JPH0995693A - 粒状非イオン洗剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒状非イオン洗剤中に粘土化合物を配合する
場合に生じる溶解性の低下、布付着の発生、洗浄力の低
下を改善する。また、噴霧乾燥のような苛酷な加熱工程
を必要としないので、製造時における非イオン界面活性
剤の熱分解を防止する。 【解決手段】 （ａ）非イオン界面活性剤：１０重量％
以上５０重量％未満、（ｂ）吸油能が１００ｍｌ／１０
０ｇ以上であり、ＳｉＯ₂ 分を５０重量％以上含み平均
粒子径が２０μｍ以下の多孔質無機酸化物微粉体：０．
２重量％以上２０重量％未満、（ｃ）吸油能が７５ｍｌ
／１００ｇ以下である粘土化合物：０．１重量％以上３
０重量％未満、（ｄ）（ａ）非イオン界面活性剤種中で
脂肪酸エステルあるいは硬化ヒマシ油を基本骨格とする
ＨＬＢ１０〜１６の非イオン界面活性剤：０．０５重量
％以上１０重量％未満を上記の配合量で含有する粒状非
イオン洗剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、溶解性が良好で布
付着性が極めて少なく、しかも繊維に対する柔軟効果を
有する、非イオン界面活性剤を主成分とする粒状洗剤組
成物およびその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】非イオン界面活性剤は、耐硬水性・他成
分との混和性・低泡性などのユニークな性質を有してい
る。しかしその反面、非イオン界面活性剤は、液体であ
るために粉体化処理が必要なこと・低泡性であることか
ら従来型の洗剤ではあまり大きく取り上げられていなか
ったが、洗剤の高嵩密度化、全自動洗濯機の普及等の最
近の消費環境の変化に判い見直され始めている。

【０００３】通常、非イオン界面活性剤を含む粒状洗剤
は、非イオン界面活性剤を洗剤スラリーに添加しこれを
噴霧乾燥する方法、または非イオン界面活性剤と他の洗
剤成分を撹拌型混合機に仕込み造粒する方法により製造
されている。しかし、非イオン界面活性剤を含む洗剤を
噴霧乾燥法により製造すると、乾燥中に非イオン界面活
性剤の一部が分解したり飛散するという問題があり、排
ガス公害の対策も必要となる。

【０００４】また、粘土化合物が繊維・衣類特に木綿に
対して柔軟化効果を有することは従来から知られてい
る。しかしながら後述のように、非イオン界面活性剤を
主成分とする粒状洗剤に粘土化合物を配合した場合には
種々の不都合が生じ、満足のいく洗剤組成物が得られて
いないのが実状であった。米国特許第３８３８０７２号
明細書には、噴霧乾燥されたビルダーの基材ビーズに、
非イオン界面活性剤を噴霧し、含浸させる方法が記載さ
れている。しかし、この方法は基材ビースの製造に煩雑
な操作が必要であり、噴霧乾燥には多大のエネルギーを
必要とする。

【０００５】また、特開昭５４−１６３９０７号公報に
は、炭素数１０〜１８のアルコールにエチレンオキシド
が２〜９モル付加した非イオン界面活性剤、第４級アン
モニウム塩、リン酸塩およびケイ酸塩を特定比率で混合
して噴霧乾燥する方法が記載されている。しかし、この
方法では、噴霧乾燥時の加熱により、ノニオン界面活性
剤が熱分解するという問題がある。

【０００６】さらに、特開昭５０−１１１０８号公報に
は、アルコキシ化非イオン界面活性剤とカオリナイト粘
土またはベントナイト粘土とを特定の比率で混合して噴
霧乾燥することにより、均一な非イオン界面活性剤組成
物を得ることが記載されている。しかしながら、この製
造方法では、噴霧乾燥時に、熱に弱い非イオン界面活性
剤が分解してしまうという問題があった。また、ノニオ
ン界面活性剤によるバインダー効果が小さいため、得ら
れる洗剤粒子が脆く、製造時あるいは貯蔵時に破壊され
て微粉が多量に発生して発塵するという欠点もあった。

