JPH099244A - 情報提供システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 視聴者に関する情報を自動的に収集し、視聴
者に合わせて不適切な情報を削除したり、情報表示順序
を変更したりできる情報提供システムを提供する。 【構成】 蓄積した情報を不特定の視聴者に提供するた
めに表示する情報提供システムにおいて、視聴者の下か
ら発信された信号に基づいて視聴者の個別情報を得る個
別情報取得手段103と、取得した個別情報に基づいて提
供する情報の表示条件を制御する表示条件制御手段106
と、蓄積された情報110の中から表示条件に従って情報
を取り出す出力手段109と、出力手段から出力された情
報を表示する表示手段111とを設ける。このシステムで
は、視聴者が所持しているＩＣカードなどの発信装置か
ら視聴者の年齢、性別、障害の有無などに関する個別情
報が発せられると、その個別情報が集計され、その結果
を基に視聴者に不適切な情報を表示の対象から除いた
り、情報の表示順序を視聴者の関心が高い順序に入れ替
えたりする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、不特定の視聴者に映像
や音声、図形、文字などの情報を表示する情報提供シス
テムに関し、特に、視聴者に合わせて自動的に情報内容
や表示形態を変更できるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、大型ＴＶや文字表示装置などによ
る広告宣伝や案内などでは、固定した内容の情報を繰り
返し表示している。その具体例として、ショッピング街
などでの大型ＴＶやＣＡＴＶ等を用いた商品案内や広告
宣伝、また、博物館や美術館等でのＶＴＲやカセットテ
ープによる案内や展示物の説明などを挙げることができ
る。

【０００３】また、近年、駅周辺やショッピング街など
にコンピュータを利用した街頭端末装置を設置する動き
も現れている。この街頭端末装置は、利用者が選択操作
を行なったときは、選択された内容の情報を表示し、そ
の操作が行なわれないときは、前の利用者の選択した内
容を表示したり、あるいは、非操作時用に用意された内
容の情報を繰り返し表示したりする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の情報提
供装置は、予め決められた内容の情報を決められた順序
で、また、決められた形態で提供しており、視聴者の状
況に合わせて自動的にそれらを変更することは全く考え
られていない。

【０００５】そのため、例えば、視聴者が未成年者のみ
の場合でも、タバコや酒のＣＭなど不適切な情報が表示
されたりする。また、視聴者に対応させて表示順序を変
更したりすることも行なわれていない。また、美術館の
案内を見ている人の中に聴覚障害者がいたときでも、用
意してある映像と音声の番組に、文字情報を追加したり
することができない。また、視聴者に小さな子供がいる
ときに、番組中の文字表示を漢字主体のものから平仮名
な主体のものに変えたり、または、漢字に仮名を振って
表示したりすることもできない。

【０００６】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、視聴者に関する情報を自動的に収集し、
視聴者に合わせて、不適切な情報を削除したり、情報表
示順序を変更したり、情報出力媒体を変換したり、ある
いは、情報内容の一部を変更したりすることができる情
報提供システムを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、蓄
積した情報を不特定の視聴者に提供するために表示する
情報提供システムにおいて、視聴者の下から発信された
信号に基づいてこの視聴者の個別情報を得る個別情報取
得手段と、取得した個別情報に基づいて提供する情報の
表示条件を制御する表示条件制御手段と、蓄積された情
報の中から表示条件に従って情報を取り出す出力手段
と、出力手段から出力された情報を表示する表示手段と
を設けている。

【０００８】また、個別情報を集計するための個別情報
集計手段を設け、表示条件制御手段が、この個別情報集
計手段により集計された個別情報に基づいて表示条件を
制御するように構成している。

【０００９】また、出力手段が、この表示条件に従っ
て、蓄積された情報の中から、ビデオ映像、コンピュー
タグラフィックス、写真、図面、音声、テキストから成
るメディア情報の１または複数種類を取り出すように構
成している。

