JPH0994422A - 耐熱性吸着シート及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性吸着シート及びその製造方法

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JPH0994422A
JPH0994422A JP7252918A JP25291895A JPH0994422A JP H0994422 A JPH0994422 A JP H0994422A JP 7252918 A JP7252918 A JP 7252918A JP 25291895 A JP25291895 A JP 25291895A JP H0994422 A JPH0994422 A JP H0994422A
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adsorption
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Tsutomu Sugiura
勉 杉浦
Kazuyuki Kawada
和之 川田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気中に含まれる有機溶剤等の悪臭成分を効
果的に吸着する耐熱性吸着シートの提供。 【構成】 吸着材(A)、有機成分(B)及び無機バイ
ンダー(C)を含む吸着シートで、該吸着シートの空気
中300℃で30分間加熱処理した時の重量減少が1%
以下である耐熱性吸着シート。 【効果】 柔軟で加工性に優れ、高温で使用しても熱に
よる吸着性の低下少なく、形態変化がなく、かつ燃焼し
ない優れた耐熱性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空気中に
含まれる有機溶剤等の悪臭成分を吸着除去する吸着シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸着シートとしては、PVA等の
有機バインダーおよび有機繊維およびもしくは無機繊維
および吸着材を混合抄造してからなる物がある。この吸
着シートは、嵩密度が小さく叩解度の高い有機繊維を使
用している事とPVA等の有機バインダーを使用してい
る事で吸着材の含有比率を高くする事が可能であり、有
機溶剤等の悪臭成分を高吸着除去する事が可能である。
しかし、PVA等の有機バインダーを用いると、再生工
程等により加熱処理する場合、突発的に吸着シートの温
度が300℃程度に上昇した際、吸着シートが熱分解性
を示し、シートの着火、燃焼の危険性があり、著しい強
度低下を起こすと言う問題、すなわち耐熱性に劣ると言
う欠点を有していた。一方、かかる耐熱性の高い吸着シ
ートとしては、無機バインダーおよび無機繊維からなる
無機シートを吸着材と無機バインダーの混合スラリー液
に含浸し乾燥させてなる無機吸着シートがあり、該吸着
シートは熱分解性を示さない無機物にて構成されている
事から吸着シート自体の熱分解性は無いが、吸着材の担
持性に劣り、シートに必要量の吸着材を含有させる事が
困難で、有機溶剤等の悪臭成分の吸着性能が低いという
問題があった。さらには吸着材の脱落が起こり易く、吸
着シートに柔軟性が無いため折り曲げ加工等の2次加工
がし難いという問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした事
情に着目してなされたものであって、シートの吸着材の
含有率が高く、脱落が少なく、柔軟性がある高吸着性能
の耐熱性吸着シートを得る事である。すなわち、PVA
等の抄紙用有機バインダーを使用し吸着シートの吸着材
の含有比率を高くしようとすれば該抄紙用有機バインダ
ーにより耐熱性が低くなり、無機物のみからなる無機吸
着紙では、耐熱性は高いが吸着材の含有比率を高くする
事が困難で吸着材の脱落が多く柔軟性に劣るという問題
点を解決する事である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着材
