JPH09941A - 光触媒装置及びその応用装置 - Google Patents

光触媒装置及びその応用装置

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JPH09941A
JPH09941A JP15166395A JP15166395A JPH09941A JP H09941 A JPH09941 A JP H09941A JP 15166395 A JP15166395 A JP 15166395A JP 15166395 A JP15166395 A JP 15166395A JP H09941 A JPH09941 A JP H09941A
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light emitting
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和宏 酒井
Tadanobu Iwasa
忠信 岩佐
Osamu Yamanaka
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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光触媒の光触媒反応を空気や水の浄化、殺菌
等に利用した光触媒装置であって、太陽光等が当たらな
い場所、狭い場所等にも適用可能なコンパクトな構造に
形成することができ、また消費電力も少なく、有彩色に
発光すること。 【構成】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持
し、光触媒反応表面を有する基体1と、その光触媒2を
照明可能に配置され、所定の可視光と波長360〜40
0nmの紫外線とを主に放射する発光ダイオード3とを
具備する。光触媒2の活性化のための紫外線源として発
光ダイオード3を使用するため、装置全体をコンパクに
形成することができる。この装置は、脱臭装置、飲料水
浄化装置、抗菌性表面を有する抗菌装置等として具体化
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二酸化チタンの薄膜から
なる光触媒による光触媒反応を利用した光触媒装置及び
その応用装置に関するもので、具体的には、脱臭、殺菌
(抗菌)、防汚、飲料水等の水の浄化等に応用可能な光
触媒装置及びその応用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、二酸化チタンTiO2 に代表され
る光半導体の微粒子による光触媒作用、特にその強い酸
化触媒作用に高い注目が集められている。
【0003】この光触媒作用は次のように一般に考えら
れている。即ち、二酸化チタン等の光半導性を有する粒
子状物質をそのバンドキャップエネルギ以上の光(二酸
化チタンの場合は400nm以下の光、即ち、紫外線)
で照射すると、価電子帯の電子が光励起されて伝導帯に
移り、伝導帯には自由電子が生成すると共に、価電子帯
には正の電荷を帯びた粒子(正孔)が生成する。これら
の正孔と電子とは半導体粒子内部を運動し、時間の経過
と共に再結合して消滅するが、その粒子外部に空気また
は水、或いはそれらの正孔や電子よりもエネルギの低い
空順位を有する化合物やイオンが存在すると、その粒子
表面を通してそれらの正孔と電子が移動する。つまり、
半導体粒子表面に移動した正孔は接触する化合物やイオ
ンを直接酸化し、或いは活性酸素の1つである水酸基ラ
ジカルを生成する。また、この酸化反応に対する電子に
よる還元反応は主に酸素の還元であり、電子が付加され
た酸化性の高い酸素種が生成される。こうして、光半導
体微粒子は光が照射されることによって酸化性の活性表
面を形成し、有機化合物の分解等に触媒として作用する
(「季刊 化学総説 『光が関わる触媒化学』No.2
3,1994)。
【0004】このような光半導体微粒子による酸化触媒
作用は、光半導体の中でも二酸化チタンが特に高い。ま
た、二酸化チタンは安定性や安全性にも優れている。そ
こで、この二酸化チタンの微粉末を薄膜として基体表面
に担持して光触媒を形成し、紫外線照射時のその高い酸
化力を有機化合物等の分解に利用した種々の応用が既に
知られている。
【0005】その応用の最もよく知られた例は、海上に
流出した原油の分解である。中空のガラスビーズの表面
に、上記の二酸化チタンの薄膜からなる光触媒をコーテ
ィングによって担持させる。そして、このガラスビーズ
を原油が流出した海上に散布する。それによってガラス
ビーズの表面には原油が付着するが、この付着した原油
は、その光触媒が太陽光中の紫外線によって活性化し、
強い酸化触媒作用を発揮することによって、分解され
る。これは実際にはシャーレに水を入れて試験的になさ
れたものであるが、太陽光の下で2週間または1カ月ほ
どで完全に原油を分解できることが報告されている。
【0006】また、最近では、室内空気の脱臭または消
臭、殺菌(抗菌)、タバコのヤニや油膜等の汚れの分解
にもその応用が試みられている。具体的には、これらの
例は窓ガラスや蛍光灯のガラスチューブ、或いはタイル
等の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を形成し
たものであり、自然光または蛍光灯の光に含まれる紫外
線を利用してその光触媒を活性化させ、それの酸化触媒
反応によって接触するメルカプタン等の臭気化合物、或
いはタバコのヤニ等の有機物を分解し、または、細菌等
の微生物を死滅させまたはその増殖を抑えるものであ
る。そして、これによる実際の効果も確認され、自動車
や高層ビル等の窓ガラス、或いは衛生用のタイルは既に
実用化段階に入っている。
【0007】更に、最近実用化された例として、二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒をコップ等のガラス容器の
表面に形成したものも知られている。これによれば、蛍
光灯の光に含まれる微弱な紫外線によってもその光触媒
が活性化されるため、水道水に含まれるカルキ臭を除去
し、また、有機ハロゲン化合物、特に発ガン性物質のト
リハロメタンを分解することができる。また、その光触
媒は水のクラスタ(分子の集合体)を微細化する作用も
あり、美味しい水ができる効果もある。
【0008】その他の応用例は、実用化には至っていな
いが、産業用排水等の排水の浄化、窒素酸化物等の大気
汚染物質の無害化または分解、更には医学的応用として
の癌細胞の死滅除去等である。そして、これらの排水処
理等の例では、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒をハ
ニカムやセラミックスウール等の表面積の大きい基体に
担持させると共に、光源としては強い太陽光、或いは強
い紫外線蛍光ランプ(ブラックライト)が用いられてい
る。
【0009】なお、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
において、その薄膜を形成する二酸化チタンの粒子径
は、十分に小さいほど「量子サイズ効果」等によって光
触媒作用が高いことが知られている。そのため、その薄
膜は、二酸化チタンのコロイドを基体表面に塗布し焼成
する等の方法によって、一般に0.3μm以下、好まし
くは0.2μm以下の膜厚の透明な薄膜として、または
そのような薄膜を多層化した薄膜として形成されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように二酸化チタ
ン(TiO2 )の薄膜からなる光触媒は、これに紫外線
が照射されることによって高い酸化触媒作用を生じ、有
機化合物等を分解させることができる。そのため、この
光触媒を適当な基体表面に担持させることによって、前
述のように、空気の脱臭または消臭、殺菌(抗菌)、タ
バコのヤニ等の防汚、或いは水の浄化等に有効に利用す
ることができる。
【0011】ただ、ここで問題となるのは、その二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒を活性化し、それによって
有機化合物等の分解等の触媒反応を生じさせるためには
紫外線が必要であることである。そして、この紫外線源
としては、従来では主に、太陽の自然光または蛍光灯の
光に含まれる紫外線が利用されている。しかしながら、
これらの光を利用することは新たな光源を必要としない
利点はあるが、その光触媒による触媒反応系の適用場所
等は自ずと限定されたものとなる。即ち、それらの光が
当たらないかまたは十分には当たらない場所には光触媒
を適用することはできず、光触媒を担持させる基体は、
それらの光を十分に受けることができる窓ガラスや蛍光
灯のカバー、またはそれらの光の下に置くことができる
ガラスコップ等に専ら限定される。また、光触媒の光触
媒反応によって有機化合物等を完全に分解するためには
ある程度の時間が必要であるが、夜間或いは消灯時には
その光触媒反応を生じさせることができない。
【0012】そのため、光触媒による触媒反応を生じさ
せるための紫外線源としては紫外線蛍光ランプ(ブラッ
クライト)の使用が考えられ、また、実際に従来におい
ても、特に試験等には紫外線蛍光ランプが使用されてい
る。しかし、このような紫外線蛍光ランプは、それを設
置するために比較的広い空間と場所とを要し、狭い空間
等には設置することができない。また、それの電力消費
量も、終日使用される場合にはかなり多いものとなる。
したがって、紫外線蛍光ランプの場合も、それが放射す
る紫外線には人体に有害な遠紫外線が多く含まれること
も合わせて、その具体的な適用場所等は限定されるもの
であった。
【0013】ところで、発光ダイオード(LED)は小
さな発光素子であり、パイロットランプ或いはインジケ