【０００７】さらにまた、特開平５−５１００号公報に
は、珪素をＳｉＯ₂ として３０重量％以上含有し、吸油
能が８０ｍｌ／１００ｇ以上であり、分散液のｐＨが９
以上であるか又は２％ＮａＯＨ水溶液に対する溶解量が
０．５ｇ以下である吸油性担体を使用して非イオン界面
活性剤含有洗剤粒子を造粒することにより、液体のノニ
オン界面活性剤のしみ出しが防止され、洗剤粒子の流動
性および耐ケーキング性が著しく防止されることが報告
されている。

【０００８】しかしながら吸油性担体として粘土を単独
使用した場合は、洗濯に使用する水道水中に含まれる微
量の金属イオンの影響により硬い凝集物が生成し、非イ
オン洗剤粒子の溶解性が悪化し、また、布付着が生じる
という問題があった。それに対し、本発明者らは溶解性
が向上し、布付着が改善されたノニオン界面活性剤を主
成分とする粒状ノニオン洗剤組成物の製造方法を提供し
た（特願平６−１０１８８９号）。さらに、非イオン界
面活性剤は粘土表面に吸着し、コンプレックスを形成す
ることから、洗浄力が若干低下するという問題も生じ
た。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶解性、布
付着性の良好な、更に洗浄力の向上した非イオン界面活
性剤を主成分とする粒状洗剤組成物とその製造方法を提
供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の粒状非イオン洗
剤組成物は、 （ａ）非イオン界面活性剤：１０重量％以上５０重量％
未満 （ｂ）吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上でありＳｉＯ
₂ 分を５０重量％以上含み平均粒子径が２０μｍ以下の
多孔質無機酸化物微粉体：０．２重量％以上２０重量％
未満 （ｃ）吸油能が７５ｍｌ／１００ｇ以下である粘土化合
物：０．１重量％以上３０重量％未満 （ｄ）（ａ）非イオン界面活性剤種中で脂肪酸エステル
あるいは硬化ヒマシ油を基本骨格とするＨＬＢ１０〜１
６の非イオン界面活性剤：０．０５重量％以上１０重量
％未満を含有することを特徴とし、さらに粒状非イオン
洗剤組成物の製造方法として、該原料組成物を均一に捏
和・混合して固形洗剤を形成し、ついで無機質微粉体を
粉砕助剤として添加し該固形洗剤を破砕して粉粒状ない
しは顆粒状の洗剤粒子とすることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明で使用される（ａ）成分の
非イオン界面活性剤としては、以下のものを挙げること
ができる。（１）炭素数６〜２２、好ましくは８〜１８
の脂肪族アルコールに炭素数２〜４のアルキレンオキシ
ドを平均３〜３０モル、好ましくは７〜２０モル付加し
たポリオキシアルキレンアルキル（またはアルケニル）
エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル
（またはアルケニル）エーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキル（またはアルケニル）エー
テルが好適である。 （２）ポリオキシエチレンアルキル（またはアルケニ
ル）フェニルエーテル （３）長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間に
アルキレンオキシドが付加した下記化１の一般式（Ｉ）
で示される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート

【００１２】

【化１】Ｒ₁ＣＯ（ＯＡ）ｎＯＲ₂ …（Ｉ） （Ｒ₁ ＣＯ：炭素数６〜２２、好ましくは１０〜１８の
脂肪酸残基 ＯＡ：ＯＣＨ₂ＣＨ₂等の炭素数２〜４、好ましくは２〜
３のアルキレンオキシドの付加単位 ｎ：アルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、３〜
３０、好ましくは５〜２０の数 Ｒ₂ ：炭素数１〜３の低級アルキル基）

【００１３】（４）ポリオキシエチレンソルビット脂肪
酸エステル （５）グリセリン脂肪酸エステル （６）炭素数６〜１８の脂肪酸と、炭素数５〜６の単糖
類またはそのモノアルキルエーテルとのエステルからな
る糖エステル系非イオン界面活性剤。 （７）化２で示される糖アルキルエーテル系非イオン界
面活性剤。

【００１４】

【化２】 Ｒ₁Ｏ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）ｎ（Ｚ）ｘ …（ＩＩ） （Ｒ₁ ：炭素数８〜１８のアルキル基 ｎ：０〜１２ Ｚ：炭素数５〜６の糖残基 ｘ：１．２〜１０）

