JPH0992488A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JPH0992488A
JPH0992488A JP7245796A JP24579695A JPH0992488A JP H0992488 A JPH0992488 A JP H0992488A JP 7245796 A JP7245796 A JP 7245796A JP 24579695 A JP24579695 A JP 24579695A JP H0992488 A JPH0992488 A JP H0992488A
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JP
Japan
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optical element
ray
gas
substance
thin film
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JP7245796A
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Inventor
Hiroyuki Kondo
洋行 近藤
Noriaki Kamitaka
典明 神高
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱されている光学素子近傍の光学素子表面
から蒸発した標的物質の蒸気を除去し、光学素子表面か
らの標的物質の蒸発速度の低下を防ぎ、効率的に光学素
子表面から標的物質(飛散物質)を除去できるX線装置
を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、励起エネルギービーム20
0を標的部材202に光学素子209を通して、或いは
光学素子により集光して照射することでプラズマ203
を生成させ、該プラズマ203から輻射されるX線を取
り出すX線源と、該X線源から射出されるX線が入射す
るX線光学素子とを備えたX線装置において、前記光学
素子209及び/又はX線光学素子を加熱して、該光学
素子209及び/又はX線光学素子に付着、堆積した、
或いは付着堆積しようとする前記X線源からの放出物質
を蒸発させる加熱部と、該光学素子及び/又は該X線光
学素子の近傍にガス流を形成するためのガス導入部21
0とを有する放出物質除去機構204を設けたことを特
徴とするX線装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線顕微鏡、X線露光
装置、X線分析装置などのX線装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】X線顕微鏡、X線露光装置、X線分析装
置などのX線装置のX線発生手段として一般に用いられ
ているX線源には、シンクロトロン放射光の他に、粒子
線を標的(ターゲット)材料に衝突させてX線を発生さ
せるX線管や、標的材料を放電やレーザー照射によりプ
ラズマ化させてX線を発生させるレーザープラズマX線
源等がある。
【0003】この様な標的材料に量子線または励起エネ
ルギービーム(例えば、レーザー光線、イオン線、電子
線、粒子線等)を照射してX線を発生させるX線源の場
合には、標的材料の温度上昇や、標的内に発生する衝撃
波などにより標的材料の蒸発、飛散物質(例えば、ガス
化した材料、イオン化した材料、材料小片など。以下、
これらを飛散粒子と呼ぶ)が放出される。
【0004】これらX線源から放出される飛散粒子は、
X線装置に使用されているX線光学素子や窓などの赤外
域、可視域、紫外域またはX線領域用の各光学素子等に
衝突して、これらを破損したり、或いは付着、堆積して
それらの機能や特性を低下させたり、変化させる。以下
では特に断らない限り、赤外域、可視域、紫外域用の各
光学素子及びX線光学素子をまとめて単に光学素子と呼
ぶ。
【0005】そこで、飛散粒子の光学素子(例えばレー
ザー光導入窓、フィルター、多層膜ミラーなど)への付
着、堆積による前記弊害を防ぐために、該光学素子を加
熱して、付着、堆積した前記飛散粒子を蒸発させて取り
除く方法が提案されている(整理番号94P00267
及び特願平6ー305201)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
如き従来の技術に於いては、光学素子から蒸発した標的
物質(飛散物質)が光学素子近傍に浮遊し、局所的に該
標的物質の分圧が高くなる。この様な状況の下では、光
学素子表面からの標的物質の蒸発速度が低下し、効率的
に標的物質(飛散物質)を除去することができなくなる
という問題点があった。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、加熱されている光学素子近傍の光学素子表
面から蒸発した標的物質の蒸気を除去し、光学素子表面