【００１０】また、表示条件制御手段が、個別情報に基
づいて、提供する情報の表示スケジュールの中から表示
すべき情報を選択するように構成している。

【００１１】また、表示条件制御手段が、個別情報に基
づいて、提供する情報の表示順序を指定するように構成
している。

【００１２】また、表示条件制御手段が、個別情報に基
づいて、提供する情報のメディアを指定するように構成
している。

【００１３】また、表示条件制御手段が、個別情報に基
づいて、提供する情報の内容の変更を指定するように構
成している。

【００１４】また、個別情報取得手段が、視聴者の保持
するＩＣカードから発信された信号に基づいて視聴者の
個別情報を得るように構成している。

【００１５】また、個別情報取得手段が、視聴者の保持
する無線信号を発信する装置から発信された識別情報を
受信し、この識別情報に対応する個別情報を、他のデー
タベースのデータを利用して取得するように構成してい
る。

【００１６】さらに、他のデータベースとして、ＰＯＳ
または顧客データベースを利用するように構成してい
る。

【００１７】

【作用】そのため、この情報提供システムでは、視聴者
が所持しているＩＣカードなどの発信装置から視聴者の
年齢、性別、障害の有無などに関する個別情報が発せら
れると、その個別情報が集計され、その結果を基に、視
聴者に不適切な情報を表示の対象から除いたり、情報の
表示順序を視聴者の関心が高い順序に入れ替えたり、耳
の不自由な視聴者がいる場合に文字表示のメディア情報
を追加したり、子供の視聴者が多い場合に文字情報を仮
名文字の情報に変更したりする処理が自動的に、視聴者
に意識されることなく、行なわれる。

【００１８】また、個別情報は、視聴者が所持している
簡易型携帯電話などの発信装置から識別情報が発せられ
たときに、その識別情報に対応する個別情報をＰＯＳや
顧客データベースのデータを利用して得ることもでき
る。この場合、多くの個別情報を得ることが可能であ
り、また、個別情報に利用するデータ項目を、提供する
情報に応じて自由に選定することができる。また、この
個別情報として、ＰＯＳや顧客データベースの更新に連
動して最新のデータを得ることができる。

【００１９】

【実施例】

（第１実施例）第１実施例の情報提供システムは、図２
１に示すように、デパートなどの商業施設の一室に大型
ＴＶ2102やコンピュータディスプレイなどの表示装置を
置いて商品の広告宣伝を行なう場合に、この部屋の出入
口や通路にゲート2101を設置し、そこを通過する人が所
持している非接触ＩＣカードからその人の個別情報を読
み取る。そして、読み取った情報を集計し、集計結果を
基に表示装置2102に表示する番組を選択する。

【００２０】この情報提供システムは、図１に示すよう
に、無線信号で個別情報を発信する非接触ＩＣカード10
1と、各ゲートに設置された、人を感知する対人センサ
ー部102と、ゲートを通過する人が所持している非接触
ＩＣカード101から個人情報を読み取る非接触ＩＣカー
ド読み取り部103と、読み取られた個人情報の集計を行
なう個別情報集計部104と、個人情報の集計結果を格納
する個別情報テーブル105と、番組の表示順序が格納さ
れたスケジュールテーブル107と、各番組の表示条件が
格納された表示条件テーブル108と、個人情報の集計結
果と各番組の表示条件とを比較して表示する番組を選択
する表示情報選択部106と、映像、音声、静止画、テキ
ストなどのデータが格納された表示情報蓄積部110と、
表示情報選択部106の選択した番組を表示情報蓄積部110
から取り出して出力する出力部109と、出力された映
像、音声、静止画、テキストなどを表示する表示装置11
1とで構成されている。

【００２１】図２は、非接触ＩＣカード101内に記憶さ
れた情報の一例である。この情報は、非接触ＩＣカード
読み取り部103からの要求に応じて、非接触ＩＣカード
から発信される。

【００２２】図３は、個別情報テーブル105の一例であ
る。非接触ＩＣカードから獲得した情報に基づいて、ゲ
ート内にいるその時点での総人数、男性数、女性数、各
年代の人数などについて最新の状態が保存されている。

【００２３】図４は、スケジュールテーブル107の一例
である。各番組ＩＤが表示する順序で格納されている。
また、現在表示中の番組は番組表示中ポインタにより示
され、また、次に表示する番組の候補がサーチポインタ
で示される。

