JPH0993864A - 電動機及びその制御方法 - Google Patents

電動機及びその制御方法

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JPH0993864A
JPH0993864A JP7252502A JP25250295A JPH0993864A JP H0993864 A JPH0993864 A JP H0993864A JP 7252502 A JP7252502 A JP 7252502A JP 25250295 A JP25250295 A JP 25250295A JP H0993864 A JPH0993864 A JP H0993864A
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JP
Japan
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electric motor
input
rotating
shaft
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JP7252502A
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Yukiumi Shimada
亨海 島田
Ryoji Mizutani
良治 水谷
Nuio Tsuchida
縫夫 土田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 よりダイナミックレンジが広い回転機を提供
する。 【解決手段】 入力回転機の軸である入力軸10と対象
に作用する軸である出力軸12の間に出力電動機を設け
る。出力電動機のロータ14は入力軸10に、回転電機
子20は出力軸に連結する。出力電動機の制御によっ
て、回転電機子20をロータ14に対し相対回転させる
ことにより、入力回転機より広いダイナミックレンジを
有する出力が、出力軸12から得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力回転機と出力
軸の間に介在する電動機に関し、更にはその制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】回転出力を得ることができる装置として
は、空気圧、油圧等の流体圧を利用した回転機や、電動
機等が広く知られている(以下、これらを総称して単に
回転機と呼ぶ)。通常は回転機の回転軸をそのまま出力
軸として用いているが、そのような構成には、その性能
が回転機の特性又は性質により規定されてしまい優れた
性能を得にくい、という問題がある。特に、空気圧や油
圧を利用する回転機を用いているときには、一般に、応
答性、制御性、制御精度を改善するには大型の装置や制
御手段が必要になるという問題が発生する。そのような
問題を避けるためには、パラレルハイブリッド型の電気
自動車にて用いられてるように、回転機を電動機にて補
助する構成を用いればよい。この種の構成では、具体的
には、回転機たるエンジンの回転軸上に電動機のロータ
が、またロータを取り巻くようステータが、それぞれ配
設される。このように設けた電動機にてエンジンの出力
を補助すれば、回転数の精度、応答性及び制御性をある
程度改善できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成にて良好な精度、応答性及び制御性を得るために
は、大きな出力を有する電動機を使用しなければならな
い。また、回転数出力範囲(ダイナミックレンジ)が回
転機の特性により規定されてしまい、十分広いダイナミ
ックレンジを得にくいという問題点もある。本発明は、
このような問題点を解決することを課題としてなされた
ものであり、回転機と出力軸の間に介在する電動機の構
造を改善することにより、より小さな出力の電動機に
て、従来と同程度以上の高い精度、応答性及び制御性を
得ることができかつ従来よりも広いダイナミックレンジ
を得ることができるようにすることを目的とする。本発
明は、また、実質的な出力特性を改善することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の第1の構成に係る電動機は、入力回
転機の回転に応じて軸芯回転する第1回転部材と、第1
回転部材に対し同軸配置されその回転により出力軸を回
