JPH0995887A - 繊維ウエブの製造方法、及びこの繊維ウエブを使用した不織布 - Google Patents

繊維ウエブの製造方法、及びこの繊維ウエブを使用した不織布

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JPH0995887A
JPH0995887A JP27659595A JP27659595A JPH0995887A JP H0995887 A JPH0995887 A JP H0995887A JP 27659595 A JP27659595 A JP 27659595A JP 27659595 A JP27659595 A JP 27659595A JP H0995887 A JPH0995887 A JP H0995887A
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Michio Shoji
陸夫 東海林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合していない繊維はもちろんのこと、接合
した繊維を使用した場合であっても、未開繊繊維やフロ
ックがほとんどない繊維ウエブを製造する方法、及びこ
の方法により形成した繊維ウエブを使用した不織布を提
供すること。 【解決手段】 水中に繊維が分散したスラリーを、相対
して向い合い、少なくとも一方が回転する磨砕ディスク
間に導入し、この回転する磨砕ディスクの遠心力によ
り、このスラリーをこの磨砕ディスク間を瞬間的に通過
させる際に、剪断力と磨砕力をこのスラリーに作用させ
て、繊維を開繊した後、この磨砕ディスク間を通過した
スラリーを湿式抄造する繊維ウエブの製造方法である。
また、この繊維ウエブを結合した不織布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未開繊繊維やフロ
ックがほとんどない繊維ウエブの製造方法、及びこの方
法により形成した繊維ウエブを使用した不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】湿式抄造法で使用する繊維は、何十万デ
ニールというトウを、ギロチン式やロータリー式などの
カッターで裁断することにより得られるが、この裁断の
際に作用する剪断力によって、塑性変形したような、繊
維同士が接合した状態で裁断される場合があった(図2
を参照)。この現象は、ポリエステル系繊維、ポリアミ
ド系繊維、ポリオレフィン系繊維などの強度の強い繊維
や、繊度2デニール以下の細い繊維や、或は、長期間使
用した古いカッターを使用した場合に、顕著であった。
【0003】このような、接合した状態の繊維を使用し
て湿式抄造すると、未開繊のままの繊維や凝集状態の繊
維の塊り(以下、「フロック」と総称する)を含んだ繊
維ウエブとなってしまい、結果として、地合均質性の悪
い不織布しか得ることができなかった。この接合した状
態の繊維の開繊を行うため、接合した状態の繊維が分散
したスラリーを強く撹拌したり、撹拌時間を長くするこ
とは、十分に開繊できないばかりか、既に開繊している
繊維が凝集してしまい、有効な手段ではなかった。ま
た、製紙業者で使用されている、凹凸状の刃を有するレ
ファイナーやビーターなどの装置により、強い剪断力を
作用させて、接合した状態の繊維を開繊しようとして
も、刃の部分における剪断力が強すぎるためか、開繊で
きたとしても、すぐに凝集してしまい、フロックのない
繊維ウエブを形成することは困難であった。このよう
に、一旦繊維が凝集すると、どのような手段によっても
均質な分散状態とすることができず、当業界における重
大な問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、接合していない繊
維はもちろんのこと、接合した繊維を使用した場合であ
っても、未開繊繊維やフロックがほとんどない繊維ウエ
ブを製造する方法、及びこの方法により形成した繊維ウ
エブを使用した不織布を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維ウエブの製