【００１５】上記の非イオン界面活性剤の中でもポリオ
キシエチレンアルキル（またはアルケニル）エーテル、
脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂
肪酸メチルエステルエトキシレートが洗浄力の面から特
に好適に用いられる。

【００１６】（ａ）成分の非イオン界面活性剤は、１０
重量％以上５０重量％未満の範囲、好ましくは１５〜４
０重量％、より好ましくは２０〜３５重量％の範囲で配
合されて捏和・混合される。この配合量が１０重量％未
満では、非イオン界面活性剤の優れた洗浄特性を生かす
ことができず、一方、５０重量％以上では捏和・混合に
より得られた固形洗剤の粘着性が著しく増大し、粉砕機
への付着が発生するため製造困難となる。

【００１７】（ｂ）成分の多孔質無機酸化物粉体として
は、吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上でありＳｉＯ₂
分を５０重量％以上含み、平均粒径が２０μｍ以下のも
のが用いられる。このような多孔質無機酸化物粉体の具
体例としては、シルデックス（旭硝子）、非晶質シリカ
（商品名：トクシール（徳山曹達）、アエロジル（日本
アエロジル））、結晶性珪酸カルシウム（商品名：フロ
ーライト（徳山曹達））などがある。

【００１８】（ｂ）成分の多孔質無機酸化物粉体は、
０．２重量％以上２０重量％未満、好ましくは０．５〜
１５重量％、より好ましくは１〜１０重量％の量で配合
されて捏和・造粒される。この配合量が０．２重量％未
満では得られる固形洗剤が柔らかくなり粉砕が困難とな
る。一方、２０重量％以上では得られる洗剤組成物の粒
度が小さくなり、流動性が悪化する。

【００１９】（ｃ）成分の粘土化合物としては、吸油能
が７５ｍｌ／１００ｇ以下である、モンモリロナイト、
ベントナイト、ラポナイトなどの層間イオン交換能（イ
ンターカレーション）を有する層状粘土化合物が用いら
れる。（ｃ）成分の粘土化合物は、０．１重量％以上３
０重量％未満、好ましくは０．５〜２０重量％、より好
ましくは１〜１５重量％の量で配合されて捏和造粒され
る。この配合量が０．１重量％未満であると捏和混合後
の固形洗剤が、破砕に必要な粘弾性を保持し得ず、粒度
が小さくなり流動性が悪化する。一方、３０重量％以上
では洗剤組成物の溶解性が悪化し、布付着を生じるばか
りでなく、粘土特有の色調が外観を悪くする。また吸油
能が７５ｍｌ／１００ｇ以上の粘土化合物を用いると、
溶解性が悪化し、布付着を生じる。

【００２０】（ｄ）成分の脂肪酸エステルあるいは硬化
ヒマシ油を基本骨格とするＨＬＢ１０〜１６の非イオン
界面活性剤は、この基本骨格に対して親水基が付加され
たものであり、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸
ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、イソステアリン酸ポリオキシエチレング
リセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレング
リセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリ
ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチ
レンヒマシ油、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油等が用いられる。

【００２１】（ｄ）成分の脂肪酸エステルあるいは硬化
ヒマシ油を基本骨格とするＨＬＢ１０〜１６の非イオン
界面活性剤は、０．０５重量％以上１０重量％未満、好
ましくは０．１〜５重量％、より好ましくは０．３〜３
重量％の量で配合されて捏和・造粒される。この配合量
が０．０５重量％未満であると（ａ）成分の非イオン界
面活性剤と（ｃ）成分の粘土化合物とがコンプレックス
を形成し、非イオン界面活性剤の優れた洗浄特性が阻害
される。一方、１０重量％以上では固形洗剤が柔らかく
なり粉砕が困難となる。なお、（ｄ）成分の非イオン界
面活性剤は、（ａ）成分の非イオン界面活性剤の一部を
成すものである。すなわち、非イオン界面活性剤は、
（ａ）成分に規定したように本願発明の洗剤組成物中に
全体として（（ｄ）成分量も含めて）１０重量％以上５
０重量％未満配合される。

【００２２】本発明の粒状非イオン洗剤組成物中には、
通常洗剤原料に配合されている以下のような成分を配合
することができ、これらは捏和・混合時に固形洗剤中に
配合してもよく、固形洗剤の破砕により得られた洗剤粒
子に粉体混合してもよい。