(A)、有機成分(B)及び無機バインダー(C)を含
む吸着シートであって、該吸着シートの空気中、300
℃で30分間加熱処理した時の重量減少が1%以下であ
る耐熱性吸着シート及び、吸着材(A)、有機成分
(B)及び無機バインダー(C)でシート状物(前駆体
シート)を作製したのち、該シート状物を耐熱性有機ポ
リマー(B−1)の分解温度以下、低温度熱分解性有機
ポリマー(B−2)の分解温度以上の温度で熱処理する
耐熱性吸着シートの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における吸着材(A)と
は、活性炭素材又はゼオライトであり、活性炭素材の場
合は形態は粉末状、もしくは繊維状であり、粉末状では
粒径は平均粒径10〜30μmであり、繊維状では平均
繊維径10〜30μmである。又、ゼオライトの場合は
形態は粉末状であり、粒径は平均粒径で2〜10μmで
ある。ゼオライトは、天然に産出されるゼオライトもあ
るが、有機溶剤等の悪臭成分を高吸着除去するには、吸
着性能の高い人工的に合成された合成ゼオライトが適し
ている。また、合成ゼオライトにおいては、対象とする
悪臭成分により、最適なゼオライトの種類を選定する事
が可能である。又、活性炭素材では反応性の極めて高い
溶剤を吸着した際に反応熱を生じるが、ゼオライトの場
合は反応熱が生じ無い。
【0006】本発明における有機成分(B)は、吸着シ
ート製造時に吸着材(A)を担持し、吸着シート成形後
も担持する担体として作用する成分で、パルプ状の有機
繊維、ことに融点もしくは熱分解温度が300℃以上の
耐熱性に優れた繊維である。該繊維はフィブリル化して
いることが吸着材(A)の高担持に望ましい。熱分解温
度が300℃未満では、吸・脱着操作中に遭遇する高温
下で、着火、燃焼、著しい強度低下が避けられない。具
体的にはアラミド、メタアラミド、ポリベンズイミダゾ
ール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン等
から作られた繊維である。有機成分(B)は前記耐熱性
有機成分(B−1)の他に熱分解温度が300℃未満の
物質を含むのが好ましい。該低温度分解性有機成分(B
−2)は吸着シート製造時、吸着材(A)を吸着シート
に高比率に担持させる作用を有する。該低温度分解性有
機成分は最終吸着シートに多量(1%以上)残存する
と、高温時に着火、燃焼、著しい強度低下が起こると言
う前記耐熱性の点で好ましくない。本発明では低温度分
解性有機成分は、予め作製した吸着シート前駆体を高温
熱処理することにより炭化物あるいは分解消失せしめ、
低温度分解性有機成分の形で吸着シートに対して1%以
上含有させないことが重要である。低温度分解性有機成
分としては、PVA、澱粉、あるいはポリアクリロニト
リル等が上げられるが、PVAが望ましい。
【0007】本発明で用いられる無機バインダー(C)
は、吸着シートの高温下での吸着材(A)と構成繊維分
とを定着維持させるのに必須であり、例えば水に可溶で
あり、バインダーがシートに均一に分散され、熱処理の
際、反応、ゲル化等によって硬化し、その硬化の際に吸
着材と構成繊維を強固に定着せしめるものである。また
熱分解温度が300℃以上であり、反応性の高い有機溶
剤により反応熱を生じ、シートの着火、燃焼の原因とな
る触媒性が低く、吸着材(A)の吸着性能をその被覆に
より低下させにくい物であることが好ましい。例えば、
ヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩系バインダー、ケ
イ酸ソーダ等のケイ酸塩系バインダーが好ましい。
【0008】本発明の耐熱性吸着性シートに含まれる吸
着材(A)の量は40〜80重量%。吸着性能及び生産
性、吸着材の脱落を考慮すると50〜80重量%が好ま
しい。吸着材(A)の含有量が40%未満では充分な吸
着性能が得られず80重量%以上では生産性が悪くな
り、吸着材の脱落も多くなる。また吸着シートの柔軟性
が不足し加工しにくくなる。本発明の耐熱性吸着シート
