JPH0992258A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH0992258A
JPH0992258A JP7249944A JP24994495A JPH0992258A JP H0992258 A JPH0992258 A JP H0992258A JP 7249944 A JP7249944 A JP 7249944A JP 24994495 A JP24994495 A JP 24994495A JP H0992258 A JPH0992258 A JP H0992258A
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battery
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electrode
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聡 岩津
Tatsuo Shimizu
達夫 清水
Hideya Takahashi
秀哉 高橋
Yosuke Kita
洋輔 北
Kiyoshi Katayama
喜代志 片山
Etsuo Ogami
悦夫 大上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブスバーまたは導線を極柱に固定するための
ねじ部のスペースを確保するとともに、大幅な体積エネ
ルギー密度の上昇を図ることができる二次電池を提供す
る。 【解決手段】 本発明の二次電池は、帯状の正極電極1
3、負極電極14、およびセパレータを巻いてつくる二
次電池に関するものである。ここで、ブスバーまたは導
線を挟みつけて固定するボルト19のために、極柱10
に設けためねじ部16を、巻き芯31の空間スペースに
配置してある。この結果、ブスバーまたは導線を極柱に
固定するためのねじ部のスペースを確保するとともに、
大幅な体積エネルギー密度の上昇を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電気自動車
用電源のように電気容量の大きな大型の電池に適用して
好適な二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の円筒形で帯状電極を巻いてつくる
二次電池は図8のようになっており、必ず中心部は大な
り小なりのロール状電極の巻き付けるための巻き芯31
が必要であり、空間スペースが生じていた。
【0003】小型の二次電池、たとえば1〜5Ah級の
二次電池の場合では、容量を極力稼ぎたいために、せい
ぜい2〜3mm程度の空間スペースに設定されることが
多く、この空間スペースの使い道としては、電池が異常
を起こして時に内圧上昇が急激にならないように圧力上
昇の緩衝部(ボイド)として利用される程度であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、電気自動車用電
源のように電気容量の大きなものでは、結線するブスバ
ーまたは導線は流れる電流に応じて太くせねばならず、
電極端子との接触部分もリジッドなものでないと接触不
良を起こし、電気抵抗の高いところが発熱したりして危
険である。
【0005】そのため、固定を確かなものにするために
ボルト締めなどの手法がとられることが多い。
【0006】しかしながら、そのねじ部のスペースを確
保するために、電池の体積エネルギー密度が減少してし
まうといった問題が生じた。
【0007】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、ブスバーまたは導線を極柱に固定するため
のねじ部のスペースを確保するとともに、大幅な体積エ
ネルギー密度の上昇を図ることができる二次電池を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池は、帯
状の正極電極、負極電極、およびセパレータを巻いてつ
くる二次電池において、ブスバーまたは導線を挟みつけ
て固定するボルトのために、極柱に設けためねじ部を、
巻き芯の空間スペース、または巻かれた電極の中心の空
間スペースに配置したものである。
【0009】また、本発明の二次電池は非水電解液二次
電池、すなわちリチウムイオン二次電池であり、その電