転させる第2回転部材と、を備え、第1及び第2回転部
材のいずれか一方が電機子コイルを、他方が永久磁石、
励磁コイル等の励磁部材を、それぞれ有し、通電状態に
ある電機子コイルに励磁部材から励磁束を印加したとき
第2回転部材が第1回転部材に対し相対的に軸芯回転
し、第1回転部材の回転数と第1回転部材に対する第2
回転部材の相対回転数とを加算した回転数にて出力軸が
回転することを特徴とする。本構成においては、入力回
転機が電動機により補助されるため少なくとも従来パラ
レルハイブリッド車にて用いられていたものと同程度以
上の高い精度、応答性及び制御性が得られる。また、出
力軸の回転数が、第1回転部材の回転数に第1回転部材
に対する第2回転部材の相対回転数を加算した回転数に
なるから、出力軸の回転数の可変範囲(ダイナミックレ
ンジ)は、入力回転機の特性に応じて定まる第1回転部
材の回転数の可変範囲よりも広くなる。さらに、入力回
転機の回転を電動機にて加減速するわけではないから、
電動機も小出力ですむ。
【0005】本発明の第2の構成に係る電動機は、第1
の構成において、第1及び第2回転部材を機械的に連結
することにより第1回転部材に対する第2回転部材の相
対回転を禁止する連結部材を備えることを特徴とする。
従って、本構成においては、補助用の電動機の特性が入
力回転機の出力特性より悪い領域であっても、連結部材
を動作させることにより、入力回転機の出力特性に従い
出力軸を駆動できる。その結果、入力回転機の出力特
性、例えば高トルク特性が最終的な出力特性に十分に生
かされる。
【0006】本発明の第3の構成に係る制御方法は、要
求出力が入力電動機の出力特性範囲内にあるときに、出
力電動機における第1回転部材に対する第2回転部材の
相対回転を電磁気的に又は機械的に禁止させた上で、出
力電動機の出力軸から要求出力が得られるよう入力電動
機を回転駆動する第1ステップと、要求出力が入力電動
機の出力特性範囲外にありかつ入力電動機及び出力電動
機合計の出力特性範囲内にあるときに、出力電動機の出
力軸から要求出力が得られるよう入力電動機及び出力電
動機双方を回転駆動する第2ステップと、を有し、上記
入力回転機である入力電動機を駆動する際、第1又は第
2の構成に係る電動機である出力電動機にて補助するこ
とを特徴とする。従って、本構成においては、出力電動
機にて入力電動機の出力特性を実質的に拡張でき、高ト
ルク高速回転の特性が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。
【0008】図1には、本発明の一実施形態に係る出力
電動機及びその制御回路の構成が示されている。この出
力電動機の第1の特徴は、入力軸10と出力軸12の間
に介在していることである。入力軸10は図示しない入
力回転機、例えばコンプレッサや電動機等の回転機の回
転軸であり、他方、出力軸12は作用対象に回転出力を
供給するための軸である。このように、本実施形態に係
る出力電動機は、入力回転機の出力を補助する電動機で
あり、高い精度、応答性及び制御性の実現に寄与してい
る。例えば出力軸12の回転数Nを変化させる際には、
まず出力電動機の相対回転数Noを変化させることによ
り直ちにかつ正確に目標回転数に移行しその上で徐々に
入力軸10の回転数Niを変化させていけばよい。従っ
て、入力回転機の軸をそのまま出力軸12として用いて
いた従来技術に比べ、入力回転機の構成の複雑化や入力
回転機用コントローラの機能の複雑化なしに精度や応答
性を改善でき、ひいては装置の小形安価化を実現でき
る。これは、加速時も減速時も同様である。さらに、出
力電動機の特性設定次第で、出力軸12におけるトルク
回転数特性を任意の特性にすることができる。
【0009】この出力電動機の第2の特徴は、従来のイ
ンナーロータ型電動機におけるステータに相当する部材
が回転し得ることである。まず、出力電動機のロータ1
4はカップリング16を介して入力軸10に連結されて
おり、入力軸10が回転するとロータ14も回転する。
但し、製造工程上可能である場合には、入力軸10とロ
ータ14を一体の部材として製造することにより、カッ
プリング16を廃止できる。ロータ14の表面には励磁
束を発生させる永久磁石18が配設されており、従って
入力軸10の回転に応じ出力電動機内部で励磁束が交番
する。ロータ14は、微小なギャップを介して回転電機
子20と対向している。回転電機子20には電機子コイ
ル22が捲回されている。回転電機子20及び電機子コ