造方法は、水中に繊維が分散したスラリーを、相対して
向い合い、少なくとも一方が回転する磨砕ディスク間に
導入し、この回転する磨砕ディスクの遠心力により、こ
のスラリーをこの磨砕ディスク間を瞬間的に通過させる
際に、剪断力と磨砕力をこのスラリーに作用させて、繊
維を開繊した後、この磨砕ディスク間を通過したスラリ
ーを湿式抄造する方法であり、繊維に瞬間的な剪断力と
磨砕力とを作用させるので、接合した繊維であっても開
繊でき、しかも、スラリーに対して、瞬間的、かつ平面
的に剪断力と磨砕力とが作用するので、繊維が開繊され
て完全に単繊維となった状態で湿式抄造でき、フロック
のほとんどない繊維ウエブを形成できると考えられる。
また、本発明の不織布はこの方法により形成した繊維ウ
エブの繊維同士を結合しているため、均質な地合を有す
る不織布である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用できる繊維として
は、例えば、脂肪族又は芳香族ナイロン繊維、ビニロン
繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエス
テル系繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維やポリプ
ロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維、ポリウレタ
ン繊維、ポリサルホン繊維、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリテトラフルオロ
エチレン繊維などのフッ素繊維、フェノール繊維、レー
ヨン繊維、キュプラ繊維、ポリノジック繊維、テンセル
繊維(登録商標、コートルズ社)、パルプなどのセルロ
ース系繊維、アセテート繊維、プロミックス繊維などの
半合成繊維、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、綿
や麻などの植物繊維、羊毛や絹などの動物繊維、或は、
上記繊維を構成する樹脂成分と同様の樹脂成分を適宜複
合した、熱融着性、分割性、或は巻縮発現性などの性質
を有する複合繊維を使用できる。
【0007】これら繊維の繊度としては、0.01〜1
0デニール程度のものを使用でき、接合の生じやすい2
デニール以下の細い繊維を使用しても、本発明の方法に
よれば、フロックのほとんどない繊維ウエブを形成でき
る。また、繊維の繊維長としては、1〜30mm程度のも
のを使用でき、従来、均一に分散したスラリーを形成す
ることが困難であった繊維長30mm程度の繊維であって
も、本発明の方法によれば、フロックのほとんどない繊
維ウエブを形成できる。
【0008】これらの繊維は、既に裁断されている場合
には、一定重量の繊維を水中に供給し、また、繊維が裁
断されていないトウ状態の場合には、ギロチン式やロー
タリー式などのカッターで裁断した後に、一定重量の繊
維を水中に供給したり、或はトウを連続的にカッターに
供給して裁断し、繊維量と水量の割合を一定に保ちなが
らタンクに供給して、スラリーを形成する。この連続的
に繊維を裁断できるカッターとしては、例えば、ホイー
ルの外周に、裁断長と同じ間隔をおいて刃が配置され
た、ECカッターというものがあり、このECカッター
に、テンションをかけながらトウを巻き付ければ、連続
的に裁断することができ、この裁断された繊維はホイー
ルの内部から排出できる。
【0009】このスラリー中の繊維濃度は、1〜100
g/Lであるのが好ましい。繊維濃度が1g/L未満では、磨
砕ディスクと繊維との接触が不十分になりやすいため、
繊維の開繊が不十分になりやすく、しかも生産性が著し
く悪くなるためで、逆に、繊維濃度が100g/Lを越え
ると、スラリーの流動性が悪くなり、磨砕ディスク間に
繊維が詰まり、発熱して繊維同士が溶着してしまう可能
性が高くなるためで、より好ましい繊維濃度は、3〜5
0g/Lである。なお、繊維を水中に分散させる際に、界
面活性剤などを使用すると、繊維の開繊を促進すると共
に、後工程での分散性に優れているという特長がある。
【0010】次いで、このスラリーを、相対して向い合