【００２３】（１）アルミノ珪酸塩 （２）無機質アルカリビルダー：炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、亜硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなど （３）蛍光剤：ビス（トリアジニルアミノ）スチルベン
ジスルホン酸誘導体、ビス（スルホスチリル）ビフェニ
ル塩［チノパールＣＢＳ］など （４）酵素：リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ア
ミラーゼなど （５）漂白剤：過炭酸ナトリウムなどの過炭酸塩、 （６）帯電防止剤：ジアルキル型４級アンモニウム塩、
第三級アミンなど （７）陰イオン界面活性剤：α−オレフィンスルホン酸
塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩など

【００２４】上記の粉体洗剤原料の中でもアルミノ珪酸
塩と炭酸ナトリウムの使用は好ましい結果を与える。ア
ルミノ珪酸塩としては、平均粒径０．１〜１０μｍの合
成ゼオライトなどが好適に使用され洗剤組成物の５〜５
０重量％、好ましくは１０〜４０重量％の量で配合する
ことが望ましい。この配合量が５重量％未満であると、
洗浄力が発揮できず、また捏和混合後の固形洗剤が柔ら
かくなり粉砕が困難となる。一方５０重量％以上では粒
度が小さくなり、流動性が悪化する。

【００２５】炭酸ナトリウムとしては、嵩密度の高い重
質炭酸ナトリウム（商品名：粒灰（旭硝子））、嵩密度
の低い軽質炭酸ナトリウム（商品名：軽灰（旭硝子））
などがあり、洗剤組成物中に５重量％以上配合すること
が洗浄力の面から好適であり、好ましくは１０〜５０重
量％で配合される。５０重量％以上の配合量になると粒
度が小さくなり、流動性が悪化する。本発明の洗浄剤組
成物の製造工程においては、例えば、上記の各成分を連
続ニーダー等の捏和機に導入し均一に捏和・混合して捏
和物（固形洗剤）とする。

【００２６】ついで、得られた固形洗剤に粉砕助剤とし
て無機質微粉体を添加して破砕し平均粒径３００〜１５
００μｍの粉粒状ないしは顆粒状の洗剤粒子を得、必要
に応じてさらに流動性改善剤、酵素など他の任意成分を
粉体混合などにより外添して本発明の粒状非イオン洗剤
組成物を得る。

【００２７】ここで、粉砕助剤としては、ＪＩＳ２００
メッシュ篩い通過分が５０％以上である無機質粉体が好
適であり、素材的には例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウムなどの炭酸塩、非晶質シリカ、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム等の珪酸塩、ゼオライト等のアル
ミノ珪酸塩などが用いられる。

【００２８】粉砕助剤は、本発明の組成物中に０．５〜
１５重量％配合される量で使用することが好ましく、よ
り好ましくは１〜１０重量％である。この配合量が０．
５重量％未満であると、粉砕時の粉砕機への付着が著し
く、一方１５重量％以上配合すると、粒度が小さくなり
流動性が悪化する。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、粒状非イオン洗剤中に
粘土化合物を配合する場合に生じる溶解性の低下、布付
着の発生、洗浄力の低下を改善できる。また、噴霧乾燥
のような苛酷な加熱工程を必要としないので、製造時に
おける非イオン界面活性剤の熱分解を防止できる。

【００３０】

【実施例】実施例においては、以下の試験方法により各
試料を評価した。 ［溶解性の評価法］１リットルのビーカーに５℃の水道
水を入れ、２４＃パス〜４２＃オンの洗剤粒子５ｇを投
入し、５分間、２５ｒｐｍの条件で撹拌した。その後
に、溶け残っている洗剤粒子をナイロン布上に取り出
し、１０５℃で６０分間乾燥して重量を測定し、以下の
数１より溶解残分を算出して溶解性の指標とした。