イル22は、それぞれ、従来のインナーロータ型電動機
であればステータ又はステータコイルに相当する部材で
ある。すなわち、電機子コイル22に通電すると、この
通電により生じる磁束と永久磁石18からの励磁束との
鎖交によりトルクが発生する。このトルクは、従来のイ
ンナーロータ型電動機であればロータ14を回転させる
トルクとなるが、本実施形態においては逆に回転電機子
20及び電機子コイル22やこれらが固定されている回
転ハウジング24を、ロータ14に対して相対回転させ
るトルクとなる。これは、図上明らかなように、ロータ
14に対し相対回転できるよう、回転ハウジング24が
ベアリング等を介し支持されていることによる。このよ
うにいわばステータ側も回転させることが可能であるた
め、出力電動機は小出力で足りる。なお、ここでは従来
のインナーロータ型電動機との対比において本実施形態
の第2の特徴を説明したが、従来のアウターロータ型電
動機との対比においても、本実施形態の第2の特徴を把
握できる。すなわち、本実施形態は、従来のアウターロ
ータ型電動機におけるロータ(ここでは回転電機子20
に相当)をステータ(ここではロータ14に相当)に対
し相対回転可能にした構成ともいえる。また、本発明
は、永久磁石型同期電動機に限らず、誘導電動機等とし
ても実現できる。
【0010】本実施形態の第3の特徴は、第1の特徴と
第2の特徴の組合せによりダイナミックレンジを拡大し
また入力軸10と出力軸12を機構上分離している点に
ある。まず、回転ハウジング24と連結され又は一体形
成されている出力軸12の回転数Nは、入力軸10の回
転数Niと、ロータ14に対する回転電機子20の相対
回転数Noと、の和であるから、入力回転機の軸を出力
軸12として用いた従来の構成に比べ、出力軸12の回
転数Nの値がNiからNi+Noに変化する。従って、
出力軸12の回転数Nのダイナミックレンジ、すなわち
可変範囲に関していえば、従来はNi単独のダイナミッ
クレンジであったものが、Niのダイナミックレンジ+
Noのダイナミックレンジに広がることとなる。また、
仮に出力軸12に外部から回転衝撃が加わったとして
も、この衝撃は回転ハウジング24側で一時的に吸収さ
れ、入力軸10側に直ちに影響を与えることはない。逆
にいえば、電気進角を最大トルク角からずらす等の制御
を行いロータ14と回転電機子20の磁気的結合を弱め
ることにより、出力軸12から大きな慣性エネルギを取
り出すことができる。これは、例えばナットランナ(動
力捩子締め装置)等のように瞬時的に大きなエネルギを
必要とする用途に適している。
【0011】本実施形態の第4の特徴は、ロータ14に
対する回転電機子20の相対回転を停止させることがで
きる点にある。例えば図2に示されるようにロータ14
内部に回転アクチュエータ26を配設しておき、必要に
応じ回転アクチュエータ26によりウオームギア28を
駆動し、ウオームギア28にてロータ径方向にロックピ
ン30をスライドさせ、ロックピン30と回転電機子2
0を係合させる。これにより、ロータ14に対する回転
電機子20の相対回転を停止させることができ、後述す
るように入力回転機の特性が出力電動機の特性より優れ
ている領域(例えば高トルク領域)にて、入力回転機の
特性を有効利用可能になる。また、ロータ14に対する
回転電機子20の相対回転数Noは、電機子コイル22
への通電にて制御できるから、相対回転数Noが0とな
るよう電機子コイル22の電流を制御すれば、ロータ1
4に対する回転電機子20の相対回転を電磁気的に停止
させることができる(サーボロック)。その際、ロータ
14に対する回転電機子20の位置保持力を適宜設定す
ることにより、出力電動機をいわゆるトルクリミッタと
して用いることも可能になる。
【0012】上述した出力電動機を使用する際には、第
1に外部から電機子コイル22へと通電可能でなければ
ならない。そのため、ロータ14からみて入力軸10側
の軸上に2個の動力用スリップリング32及び34が設
けられている。なお、ここでは、出力電動機として三相
電動機を用いているため動力用スリップリング32及び
34も三相であるが、本発明はこれらの相数に限定を要
するものではない。2個の動力用スリップリング32及
び34のうち入力側動力用スリップリング32は回転ハ
ウジング24の外側に、出力側動力用スリップリング3
4は内側に、それぞれ設けられている。入力側動力用ス
リップリング32と出力側動力用スリップリング34の