【００２４】図５に示す表示条件テーブルは、表示情報
蓄積部110に格納された番組と表示条件とを一対一で対
応づけたものである。表示条件には、個別情報テーブル
の各パラメータを用いた表示条件式が予め設定される。
例えば、番組ＩＤが０２の紳士服ＣＭでは、男性の視聴
者が存在しない場合は、表示されない。

【００２５】この情報提供システムを図２１の状態で実
施する場合には、ゲート2101に対人センサー部102と非
接触ＩＣカード読み取り部103とを配置し、このゲート2
101をこの部屋または通路の出入口に複数台設置する。
このゲート2101を、非接触ＩＣカード101を所持した人
が通過すると、対人センサー部102が入場あるいは退場
のいずれであるかを判断し、これを非接触ＩＣカード読
み取り部103に通知する。この通知を受けた非接触ＩＣ
カード読み取り部103は、無線信号により非接触ＩＣカ
ード101に個別情報の送信を要求する。この要求を受け
た非接触ＩＣカード101は、図２に示す個別情報を発信
し、これを非接触ＩＣカード読み取り部103が受信す
る。

【００２６】非接触ＩＣカード読み取り部103は、対人
センサー部102から受け取った入場あるいは退場のいず
れか一方の情報と、非接触ＩＣカード101から受信した
個別情報とを個別情報集計部104に送る。これを受けた
個別情報集計部104は、個別情報管理テーブル105の該当
するパラメータの値を、入場の時は追加し、退場の時は
削減する。このようにして、個別情報テーブル105には
常に最新の視聴者の個別情報が保存される。

【００２７】表示情報選択部106は、この個別情報を利
用して、図６に示す手順で表示情報を決定する。

【００２８】ステップ601：出力部109から次に表示する
番組ＩＤの要求があると、 ステップ602：表示情報選択部106は、スケジュールテー
ブル107のサーチポインタを使用して次の候補となる番
組ＩＤを取得し、 ステップ603：さらに、表示条件テーブル108からこの番
組に対応した表示条件を得る。

【００２９】ステップ604：表示情報選択部106は、この
表示条件に記述されている個別情報を個別情報集積部10
4から求め、 ステップ605：この個別情報を基に表示条件に照らし合
わせる。

【００３０】ステップ609：個別情報が表示条件を満た
す場合は、番組表示ポインタにサーチポインタの値を代
入し、 ステップ610：サーチポインタを一つ進めてから、 ステップ611：出力部109に次に表示する番組ＩＤを通知
する。

【００３１】ステップ606：ステップ605において、個別
情報が表示条件を満たしていない場合は、サーチポイン
タを次に進め、 ステップ607：そのサーチポインタが現在表示中の番組
を指す番組表示ポイントと一致していなければ、ステッ
プ602以降の手順を繰り返し、個別情報が表示条件を満
たしている番組の番組ＩＤを出力部109に通知する。

【００３２】ステップ608：ステップ607において、その
サーチポイントが番組表示ポイントと一致していると
き、つまり、残る総ての番組が表示不適切であるとき
は、番組表示ポインタを一つ進めるとともに、サーチポ
インタを一つ進めて（ステップ610）、スケジュールテ
ーブル107通りに次に表示する番組を出力部109に通知す
る。

【００３３】一方、出力部109は、図７に示すように、 ステップ701：表示装置111に表示する次の番組のＩＤを
表示情報選択部106に要求し、 ステップ702：表示情報選択部106から指定された番組Ｉ
Ｄを用いて、 ステップ703：表示情報蓄積部110からシナリオと映像、
音声、静止画、テキストなどの素材を取り出し、 ステップ704：そのままの状態で表示装置111から次の番
組の要求があるまで待ち、 ステップ705：前の番組の表示を終了した表示装置111か
ら表示情報の要求があると、出力部109は既に獲得済み
の情報を表示装置111に転送する。

【００３４】表示装置111としては、大型ＴＶ、マルチ
ビジョン、コンピュータディスプレイなどを用いる。

【００３５】図８は、表示情報蓄積部110のデータ構造
の一例を示している。各番組はシナリオと映像、音声、
静止画、テキストなどの単一種単数あるいは多数種複数
の素材から構成されており、各番組では、それぞれのシ
ナリオに従って、決められたタイミングで各素材が順次
表示される。