ータ等として、種々の発光表示に利用されている。そし
てこの発光ダイオードは、使用する光半導体の結晶体の
種類等によって、赤や緑や青等の各種の有彩色を発光す
る。しかしながら、その発色光は一般にある程度のスペ
クトル範囲を有しており、例えば、窒化ガリウム(Ga
N)系光半導体の結晶体をpn接合して青色光を発光す
る発光ダイオードを形成した場合等、それの放射光に
は、近紫外領域の光、即ち紫外線も含まれる場合があ
る。そして、このような紫外線は発光表示等のためには
不要なものであるため、一般には、ドーピング処理を適
切に行う等によって極力除くように努められている。
【0014】しかし、本発明者等は、発光ダイオードの
放射光に含まれるこのような近紫外線が不要なものでは
なく、むしろ上記の二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
の活性化に有効に利用できること、そして、そのような
発光ダイオードを使用することによって、脱臭等の優れ
た効果を発揮するその光触媒の活用を更に拡大できるこ
とを見出だした。
【0015】そこで、本発明は、太陽光等が当たらない
場所にも適用することができ、また、狭い場所等にも適
用可能なコンパクトな構造に形成することができ、更
に、消費電力が少なく、しかも有彩色に発光する光触媒
装置の提供を課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる光触媒
装置は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、
光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明可能
に配置され、所定の可視光と波長360〜400nmの
光、即ち、紫外線とを主に放射する発光ダイオードとを
具備するものである。
【0017】請求項2にかかる光触媒装置は、請求項1
において、上記の基体が透明なガラス材料からなるもの
である。
【0018】請求項3にかかる光触媒装置は、請求項1
または請求項2において、上記の発光ダイオードが、青
色の光と前記紫外線とを主に放射するpn接合された窒
化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体からなるもの
である。
【0019】請求項4にかかる空気の浄化(脱臭)装置
は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、その
空気と接触する光触媒反応表面を有する基体と、この光
触媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長360
〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイオード
とを具備するものである。
【0020】請求項5にかかる水の浄化装置は、二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、その水と接触す
る光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明可
能に配置され、所定の可視光と波長360〜400nm
の紫外線とを主に放射する発光ダイオードとを具備する
ものである。
【0021】請求項6にかかる抗菌装置は、二酸化チタ
ンの薄膜からなる光触媒を担持し、付着する細菌類に対
して抗菌性の光触媒反応表面を有する基体と、この光触
媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長360〜
400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイオードと
を具備するものである。
【0022】
【作用】請求項1においては、所定の可視光に加えて、
波長360〜400nmの光(紫外線)を放射する発光
ダイオードを備えるので、太陽光等が当たらない場所で
あっても、それが放射する紫外線によって基体に担持さ
れた二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を活性化し、有
機化合物の分解等の光触媒反応を生じさせることができ
る。また、発光ダイオードは非常に小さな発光素子であ
ると共に、作動電圧が小さいため、乾電池等によっても
発光させることができる。そのため、発光ダイオードは
設置のための空間を多く必要としないので、狭い場所等
を含むあらゆる場所に容易に適用することができ、ま
た、光触媒を担持した基体と合わせた光触媒装置全体
を、コンパクトな構造に形成することができる。更に、
発光ダイオードによれば、所定の可視光と光触媒の活性
化のための紫外線とを比較的効率良く放射させることが
でき、また、その個数を調整すること等によって、必要
な明るさと共に光触媒反応に必要とされる量に応じた紫
外線容量を放射させることができる。そのため、消費電
力の少ない光触媒装置を形成することができる。そし
て、発光ダイオードの放射する所定の可視光によって、
彩色発光する光触媒装置を形成することができる。
【0023】請求項2においては、請求項1において、
上記の基体が透明なガラス材料からなるものであるか
ら、所定の可視光及び紫外線の透過を良くし、高効率で
二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を活性化できる。
【0024】請求項3においては、請求項1または請求
項2において、上記の発光ダイオードが、青色の光と紫
外線とを主に放射するpn接合された窒化ガリウム(G
aN)系光半導体の結晶体からなり、近接する青色と近
紫外線の領域によって安定した発光が可能となる。
【0025】請求項4においては、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒を担持し、その空気と接触する光触媒反
応表面を有する基体と、この光触媒を照明可能に配置さ
れ、所定の可視光と波長360〜400nmの紫外線と
を主に放射する発光ダイオードにより、脱臭、殺菌、防
汚等の日常生活面での用途に特に好適に応用することが
できる。そのような応用の例としては、光触媒を担持さ
せた基体を空気と接触可能として形成した空気浄化装置
に関しては、例えば、室内空気清浄器(汎用脱臭器)、
衣類乾燥機や食器乾燥器の内部の脱臭装置、自動車の灰
皿装置、エアコン、ゴミ容器の脱臭装置、冷蔵庫消臭
器、靴脱臭器、脱臭器を兼ねた置物または装飾品等が挙
げられる。
【0026】請求項5においては、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒を担持し、その水と接触する光触媒反応
表面を有する基体と、この光触媒を照明可能に配置さ
れ、所定の可視光と波長360〜400nmの紫外線と
を主に放射する発光ダイオードにより、コンパクトな構
造に形成することができ、また人体に有害な遠紫外線を
含まない発光ダイオードを使用できることから、脱臭、
殺菌、防汚、或いは飲料水の浄化等の日常生活面での用
途に特に好適に応用することができる。そのような応用
の例としては、特に、光触媒を担持させた基体を水と接
触可能として形成した水浄化装置に関しては、温水ポッ
ト、水差し、コースタ、水道水の浄水器、フロ水浄水
器、観賞魚水槽内の水の浄化装置等が挙げられる。
【0027】請求項6においては、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒を担持し、付着する細菌類に対して抗菌
性の光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明
可能に配置され、所定の可視光と波長360〜400n
mの紫外線とを主に放射する発光ダイオードにより、特
にコンパクトな構造に形成することができ、また人体に
有害な遠紫外線を含まない発光ダイオードを使用できる
ことから、脱臭、殺菌、防汚等の日常生活面での用途に
特に好適に応用することができる。そのような応用の例
としては、特に、光触媒を担持させた基体を抗菌性表面
の提供に利用した抗菌装置に関しては、歯ブラシまたは
歯ブラシ立て、箸立て、衛生容器、アイロン、電話器、
カラオケマイク、マスク、ドライヤ、足拭きマット、体
重計、また便器等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0029】〔第一実施例〕図1及び図2は本発明の第
一実施例の空気の浄化(脱臭)装置、具体的には、冷蔵
庫等の壁面に据付けられる照明装置を兼ねた脱臭装置を
示すものである。そして、図1はその要部を原理的に示
す説明図、図2はその全体を示す断面図である。
【0030】図1のように、全体を10で示す本実施例
の空気浄化(脱臭)装置は、基本的には、光触媒反応表
面を有する基体1と、その基体1の表面に担持された二
酸化チタンの薄膜からなる光触媒2と、この光触媒2を
照射可能に配置され、青や赤や緑等の所定の可視光(4
00nm以上の波長の光)と波長360〜400nmの
光(近紫領域の紫外線)とを主に放射する発光ダイオー
ド3とを備え、光触媒反応が可能な光触媒装置として形
成されている。つまり、二酸化チタンは、一般に約42
0nm以下の波長の光(電磁波)、即ち、紫外線に対し
て吸収性を有し、特に380〜390nmの波長の光に
対して吸収スペクトルピークを有している(理論値は3
88nm)。そのため、その二酸化チタンの薄膜からな
る光触媒2は発光ダイオード3が放射する紫外線によっ
て活性化され、前述のように、強い酸化力を持つ光触媒
反応表面を形成する。そして、この光触媒による酸化触
媒作用によって、これに接触する空気に含まれる有機化
合物、例えば、硫化水素、メルカプタンに代表される含
硫黄有機化合物、トリメチルアミン、プロピルアミンに