【００３１】

【数１】溶解残分（％）＝｛（溶解残渣量（ｇ）／５
（ｇ）｝×１００

【００３２】［布付着性］２槽式洗濯機（三菱電気製；
ＣＷ−２２５）に水温５℃の水道水３０リットルを用意
し、紺綿肌シャツ２枚・黒アクリルセーター２枚・黒ナ
イロンスリップ２枚及びチャージ布としての肌シャツ５
枚の計１．５ｋｇ（浴比２０倍）を入れ、被洗布の中央
部にくぼみを作り、そこへ洗剤３０ｇを集中的に投入し
た。洗剤が水に浸されるまま２分間静置後、弱水流、洗
浄時間５分間で洗浄した。自然排水して１分脱水し、布
に付着している洗剤粒子（凝集物）の量を目視で以下の
基準で評価した。 ５：布付着物が全くない ４：布付着物がわずかにある ３：布付着物が少しある ２：布付着物がかなりある １：布付着物が極めて多い

【００３３】［洗浄力］表１に示す人工汚垢組成の汚垢
浴中に清浄布（日本油化学協会指定綿布６００番５×５
ｃｍ）を浸漬したのち、１０５℃、３０分乾燥後、布の
表面を左右２５回ラビングした。このうち反射率が４２
±２％のものを汚垢布とした。これを６０枚と試料２０
ｇを２槽式洗濯機（三菱電機製ＣＷ−２２５型）に投入
し、１５℃、３０Ｌの水（３゜ＤＨ）で１０分間洗浄を
行った。また洗浄力は人工汚垢の落ち具合を以下の基準
で評価した。 ５：完全に汚れが落ちている ４：かなり汚れが落ちている ３：割合汚れが落ちている ２：少し汚れが落ちている １：わずかに汚れが落ちている

【００３４】

【表１】 表１：汚垢組成 汚 垢 成 分 汚垢組成％ オレイン酸 ２８．３ トリオレイン １５．６ コレステロール １２．２ 流動パラフィン ２．５ スクワラン ２．５ コレステロール ２．５ ゼラチン ７．０ 無機汚垢 ２９．８ カーボンブラック(日本油化学協会指定) ０．５

【００３５】〈製造法１〉表２および表３または表４お
よび表５に示す洗剤原料の組成から、粉砕助剤、酵素、
香料を除いた各成分を連続ニーダー（栗本鉄工所製ＫＲ
Ｃ２型）を用いて捏和混合し、得られた捏和物と粉砕助
剤としてのゼオライトをフィッツミル（ホソカワミクロ
ン製ＤＫＡＳＯ６型）に投入して洗剤粒子とし、これに
流動性改善剤と酵素を粉体混合し香料を噴霧し、表２お
よび表３または表４および表５に示す性状の粒状非イオ
ン洗剤組成物を得た。なお、表２と表３、表４と表５で
１つの洗剤組成物の組成を示す。

【００３６】〈製造法２〉表２，３および表４，５に示
す洗剤原料の組成中、Ａ型ゼオライトと炭酸ナトリウ
ム、亜硫酸ソーダ及び蛍光剤を熱風温度３００℃で噴霧
乾燥し、得られた噴霧乾燥粒子と非イオン界面活性剤、
多孔質無機粉体、（ｃ）成分及び粘土化合物を、連続ニ
ーダー（栗本鉄工所製ＫＲＣ２型）を用いて捏和・混合
し、得られた捏和物と粉砕助剤としてのゼオライトをフ
ィッツミル（ホソカワミクロン製ＤＫＡＳＯ６型）に投
入して洗剤粒子とし、これに流動性改善剤と酵素を粉体
混合し香料を噴霧し、表２，３および表４，５に示す粒
状非イオン洗剤組成物を得た。

【００３７】〈製造法３〉表４，５に示す洗剤原料をレ
ディーゲミキサー（松坂技研Ｍ２０型）を用いて混合
し、得られた混合物をフィッツミルに投入し、以下製造
法１と同様にして表４，５に示す粒状非イオン洗剤組成
物を得た。表中の示した各成分の内容は以下の通りであ
る。 ａ）非イオン界面活性剤 ＡＥノニオン−１：Ｃ₁₂Ｈ₂₅Ｏ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）₇ Ｈ
（新日本理科（株）製コノール２０Ｐにエチレンオキサ
イドを平均７モル付加したポリオキシエチレンアルキル
エーテル） ＡＥノニオン−２：Ｃ₁₂Ｈ₂₅Ｏ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）₉ Ｈ
（ライオン化学（株）製ドバノックス２５Ｉ） ＦＭＥノニオン：脂肪酸残基の炭素数が１２の脂肪酸メ
チルエステルとエチレンオキシドの縮合物（ＥＯｐ＝
９）

