JPH0992434A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JPH0992434A
JPH0992434A JP24474195A JP24474195A JPH0992434A JP H0992434 A JPH0992434 A JP H0992434A JP 24474195 A JP24474195 A JP 24474195A JP 24474195 A JP24474195 A JP 24474195A JP H0992434 A JPH0992434 A JP H0992434A
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Tamotsu Nakano
保 仲野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパークを複数の点で安定して発生させて点
火効率を向上させるとともに、スパークギャップ付近で
発生する火炎を燃焼室に広く分散させて燃焼効率を高
め、これにより燃費を改善するとともに、排気ガス中の
汚染物質を少なくし、また電極へのカーボンの付着を防
止して長期の使用が可能なプラグを得る。 【解決手段】 エンジンへの取付ねじ部2aを有する金
属殻2と、この金属殻2の内側に絶縁体3を介在させて
保持され、かつ取付ねじ部2aから燃焼室側に突出する
中心電極4と、金属殻2から中心電極4の先端側にスパ
ークギャップ5を形成するように折曲がって伸び、かつ
先端部付近において分岐する接地電極6とを有し、接地
電極6の分岐端8a、9aの内側の角部8b、9bが中
心電極4の先端部4aの外周部のエッジ4e、4fと対
向する位置に配置されているスパークプラグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジン(内燃機
関)において燃料に点火するためのスパークプラグに関
し、特に分岐接地電極を有するスパークプラグに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン点火用のスパークプラグは、エ
ンジンへ取付けられる金属殻に保持される中心電極と接
地電極間にスパークを発生させ、これにより燃料に点火
するものである。従来のスパークプラグは、金属殻内に
介在する絶縁体から突出する中心電極と、これに対向す
るように、金属殻から折曲がって伸びる帯板状の接地電
極との間に電圧を印加してスパークを発生させ、燃焼室
内の燃料に点火するようにされている。しかしこのよう
なスパークプラグでは、中心電極および接地電極間のス
パークは不安定で効率的な燃焼が起らないとされる。
【0003】このような点を解決するため、接地電極と
して中心電極との対向部分で2個に分岐する接地電極を
用い、スパークを広範囲に分散させようと意図したスパ
ークプラグが提案されている(例えばUSP No.4,268,77
4)。このスパークプラグは、接地電極が最初に出合う
中心電極の先端外周部に対応する部分で接地電極を分岐
させ、それぞれの分岐端は他の部分における中心電極の
先端外周部に対応する部分を超えて突出させることによ
り、接地電極の分岐点で最初に発生したスパークが順次
分岐端側に移動してスパークに広がりを付与しようとし
ている。
【0004】しかしながら、このようなスパークプラグ
においても、接地電極の一部が中心電極を覆っており、
分岐端は中心電極の外周部に相当する部分を超えて外方
に突出するため、スパークの発生は必ずしも安定してい
るとはいえず、火炎の広がりも十分とはいえない面があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、スパークを複数の点で安定して
発生させて点火効率を向上させるとともに、スパークギ
ャップ付近で発生する火炎を素速やく燃焼室に広く分散
させて燃焼効率を高め、これにより燃費を改善するとと
もに、排気ガス中の汚染物質を少なくし、また電極への
カーボンの付着を防止して長期の使用が可能なプラグを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンへの
取付ねじ部を有する金属殻と、この金属殻の内側に絶縁
体を介在させて保持され、かつ前記取付ねじ部の開口端
側の絶縁体から燃焼室側に突出する中心電極と、前記金
属殻から中心電極の先端側にスパークギャップを形成す
るように折曲がって伸び、かつ先端部付近において分岐
する接地電極とを有し、前記接地電極の各分岐端の内側
の角部が中心電極の先端部の外周部のエッジと対向する
位置に配置されていることを特徴とするスパークプラグ
である。
【0007】本発明のスパークプラグの基本的な構成は
