JPH0995375A - エアゾール容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 胴部上面中央より上方付勢状態で押し下げ可
能にステムを突出させたエアゾール容器体と、該容器体
上部に固定したノズルキャップとを備えてなるエアゾー
ル容器であって、注出量の加減を行えるとともに、構造
が簡単で安価に製造できる容器を提案する。 【解決手段】 ノズルキャップ３を、容器体２に嵌着固
定させた特殊構成の注出筒部材８と、該部材に対して押
し下げ及び回動が可能で且つ抜け出し不能に装着させた
特殊構成のノズル17付きの押し下げヘッド９とから構成
し、押し下げヘッド９の注出筒部材８に対する回動によ
り、注出量を変化させることが出来るとともに、注出不
可能な状態にすることも出来る如く構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエアゾール容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】液体を泡状に発泡させて噴出して使用す
ることが行われており、この様な容器としてアエゾール
容器が使用されている。エアゾール容器は、容器体の頭
部に突設されたステムを内方へ押し下げることにより、
ステムの基部に設けた弁機能部分が開放し、容器体内の
高い圧力によりステムから収納液を発泡状に噴出させ
る。

【０００３】この収納液の噴出は、ステムの先端に注出
体を組み付けて行う。注出体は、収納液の噴出方向を案
内するため或いはステムに押し下げ力を作用させ易くす
るため等の目的で装着したもので、この注出体を押し下
げることにより収納液の発泡注出を達成している。そし
て、注出体への押し下げ力を取り去ると、ステムの基部
に内蔵させた弁機能部分の弾性体の弾力によりステムが
上昇復帰して弁を閉じるので、収納液の注出は停止す
る。

【０００４】この様な容器にあっては、注出体をステム
に直接組み付け、ステムから噴出された発泡状の収納液
を注出体が形成する注出路を通して注出するので、収納
液の一回の注出の度に発泡状となった収納液の一部が注
出体の注出路内に残存することとなる。

【０００５】この様にして、注出路内に残存した収納液
の一部は、時間の経過により液体状態に復帰して注出路
路面に付着する。注出路路面に液状となって付着した収
納液は、次に発泡注出操作の際に、発泡状となって注出
される収納液と一緒に液状のまま注出され、収納液の使
用状況を劣化させることになるばかりか、収納液の発泡
状態を劣化させ、さらには注出路路面に付着した収納液
が粘状に乾燥した場合には、発泡した収納液の通りが悪
くなって円滑な発泡注出が達成できなくなる虞があると
いう問題があった。

【０００６】この様な問題点を解消するために、実公平
７−４２３２号公報に記載された容器が提案されてい
る。

【０００７】ここに開示されている容器は、内方への押
し下げにより収納液を噴出するステムを突設したエアゾ
ール容器体の頭部に液体注出装置を組み付けたものであ
り、この液体注出装置は、ステム上端に嵌合させた筒部
を底壁中央より立設した皿状の部材と、該部材の周壁に
周壁を液密に嵌合させて固定するとともに、周壁上端縁
よりドーム状の弾性頂壁を延設し、内部を空気室に構成
した吸引体と、該吸引体の頂壁中央を貫通固定して下端
を空気室内の上記筒部上方へ垂下するとともに、上端を
上方へ起立させた注出筒を有する注出体とを備え、注出
体を吸引体の弾力に逆らって一定距離だけ押し下げるこ
とにより、吸引体を空気室の容積を減少させる方向に弾
性変形させるとともに、注出筒内と空気室との連通を遮
断し、注出筒をステムに連通させた状態でステムに押し
下げ力を作用させる如く構成したものである。

【０００８】また、その他の例として、容器体上部に周
設した突条部外周に下端を気密に嵌合させて、ドーム状
の弾性壁を延設した吸引体と、該吸引体の上部中央に貫
通固定してその下端を空気室内にステムと隙間をあけて
垂下させるとともに、上端を上方へ起立させた注出筒を
有するとともに、吸引体基端外側に下端を嵌着させた支
持筒にヒンジを介して上記注出筒外面を揺動可能に連結
した注出体とを備え、注出体を吸引体の弾力に逆らって
一定距離だけ押し下げることにより、吸引体を空気室の
容積を減少させる方向に弾性変形させるとともに、注出
筒内と空気室との連通を遮断し、注出筒をステムに連通
させた状態でステムに押し下げ力を作用させる如く構成
したものである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記した各容器は、注
出動作後、注出筒内に残存した発泡収納液の一部を、注
出筒内から排除できるので、注出筒内への収納液の残存
による新たな収納液の発泡注出動作の不良、及び発泡収
納液と一緒に注出される残存収納液による使用感の劣
化、収納液の発泡の劣化等の不都合の発生を防止するこ
とができ、これにより収納液の発泡注出を長期間にわた
り安定して良好に維持でき、残存発泡収納液の排除は、
収納液発泡注出のための押し下げ操作に伴う昇降変移を
利用しているので、残存発泡収納液排除のためだけの操
作がなく、従来通りの注出操作により、操作毎に残存発
泡収納液の排除を達成出来る等の効果を発揮できる優れ
たものであるが、いまだ改良の余地があった。