気容量は10〜500Ahの大型電池である上述構成の
二次電池である。
【0010】本発明の二次電池によれば、ブスバーまた
は導線を挟みつけて固定するボルトのために、極柱に設
けためねじ部を、巻き芯の空間スペース、または巻かれ
た電極の中心の空間スペースに配置することにより、ブ
スバーまたは導線を極柱に固定するためのねじ部のスペ
ースを確保でき、無駄なスペースが生ずることはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明二次電池の実施例に
ついて図1〜図7を参照しながら説明する。図1および
図2は、それぞれ本例のリチウムイオン二次電池の要部
の断面図および側面図を示すものである。また、図5
は、本例のリチウムイオン二次電池の全体の構成を概略
示すものである。
【0012】本例においては、図5に示すように、円筒
状の電池容器17に電極渦巻体35を収納してある。こ
の電極渦巻体35は、図1に示すように、帯状の負極電
極14と帯状の正極電極13とをセパレータ30を介し
て、巻き芯31に巻回したものである。ここで、負極電
極14の作製方法について説明する。負極電極14の活
物質は、出発原料として石油ピッチを用い、これを酸素
を含む官能基を10〜20%導入(いわゆる酸素架橋)
した後、不活性ガス気流中1000℃で熱処理して、ガ
ラス状炭素に近い性質を持った炭素材料を得、この炭素
材料を粉砕した平均粒径20μmの炭素材料粉末を使用
する。
【0013】この炭素材料粉末を90重量部と、結着剤
としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量とを
混合し、この混合物を溶剤N−メチルピロリドンに分散
してスラリー状とし、このスラリー状の負極活物質を厚
さ10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体の両面に均一
に塗布して、厚さ180μmの負極電極原板を作製し、
側部に負極電極のリード部となる未塗布部を残して、帯
状にカットして形成する。負極電極14の形状は、幅が
383mmであり、このうち塗布部分が348mmで、
未塗布部分が35mmである。また、長さは6940m
mである。
【0014】正極電極13は次の方法により作製する。
すなわち、平均粒径15μmのLiCoO2 の粉末を9
1重量部と、導電剤としてグラファイトを6重量部と、
結着材としてフッ化ビニリデンを3重量部とを混合し、
この混合物を溶剤N−メチルピロリドンに分散してスラ
リー状とし、このスラリー状の正極活物質を厚さ20μ
mの帯状アルミ箔よりなる正極集電体の両面に均一に塗
布して、厚さ150μmの正極電極原板を作製し、側部
に正極電極のリード部となる未塗布部を残して、帯状に
カットして形成する。正極電極の形状は、幅が379m
mであり、このうち塗布部分が344mで、未塗布部分
が35mmである。また、長さは7150mmである。
【0015】上述のように作製した正極電極13および
負極電極14のそれぞれの未塗布部は、巻き取り前に幅
10mm、長さ30mmで、ピッチ15mmおきに短冊
状にカットし短冊状リードとする。ここで、正極電極1
3および負極電極14の未塗布部は、上述の寸法で全長
にわたりカットされる。
【0016】ここで、短冊状リード11の長さは、電極
端から、極柱10までの距離より長くなければならな
い。また、短冊状リード11の幅は、この短冊状リード
11の総断面積が最大通電電流値を満足させるよう設定
される。また、短冊状リード11の折れ曲がりを考える
と幅は10mm以下であることが望ましい。
【0017】図6に示すように、正極電極13、負極電
極14、およびセパレータ30は、正極電極13・セパ
レータ30・負極電極14・セパレータ30の順に重
ね、巻き芯31に巻回され、電極渦巻体35を形成す
る。このとき、この電極渦巻体35の一側は正極電極1
3の短冊状リード11、他側は負極電極14の短冊状リ
ード11として各々リードが集まるように短冊状リード
11の位置は反対側になるように巻いていく。なお、セ
パレータ30は、厚さ38μmで、353×7600m
mの幅にカットされた、微少な孔が形成されているポリ
エチレンのシートである。また、巻き芯31の形状は、
たとえば外径が17mm、内径が14mm、長さが35
