JP2010268571A - ラジアルモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータ及びその制御器を設けることなく、ロータ位置を軸方向に変位させることができるモータを提供する。
【解決手段】 ラジアルモータ1は、ロータに設けられた磁石の形状又はステータに設けられたスロットの形状が回転軸に対して傾斜したスキューを有する。このラジアルモータ1の制御装置100は、モータトルク指令値Tmとモータ電気角周波数ωとに基づいて、d軸の電流指令値id*及びq軸の電流指令値iq*を演算する電流指令値演算部101と、d軸電流指令値id*、q軸電流指令値iq*から電流位相角βを演算する電流位相角演算部110と、電流位相角演算部110によって演算された電流位相角βによって発生するモータの軸力を用いてステータに対する軸方向のロータ位置を制御する軸方向制御部111と、軸方向変位センサ112とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転子の位置を軸方向に変位可能なラジアルモータに関する。
電気自動車駆動用モータは、車両発進時から高速走行時まで幅広い速度範囲が要求される。このようなモータにおいて、低回転域と高回転域の効率を両立させるためには、低回転側で磁石磁束を高める必要があり、一方高回転側では磁石磁束を減少させる必要がある。このため、永久磁石埋め込み型同期機において、回転子の位置を軸方向に変位可能としてリラクタンスを変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−210808号公報(第4頁、図1)
しかしながら特許文献1に記載の技術は、ロータ(回転子)の位置を軸方向に変位させるためのソレノイド等のアクチュエータ、及びアクチュエータを制御するための外部電源制御器を必要とするので、機器が大型化し、製造コストも増加するという問題点があった。
以上の問題点に鑑み、本発明の課題は、ロータ位置を軸方向に変位させるためのアクチュエータ及びその制御器を設けることなく、ロータ位置を軸方向に変位させて弱め界磁制御を行うことができるラジアルモータを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、ロータに設けられた磁石の形状又はステータに設けられたスロットの形状が回転軸に対して傾斜したスキューを有するラジアルモータにおいて、モータトルク指令値とモータ電気角周波数とに基づいて、d軸及び及びq軸の電流指令値を演算し、前記電流指令値から電流位相角を演算し、電流位相角によって発生するモータの軸力を用いてステータに対する軸方向のロータ位置を制御することを要旨とする。
本発明によれば、ロータ位置を軸方向に変位させるためのアクチュエータ及びその制御器を設けることなく、電流位相角βを制御することによりスキューを有するラジアルモータの軸方向力を制御して、ロータ位置の回転軸方向の変位と復元を行うことにより弱め界磁制御を行うことができるラジアルモータを提供できるという効果がある。
(a)スキューを有するラジアルモータの形状を説明する部分斜視図、(b)ロータとステータ間の軸方向の力を説明する周方向展開図である。 (a)軸方向変位が0の場合の電流位相角βに対する軸方向力Fzを示す図、(b)軸方向変位が+zの場合の電流位相角βに対する軸方向力Fzを示す図、(c)軸方向変位が−z場合の電流位相角βに対する軸方向力Fzを示す図である。 (a)本発明に係るラジアルモータの実施例1の構造、及び軸方向力Fzがバネ力より大きい状態を説明する断面図、(b)電流位相角βが負、且つFzが30[N]以上の領域αを示す図である。 (a)ガバナ機構の詳細を説明する断面図、(b)低回転時のガバナ機構正面図、(c)高回転時のガバナ機構正面図である。 実施例に共通の制御装置の構成を説明する概略ブロック図である。 (a)実施例1において、軸方向力Fzがバネ力より小さいがロータシャフトがガバナ機構によりロックされている状態を説明する断面図、(b)−40≦β≦0,且つ0≦Fz<30の領域βを示す図である。 (a)実施例1において、軸方向力Fzがバネ力より小さく、且つロータシャフトがガバナ機構によりアンロックされて−z方向に変位している状態を説明する断面図、(b)−90≦β<40,且つ0≦Fz<30の領域γを示す図である。 (a)本発明に係るラジアルモータの実施例2の構造、及び軸方向力Fzがバネ力より大きい状態を説明する断面図、(b)電流位相角βが負、且つFzが30[N]以上の領域αを示す図である。 (a)回転数−トルクマップ上の動作点A,Cを示す図、(b)動作点Aにおける電流位相角βに対する軸方向力Fzを示す図、(c)動作点Aにおけるモータの状態を示す断面図、(d)動作点Cにおけるモータの状態を示す断面図である。 (a)回転数−トルクマップ上の動作点A,Cを示す図、(b)動作点Cから動作点Aへの変位を説明するフローチャート、(c)動作点Aから動作点Cへの変位を説明するフローチャートである。 (a)回転数−トルクマップ上の動作点A,B,Pを示す図、(b)動作点A,P,Bにおける電流位相角βに対する軸方向力Fzを示す図、(c)d軸電流id、q軸電流iqマップ上の動作点Pを介した動作点Aから動作点Bへの遷移を説明する図である。 (a)動作点Aにおけるモータの状態を示す断面図、(b)動作点Pにおけるモータの状態を示す断面図、(c)動作点Bにおけるモータの状態を示す断面図である。 (a)動作点Aから動作点Bへの変位を説明するフローチャート、(b)動作点Bから動作点Aへの変位を説明するフローチャートである。 本発明におけるロータシャフト変位前と、変位後におけるモータ回転数に対するトルクを示す図である。
まず図1及び図2を参照して、本発明の原理を説明する。図1(a)は、スキューを有するラジアルモータの形状例を説明する電気角1周期分の部分斜視図、図1(b)は、図1(a)のモータにおけるロータとステータ間の軸方向の力を説明する周方向展開図である。ここで回転軸方向を+zとする。
図1(a)に示すように、ステータ5がスキューしたラジアルモータは、ティース13のエッジ14がモータの回転軸方向に対して傾き角度θを有している。このため、図1(b)に示すように、ティース13aがN極、ティース13bがS極、ティース13cがN極に励磁されている時に、ロータ15の永久磁石19a(S極)の下端部は、ティース13bから反発力を受け、ロータ15の永久磁石19b(N極)の上端部は、ティース13bから吸引力を受ける。これら反発力及び吸引力は、ともにロータ15を+z方向(回転軸方向)へ変位させようとする軸方向力Fzとなる。本発明は、アクチュエータを用いることなく、スキューを有するラジアルモータの軸方向力Fzを利用してロータの軸方向位置を変位させることにより、弱め界磁を実現するものである。
図2は、ある電流値における電流位相角βと軸方向力Fzとの関係を示す図であり、(a)ロータの軸方向変位zが0の場合、(b)ロータの軸方向変位zが+の場合、(c)ロータの軸方向変位zが−の場合をそれぞれ示す。
図2(a)に示すように、z方向変位0の場合は、β=0°付近で軸方向力Fzが正の最大値をとり、βが±90°(+が強め界磁、−が弱め界磁)付近で軸方向力Fzが0になっている。図2(b)に示すように、z方向変位が+の場合は、軸方向力Fzのピークが弱め界磁側に移り、β=90°ではFz<0、β=−90°ではFz>0となっている。一方、図2(c)が−zに変位させた場合のβとFzの関係である。Fzのピークが強め界磁側に移り、β=90°ではFz>0、β=−90°ではFz<0となっている。このことから、β=90°では変位に対して復元力が働く安定点、β=−90°では不安定点であることがわかる。従って、この性質を利用して電流位相角βを制御することにより軸方向力を制御することができる。
次に、本発明に係るラジアルモータの実施例1を説明する。図3(a)は、実施例1のラジアルモータの構造及び軸方向力Fzがバネ力より大きい状態を説明する断面図である。図3(b)は、電流位相角βが負、且つ軸方向力Fzが30[N]以上の領域αを示す図である。
図3において、ラジアルモータ1は、ハウジング3と、ステータ5と、ロータ15とを備える。ステータ5は、例えば1枚毎に絶縁された電磁鋼板を積層して構成されたステータコア7と、ステータコア7に形成された図示しないスロット及びティースと、ティースの周囲に巻回されたコイル11とを備える。
ロータ15は、軟磁性体材料で形成された円筒状のロータコア17と、ロータコア17に埋め込まれた永久磁石19と、ロータコア17と一体に成型された円盤状のロータディスク21と、ラジアルモータ1の回転軸部材であるロータシャフト25とを備えている。
ロータシャフト25は、ハウジング3に嵌め込まれた軸受27,29により軸支されている。またロータシャフト35の中央部には、鍔状のフランジ(ロータ取り付け部材)24が一体に成型されている。このフランジ24にロータディスク21をボルト23でネジ止めすることによりロータ15が形成されている。
また、ロータシャフト25の図中左端部には、径が小さくなった中径部25aと、中径部25より更に左端に近い部分に更に径が小さくなった小径部25bが形成されている。
