JPH0996537A - 経路探索装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 探索地図の読み込み処理と探索処理の大半を
並列に処理して探索時間を削減する。 【構成】 探索地図の地域ユニットごとに代表点を設定
し、その点からあらかじめ探索させて周辺の地域ユニッ
ト番号を記録させた周辺情報付き探索地図１０４と、探
索開始地点が決定したとき、その探索開始地点を含む地
域ユニットの周辺情報から周辺の地域ユニットを予想し
て、探索メモリ１０３に格納する処理と探索手段１０１
が実行する探索処理とを同時に実行できるようにする先
読み機能付き探索地図読み込み手段１０２を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主にカーナビゲーショ
ン分野で使用される経路探索装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、経路探索装置は主にカーナビゲー
ション分野で使用されている。図５は従来の経路探索装
置の構成を示すものである。図５において、５１は探索
手段、５２は探索地図読み込み手段、５３は探索メモ
リ、５４は探索地図である。図６は従来の経路探索装置
の探索領域の広がり方を説明する模式図であり、経路地
図全体のある領域を示している。各正方形は分割された
地域ユニットを示しており、その左上の数字は、地域ユ
ニット番号を示している。地域ユニット番号７、８、
９、１２、１３、１４、１７、１８、１９については、
道路、交差点を示している。点が交差点であり、点を接
続しているのが道路である。地域ユニット１３の×印は
経路探索開始地点を示している。各交差点の小さい数字
は経路探索開始地点からのコストを示している。

【０００３】以上のように構成された経路探索装置につ
いて、以下その動作を説明する。探索手段５１は、経路
探索開始地点を含む地域ユニットを経路地図読み込み手
段５２に要求する。経路探索手段５２は、該当する探索
ユニットを探索地図５４から検索し、探索メモリ５３に
格納する。図６では×印の位置が経路探索開始地点なの
で、地域ユニット１３が最初に探索メモリ５３に格納さ
れる。一度に探索メモリ５３に経路地図全体を格納しな
い理由は、全国レベルの経路地図は大容量となり、探索
メモリ５３に格納できないからである。一般に、探索地
図は、ＣＤ−ＲＯＭやハードディスク等の大容量記憶装
置に記憶し、必要な領域のみ探索メモリ５３に格納す
る。経路探索方法として、ダイクストラ法を使用する
と、経路探索開始地点から最短のノードを次々に探索し
ていく。探索が地域ユニットの端にあるノードまで広が
ったとき、探索手段５１は、隣接する地域ユニットを経
路地図読み込み手段５１に要求する。探索地図読み込み
手段５１は、探索地図５４から該当する地域ユニットを
探索し、探索メモリ５３に格納する。探索手段５１は、
目的地に探索済み範囲が広がるまで探索を継続し、最短
経路の結果を出力する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では、探索手段５１の探索が地域ユニットの境界の
ノードまで到達しないと、次に探索メモリ５３に格納す
べき探索地図５４の地域ユニットが分からないため、探
索手段５１の探索処理と探索地図読み込み手段５１の読
み込み処理が逐次的にしかできず、上記２つの処理を並
列に実行できないので、探索時間が多くかかるという課
題を有していた。

【０００５】本発明の第１の目的は、上記従来技術の課
題を解決するものであり、上記２つの探索処理と探索地
図読み込み処理を並列に実行し、探索時間の削減する経
路探索装置を提供することである。

【０００６】本発明の第２の目的は、第１の目的に加
え、読み込むべき地域ユニットの予想精度を向上させる
経路探索装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１の目的を達成するた
めに、本発明は、経路探索したい領域が適当な大きさの
番号付けされた地域ユニットに分割され、各地域ユニッ
トは各道路のコスト情報、道路と交差点で構成されるグ
ラフ情報と各地域ユニットの代表地点から探索して少な
いコストで到達できる地域ユニットの順番を記憶してい
る周辺情報付き探索地図と、探索中の複数の地域ユニッ
トを記憶している探索メモリと、探索メモリの情報を見
て、ある地点から近距離にある経路を探索し続け、地域
ユニットの境界地点に探索範囲が及んだとき、隣接する
地域ユニットも探索範囲に加えて探索し、目的となる地
点までの最短経路を探索する探索手段と、探索手段が探
索開始地点を含む探索地図の該当する地域ユニットを探
索メモリに格納することを要求したとき、該当する地域
ユニットのみでなく、探索地図の周辺情報から周辺の地
域ユニット情報を探索手段の処理と並列に探索手段が探
索する地域ユニットを予想して先読みする先読み機能付
き探索地図読み込み手段とを備えたものである。

【０００８】第２の目的を達成するために、本発明は、
周辺情報付き探索地図が、地域ユニットをさらに分割し
た領域の中で代表点をもち、各代表点が周辺情報をも
ち、先読み機能付き探索地図読み込み手段が、探索開始
地点から最近距離の代表点がもつ周辺情報を使用して地
域ユニットの先読みを実行するようにしたものである。