4mmの純アルミの円筒である。
【0018】上述したように、電極渦巻体35の巻き芯
31の両側に短冊状リード11を取り出しているので、
電極集電体で得られた電流を速やかに外部に取り出すこ
とができる。また、この短冊状リード11は、細長い短
冊の形状に形成されているため、その変形が容易であ
り、極柱10の円板状部分の外周部に沿って溶接するこ
とができる。
【0019】正極電極13、負極電極14、およびセパ
レータ30を巻き芯31に巻き取った後、図1に示すよ
うに、短冊状リード部11は、極柱10の円板状部分の
外周部の全周にわたって略均等に押さえ金具33により
押さえつけられる。なお、極柱10の材質は、正極は純
アルミ(A1050)であり、負極は純銅(C110
0)である。また、押さえ金具33の材質は、正極側は
純アルミ(A1050)であり、負極側は純銅(C11
00)である。
【0020】短冊状リード部11を、極柱10の円板状
部分の外周部へ押さえ金具33により押さえつけた後、
短冊状リード11を極柱10の円板状部分の上部端面に
てカットする。この後、極柱10の円板状部分の上面よ
りレーザーを照射し、円板状部分の全周にわたり溶接を
行う。
【0021】このように、電極集電体から出ている短冊
状リード11と極柱10とは、溶接により、しかも広い
面積で接合されているために、内部抵抗は低く、またば
らつきも小さい。しかも大面積という点から、特に大電
流放電特性に優れた電池が得られる。
【0022】溶接された電極渦巻体35および極柱10
は、バックアップリング51、シール8、セラミック突
き当て6、キャップ(天板)1、リング50、およびセ
ラミックワッシャ5を組み込み、ナット7で締め込まれ
る。
【0023】この後、図1に示すように、キャップ1の
外周を電池容器17の中に圧入するとともにレーザー溶
接する。すなわち、キャップ1の上面よりその円周上に
レーザーを照射し、溶接して密封する。このように、電
池容器17のキャップ1をレーザーによって溶接を行う
ことにより、完全密閉構造の電池を得ることができる。
【0024】なお、電池容器17の材質は、ステンレス
鋼(SUS304)であり、その肉厚は0.3〜0.5
mmの範囲である。また、キャップ1の材質は、同じく
ステンレス鋼(SUS304)であり、その肉厚3mm
である。
【0025】電池構造のうち、極柱にボルトを螺入した
場合について、その断面図と電池の中心軸方向からみた
側面図は、それぞれ図1および図2に示すとおりであ
る。また、極柱にボルトを螺入していない場合につい
て、その断面図と電池の中心軸方向からみた側面図は、
それぞれ図3および図4に示すとおりである。
【0026】図1および図3からわかるように、正極の
極柱10の先端部の外側には、M14のおねじ(おねじ
部15)が切られている。このおねじ部15には、ナッ
ト7が配置されている。このナット7を締め付けること
により、セラミックワッシャ5およびセラミック突き当
て6の間にキャップ1を挟みつけて、極柱10自身がキ
ャップ1に固定される。また、極柱10の円板状部分と
キャップ1の間にシール8を挟みつけて内部の電解液が
漏れないように密閉される。
【0027】図1および図3からわかるように、正極の
極柱10にはその中心部分にM6のめねじ(めねじ部1
6)が切られている。このめねじ部16は、外部との結
線を行うときに使用するものである。すなわち、このめ
ねじ部16に、ボルト19を螺入することにより、極柱
の先端部の端面とボルト19の頭部との間にブスバーま
たは導線を挟みつけて固定する。
【0028】ここで、めねじ部16を、極柱10の先端
部の端面からすぐに設けないで、おねじ部15から離れ
た深い位置に設けた理由を説明する。図1および図3か
らわかるように、極柱の先端部の外側、すなわちM14
のおねじ部15にはシールと極柱の固定を目的としたナ
ット7がある。このため、同じ高さにM6のめねじ部を
配すると、M6のめねじ部に対するボルトを固定する
際、外部方向に力が加わることになる。したがって、何
度もM6のめねじ部を締めたり緩めたりすると、M14
のおねじ部に対するナット7の締結力に影響を及ぼすこ
とになる。
【0029】すなわち、図9に示すような従来の二次電
池の要部断面の構造では、ナット7の締め付けによる応
力集中部位Aとブスバーなどの固定用のボルト19の締