【００３６】このように、第１実施例の情報提供システ
ムでは、視聴者の所持する非接触ＩＣカードの情報から
視聴者の状況を把握し、それに応じて提供する番組を選
別することができる。

【００３７】（第２実施例）第２実施例の情報提供シス
テムは、視聴者の状況に応じて番組の提供順序を変更す
る。このシステムは、図９に示すように、第１実施例
（図１）の表示情報選択部106、スケジュールテーブル1
07及び表示条件テーブル108に代えて、視聴者の個別情
報を基に番組の優先度を演算し、優先度順の番組リスト
を作成する表示優先度演算部901と、優先度の演算に用
いる評価関数が格納された評価関数テーブル902とを備
えている。

【００３８】評価関数テーブルは、図１０に示すよう
に、表示情報蓄積部110に蓄積された番組と評価関数と
を一対一で対応づけたものである。評価関数には個別情
報の各パラメータを用いた評価関数が予め設定されてい
る。

【００３９】この情報提供システムでは、第１実施例と
同じように、視聴者の所持する非接触ＩＣカード101か
ら個別情報を読み取り、集計して個別情報テーブル105
を作成する。

【００４０】表示優先度演算部901は、この集計された
個別情報を利用して、図１１に示す手順で番組の表示優
先度（順序）を決定する。

【００４１】ステップ1101：出力部903から番組表示順
序リストの要求があると、 ステップ1102：表示優先度演算部901は、評価関数テー
ブル902からすべての番組の評価関数を求め、 ステップ1103：この評価関数に記述されている個別情報
を個別情報集計部104に要求し、 ステップ1104：得られた個別情報を基に各番組の評価関
数を演算し、評価関数の大きい順に番組の表示順序を決
定し、 ステップ1105：出力部903に番組表示順序リストを通知
する。

【００４２】一方、出力部903は、図１２に示すよう
に、 ステップ1201：表示優先度演算部901に対して、表示装
置111に表示する番組のリストを要求し、 ステップ1202：表示優先度演算部901から、番組リスト
を獲得すると、 ステップ1203：番組表示ポインタをその番組リストの初
期位置にリセットし、 ステップ1204：表示情報蓄積部110から、ポインタの指
し示す番組のシナリオと映像、音声、静止画、テキスト
などの素材を取り出し、 ステップ1205：そのままの状態で表示装置111から次の
番組の要求があるまで待ち、 ステップ1206：前の番組の表示を終了した表示装置111
から表示情報の要求があると、出力部903は既に獲得済
みの情報を表示装置111に転送する。

【００４３】ステップ1207：ステップ1202で獲得した番
組リストに未表示の番組がある場合は、 ステップ1208：番組表示ポインタをインクリメントし
て、ステップ1204に移行し、次の番組の表示準備を行な
う。

【００４４】ステップ1207において、番組リスト中の総
ての番組の表示が完了した場合は、再び表示優先度演算
部901に番組リストの要求を行なう。

【００４５】このように、第２実施例の情報提供システ
ムでは、表示する番組の順序を視聴者に合わせて変更す
ることができる。

【００４６】（第３実施例）第３実施例の情報提供シス
テムは、番組を音声で表示する代わりに、文字で表示す
るなど、視聴者の状況に応じて、表示媒体を変更する。

【００４７】このシステムは、図１３に示すように、第
１実施例（図１）の表示情報選択部106及び表示条件テ
ーブル108に代えて、視聴者の個別情報を基に提供する
番組の表示媒体を選定する表示媒体制御部1301と、表示
媒体の変換規則を格納した媒体変換テーブル1302とを備
えている。

【００４８】媒体変換テーブルには、図１４に示すよう
に、表示情報蓄積部110に蓄積された番組と媒体変換ル
ールとが一対一で対応づけて記述されている。媒体変換
ルールには個別情報の各パラメータを用いた評価関数が
予め設定されている。例えば、天気予報の番組では、聴
覚障害者がいる場合に、音声の内容を音声と文字との２
つの媒体で情報提供することがルールとして記述され、
また、文字ニュースの番組では、視覚障害者がいる場合
に、文字の内容を文字と音声との２つの媒体で情報提供
することがルールとして記述されている。