【０００９】

【作用】本発明は第１の目的を達成する上記構成によっ
て、探索手段が、探索メモリの情報を利用し、ある地点
から近距離にあるノードを探索し続け、地域ユニットの
境界地点に探索範囲が及んだとき、隣接する地域ユニッ
トも探索範囲に加えて探索し、目的となる地点までの最
短経路を探索する処理と、先読み機能付き探索地図読み
込み手段が、探索手段が探索開始地点を含む探索地図の
該当する地域ユニットを探索メモリに格納することを要
求したとき、該当する地域ユニットのみでなく、探索地
図の周辺情報から周辺の地域ユニット情報を予想して先
読みする処理とを同時に実行することができ、探索時間
を削減することができる。

【００１０】本発明は第２の目的を達成する上記構成に
よって、探索手段が、探索開始地点を含む探索地図の該
当する地域ユニットを探索メモリに格納することを要求
したとき、先読み機能付き探索地図読み込み手段が、地
域ユニットをさらに分割した領域の中で代表点をもち、
かつ各代表点が周辺情報をもつ周辺情報付き探索地図を
検索し、探索開始地点を含む領域の周辺情報から周辺の
地域ユニット情報を予想するので、精度の高い先読み処
理を実行することができる。

【００１１】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第１の実施例について図面
を参照しながら説明する。図１は本発明の第１の実施例
における経路探索装置の構成を示すものである。図１に
おいて、１０１は探索手段、１０２は先読み機能付き探
索地図読み込み手段、１０３は探索メモリ、１０４は周
辺情報付き探索地図である。図２は本実施例における経
路探索装置の代表点の取り方の説明図である。図３は本
実施例における経路探索装置の探索地図の周辺情報の説
明図である。

【００１２】図３は図６と同様に、経路地図全体のある
領域を示している。各正方形は分割された地域ユニット
を示しており、その左上の数字は、地域ユニット番号を
示している。地域ユニット番号７、８、９、１２、１
３、１４、１７、１８、１９については、道路、交差点
を示している。点が交差点であり、点を接続しているの
が道路である。地域ユニット１３の×印は経路探索開始
地点を示している。各交差点の小さい数字は経路探索開
始地点からのコストを示している。

【００１３】以上のように構成された経路探索装置につ
いて、図１から図３を用いてその動作を説明する。ま
ず、図１の周辺情報付き探索地図１０４の周辺情報を作
成するための代表点の取り方について、図２を参照して
説明する。代表点とは探索ユニットのノードつまり交差
点を代表する点で、図２では経路ユニットの中心点であ
る。中心点からある半径の円内にある道路を検索し、中
心点からその道路に下ろした垂線との交点を隣接点とす
る。隣接点は複数個あってもよいが、本実施例では、図
２のように隣接点が１個の場合について説明する。隣接
点を探索開始地点として、ダイクストラ法による経路探
索を実行する。ダイクストラ法では、隣接地点から近距
離にあるノードを探索済みノードとして、徐々に探索を
拡げていく。探索した範囲が周辺情報として記録したい
地域ユニットに到達したとき、探索を終了させる。

【００１４】図３は地域ユニット１３に関する探索結果
を示している。周辺情報として格納する地域ユニットの
個数を６個とすると、近い地域ユニットから順番に地域
ユニットの番号は１４、８、１２、１８、１７、１９で
あり、到達距離は順番に６、７、８、９、１４、１６と
なる。この地域ユニットの番号列を地域ユニット１３に
探索地図の一部に周辺情報として記録しておく。同様に
してすべての地域ユニットに周辺情報を求め、探索地図
に記録する。

【００１５】以下、探索方法について説明する。探索手
段１０１は、探索開始地点を含む探索地図の地域ユニッ
トを先読み機能付き探索地図読み込み手段１０２に要求
する。先読み機能付き探索地図読み込み手段１０２で
は、該当する地域ユニットを周辺情報付き探索地図１０
４から検索し、探索メモリ１０３に格納し、読み込みが
終了したことを探索手段１０１に知らせる。この処理
後、周辺情報に記録してある地域ユニットを周辺情報付
き探索地図１０４から探索し、探索メモリ１０３に格納
する処理を継続する。探索手段１０１は、先読み機能付
き探索地図読み込み手段１０２から地域ユニットの読み
込みが終了した時点で探索処理を開始する。探索手段１
０１の探索範囲が広がり、新しい地域ユニットを先読み
機能付き探索地図読み込み手段１０２に要求したとき、
先読み機能付き探索地図読み込み手段１０２は、すでに
先読みした地域ユニットであれば、読み込みの終了通知
を探索手段１０１に返し、読み込んでなければ要求され
た地域ユニットの読み込み処理を優先して実行し、先読
みが済んでいない地域ユニットの読み込み処理を実行す
る。読み込み時、探索メモリ１０３のメモリ記憶容量の
上限を越えたとき、探索済みの地域ユニットまたは先読
みした地域ユニットで不要な地域ユニットを削減してか
ら探索メモリ１０３に新しい地域ユニットを読み込む。