に含まれる有機成分(B)の量は、吸着シート前駆体
(前駆体シート)製造時に用いた有機成分及びその熱酸
化物を合わせた量として5〜55重量%である。(B)
の含有量が5%未満では吸着材の担持能が不足し、55
%以上では吸着材の使用量を少なくしなければならない
不都合が生じる。また本発明の耐熱性吸着シートに含ま
れる無機バインダー成分(C)の量は5〜30重量%で
ある。5重量%未満では吸着材(A)と繊維分の及び繊
維同士の定着性が乏しくなり、30%以上になると柔軟
性が不足する為好ましくない。
【0009】本発明の耐熱性吸着シートは、吸着材
(A)、有機成分(B)及び無機バインダー(C)でシ
ート状物(前駆体シート)を作製した後、該シート状物
を有機成分(B)の耐熱性有機成分の融点もしくは分解
温度以下の温度、低温度分解性有機成分の分解温度以上
の温度で1〜60分熱処理することにより低温度分解性
有機成分を熱酸化分解せしめ、大部分を炭化物もしくは
分解消失させることにより製造することができる。
【0010】本発明の前記シート状物は、例えば吸着材
(A)、有機成分(B)及び無機バインダー(C)、必
要に応じてガラス繊維、高分子凝集剤を用いて湿式抄紙
法で製造することができる。
【0011】本発明の耐熱性吸着シートの製造に用いら
れる有機成分(B)は前記アラミド繊維等の耐熱性有機
成分(B−1)の他に150〜300℃で熱分解する低
温度分解性有機成分(B−2)を用いる事が望ましい。
低温度分解性有機成分(B−2)は湿式抄紙時の(A)
成分を(B−1)成分に及び(B−1)成分同士を接合
させるためのバインダーとして働き、シート状物成形後
は最終吸着シート(本発明耐熱性吸着シート)の耐熱性
を阻害する成分となるので高温熱処理で炭化物とする
か、分解消失せしめ最終吸着シートに残存する熱処理に
よる重量減少に起因する物質を減少させる。
【0012】前記シート状物の熱処理は加熱オーブン等
を用い空気雰囲気中で実施するのが好ましい。熱処理温
度は耐熱性有機成分(B−1)の融点もしくは分解温度
(T 1 ℃)以下好ましくは5〜20℃(T1 −5〜T1
−20℃)、低温度分解成分(B−2)の分解温度(T
2 ℃)以上、好ましくは分解温度の100〜200℃以
上の温度で処理時間は1〜60分好ましくは1〜30分
である。通常350〜400℃で1〜10分である。
【0013】本発明における耐熱性吸着シートの諸特性
の測定方法は次の通りである。 耐熱性吸着シートが含有する吸着材(A)の含有量
(G)は次式で求める。 G=(Q/q)×100 ここで Qは吸着シートの吸着率(g/g) qは吸着材自身の吸着率(g/g) 吸着性能(吸着率q及びQ)の測定:(JIS−K−
1474に準ずる) 吸着試験用U字管に吸着シートを入れ温度25℃±0.
5℃に調節した溶剤蒸気吸着性能試験装置(図1に示
す)に3000ppmのトルエン混合空気を流し30分
間吸着させ、吸着シートの重量増加を測定する。吸着率
q及びQは次式で求める。 q及びQ=P/S×100 ここで Pは吸着シートの増量(g) Sは吸着シートの質量(g) 吸着シートの耐熱分解性(熱による重量減少)の測
定:絶乾重量{W1 (g)の試料(吸着シート)を30
0℃±1℃に調節した電気炉中で30分熱処理し、乾燥
デシケータ内で冷却後の重量(W2 )を測定し次式で重
量減少率(F%)を求める。 F={(W1 −W2 )/(W1 )}×100 吸着シート及び吸着材の熱分解開始温度の測定:吸着
シートを熱分解性評価装置(図2)のサンプル管内に入
れ恒温層内温度を400℃まで10℃/minで昇温す
る。昇温の際、吸着シートに微量の空気を4.0cm/
sec の線速で供給する。その際、吸着シートの温度上昇
を測定し、吸着シート温度が恒温層内温度以上になった
温度を熱分解開始温度とする。 吸着シートの柔軟性:5cm×10cmの吸着シート
の両端を持ち、90度に折り曲げた際、シートが割れな
い物を○、ヒビのはいる物を△、割れる物を×とした。 吸着シートからの吸着材の脱落:10cm×10cm
の吸着シートを一定の強さで10回たたき、ゼオライト
