JPH0991709A - 光ディスクドライブ装置 - Google Patents

光ディスクドライブ装置

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Publication number
JPH0991709A
JPH0991709A JP24163495A JP24163495A JPH0991709A JP H0991709 A JPH0991709 A JP H0991709A JP 24163495 A JP24163495 A JP 24163495A JP 24163495 A JP24163495 A JP 24163495A JP H0991709 A JPH0991709 A JP H0991709A
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JP
Japan
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objective lens
carriage
radial direction
force
disk
Prior art date
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Pending
Application number
JP24163495A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Uchimaru
清隆 内丸
Akihiro Kasahara
章裕 笠原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、高速アクセスが可能であって、し
かも、高い精度でトラックをカウント可能な光ディスク
ドライブ装置を提供することにある。 【解決手段】この発明においては、対物レンズ10は、
対物レンズを保持する対物レンズアクチュエータ11を
対物レンズの光軸方向に移動するときに、変形の方向が
板厚方向になるように構成された直線状の平行板バネ1
2により、ベースに対して光ディスクの半径方向に移動
自在に支持されたキャリッジ21に支持されている。対
物レンズアクチュエータには、光ディスクの半径方向に
力を加えるラジアル補助駆動コイル13が、キャリッジ
には、光ディスクの半径方向に力を加えるラジアル主駆
動コイル25が配置され、キャリッジが光ディスクの半
径方向に移動される際には、ラジアル補助駆動コイル
に、ラジアル主駆動コイルにより供給される推力と同等
かそれ以上の推力を出力可能な入力が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、対物レンズを用
いて光ビームを光ディスクの記録面に収束させ、光ディ
スクに情報を記録するとともに光ディスクから情報を再
生する光ディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクドライブ装置は、光ビームを
発生するレーザ素子、レーザ素子からの光ビームを光デ
ィスクの記録面に集光するとともに光ディスクで反射さ
れた光ビームを取り出す対物レンズおよび対物レンズに
より取り出された光ディスクで反射された光ビームの光
強度に対応する電流を出力する光電変換装置とを含む光
ヘッド装置を有し、光ヘッド装置を光ディスクの記録面
と平行に移動して、記録面の所定のトラックに光ビーム
を照射することにより、光ディスクに記録されている情
報を読出すとともに、光ディスクに情報を記録するもの
である。
【0003】以下、図12ないし図15を用いて、今
日、光ディスクドライブ装置において使用されている機
構の代表例を説明する。
【0004】図12は、いわゆる軸摺動型の対物レンズ
アクチュエータ121を示す。
【0005】対物レンズ122が固定された対物レンズ
ホルダー123は、軸124よってサブベース125に
対して矢印F方向に移動自在であり、また、軸124を
中心に回転自在に保持されることにより矢印R方向にお
おむね平行に移動自在に形成されている。
【0006】図12に示した対物レンズアクチュエータ
121においては、レンズホルダー123は、磁気回路
126とフォーカスコイル127、及び、磁気回路12
6とラジアルコイル128によって、それぞれ、矢印
F,R方向に駆動される。
【0007】図13は、いわゆるヒンジ支持型対物レン
ズアクチュエータ131を示す。
【0008】対物レンズ132を保持した対物レンズホ
ルダー133は、樹脂等の弾性体で構成されたヒンジ部
134の変形により、矢印F方向に移動自在であり、ま
た、ヒンジ部135の変形によりヒンジ部135を中心
に回転自在に支持され、この回転により矢印R方向にお
おむね平行に移動自在に支持される。
【0009】図13に示したレンズアクチュエータ13
1は、磁気回路136とフォーカスコイル137、なら
びに、磁気回路136とラジアルコイル138によって
矢印F,R方向に、それぞれ、駆動される。
【0010】また、図13に示した対物レンズアクチュ
エータでは、アクチュエータバネ部と対物レンズ部質量
とからなる共振周波数は、消費電力の効率をあげるため
に、回転周波数の近傍 (例えば60Hz) に設定されて
いる。
【0011】図14は、いわゆる4本ワイヤー支持型の
対物レンズアクチュエータ141を示す。
【0012】対物レンズ142を保持した対物レンズホ
ルダー143は、4本のワイヤー144の変形により矢
印FおよびR方向のそれぞれに、移動自在に支持され
る。