【００４９】この情報提供システムでは、第１実施例と
同じように、視聴者の所持する非接触ＩＣカード101か
ら個別情報を読み取り、集計して個別情報テーブル105
を作成する。

【００５０】表示媒体制御部1301は、この集計された個
別情報を利用して、図１５に示す手順で番組の表示媒体
を決定する。

【００５１】ステップ1501：出力部1303から番組の要求
があると、 ステップ1502：表示媒体制御部1301は、スケジュールテ
ーブル107から次に表示すべき番組を求め、 ステップ1503：さらに、媒体変換テーブル1302からこの
番組に対応した媒体変換ルールを得る。

【００５２】ステップ1504：表示媒体制御部1301は、こ
の媒体変換ルールに記述されている個別情報を個別情報
集計部104に要求し、 ステップ1505：得られた個別情報を基に表示媒体を決定
する。

【００５３】ステップ1506：表示媒体制御部1301は、番
組と出力する表示媒体とを出力部1303に通知する。

【００５４】一方、出力部1303は、図１６に示すよう
に、 ステップ1601：表示装置111に表示する次の番組のＩＤ
と出力媒体とを表示媒体制御部1301に要求し、 ステップ1602：表示媒体制御部1301から指定された番組
ＩＤと出力媒体とが通知されると、 ステップ1603：表示情報蓄積部110からシナリオと映
像、音声、静止画、テキストなどの素材を取り出し、 ステップ1604：出力先の媒体の変更に合わせてシナリオ
に修正変更を加える。ここで言うシナリオの修正変更と
は、シナリオ中に記述されている媒体（素材）を追加、
変更することであり、例えば、映像と音声のみの番組の
シナリオに、文字メディアを加えたシナリオに変更する
といったことである。

【００５５】ステップ1605：そのままの状態で表示装置
111から次の番組の要求があるまで待ち、 ステップ1606：前の番組の表示を終了した表示装置111
から表示情報の要求があると、出力部1303は既に獲得済
みの情報を表示装置111に転送する。

【００５６】このように、第３実施例の情報提供システ
ムでは、視聴者に合わせた表示媒体により番組を提供す
ることができる。

【００５７】（第４実施例）第４実施例の情報提供シス
テムは、視聴者の状況に応じて、表示する情報の内容を
変更する。このシステムは、図１７に示すように、第１
実施例（図１）における表示情報選択部106及び表示条
件テーブル108に代えて、視聴者の個別情報を基に提供
する番組の内容を選定する表示内容制御部1701と、内容
変更ルールを格納する内容変更テーブル1702とを備えて
いる。

【００５８】内容変更テーブルには、図１８に示すよう
に、表示情報蓄積部110に蓄積された番組と内容変更ル
ールとが一対一で対応づけて記述されている。内容変更
ルールには個別情報の各パラメータを用いた変更ルール
が予め設定されており、例えば、ビールＣＭでは、視聴
者に女性が多ければ、女優がビールを飲んでいる映像２
を表示し、そうでなければ、男優がビールを飲んでいる
映像１を表示することが規定されている。

【００５９】この情報提供システムでは、第１実施例と
同じように、視聴者の所持する非接触ＩＣカード101か
ら個別情報を読み取り、集計して個別情報テーブル105
を作成する。

【００６０】表示内容制御部1701は、この集計された個
別情報を利用して、図１９に示す手順で番組の表示媒体
を決定する。

【００６１】ステップ1901：出力部1703から番組の要求
があると、 ステップ1902：表示内容制御部1701は、スケジュールテ
ーブル107から次に表示すべき番組を求め、 ステップ1903：さらに、内容変更テーブル1702からこの
番組に対応した内容変更ルールを得る。

【００６２】ステップ1904：表示内容制御部1701は、こ
の内容変更ルールに記述されている個別情報を個別情報
集計部104に要求し、 ステップ1905：得られた個別情報を基に表示変更内容を
決定する。