の場合は黒色の紙上に、活性炭の場合は白色の紙上に脱
落した吸着材の量で判定し、微量の場合:○、多い場
合:×、中程度を△とした。
【0014】
【実施例】以下の実施例および比較例に基づいて本発明
の耐熱性吸着シートについて詳細に説明する。 (実施例1)水1000ccに対し吸着材として13X
ゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5gと熱分解開始
温度400℃以上のパルプ状有機繊維であるケブラー繊
維(耐熱性有機成分:B−1)を0.3gと熱分解性有
機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性有機成分:
B−2)を0.2g入れ、ミキサーで約3分間撹拌し
た。次に凝集剤として高分子凝集剤フロクラン(片山化
学工業製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、湿
式抄紙後乾燥し、2.0gのシート状物を得た。次にこ
のシート状物を無機バインダーとしてヘキサメタリン酸
ソーダ20重量%水溶液に含浸し、100℃のエアーに
て乾燥させ、ヘキサメタリン酸ソーダを0.15g吸着
シートに定着させ前駆体シートを得た。その後、焼成炉
にて空気中400℃で約3分間熱処理を行い2.0gの
吸着性シートを得た。これにより得られた吸着シートは
シート重量に対しゼオライト75.0重量%、ケブラー
15.0重量%、ヘキサメタリン酸ソーダ7.5重量
%、PVA0%、PVA炭化物2.5%を含み空気中3
00℃、30分間の熱処理による重量減量は0%、吸着
シートの熱分解開始温度は400℃以上であり、極めて
高い耐熱性を有する。また吸着材含有比率が高いため
に、有機溶剤等の悪臭成分の吸着性能が極めて高く、更
に、柔軟性にとむ事から折り曲げ加工等の2次加工がし
易い特徴を有する。尚吸着材ゼオライトの吸着性能
(q)を図1で示される装置で測定した結果は15.0
g/gであった。
【0015】(実施例2)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5g
と耐熱分解性500℃を有するパルプ状有機繊維である
ケブラー繊維(耐熱性有機成分)を0.15gとガラス
繊維(繊維径6μ×繊維長3mm)を1.5gと熱分解
性有機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性有機成
分)を0.2g入れ、ミキサーで約3分間撹拌した。次
に凝集剤として高分子凝集剤フロクラン(片山化学工業
製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、湿式抄紙
後乾燥し、2.0gのシート状物を得た。次にこのシー
ト状物を無機バインダーとしてヘキサメタリン酸ソーダ
20重量%水溶液に含浸し、100℃のエアーにて乾燥
させ、ヘキサメタリン酸ソーダを0.15g吸着シート
に定着させ前駆体シートを得た。その後、焼成炉にて空
気中400℃で約3分間熱処理を行い2.0gの吸着シ
ートを得た。これにより得られた吸着シートはシート重
量に対しゼオライト75.0重量%、ケブラー7.5重
量%、ガラス繊維7.5重量%、ヘキサメタリン酸ソー
ダ7.5重量%、PVA0%、PVA炭化物2.5%を
含み空気中300℃、30分間の熱処理による乾燥減量
は1%、吸着シートの熱分解開始温度は400℃以上で
あり、極めて高い耐熱性を有する。また吸着材含有比率
が高いために、有機溶剤等の悪臭成分の吸着性能が極め
て高く、更に、柔軟性にとむ事から折り曲げ加工等の2
次加工がし易い特徴を有する。
【0016】(実施例3)水1000ccに対し吸着材
として活性炭素繊維を1.5gと耐熱分解性500℃を
有するパルプ状有機繊維であるケブラー繊維(耐熱性有
機成分)を0.3gと熱分解性有機バインダーとしてP
VA(低温度熱分解性有機成分)を0.2g入れ、ミキ
サーで約3分間撹拌した。次に凝集剤として高分子凝集
剤フロクラン(片山化学工業製)を4cc加え円網式湿
式抄紙装置を使い、湿式抄紙後乾燥し、2.0gのシー