またハウジング3の図中左側端部には、軸受39が設けられている。軸受39は、円環状のディスク33を回転可能に支持するとともにディスク33の図中左側への移動を規制している。ディスク33の左側には、継手51を介してラジアルモータ1の出力を取り出す出力軸部材37が接続されている。
またディスク33の右側には、ガバナ機構31が形成されている。ガバナ機構31は、後に図4を参照して説明するように、ロータシャフト25と軸方向に変位可能なスプライン35により結合されてロータシャフト25のトルクを伝える機構である。このガバナ機構31は、ラジアルモータ1の回転速度が低速時には閉じ、高速時には遠心力により半径方向に開くことにより、ロータシャフト25の小径部25から中径部25aへ支持位置を変えることができるものである。
ロータシャフト25の図中右側端部は、軸方向に垂直な端面25cが形成されている。この端面25cは、軸受41を介して、バネ機構43の圧力板49により図中左方向(−z方向)へ付勢されている。
バネ機構43は、バネホルダ45と、圧縮コイルバネであるバネ47と、圧力板49とを備えている。バネホルダ45は、ラジアルモータ1のハウジング3が固定される図示しないフレーム等に固定され、バネ47を保持するものである。圧力板49は、バネ47のバネ力をロータシャフト25に伝達する部材である。
バネ47のセット荷重は、ラジアルモータ1の高回転低負荷時の弱め界磁制御を行いたい回転数でガバナ機構31が開いたときに、軸方向力Fzに打ち勝ってロータシャフト25を−z方向に変位させる値に設定する。
次に、ロータの軸方向(z方向)の振動について考察する。ロータの軸方向力Fzは、ロータのステータとの相互作用であるので、ロータとステータ間の磁気抵抗の回転角度依存性によるコギングトルクと同じ周波数で軸方向力Fzも変動する。軸方向力Fzの変動は、軸方向変位の振動となって好ましくないので、ロータ質量とバネ47のバネ力による共振周波数がモータの起動時を除いた常用回転数領域内のコギングトルク周波数より小さくなるようにバネ定数を設定する。これにより譬え過渡的に軸方向変位の振動が発生しても速やかに振動を減衰させることができる。
図3(a)に示したラジアルモータ1の状態は、電流位相角βの低い領域即ち低速高負荷時の状態である。この状態では、スキューにより生じる軸方向力Fzがバネ47のセット荷重を上回り、ロータシャフト25に働く軸方向(z方向)力はトータル+であるが、圧力板49がバネホルダ45に接触してこれ以上変位できない状態であり、ロータシャフト25はz変位0の初期位置にある状態である。
図3(b)は、ラジアルモータ1が図3(a)の状態をとる電流位相角βが負、且つFzが30[N]以上の領域αを示す図である。
次に、図4を参照してガバナ機構31の詳細を説明する。図4(a)は、ガバナ機構31の断面図である。図4(b)は、通常時(低速回転時)の+z方向からガバナ機構31を見たときの正面図である。図4(c)は、高速回転時の+z方向からガバナ機構31を見たときの正面図である。
ガバナ機構31は、円環状のディスク61(図3ではディスク33と表示)の外周部に接続する円筒状の側壁63と、軸受片67及び圧縮コイルバネを用いたバネ56とを備える。ディスク61の中央部には、スプライン69(図3ではスプライン35と表示)が設けられている。
軸受片67は、軸受け部材を90°毎に4分割したものである。バネ65は、一端が側壁63の内面に固定され、他端が軸受片67の外周部に固定されている。この軸受片67及びバネ65を4組備えている。ラジアルモータの停止時または低速回転時には、バネ65の伸張しようとする力が各軸受片67をガバナ機構31の中心側へ押しやる。ラジアルモータの高回転時には、各軸受片67の質量と回転角速度から決まる遠心力がバネ65の伸張力に打ち勝って、各軸受片67が側壁63側へ押しつけられ、4つの軸受片67が囲む空間が拡大し、この中へ図3で示したロータシャフト25の中径部25aが収容可能となる。
次に、図5の制御ブロック図を参照して、本発明に係るラジアルモータを制御する制御装置を説明する。図5において、ラジアルモータ1は、図1及び図3で説明した構造を有するラジアルモータ1であり、ここでは、3相永久磁石型同期モータとする。ラジアルモータ1は、U,V,W各相の電流(Iu,Iv,Iw)を検出する電流センサ105と、ロータの電気角を検出する角度センサ107と、ロータシャフトの軸方向変位(z)を検出する軸方向変位センサ112を備えている。