【００６３】ステップ1906：表示内容制御部1701は、番
組と出力する表示内容とを出力部1703に通知する。

【００６４】一方、出力部1703は、図２０に示すよう
に、 ステップ2001：表示装置111に表示する次の番組のＩＤ
と出力媒体とを表示内容制御部1701に要求し、 ステップ2002：表示内容制御部1701から指定された番組
ＩＤと出力媒体とが通知されると、 ステップ2003：表示情報蓄積部110からシナリオと映
像、音声、静止画、テキストなどの素材を取り出し、 ステップ2004：出力内容の変更に合わせてシナリオに修
正変更を加える。ここで言うシナリオの修正変更とは、
シナリオ中に記述されている媒体（素材）を交換するこ
とであり、例えば、素材として文字１（通常の漢字仮名
混じり文）を使用している番組のシナリオに、文字２
（仮名を振った文）を使用するようにシナリオを変更す
ることなどを言う。

【００６５】ステップ2005：そのままの状態で表示装置
111から次の番組の要求があるまで待ち、 ステップ2006：前の番組の表示を終了した表示装置111
から表示情報の要求があると、出力部1703は既に獲得済
みの情報を表示装置111に転送する。

【００６６】このように、第４実施例の情報提供システ
ムでは、視聴者に合わせた表示内容の番組を提供するこ
とができる。

【００６７】（第５実施例）第５実施例の情報提供シス
テムは、入手した識別情報から、顧客データベース（Ｄ
Ｂ）やＰＯＳ（販売時点情報管理システム）のデータを
利用して視聴者の詳しい個別情報を生成する。

【００６８】このシステムは、図２２に示すように、第
１実施例（図１）の非接触ＩＣカード101、対人センサ
ー部102及び非接触ＩＣカード読み取り部103に代えて、
ローミング機能により端末のＩＤを送信するＰＨＳ（簡
易型携帯電話）端末2201と、このＩＤを受信するＰＨＳ
基地局2202と、入手したＩＤから個別情報を生成する個
別情報展開部2203と、端末のＩＤと個別情報との対応表
を格納する個別情報展開テーブル2204と、この対応表の
データを提供するＰＯＳ2205及び顧客ＤＢ2206とを備え
ている。

【００６９】個別情報展開テーブル2204は、図２３に示
すように、ＰＨＳ端末2201のＩＤと個別情報とを対応さ
せたテーブルであり、この個別情報には、ＰＯＳ2205や
顧客ＤＢ2206から展開したデータも含まれる。また、情
報提供者は、ＰＯＳ2205や顧客ＤＢ2206から意図したデ
ータ項目を個別情報展開テーブル2204に追加することが
できる。個別情報展開テーブル2204は、ＰＯＳ2205や顧
客ＤＢ2206と連動し、ＰＯＳ2205または顧客ＤＢ2206の
情報が更新されると、個別情報展開テーブル2204のデー
タも更新される。

【００７０】この情報提供システムでは、表示装置111
あるいはその近傍にＰＨＳ基地局2202を設置する。この
表示装置2202の一定範囲内にＰＨＳ端末2201を所持した
人がいると、ＰＨＳのローミング機能により、ＰＨＳ基
地局2202に対してＰＨＳ端末2201のＩＤが送信される。
ＰＨＳ端末2201のＩＤを受信したＰＨＳ基地局2202は、
このＩＤを個別情報展開部2203に通知する。この通知を
受けた個別情報展開部2203は、個別情報展開テーブル22
04からこのＩＤの個別情報を取得し、ＩＤから展開され
たこの個別情報を個別情報集計部104に送る。

【００７１】個別情報集計部104から表示装置111に至る
動作は、第１実施例のシステムと変わりがない。

【００７２】この情報提供システムでは、個別情報にＰ
ＯＳ2205や顧客ＤＢ2206の情報を利用しているため、最
新の豊富な情報を個別情報として取り込むことができ
る。また、ＰＯＳ2205や顧客ＤＢ2206から取込むデータ
を情報提供者側で自由に設定することができる。