ト状物を得た。次にこのシート状物を無機バインダーと
してヘキサメタリン酸ソーダ10重量%水溶液に含浸
し、100℃のエアーにて乾燥させ、ヘキサメタリン酸
ソーダを0.15g吸着シートに定着させ前駆体シート
を得た。その後、焼成炉にて空気中400℃で約3分間
熱処理を行い2.0gの吸着シートを得た。これにより
得られた吸着シートはシート重量に対し活性炭素繊維7
5.0重量%、ケブラー15.0重量%、ヘキサメタリ
ン酸ソーダ7.5重量%、PVA0%、PVA炭化物
2.5%を含み空気中300℃、30分間の熱処理によ
る減量は0.5%、吸着シートの熱分解開始温度は40
0℃以上であり、極めて高い耐熱性を有する。また吸着
材含有比率が高いために、有機溶剤等の悪臭成分の吸着
性能が極めて高く、更に、柔軟性にとむ事から折り曲げ
加工等の2次加工がし易い特徴を有する。尚吸着材活性
炭素繊維の吸着性能(q)を図1で示される装置で測定
した結果は50.0g/gであった。
【0017】(実施例4)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を0.8g
と耐熱分解性500℃を有するパルプ状有機繊維である
ケブラー繊維(耐熱性有機成分)を1.0gと熱分解性
有機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性有機成
分)を0.2g入れ、ミキサーで約3分間撹拌した。次
に凝集剤として高分子凝集剤フロクラン(片山化学工業
製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、湿式抄紙
後乾燥し、2.0gのシート状物を得た。次にこのシー
ト状物を無機バインダーとしてヘキサメタリン酸ソーダ
20重量%水溶液に含浸し、100℃のエアーにて乾燥
させ、ヘキサメタリン酸ソーダを0.15g吸着シート
に定着させ前駆体シートを得た。その後、焼成炉にて空
気中400℃で約3分間熱処理を行い2.0gの吸着シ
ートを得た。これにより得られた吸着シートはシート重
量に対しゼオライト40.0重量%、ケブラー50.0
重量%、ヘキサメタリン酸ソーダ7.5重量%、PVA
0%、PVA炭化物2.5%を含み空気中300℃、3
0分間の熱処理による熱処理による重量減量は0%、吸
着シートの熱分解開始温度は400℃以上であり、極め
て高い耐熱性を有する。更に、柔軟性にとむ事から折り
曲げ加工等の2次加工がし易い特徴を有する。
【0018】(比較例1)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5g
とパルプ状セルロース繊維(低温度熱分解性有機成分)
を0.3gと熱分解性抄紙用有機バインダーとしてPV
A(低温度熱分解性有機成分)を0.2g入れ、ミキサ
ーで約3分間撹拌した。次に凝集剤として高分子凝集剤
フロクラン(片山化学工業製)を4cc加え、円網式湿
式抄紙装置を使い、湿式抄紙後乾燥し、2.0gの吸着
シートを作製した。これにより得られたシートはシート
重量に対し、ゼオライト75重量%、セルロース繊維1
5重量%、PVA10重量%となり、耐熱性の低い抄紙
用有機バインダーとパルプ状セルロース繊維を使用して
いるため、実施例に比べ熱分解開始温度が低い。
【0019】(比較例2)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5g
と耐熱分解性500℃を有するパルプ状有機繊維である
ケブラー(耐熱分解性有機成分)を0.3gと抄紙用有
機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性成分)を
0.2g入れ、ミキサーで約3分間撹拌した。次に凝集
剤として高分子凝集剤フロクラン(片山化学工業)を4
cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、湿式抄紙後乾燥
し、2.0gの吸着シートを得た。これにより得られた
吸着シートは、シート重量に対しゼオライト75重量