ラジアルモータ1を制御する制御装置100は、外部から与えられるトルク指令値(Tm)とモータ電気角周波数(ω)とに基づいて、d軸の電流指令値(id*)及びq軸の電流指令値(iq*)を演算する電流指令値演算部101と、電流指令値演算部が演算した電流指令値に基づいて2相の電圧指令値(Vd*,Vq*)をPI制御により演算するPI制御部102と、2相電圧指令値を2相/3相変換して3相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を出力する2相/3相変換部103と、3相電圧指令値に基づいて直流電源から3相交流電圧を発生してラジアルモータ1へ供給するインバータ104と、角度センサ107が検出した電気角から電気角周波数(ω)を計算して電流指令値演算部101へ出力する速度演算部108と、電流センサ105が検出した各相電流値を3相/2相変換した2相電流値(id,iq)をPI制御部102へ出力する3相/2相変換部109とを備えている。
尚、電流指令値演算部101と、PI制御部102と、2相/3相変換部103と、インバータ104と、速度演算部108と、3相/2相変換部109とは、トルク指令値(Tm)に基づいてd軸電流,q軸電流をベクトル制御することにより3相永久磁石型同期モータの回転を制御する通常の制御装置と変わる点はない。
また、制御装置100は、本発明に特徴的な構成要素として、電流指令値演算部101が演算したd軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)から電流位相角(β)を演算する電流位相角演算部110と、電流位相角演算部110によって演算された電流位相角(β)によって発生するモータの軸力を用いてステータに対する軸方向のロータ位置を制御する軸方向制御部111を備えている。
軸方向制御部111は、ラジアルモータ1の高回転低負荷時に電流位相角βの制御を介して軸方向力Fzを制御することにより、ロータシャフト25の位置を初期位置から−z方向に変位させることにより、弱め界磁を実現する制御部である。
次に、図6の状態では、ラジアルモータ1の回転速度が低速で軸方向力Fzがバネ47のセット荷重を下回る場合である。この場合はガバナ機構31が閉じているため、ロータシャフト25は、−z方向へ変位できない。
次に、図7の状態では、ラジアルモータ1の回転速度が高速で軸方向力Fzがバネ47のセット荷重を下回る場合である。この場合は、ガバナ機構31が開くため、バネ47の伸張力により−z変位が発生する。このため、高回転の低負荷側でロータシャフト25が変位し、ギャップ磁束を減少させることが可能となる。
次に、本実施例のラジアルモータにおける具体的な回転数−トルクマップ上の動作点の例と、各動作点間の遷移における制御装置の制御内容を詳細に説明する。
最初に、図9(a)の回転数−トルクマップに示すように、高回転低負荷(10000[rpm]、30[Nm]、モータ電流100[A])の動作点の例を点Aとする。動作点Aでは、高回転低負荷の領域であるため、図9(c)に示すように、ラジアルモータのロータシャフト25の位置が−z方向に変位して弱め界磁制御している状態である。図9(b)に動作点Aにおける電流位相角βに対する軸方向力Fzの特性グラフを示す。
また、高回転高負荷(10000[rpm]、70[Nm]、モータ電流150[A])の動作点の例を点Cとする。動作点Cでは、高回転高負荷の領域であるために弱め界磁制御を必要とすることなく、ロータシャフト位置が変位していない状態である。
図10(a)は、回転数−トルクマップ上の動作点A、Cを示す図である。図10(b)は、動作点Cから動作点Aへの変位の制御を説明するフローチャートである。まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、ラジアルモータが動作点Cの運転状態とする。動作点Cでは高回転のためガバナ機構31は開いて、ロータシャフト25は−z方向へ変位可能であるが、電流位相角βに基づく軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より大きくロータシャフト25は−z方向へ変位していない状態である。また動作点Cでは、ラジアルモータを制御する制御装置100は、状態Cの回転数−トルクマップを参照するように設定されている。
次いで、S12において、外部から制御装置の電流指令値演算部101へ与えられるトルク指令値Tmが、70[Nm]から30[Nm]へ変更、即ち動作点Cから動作点Aへ変更されたとする。これにより電流指令値演算部101は、状態Cの回転数−トルクマップを参照して、動作点Aの電流指令値を演算して、PI制御部102及び電流位相角演算部110へ出力する。この電流指令値により、モータ電流が変化し、軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より小さくなる。