【００１０】即ち、これらの容器に於いて、容器体は一
般に金属製であり、その胴部上端に突周設された突条部
の部分が蓋板周縁部と胴部上端縁部との巻き締め部分で
あり、その巻き締め部分外面に蓋板の周縁部が下向き段
部状に露出するのが一般的である。これらの蓋板周縁部
は金属製であるため比較的鋭利になりがちであり、従っ
て、容器体の突条部外周に嵌合させた周壁上端縁より容
器体上部周縁を被覆する肩カバーを装着することが好ま
しい。この肩カバーを装着させることにより、上記露出
部分を被覆し、また、容器に装着性を付与して商品価値
を向上させる。また、これら容器に於いてその注出装置
はできるだけ簡単な構造で形成されていることが望まれ
る。

【００１１】上記従来の容器のうち、前者の吸引体と注
出体とをステムに直接組み付けたものは、吸引体及び注
出体の両者がステムと共に上下動するため、別に肩カバ
ーを形成させなければならず、また、吸引体はその構造
上、上記した如く少なくとも二つの構成部材を必要と
し、注出体と合わせて少なくとも三つの構成部材を必要
とするため、別に肩カバーを設けるとそれだけ製造上の
煩雑さを伴う。

【００１２】また、吸引体を介して注出体をステムに直
接組み付けているため、吸引体の弾性壁の弾力性が強い
と注出体を押し下げた際に空気室を密閉しないでステム
を押し下げてしまう虞が無いとはいえない。この様な現
象が生じると注出筒内の発泡液の排除に支障を来す虞が
ある。

【００１３】一方、後者の吸引体と注出体とを別々に容
器体の頭部に組み付けたものにあっては、吸引体及び注
出体を肩カバーを兼ねたものとして形成することは可能
であり、また、吸引体は容器体に固定しているため、注
出体の押し下げの際に確実に空気室内を密閉することは
可能である。

【００１４】しかしながら、吸引体が容器体に固定され
ているため、注出体を押し下げてステム上端を閉塞した
時点に於いて空気室内が密閉されるため、それ以降の注
出体の押し下げに当たっては空気室を形成している周囲
壁が膨張しなければならない。周壁部が膨張すると注出
体の押圧を解除した際に、その少なくとも当初は空気室
内が負圧化ではなく出口に向かって加圧状態となる虞が
ある。このことは注出体がステムに当接するまでの間に
吸引体の弾性壁が充分なる変形をする長い隙間があれば
解消の余地はあるが、その反面注出体の押し下げと液の
注出とにズレが生じるとともに、注出ノズルの突出幅も
大きくしなければならない。

【００１５】本発明は上記した点を考慮してなされたも
ので、肩カバーを一体に備え且つ簡便な構造であり、し
かも注出体の上昇の際に空気室内が加圧状態となる虞が
なく、しかも上記した従来容器の長所を兼ね備えた優れ
た容器を提案するものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本請求項１発明の容器は
上記課題を解決するため、胴部４の上端部を縮径する肩
部５に形成するとともに、肩部５上端縁に上方及び外方
へ突出するリング状の突条部６を突周設し、且つ、上面
中央に隆起部７を突設してその上面中央より上方付勢状
態で押し下げ可能にステム８を突出させたエアゾール容
器体２と、該容器体に装着させた注出キャップ３とから
なり、該注出キャップは、上記突条部６外面に嵌合させ
た嵌合筒13を下面より垂設するとともに、上記隆起部７
外面に嵌合させた固定筒17を内周縁部より立設して容器
体上面周縁部を被覆する肩カバー12と、上記固定筒17外
周に基端部を嵌着固定してステム周囲に立設するととも
に、中腹に蛇腹11を設けて伸縮可能に構成してなる支持
筒９と、該支持筒上端内周に注出筒21の基端外周を固定
して押し下げ可能に装着した注出ヘッド10とを備え、上
記注出筒21内周下端縁部に下向き段部22を介して内面を
拡径した凹陥部23を周設するとともに、上記ステム８上
端周縁部を凹陥部23内に隙間をあけて位置させ、且つ、
上記肩カバーと容器体間に設けた連通路を介して上記支
持筒内と外部とを連通可能に構成したことを特徴とする
エアゾール容器として構成した。