従来のものと同様であり、エンジンへの取付ねじ部を有
する金属殻の内側に、絶縁体を介在させて中心電極が保
持され、取付ねじ部の開口端側の絶縁体からエンジンの
燃焼室側に突出する中心電極の先端部との間にスパーク
ギャップを形成するように、金属殻から接地電極が折曲
がって突出している。そして中心電極の反対側は端子と
なり、また接地電極は金属殻を介して接地されるように
なっている。
【0008】本発明では上記の接地電極が先端部付近で
分岐し、それぞれの分岐端の内側の角部が中心電極の先
端外周部のエッジと対向してスパークギャップを形成す
るように配置されている。接地電極の分岐部間には切欠
状の開口部が形成されるが、中心電極の先端部はこの開
口部を通して燃焼室側に露出した構造となる。中心電極
は先端部付近において、大径部から例えば円錐状の断面
積縮小部を介して、先端部が突出しているのが好まし
い。
【0009】上記のスパークプラグにおいて、中心電極
および接地電極間に電圧を印加すると、両電極間のスパ
ークギャップにスパークが発生し、燃焼室内の燃料と空
気の混合気体が点火されて燃焼する。このとき接地電極
の各分岐端の内側の角部が中心電極の外周部のエッジと
対向しているため、角部とエッジ間にスパークが発生す
る。
【0010】放電は先の尖った部分において発生しやす
いから、従来品のように接地電極の帯板状部分または分
岐点等が中心電極のエッジ部に対向している場合より
も、本発明のように角部とエッジが対向している場合の
方がスパークが発生しやすい。このため両電極間に所定
の電荷が蓄えられると直ちにスパークが発生し、その発
生時期が安定する。
【0011】上記のスパークは複数の分岐端の部分でほ
ぼ同時に発生し、その後周囲に広がり、安定なスパーク
が得られる。中心電極の先端部付近に断面縮少部を形成
すると、最初のスパーク発生後にこの部分にスパークが
広がるので、スパークが安定する。
【0012】ここでスパークにより火炎が発生するが、
この火炎は中心電極と接地電極間のスパークギャップの
面方向とともに、接地電極の分岐部間の開口を通して燃
焼室内に放射状に広がる。従来の帯板状の接地電極の場
合は、火炎の広がりはギャップの面方向のみであり、こ
の面方向は燃焼室に向って横方向であるため、燃焼室全
体に火炎が行きわたるのに時間がかかったが、分岐した
接地電極を用いると、分岐端間の開口部を通して直接燃
焼室方向に火炎が伸びるので、燃焼室全体へ火炎が行き
わたる時間は短くなり、燃焼効率は高くなる。
【0013】本発明では分岐部間の開口部は大きく、中
心電極の先端部は燃焼室側に向って露出しているので、
火炎の燃焼室全体への伝播は速く、これがスパークの発
生時期の正確さおよびスパークの安定性と相まって、燃
焼は効率よく行われる。これにより燃費が改善されると
ともに、排ガス中の汚染物質の量は少なくなり、また電
極へのカーボンの付着は防止され、スパークプラグの長
期間にわたる使用が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は実施形態によるスパークプラグ
の正面図、図2(a)は一部の側面図、(b)は下面
図、図3(a)は図1の一部の斜視図、(b)は図1の
一部の拡大図である。
【0015】図中、1はスパークプラグであり、エンジ
ンへの取付ねじ部2aを有する金属殻(ハウジング)2
の内側に、筒状セラミックス製の絶縁体3を介在させて
中心電極4が保持されている。取付ねじ部2aの開口端
側の絶縁体3からエンジンの燃焼室側に突出する中心電
極4の先端部4aとの間に、スパークギャップ5を形成
するように、金属殻2の取付ねじ部2aの先端部から接
地電極6が折曲がって突出している。
【0016】中心電極4は先端部4a付近において、大
径部4bから円錐状の断面縮小部4cを介して小径部4
dが突出し、その先端が中心電極4の先端部4aとされ
ている。接地電極6は軸方向部6aから垂直方向に折曲
がる垂直方向部6bを有し、垂直方向部6bの先端部付
近において、分岐点7から分岐して分岐部8、9が形成
されている。
【0017】上記接地電極6の分岐部8、9の先端部す
なわち分岐端8a、9aは、垂直方向部6bの方向と直
交する方向の中心電極4の先端部4aの直径の位置まで
伸びている。そして各分岐端8a、9aの内側の角部8
b、9bが、中心電極4の先端部4aの前記直径方向の
外周部のエッジ部4e、4fと対向する位置に配置され
ている。接地電極6の先端部には分岐によりV字状の開
口部10が形成され、中心電極4の先端部4aはこの開
口部10を通して燃焼室側に露出している。分岐点7は
先端部4aの外周部よりも外に位置している。
【0018】中心電極4の反対側、すなわちエンジンの
外側は、絶縁体3の突出部3aから突出する端子4gと