い、少なくとも一方が回転する磨砕ディスク間に導入し
て、この回転する磨砕ディスクの遠心力により、このス
ラリーをこの磨砕ディスク間を瞬間的に通過させる際
に、剪断力と磨砕力をこのスラリーに作用させて、繊維
を開繊する。この磨砕ディスクについて、磨砕ディスク
の上視図である図1を参照しながら説明する。この磨砕
ディスク1にはスラリーを導入できるように、又は磨砕
ディスク1を回転させる回転軸と係合できるように、開
孔部2を有している。この開孔部2の中心は、均一な遠
心力がスラリーに作用するように、磨砕ディスク1の中
心と一致するのが好ましい。なお、開孔部2から導入さ
れたスラリーに撹拌剪断力を作用させながら、速やかに
磨砕部4に案内できるように、開孔部付近から磨砕ディ
スク1の外周に向かって伸びる、大きな凹凸構造からな
る、案内溝3を有するのが好ましい。また、繊維を開繊
する磨砕部4は磨砕ディスク1の外周から、磨砕ディス
ク1の内側に向かって、2〜50mmの幅を有し、開繊し
た繊維が凝集しないように、略平坦部であるのが好まし
い。磨砕部4の幅が2mm未満では繊維の開繊が不十分に
なりやすく、逆に50mmを越えると、剪断力と磨砕力に
よって、繊維が損傷したり、フロックを形成しやすくな
るためで、より好ましい磨砕部4の幅は、5〜25mmで
ある。この磨砕ディスク1は、16メッシュ通過以下の
粒子から320メッシュ通過以上の粒子と熱硬化性樹脂
との混合物を成型硬化させて、粒子間に空隙のない構造
にして、特に磨砕部4に損傷が生じにくいようにするの
が好ましい。更に、この磨砕ディスク1の直径は特に限
定するものではないが、150〜1,000mm程度のも
のを使用でき、直径が大きければ大きいほどスラリーの
処理能力が向上する。
【0011】このような磨砕ディスク1を相対して向い
合うように設定するが、相対する磨砕ディスク1は上下
に配置しても良いし、左右に配置しても良いが、加圧注
入する必要がなく、開繊性に優れているため、上下に配
置するのが好ましい。なお、この磨砕ディスク同士の磨
砕部間隙は、繊維を損傷することなく開繊でき、しかも
生産性に優れるように、50〜2,000μmとするのが
好ましく、より好ましい磨砕部間隙は100〜800μ
mである。また、この相対する磨砕ディスク1は、少な
くとも一方の磨砕ディスクが回転していれば、磨砕ディ
スクの遠心力によって、スラリーを案内溝3を経て磨砕
部4に案内して、剪断力と磨砕力とを作用させることが
できるが、その相対的な回転差は1,000〜4,000
回/分であるのが好ましく、1,500〜3,000回/
分であるのがより好ましい。この磨砕ディスクの回転
は、例えば、一方の磨砕ディスクを固定した状態で、他
方の磨砕ディスクを1,000〜4,000回/分で回転
させたり、一方の磨砕ディスクと他方の磨砕ディスクを
同方向に回転させて、その差を1,000〜4,000回
/分としたり、或は、一方の磨砕ディスクと他方の磨砕
ディスクを反対方向に回転させて、その差を1,000
〜4,000回/分とすれば良いが、一方の磨砕ディス
ク(特に、スラリーを導入する開孔部を有する磨砕ディ
スク)を固定した状態で、他方の磨砕ディスクを1,0
00〜4,000回/分で回転させるのが、最も安定し
ている。
【0012】スラリーの磨砕ディスク間への導入量は、
磨砕ディスクの処理能力によって異なるため、磨砕ディ
スクの能力以上に多量のスラリーを処理する必要がある
場合には、より処理能力に優れる直径の大きい磨砕ディ
スクを使用したり、複数の磨砕ディスクを併用すれば良
い。また、繊維の開繊が不十分であれば、磨砕ディスク
を直列的に2台以上併用すれば良い。
【0013】このようにして繊維が開繊されたスラリー
は、一旦、1つ又はそれ以上のタンクに備蓄した後に、
繊維ウエブを形成するフォーマーに供給しても良いし、
そのまま直接、或は、好適には水で希釈しながらフォー
マーに供給する。タンクに備蓄する場合には、繊維の凝
集が生じないように、界面活性剤や粘剤を混合したり、
撹拌を行うのが好ましい。他方、連続的にフォーマーに
供給する場合には、繊維が凝集する前の短時間のうち
に、連続的にスラリーをフォーマーに供給でき、よりフ