【００１６】以上のように、本実施例によれば、周辺情
報付き探索地図１０４と先読み機能付き探索地図読み込
み手段１０２を設けることにより、読み込まれるべき地
域ユニットを予想した先読み処理と探索処理を並列に実
行することができるので、探索時間を削減することがで
きる。

【００１７】（実施例２）次に、本発明の第２の実施例
について図面を参照しながら説明する。本実施例におけ
る経路探索装置の構成は、図１に示した第１の実施例と
同じであるが、先読み機能付き探索地図読み込み手段１
０２の動作と、周辺情報付き探索地図１０４の構成が若
干異なる。

【００１８】図４は本発明の第２の実施例における経路
探索装置の周辺情報付き探索地図１０４の代表点の説明
図である。図４において、地域ユニットを４個の領域に
分割し、各領域の代表点として、各領域の中心点を選択
している。それぞれの中心点に対して探索処理を実行
し、近い地域ユニット番号の列を周辺情報付き探索地図
１０４に記憶する。

【００１９】以下、本実施例の動作について説明する。
先読み機能付き探索地図読み込み手段１０２は、探索開
始地点を含む地域ユニットの読み込み要求を受けたと
き、探索開始地点を含む地域ユニットに分割された領域
の周辺情報を参考して地域ユニットの先読み処理を実行
する。その他の動作は第１の実施例と同様である。

【００２０】以上のように、地域ユニットをさらに分割
した領域の中で代表点をもち、各代表点が周辺情報をも
つ周辺情報付き探索地図１０４と、探索開始地点から最
近距離の代表点がもつ周辺情報を使用して地域ユニット
の先読みを実行する先読み機能付き探索地図読み込み手
段１０２とを設けることにより、予測精度の高い地域ユ
ニットの先読みを実行することができる。

【００２１】また、本実施例では代表点を中心点とした
が、代表点を地域ユニットのノードの重心としてもよ
い。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、本発明の第１の効果は、
周辺情報付き探索地図と先読み機能付き探索地図を設け
ることにより、探索処理と探索地図の地域ユニット読み
込み処理を同時に実施して、探索時間を削減することが
できる優れた経路探索装置を実現できることである。

【００２３】本発明の第２の効果は、第１の効果に加え
て、地域ユニットをさらに分割した領域の中で代表点を
もち、各代表点が周辺情報をもつ周辺情報付き探索地図
を設けることにより、先読みする探索地図の地域ユニッ
トの予測精度を高めることができることである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における経路探索装置の
構成を示すブロック図

【図２】本発明の第１の実施例における経路探索装置の
代表点の取り方を説明する模式図

【図３】本発明の第１の実施例における経路探索装置の
探索地図の周辺情報を説明する模式図

【図４】本発明の第２の実施例における経路探索装置の
周辺情報付き探索地図の代表点を説明する模式図

【図５】従来例における経路探索装置の構成を示すブロ
ック図

【図６】従来例における経路探索装置の探索領域の広が
り方を説明する模式図

【符号の説明】

１０１ 探索手段 １０２ 先読み機能付き探索地図読み込み手段 １０３ 探索メモリ １０４ 周辺情報付き探索地図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 経路探索したい領域が適当な大きさの番
   号付けされた地域ユニットに分割され、各地域ユニット
   は各道路のコスト情報、道路と交差点で構成されるグラ
   フ情報と各地域ユニットの代表地点から探索して少ない
   コストで到達できる地域ユニットの順番を記憶している
   周辺情報付き探索地図と、探索中の複数の地域ユニット
   を記憶している探索メモリと、前記探索メモリの情報を
   見て、ある地点から近距離にある経路を探索し続け、地
   域ユニットの境界地点に探索範囲が及んだとき、隣接す
   る地域ユニットも探索範囲に加えて探索し、目的となる
   地点までの最短経路を探索する探索手段と、前記探索手
   段が探索開始地点を含む前記探索地図の該当する地域ユ
   ニットを前記探索メモリに格納することを要求したと
   き、該当する地域ユニットのみでなく、前記探索地図の
   周辺情報から周辺の地域ユニット情報を前記探索手段の
   処理と並列に探索手段が探索する地域ユニットを予想し
   て先読みする先読み機能付き探索地図読み込み手段とを
   備えた経路探索装置。
2. 【請求項２】 周辺情報付き探索地図が、地域ユニット
   をさらに分割した領域の中で代表点をもち、各代表点が
   周辺情報をもち、先読み機能付き探索地図読み込み手段
   が、探索開始地点から最近距離の代表点がもつ周辺情報
   を使用して地域ユニットの先読みを実行する請求項１記
   載の経路探索装置。