代表される含窒素化合物、また、トルエン、キシレンに
代表される炭化水素化合物、アセトアルデヒド、酪酸、
吉草酸等のアルデヒド、カルボン酸類等の臭成分が酸化
され、空気が浄化され、脱臭される。
【0031】なお、ここで、このような光触媒装置を形
成する基本的要素である基体1と、光触媒2及び発光ダ
イオード3について説明する。
【0032】〈基体〉基体1は、光触媒2を担持し、処
理すべき媒質(本実施例の場合は空気)と接触可能な光
触媒反応表面を有するためのものである。したがって、
この基体1は、光触媒反応のための十分な広さの表面積
を確保することができる形状であればどのような形状で
もよく、本実施例では板状に形成されているが、その他
にも球状、柱状または筒状、或いは繊維状等の任意の形
状に形成することができる。また、より広い光触媒反応
表面を得るために、その表面に更に凹凸または粗面を形
成することもできる。そして、本実施例においては、そ
のような凹凸または粗面が、例えば、械的加工によっ
て、光触媒2を担持する表面に形成されている。なお、
このような凹凸または粗面は、基体1を形成する粉末を
その基体1または他の基体1の表面に融着することによ
って、形成することもできる。
【0033】また、この基体1は、光触媒の光触媒作
用、特に、酸化触媒作用に対して不活性な材料であれ
ば、プラスチック、セラミックス、金属、或いはガラス
等の任意の材料から形成することができる。しかし、金
属材料は、水分の存在下では酸化され易いため好ましく
はなく、またプラスチック材料も、長い間にはその酸化
作用によって分解されるので余り好ましくはない。その
ため、基体1を形成する材料としては、化学的に安定な
材料であるセラミックスまたはガラスが好ましい。した
がって、基体1は、これらのセラミックスまたはガラス
を表面層とする積層体とすることもできる。
【0034】更に、この基体1は、透明材料から形成す
ることが好ましい。そして、基材1を透明材料から形成
することによって、可視光と共に紫外線を透過させ、光
触媒2をその背面側から照射することができる。具体的
には、本実施例において、基体1は透明なガラス材料か
ら形成され、また、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
2は発光ダイオード3と反対側の表面に形成されてい
る。そのため、発光ダイオード3から放射された紫外線
は、基体1を透過し、その他方側の表面に担持された光
触媒2に当たり、これを活性化する。こうして、光触媒
2と発光ダイオード3との間に基体1が介在する場合で
あっても、基体1をガラス等の光透過性の透明材料から
形成することによって、その光触媒2を有効に活性化す
ることができる。また、基体1を透明材料から形成する
ことによって、その両側面に光触媒2を担持させること
ができ、それによって光触媒反応表面をより拡大するこ
とができる。この場合、一方側の表面の光触媒2によっ
て吸収されずに透過した紫外線が、他方側の表面の光触
媒2に当たって、同様にこれを活性化する。なお、ガラ
ス材料としては、石英ガラス、或いは高シリカガラスや
ホウケイ酸ガラスが強度等の点で好ましいものではある
が、通常のソーダ石灰ガラス等も好適に使用することが
できる。
【0035】〈光触媒〉また、このような基体1に担持
される光触媒2は、光半導体である二酸化チタン(Ti
2 )の薄膜、具体的には、その微粒子のコーティング
からなっている。なお、同様な光触媒反応を生じる光半
導体としては、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドニウム
(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、チタン酸ストロンチ
ウム等の種々のものが知られているが、例えば、硫化亜
鉛は、光を受けると水中では亜鉛イオンとなって溶解す
る。これらに対して二酸化チタンは、光触媒反応性が高
いだけでなく、化学的に安定であって反応持続性があり
(永久的)、しかも人体に全く無害である。そして、そ
の光触媒2を形成する二酸化チタンの微粒子は、光触媒
反応を生じるためには、「量子サイズ効果」等により十
分に小さい必要があることが既に知られている。そのた
め、この二酸化チタンの薄膜は、一般に0.3μm以
下、好ましくは0.2μm以下の膜厚の透明な薄膜とし
て、または、そのような薄膜を多層化した薄膜(例え
ば、0.7μm程度の透明な薄膜)として形成される。
なお、このような薄膜は一般に淡い虹彩を呈する。
【0036】このような二酸化チタンの薄膜は、既に知
られた種々の方法によって、担持体としての基体の表面
に形成することができる。最も一般的な方法は、二酸化
チタンのコロイド(ゾル)を基体表面に薄く塗布し、或
いは電気泳動法によって沈着させ、次いで焼成する方法
である。この方法によれば、十分に小さな二酸化チタン
微粒子の薄膜を得ることができ、しかも、ガラス等の基
体に強固に被着された薄膜を形成することができる。ま
た、真空蒸着法、或いは気相反応による化学的析出法
(気相成長法)も、薄膜を形成することができる。な
お、仏具等の工芸用陶磁器に真珠様の光沢を付与するた
めに古くから用いられている「真珠ラスター」も、適宜
利用することもできる。これはチタンの樹脂石鹸の溶液
であり、これを塗布し、600℃程度で加熱焼成するこ
とによって、二酸化チタンの透明な薄膜を形成すること
ができる。
【0037】〈発光ダイオード〉また、発光ダイオード
(LED)3は、ステムタイプやリードフレームタイプ
等の種類はあるが、pn接合された半導体の結晶体から
なる光を放射するチップ3aと、このチップ3aを封止
すると共に放射された光に指向性を与えるモールドレン
ズ3bとを主要部として備える小さな発光素子である。
なお、モールドレンズ3bは光透過性の透明材料からな
り、一般にエポキシ樹脂等から形成される。そして、こ
のような発光ダイオード3は、一般には赤や緑、或いは
青の光を放射し、パイロットランプやインジケータ、或
いは数字や文字の表示等の表示用に使用される。しか
し、本実施例において、この発光ダイオード3として
は、所定の可視光、即ち、400nm以上の波長の可視
光線と、波長360〜400nmの光、即ち、近紫外領
域の紫外線とを主に放射するものを使用する。
【0038】ここで、紫外線は360〜400nmの波
長範囲のものであればよいが、二酸化チタンが380〜
390nmに光吸収スペクトルピークを有することか
ら、この波長範囲に十分なスペクト強度を有するものが
好ましい。また、このような光を放射する発光ダイオー
ド3としては、好ましくは、人体に有害な紫外線、即
ち、320nm以下の波長の遠紫外線を放射しないもの
が好ましい。更に、より好ましいのは、そのような遠紫
外線だけでなく、日焼けを生じさせるような紫外線(B
ランク紫外線)も放射しない、即ち、350nm以下の
波長の紫外線を実質的に放射しない発光ダイオードであ
る。そして、このような発光ダイオード3によれば、人
体に全く無害な光触媒装置を形成することができ、日常
生活における用途にも安全に使用することができる。し
たがって、使用する発光ダイオード3としては、可視光
と近紫外線とを含む波長350nm以上(より好ましく
は、360nm以上)の光のみを実質的に放射するもの
が好ましい。
【0039】また、発光ダイオード3の放射する可視光
は赤や緑、或いは青等の任意の有彩色であることができ
る。そして、そのような所定の可視光と波長360〜4
00nmの紫外線を主に放射する発光ダイオード3は、
チップ3aを形成する半導体結晶体の種類を選定し、ま
た適切なドーピング処理等を行うことによって適宜得る
ことができる。しかしながら、そのような可視光として
より好ましいのは、波長が450nm程度である青色の
光である。それによれば、発光ダイオード3の放射する
光のスペクトル範囲を比較的狭いものとすることがで
き、より高い発光効率を得ることができる。そして、こ
のような青色の光と波長360〜400nmの紫外線と
を主に放射する発光ダイオード3は、チップ3aを形成
する半導体結晶体として窒化ガリウム(GaN)系、炭
化ケイ素(SiC)系、硫化亜鉛(ZnS)系、硫化セ
レン(SeS)系等の半導体材料を用いて、一般に製造
することができる。しかし、これらの半導体材料の中で
も、窒化ガリウム(GaN)系半導体材料によれば、最
もそのような光の発光効率が高い発光ダイオードを得る
ことができる。
【0040】そして、この発光ダイオード3は、基体1
に担持された光触媒2を照射可能な配置において、その
光触媒2を十分に活性化することができる1以上の任意
の個数だけ設けることができる。この場合、具体的に使
用する発光ダイオード3は、どのような形状のものであ
ってもよく、例えば、モールドレンズ3bが平板状に形
成された面実装用タイプの発光ダイオードも適宜使用す
ることができる。また、複数の発光ダイオード3が必要
とされる場合には、その必要とする数のチップ3aを単
一のモールドレンズ3bで封止したものとして、その発
光ダイオードを形成することもできる。そして、発光ダ
イオード3は小さな素子であり、それの設置のために広
いスペースを必要としないので、多数個を設ける場合で
あっても、あらゆる場所に容易に設置することができ
る。
【0041】なお、発光ダイオード3は低い電圧で作動
させることができ、また、その消費電力も少ないため、
それの電源としては、乾電池、或いは充電池等の蓄電池
も適宜用いることができる。そのため、電源配線のない
場所でも発光ダイオード3を発光させ、光触媒反応を生
じさせることができる。また、家庭用の交流電源を使用
することもできる。そしてこの場合、例えば、単にシリ
コンダイオードを用いて半波整流するか、または、2つ
の発光ダイオードを互いに逆方向接続して使用すればよ