次いで、S14でバネ47がロータシャフト25を−z方向へ変位させ、S16の動作点Aにおける運転状態となる。同時に、S14のロータシャフト25の軸方向変位量は、S20で軸方向変位量センサ112が検出して、軸方向制御部111へ送信される。次いでS24で、軸方向変位量センサ112から軸方向変位量を受信した軸方向制御部111は、回転数−トルクマップを状態Aに切り換える。
図10(c)は、動作点Aから動作点Cへの変位を説明するフローチャートである。まず、S30において、ラジアルモータが動作点Aの運転状態とする。動作点Aでは高回転のためガバナ機構31は開いて、電流位相角βに基づく軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より小さくロータシャフト25は−z方向へ変位している状態である。また動作点Aでは、ラジアルモータを制御する制御装置100は、状態Aの回転数−トルクマップを参照するように設定されている。
次いで、S32において、外部から制御装置の電流指令値演算部101へ与えられるトルク指令値Tmが、30[Nm]から70[Nm]へ変更、即ち動作点Aから動作点Cへ変更されたとする。これにより電流指令値演算部101は、状態Aの回転数−トルクマップを参照して、動作点Cの電流指令値を演算して、PI制御部102及び電流位相角演算部110へ出力する。この電流指令値により、モータ電流が変化し、軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より大きくなる。
次いで、S34で軸方向力Fzがロータシャフト25を−z変位状態から変位0の初期位置状態へ戻し、S36の動作点Cにおける運転状態となる。同時に、S34のロータシャフト25の軸方向変位量は、S40で軸方向変位量センサ112が検出して、軸方向制御部111へ送信される。次いでS44で、軸方向制御部111は、回転数−トルクマップを状態Cに切り換える。
次に、図11(a)の回転数−トルクマップに示すように、高回転低負荷(10000[rpm]、30[Nm])の動作点を点A、中回転低負荷(7000[rpm]、30[Nm])の動作点を点Bとし、動作点A,B間の遷移におけるロータシャフトの軸方向位置制御を説明する。この場合には、動作点Aから動作点Bへ遷移する場合に、一旦動作点Pを介して遷移するという特徴がある。ここで動作点Pは、動作点Bと同じ回転速度及びトルクを有するが、強め界磁となる動作点である。
高回転側から中回転側への変化の場合には、ガバナ機構31にロータシャフト25の中径部25aが入った状態から軸を戻すため、いったん動作点Aと同トルクで軸方向力Fz>バネ力となる動作点Pで速度を落として運転し、ガバナ機構31が閉じた後に動作点Bでの運転を行う。
図11(b)は、動作点A,B,Pを電流位相角β−軸方向力Fzマップ上に示した図である。弱め界磁制御領域の動作点Aから、同じ弱め界磁制御領域の動作点Bへ遷移する際に、一旦、トルクは、動作点A,Bと同じで、軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より大きくなる動作点Pを介して状態遷移することが示されている。
図11(c)は、電流ベクトルid、iqマップ上に動作点A,B,Pを示した図である。動作点Aから動作点Bへ遷移する際に、一旦動作点Aとトルク及び電流が等しく電流位相角βが異なる動作点Pへ遷移させる。この動作点Pは、軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より大きく、ロータシャフト25の−z変位状態から初期状態に戻すべく、ロータシャフト25の中径部25aをガバナ機構31から外して、小径部25bがガバナ機構31に保持させるために設けられた動作点である。
図12(a)は動作点Aにおけるラジアルモータの状態を示す断面図、(b)は動作点Pにおけるラジアルモータの状態を示す断面図、(c)は動作点Bにおけるラジアルモータの状態を示す断面図である。図12(a)に示すように、動作点Aでは、ガバナ機構31は開き、ロータシャフト25は、−zに変位した状態である。図12(b)に示すように、動作点Pでは、ガバナ機構31は開き、ロータシャフト25は、−z変位状態から変位0の初期状態に復帰している状態である。図12(c)に示すように、動作点Bでは、変位0の初期状態に復帰しているロータシャフト25をガバナ機構31は閉じて保持する状態である。