【００１７】また、請求項２発明の容器は、上記肩カバ
ーと容器体間に設けた連通路が、上記嵌合筒13内面を縦
断する凹溝20及び上記固定筒17内面を縦断する凹溝19及
び肩カバー下面と容器体上面との間に設けた隙間とから
なる連通路である請求項１記載のエアゾール容器として
構成した。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図
面を参照して説明する。本発明容器１は、エアゾール容
器体２と、注出キャップ３とから構成している。

【００１９】エアゾール容器体２は、胴部４の上端部外
周をテーパ状に順次縮径した肩部５に形成するととも
に、肩部５の上端部より上方及び外方へ突出する突条部
６を突周設し、また、突条部６内方の胴部上面中央に隆
起部７を突設し、該隆起部７上面中央より上方付勢状態
で押し込み可能にステム８を突設させ、該ステムを押し
下げることにより内蔵吐出弁が開き、ガス圧で収納液を
ステム上端より泡状に注出する如く構成した公知の注出
機構を有するものである。注出キャップ３は合成樹脂に
より形成されたもので、支持筒９及び注出ヘッド10とを
備えている。

【００２０】支持筒９は、容器体２に外部との連通を可
能に基端部を固定して上記ステム８周囲に立設するとと
もに、中腹に蛇腹11を設けて構成している。また、容器
体上面に嵌着固定させた肩カバー12を介して支持筒９を
容器体に固定している。

【００２１】上記肩カバー12は、容器体の上記突条部６
外周に嵌合させた嵌合筒13を、容器体上面周縁部を被覆
するリング板状の頂板14裏面中央部より垂設し、また、
頂板14内周縁からは突条部６内側に垂下する垂壁15を垂
設し、更に、垂壁15内周縁より内方へ延設したフランジ
16を介して上記隆起部７外周に嵌合させた固定筒17を立
設している。また、頂板14外周からは周壁18を垂設し、
該周壁下端を容器体肩部５外周縁部に隙間をあけて垂下
させている。そして、上記固定筒17外面に内周下端を嵌
着固定して上方へ支持筒９を起立させている。

【００２２】また、上記肩カバーと容器体間に設けた連
通路を介して上記支持筒内と外部とを連通可能に構成し
ている。本実施例では、上記固定筒17の内面を縦断する
凹溝19を周方向複数穿設するとともに、上記フランジ16
下面及び垂壁15外面と容器体との間に隙間を設け、更
に、嵌合筒13内面を縦断する凹溝20を周方向複数設けて
支持筒９内と外部が連通可能に構成している。

【００２３】注出ヘッド10は、上記支持筒９上端内周に
注出筒21の基端外周縁を固定して押し下げ可能に装着し
ている。本実施例に於ける注出筒21は前方へ注出口を開
口した横Ｌ字筒状に構成している。

【００２４】また、注出筒21の内周下端縁部に下向き段
部22を介して拡径した凹陥部23を周設し、該凹陥部23内
にステム上端周縁部を隙間をあけて位置させる如く構成
している。また、上記垂壁15及び支持筒９間に周壁の下
端を垂下するとともに、注出筒21の先端を周壁より突設
させて注出筒21と一体に形成した下端面開口の筒状をな
す外枠24を設けている。

【００２５】尚、上記支持筒９上下端部の注出筒21及び
固定筒17との嵌合部分にはその固定強度をより強くする
目的で、融着，接着等を併用すると良い。

【００２６】上記の如く構成した容器１を使用するに当
たっては、例えば、図１の状態から、注出ヘッド10の上
面を押圧すると、下向き段部22がステム８上面周縁部を
押圧するため、ステム８が押し下げられ、容器体内の収
納液がステム８より注出筒21を通り、その注出口より前
方へ泡状に注出される。この際、蛇腹11が圧縮されて支
持筒９内の空気が上記固定筒17の凹溝19及び嵌合筒13の
凹溝20を通り外部へ排出されて支持筒９が収縮するとと
もに、注出筒21は下方へ下降する。

【００２７】次いで、注出ヘッド10の押圧を解除する
と、ステム８の上方付勢力及び蛇腹11の弾性復元力によ
りステム８及び注出筒21が上昇するが、ステム８が上昇
し終わった後に注出筒21は更に上昇してステム８上面外
周縁と下向き段部22との密閉が外れて注出筒21内と支持
筒９内とが連通し、その際、支持筒９内の負圧化により
注出筒21内の液が逆流する如く構成している。