【0013】図14の対物レンズホルダー143は、磁
気回路145とフォーカスコイル146、ならびに、磁
気回路145とラジアルコイル147によって、それぞ
れ、矢印F,R方向に駆動される。
【0014】また、図14に示した対物レンズアクチュ
エータでは、アクチュエータバネ部と対物レンズ部質量
とからなる共振周波数は、消費電力の効率をあげるため
に、回転周波数の近傍 (例えば60Hz) に設定されて
いる。
【0015】図15は、図12ないし図14に示した対
物レンズアクチュエータのいづれかが搭載されるキャリ
ッジ機構を示す。
【0016】対物レンズアクチュエータ150が所定の
位置に搭載されたキャリッジ151は、ベース152に
固定されたガイドレール153に対して、摺動軸受15
4によって、スピンドルモータ155にチャッキングさ
れたディスク159の半径方向に移動自在に支持されて
いる。この場合、キャリッジ151は、磁気回路156
とラジアルコイル157によってディスク159の半径
方向に駆動される。
【0017】このような光ディスクドライブに見られる
対物レンズアクチュエータ150とキャリッジ151と
が組み合わせられた機構では、ディスク159に形成さ
れているトラックに対する高周波のトラック曲がりに対
しては高周波のメカニカルなゲインが高い対物レンズア
クチュエータ150が動作される一方で低周波または大
変位のトラック曲がりに対してキャリッジ151が動作
される。
【0018】次に、図16を用いて、図15に示したよ
うなレンズアクチュエータ150とキャリッジ151と
を、ディスクの半径方向に駆動する駆動回路を説明す
る。
【0019】図16は、図15に示す機構をディスクの
半径方向に駆動する駆動回路を示す概略ブロック図であ
る。
【0020】対物レンズアクチュエータ150およびキ
ャリッジ151は、駆動回路161上で並列に接続さ
れ、それぞれの周波数による動作は、ローパスフィルタ
162およびハイパスフィルタ163を介して制御され
る。なお、ローパスフィルタ162およびハイパスフィ
ルタ163への入力信号は、位相補償器164を介して
供給される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図15を用
いて代表して示した対物レンズアクチュエータ150と
キャリッジ151とが組み合わせられた機構では、キャ
リッジ151上に、2軸方向に移動可能なアクチュエー
タ150が搭載されることから、可動部の質量が増加
し、高速度のトラックアクセスには不向きである。
【0022】対物レンズアクチュエータ150が、例え
ば、図12に示すような軸摺動型であった場合、対物レ
ンズアクチュエータ1211は、軸124を中心に回転
するために、ラジアルコイル128の力点と対物レンズ
122との距離が長くなり、さらに、対物レンズ122
の反対側には、対物レンズホルダー123の重心を軸1
24に合わせるための質量が必要になり、結果として対
物レンズホルダーの剛性が低下すると共に、質量が増加
する。このことから、入力に対する対物レンズ122の
変位の位相が−270°になる周波数、いわゆる2次共
振周波数を向上させることができない。
【0023】従って、図12に示されるような軸摺動型
レンズアクチュエータにおいては、2次共振周波数が低
く、しかも、ゲイン交点周波数に接近していることによ
り、外乱に対する対物レンズホルダーの振動の収束が遅
くなる。
【0024】上記のような理由から、ゲイン交点周波数
を上げて、トラック精度を向上させることは困難であ
る。
【0025】このことは、図13に示したヒンジ支持型
の対物レンズアクチュエータ131においても当然成り
立つ。
【0026】一方、図14に示した4本ワイヤー支持型
の対物レンズアクチュエータ141は、キャリッジ (1
51) に対して、図14の矢印Rで示される方向に相対
変位を持つために、磁気回路145と対物レンズホルダ
ー143の間にクリアランス148が必要になるため、
対物レンズホルダー143が大形化し、結果として、図
12および図13に示したレンズアクチュエータの例と
同様に2次共振周波数を向上させることができない。
【0027】よって、上記のような構成の対物レンズア
クチュエータを用いている以上、トラック精度を、機械
的に、向上させることはできない問題がある。
【0028】ところで、図15を用いて代表して示した
対物レンズアクチュエータ150とキャリッジ151と
が組み合わせられた機構では、特に、トラックアクセス
時において、キャリッジ151のみを駆動して対物レン
ズが移動される。すなわち、目標トラックが現在位置か
ら比較的離れている場合には、図示しない制御回路によ
り、対物レンズアクチュエータ150の入力を切り、位
置制御から速度制御に切り替えて制御することが一般的
である。
【0029】例えば、60Hzの回転周波数で回転する
ディスクに対し、トラックピッチ約1.6μmに対応し
た対物レンズの位置精度を保つために、一般に、ディス
クの半径方向の位置制御系の開ループのゲインが1にな
る位置制御のゲイン交点周波数は、約2〜3kHzに設
定されているに対し、速度制御系では、低速時の速度検
出に大きな誤差が予想されるために、速度制御系のゲイ
ン交点周波数は、おおむね300〜500Hzに設定さ
れる。
【0030】このような制御系において、図14に示し
たような並進型のアクチュエータを用いると、速度制御
の帯域に対して明らかに、対物レンズ部の支持機構 (こ
の場合は、4本ワイヤー) によって決定される共振周波
数 (60Hz) が低いので、対物レンズの瞳の中心が光