め付けによる応力集中部位Bが接近しており、極柱10
が破壊するおそれがある。ここで、極柱10の径を大き
くしたりして対応すると、電池のエネルギー密度が小さ
くなるという問題がでてくる。
【0030】また、低硬度材である純アルミ(A105
0)がボルト19の締結による面圧で極柱10の先端の
端面がへたると、締め付け軸力低下、すなわちねじのゆ
るみにつながってしまう。
【0031】この理由により、M6のめねじ部16はM
14のおねじ部15と同じ高さのところはカウンタボア
で逃がしておくこととした。ここで、極柱10の先端部
の端面からめねじ部16の上端までの距離lは、おねじ
部15の終端よりもさらに余裕をみて20mmをとるこ
ととした(図3参照)。
【0032】図3のような構造にすると、まず、ボルト
19の締め付けによる圧縮力により、図9に示したナッ
ト7の締め付けによる応力集中部位Aの応力集中を緩和
できる。また、極柱10の先端の端面がへたってもボル
ト19の伸び量が多いので、すなわちカウンターボア長
l(図3参照)が長いので、ボルト19の伸び量が多く
なるので、軸力低下が低減できる。すなわちねじのゆる
みを防止することができる。
【0033】次に、めねじ部16の長さがどの程度必要
かについて説明する。M6のめねじ部16は、電流エネ
ルギーを取り出すためにブスバーまたは導線を極柱10
に固定するものであるが、本例の二次電池は10〜50
0Ahの大型電池であり、1C放電率で電流を取り出す
にしても、取付けが不完全だと接触不良を起こしたりし
て危険である。特に電池が電気自動車用二次電池のよう
に車載されるものであれば、振動に対して強くなければ
ならず、締結力は強いものが当然に要求される。
【0034】本例の場合、めねじ部16の母材は正極の
場合、純アルミ(A1050)であり、弾性限度は7.
6kgf/mm2 程度と非常に小さい。なお、めねじ部
16の母材の硬さはHV34〜35の範囲である。
【0035】ボルト19の締結力をステンレス鋼ベース
の母材と同じにするためには、ねじ山1本にかかる締結
時のせん断力を小さくし、かつ、ねじ山の数を増やすこ
とで解決する必要がある。そのため、めねじ部16の長
さは長くする必要がある。
【0036】そこで、めねじ部16の長さがどの程度必
要かについて、実験的に求めた。図7は、めねじに純ア
ルミ(A1050)を使用し、おねじにSUS304を
使用した場合の引張力(締結力)とねじの破壊点の関係
を示したものである。すなわち、純アルミ母材のめねじ
とSUS母材のおねじボルトの「ねじかみ合い長さ」
(図1参照)と引張力(締結力)の関係を調べたもので
ある。ここで、ねじ山のピッチは、並目と細目の二種類
について検討した。細目はねじ山のピッチが並目より小
さいものをいう。
【0037】図7に示した測定値のうち右上がりの斜線
でその傾向を示した2本の直線部分は、ボルトが破断す
る前にめねじのねじ山が破壊していることを表してい
る。また、図7に示した測定値のうち横軸に平行な線で
その傾向を示した1本の直線部分は、めねじのねじ山が
破壊する前にボルトが破断していることを表している。
この部分の測定は並目および細目のねじ山について行っ
たものである。
【0038】図7からわかるように、並目のねじ山にお
いては、ねじかみ合わせ長さが約15mm以上になると
ボルト自身が破断することになる。したがって、M6の
めねじの場合、ステンレス鋼製ボルトの母材並にめねじ
の強度を持たせようとした場合、ねじかみ合い長を15
mm以上にしなければならないことがわかる。なお、本
例では並目のねじ山を持つめねじ部とボルトを用い、ね
じかみ合い長を15mmより長くした。
【0039】次に、極柱10のめねじ部16を電池のど
の部分に配置するのが最適であるかについて説明する。
【0040】上述した長いめねじ部16を電池の中に配
置するために、電極部より外側へ配置することになる
と、空間となる部分、すなわち無駄なスペースが多くな
り、電池の体積エネルギー密度が低くなる。このため、
車載用など限られたスペースに配置する用途の電池の場
合不利になる。
【0041】車載用電池は、本例の電池のように50A
hや100Ahなどの大容量のものが一般的である。し
たがって円筒形電池で構成する場合は、円筒の径を6
6.75mm、また円筒の長さを386.5mmのよう