からの標的物質の蒸発速度の低下を防ぎ、効率的に光学
素子表面から標的物質(飛散物質)を除去できるX線装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「少なくとも、励起エネルギービームを標的部材に光
学素子を通して、或いは光学素子により集光して照射す
ることでプラズマを生成させ、該プラズマから輻射され
るX線を取り出すX線源と、該X線源から射出されるX
線が入射するX線光学素子とを備えたX線装置におい
て、前記光学素子及び/又はX線光学素子を加熱して、
該光学素子及び/又はX線光学素子に付着、堆積した、
或いは付着堆積しようとする前記X線源からの放出物質
を蒸発させる加熱部と、該光学素子及び/又は該X線光
学素子の近傍にガス流を形成するためのガス導入部とを
有する放出物質除去機構を設けたことを特徴とするX線
装置(請求項1)」を提供する。
【0009】また、本発明は第二に「前記ガス導入部か
ら導入させるガスをHe、Ne、Ar、Kr、Xe、R
n、またはN2 ガスとしたことを特徴とする請求項1記
載のX線装置(請求項2)」を提供する。また、本発明
は第三に「前記ガス導入部から導入させるガスを予め加
熱するガス加熱部を設けたことを特徴とする請求項1ま
たは2記載のX線装置(請求項3)」を提供する。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明のX線装置では、X線源か
らの放出物質である蒸発物質及び/または飛散物質が付
着・堆積する光学素子を加熱部により加熱して、光学素
子上に付着・堆積した物質(標的から放出された標的材
料からなる物質)の温度を、該標的物質の飽和蒸気圧が
該光学素子の周囲における該物質の蒸気分圧よりも大き
くなる温度まで上げることができる。
【0011】光学素子上に付着・堆積した物質を真空中
で加熱したときに、該光学素子周囲における該物質の蒸
気分圧が、該物質の蒸気分圧よりも低ければ、該光学素
上に付着・堆積した物質は該光学素子周囲に蒸発する。
従って、光学素子の性能(透過率や反射率など)は、初
期状態(放出物質が付着・堆積しする前の状態)また
は、それに近い状態までに回復する。
【0012】ところで、いくつかの物質について、飽和
蒸気圧と温度の関係が「薄膜製作の基礎」(第2版、麻
蒔立男 著、日刊工業新聞社 発行)の付録に記載され
ている。この関係図によれば、Znの飽和蒸気圧は、5
00℃において約1Torrである。例えば、このZnをX
線源の標的材料とした場合について考える。光学素子上
に付着・堆積したZnを500℃に加熱すると、その温
度におけるZnの飽和蒸気圧は約1Torrである。
【0013】このとき、光学素子または光学素子周囲が
1Torrより低い圧力になうように排気すれば、Zn蒸気
の分圧も1Torrより低い圧力となるので、光学素子また
は光学素子上に付着・堆積したZnは、蒸発して光学素
子または光学素子上から除去される。しかしながら、長
時間使用した場合や周囲の圧力が放出物質(標的材料)
の飽和蒸気圧よりも高い場合などには、残留気体分子と
の衝突により、光学素子から蒸発した標的物質が拡散せ
ずに、加熱している光学素子周囲に浮遊し、局所的に標
的物質の分圧が高くなる。
【0014】この様な状況の下では、光学素子表面から
の標的物質の蒸発速度が低下し、効率的に光学素子表面
に付着・堆積した放出物質(標的材料)を除去すること
ができなくなる。そこで、本発明では、加熱している光
学素子近傍にガス導入部を設けてガスを導入させること
により光学素子近傍にガス流を形成し、光学素子周囲に
浮遊している標的物質蒸気をガス分子とともに流し去
り、標的物質蒸気の分圧が飽和蒸気圧以下になるように
することにより標的物質の蒸発速度の低下を防ぎ、効率
的に光学素子表面から標的材料を除去することとした。
【0015】ガス流形成に使用する導入ガスは、加熱さ
れている光学素子やその周辺部材と化学的反応を起こさ
ない物質が好ましく、例えば希ガス(He,Ne,A
r,Kr,Xe,Rn)またはN2 ガスが好ましい(請
求項2)。また、光学素子を加熱するときの温度の上限
は、光学素子または光学素子や該素子を保持する周辺部
材などを構成する物質の飽和蒸気圧が該光学素子周囲に
おける該物質の蒸気分圧よりも十分に小さくなるような
温度である。
【0016】また、光学素子の加熱温度が高いほど、光
学素子周囲における該物質の蒸気分圧が低いほど、光学
素子の加熱による該物質の蒸発速度が速くなるので、本
発明にかかる効果が増大するので好ましい。比較的低温
に於いて、飽和蒸気圧の高い物質には、例えば、Zn,
Mg,Pbなどがある。
【0017】これらの物質は比較的低温(300〜50
0℃程度)において、真空容器に一般に使用される排気
装置により容易に到達できる真空度(10-5〜10-6To
rr)よりも十分に高い飽和蒸気圧(例えば、Znの場
合、300℃で〜10-3Torr)を有する。従って、これ
らの物質をX線源の標的材料とすれば、光学素子上に付