間は、軸内を貫通する軸内動力線36にて電気的に接続
されている。そのため、ロータ14に係る軸は一部中空
とされている。各相電機子コイル22は、それぞれブラ
シ38と出力側動力用スリップリング34の摺動接触を
介して軸内動力線36に電気的に接続されている。ま
た、インバータ回路40の各相動力線42は、それぞれ
ブラシ44と入力側動力用スリップリング32の摺動接
触を介して軸内動力線36に電気的に接続されている。
従って、ロータ14に対し回転電機子20が相対回転し
ているにも拘らず、インバータ回路40の各相出力を各
相電機子コイル22に供給できる。なお、これらの構成
は、永久磁石でなく励磁コイルを用いている場合にこの
励磁コイルへの通電に応用することができる。
【0013】また、回転数又は角度位置の推定等の制御
手法を採用するのでない限り、入力回転機や出力電動機
の回転数を制御するためには、入力軸10の回転数Ni
(又は角度位置)やロータ14に対する回転電機子20
の相対回転数No(又は相対角度位置)を検出する必要
がある。この実施形態では、入力軸10上又はロータ1
4に係る軸上に設けた入力側回転位置検出器46及びこ
れに対応して設けられた入力軸用パルスカウンタ回路4
8によって、入力軸10の回転数Niを検出している。
すなわち、入力側回転位置検出器46は例えばロータリ
エンコーダから構成されており、入力軸10の角度位置
の変化に応じてパルスを発生させる。入力軸用パルスカ
ウンタ回路48はこのパルスを入力側信号線50を介し
て入力し計数することにより、入力軸10の回転数Ni
を求める。他方、ロータ14に係る軸上回転ハウジング
24の外側には位置信号用スリップリング52が、内側
には出力側回転位置検出器54が、それぞれ設けられて
いる。出力側回転位置検出器54は例えばロータリエン
コーダから構成されており、回転ハウジング24に固定
されたセンサ部分にてロータ14に係る軸上に固定され
た回転部分の角度位置の変化を検出し、これに応じてパ
ルスを発生させる。出力側回転位置検出器54は出力側
信号線56を介してブラシ58に接続されており、出力
側信号線56はブラシ58と位置信号用スリップリング
52の摺動接触を介して出力側信号線60に接続されて
いる。電動機用パルスカウンタ回路62は、出力側信号
線60を介して出力側回転位置検出器54の出力パルス
を入力し計数することにより、ロータ14に対する回転
電機子20の相対回転数Noを求める。なお、出力側回
転位置検出器54のセンサ部分は回転ハウジング24に
固定されているから、出力側信号線56は回転ハウジン
グ24に設けた貫通孔等から出力電動機外部に引き出せ
ばよく、中空軸内配線を用いる必要はない。また、パル
スカウンタ回路48及び62としてレゾルバ等のセンサ
を用いることもできる。その際、使用するセンサの変更
に伴い制御回路の構成に変形を施す必要があるのは自明
である。
【0014】この実施形態では、入力回転機を制御する
手段として入力回転機用コントローラ64が、出力電動
機を制御する手段としてパルス発生回路66、インバー
タ駆動回路68及びインバータ回路40が、それぞれ設
けられている。さらに、両制御を統合する手段として
は、動作指示に応じ制御演算を行う算術演算処理部を含
むCPU70が設けられており、また使用者又は上位制
御装置からの動作指示をCPU70に与えるための動作
指示入力回路72が設けられている。すなわち、動作指
示入力回路72によって出力軸の回転数Nの目標Ntや
出力トルクの目標Tt等が与えられると、CPU70に
内蔵される算術演算処理部は、パルスカウンタ回路48
及び62から入力する回転数Ni及びNoを参照しなが
ら、入力回転機及び出力電動機に対する制御指令を生成
する。そのうち出力電動機に対する制御指令はまずパル
ス発生回路66に供給され、パルス発生回路66はこの
指令に応じパルス信号を発生させる。例えば、使用して
いるインバータ回路40がPWMインバータである場
合、パルス発生回路66は指令されたトルク又は電流の
瞬時値に応じたパルス幅を有するPWM(パルス幅変
調)パルスを発生させる。発生したパルスは、制御回路
と電力回路の電気的分離や制御信号の増幅のためのイン
バータ駆動回路68(例えばプリドライブ)を介し、イ
ンバータ回路40を構成する各相電力スイッチング素子
に供給される。これにより、例えば相対回転数Noや出
力トルクが制御指令に応じて制御される。他方、入力回
転機に対する制御指令は入力回転機用コントローラ64