学系から入射される光束の中心からずれることによりト
ラックエラー信号が十分に得られなくなり、結果として
トラックミスカウントが増加する問題がある。
【0031】このため、キャリッジ上に、対物レンズア
クチュエータ可動部との相対位置を検出する検出器を設
け、相対変位が0になるようマイナーループを形成する
方法が提案されている。
【0032】しかしながら、図14に示したレンズアク
チュエータにマイナーループを形成する方法を適用する
と、加えた電流に対して発生する加速度が小さいため、
これが妨げとなり、高速アクセスができない問題があ
る。
【0033】また、キャリッジ上に、対物レンズアクチ
ュエータ可動部との相対位置を検出する検出器を設ける
ことは、キャリッジ等の可動部の質量を増加させること
から高速アクセスには好ましくない。
【0034】他に、例えば、特公平5−6755号公報
には、駆動回路に工夫することで、アクセス時における
キャリッジの加速度と対物レンズ部の加速度とを同じに
し、両者を協調動作させる例が開示されている。
【0035】図17は、キャリッジの加速度と対物レン
ズ部の加速度とを同じにして、両者を協調動作させる駆
動回路の一例であって、特公平5−6755号に開示さ
れている駆動回路に類似した駆動回路である。この駆動
回路は、たとえば、図14に示した対物レンズアクチュ
エータと図15に示した駆動機構 (キャリッジ) とに図
17に示されるように、対物レンズアクチュエータ14
1 (図14参照) とキャリッジ151 (図15参照) と
は、駆動回路171上で並列に接続され、対物レンズア
クチュエータ141側にのみ補償回路172が組み込ま
れている。
【0036】ここで、図14の対物レンズアクチュエー
タ141に取り付けられたラジアルコイル147の駆動
電流に対する力の感度をGm、図15のキャリッジ15
1に取り付けられたラジアルコイル157の駆動電流に
対する力の感度をGsとし、補償回路172の特性をh
c (t) とおく。
【0037】さらに、キャリッジ151の質量をm1
キャリッジ151に電力を供給するためのフレキシブル
ケーブル (図示しない) 等に代表されるキャリッジ15
1に復元力を与えるバネ成分のバネ定数をk1 、同バネ
成分の減衰をc1 とし、対物レンズアクチュエータ14
1の質量をm2 、対物レンズアクチュエータ141を支
持するバネ部 (ここでは4本ワイヤー) のバネ定数をk
2 、同バネ部の減衰をc2 とする。
【0038】ついで、キャリッジ151の変位をx1
対物レンズアクチュエータ141の変位をx2 とおく
と、図17に示す駆動回路171に対し、指示値i
(t) を与えたときの上記機構の運動方程式は、
【数1】
【0039】で、示される。
【0040】ここで、 (1) 式をラプラス変換し、さら
に、キャリッジ151と対物レンズアクチュエータ14
1の相対変位について解くと、
【数2】
【0041】が得られる。
【0042】(2) 式において、トラックアクセス時に
おける上記相対変位を恒常的に0にするためには、補償
回路の特性hc (s) が、以下、 (3) 式および (4)
式を満足する必要がある。
【0043】
【数3】
【0044】(3) 式内には、sが残っているので、周
波数による特性の変化を考慮しなければならないことか
らする簡単には実現できないが、キャリッジ151に電
力を供給するフレキシブルケーブルのバネ定数k1 、同
バネ成分の減衰c1 の影響が十分に小さい周波数領域で
は、 (3) 式は、 (4) 式として以下に示すように、キ
ャリッジ151と対物レンズアクチュエータ141の質
量の和 (m1 +m2 )と対物レンズアクチュエータ14
1の質量m2 の比に、それぞれの電流駆動感度の逆数を
かけた一定値として近似でき、上記相対変位を恒常的に
0にすることはボリューム等により実現可能となる。
【0045】
【数4】
【0046】より詳細には、たとえば、ベアリングを用
いて支持されたキャリッジの駆動部への入力電流に対す
るキャリッジ本体の変位の伝達関数のボード線図が図1
8に示すように規定されるとき、図17に示した制御系
を用いた場合、キャリッジに復元力を与えるバネ成分が
キャリッジの変位の伝達関数に影響を及ぼすのは、約3
0Hz以下となる。
【0047】このことから、図17に示した制御系の補
償回路に、30Hz以下の領域で、(4) 式では考慮し
なかったキャリッジに復元力を与えるバネ成分がキャリ
ッジの変位の伝達関数の位相に与える影響をキャンセル
するために、30Hzにおいて十分な利得の低減効果の
得られるハイパスフィルタの特性を含ませ、対物レンズ
アクチュエータの変位をキャリッジから与える方法がす
でに提案されている。ところが、対物レンズアクチュエ
ータと対物レンズの質量とにより規定される共振周波数
は、位置制御時の消費電力の効率を向上するため、通
常、回転周波数の近傍、たとえば、60Hzに設定され
ている。
【0048】このことは、キャリッジの駆動特性の位相
が変化される周波数が30Hz以下であるに対し、回転
周波数が60Hzとが近接しているので、ハイパスフィ
ルタが十分に機能しないという問題がある。
【0049】また、この場合、ハイパスフィルタが機能
したとしても、たとえば、長距離のアクセスのように、
低周波で大きな加速度が働くような場合には、対物レン
ズ部(対物レンズアクチュエータと対物レンズ) は、キ
ャリッジに対して大きく変位することから、トラックミ
スカウントが増加する。
【0050】なお、キャリッジの加速度と対物レンズ部