着・堆積したこれらの物質を本発明により容易に蒸発除
去できるので好ましい。
【0018】ところで、導入ガスの温度が光学素子の温
度に対して著しく低い場合、加熱されている光学素子近
傍にガスを導入させると、ガス分子が光学素子に衝突す
ることにより、光学素子の温度を低下させ、付着・堆積
物質の蒸発速度を低下させる恐れがある。これを防ぐた
めに、導入ガスを加熱するガス加熱部を設けて、予めガ
スを光学素子の温度に近い温度までガス加熱部により加
熱した後、光学素子近傍に流入するようにすればよい。
【0019】このようにすれば、光学素子の温度低下を
招くことが無く、効率的に光学素子上に付着・堆積した
物質を蒸発除去できるので好ましい(請求項3)。以上
のように、本発明によれば、光学素子が破損しない限
り、光学素子を交換する必要が無く、或いは長期間交換
する必要がない。そのため、装置の運転効率が格段に向
上する。
【0020】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。
【0021】
【実施例1】図1は、本実施例にかかる光学素子の加熱
部及びガス導入部を有する放出物質除去機構100を示
す斜視図(a)及び断面図(b)である。本実施例では
光学素子として、X線に対しては透明であり、可視光に
対しては不透明な物質(例えばBe)からなる薄膜(以
下、X線透過性膜と呼ぶ)を使用している。
【0022】このX線透過性薄膜は、X線源から輻射さ
れる可視、紫外光が被照射物体上に照射されるのを防ぐ
ために、X線光学システムにごく一般的に用いられてい
る。X線透過性薄膜101は、熱伝導率の高い材料(例
えば銅やアルミニウムなど)からなるX線透過性薄膜保
持具102、103により挟み込まれ、固定されてい
る。
【0023】保持具102にはX線透過性薄膜101の
温度を検出できるように、熱電対104が取り付けられ
ている。保持具102には、X線透過性薄膜101を加
熱するヒーター(加熱部の1例)105が取り付けられ
ている。これらのX線透過性薄膜101、X線透過性薄
膜保持具102,103、熱電対104、ヒーター10
5は熱的に密に結合されているので、X線透過性薄膜1
01を効率よく加熱することができる。
【0024】X線透過性薄膜101の温度は、X線透過
性薄膜保持具102に取り付けられている熱電対104
によって検出され、所定の温度になるようにヒーター1
05に流れる電流量を制御部106により制御されてい
る。X線透過性薄膜保持具103にはガス導入パイプ
(ガス導入部の一例)107が取り付けられている。X
線透過性薄膜保持具103にはガス流出口が設けられ、
ガスボンベから送り込まれたガスが加熱されたX線透過
性薄膜近傍を流れ、X線透過性薄膜表面から蒸発した標
的材料(飛散物質)を速やかに除去する。
【0025】図2は、本実施例のX線装置のX線源であ
るレーザープラズマX線源内に、図1に示したX線透過
性薄膜及び放出物質除去機構を配置した様子を示す概略
断面図である。パルスレーザー光(励起エネルギービー
ムの一例)200がレンズ201により標的202上に
集光され、標的材料をプラズマ化し、このプラズマ20
3からX線が輻射される。
【0026】真空容器207内は、レーザー光200が
標的物質202に到達するまでにブレークダウンせず、
かつ利用しようとしているX線に対して充分な透過率が
得られるような圧力まで、さらに制御部106により制
御されている所定温度における標的材料(X線透過性薄
膜上に付着堆積した物質)の飽和蒸気圧よりも該物質の
蒸気分圧が充分に低くなるまで、排気装置(不図示)に
より排気されている。
【0027】ガス導入パイプ210は真空容器207の
外部に引き出され、ガスボンベ等のガス供給源(不図
示)に接続されている。ガス供給源(不図示)から供給
されたガスは、放出物質除去機構204に設けられたガ
ス流出口から流出し、X線透過性薄膜(光学素子の一
例)近傍に浮遊している、X線透過性薄膜表面から蒸発
した標的物質を速やかに取り除く。
【0028】図1に示した放出物質除去機構100と同
一の放出物質除去機構204は、X線源であるプラズマ
203とX線光学素子(不図示)の間に配置されてい
る。放出物質除去機構204は、ネジ205により保持
具206に固定され、保持具206は真空容器207内
に固定されている。ネジ205は熱伝導率を悪くするた
め、点接触で放出物質除去機構204を保持している。
また、ネジ205及び保持具206は、熱伝導率の小さ
い物質で作られていることが好ましい。
【0029】放出物質除去機構204に取り付けられて
いる熱電対の電線及び、ヒーターに電流を供給する電線
は、真空容器207の外部に引き出され(不図示)、制
御部(不図示)に接続されている。制御部は熱電対の電
圧値からX線透過性薄膜の温度を判断し、X線透過性薄
膜が設定温度(X線透過性薄膜上に付着堆積した物質の
飽和蒸気圧が周囲における該物質の蒸気分圧よりも十分
に高くなる温度)になるように、ヒーターに流れる電流