に供給される。入力回転機が油圧、空気圧等を利用した
回転機である場合には、入力回転機用コントローラ64
は、コンプレッサのオンオフやバルブの開閉等の制御を
この指令に応じて実行する。逆にいえば、出力電動機側
で回転数やトルクを制御できるため、入力回転機用コン
トローラ64による制御動作は簡単な論理のものでよ
い。入力回転機が電動機等その出力を比較的容易に制御
可能な回転機である場合には、入力回転機用コントロー
ラ64は、出力電動機側の制御回路(インバータ回路4
0等)と同様に動作する。これらの動作を通じ、回転数
Nの目標Ntや出力トルクの目標Tt等が、入力回転機
と出力電動機の協働で実現される。
【0015】上述のような構成を有する出力電動機及び
その制御回路を利用することにより、本実施形態では各
種の制御を実現できる。以下、そのうちの代表的な例と
して、高精度大ダイナミックレンジに亘る速度制御(回
転数制御)の手順と、高トルク高回転領域に亘る速度及
びトルク制御の手順とを説明する。
【0016】図3に示されているのは、CPU70によ
り実行される高精度大ダイナミックレンジ速度制御手順
である。CPU70は、まず出力電動機に前述のサーボ
ロック(すなわち電磁気的な位置保持)を施した上で
(100)、動作指示入力回路72からの動作指示に応
じて入力回転機用コントローラ64に対し入力回転機を
始動させる旨の制御指令を与える(102)。入力回転
機が始動し連続運転に移行した後は(104)、CPU
70は、パルスカウンタ回路48及び62から回転数N
i及びNoを入力し(106,108)、両者を加算す
ることにより出力軸12の回転数N=Ni+Noを検出
する(110)。
【0017】CPU70は、出力軸12の回転数Nがそ
の目標Ntから外れているか否かを判定すべく、まず、
動作指示入力回路72を介して与えられている目標Nt
とこの検出値Nとの差、すなわち速度誤差ΔN=Nt−
Nを検出し(112)、検出した速度誤差ΔNの絶対値
が許容バラツキ速度Nw以下であるか否かを判定する
(114)。|ΔN|>Nwである場合には、CPU7
0は、出力軸12の回転数Nがその目標Ntから外れて
いるとみなし、サーボロックの解除によりロータ14に
対する回転電機子20の相対回転を可能にした上で(1
16)、出力電動機に対する制御指令を発生させ相対回
転数Noを変化させる。より詳細には、速度誤差ΔNが
正であるのか負であるのかにより出力電動機を正転させ
るべきか逆転させるべきかを判断し(118)、速度誤
差ΔNの絶対値及びステップ118での判断結果に応じ
て速度補正に係る制御指令を生成し(120)、この制
御指令をパルス発生回路66に与える(122)。その
後の動作はステップ106及び108に移行する。
【0018】サーボロックを解除している状態で上述の
動作を繰り返すと、いずれ、|ΔN|≦Nwの条件が満
足される(114)。すなわち、出力軸12の回転数N
がその目標Ntに十分一致するに至る。但し、|ΔN|
≦Nwの条件が満足され始めた直後においては、入力軸
10の回転数Nがまだ目標Ntに至っていないため、し
ばらくはサーボロックを解除し続ける必要がある。そこ
で、CPU70は、相対回転数Noの絶対値|No|が
出力電動機で出力可能な最低の速度Nmin(但しNm
in<Nw)以下になるまで上述の動作を繰り返しなが
ら待ち(124)、|No|≦Nminに至った時点で
サーボロックを復帰させる(126)。この時点では、
出力軸12の回転数Nがその目標Ntに十分一致しかつ
出力電動機の相対回転数Noが実質的に0の状態とな
る。
【0019】また、動作指示入力回路72から新たな目
標Naが与えられた場合には(128)その目標Naが
Ntに入力され(130)、同様の動作が実行される。
すなわち、本実施形態によれば、与えられた目標Naと
なるよう出力軸の回転数Nを高精度で制御でき、また、
回転数Nのダイナミックレンジも拡張できる。入力回転
機として油圧や空気圧を利用する回転機を用いた場合に
は、特に、制御性、応答性等も著しく改善される一方
で、装置構成の小形化や安価化も実現される。
【0020】図4に示されているのは、CPU70によ
り実行され高トルク高回転領域に亘る速度及びトルク制
御の手順である。この図の手順では、動作指示入力回路
72からCPU70にトルクの目標Tt及び回転数Nの
目標Ntが与えられる(200)。与えられた目標Tt
及びNtが入力回転機と出力電動機の合計の出力特性の
範囲内にない場合には(202)、CPU70はこれら