%、ケブラー15重量%、PVA10重量%であり、耐
熱分解性を有するパルプ状有機繊維を使用しているた
め、比較例1に比べ耐熱分解性が若干向上するが、熱分
解開始温度は低い。
【0020】(比較例3)無機バインダーであるヘキサ
メタリン酸ソーダ20重量%水溶液に対し吸着材として
13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5gと耐熱
分解性500℃を有するパルプ状有機繊維であるケブラ
ー(耐熱分解性有機成分)を0.3gをミキサーで約3
分間撹拌した。次に凝集剤として高分子凝集剤フロクラ
ン(片山化学工業製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置
を使い、湿式抄紙後乾燥し0.8gの吸着シートを得
た。これにより得られた吸着シートは、シート重量に対
してゼオライト37.5重量%、ケブラー37.5重量
%、ヘキサメタリン酸ソーダ30重量%となり、耐熱分
解性が高い抄紙用無機バインダーを使用する事で熱分解
開始温度が高いが、吸着材担持比率が実施例に比べて極
めて低く、有機溶剤等の悪臭成分の吸着性能が低く、更
には、吸着材の脱落が多い。
【0021】(比較例4)ガラス繊維でなる坪量15g
/m2 の無機シートに無機バインダーとしてヘキサメタ
リン酸ソーダと、吸着材として13Xゼオライト(ユニ
オン昭和製)を1:3の混合比で混合したスラリー液に
含浸し、150℃〜200℃のエアーにて乾燥させ、
1.4gの吸着シートを得た。これにより得られた吸着
シートは、シート重量に対してゼオライト40重量%、
ガラス繊維21.4%、ヘキサメタリン酸ソーダ38.
6重量%であり、無機物で構成されたシートに、無機バ
インダーと吸着材を含浸定着させる事で耐熱性は高い
が、実施例に比べ、吸着材の担持比率が極めて低く、有
機溶剤等の悪臭成分の吸着性能が低く、吸着材の脱落が
多く、折り曲げ加工等の2次加工が難しい。
【0022】(比較例5)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5g
と耐熱分解性500℃を有するパルプ状有機繊維である
ケブラー繊維(耐熱性有機成分)を0.45gと熱分解
性抄紙用有機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性
有機成分)を0.05g入れ、ミキサーで約3分間撹拌
した。次に凝集剤として高分子凝集剤フロクラン(片山
化学工業製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、
湿式抄紙後乾燥し、1.8gの吸着シートを作製した。
これにより得られたシートはシート重量に対し、ゼオラ
イト72.2重量%、ケブラー25重量%、PVA2.
8重量%となり、耐熱性の低い抄紙用有機バインダーを
使用しているため、実施例1に比べ耐熱分解性が低い。
又、抄紙用有機バインダーの含有量が少ない為、有機溶
剤等吸着材担持性が十分ではく悪臭成分の吸着性能は実
施例より低くなる。
【0023】(比較例6)水1000ccに対し吸着材
として13Xゼオライト(ユニオン昭和製)を1.5g
と耐熱分解性500℃を有するパルプ状有機繊維である
ケブラー繊維(耐熱性有機成分)を0.025gとガラ
ス繊維(繊維径6μ×繊維長3mm)を0.375gと
熱分解性有機バインダーとしてPVA(低温度熱分解性
有機成分)を0.1g、ミキサーで約3分間撹拌した。
次に凝集剤として高分子凝集剤フロクラン(片山化学工
業製)を4cc加え円網式湿式抄紙装置を使い、湿式抄
紙後乾燥し、2.0gのシート状物を得た。次にこのシ
ート状物を無機バインダーとしてヘキサメタリン酸ソー
ダ20重量%水溶液に含浸し、100℃のエアーにて乾
燥させ、ヘキサメタリン酸ソーダを0.15g吸着シー
トに定着させ前駆体シートを得た。その後、焼成炉にて
空気中400℃で約3分間熱処理を行い1.6gの吸着
性シートを得た。これにより得られた吸着シートはシー
ト重量に対しゼオライト51.1重量%、ケブラー2.