【００７３】（第６実施例）第６実施例の情報提供シス
テムは、第５実施例と第２実施例とを組み合わせたもの
であり、図２４に示すように、第２実施例（図９）の非
接触ＩＣカード101、対人センサー部102、及び非接触Ｉ
Ｃカード読み取り部103を、ＰＨＳ端末2201、ＰＨＳ基
地局2202、個別情報展開部2203、個別情報展開テーブル
2204、ＰＯＳ2205、及び顧客ＤＢ2206に代えている。

【００７４】この情報提供システムの動作は、ＰＨＳ端
末2201から個別情報テーブル105の作成までは第５実施
例と同じであり、また、個別情報集計部104から表示装
置111の動作は、第２実施例と同じである。

【００７５】（第７実施例）第７実施例の情報提供シス
テムは、第５実施例と第３実施例とを組み合わせたもの
であり、図２５に示すように、第３実施例（図１３）の
非接触ＩＣカード101、対人センサー部102、及び非接触
ＩＣカード読み取り部103を、ＰＨＳ端末2201、ＰＨＳ
基地局2202、個別情報展開部2203、個別情報展開テーブ
ル2204、ＰＯＳ2205、及び顧客ＤＢ2206に代えている。

【００７６】この情報提供システムの動作は、ＰＨＳ端
末2201から個別情報テーブル105の作成までは第５実施
例と同じであり、また、個別情報集計部104から表示装
置111の動作は、第３実施例と同じである。

【００７７】（第８実施例）第８実施例の情報提供シス
テムは、第５実施例と第４実施例とを組み合わせたもの
であり、図２６に示すように、第４実施例（図１７）の
非接触ＩＣカード101、対人センサー部102、及び非接触
ＩＣカード読み取り部103を、ＰＨＳ端末2201、ＰＨＳ
基地局2202、個別情報展開部2203、個別情報展開テーブ
ル2204、ＰＯＳ2205、及び顧客ＤＢ2206に代えている。

【００７８】この情報提供システムの動作は、ＰＨＳ端
末2201から個別情報テーブル105の作成までは第５実施
例と同じであり、また、個別情報集計部104から表示装
置111の動作は、第４実施例と同じである。

【００７９】

【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の情報提供システムは、視聴者の個別情報を
自動的に集めて視聴者の状況を把握し、その状況に応じ
て、提供する情報の内容や提供の順序、表示形態などを
変更することができ、視聴者に受け入れ易い形で情報を
提供することができる。その結果、視聴者の理解を深
め、関心を引き付け、より高い学習効果や宣伝効果を生
むことができる。

【００８０】また、視聴者に対応する識別情報を基に、
顧客ＤＢやＰＯＳと連携させて個別情報を生成するシス
テムでは、大量の個別情報の蓄積が可能であり、また、
情報提供者側で、提供情報に応じて個別情報の項目を自
由に設定することができる。そのため、提供する情報と
関連の深い個別情報に基づいて、視聴者の状況をより適
切に把握することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例における情報提供システム
の全体構成図、