いため、簡単にその電源を利用することができる。更
に、その電源回路にはスイッチ、タイマ等を設けること
もでき、それによって発光ダイオード3の不必要な作動
をなくし、消費電力の節約を図ることができる。
【0042】そして、これらの基体1、光触媒2、及び
発光ダイオード3を基本的要素として、本実施例の空気
の浄化(脱臭)装置10は、図2のように具体的に形成
されている。なお、この図2において、図1における光
触媒2を担持した基体1は、光触媒反応基体11として
示されている。したがって、この光触媒反応基体11
は、基体1と、その表面に担持された二酸化チタンの薄
膜からなる光触媒2とからなるものである。
【0043】図2のように、本実施例の空気の浄化装
置、具体的には脱臭装置10は冷蔵庫等の壁面w(上壁
面)に据付けられたものとして形成され、光触媒2を担
持した基体1からなる光触媒反応基体11及び適数個の
発光ダイオード3と、壁面wに対する取付基板をなす本
体12とを備えている。なお、この本体12はプラスチ
ック材料から形成され、また好ましくは、光反射性の
(例えば、白色の)材料から形成されるか、またはメタ
リック塗装等の反射性のコーティングが表面に形成され
ている。そしてここで、光触媒反応基体11は、発光ダ
イオード3を覆うようにカバー状(皿状)に形成された
透明なガラス板を基体1とし、その外側表面に二酸化チ
タンの薄膜からなる光触媒2をコーティングにより担持
させて形成されている。また、光触媒反応基体11は最
も簡易な形状に形成されているため、図1のように、そ
の基体1の表面には凹凸または粗面が設けられ、それに
よって空気と接触する光触媒反応表面が十分に確保され
るようにしている。なおこの凹凸または粗面は、発光ダ
イオード3が放射する可視光を分散しまたは拡散させる
作用も有している。そして、この光触媒反応基体11
は、その光触媒2が冷蔵庫内等の空気と接触するよう
に、接着等によって本体12に組付けられている。
【0044】また本体12には、適数個の発光ダイオー
ド3が光触媒反応基体11側に向けて、その光触媒2を
照射可能に取付けられている。したがって、発光ダイオ
ード3が作動されると、それの放射する紫外線を含む光
は光触媒反応基体11の基体1を透過してその表面の光
触媒2に当たり、これを活性化する。また、発光ダイオ
ード3の放射光に含まれる可視光は光触媒2を透過する
ため、光触媒反応基体11はその可視光の彩色に発光
し、また、周囲を照明する。なお、発光ダイオード3を
作動させる電源としては、例えば、冷蔵庫の場合には、
それに使用される家庭用電源を使用することができる。
【0045】このように、本実施例の空気浄化装置(脱
臭装置)は、浄化する空気と接触可能な光触媒反応基体
11、即ち、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担
持する基体1と、所定の可視光と波長360〜400n
mの紫外線とを主に放射する発光ダイオード3とを基本
的に備え、これに加えて、光触媒反応基体11を空気と
接触可能に保持すると共に発光ダイオード3を光触媒反
応基体11に対して照射可能に配置するための本体12
を備えて形成されている。
【0046】したがって、発光ダイオード3を備えるた
め、太陽光や蛍光灯の光が当たらない場所でも、それの
放射する光に含まれる紫外線によって光触媒反応基体1
1(光触媒2)を活性化させることができる。また、発
光ダイオード3が小さな発光素子であるので、浄化装置
10全体をコンパクトなものとして形成することができ
る。更に、その消費電力量は少ないため、終日使用する
こともできる。そのため、本実施例の空気浄化装置(脱
臭装置)10は、冷蔵庫、自動車の車室或いはそれに据
付けられた収納型の灰皿、食器乾燥機、衣類乾燥機、ロ
ッカ、下駄箱、トイレ、押入れ、或いは便器や生ゴミ容
器(それらの蓋)等に適用することができ、それらの内
部の空気を浄化し、脱臭することができる。
【0047】また、本実施例の空気浄化装置(脱臭装
置)10は、発光ダイオード3が所定の可視光を放射す
るため、その有彩色の発光装置としての機能も備えてい
る。そのため、一般の室内或いは風呂場を含む建造物内
において、照明を兼ねた、または、案内等の発光表示を
兼ねた空気浄化装置(換言すれば、空気の浄化作用を有
する発光照明または表示装置)としても、好適に適用す
ることができる。また、これらの場合、発光ダイオード
3の放射光に含まれる紫外線は光触媒反応基体11(光
触媒2)によって吸収されるので、場合によっては有害
となるそのような紫外線が除去されるという効果もあ
る。
【0048】ところで、本実施例の空気の浄化装置(脱
臭装置)10は、光触媒反応基体11がカバー状(皿
状)に形成され、発光ダイオード3を保護するような構
造に形成されているが、この光触媒反応基体11は、そ
れに開口を設けることによって、浄化する空気がその内
側にも流通するように形成することもできる。この場合
には光触媒2を基体1の内面側にも担持させることにな
るが、それによって、光触媒2による光触媒反応表面を
より広げ、空気の浄化効果をより高めることができる。
また、このような場合も含めて、その光触媒反応基体1
1は、平板状、或いは中空の半球状、更には筒状等の他
の任意の形状に形成することができる。なおまた、本体
12は、空気の浄化装置10が適用される具体的な場所
等に応じて、適宜の形状、構造に形成することができ、
また壁面w自体をそのような本体12として形成するこ
ともできる。
【0049】〔第二実施例〕次に、上記のような光触媒
反応基体を更に特殊な形状に変形し、その空気浄化装置
(脱臭装置)を置物(飾り物)として形成した実施例に
ついて説明する。
【0050】図3は本発明の第二実施例の置物(飾り
物)形の空気浄化装置(脱臭装置)を示す断面図であ
る。なお、この図3において、図1及び図2と同一また
は相当する部分には同一の符号を使用している。
【0051】図3のように、全体を20で示す本実施例
の空気浄化装置(脱臭装置)は、第一実施例の場合と同
様に、光触媒反応基体21、即ち、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒2を担持した基体1と、所定の可視光と
波長360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光
ダイオード3とを基本的に備えて形成されている。しか
し、図2の第一実施例とは異なり、この光触媒反応基体
21は動物等の形状、つまり、装飾体としての形状に形
成されている。具体的には、この光触媒反応基体21の
基体1は、発光ダイオード3の放射光を透過可能なガラ
ス材料によって中空の動物等の形状に形成され、そし
て、その外側表面のほぼ全面に光触媒2がコーティング
により担持されている。なお、この基体1の内側表面は
粗面に形成され、それによって発光ダイオード3の放射
光が分散し、拡散するようにされている。なお、必要に
応じて、その基体1の外側表面にも、図1の場合と同様
に、凹凸または粗面を形成することができる。
【0052】また、本実施例においては、このような光
触媒反応基体21の下方に開口21aが設けられ、この
開口21aに、プラスチック材料等から形成された、発
光ダイオード3を取付けるための取付部22が、接着等
によって組付けられている。そして、この取付部22
に、光触媒反応基体21の全体を内側から照射するよう
に、適数個の発光ダイオード3が取付けられ、配置され
ている。また、本実施例では、この取付部22は小形の
乾電池等の蓄電池kを収容可能に形成されている。その
ため、発光ダイオード3は、その蓄電池kを電源とし
て、図示しないスイッチ手段を介して作動されるように
なっている。ただし、この発光ダイオード3を作動する
電源としては、通常の家庭用電源を使用することもで
き、また、必要に応じて両用型とすることもできる。
【0053】このように、本実施例の空気浄化装置(脱
臭装置)20は、装飾体として形成され、空気と接触可
能な光触媒反応基体21、即ち、二酸化チタンの薄膜か
らなる光触媒2を担持した基体1と、所定の可視光と波
長360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダ
イオード3と、この発光ダイオード3を取付けて、光触
媒反応基体21(光触媒2)を照射可能に配置するため
の取付部22とを備えて形成されている。その作用は第
一実施例の場合と同様である。即ち、発光ダイオード3
が作動されると、それの放射光は基体1を透過してその
表面の光触媒2に当たり、それに含まれる紫外線によっ
てその光触媒2が活性化される。そのため、活性化され
た光触媒2の触媒作用、特に酸化触媒作用により、それ
に接触する空気中の臭成分等の有機化合物が分解され、
それによって空気が浄化され、また脱臭される。またそ
の一方、発光ダイオード3の放射光のうちの所定の可視
光は、光触媒2には吸収されずにそのままこれを透過す
る。そのため、その可視光は基体1によって分散または
拡散され、また屈折して、光触媒反応基体21自体もそ
の色彩に淡く発光する。
【0054】したがって、本実施例の空気浄化装置(脱
臭装置)20によれば、空気の浄化(脱臭)作用だけで
なく、光触媒反応基体21が特に装飾体として形成され
ていることによって美的効果も有するので、居間、寝室
等の一般居住空間、或いはトイレ、風呂場、更にはバー
等のタバコの煙が充満するような場所等において、置物
または飾り物として好適に利用することができる。な
お、ここで、光触媒反応基体21の形状としては、動物
だけでなく、植物或いは人物、或いは家等の造形物等を
表す形状とすることができ、また、球状や角錐状等の幾
何学的形状とすることもできる。そして、これらのいず
れの場合においても、発光ダイオード3は小さな素子で
あるため、そのような装飾効果を有する空気浄化装置2
