理論予想に近づき、
吸収の小さい反射鏡を製造することができる。
【0013】本発明において形成するモリブデンの膜厚
は0.1μm以上が好ましい。膜厚が0.1μm以上と
なれば吸収率は膜厚には依存しない。反射鏡基板上に堆
積させるモリブデン膜の厚みとして、たとえば0.1〜
20μmを設定することができる。本発明が適用される
レーザ反射鏡のタイプは、たとえば集光光学系に用いら
れる平面鏡または放物面鏡などの非球面鏡がある。
【0014】
【実施例】ダイヤモンド切削法によって無酸素銅板に鏡
面加工を施し、直径1〜4インチの円形で平板の反射鏡
基板を準備した。この反射鏡基板に、マグネトロンスパ
ッタ法によってモリブデンを1.0μmの厚さでコーテ
ィングした。この際、スパッタガスにはアルゴンを使用
した。スパッタ時の反射鏡基板温度は、間接水冷を実施
することによって30〜50℃に保たれた。また、スパ
ッタ法の放電形式に関しては、RF方式よりも成膜速度
が速いという理由からDC方式を採用した。
【0015】これらの条件下で、投入電力およびアルゴ
ンガス圧を変化させてモリブデン膜をコーティングし
た。このようにして作製したモリブデン膜の、炭酸ガス
レーザ波長10.6μmに対する吸収率を、レーザカロ
リメトリ法によって測定した。それらの結果を図1およ
び図2に示す。
【0016】図1は、アルゴンガス圧が一定の1.0m
Torrの条件下で、投入電力を変化させて作製したモ
リブデン膜のレーザ光に対する吸収率を示す。この図か
ら、投入電力の増大に従って吸収率が低減していること
がわかる。投入電力1.5kWの場合の吸収率は約2.
0%であり、1.5kWよりも大きい投入電力において
は2.0%より低い吸収率を示した。
【0017】図2は、投入電力1.0kW、1.5k
W、2.0kWで、アルゴンガス圧を変化させた場合の
モリブデン膜のレーザ光に対する吸収率を示す。投入電
力1.5kWにおいて、ガス圧が1.0mTorrより
も大きい場合には吸収率は2.0%よりも大きい値であ
った。反対に、投入電力1.5kWにおいて、ガス圧が
1.0mTorr以下の場合には吸収率は2.0%以下
と小さい値を示した。図1から、ガス圧が一定の場合に
は、投入電力が大きいほど吸収率の値が小さくなること
が示されている。しかし図2から、投入電力が2.0k
Wと大きい場合でも、1.5mTorrより高いガス圧
で作製されたモリブデン膜の吸収率は、2.0%よりも
大きくなることがわかる。
【0018】したがって、これらの結果から、実際の使
用に関して問題とならない2.0%以下という吸収率を
達成するためには、モリブデン膜作製時の投入電力が
1.5kW以上で、かつアルゴンガス圧が1.0mTo
rr以下という条件を満たす必要があることがわかる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、レーザ
反射鏡の製造方法に関し、レーザ光に対する吸収率の低
いモリブデン膜をコーティングする手法を確立するもの
である。そして、本発明のレーザ反射鏡の製造方法によ
れば、モリブデン膜を用いる反射鏡において、レーザ光
に対し、実際の使用上要求される2.0%以下の吸収率
を示す反射鏡を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って作製したモリブデン膜の、レー
ザ光に対する吸収率におけるスパッタ投入電力依存性を
示す図である。
【図2】本発明に従って作製したモリブデン膜の、レー
ザ光に対する吸収率におけるスパッタガス圧依存性を示
す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射鏡基板上にモリブデン膜を形成して
    反射膜とするレーザ反射鏡の製造方法であって、 前記モリブデン膜をスパッタ法で形成する工程を備え、 前記スパッタ法における投入電力が1.5kW以上であ
    り、かつ前記スパッタ法におけるガス圧が1.0mTo
    rr以下であることを特徴とするレーザ反射鏡の製造方
    法。
JP25374195A 1995-09-29 1995-09-29 レーザ反射鏡の製造方法 Withdrawn JPH0997937A (ja)

Priority Applications (1)

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JP25374195A JPH0997937A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 レーザ反射鏡の製造方法

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JPH0997937A true JPH0997937A (ja) 1997-04-08

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