【図２】第１実施例の情報提供システムにおいて取得す
る個別情報の例、

【図３】第１実施例の情報提供システムにおける個別情
報テーブル、

【図４】第１実施例の情報提供システムにおけるスケジ
ュールテーブル、

【図５】第１実施例の情報提供システムにおける表示条
件テーブル、

【図６】第１実施例のシステムの表示情報選択部の動作
を示すフローチャート、

【図７】第１実施例のシステムの出力部の動作を示すフ
ローチャート、

【図８】第１実施例の情報提供システムにおける表示情
報データ構造、

【図９】本発明の第２実施例における情報提供システム
の全体構成図、

【図１０】第２実施例の情報提供システムにおける評価
関数テーブル、

【図１１】第２実施例のシステムの表示優先度演算部の
動作を示すフローチャート、

【図１２】第２実施例のシステムの出力部の動作を示す
フローチャート、

【図１３】本発明の第３実施例における情報提供システ
ムの全体構成図、

【図１４】第３実施例の情報提供システムにおける媒体
変換テーブル、

【図１５】第３実施例のシステムの表示媒体制御部の動
作を示すフローチャート、

【図１６】第３実施例のシステムの出力部の動作を示す
フローチャート、

【図１７】本発明の第４実施例における情報提供システ
ムの全体構成図、

【図１８】第４実施例の情報提供システムにおける内容
変更テーブル、

【図１９】第４実施例のシステムの表示内容制御部の動
作を示すフローチャート、

【図２０】第４実施例のシステムの出力部の動作を示す
フローチャート、

【図２１】本発明の第１乃至第４実施例における情報提
供システムのレイアウト図、

【図２２】本発明の第５実施例における情報提供システ
ムの全体構成図、

【図２３】第５実施例の情報提供システムにおける個別
情報展開テーブル、

【図２４】本発明の第６実施例における情報提供システ
ムの全体構成図、

【図２５】本発明の第７実施例における情報提供システ
ムの全体構成図、

【図２６】本発明の第８実施例における情報提供システ
ムの全体構成図である。

【符号の説明】 101 非接触ＩＣカード 102 対人センサー部 103 非接触ＩＣカード読み取り部 104 個別情報集計部 105 個別情報テーブル 106 表示情報選択部 107 スケジュールテーブル 108 表示条件テーブル 109、903、1303、1703 出力部 110 表示情報蓄積部 111 表示装置 901 表示優先度演算部 902 評価関数テーブル 1301 表示媒体制御部 1302 媒体変換テーブル 1701 表示内容制御部 1702 内容変更テーブル 2101 ゲート 2102 大型ＴＶ 2201 ＰＨＳ端末 2202 ＰＨＳ基地局 2203 個別情報展開部 2204 個別情報展開テーブル 2205 ＰＯＳ 2206 顧客ＤＢ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄積した情報を不特定の視聴者に提供す
   るために表示する情報提供システムにおいて、 視聴者の下から発信された信号に基づいてこの視聴者の
   個別情報を得る個別情報取得手段と、 取得した個別情報に基づいて提供する情報の表示条件を
   制御する表示条件制御手段と、 蓄積された情報の中から前記表示条件に従って情報を取
   り出す出力手段と、 前記出力手段から出力された情報を表示する表示手段と
   を備えることを特徴とする情報提供システム。
2. 【請求項２】 前記個別情報を集計するための個別情報
   集計手段を備え、前記表示条件制御手段が、前記個別情
   報集計手段により集計された個別情報に基づいて前記表
   示条件を制御することを特徴とする請求項１に記載の情
   報提供システム。
3. 【請求項３】 前記出力手段が、前記表示条件に従っ
   て、蓄積された前記情報の中から、ビデオ映像、コンピ
   ュータグラフィックス、写真、図面、音声、テキストか
   ら成るメディア情報の１または複数種類を取り出すこと
   を特徴とする請求項１に記載の情報提供システム。
4. 【請求項４】 前記表示条件制御手段が、前記個別情報
   に基づいて、提供する情報の表示スケジュールの中から
   表示すべき情報を選択することを特徴とする請求項１乃
   至３に記載の情報提供システム。
5. 【請求項５】 前記表示条件制御手段が、前記個別情報
   に基づいて、提供する情報の表示順序を指定することを
   特徴とする請求項１乃至３に記載の情報提供システム。
6. 【請求項６】 前記表示条件制御手段が、前記個別情報
   に基づいて、提供する情報のメディアを指定することを
   特徴とする請求項１乃至３に記載の情報提供システム。
7. 【請求項７】 前記表示条件制御手段が、前記個別情報
   に基づいて、提供する情報の内容の変更を指定すること
   を特徴とする請求項１乃至３に記載の情報提供システ
   ム。
8. 【請求項８】 前記個別情報取得手段が、視聴者の保持
   するＩＣカードから発信された信号に基づいて視聴者の
   個別情報を得ることを特徴とする請求項１乃至７に記載
   の情報提供システム。
9. 【請求項９】 前記個別情報取得手段が、視聴者の保持
   する無線信号を発信する装置から発信された識別情報を
   受信し、前記識別情報に対応する個別情報を、他のデー
   タベースのデータを利用して取得することを特徴とする
   請求項１乃至７に記載の情報提供システム。
10. 【請求項１０】 前記他のデータベースが、ＰＯＳまた
    は顧客データベースであることを特徴とする請求項９に
    記載の情報提供システム。