に大きくつくることになる。この際、巻き芯31自体も
AV用二次電池のような3〜4mmの巻き芯では剛性が
不足するためにある程度大きくする必要が生じる。
【0042】このため、中心部に配置される巻き芯が外
径17mmのように大きくすることが可能になり、本例
のM6のめねじ部16を巻き芯の内側の空間スペースの
中に収納することが可能となる。なお、電極とセパレー
タを巻き取った後に、巻き芯を抜き取った場合でも、巻
かれた電極の中心には円柱状の空間スペースができるの
で、この場合もM6のめねじ部16をこの空間スペース
に収納することができる。したがって、本例によれば、
M6のめねじ部16と電極巻取り部をオーバーラップさ
せることにより、大幅な体積エネルギー密度の上昇を図
ることができる。
【0043】なお、図1および図3に示すように、外径
17mm、内径14mmの巻き芯31と極柱10の間
は、ポリプロピレン(PP)製の絶縁カラー12によっ
て絶縁される。また、負極の極柱においてもその構造
は、図5に示すように、正極の構造と同じである。
【0044】図1および図2に示すように、セラミック
ワッシャ5は、その中心に円形の孔を持つ円板の形状を
しており、ナット7とキャップ1との間に挟み込まれて
いる。このセラミックワッシャ5の材質はアルミナ(A
2 3 )である。
【0045】このセラミックワッシャ5の目的は、極柱
10とキャップ1とを絶縁することにあるが、その材質
が上述の通りアルミナであるので、絶縁性を確保するこ
とができる。
【0046】また、極柱10は、ナット7を締め付ける
ことによりキャップ1に固定されているので、セラミッ
クワッシャ5は、この締結力、すなわち圧縮力に十分耐
える剛性がなければならない。この点においても、セラ
ミックワッシャ5の材質がアルミナであるので、ナット
7による圧縮力に十分耐えることができる。さらに、材
質がアルミナであることから、締結後長期間経過しても
その形状が変化しないので、強い締結力を維持すること
ができる。また、アルミナは、温度変化に対してもその
剛性が変化しないので、広い範囲で温度が変化してもそ
の締結力を維持することができる。
【0047】またさらに、アルミナは剛性が非常に高い
ので、ナット7をより強く締め付けることができる。そ
の結果、大きな締結力を得ることができ、車載運用で発
生する振動にも経時的にナット7がゆるんだりせず、十
分なシールが得られるので、非水電解液が漏れたりする
ことを防止できる密閉性を保持できる。
【0048】セラミックワッシャ5とセラミック突き当
て6との間で、かつ、キャップ1の内側と極柱10の外
側の間には、リング50が配置されている。このリング
50は、その断面形状が長方形のリングであり、PPな
どの高分子材料からなっている。このリング50は、ナ
ット7を締め付けることにより極柱10をキャップ1に
固定するときに、極柱10の中心軸を電池の長手方向の
中心軸に保持させるために用いるものである。
【0049】キャップ1の内側の面と極柱10の円板状
部分の間には、セラミック突き当て6が挟みつけられて
いる。このセラミック突き当て6は、セラミックワッシ
ャ5と同様に、その中心に円形の孔を持つ円板の形状を
しており、その材質はアルミナ(Al2 3 )である。
【0050】このセラミック突き当て6は、セラミック
ワッシャ5と同様に、極柱10とキャップ1との絶縁性
を確保している。また、セラミック突き当て6はナット
7による圧縮力に十分耐えることができる。さらに、締
結後長期間経過しても強い締結力を維持することができ
る。また、セラミック突き当て6は、広い範囲で温度が
変化してもその締結力を維持することができる。またさ
らに、セラミック突き当て6は、大きな締結力を得るこ
とができ、車載運用で発生する振動にも経時的にナット
7がゆるんだりせず、十分なシールが得られるので、非
水電解液が漏れたりするのを防止できる。
【0051】このほか、セラミック突き当て6は、その
外周の寸法をシール8の弾性変形がある程度以上起こら
ない位置に設定することにより、シール8の大きな弾性
変形を阻止し、その結果として、シール8の極柱10の
軸方向の反発力を増大させることができる。このように
して、セラミック突き当て6を配置することにより、シ
ール8のシール力を十分な大きさまで増大させることが
できる。