の加速度とを同じにして両者を協調動作させるこの方法
によっても、対物レンズアクチュエータは、加えられた
電流に対して発生する加速度が小さく、高速アクセスに
不向きである。
【0051】また、キャリッジ等の可動部の質量には、
対物レンズアクチュエータの重量が含まれることから、
高速アクセスには好ましくない。
【0052】さらに、図17に示されている駆動回路に
よる駆動方式において、キャリッジに取り付けられたラ
ジアルコイルを主駆動機構、対物レンズアクチュエータ
に取り付けられたラジアルコイルを補助駆動機構とする
と、通常、主駆動機構および補助駆動機構のそれぞれは
電磁駆動方式により駆動されるが、多くの場合、磁気回
路の磁束密度のばらつき等により、駆動感度に10%程
度の誤差が発生することは自明である。
【0053】駆動感度の誤差は、主駆動機構が発生する
力とhc (t) とをかけた力に比較して主駆動機構が発
生する力よりも補助駆動機構が発生する力が小さくなる
と、対物レンズアクチュエータバネ部と対物レンズの質
量から決まる共振周波数近傍で、対物レンズ (対物レン
ズアクチュエータ) の変位の伝達関数の位相が遅れるこ
とから、制御系が不安定になる問題点がある。
【0054】この発明の目的は、高速アクセスが可能で
あって、しかも、高い読取り精度でトラックをカウント
可能な光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【0055】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点に基づきなされたもので、光学式ディスクに光束を
収束させる対物レンズを保持する対物レンズ部と、この
対物レンズ部が前記対物レンズの光軸方向に移動すると
きに、変形の方向が板厚方向になるように構成された直
線状の平行板バネと、この平行板バネを保持して前記対
物レンズ部を、ベースに対して前記ディスクの半径方向
に移動自在に支持するキャリッジ部と、前記対物レンズ
部に、前記ディスクの半径方向に力を加える補助駆動機
構と、前記キャリッジ部に、前記ディスクの半径方向に
力を加える主駆動機構とを有することを特徴とする光デ
ィスクドライブ装置を提供するものである。
【0056】また、この発明によれば、光学式ディスク
に光束を収束させる対物レンズを保持する対物レンズ部
と、この対物レンズ部が前記対物レンズが前記光学式デ
ィスクの半径方向に移動するときに、挫屈変形するよう
に構成された直線状の平行板バネと、この平行板バネを
保持して前記対物レンズ部を、ベースに対して前記ディ
スクの半径方向に移動自在に支持するキャリッジ部と、
前記対物レンズ部に、前記ディスクの半径方向に力を加
える補助駆動機構と、前記対物レンズ部に、前記ディス
クの半径方向に力を加える主駆動機構とを有することを
特徴とする光ディスクドライブ装置が提供される。
【0057】さらに、この発明によれば、光学式ディス
クに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レンズ
部と、この対物レンズ部を、ベースに対して前記ディス
クの半径方向に移動自在に支持するキャリッジ部と、前
記対物レンズ部に配置され、前記対物レンズ部に前記デ
ィスクの半径方向に力を加える補助駆動機構と、前記キ
ャリッジ部に配置され、前記対物レンズ部に前記ディス
クの半径方向に力を加える主駆動機構と、前記対物レン
ズ部と前記キャリッジ部との間に介在され、前記対物レ
ンズの光軸方向に移動するときに、変形が板バネの板厚
方向になるように、かつ、前記対物レンズが前記ディス
クの半径方向に移動するときは、挫屈変形するよう構成
された直線状の平行板バネとを有することを特徴とする
光ディスクドライブ装置が提供される。
【0058】またさらに、この発明によれば、光学式デ
ィスクに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レ
ンズ部を前記対物レンズの光軸方向に移動するときに、
前記対物レンズ部を支持する直線状の平行板バネの変形
が板バネの板厚方向になるように構成するとともに、前
記対物レンズ部に前記ディスク半径方向に力を加える補
助駆動機構を配置し、前記平行板バネを支持し、ベース
に対して前記ディスクの半径方向に移動自在に支持され
たキャリッジ部に、前記ディスクの半径方向に力を加え
る主駆動機構を有することを特徴とする光ディスクドラ
イブ装置が提供される。
【0059】さらにまた、この発明によれば、光学式デ
ィスクに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レ
ンズ部を前記対物レンズが前記光学式ディスクの半径方
向に移動するときに、前記対物レンズ部を支持する直線
状の平行板バネが挫屈変形するように構成するととも
に、前記対物レンズ部に前記ディスク半径方向に力を加
える補助駆動機構を配置し、前記平行板バネを支持し、
ベースに対して前記ディスクの半径方向に移動自在に支
持されたキャリッジ部に、前記ディスクの半径方向に力
を加える主駆動機構を有することを特徴とする光ディス
クドライブ装置が提供される。
【0060】またさらに、この発明によれば、光学式デ
ィスクに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レ
ンズ部を前記対物レンズの光軸方向に移動するときに、
前記対物レンズ部を支持する直線状の平行板バネの変形
が板バネの板厚方向になるように、かつ、前記対物レン
ズが前記光学式ディスクの半径方向に移動するときは、