ロックのない繊維ウエブを形成しやすいという特長があ
る。特に、繊維の繊度が1デニール前後であったり、繊
維長が30mm前後の繊維であると、繊維が凝集しやすい
が、連続的にスラリーをフォーマーに供給すれば、この
ような問題は生じない。
【0014】次いで、この磨砕ディスクによって開繊さ
れたスラリーは、そのまま、或は好適には、水又は循環
水(いわゆる白水)で希釈された後、通常の湿式抄造
法、例えば、水平型短網方式フォーマー、傾斜ワイヤー
型短網方式フォーマー、円網方式フォーマー、或は短網
・円網コンビネーション方式フォーマーによって、繊維
ウエブを形成する。このようにして形成される繊維ウエ
ブは、繊維が開繊されており、しかも凝集していないス
ラリーを抄造して形成したものであるため、フロックの
ほとんどないものである。
【0015】本発明の不織布は、上記のようにして形成
したフロックのない繊維ウエブの繊維同士を結合したも
のであるため、均質な地合を有するものである。この繊
維ウエブの結合方法としては、例えば、バインダーや溶
剤により部分的又は全面的に接着する方法、繊維ウエブ
構成繊維の熱融着性を利用して部分的又は全面的に熱融
着する方法、水流やニードルにより絡合する方法、繊維
ウエブ構成繊維、別の繊維又は糸を利用してステッチす
る方法、パルプやフィブリル化した繊維やフィブリル化
可能な繊維による自己結合性を利用する方法、或はこれ
らを適宜組み合わせる方法がある。
【0016】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0017】
【実施例】
(実施例1)芯成分が6,6ナイロンからなり、鞘成分
が6ナイロンからなる、繊度1.5デニールの芯鞘型複
合繊維のトウを、長さ10mmに裁断した、接合部を有す
る繊維20kgを、1m3の水を張ったタンクに供給(繊
維濃度20g/L)し、5分間、撹拌機により撹拌して、
スラリーを形成した。次いで、図1に示すような、中央
部に開孔部2と、開孔部2付近から外周に向かって伸び
る案内溝3と、外周から内側に10mmの幅を有する平坦
な磨砕部4とを有する、#46カーボランダム、#80
カーボランダム、#320カーボランダム、及び熱硬化
性樹脂とを焼結して、実質的に空隙を有さない、直径3
81mm(15インチ)の磨砕ディスク1(増幸産業
(株)製、MKGC10−46切り溝なし)を、磨砕部
間隙400μmで上下に相対して設置した磨砕機(増幸
産業(株)製、スーパーマスコロイダーMKZA15−
30HJ)に、前記スラリーを上方の磨砕ディスクの開
孔部から75L/分の割合で供給しながら、下側の磨砕
ディスクのみを、2,200回/分で回転させて繊維を
開繊した。次いで、この繊維を開繊したスラリーを、分
散助剤として10ppmのノニオン系界面活性剤が溶解し
た水を張ったタンクに供給し、撹拌羽根を1,100回
/分で20分間撹拌しながら、繊維濃度が5g/Lとなる
ように希釈分散して、抄造用ストックとした。次いで、
この抄造用ストックを循環白水により32倍希釈した
後、傾斜ワイヤー型短網式フォーマーにより抄造、乾燥
し、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊維ウ
エブ10m2分の状態を診るために、透過光で検査し、
フロックの数を数えたところ、1個であった。
【0018】(実施例2)繊度0.1デニールのポリエ
ステル繊維のトウを長さ5mmに裁断した、接合部を有す
る繊維を使用したこと、スラリーを上方の磨砕ディスク
の開孔部から40L/分の割合で供給したこと、及び磨
砕部間隙を300μmとしたこと以外は、実施例1と全
く同様にして、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。
この繊維ウエブ10m2分の状態を診るために、透過光
で検査し、フロックの数を数えたところ、3個であっ
た。
【0019】(実施例3)繊維軸に円形状のポリプロピ
レン成分を有し、このポリプロピレン成分に接して繊維
表面に放射状に伸びるポリエチレン成分を、このポリプ
ロピレン成分に接して繊維表面に放射状に伸びるポリプ
ロピレン成分で8分割した、17分割可能な、繊度1.