を再入力する(204)。範囲内にある場合には、CP
U70は、目標Tt及びNtが、A領域に属するのかそ
れともB領域に属するのかを識別する(206)。A領
域に属する場合には、CPU70は、出力電動機をサー
ボロックした上で(208)、入力回転機にて目標Tt
及びNtが実現されるよう入力回転機への制御指令を生
成する(210)。但し、目標Ntが後述のNm以上で
あるときには、ステップ210においては出力電動機に
て入力回転機を増速方向に補助する。逆にB領域に属す
る場合には、CPU70は目標Ntに基づき新たな目標
Nnewを生成した上で(212)、入力回転機及び出
力電動機の協働にて目標Tt及びNnewが実現される
よう入力回転機及び出力電動機双方への制御指令を生成
する(214,216)。ステップ210、214又は
216の後、入力回転機及び出力電動機は連続運転を継
続し(218)、目標Tt及びNtの新たな入力を待つ
(220)。
【0021】このような手順は、入力回転機として電動
機を使用している場合に適している。例えば、入力回転
機(図では入力側モータ)及び出力側電動機(図では出
力側モータ)の最大トルク対回転数特性(以下出力特性
と呼ぶ)が図5の左半分に示されるように同一の特性で
あったとする。また、両者の最大回転数がNmであった
とする。このとき、出力電動機をサーボロックした状態
で入力回転機を運転することにより、図5(a)中で
示される範囲、すなわち入力回転機単独での出力特性と
同等の特性に従う出力を得ることができる。さらに、入
力回転機の回転数(入力軸の回転数Ni)が最大回転数
Nmを超えた後も、出力電動機にて加速することがで
き、また出力電動機の最大回転数(ロータ14に対する
回転電機子20の相対回転数Noの最大値)もNmであ
るから、図5(a)中で示されるように出力軸12の
回転数Nを最大で2Nmまで高めることができる。先の
説明に現れている“A領域”とは、図5(b)に示され
るように及びを合わせた範囲であり、ステップ20
8及び210はこのA領域での制御を実現するステップ
である。加えて、入力回転機と共に出力電動機の出力ト
ルク及び回転数を制御することにより図5(b)に示さ
れるB領域まで制御範囲を拡張でき、その際の発熱も小
さい。例えば、出力特性上で回転数がトルク制限領域
(低速域)とパワー制限領域(高速域)との境界にあり
かつ最大トルクの点P1及びP2にて入力回転機及び出
力電動機を運転することにより、弱め界磁制御にて増速
する際に比べ小さな発熱(銅損)で、出力軸12からは
図5(b)のP点に相当する出力が得られる。ステップ
212〜216はこのA領域での制御を実現するステッ
プである。
【0022】但し、ステップ212にてNnew=Nt
/2とするのは入力回転機及び出力電動機の出力特性が
同一特性のときであり、その他の場合には適宜案分すれ
ばよい。また、入力回転機と出力電動機とが同一の出力
特性でないときには、サーボロックのみだと、図6中
「ロックなし」の図に示されるように、出力トルクが小
さいほうの特性によって出力軸12からの最大トルクが
制限されてしまう。これを避けるためには、ステップ2
08において、出力電動機をサーボロックすることによ
りロックピン30の位置とこれに係合すべき回転電機子
20側の孔を位置合わせした上で、ロックピン30を用
いて出力電動機のロータ14と回転電機子20を機械的
に結合固定すればよい。このようにすると、入力軸10
と出力軸12とが機械的に連結されることとなるから、
図6中「ロックあり」の図に示されるようにより大きな
最大トルクが得られる。なお、図6中のNL及びTLは
入力回転機及び出力電動機のうちより低速のものの最大
回転数及び低速域最大トルクを、NH及びTHはより高
速のもののそれを、それぞれ表している。
【0023】
【発明の効果】本発明の第1の構成によれば、入力回転
機の回転に応じて軸芯回転する第1回転部材とその回転
により出力軸を回転させる第2回転部材とを同軸配置
し、第2回転部材を第1回転部材に対し相対的に軸芯回
転可能としたため、第1回転部材の回転数と第1回転部
材に対する第2回転部材の相対回転数とを加算した回転
数にて出力軸を回転させることができる。すなわち、よ
り小出力の電動機にて、少なくとも従来と同程度以上の
高い精度、応答性及び制御性を得ながら、ダイナミック
レンジをより広くすることができる。
【0024】本発明の第2の構成によれば、第1及び第