【００２８】図４は本発明の他の実施例を示すもので、
本実施例では、注出ヘッド10が、縦長筒状をなす注出筒
21を有し、該筒21の外周より指掛け板部25を突設して構
成している。上記指掛け板部25は、注出筒21の上下方向
中央やや下部より突設した外向きフランジ状をなし、ま
た、指掛け板部25外周縁より支持筒９と垂壁15との間に
周壁26を垂設している。その他の構成は上記実施例と同
様であるため、同様部分には同符号を付して説明を省略
する。

【００２９】本実施例の容器では、例えば、注出筒21先
端を注出目的部位に当接させ、人指し指と中指とで注出
筒21を挟みつつ指掛け板部25を移動させることにより簡
単に液の注出を行える。

【００３０】

【発明の効果】以上説明した如く本発明容器は、既述構
成としたことにより、従来のこの種容器の如く、注出筒
内に残存した発泡収納液の一部を注出筒内から排除でき
て、注出筒内への収納液の残存による新たな収納液の発
泡注出動作の不良等を解消させる効果を発揮できるもの
であり、しかも肩カバー，支持筒，注出ヘッドの三部材
を固定形成した、構造が簡単な注出キャップを、従来使
用されているエアゾール容器体にそのまま固定すること
により形成できるため、容易且つ安価に製造できる利点
を兼ね備えるものである。

【００３１】また、肩カバーを容器体に固定し、注出ヘ
ッドを肩カバーに固定した伸縮可能な支持筒を介して固
定しているため、注出ヘッドの押し下げによる確実なス
テムの押し下げが可能であり、しかも、支持筒内は外部
と連通可能に構成しているため、支持筒が押し縮められ
ても支持筒が膨張してヘッドの上昇当初に支持筒内が加
圧状態となる虞はなく、確実な注出筒内からの発泡液の
排除を行えるものである。しかも、この様な効果を注出
筒の突出幅を特別大きなものとしないで行えるものであ
る。

【００３２】また、注出ヘッドの押し下げによりステム
上面を押し下げる迄の間を小さい隙間に構成しても、即
ち、ステム上面と注出筒の下向き段部との隙間を小さく
構成しても、注出筒内からの発泡液の排除は可能であ
り、従って、ヘッドの押し下げと液の注出とにズレが生
じる等の不都合も生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す要部半断面図であ
る。

【図２】 同実施例の注出ヘッド押し下げ状態の要部半
断面図である。

【図３】 同実施例の注出ヘッド上昇時の要部半断面図
である。

【図４】 本発明の他の実施例を示す要部半断面図であ
る。

【符号の説明】

２…エアゾール容器体，３…注出キャップ，４…胴部，
５…肩部，６…突条部，７…隆起部，８…ステム，９…
支持筒．10…注出ヘッド，11…蛇腹，12…肩カバー，13
…嵌合筒，17…固定筒，19…凹溝，20…凹溝，21…注出
筒，22…下向き段部，23…凹陥部，

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部４の上端部を縮径する肩部５に形成
   するとともに、肩部５上端縁に上方及び外方へ突出する
   リング状の突条部６を突周設し、且つ、上面中央に隆起
   部７を突設してその上面中央より上方付勢状態で押し下
   げ可能にステム８を突出させたエアゾール容器体２と、
   該容器体に装着させた注出キャップ３とからなり、該注
   出キャップは、上記突条部６外面に嵌合させた嵌合筒13
   を下面より垂設するとともに、上記隆起部７外面に嵌合
   させた固定筒17を内周縁部より立設して容器体上面周縁
   部を被覆する肩カバー12と、上記固定筒17外周に基端部
   を嵌着固定してステム周囲に立設するとともに、中腹に
   蛇腹11を設けて伸縮可能に構成してなる支持筒９と、該
   支持筒上端内周に注出筒21の基端外周を固定して押し下
   げ可能に装着した注出ヘッド10とを備え、上記注出筒21
   内周下端縁部に下向き段部22を介して内面を拡径した凹
   陥部23を周設するとともに、上記ステム８上端周縁部を
   凹陥部23内に隙間をあけて位置させ、且つ、上記肩カバ
   ーと容器体間に設けた連通路を介して上記支持筒内と外
   部とを連通可能に構成したことを特徴とするエアゾール
   容器。
2. 【請求項２】 上記肩カバーと容器体間に設けた連通路
   が、上記嵌合筒13内面を縦断する凹溝20及び上記固定筒
   17内面を縦断する凹溝19及び肩カバー下面と容器体上面
   との間に設けた隙間とからなる連通路である請求項１記
   載のエアゾール容器。