0をコンパクトに形成することができる。
【0055】ところで、本実施例の空気浄化装置20
は、平坦面上に載置可能な置物形に形成されているが、
壁掛け形、或いは垂下形等に形成することもでき、更に
は、図2の第一実施例の場合と同様に、天井や壁面等に
据付け可能に形成することもできる。また、本実施例で
は、光触媒反応基体21を中空状に形成すると共に発光
ダイオード3をその内側に配置しているが、これに代え
て、光触媒反応基体21を外側から照射するように、発
光ダイオード3をその外側に配置することもできる。こ
の場合、発光ダイオード3を取付けた取付部22を、例
えば、スタンド形ライトのような形状に形成して、その
光触媒反応基体21の側方に配置することができる。そ
して、このようにした場合には、光触媒反応基体21を
陶磁器等から形成することも可能となる。
【0056】ところでまた、第一実施例及び第二実施例
の空気の浄化(脱臭)装置は、空気の自然対流を利用し
て室内等の空気を浄化するものであり、その室内全体の
空気を浄化するには比較的時間がかかる。そこで、比較
的短時間で空気を浄化するために、流入口と流出口とを
有する空気の流通経路を形成し、ファン等によってその
流通経路に空気を流通させると共に、光ダイオード3に
より活性化される光触媒反応基体(光触媒2を担持した
基体1)をその流通経路内に配置して、浄化装置を形成
することができる。そしてこの場合、その光触媒反応基
体としては、流通する空気と十分な接触が得られるよう
に、ガラス繊維からなる基体1の表面に光触媒2を担持
させたものをフィルタ状に集合したものが好ましい。
【0057】〔第三実施例〕以上の実施例は、光触媒に
よる光触媒作用を、空気中に含まれる臭成分等の有機化
合物の分解除去(脱臭)に応用したものである。しか
し、この光触媒による光触媒作用は、飲料水等の水に含
まれるハロゲン化合物、或いは各種の有機化合物の分解
除去にも応用することができる。
【0058】図4は本発明の第三実施例の水の浄化装置
(水差)を示す断面図である。なお、同図において、こ
れまでの実施例と同一または相当する部分には同一の符
号を使用している。
【0059】図4のように、全体を30で示す本実施例
の水の浄化装置は、これまでの実施例と同様に、二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒2を担持した基体1、即
ち、光触媒反応基体31と、発光ダイオード3とを基本
的に備え、その光触媒反応基体31が浄化すべき水と接
触するようになっている。なお、これらの基体1、光触
媒2、及び発光ダイオード3に関する技術的詳細は第一
実施例と同じであり、この発光ダイオード3は、所定の
可視光と波長360〜400nmの紫外線とを主に放射
するものである。
【0060】具体的には、本実施例の水の浄化装置30
において、その光触媒反応基体31は、ガラス材料から
水差として形成された飲料水容器を基体1とし、その内
側のほぼ全面に光触媒2を担持させて、形成されてい
る。また、本実施例の水の浄化装置30は、この水差と
しての光触媒反応基体31とは別体に、その底を受ける
コースタ或いは受皿のような形状に形成された受台32
を備えている。そして、この受台32に、適数個の発光
ダイオード3が上方に向けて取付けられ、適当な直流電
源によって作動されるようになっている。なお、この受
台32は、プラスチック等の適宜の材料から形成されて
いる。なおまた、水差として形成された光触媒反応基体
31の口には、その蓋を兼ねて、コップ32が被せられ
ている。
【0061】本実施例の水の浄化装置30はこのように
形成され、発光ダイオード3が作動されると、その放射
光は光触媒反応基体31の底を透過して、その内面に担
持された光触媒2に当たり、それに含まれる紫外線によ
ってこれが活性化される。そして、この活性化された光
触媒2の作用は、それと接触する媒質が空気ではなく、
水であるだけで、図1の場合と実質的に同じである。即
ち、特にその高い酸化触媒作用によって、水中に溶存す
るトリハロメタン等の有害物、カルキ臭、或いはカビ臭
の原因物質(例えば、2−メチルイソボルネオール)等
が分解され、除去される。しかも、この活性化された光
触媒2は、水のクラスタ(水分子の集合体)を小さく細
分化する作用も有している。そのため、光触媒反応基体
21(水差)内の飲料水は浄化されるだけでなく、まろ
やかで美味しく、また健康に良い水となって形成され
る。また他方、発光ダイオード3の放射光のうちの所定
の可視光は、光触媒2には吸収されずに透過するため、
光触媒反応基体31は発光ダイオード3と共にその色彩
の色に発光する。
【0062】このように、本実施例の水の浄化装置30
は、その水と接触可能な二酸化チタンの薄膜からなる光
触媒2を担持した基体1、即ち、光触媒反応基体31
と、この光触媒反応基体31(光触媒2)を照射可能に
配置され、所定の可視光と波長360〜400nmの紫
外線とを主に放射する発光ダイオード3とを基本的要素
として備えたものであり、具体的には、その光触媒反応
基体31が透明なガラス製の飲料水容器である水差とし
て形成され、また、発光ダイオード3は、その光触媒反
応基体31を受ける受台32に取付けられ、その底部側
から光触媒2を照射するように配置されている。
【0063】そのため、コップ等のガラス製の飲料水容
器の内面に光触媒2を担持させ、自然光または蛍光灯の
照明光によってその光触媒2を活性化するようにしたも
の自体は既に知られているが、本実施例では紫外線を放
射する発光ダイオード3を備えているので、そのような
自然光または照明光が十分でない場所においても、飲料
水を有効に浄化し、しかも美味しく、健康に良い水を得
ることができる。
【0064】また、発光ダイオード3は非常に小さな発
光素子であるため、それを光触媒2に対して照射可能に
取付けた受台32も、厚さの薄いコンパクトなものとし
て形成することができる。そのため、この受台32は通
常のコースタと同程度の厚さのものとして形成すること
ができる。
【0065】更に、発光ダイオード3は少ない電圧で作
動することができ、また消費電力も少ないため、電源と
して乾電池或いは充電池等を使用することができる。そ
のため、受台32に乾電池または充電池を組込むことに
よって、厚さはその分多くなるが、任意の場所で使用可
能な受台32を形成することができる。ただし、その乾
電池等の収容部を受台32の側方に設けるようにすれ
ば、その厚さが増大されることはない。
【0066】更にまた、発光ダイオード3の放射光は所
定の可視光を含むので、発光ダイオード3とこれの放射
光を受ける光触媒反応基体31及びその他の部分は、そ
の色彩の色で発光する。そのため、照明、或いは装飾、
または表示等としての機能も有し、例えば、本実施例の
水の浄化装置30を就寝時枕許に置いて使用すれば、そ
の枕許の照明にもなる。
【0067】ところで、本実施例の水の浄化装置30で
は、光触媒反応基体31は、具体的には、飲料水を収容
する容器である水差として形成されているが、その容器
としての光触媒反応基体31の形状はポットの形状等の
他の任意の形状であることができると共に、この光触媒
反応基体31は、飲料水と接触可能であれば、そのよう
な容器の一部のみを形成するものとすることができ、ま
た、容器自体とは別体のものとして形成することもでき
る。例えば、飲料水の排出手段を備えたポットのような
載置型の飲料水容器の場合、その光触媒反応基体31
を、板状等の適当な形状に基体1に光触媒2を担持させ
て形成し、そして、それをその容器の底に配置すること
ができる。
【0068】また、本実施例では、発光ダイオード3を
取付ける受台32を、水差として形成した光触媒反応基
体31と別体に形成したが、この受台32は、必要に応
じてその光触媒反応基体31に一体に形成することがで
き、また着脱可能に取付けるようにすることもできる。
更に、この受台32は、発光ダイオード3の取付部とし
て、その光触媒反応基体31または飲料水容器の外周部
等に設けることができ、また、蓋として形成することも
できる。更には、水密構造に形成して容器の内部に配置
することもできる。
【0069】また、これらの態様とは別に、この受台3
2は、例えば、光触媒反応基体31をコップとして形成
した場合、コースタとして形成することができる。更
に、この受台32は、例えば、冷蔵庫の水差(ポット)
収納棚等に据付けることもできる。それによって、その
水差(ポット)として形成された光触媒反応基体31内
の飲料水を冷却しつつ浄化することができる。
【0070】ところでまた、このような光触媒と発光ダ
イオード3とを備えた水の浄化装置は、水道の蛇口に取
付けて使用する水道水の浄化装置としても具体化するこ
とができる。この場合、光触媒反応基体31としては、
ガラス繊維の基体1に光触媒2を担持させたものをフィ
ルタ状に集合したものが好ましく、これを水道水の流通
経路に配置することができる。
【0071】〔第四実施例〕図5は本発明の第四実施例
の水の浄化装置(観賞魚水槽用浄化装置)を示す断面図
である。
【0072】図5のように、全体を40で示す本実施例
の水の浄化装置は、金魚等の観賞魚用の水槽において使
用され、その水槽内の水を浄化するためのものとして具
体化したものである。そして、本実施例の水の浄化装置
40は、第三実施例と同様に、二酸化チタンの薄膜から
なる光触媒2を担持した基体1、即ち、光触媒反応基体
41と、発光ダイオード3とを基本的に備え、その光触
媒反応基体41が浄化すべき水槽内の水と接触するよう
になっている。なお、この発光ダイオード3は、所定の
可視光と波長360〜400nmの紫外線とを主に放射
するものである。
【0073】具体的には、本実施例の水の浄化装置40
は、その光触媒反応基体41と、この光触媒反応基体4
1を保持すると共に、それを照射可能に発光ダイオード