【００３８】ｂ）非晶質シリカ：トクシールＮ（徳山曹
達（株）製）、ＳｉＯ２１００重量％、平均粒径０．１
μｍ ｃ）粘土化合物 粘土化合物−１：モンモリロナイトＢＰＷ００９−３
（岩谷産業（株）製）吸油能５０ｍｌ／１００ｇ 粘土化合物−２：ヘクトライト２００（日商岩井ベント
ナイト（株）製）吸油能５３ｍｌ／１００ｇ 粘土化合物−３：Ｎａ型モルデナイトＨＳＺ−６４０Ｎ
ＡＡ（東ソー（株）製）吸油能１１０ｍｌ／１００ｇ

【００３９】ｄ）添加ノニオン Ｔｗｅｅｎ８０：ポリオキシエチレン（平均２０モル付
加）ソルビタンモノオレエート（純正化学（株）製、Ｈ
ＬＢ＝１５．０） Ｃ−５０：ポリオキシエチレン（平均５０モル付加）ヒ
マシ油（日本エマルジョン（株）製、エマレックスＣ−
５０、ＨＬＢ＝１４．０） ＴＯ−１０６：ポリオキシエチレン（平均６モル付加）
ソルビタンモノオレエート（日光ケミカルズ（株）製、
ＨＬＢ＝１０．０） ＴＰ−１０：ポリオキシエチレン（平均２０モル付加）
ソルビタンモノパルミテート（日光ケミカルズ（株）
製、ＨＬＢ＝１５．６） ＴＳ−１０６：ポリオキシエチレン（平均６モル付加）
ソルビタンモノステアレート（日光ケミカルズ（株）
製、ＨＬＢ＝９．６） ＴＬ−１０：ポリオキシエチレン（平均２０モル付加）
ソルビタンモノラウレート（日光ケミカルズ（株）製、
ＨＬＢ＝１６．９）

【００４０】微粒ゼオライト：Ａ型ゼオライト（水沢化
学（株）製、シルトンＢ） 炭酸ナトリウム：旭硝子（株）製 亜硫酸ナトリウム：神州化学工業所（株）製 牛脂石鹸：ミヨシ油脂（株）製 粉砕助剤：炭酸ナトリウム、旭硝子（株）製 流動性改善剤：Ａ型ゼオライト（水沢化学（株）製、シ
ルトンＢ） 蛍光剤：チバガイギー社製チノパールＣＢＳ／住友化学
社製ホワイテックスＳＫＣ＝５／１の混合物 酵素：アルカラーゼ／アルカリプロテアーゼ／アルカリ
リパーゼ＝１／１／１の混合物

【００４１】

【表２】 表２：実施例１〜９（その１） 実 施 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ 組成(wt%) a)ノニオン界面活性剤 AEノニオン-1 10 − − 25 25 25 − − − AEノニオン-2 − 5 − − − − 32 − 49 FMEノニオン − − 19 − − − − 39 − b)非晶質シリカ 19 15 10 4 0.2 0.5 1 8 10 c)粘土化合物-1 15 − 28 6 6 6 − 0.5 0.2 粘土化合物-2 − 1 − − − − 20 − − 粘土化合物-3 − − − − − − − − − d)添加ノニオン Tween80 − 9 − 1 − − 3 − 0.1 C-50 1 − 2 − − − − 0.05 − TO-106 − − − − 1 − − − − TP-10 − − − − − 1 − − − TS-106 − − − − − − − − − TL-10 − − − − − − − − −