【0052】シール8の外周には、シール8に接する位
置にバックアップリング51が配置されている。このバ
ックアップリング51はPPからなるものである。この
バックアップリング51により、シール8が電池内に存
在する非水電解液に触れ、膨潤して変形したときに、そ
の変形を阻止してシール8の極柱10の軸方向の反発力
が低下するのを防止することができる。
【0053】図1および図2に示すように、キャップ1
の中心から外れた位置には、開放弁9が設置してある。
開放弁9は、キャップ1に設けられた孔にねじ込み式で
固定されている。この開放弁9は、電池容器の内部の圧
力が上昇したときに内部のガスを外部に放出するための
ものである。
【0054】開放弁9の中に配置された弁は、バネによ
り電池の内側に押しつけられ、電池内部の液密を図って
いる。
【0055】何かの原因で、電池内部の圧力が上昇する
と、開放弁9の中の弁が電池の外側に押しつけられる。
この結果電池内部のガスは、弁の移動により生じた隙間
を通じて、開放弁9の側面に設けられた孔を通して外部
に放出される。この開放弁9の設置により電池内部の圧
力が上昇しても、ある一定以上の圧力になることを防止
することができる。
【0056】図1に示すように、キャップ1の中心より
外れた位置に、電解液注入口32が設けてある。この電
解液注入口32は電池構造体の組立後に、電解液を電池
内部に注入するのに用いられる。
【0057】また、図1および図2に示すように、キャ
ップ1の中心より外れた電解液注入口の位置に、メクラ
栓4が配置してある。このメクラ栓4は、電解液注入口
32にメタルシール2を介してねじ込み式で締められ、
電池容器を密閉する。
【0058】また、メクラ栓4の頭部とキャップ1の表
面との間には、メタルシール2が挟みつけられている。
このメタルシール2はその断面形状が長方形のリングで
あり、その材質は純アルミよりなるものである。
【0059】一方、メタルシール2に接する金属部分は
電池のキャップ1とメクラ栓4の頭部であり、これらは
ステンレス鋼(SUS304)で作製してある。
【0060】なお、ステンレス鋼と純アルミの2種類の
金属を接触させて、本例の電池の非水電解液に触れさせ
ても、純アルミの腐食は進まないことが確認されてい
る。
【0061】このように、純アルミからなるメタルシー
ルを用いることにより、たとえばゴム材などの高分子材
料からなるシールに比べ、外部とのガスや水分の透過性
・通過性を低く抑えることができ、電池の寿命を長くす
ることができる。また、純アルミは高分子材料に比べ寿
命が長いので、純アルミからなるメタルシールをメクラ
栓のシールに使用すれば半永久的に使用することがで
き、シールの交換の必要がなくなる。また、図1に示す
ように、上述した開放弁9のシールにも純アルミからな
るメタルシールを使用することができる。
【0062】なお以下に、電池容器内への非水電解液の
注入方法について説明する。まず、注入アタッチメント
を電解液注入口32にねじ込んで固定する。これによ
り、電解液(EL)タンク内に貯蔵してある非水電解液
と電池容器とがパイプを通して連結される。この電解液
タンク内の非水電解液の液面より高い空間の部分は、切
り替えバルブを介して、真空ポンプと連結されている。
【0063】なお、本例に使用する電解液は、プロピレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒の中
にLiPF6 を1モル/lの割合で溶解して形成したも
のである。
【0064】次に、真空ポンプを作動させる。真空ポン
プが作動すると、電池内部の空気が電池容器の外に放出
され、電池容器の内部が大気圧に比べて負圧になる。
【0065】次に、真空ポンプと電解液タンクとの間に
ある切り替えバルブを切り替えて、電解液タンクの液面
を大気に開放する。すると、タンク内の圧力が電池容器
内より高くなるので、タンク内の非水電解液が押し出さ
れて電池容器内に浸入する。
【0066】上述した工程を何度か繰り返すことによ
り、電池容器内に所定の非水電解液を注入することがで
きる。
【0067】非水電解液の注入後は、電池容器から電解
液が電池外部に出ていかないようにシールする必要があ
る。そのため、電解液注入口32にメタルシール2を介
してメクラ栓4をねじ込み式で締め、電池容器を密閉す
る。