挫屈変形するよう構成するとともに、前記対物レンズ部
に前記ディスク半径方向に力を加える補助駆動機構を配
置し、前記平行板バネを支持し、ベースに対して前記デ
ィスクの半径方向に移動自在に支持されたキャリッジ部
に、前記ディスクの半径方向に力を加える主駆動機構を
有することを特徴とする光ディスクドライブ装置が提供
される。
【0061】さらにまた、この発明によれば、光学式デ
ィスクに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レ
ンズ部を、少なくとも前記対物レンズの光軸方向に移動
可能とする支持機構を用いてキャリッジに取り付け、前
記キャリッジを、ベースに対して前記ディスク半径方向
に移動自在に支持し、さらに、前記対物レンズ部に、前
記ディスク半径方向に力を加える補助駆動機構を配置
し、前記キャリッジに、前記ディスク半径方向に力を加
える主駆動機構を有する光ディスクドライブにおいて、
前記補助駆動機構は電磁力を発生させる第1の電磁駆動
要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の電磁駆動要
素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆動要素がベ
ースに固定されている場合に、前記補助駆動機構が発生
する力は、前記主駆動機構が発生する力に、前記キャリ
ッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レンズ
部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力より
も大きいことを特徴とする光ディスクドライブ装置が提
供される。
【0062】またさらに、この発明によれば、光学式デ
ィスクに光束を収束させる対物レンズを保持する対物レ
ンズ部を、少なくとも前記対物レンズの光軸方向に移動
可能とする支持機構を用いてキャリッジに取り付け、前
記キャリッジを、ベースに対して前記ディスク半径方向
に移動自在に支持し、さらに、前記対物レンズ部に、前
記ディスク半径方向に力を加える補助駆動機構を配置
し、前記キャリッジに、前記ディスク半径方向に力を加
える主駆動機構を有する光ディスクドライブにおいて、
前記補助駆動機構は電磁力を発生させる第1の電磁駆動
要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の電磁駆動要
素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆動要素がベ
ースに固定されている場合に、前記補助駆動機構が発生
する力は、前記主駆動機構が発生する力に、前記キャリ
ッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レンズ
部の質量もしくは慣性モーメントの和と前記対物レンズ
部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力より
も大きいことを特徴とする光ディスクドライブ装置が提
供される。
【0063】以上説明したように、この発明の光ディス
クドライブ装置によれば、対物レンズ部を支持する平行
板バネは、対物レンズが光軸方向に移動するときの変形
が板バネの板厚方向になるよう、かつ、対物レンズがデ
ィスクの半径方向に移動するときは、挫屈変形するよう
構成される。
【0064】これにより、平行板バネにおける光ディス
クの面方向の平行な方向のバネ剛性と対物レンズ質量か
ら定まる共振周波数を光ディスクが回転される周波数の
近傍に設定可能で、しかも、平行板バネのディスク半径
方向のバネ剛性と対物レンズ質量から定まる共振周波数
を、10倍以上に設定可能である。
【0065】また、補助駆動機構が対物レンズアクチュ
エータを駆動する力の支点がベースに位置される場合、
補助駆動機構が発生する力は、主駆動機構が発生する力
にキャリッジ部の質量もしくは慣性モーメントと対物レ
ンズアクチュエータの質量もしくは慣性モーメントとの
比をかけた力よりも大きくなるよう設定されているので
対物レンズアクチュエータに発生する加速度は、キャリ
ッジに発生する加速度よりも常に大きく設定され、対物
レンズアクチュエータを支持する平行板バネの光ディス
クの半径方向のバネ剛性と対物レンズアクチュエータの
質量から定まる共振周波数近傍で、入力に対する対物レ
ンズ部の変位の位相は常に進み方向になり、補助駆動機
構と主駆動機構の感度の誤差によらず安定した駆動回路
が提供される。
【0066】さらに、補助駆動機構が対物レンズアクチ
ュエータを駆動する力の支点がキャリッジである場合、
補助駆動機構が発生する力は、主駆動機構が発生する力
にキャリッジの質量もしくは慣性モーメントと対物レン
ズアクチュエータの質量もしくは慣性モーメントの和
と、対物レンズアクチュエータの質量もしくは慣性モー
メントとの比をかけた力よりも大きくなるように設定さ
れているので、対物レンズアクチュエータに発生する加
速度は、キャリッジに発生する加速度よりも常に大きく
なり、対物レンズアクチュエータを支持する平行板バネ
の光ディスクの半径方向のバネ剛性と対物レンズ部質量
から定まる共振周波数近傍で、入力に対する対物レンズ
アクチュエータの変位の位相が常に進み方向に規定され
ることから、補助駆動機構と主駆動機構の感度の誤差に
よらず安定な制御が可能となる。
【0067】なお、対物レンズアクチュエータに補助駆
動機構を配置しない場合には、制御回路の入力に対する
対物レンズアクチュエータの変位の伝達関数は、対物レ