を制御している。
【0030】プラズマ203からはX線だけでなく、標
的物質の蒸発、飛散物質(例えばガス化した材料、イオ
ン化した材料、材料小片など)も放出される。これらの
物質は、放出物質除去機構204のX線透過性薄膜(光
学素子の1例)に付着する。従来のX線装置では、X線
源を長時間使用し続けると、光学素子上に標的材料の蒸
発、飛散物質が付着堆積し、次第に光学素子の性能(透
過率や反射率)が低下する。
【0031】これに対し、本実施例のX線装置では、光
学素子はヒーターによって標的材料(光学素子上に付着
堆積したもの)の飽和蒸気圧が周囲における該標的物質
の蒸気分圧よりも十分に高くなる温度まで加熱されるの
で、光学素子上に付着堆積した物質はすぐに蒸発する。
また、蒸発した標的材料はX線透過性薄膜近傍に設けら
れたガス導入部より導入されたガスにより速やかに取り
除かれ、X線透過性薄膜近傍における標的材料の蒸気分
圧が上昇することはない。
【0032】このため、本実施例のX線装置では、X線
透過性薄膜の表面からの標的材料の蒸発速度が低下する
ことはなく、光学素子の性能を初期状態(蒸発、飛散物
質が付着する前の状態)における性能又はそれに近い状
態まで回復させることができる。例えば標的材料にZn
を使用し、X線の波長を13.55 nmとし、X線透過性薄
膜に0.5 μmのBeを用い、さらに真空容器内の圧力を
10-3Torrよりも低い圧力まで排気した場合(この波長
におけるBeの透過率は約42%である)、X線透過性
薄膜(Be膜)を約280℃以上に加熱すれば、Znの
飽和蒸気圧は10 -3Torrを上回る(Znの蒸気分圧より
も大きい)ので、Be膜に付着堆積したZnは蒸発す
る。
【0033】このとき、Be膜の温度が高いほど、Zn
の蒸発速度は大きくなる。Znの蒸発速度がZnの付着
速度を上回れば、ZnはBe薄膜上には堆積しないの
で、Be薄膜の透過率は低下しない。また、Znの蒸発
速度が付着速度を上回ることができなくとも、加熱しな
いときに比べると付着堆積量が低減できるので、透過率
の低下は抑制できる。そのため、X線透過性薄膜(この
場合はBe薄膜)を交換するまでの期間を長くすること
ができる。
【0034】このとき、Be膜の温度が300℃程度で
あれば、Beの飽和蒸気圧は高々10-11Torr 程度なの
で、Be膜からのBeの蒸発はほとんどない。しかし、
温度が1200℃を越えるとBeの飽和蒸気圧は周囲の
蒸気分圧と同程度となり、この温度を超えると、Beの
蒸発が著しくなる。従って、この場合のX線透過性薄膜
(Be膜)の加熱上限温度は、1200℃よりも低い温
度ということになる。
【0035】本実施例ではX線透過性薄膜としてBeを
用いたが、X線透過性薄膜は複数の材料から構成されて
いても良い。例えば0.1 μm厚のSi3 4 膜上に0.5
μm厚のSiを製膜したものであっても良い。この様
に、X線透過性薄膜が複数の材料から構成されている場
合には、加熱する温度の上限は、X線透過性薄膜を構成
している各材料の飽和蒸気圧が周囲圧力のうちの各材量
の蒸気分圧と同等になる温度のうちの最低温度となる。
【0036】
【実施例2】図3は、本実施例のX線装置のX線源を示
す概略断面図である。本実施例でも、光学素子としてX
線透過性薄膜を使用しており、加熱部の詳細や真空容器
内での配置は図1及び図2と同じなので、これらの詳細
な説明は省略する。
【0037】図3においては、ガスボンベとガス導入部
との間に熱交換器(ヒーター、ガス加熱部の一例)31
1が取り付けられ、ガスは熱交換器(ヒーター)311
によって加熱された後、X線透過性薄膜近傍のガス導入
部より流入する。このようにする事により、ガスの流入
によるX線透過性薄膜の温度低下を低減でき、効率的に
付着・堆積物質を除去できる。このとき、ガスの温度は
X線透過性薄膜の温度に近い方が、X線透過性薄膜の温
度低下を少なくできるので効果的である。
【0038】なお、実施例1、2では光学素子の1例と
してX線透過性薄膜を用いたが、他にX線多層膜ミラー
やウォルターミラー等の全反射ミラー、ゾーンプレート
などであってもよい。また、レーザー光導入窓や集光レ
ンズ(集光レンズが真空容器内に設置されている場合)
のような赤外、可視、紫外域の光学素子であっても良
い。
【0039】これら光学素子の加熱は、X線源使用中、
連続的に行っても良いが、光学素子を透過あるいは反射
してきたX線量を連続的または定期的に測定し、設定値
を下回ったときのみ光学素子を加熱し、堆積した物質を
蒸発させて除去しても良い。また、一定のショット数X
線を発生させ後に、光学素子を加熱し、堆積した物質を
蒸発させた後、再びX線源を使用するようにしても良
い。
【0040】光学素子の加熱部としては、ヒーターから
の熱伝導の他に、赤外線ランプ(加熱手段の1例)など
の輻射熱を利用しても良い。光学素子(この例ではX線
透過性薄膜)近傍に導入させるガスとしては、加熱され
ている光学素子やその保持具等と反応(酸化等)しない