3を取付けるための基台42とを備えている。そして、
本実施例では、その光触媒反応基体41は形状の異なる
3種類のものからなっている。ただし、それらはいずれ
も、ガラス材料からなる基体1の表面に光触媒2を担持
させて形成したものである。その1つは、外囲体として
形成されたものであり、先端側が円く閉塞された筒状の
形状の光触媒反応基体41aである。なお、この光触媒
反応基体41aには、その内外の両側の表面に光触媒2
が担持され、また、それの内外に水を流通させるため
に、多数の開口が形成されている。また、他の1つは、
主に装飾効果を得るためにビー玉状に形成したものであ
り、球状または中空球状の基体1の外周表面に光触媒2
を担持させた光触媒反応基体41bである。なお、この
光触媒反応基体41bは、本実施例の装置40の錘を兼
ねている。そして、残る1つは、基台42に取付けられ
た発光ダイオード3のカバーを形成するもので、上側表
面に光触媒2を形成した平板状の光触媒反応基体41c
である。
【0074】これらの光触媒反応基体41a,41b,
41cに対して、基台42には、これらを照射可能に適
数個の発光ダイオード3が取付けられている。そして、
これらの発光ダイオード3は水密構造で配置され、ま
た、適当な直流電源で作動されるようになっている。な
お、基台42には、空気の流通路43が設けられてお
り、これに空気ポンプからの空気を送り込み、その先端
開口から空気粒として吹き出すことによって、酸素を供
給すると共に、外囲体として形成された光触媒反応基体
41a内を水槽の水が循環するようにしている。
【0075】本実施例の水の浄化装置40はこのように
形成され、鑑賞魚用の水槽の底に置いて使用される。そ
の作用は、第三実施例の場合と同様である。発光ダイオ
ード3が作動されると、その放射光に含まれる紫外線
は、カバーとしての光触媒反応基体41cの上側表面の
光触媒2に当たり、また、これを透過して球状の光触媒
反応基体41bの光触媒2、及び光触媒反応基体41c
の光触媒2に順次当たり、これらを活性化する。そし
て、活性化された光触媒2の触媒作用、特に酸化触媒作
用によって、水槽の水に含まれる腐敗性成分等の各種の
有機成分が分解される。そのため、観賞魚用の餌やその
排泄物で汚されがちな水槽の水を浄化することができ、
観賞魚のための水質環境を良好に維持することができ
る。またこの場合、光触媒2の酸化触媒作用によって抗
菌性の表面が形成されるため、水槽の水に接触する光触
媒反応基体41a,41b,41cの全表面は、藻類等
が付着し、また繁殖することはなく、常に清浄に保たれ
る。
【0076】また他方、発光ダイオード3の放射光のう
ちの所定の可視光は光触媒2には吸収されないため、光
触媒反応基体41a,41b,41cを順次透過し、ま
たこれらによって屈折、反射、或いは分散されて、浄化
装置40全体がその色彩に発光する。そのため、この浄
化装置40は水槽内の照明となって、その装飾効果を引
立てる。
【0077】そして、本実施例の水の浄化装置40によ
れば、特に、発光ダイオード3が小さな素子であるた
め、装置全体をコンパクトに形成することができ、狭い
水槽であっても容易に配置して使用することができる。
また、光触媒2の光触媒作用は永久的であることから、
砂等が堆積した場合にそれを取り除くこと以外には、殆
どメンテナンスが不要である。更に、連続して使用して
も電力の消費は少ないため、維持費が安価である効果も
ある。
【0078】ところで、本実施例では、光触媒反応基体
41として種々の形状のものを用いているが、この光触
媒反応基体41の形状と組合わせ等は、これまでの実施
例で説明したようなものを合わせて、その他の任意のも
のとすることができる。そして、例えば、第二実施例で
説明した空気の浄化装置は、発光ダイオード3の電源部
を水密構造とすれば、そのまま水槽の浄化装置として形
成することができる。またこれらの場合、その水槽用浄
化装置は、水槽の底に設置する載置形だけでなく、例え
ば、水面上に浮くことができる浮き形に形成することも
できる。
【0079】〔第五実施例〕紫外線を受けて活性化され
た光触媒は、酸化力のある活性表面を形成するため、有
機化合物の分解等だけでなく、接触する細菌等を死滅さ
せ、或いはその増殖を阻害する殺菌作用または抗菌作用
も有している。以下の例は、この光触媒による殺菌作用
または抗菌作用を利用したものである。
【0080】図6は本発明の第五実施例の体重計の踏面
装置(抗菌装置)の全体を示す平面図である。また、図
7は図6のA−A線断面図である。なお、図7におい
て、これまでの実施例と同一または相当する部分には同
一の符号を使用している。
【0081】図6及び図7のように、全体を50で示す
本実施例の体重計の踏面装置は、これまでの実施例にお
ける光触媒2を担持した基体1、即ち、光触媒反応基体
51が、これに付着する細菌等を殺菌する抗菌性表面を
有することを利用して、これを体重計の踏面部に適用し
たものである。
【0082】具体的には、この光触媒反応基体51は、
ガラス材料から人の足跡の形状の平板状に形成した基体
1の表側表面全体に、二酸化チタンの薄膜からなる光触
媒2をコーティングにより担持させて形成され、体重計
における荷重板52の表面の足を乗せる部分、即ち、踏
面部に配設されている。そのために、一般に金属板から
なる荷重板52の踏面部には、その光触媒反応基体51
の足跡形状に対応する平面形状の凹部52aが形成さ
れ、そしてその凹部52aに、光触媒反応基体51が、
その表面が荷重板52の表面と面一にほぼ連続し、また
その裏面と荷重板52との間に発光ダイオード3の配置
のための間隙が確保されるように、嵌込まれ、保持され
ている。そして、図1のように、このような光触媒反応
基体51は、同様な構造で左右に一対設けられている。
【0083】なお、光触媒反応基体51を形成する基体
1の表面には、多数の小さな円い突起1aが、滑り止め
のために形成されている。また、その裏面側には、光触
媒反応基体51の中央部に掛かる荷重を荷重板52の凹
部52aの底部表面で支え、それによって光触媒反応基
体51の破損を防止するために、適数個の棒状またはそ
れの長さ方向に延びる支持脚部1bが一体に設けられて
いる。なおこのような支持脚部1bは、荷重板52の凹
部52a側に設けることもできる。更に、この基体1の
裏面側は粗面1cとして形成され、それによって発光ダ
イオード3の放射光がより分散されるようになってい
る。
【0084】また、荷重板52の凹部52aの底部表面
には、適数個の発光ダイオード3が光触媒反応基体51
を照射可能に上方に向けて、またその長さ方向に沿って
適当に分散されて取付けられている。そして、これらの
発光ダイオード3は、乾電池等の蓄電池或いは家庭用電
源によって作動されるようになっている。なお、ここで
は発光ダイオード3を荷重板52に直接取付けるように
したが、これとは別個の適当な取付部材を用いることも
できる。
【0085】このように、本実施例の体重計の踏面装置
50は、光触媒反応基体51、即ち、二酸化チタンの薄
膜からなる光触媒2を担持した基体1と、これを照射可
能に配置され、所定の可視光と波長360〜400nm
の紫外線とを主に放射する発光ダイオード3とを基本的
に備え、その光触媒反応基体51を体重計における荷重
板52の踏面部に適用したものである。したがって、発
光ダイオード3を作動させると、紫外線を含むそれの放
射光は、透明なガラスからなる基板1を透過してその表
面に形成された光触媒2に当たり、これを活性化する。
そして、このように活性化された光触媒2は、前述のよ
うに高い酸化力を有するため、有機化合物等の分解だけ
でなく、これに接触する細菌或いはカビ等の微生物を死
滅させ、またその増殖を阻害する。そのため、光触媒反
応基体51の表面は殺菌力のある抗菌性表面として形成
され、体重測定時等に付着した水虫菌等を死滅させ、ま
た、その時に付着した足の裏の油脂等の有機物も分解す
ることができるので、銭湯等において多くの人によって
使用され、それによって汚染され易い体重計の踏面部を
常に清潔に保つことができる(なお、その光触媒2の酸
化力は人体を障害する程には強くなく、したがって人体
には十分に安全なものである)。
【0086】またこの場合、発光ダイオード3の放射光
に含まれる所定の可視光は、光触媒2には吸収されずに
そのままこれを透過する。そのため、その可視光は基体
1の粗面1c等によって分散し、或いは屈折、反射し
て、光触媒反応基体51自体もその色彩に発光する。し
たがって、体重計の踏面部がそのように彩色発光する光
触媒反応基体51から形成されるので、その外観性が高
められ、清潔的な印象を与えることができる。
【0087】また、本実施例の体重計の踏面装置50に
よれば、発光ダイオード3が小さな素子であり、それの
設置のために場所をとらないため、体重計が小形なもの
であっても容易に適用することができる。更に、発光ダ
イオード3の電力使用量も少ないため、蓄電池を電源と
してそれを作動させることができる。なお、殺菌のため
には、余り多くの時間を必要としないので、タイマ手段
等を使用して、体重計が使用された時から所定時間(例
えば、30分程度)の間だけ発光ダイオード3が作動す
るようにすることもできる。
【0088】ところで、本実施例のような抗菌性表面を
有する光触媒反応基体51(光触媒2を担持した基体
1)と発光ダイオード3とを備えた装置、即ち、抗菌装
置は、特にコンパクトに形成することができることか
ら、体重計の踏面部以外にも、衛生が重要であるその他
の種々の部分或いは物品にも同様に適用することができ
る。そのような例としては、箸立て、皿や茶碗等の食器
の収納容器、調味料等の食卓用品の収容容器等の飲食用
品用容器、歯ブラシ立てまたはその他の洗面用具用容
器、医療用器具のための容器、または、これらの据付け
形の容器或いは収納部、更には、冷蔵庫等が挙げられ