ンズアクチュエータを支持する平行板バネの光ディスク
の半径方向のバネ剛性と対物レンズアクチュエータとそ
の周辺部の質量から定まる共振周波数において位相が−
270°に達するため、位置制御のゲイン交点周波数の
付近の位相補償しても制御回路が不安定になるが、対物
レンズアクチュエータに補助駆動機構を設けてキャリッ
ジと同じもしくはそれ以上の加速度を発生するように補
償回路の特性を設定することで、安定な駆動回路が構成
される。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の実
施の形態を説明する。
【0069】図1は、この発明の第1の実施の形態とし
ての光ディスクドライブ装置の全体を示す概略図、図2
は、図1に示した光ディスクドライブ装置の対物レンズ
の周辺を拡大した部分拡大図である。
【0070】図1を参照すれば、光ディスクドライブ装
置1は、光ディスク (記録媒体) Dの記録面に、図示し
ない半導体レーザ素子等の光源から照射される所定の波
長のレーザビーム (光ビーム) を照射するとともに、光
ディスクDの記録面で反射されたレーザビームを集光す
る対物レンズ10、対物レンズ10を光ディスクDの記
録面と直交する方向に移動可能に支持する対物レンズア
クチュエータ11、対物レンズアクチュエータ11を光
ディスクDの記録面と平行な方向であって、光ディスク
Dの記録面に予め形成されている案内溝 (グルーブ) と
直交する方向すなわち半径方向に移動可能に支持するキ
ャリッジ21を有している。
【0071】なお、キャリッジ21は、たとえば、マグ
ネシウム合金等の剛性の高い材質によって形成されてい
る。
【0072】また、光ディスクDは、たとえば、スピン
ドルモータ等に代表されるディクス回転装置2により、
単位時間当りに案内溝の任意の位置が移動される速度す
なわち線速度が一定となるよう、光ディスクDの中心か
ら任意の案内溝までの距離に応じた所定の回転数で回転
される。
【0073】対物レンズ10を保持した対物レンズアク
チュエータ11は、光ディスクDの記録面と平行な方向
に直線状に延出された平行板バネ12によって、光ディ
スクDの記録面と直交する方向すなわちフォーカス方向
の移動が平行板バネ12の板厚方向に、光ディスクDの
半径方向の移動が平行板バネ12の座屈方向に、それぞ
れ、一致するよう、キャリッジ21に固定されている。
【0074】対物レンズアクチュエータ11にはまた、
対物レンズ10を、フォーカス方向すなわち光ディスク
Dの記録面と直交する方向に移動するための推力を発生
するフォーカス駆動コイル13、及び、対物レンズアク
チュエータ11を光ディスクDの半径方向に移動するた
めの推力を発生するラジアル補助駆動コイル14が配置
されている。なお、フォーカス駆動コイル13ならびに
ラジアル補助駆動コイル14は、キャリッジ21の所定
の位置に配置される、後述、磁気回路22からの磁束に
関連して、対物レンズアクチュエータ11すなわち対物
レンズ10を、キャリッジ21に対して、光ディスクD
の面方向 (フォーカス方向) および半径方向に移動させ
る。
【0075】平行板バネ12は、たとえば、20μmの
厚みのベリリウム−銅合金板を2枚積層し、両合金間に
シリコーンゴムなどを挟んだものである。なお、平行板
バネ12は、面方向が光ディスクDの記録面とおおむね
平行に、かつ、光ディスクDの記録面と直交する方向に
所定の距離をおいて、2組配置される。
【0076】ここで、平行板バネ12の光ディスクDの
記録面と直交する方向の断面形状を直線状にすること
で、キャリッジ21上の平行板バネ12の支持部21a
を起点としたときの対物レンズ10の光軸方向の共振周
波数 (主共振周波数) は、たとえば、60Hzに設定さ
れる。このとき、対物レンズ10の光ディスクDの半径
方向の共振周波数 (主共振周波数) は、たとえば、1k
Hzに設定できる。
【0077】キャリッジ21はまた、2本のガイドレー
ル23に対して、8個のベアリング24により、光ディ
スクDの半径方向に、移動自在に支持されている。な
お、8個のベアリング24の間の所定の位置には、キャ
リッジ21を、光ディスクDの半径方向に移動するため
の推力を発生するラジアル主駆動コイル25が配置され
ている。また、ガイドレール23は、ラジアル主駆動コ
イル25に対して作用する磁束を発生する磁気回路26
が金属により形成された軸芯23aの外周面に、一体に
形成された構造を有している。
【0078】このように、8個のベアリング24をキャ
リッジ21の四隅に、また、円筒形にした第2のラジア
ル駆動コイル25をキャリッジ21の中央部に、それぞ
れ、配置することと、キャリッジ21の剛性を高めるこ
とにより、キャリッジ21に一体的に配置されるラジア
ル主駆動コイル25またはキャリッジ21本体の剛性の
バネ性を利用して、ラジアル主駆動コイル25およびキ
ャリッジ21を質量とする系における光ディスクDの半
径方向の共振周波数 (主共振周波数) を15kHzに高
めることができる。
【0079】なお、ガイドレール23およびディスク回
転装置 (スピンドルモータ) 2は、図示しないベースに
固定されていることはいうまでもない。
【0080】キャリッジ21に、上述した構成を採用す
ることで、平行板バネ12を介してキャリッジ21に移
動可能に支持されている対物レンズアクチュエータ11
は、実質的に、光ディスクDの記録面と直交する方向に
のみ変位されることとなる。このことは、対物レンズア
クチュエータ11に組み込まれるラジアル補助駆動コイ