なっていて、点火回路に接続可能となっている。接地電
極6は金属殻2を介して接地されている。
【0019】上記のスパークプラグ1において、中心電
極4および接地電極6間に電圧を印加すると、スパーク
ギャップ5にスパークが発生し、燃焼室内の燃料と空気
の混合気体が点火されて燃焼する。このとき接地電極6
の分岐部8、9の先端部、すなわち各分岐端8a、9a
の内側の角部8b、9bが中心電極4の先端部4aの外
周部のエッジ部4e、4fと対向しているため、最初に
両者間にスパークが発生する。
【0020】放電は先の尖った部分において発生しやす
いから、従来品のように接地電極の帯板状の部分または
分岐点等が中心電極のエッジ部に対向している場合より
も、上記スパークプラグ1のように、角部8b、9bが
エッジ部4e、4fに対向している場合の方がスパーク
が発生しやすい。このため両電極4、6間に所定の電荷
が蓄えられると直ちにスパークが発生し、その発生時期
が安定する。この場合、最初に角部8b、9bとエッジ
部4e、4fを結ぶ線11a、12a上に、ほぼ同時に
スパークが発生したのち、ほぼ線11b、11cおよび
12b、12cで挟まれる領域に広がって、安定したス
パークが得られる。
【0021】ここでスパークにより火炎が発生するが、
この火炎は中心電極4と接地電極6間のスパークギャッ
プ5の面方向とともに、接地電極6の分岐部8、9間の
開口部10を通して燃焼室内に放射状に広がる。従来の
帯板状の接地電極の場合は、火炎の広がりはスパークギ
ャップの面方向のみであり、この面方向は燃焼室に向っ
て横方向であるため、燃焼室全体に火炎が行きわたるの
に時間がかかったが、上記のような分岐した接地電極6
を用いると、分岐部8、9間の開口部10を通して直接
燃焼室方向に火炎が伸びるので、燃焼室全体へ火炎が行
きわたる時間は短くなり、燃焼効率は高くなる。
【0022】分岐部8、9間の開口部10は従来のもの
よりも大きく、中心電極4の先端部4aは全体が燃焼室
側に向って露出しており、遮へいされていないので、火
炎の燃焼室全体への伝播は速く、これがスパークの発生
時期の正確さおよびスパークの安定性と相まって、燃焼
は効率よく行われる。
【0023】なお上記の実施形態において、接地電極6
の開口部10はV字状としたが、多角形状、弧状、その
他の形状とすることができる。また中心電極4の断面縮
小部4cは円錐状でなく、連続的な曲面状としてもよ
い。
【0024】
【発明の効果】本発明のスパークプラグは、接地電極の
各分岐端の内側の角部が中心電極の先端部の外周部のエ
ッジに対向するようにしたので、スパークを複数の点で
安定して発生させて点火効率を向上させるとともに、ス
パークギャップ付近で発生する火炎を素速やく燃焼室に
広く分散させて燃焼効率を高め、これにより燃費を改善
するとともに、排気ガス中の汚染物質を少なくし、また
電極へのカーボンの付着を防止して長期の使用が可能な
プラグが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のスパークプラグの正面図である。
【図2】(a)は図1の一部の側面図、(b)は下面図
である。
【図3】(a)は図1の一部の斜視図、(b)は一部の
拡大図である。
【符号の説明】 1 スパークプラグ 2 金属殻 2a 取付ねじ部 3 絶縁体 4 中心電極 4a 先端部 4b 大径部 4c 断面縮小部 4d 小径部 4e、4f エッジ部 5 スパークギャップ 6 接地電極 7 分岐点 8、9 分岐部 8a、9a 分岐端 8b、9b 角部 10 開口部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンへの取付ねじ部を有する金属殻
    と、 この金属殻の内側に絶縁体を介在させて保持され、かつ
    前記取付ねじ部の開口端側の絶縁体から燃焼室側に突出
    する中心電極と、 前記金属殻から中心電極の先端側にスパークギャップを
    形成するように折曲がって伸び、かつ先端部付近におい
    て分岐する接地電極とを有し、 前記接地電極の各分岐端の内側の角部が中心電極の先端
    部の外周部のエッジと対向する位置に配置されているこ
    とを特徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 中心電極は先端部付近において、大径部
    から断面積縮小部を介して、先端部が突出していること
    を特徴とする請求項1記載のスパークプラグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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