る。そして、これらの場合、光触媒反応基体51を細菌
等が付着しまた繁殖し易い場所(例えば、容器の底)に
適応する形状で適用し、そしてこれを照射可能に発光ダ
イオード3を配置することができる。また、多くの人の
手足が触れるドアの把手、吊革、椅子の肘掛け部分、水
道の蛇口、或いは便座等にも同様に適用することができ
る。
【0089】〔第六実施例〕図8は本発明の第六実施例
のマイク装置(マイクロホン)の先端要部を模式的に示
す断面図である。
【0090】なお、本実施例は、紫外線により活性化さ
れた光触媒(光触媒を担持する基体)が有する抗菌(殺
菌)表面をカラオケ等で使用するマイク装置に適用し、
それの清潔化を図ったものである。
【0091】図8のように、全体を60で示す本実施例
のマイク装置(マイクロホン)は、これまでの実施例と
同様に、光触媒反応基体61、即ち、二酸化チタンの薄
膜からなる光触媒2を担持した基体1と、発光ダイオー
ド3とを備えている。そして、この光触媒反応基体61
は、マイク装置60の内枠として形成されている。
【0092】具体的には、本実施例のマイク装置60
は、把持部62と、その先端に設けられた音声を電気信
号に変える音声変換器63と、この音声変換器63を覆
うように設けられた半球状の内枠である上記の光触媒反
応基体61と、更にこの外周を覆う金属の網体等からな
る外枠64とを備えている。なお、把持部62にはその
マイク装置のスイッチ65が設けられている。
【0093】そして、内枠としての光触媒反応基体61
は、透明材料である半球状のガラス板を基体1とし、そ
の外側の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を
コーティングにより担持させて形成されている。なおこ
の光触媒反応基体61には、音声が音声変換器63に十
分に届くように、1つのまたは複数の開口61aが設け
られている。また、発光ダイオード3は、音声変換器6
3と光触媒反応基体61との間の適当な場所に、その光
触媒反応基体61を照射可能に適数個取付けられてい
る。なおこの発光ダイオード3は、タイマを使用して、
例えばスイッチ65を入れた時から所定時間の間(例え
ば、10分間程度)作動されるようにすることができ
る。
【0094】このように、本実施例のマイク装置60
は、その内枠としての光触媒反応基体61、即ち、二酸
化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持したガラス材料
の基体1と、この光触媒反応基体61(光触媒2)を照
射可能に配置され、所定の可視光と波長360〜400
nmの紫外線とを主に放射する発光ダイオード3とを抗
菌(殺菌)表面を形成するための基本的要素として備え
ている。その作用はこれまでの実施例、特に第五実施例
の場合と同じであり、発光ダイオード3が作動される
と、それの放射光に含まれる紫外線は光触媒反応基体6
1の基体1を透過し、その外側表面の光触媒2に当た
り、これを活性化する。そして、活性化された光触媒反
応基体61(光触媒2)はその酸化力により殺菌力(抗
菌力)を有するため、付着した細菌等を死滅させる。そ
のため、本実施例のマイク装置60によれば、発声時の
唾液と共に細菌等が付着して不潔になり易いマイク装置
の内部を、常に清潔に保つことができる。また、活性化
された光触媒反応基体61(光触媒2)は有機化合物の
酸化分解作用も有するため、そのマイク装置の内部を脱
臭し、また唾液成分を分解して、その汚染を防止するこ
とができる。
【0095】またこの場合、発光ダイオード3の放射光
に含まれる所定の可視光は、光触媒2には吸収されずに
そのままこれを透過する。そのため、マイク装置61は
その色彩に発光するので、その彩色照明効果によってそ
れに清潔な印象を与えることができると共に、演出効果
を高めることができる。
【0096】また、発光ダイオード3は小さな素子であ
り、その設置のために場所を取らないため、在来の構造
のマイク装置であっても、その構造を変えることなく容
易に配設することができる。そのため、本実施例のマイ
ク装置61は、カラオケ用だけでなく、各種の用途のマ
イク装置に適用することができる。更に、電話における
マイク装置、即ち、送話器にも適用することができる。
そしてこれらの場合、内枠としての光触媒反応基体61
は、それぞれのマイク装置の具体的形状に従ったものと
して形成される。
【0097】ところで、本実施例では光触媒反応基体6
1を内枠として形成したが、上記の電話機の場合も含め
て、このようなマイク装置の枠体としての光触媒反応基
体61は、そのまま外枠として、つまり、本実施例にお
ける外枠64を省いたものとして形成することもでき
る。そして、これによれば、上述の殺菌、汚染防止効果
及び照明効果をより高めることができる。
【0098】ところでまた、このように発光ダイオード
の設置のために場所を取らないため、脱臭、防汚を含め
て、光触媒を抗菌性(殺菌性)表面の提供に利用した光
触媒反応基体と発光ダイオードとを基本的に備えた光触
媒装置(抗菌装置)は、マイク装置だけでなく、清潔さ
が求められるその他の種々の物品と場所に適用すること
ができる。そのような例としては、例えば、前述のよう
なカラオケ等のマイク装置を支持するマイク支持装置を
挙げることができ、それにおけるマイクとの当接部にそ
の光触媒装置を適用することができる。また、電話機に
おいては、前述の送話部だけでなく、受話部、及びこれ
らの送話部及び受話部が載置される本体側の部分等に
も、その光触媒装置を適用することができる。
【0099】なお、上記説明した実施例においては、基
体(光触媒反応基体)はいずれも変形しないものとして
形成されているが、この基体は屈曲変形可能な、例え
ば、ガラス繊維の織物(布帛)として形成することもで
きる。そして、このような基体は、これに光触媒2を担
持させて、例えば、足拭き用抗菌マットを形成するため
の基帛として利用することができる。
【0100】また、上記実施例はいずれも日常生活に関
連したもので、特に小型の装置として具体化したもので
あるが、本発明の装置はこれらの例に限定されるもので
はなく、例えば、工業的に利用可能な大型の装置として
も具体化することができる。
【0101】このように、本発明にかかる光触媒装置と
その応用装置は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を
担持し、光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を
照明可能に配置され、所定の可視光と波長360〜40
0nmの紫外線とを主に放射する発光ダイオードとを具
備するものである。したがって、所定の可視光と紫外線
とを含む光を放射する発光ダイオードを備えるので、太
陽光或いは蛍光灯等の照明光が当たらない場所であって
も、その放射光に含まれる紫外線によって基体に担持さ
れた二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を活性化し、有
機化合物の分解等の光触媒反応を生じさせることができ
る。そしてその一方、発光ダイオードの放射光に含まれ
る所定の可視光によって装置全体がその色彩で発光する
ので、照明、表示、或いは装飾等の装置を兼ねたものと
して形成することができる。また、発光ダイオードは非
常に小さな発光素子であると共に、作動電圧が小さいた
め、乾電池等によっても発光させることができる。その
ため、発光ダイオードは設置のための空間を多く必要と
しないので、狭い場所等を含むあらゆる場所に容易に適
用することができ、また、光触媒を担持した基体と合わ
せた装置全体を、コンパクトな構造に形成することがで
きる。更に、発光ダイオードによれば、所定の可視光と
光触媒の活性化のための紫外線とを効率良く放射させる
ことができると共に、その個数を調整すること等によっ
て、必要とされる明るさと光触媒反応に必要とされる量
に応じた紫外線容量を放射させることができる。そのた
め、消費電力の少ない装置を形成することができる。
【0102】それゆえ、本発明にかかる光触媒装置とそ
の応用装置はあらゆる場所に適用することができ、光触
媒による空気または水の浄化、或いは抗菌(殺菌)等の
光触媒反応を種々の具体的用途に有効に利用することが
できる。
【0103】
【発明の効果】以上のように、請求項1の光触媒装置
は、所定の可視光に加えて、波長360〜400nmの
光(紫外線)を放射する発光ダイオードを備えるので、
太陽光等が当たらない場所であっても、それが放射する
紫外線によって基体に担持された二酸化チタンの薄膜か
らなる光触媒を活性化し、有機化合物の分解等の光触媒
反応を生じさせることができる。また、発光ダイオード
は非常に小さな発光素子であると共に、作動電圧が小さ
いため、乾電池等によっても発光させることができる。
そのため、発光ダイオードは設置のための空間を多く必
要としないので、狭い場所等を含むあらゆる場所に容易
に適用することができ、また、光触媒を担持した基体と
合わせた光触媒装置全体を、コンパクトな構造に形成す
ることができる。更に、発光ダイオードによれば、所定
の可視光と光触媒の活性化のための紫外線とを比較的効
率良く放射させることができ、また、その個数を調整す
ること等によって、必要な明るさと共に光触媒反応に必
要とされる量に応じた紫外線容量を放射させることがで
きる。そのため、消費電力の少ない光触媒装置を形成す
ることができる。そして、発光ダイオードの放射する所
定の可視光によって、彩色発光する光触媒装置を形成す
ることができる。
【0104】請求項2の光触媒装置は、請求項1の効果
に加えて、上記基体が透明なガラス材料からなるもので
あるから、所定の可視光及び紫外線の透過を良くし、高
効率で二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を活性化でき