2回転部材を機械的に連結することにより第1回転部材
に対する第2回転部材の相対回転を禁止する連結部材を
設けるようにしたため、入力回転機の出力特性、例えば
高トルク特性を、最終的な出力特性に十分に生かすこと
ができる。
【0025】本発明の第3の構成によれば、要求出力が
入力電動機の出力特性範囲内にあるときには入力電動機
により、要求出力が入力電動機の出力特性範囲外にあり
かつ入力電動機及び出力電動機合計の出力特性範囲内に
あるときには入力電動機及び出力電動機双方により、要
求出力を得るようにしたため、出力電動機にて入力電動
機の出力特性を実質的に拡張でき、高トルク高速回転の
特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電動機及びその制
御回路の構成を示すブロック図である。
【図2】ウオームギア及びロックピンを用いた機械的ロ
ック機構の構成を示す図であり、上半分は出力電動機の
部分縦断面を、下半分は横断面を、それぞれ示す図であ
る。
【図3】 CPUの動作手順の一例を示すフローチャー
トである。
【図4】 CPUの動作手順の一例を示すフローチャー
トである。
【図5】 同一特性の電動機を入力回転機及び出力電動
機として用いた場合の合成出力特性図である。
【図6】 異なる特性の電動機を入力回転機及び出力電
動機として用いた場合の合成出力特性を、図2の機構を
用いない場合と用いた場合とで比較する図である。
【符号の説明】
10 入力軸、12 出力軸、14 ロータ、18 永
久磁石、20 回転電機子、22 電機子コイル、24
回転ハウジング、26 回転アクチュエータ、28
ウオームギア、30 ロックピン、40 インバータ回
路、64 入力回転機用コントローラ、66 パルス発
生回路、68 インバータ駆動回路、70 CPU、7
2 動作指示入力回路、Ni 入力軸の回転数、No
ロータに対する回転電機子の相対回転数、N 出力軸の
回転数、Nt 出力軸の回転数の目標、ΔN 速度誤
差、Tt 出力トルクの目標。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力回転機の回転に応じて軸芯回転する
    第1回転部材と、第1回転部材に対し同軸配置されその
    回転により出力軸を回転させる第2回転部材と、を備
    え、 第1及び第2回転部材のいずれか一方が電機子コイル
    を、他方が永久磁石、励磁コイル等の励磁部材を、それ
    ぞれ有し、 通電状態にある電機子コイルに励磁部材から励磁束を印
    加したとき第2回転部材が第1回転部材に対し相対的に
    軸芯回転し、第1回転部材の回転数と第1回転部材に対
    する第2回転部材の相対回転数とを加算した回転数にて
    出力軸が回転することを特徴とする電動機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電動機において、 第1及び第2回転部材を機械的に連結し互いに固定する
    ことにより第1回転部材に対する第2回転部材の相対回
    転を禁止する連結部材を備えることを特徴とする電動
    機。
  3. 【請求項3】 要求出力が入力電動機の出力特性範囲内
    にあるときに、出力電動機における第1回転部材に対す
    る第2回転部材の相対回転を電磁気的に又は機械的に禁
    止させた上で、出力電動機の出力軸から要求出力が得ら
    れるよう入力電動機を回転駆動する第1ステップと、 要求出力が入力電動機の出力特性範囲外にありかつ入力
    電動機及び出力電動機合計の出力特性範囲内にあるとき
    に、出力電動機の出力軸から要求出力が得られるよう入
    力電動機及び出力電動機双方を回転駆動する第2ステッ
    プと、 を有し、 上記入力回転機である入力電動機を駆動する際、請求項
    1又は2記載の電動機である出力電動機にて補助するこ
    とを特徴とする制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013221406A (ja) * 2012-04-12 2013-10-28 Yaskawa Electric Corp 発電装置
JP2013221405A (ja) * 2012-04-12 2013-10-28 Yaskawa Electric Corp 発電装置

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