のもがよい。例えば、希ガス(He,Ne,Ar,K
r,Xe,Rn)や窒素ガス等が適している。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
学素子上に付着堆積した、X線源から放出された飛散物
質を光学素子を加熱部で加熱することにより、蒸発させ
て取り除くことが可能である。しかも、該光学素子の近
傍にガス導入部を設けて、ガスを流入させることによ
り、該光学素子表面から蒸発した物質を迅速に排除する
ことができるので、該蒸発物質が光学素子近傍に浮遊し
て、該物質の分圧が上昇して、該付着物質の蒸発速度が
低下することがなく、効率的に光学素子上に付着堆積し
た飛散物質を取り除くことができる。
【0042】また、光学素子(この例ではX線透過性薄
膜)近傍に導入させるガスとして、希ガス(He,N
e,Ar,Kr,Xe,Rn)またはN2 ガスを用いる
ので、導入ガスが加熱されている光学素子やその保持具
等と反応(酸化等)して問題となることがない(請求項
2)。また、流入させるガスを予め加熱するガス加熱部
を設けることにより、ガス導入時における光学素子の温
度低下を低減でき、効率的に付着・堆積物質を蒸発除去
できる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1にかかる光学素子の加熱部及びガ
ス導入部を有する放出物質除去機構100を示す斜視図
(a)及び断面図(b)である。
【図2】は、実施例1のX線装置のX線源であるレーザ
ープラズマX線源内に、図1に示したX線透過性薄膜及
び放出物質除去機構を配置した様子を示す概略断面図で
ある。
【図3】は、実施例2のX線装置のX線源を示す概略断
面図である。
【主要部分の符号の説明】
100・・ 放出物質除去機構、101・・ X線透過
性薄膜(光学素子の一例) 102、103・・ X線透過性薄膜保持具、 104
・・ 熱電対 105・・ ヒーター(光学素子の加熱部の一例)、
106・・ 制御部 107・・ ガス導入パイプ(ガス導入部の一例)、2
00、300・・ レーザー光(励起エネルギービーム
の一例) 201、301・・ 集光レンズ 202、302・・ 標的物質 203、303・・ プラズマ 204、304・・ 放出物質除去機構 205、305・・ ネジ 206、306・・ 保持具 207、307・・ 真空容器 208、308・・ X線 209、309・・ レーザー光導入窓 210、310・・ ガス導入パイプ(ガス導入部の一
例) 311・・熱交換器(ヒーター、ガス加熱部の一例) 以 上

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、励起エネルギービームを標
    的部材に光学素子を通して、或いは光学素子により集光
    して照射することでプラズマを生成させ、該プラズマか
    ら輻射されるX線を取り出すX線源と、該X線源から射
    出されるX線が入射するX線光学素子とを備えたX線装
    置において、 前記光学素子及び/又はX線光学素子を加熱して、該光
    学素子及び/又はX線光学素子に付着、堆積した、或い
    は付着堆積しようとする前記X線源からの放出物質を蒸
    発させる加熱部と、該光学素子及び/又は該X線光学素
    子の近傍にガス流を形成するためのガス導入部とを有す
    る放出物質除去機構を設けたことを特徴とするX線装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ガス導入部から導入させるガスをH
    e、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn、またはN2 ガスと
    したことを特徴とする請求項1記載のX線装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス導入部から導入させるガスを予
    め加熱するガス加熱部を設けたことを特徴とする請求項
    1または2記載のX線装置。
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JP (1) JPH0992488A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532231A (ja) * 2005-02-25 2008-08-14 サイマー インコーポレイテッド Euv光源の内部構成要素をプラズマ生成デブリから保護するためのシステム

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JP2008532231A (ja) * 2005-02-25 2008-08-14 サイマー インコーポレイテッド Euv光源の内部構成要素をプラズマ生成デブリから保護するためのシステム

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