ル14、フォーカス駆動コイル13およびキャリッジ2
1に配置される磁気回路22等の大きさと質量を低減で
きる。
【0081】従って、キャリッジ21が光ディスクDの
半径方向に移動される場合に、対物レンズ10、対物レ
ンズアクチュエータ11、平行板バネ12、ラジアル補
助駆動コイル14を質量とする系の影響により、対物レ
ンズ10の光軸に沿って光ディスクDの記録面の目標ト
ラックに案内されるレーザビームの位置ずれすなわちト
ラックエラーあるいはトラック数のカウントミスが生じ
ることを低減できる。よって、トラックアクセスの精度
を維持しつつ高速化が可能となる。
【0082】なお、対物レンズアクチェータ11とその
周辺部の質量が低減されることは、ラジアル補助駆動コ
イル14が発生する推力の力点から対物レンズ10まで
の剛性を向上することから、対物レンズアクチュエータ
11の2次共振周波数を、高い周波数にシフトできる。
これにより、制御帯域を広げることができる。
【0083】さらに、長距離のトラックアクセス等によ
り生じる低周波かつ大きな駆動力については、平行板バ
ネ12の光ディスクDの半径方向でのバネ剛性と対物レ
ンズアクチュエータ11とその周辺部の質量から定まる
共振周波数が1kHz程度に規定されることにより、相
対変位を十分に低減可能であることから、トラック数の
カウントミスが増加することはない。
【0084】図3は、図1および図2に示した光ディス
クドライブ装置1のキャリッジ21および対物レンズア
クチュエータ11を協調動作させるための駆動回路の一
例を示すブロック図である。
【0085】図3に示すように、対物レンズアクチュエ
ータ11に対して推力を与えるラジアル補助駆動コイル
14とキャリッジ21に対して推力を与えるラジアル主
駆動コイル25は、駆動回路30において、並列に接続
されている。なお、ラジアル補助駆動コイル14の前段
には、補償回路31が接続されている。また、ラジアル
主駆動コイル25ならびに補償回路31が接続されたラ
ジアル補助駆動コイル14の前段には、さらに、増幅装
置32ならびに位相補償回路33が接続されている。
【0086】ここで、具体的な説明のため、図3の駆動
回路30におけるゲイン交点周波数が5kHzになるよ
うに、増幅装置32のゲインを設定する。この場合、ゲ
インは、対物レンズアクチュエータ11ならびにその周
辺部の質量、キャリッジ21ならびにその周辺部の質
量、及び、図示しない光学検出系等に起因する特性等を
考慮して規定される。
【0087】図3において、補償回路31の特性をhc
(t) 、ラジアル主駆動コイル25およびラジアル補助
駆動コイル14のそれぞれに入力に対する力の感度を、
それぞれ、GmならびにGsとし、説明のため、位相補
償回路33の特性Pc (t)を1とする。
【0088】また、キャリッジ21の質量をm1 、キャ
リッジ21に電力を供給するための図示しないフレキシ
ブルケーブル等に代表されるキャリッジ21の移動量に
復元力を与えるバネ成分のバネ定数をk1 、同バネ成分
の減衰をc1 、対物レンズアクチュエータ11とその周
辺部の質量をm2 、平行板バネ12の座屈方向のバネ定
数をk2 、同バネ成分の減衰をc2 、キャリッジ21に
推力を与えるラジアル主駆動コイル25の力点部の等価
質量をm3 、ラジアル主駆動コイル25のバネ定数をk
3 および同バネ成分の減衰をc3 、キャリッジ21の変
位をx1 、対物レンズアクチュエータ11とその周辺部
の変位をx2 、及び、ラジアル主駆動コイル25の力点
部の変位をx3 とおくと、図3に示す駆動回路30に対
し、支持値i (t) を与えたときの上記機構の運動方程
式は、
【数5】
【0089】で、示される。
【0090】ここで、k1 およびc1 は、対物レンズア
クチュエータ11用のフレキシブルケーブルであるか
ら、その剛性あるいはバネ定数の減衰は、実質的に、固
定値をとる。
【0091】このことから、キャリッジ21の入力に対
する変位の伝達関数は、k1 およびc1 の影響を受ける
周波数領域は、図18を用いて既に説明した周知のディ
スクドライブ装置と実質的に同一となる。従って、入力
に対する位相が30Hz以下の場合には、入力に対する
位相が30Hzを越える場合に比較して大幅に変動する
ことが認められる。
【0092】以下、第一に、30Hzを越える場合につ
いて、キャリッジ21と対物レンズアクチュエータ11
の相対変位について説明する。
【0093】(5) 式において、k1 ,c1 を無視し、
更にラプラス変換して得られる結果を、キャリッジ21
および対物レンズアクチュエータ11のそれぞれの変位
1ならびにx2 について解くと、
【数6】
【0094】が導かれる。
【0095】(2) 式において、トラックアクセス時に
おける上記相対変位を恒常的に0にするためには、補償
回路31の特性hc (s) が、以下、 (7) 式および
(8)式を満足する必要がある。
【0096】
【数7】
【0097】すなわち、30Hz以下の周波数領域にお
いて、キャリッジ21を変位させるためのラジアル主駆
動コイル25への入力に対するキャリッジ21の変位の
伝達関数の位相は、30Hz以上の周波数領域とは異な
るので、補償回路31のhc(s) には、対物レンズア
クチュエータ11に、キャリッジ21と位相のずれた力
が加わらないように、以下に示す (8) 式のように、1
00Hzを折れ点周波数とする2次のハイパスフィルタ
の特性も合わせ持つように構成されている。
【0098】
【数8】
【0099】ハイパスフィルタは、対物レンズアクチュ
エータ11をフォーカス方向に移動可能に支持する平行