次に、図13(a)を参照して、動作点Aから動作点Bへの変位を説明する。まず、S50において、ラジアルモータが動作点Aの運転状態とする。動作点Aでは高回転のためガバナ機構31は開いて、電流位相角βに基づく軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より小さくロータシャフト25は−z方向へ変位している状態である。また動作点Aでは、ラジアルモータを制御する制御装置100は、状態Aの回転数−トルクマップを参照するように設定されている。
次いで、S51において、外部から制御装置100へ与えられる回転数指令値が、10000[rpm]から7000[rpm]へ変更、即ち動作点Aから動作点P(B)へ変更されたとする。これにより電流指令値演算部101は、状態Aの回転数−トルクマップを参照して、動作点Pの電流指令値を演算して、PI制御部102及び電流位相角演算部110へ出力する。次いでS52において、モータ回転数が変化する。次いで、S53で軸方向制御部111により動作点Pへ変位するように軸方向変位指令が発せされる。これにより電流位相角βが変化し、動作点Pへ遷移する。次いで、S54では、図11(c)に示したように動作点Pの軸方向力Fzが強くバネ47のセット荷重を超えて、ロータシャフト25は、−z変位状態から0変位へ+z方向に変位し、初期位置へ復帰する。次いでS56で動作点Bの運転状態となる。S54のロータシャフト25の軸方向変位は、S60で同時に軸方向変位量センサ112で検出されて、軸方向制御部111へ送信される。次いでS64で、軸方向制御部111は、回転数−トルクマップを状態Bに切り換える。
次に、図13(b)を参照して、動作点Bから動作点Aへの変位を説明する。まず、S70において、ラジアルモータが動作点Bの運転状態とする。動作点Bでは中回転のためガバナ機構31は、ロータシャフト25の小径部25bを保持して閉じている状態である。また動作点Bでは、ラジアルモータを制御する制御装置100は、状態Bの回転数−トルクマップを参照するように設定されている。
次いで、S51において、外部から制御装置100へ与えられる回転数指令値が、7000[rpm]から10000[rpm]へ変更、即ち動作点Bから動作点Aへ変更されたとする。これにより電流指令値演算部101は、状態Bの回転数−トルクマップを参照して、動作点Aの電流指令値を演算して、PI制御部102及び電流位相角演算部110へ出力する。次いでS72において、モータ回転数が変化する。次いで、S74では、モータ回転数の増加によりガバナ機構31が開くとともに、軸方向力Fzがバネ47のセット荷重より小さいため、バネ47の力によりロータシャフト25が−z方向に変位する。次いでS76で動作点Aの運転状態となる。S74のロータシャフト25の軸方向変位は、S80で同時に軸方向変位量センサ112で検出されて、軸方向制御部111へ送信される。次いでS84で、軸方向制御部111は、回転数−トルクマップを状態Aに切り換える。
以上説明した本実施例によれば、ロータ位置を軸方向に変位させるためのアクチュエータ及びその制御器を設けることなく、電流位相角βを制御することによりスキューを有するラジアルモータの軸方向力を制御して、ロータ位置の回転軸方向の変位と復元を行うことにより弱め界磁制御を行うことができるモータを提供できるという効果がある。
また本実施例によれば、モータの回転数に応じて軸方向のロータシャフト保持位置を変えるガバナ機構と、セット荷重により軸方向の変位開始点および変位量を調整するバネ機構と、ロータシャフトの軸方向変位量を検出する軸方向変位量検出手段と、を備え、軸方向変位量検出手段が検出した軸方向変位量に基づいて参照する回転数−トルク指令マップを切り換えるので、バネ機構のセット荷重によりロータ位置を軸方向変位させる運転範囲を所望の範囲に設定することができるという効果がある。
また本実施例によれば、ロータシャフトの軸方向変位状態から初期位置状態に遷移を伴ってモータ回転数を低下させる際に、電流位相角βを所定の強め界磁側角度として軸方向変位を戻した後に、モータ回転数を低下させることにより、トルク変動を避けながら軸方向力を制御することができるという効果がある。
さらに本実施例によれば、バネ機構に用いるバネのバネ定数は、該バネと前記ロータの質量からなるバネマス系の共振周波数がモータの常用回転数におけるコギングトルクの周波数より小さくなるように設定するので、軸方向の振動を低減することができるという効果がある。
図8は、本発明に係るラジアルモータの実施例2の構造を説明する断面図である。図3に示した実施例1と異なる点は、ロータシャフト25の図中左側の先端部にテーパ部25dを設けたことである。
本実施例においては、ガバナ機構31がモータの回転速度の上昇に従って連続的に開度が増加し、ロータシャフト25のテーパ部25dが回転軸方向へ連続的な変位が可能となる。従って、実施例2によれば、ステータに対するロータの軸方向位置を連続的に変位させることができるので、より細かく弱め界磁制御が可能となるという効果がある。