【0068】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電池のよ
うに大容量の電池で、円筒形電池を構成する場合は、円
筒の径および円筒の長さを大きくつくることになる。こ
の際、巻き芯31自体も剛性を確保するためにある程度
大きくする必要が生じる。このため、中心部に配置され
る巻き芯が外径17mmのように大きくすることが可能
になり、M6のめねじ部16を巻き芯の内側の空間スペ
ースの中に収納することができる。
【0070】また、電極とセパレータを巻き取った後
に、巻き芯を抜き取った場合でも、巻かれた電極の中心
には円柱状の空間スペースができるので、この場合もM
6のめねじ部16をこの空間スペースに収納することが
できる。
【0071】したがって、本発明によれば、M6のめね
じ部16を巻き芯の空間スペース、または巻かれた電極
の中心の空間スペースに配置することにより、大幅な体
積エネルギー密度の上昇を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池の一実施例の要部を示す断面
図である。
【図2】本発明の二次電池の一実施例の要部を示す側面
図である。
【図3】本発明の二次電池の一実施例の要部を示す断面
図である。
【図4】本発明の二次電池の一実施例の要部を示す側面
図である。
【図5】本発明の二次電池の一実施例の全体を示す断面
図である。
【図6】二次電池の正極電極および負極電極の巻取り方
法を示す斜視図である。
【図7】純アルミ(A1050)のめねじせん断破壊試
験結果を示す図である。
【図8】従来の二次電池の例を示す斜視図である。
【図9】従来の二次電池の要部断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ(天板) 2、3 メタルシール 4 メクラ栓 5 セラミックワッシャ 6 セラミック付き当て 7 ナット 8 シール 9 開放弁 10 極柱 11 短冊状リード 12 絶縁カラー 13 正極電極 14 負極電極 15 おねじ部 16 めねじ部 17 電池容器 18 プラスマーク 19 ボルト 31 巻き芯 32 電解液注入口 33 押さえ金具 35 電極渦巻体 50 リング 51 バックアップリング a ねじかみ合い長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 達夫 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1番地 の1 株式会社ソニー・エナジー・テック 内 (72)発明者 高橋 秀哉 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1番地 の1 株式会社ソニー・エナジー・テック 内 (72)発明者 北 洋輔 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 片山 喜代志 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1番地 の1 株式会社ソニー・エナジー・テック 内 (72)発明者 大上 悦夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の正極電極、負極電極、およびセパ
    レータを巻いてつくる二次電池において、 ブスバーまたは導線を挟みつけて固定するボルトのため
    に、極柱に設けためねじ部を、 巻き芯の空間スペース、または巻かれた電極の中心の空
    間スペースに配置したことを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 非水電解液二次電池であることを特徴と
    する請求項1記載の二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウムイオン二次電池であることを特
    徴とする請求項1記載の二次電池。
  4. 【請求項4】 電気容量が10〜500Ahの大型電池
    であることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
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