る。
【0105】請求項3の光触媒装置は、請求項1または
請求項2の効果に加えて、上記発光ダイオードが、青色
の光と紫外線とを主に放射するpn接合された窒化ガリ
ウム(GaN)系光半導体の結晶体からなり、近接する
青色と近紫外線の領域によって安定した発光が可能とな
る。
【0106】請求項4の空気の浄化装置は、二酸化チタ
ンの薄膜からなる光触媒を担持し、その空気と接触する
光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明可能
に配置され、所定の可視光と波長360〜400nmの
紫外線とを主に放射する発光ダイオードを備えるので、
太陽光等が当たらない場所であっても、それが放射する
紫外線によって基体に担持された二酸化チタンの薄膜か
らなる光触媒を活性化し、有機化合物の分解等の光触媒
反応を生じさせることができる。また、発光ダイオード
は非常に小さな発光素子であると共に、作動電圧が小さ
いため、乾電池等によっても発光させることができる。
そのため、発光ダイオードは設置のための空間を多く必
要としないので、狭い場所等を含むあらゆる場所に容易
に適用することができ、また、光触媒を担持した基体と
合わせた空気の浄化装置全体を、コンパクトな構造に形
成することができる。更に、発光ダイオードによれば、
所定の可視光と光触媒の活性化のための紫外線とを比較
的効率良く放射させることができ、また、その個数を調
整すること等によって、必要な明るさと共に光触媒反応
に必要とされる量に応じた紫外線容量を放射させること
ができる。そのため、消費電力の少ない空気の浄化装置
を形成することができる。そして、発光ダイオードの放
射する所定の可視光によって、彩色発光する空気の浄化
装置を形成することができる。
【0107】このように、光触媒を担持させた基体を空
気と接触可能として形成した空気浄化装置に関しては、
例えば、室内空気清浄器(汎用脱臭器)、衣類乾燥機や
食器乾燥器の内部の脱臭装置、自動車の灰皿装置、エア
コン、ゴミ容器の脱臭装置、冷蔵庫消臭器、靴脱臭器、
脱臭器を兼ねた置物または装飾品等に使用できる。
【0108】請求項5においては、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒を担持し、水と接触する光触媒反応表面
を有する基体と、前記光触媒を照明可能に配置され、所
定の可視光と波長360〜400nmの紫外線とを主に
放射する発光ダイオードとを備えるので、太陽光等が当
たらない場所であっても、それが放射する紫外線によっ
て基体に担持された二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
を活性化し、有機化合物の分解等の光触媒反応を生じさ
せることができる。また、発光ダイオードは非常に小さ
な発光素子であると共に、作動電圧が小さいため、乾電
池等によっても発光させることができる。そのため、発
光ダイオードは設置のための空間を多く必要としないの
で、狭い場所等を含むあらゆる場所に容易に適用するこ
とができ、また、光触媒を担持した基体と合わせた水の
浄化装置全体を、コンパクトな構造に形成することがで
きる。更に、発光ダイオードによれば、所定の可視光と
光触媒の活性化のための紫外線とを比較的効率良く放射
させることができ、また、その個数を調整すること等に
よって、必要な明るさと共に光触媒反応に必要とされる
量に応じた紫外線容量を放射させることができる。その
ため、消費電力の少ない水の浄化装置を形成することが
できる。そして、発光ダイオードの放射する所定の可視
光によって、彩色発光する水の浄化装置を形成すること
ができる。
【0109】このように、特に、光触媒を担持させた基
体を水と接触可能として形成した水浄化装置に関して
は、温水ポット、水差し、コースタ、水道水の浄水器、
フロ水浄水器、観賞魚水槽内の水の浄化装置等に使用可
能である。
【0110】請求項6においては、二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒を担持し、付着する細菌類に対して抗菌
性の光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明
可能に配置され、所定の可視光と波長360〜400n
mの紫外線とを主に放射する発光ダイオードとを備える
ので、太陽光等が当たらない場所であっても、それが放
射する紫外線によって基体に担持された二酸化チタンの
薄膜からなる光触媒を活性化し、有機化合物の分解等の
光触媒反応を生じさせることができる。また、発光ダイ
オードは非常に小さな発光素子であると共に、作動電圧
が小さいため、乾電池等によっても発光させることがで
きる。そのため、発光ダイオードは設置のための空間を
多く必要としないので、狭い場所等を含むあらゆる場所
に容易に適用することができ、また、光触媒を担持した
基体と合わせた抗菌装置全体を、コンパクトな構造に形
成することができる。更に、発光ダイオードによれば、
所定の可視光と光触媒の活性化のための紫外線とを比較
的効率良く放射させることができ、また、その個数を調
整すること等によって、必要な明るさと共に光触媒反応
に必要とされる量に応じた紫外線容量を放射させること
ができる。そのため、消費電力の少ない抗菌装置を形成
することができる。そして、発光ダイオードの放射する
所定の可視光によって、彩色発光する抗菌装置を形成す
ることができる。
【0111】このように、特に、光触媒を担持させた基
体を抗菌性表面の提供に利用した抗菌装置に関しては、
歯ブラシまたは歯ブラシ立て、箸立て、衛生容器、アイ
ロン、電話器、カラオケマイク、マスク、ドライヤ、足
拭きマット、体重計、また便器等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例の空気の浄化(脱
臭)装置の要部を原理的に示す説明図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施例の空気の浄化(脱
臭)装置の全体を示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の第二実施例の空気の浄化(脱
臭)装置を示す断面図である。
【図4】 図4は本発明の第三実施例の水(飲料水)の
浄化装置を示す断面図である。
【図5】 図5は本発明の第四実施例の水(観賞魚用水
槽)の浄化装置を示す断面図である。
【図6】 図6は本発明の第五実施例の体重計の踏面装
置(抗菌装置)を示す平面図である。
【図7】 図7は図6のA−A線断面図である。
【図8】 図8は本発明の第六実施例のマイク装置(抗
菌装置)を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 光触媒(二酸化チタンの薄膜) 3 発光ダイオード 11,21,31,41,51,61光触媒反応基体
(光触媒を担持させた基体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/32 C03C 17/23 C03C 17/23 H01L 33/00 M H01L 33/00 B01D 53/36 J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、光触媒反応表面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長
    360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイ
    オードとを具備することを特徴とする光触媒装置。
  2. 【請求項2】 前記基体は、透明なガラス材料からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光触媒装置。
  3. 【請求項3】 前記発光ダイオードは、青色の光と前記
    紫外線とを主に放射するpn接合された窒化ガリウム
    (GaN)系光半導体の結晶体からなることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の光触媒装置。
  4. 【請求項4】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、空気と接触する光触媒反応表面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長
    360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイ
    オードとを具備することを特徴とする空気の浄化装置。
  5. 【請求項5】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、水と接触する光触媒反応表面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長
    360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイ
    オードとを具備することを特徴とする水の浄化装置。
  6. 【請求項6】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、付着する細菌類に対して抗菌性の光触媒反応表面
    を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、所定の可視光と波長
    360〜400nmの紫外線とを主に放射する発光ダイ
    オードとを具備することを特徴とする抗菌装置。
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