1重量%、ガラス繊維31.9重量%、ヘキサメタリン
酸ソーダ12.8重量%、PVA0%、PVA炭化物
2.1%を含み空気中300℃、30分間の熱処理によ
る乾燥減量は0%、吸着シートの熱分解開始温度は40
0℃以上であり、極めて高い耐熱性を有する。しかし、
耐熱性有機繊維の含有量が低い為、吸着材担持比率が低
くなり、実施例に比べ有機溶剤等の悪臭成分の吸着性能
が低くなる。更に、柔軟性も実施例に比べ悪くなり、折
り曲げ加工等の2次加工が実施例に比べ難しい。実施例
1〜4及び比較例1〜6のシートの製造、シートの組
成、シートの性能をまとめて表1〜表3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【発明の効果】以上、説明した様に本発明の耐熱性吸着
シートは、吸着材の含有比率が極めて高く、有機溶剤等
の悪臭成分の吸着除去性能が極めて優れている。また、
耐熱性を有する吸着シートであるため、再生工程等によ
り突発的に300℃程度の高温下にさらされた場合でも
吸着シートの着火、燃焼、著しい強度低下の恐れがな
く、また吸着材としてゼオライトを使用した場合には反
応性の極めて高い有機溶剤を吸着した際に生ずる反応熱
もなくなり、安全に有機溶剤等の悪臭有害ガスを吸着除
去する事ができる。さらに本吸着シートは柔軟性に富む
事から、折り曲げ加工等の2次加工がし易いという効果
も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の吸着シートの吸着性能を評価す
る装置を示す。
【図2】図2は本発明のB成分すなわち、耐熱性有機ポ
リマー(B−1)及び低温度熱分解性有機ポリマー(B
−2)の熱分解開始温度を測定する装置である。
【符号の説明】
1,A2 温度調節用蛇管 B1,B2,B3 共通すり合わせ濾過板付ガス洗浄瓶(2
50ml) C 混合瓶(球内径60mm二球連続式) D 吸着試験用U字管 E 三方コック F1 溶剤蒸気発生空気用流量計 F2 希釈空気用流量計 N 恒温槽又は恒温水槽 H 余剰ガス出口 I 乾燥空気入口 J 排気口 K1,K2 ガス流量調節コック L 溶剤 M 恒温槽 N サンプル管 O サンプル P 熱電対 Q 温度記録計 R 空気 S 排気

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着材(A)、有機成分(B)及び無機バ
    インダー(C)を含む吸着シートであって、該吸着シー
    トの空気中300℃で30分間の加熱処理した時の重量
    減少が1%以下である耐熱性吸着シート。
  2. 【請求項2】吸着材(A)がゼオライト及び又は活性炭
    素材であり吸着シートに含まれる(A)の量が40〜8
    0重量%である請求項1記載の耐熱性吸着シート。
  3. 【請求項3】有機成分(B)が融点又は熱分解温度が3
    00℃以上の耐熱性有機ポリマー(B−1)またはその
    熱酸化物であり、該有機ポリマー及びその熱酸化物が吸
    着シートに含まれる量が5〜55重量%である請求項
    1、2記載の耐熱性吸着シート。
  4. 【請求項4】有機成分(B)が熱分解温度が250℃以
    下の低温度熱分解性有機ポリマー(B−2)である請求
    項3記載の耐熱性吸着シート。
  5. 【請求項5】耐熱性有機ポリマーがアラミド系ポリマ
    ー、ベンズイミダゾール系ポリマー、ベンゾオキサゾー
    ル系ポリマー、ポリイミド系ポリマーから選ばれた少な
    くとも一種のポリマーである請求項3記載の耐熱性吸着
    シート。
  6. 【請求項6】低温度熱分解性有機ポリマー(B−2)が
    PVA系ポリマー及び又はポリアクリロニトリル系ポリ
    マーである請求項3、4、5記載の耐熱性吸着シート。
  7. 【請求項7】吸着材(A)、有機成分(B)、及び無機
    バインダー(C)でシート状物を作製したのち、該シー
    ト状物を耐熱性有機ポリマー(B−1)の分解開始温度
    以下、低温度熱分解性有機ポリマー(B−2)の分解開
    始温度以上の温度で熱処理する耐熱性吸着シートの製造
    方法。
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