3デニールの複合繊維のトウを、長さ10mmに裁断し
た、接合部を有する繊維(図2参照)を使用したこと、
及びスラリーを上方の磨砕ディスクの開孔部から60L
/分の割合で供給したこと以外は、実施例1と全く同様
にして、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊
維ウエブ10m2分の状態を診るために、透過光で検査
し、フロックの数を数えたところ、0個であった。な
お、接合部を有する繊維を含むスラリーを、磨砕機によ
って開繊した繊維の拡大電子顕微鏡写真を図3に示し
た。
【0020】(比較例1)スラリーを磨砕ディスク間を
通過させなかったこと以外は、実施例1と全く同様にし
て、つまり、スラリーを直接、分散助剤として10ppm
のノニオン系界面活性剤が溶解した水を張ったタンクに
供給し、撹拌羽根を1,100回/分の回転数で、20
分間で撹拌することのみによって繊維の開繊と分散を試
みて、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊維
ウエブ10m2分の状態を診るために、透過光で検査
し、フロックの数を数えたところ、5万個以上であっ
た。なお、撹拌時間を2倍の40分とした場合も、フロ
ックの数は5万個以上で、フロックを減らすことはでき
なかった。
【0021】(比較例2)スラリーを磨砕ディスク間を
通過させなかったこと以外は、実施例2と全く同様にし
て、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊維ウ
エブ10m2分の状態を診るために、透過光で検査し、
フロックの数を数えたところ、7,500個であった。
【0022】(比較例3)スラリーを磨砕ディスク間を
通過させなかったこと以外は、実施例3と全く同様にし
て、目付60g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊維ウ
エブ10m2分の状態を診るために、透過光で検査し、
フロックの数を数えたところ、250個であった。
【0023】(比較例4)実施例1と同様の繊維を分散
させた、繊維濃度10g/Lのスラリーを、径500mm、
刃3mm、溝3.5mm、深さ6mmのコーン型ディスクを有
し、ディスク間隙300μm、回転数2,000回/分の
レファイナー(相川鉄工(株)製、100型セブンファ
イナー)に、480L/分の割合で供給して、繊維の開
繊を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、目付6
0g/m2の繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブ10m
2分の状態を診るために、透過光で検査し、フロックの
数を数えたところ、4,800個であった。
【0024】(比較例5)実施例2と同様の繊維を分散
させた、繊維濃度10g/Lのスラリーを使用したこと以
外は、比較例4と同様にして、目付60g/m2の繊維ウエ
ブを形成した。この繊維ウエブ10m2分の状態を診る
ために、透過光で検査し、フロックの数を数えたとこ
ろ、1万個以上であった。
【0025】(比較例6)実施例3と同様の繊維を分散
させた、繊維濃度10g/Lのスラリーを使用したこと以
外は、比較例4と同様にして、目付60g/m2の繊維ウエ
ブを形成した。この繊維ウエブ10m2分の状態を診る
ために、透過光で検査し、フロックの数を数えたとこ
ろ、1万個以上であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の繊維ウエブの製造方法は、水中
に繊維が分散したスラリーを、相対して向い合い、少な
くとも一方が回転する磨砕ディスク間に導入し、この回
転する磨砕ディスクの遠心力により、このスラリーをこ
の磨砕ディスク間を瞬間的に通過させる際に、剪断力と
磨砕力をこのスラリーに作用させて、繊維を開繊した
後、この磨砕ディスク間を通過したスラリーを湿式抄造
する方法であり、繊維に瞬間的な剪断力と磨砕力とを作
用させるので、接合した繊維であっても開繊でき、しか
も、スラリーに対して、瞬間的、かつ平面的に剪断力と
磨砕力とが作用するので、繊維が開繊されて完全に単繊
維となった状態で湿式抄造でき、フロックのほとんどな
い繊維ウエブを形成できると考えられる。また、本発明
の不織布はこの方法により形成した繊維ウエブの繊維同
士を結合しているため、均質な地合を有する不織布であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磨砕ディスクの上視図
【図2】 実施例3で使用した繊維同士が接合した状態
を表す電子顕微鏡写真
【図3】 実施例3で使用した繊維同士が接合したもの
を、磨砕機によって開繊した繊維の拡大電子顕微鏡写真
【符号の説明】
1 磨砕デイスク 2 開孔部 3 案内溝 4 磨砕部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に繊維が分散したスラリーを、相対
    して向い合い、少なくとも一方が回転する磨砕ディスク
    間に導入し、該回転する磨砕ディスクの遠心力により、
    該スラリーを該磨砕ディスク間を瞬間的に通過させる際
    に、剪断力と磨砕力を該スラリーに作用させて、繊維を
    開繊した後、該磨砕ディスク間を通過したスラリーを湿
    式抄造することを特徴とする、繊維ウエブの製造方法。
  2. 【請求項2】 磨砕ディスク同士の磨砕部間隙が50〜
    2,000μmであることを特徴とする請求項1記載の繊
    維ウエブの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の方法により
    得た繊維ウエブの繊維同士を、結合したことを特徴とす
    る不織布。
JP27659595A 1995-09-28 1995-09-28 繊維ウエブの製造方法、及びこの繊維ウエブを使用した不織布 Pending JPH0995887A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010502847A (ja) * 2006-08-31 2010-01-28 ケイエクス テクノロジーズ エルエルシー フィブリル化繊維を生産する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010502847A (ja) * 2006-08-31 2010-01-28 ケイエクス テクノロジーズ エルエルシー フィブリル化繊維を生産する方法

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