【００４２】

【表３】 表３：実施例１〜９（その２） 実 施 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ 組成(wt%) 微粒ゼオライト 20 20 10 20 30 30 12 20 10 炭酸ナトリウム 15 20 10 25 20 20 12 12 10 亜硫酸ナトリウム 1 1 1 1 1 1 1 1 1 牛脂石鹸 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 粉砕助剤 10 10 10 10 10 10 10 10 10 流動性改善剤 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 蛍光剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 酵素 1 1 1 1 1 1 1 1 1 少量成分 バ ラ ン ス 製造方法 1 2 2 1 2 1 1 2 1 評価結果 平均粒径(μm) 400 450 500 500 500 500 500 450 400 16メッシュオン(%) 1 2 3 3 3 3 3 2 1 100メッシュパス(%) 10 8 4 4 4 4 4 8 10 安息角(°) 50 45 40 40 40 40 40 45 50 洗浄力 3 4 4 5 4 4 4 4 4 溶解残分(%) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 装置への付着 なし 少し なし なし 少し 僅か なし 僅か 少し 布付着 5 5 3 5 5 5 4 5 5

【００４３】

【表４】 表４：比較例１〜６（その１） 比 較 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ 組成(wt%) a)ノニオン界面活性剤 AEノニオン-1 8 − 25 − 25 25 AEノニオン-2 − 52 − 32 − − FMEノニオン − − − − − − b)非晶質シリカ 2 10 22 0.1 4 4 c)粘土化合物-1 0.05 0.2 6 − − 6 粘土化合物-2 − − − 20 − − 粘土化合物-3 − − − − 6 − d)添加ノニオン Tween80 − 0.03 − − − 1 C-50 − − − − 12 − TO-106 − − − − − − TP-10 − − − − − − TS-106 − − 1 − − − TL-10 − − − 3 − −

【００４４】

【表５】 表５：比較例１〜６（その２） 比 較 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ 組成(wt%) 微粒ゼオライト 30 10 15 12 20 20 炭酸ナトリウム 30 10 12 12 14 25 亜硫酸ナトリウム 1 1 1 1 1 1 牛脂石鹸 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 粉砕助剤 10 10 10 10 10 10 流動性改善剤 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 蛍光剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 酵素 1 1 1 1 1 1 少量成分 バ ラ ン ス 製造方法 1 1 2 1 1 3 評価結果 平均粒径(μm) 380 400 380 500 500 500 16メッシュオン(%) 1 1 1 3 3 15 100メッシュパス(%) 18 10 20 4 4 18 安息角(°) 75 50 80 40 40 75 洗浄力 2 4 1 1 1 1 溶解残分(%) 0 0 10 15 20 20 装置への付着 多い 多い なし 多い 多い 多い 布付着 5 5 3 2 1 1

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）非イオン界面活性剤：１０重量％
   以上５０重量％未満 （ｂ）吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上であり、Ｓｉ
   Ｏ₂ 分を５０重量％以上含み平均粒子径が２０μｍ以下
   の多孔質無機酸化物微粉体：０．２重量％以上２０重量
   ％未満 （ｃ）吸油能が７５ｍｌ／１００ｇ以下である粘土化合
   物：０．１重量％以上３０重量％未満 （ｄ）（ａ）非イオン界面活性剤種中で脂肪酸エステル
   あるいは硬化ヒマシ油を基本骨格とするＨＬＢ１０〜１
   ６の非イオン界面活性剤：０．０５重量％以上１０重量
   ％未満 上記（ａ）〜（ｄ）成分を上記の配合量で含有すること
   を特徴とする粒状非イオン洗剤組成物。
2. 【請求項２】 （ａ）非イオン界面活性剤：１０重量％
   以上５０重量％未満 （ｂ）吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上であり、Ｓｉ
   Ｏ₂ 分を５０重量％以上含み平均粒子径が２０μｍ以下
   の多孔質無機酸化物微粉体：０．２重量％以上２０重量
   ％未満 （ｃ）吸油能が７５ｍｌ／１００ｇ以下である粘土化合
   物：０．１重量％以上３０重量％未満 （ｄ）（ａ）非イオン界面活性剤種中で脂肪酸エステル
   あるいは硬化ヒマシ油から選ばれたＨＬＢ１０〜１６の
   非イオン界面活性剤：０．０５重量％以上１０重量％未
   満 上記（ａ）〜（ｄ）成分を上記の配合量で含有する原料
   組成物を均一に捏和・混合して固形洗剤を形成し、つい
   で無機質微粉体を粉砕助剤として添加し該固形洗剤を破
   砕して粉粒状ないしは顆粒状の洗剤粒子とすることを特
   徴とする粒状非イオン洗剤組成物の製造方法。