次に、図14の回転数−トルク特性曲線を参照して、本発明により得られる効果の一例を示す。尚、図14に示したモータは、以上の実施例1、2で説明したモータとは異なるモータであることを断っておく。図中T-orgで示す線がロータの軸方向変位がなく、ロータとステータが正対している場合のトルク曲線である。図中Tで示す線がロータとステータとが正対する軸方向長さLに対して、ロータの軸方向位置をLの5%だけ変位させた場合のトルク曲線である。回転速度5000[rpm]程度までは、変位させない方がトルクが大きいが、5000[rpm]を超えるとロータシャフトを変位させた方が弱め界磁によりトルクが大きくなっている。またロータの位置を変位させた場合の最高回転速度が9700[rpm]であるのに対して、変位させない場合が9100[rpm]となり、最高回転速度を600[rpm]向上させることができた。
1 ラジアルモータ
5 ステータ
15 ロータ
25 ロータシャフト
31 ガバナ機構
35 スプライン
37 出力軸
43 バネ機構
100 制御装置
101 電流指令値演算部(電流指令値演算手段)
110 電流位相角演算部(電流位相角演算手段)
111 軸方向制御部(軸方向制御手段)
112 軸方向変位量センサ(軸方向変位量検出手段)

Claims (5)

  1. ロータに設けられた磁石の形状又はステータに設けられたスロットの形状が回転軸に対して傾斜したスキューを有するラジアルモータにおいて、
    モータトルク指令値とモータ電気角周波数とに基づいて、d軸の電流指令値及びq軸の電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値から電流位相角を演算する電流位相角演算手段と、
    前記電流位相角演算手段によって演算された電流位相角によって発生するモータの軸力を用いて前記ステータに対する軸方向のロータ位置を制御する軸方向制御手段と、
    を制御装置として備えたことを特徴とするラジアルモータ。
  2. 前記軸方向制御手段は、
    モータの回転数に応じて軸方向のロータシャフト保持位置を変えるガバナ機構と、
    セット荷重により軸方向の変位開始点および変位量を調整するバネ機構と、
    ロータシャフトの軸方向変位量を検出する軸方向変位量検出手段と、を備え、
    前記制御装置は、前記軸方向変位量検出手段が検出した軸方向変位量に基づいて参照する回転数−トルク指令マップを切り換えることを特徴とする請求項1に記載のラジアルモータ。
  3. 前記制御装置は、
    前記ロータシャフトの軸方向変位状態から初期位置状態に遷移を伴ってモータ回転数を低下させる際に、電流位相角βを所定の強め界磁側角度として軸方向変位を戻した後に、モータ回転数を低下させることを特徴とする請求項2に記載のラジアルモータ。
  4. 前記バネ機構に用いるバネのバネ定数は、該バネと前記ロータの質量からなるバネマス系の共振周波数がモータの常用回転数におけるコギングトルクの周波数より小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のラジアルモータ。
  5. 前記ガバナ機構と対向するロータシャフトの接触面がテーパ状であることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のラジアルモータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017034928A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 本田技研工業株式会社 電動車両の制御装置
JP2019088065A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 トヨタ自動車株式会社 モータの制御装置
WO2022188926A1 (de) * 2021-03-11 2022-09-15 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Elektrische maschine, verfahren zur steuerung einer elektrischen maschine, computerprogrammprodukt und steuereinheit

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