板バネ12の光ディスクDの半径方向のバネ剛性と対物
レンズアクチュエータ11の質量から定まる共振周波数
が1kHzに規定される一方で、キャリッジ21に電力
を供給するフレキシブルケーブル等に代表され、キャリ
ッジ21に復元力を与えるバネ成分のバネ定数と同バネ
成分減衰がラジアル主駆動コイル25に入力される入力
に対するキャリッジ21の変位の伝達関数の位相関係に
影響を及ぼす周波数範囲が30Hz以下であることか
ら、対物レンズアクチュエータ11およびキャリッジ2
1の変位を安定して制御できる。
【0100】なお、ハイパスフィルタは、周知のよう
に、抵抗、コンデンサおよびコイルの組み合わせによ
り、容易に構成される。
【0101】図4は、図3に示した駆動回路において、
ラジアル補助駆動コイル14の入力を0とした場合なら
びにラジアル補助駆動コイル14の入力を (8) 式に示
した補償回路を通した入力とした場合のそれぞれに関
し、入力に対する対物レンズアクチュエータ11および
その周辺部の変位を示すボード線図である。
【0102】図4から明らかなように、ラジアル補助駆
動コイル14の入力を0とすると、入力に対する対物レ
ンズアクチュエータ11の変位の位相が、対物レンズア
クチュエータ11を支持する平行板バネ12の光ディス
クDの半径方向のバネ剛性と対物レンズアクチュエータ
11の質量から定まる共振周波数 (1kHz) におい
て、−270°以上となり、共振周波数を越える領域に
おいて制御不能となる。これに対し、 (8) 式に示した
補償回路を通した入力によれば、図18を用いて既に説
明したキャリッジ21の2次共振周波数までは、位相が
−180°で変化することはない。
【0103】なお、補償回路31を実際に構成する場
合、 (7) 式は、周波数成分を有するため複雑になるこ
とから、 (7) 式の低周波領域だけを考慮し、補償回路
31の特性hc (s) を、キャリッジ21と対物レンズ
アクチュエータ11ならびにその周辺部の質量の和 (m
1 +m2 +m3 ,可動部の質量の総和) と、対物レンズ
アクチュエータ11単独の質量 (m2 ) の単純な比に、
それぞれの電流駆動感度の逆数をかけて、さらに、
(8) 式と同じハイパスフィルタの特性を持たせること
で、以下に示す (9) 式が得られる。
【0104】
【数9】
【0105】図5は、図3に示した駆動回路において、
(9) 式で与えられる入力を用いた場合の入力に対する
対物レンズアクチュエータ11の変位の伝達関数のボー
ド線図である。
【0106】たとえば、光ディスクDの半径方向のバネ
剛性から定まる平行板バネ12の共振周波数が1kHz
で、かつ、キャリッジ21の2次共振周波数が図18を
用いて既に説明したように、共振周波数の10倍以上で
あるおおむね15kHz確保され、さらに、図18で既
に示したように2次共振のQ値が20dB以下に規定さ
れる場合、キャリッジ21の2次共振に対し、対物レン
ズアクチュエータ11を支持する平行板バネ12の光デ
ィスクDの半径方向のバネ性がメカニカルフィルタとし
て動作する。従って、図5に示したボード線図に見られ
るように、対物レンズアクチュエータ11は、安定に制
御される。ここで、キャリッジ21は、一般には、図1
5で既に説明したようにコイルにより駆動されるので、
2次共振のQ値が大幅に変化されることはない。
【0107】以上説明したように、キャリッジ21の2
次共振周波数を、対物レンズアクチュエータ11を支持
する平行板バネ12の光ディスクDの半径方向のバネ剛
性から定まる共振周波数の10倍以上にすることで、対
物レンズアクチュエータ11の伝達関数は、対物レンズ
アクチュエータ11の2次共振周波数まで、位相が−3
60°回ることなく制御可能となる。
【0108】次に、図3に示した駆動回路において、実
際に安定な制御系を構成するための位相補償について説
明する。
【0109】図3に示した駆動回路における (8) 式お
よび (9) 式では、説明のため位相補償回路33の特性
Pc (t) を1としたが、実際に安定な制御系を構成す
るには、以下に示す (10) 式を満足するよう、たとえ
ば、ゲイン交点周波数の付近を中心とした1次の位相補
償を加えることが必要になる。
【0110】
【数10】
【0111】なお、 (10) 式を満足する位相補償回路3
3は、たとえば、抵抗、コンデンサおよびコイルの組み
合わせにより、容易に実現できることはいうまでもな
い。
【0112】以下、図5に示した特性に、 (10) 式によ
り求められる位相補償を掛け、入力に対する対物レンズ
アクチュエータ11の変位の伝達関数のナイキスト線図
を求め、位相補償の成果を検証すると、図6に示される
ように、ナイキスト線図は、(−1,0) の右側を通る
ので、制御系が安定であることが認められる。
【0113】以上示したように、対物レンズアクチュエ
ータ11およびその周辺部の質量を低減し、対物レンズ
アクチュエータ11が実質的に対物レンズ10のフォー
カス方向にのみ移動可能に平行板バネ12により、キャ
リッジ21に支持させることにより、対物レンズアクチ
ュエータ11の2次共振周波数が高周波側にシフトでき
る。また、図3に示した制御回路と組み合わせること
で、制御帯域が向上するので、光ディスクドライブ装置
1における光ディスクDの半径方向の制御精度を高める
ことができる。
【0114】なお、図1および図2に示した光ディスク
ドライブ装置1においては、磁気回路9および13によ
り提供される磁束密度が設計値に対して10%程度変動
することは避けられない。しかしながら、磁束密度が変
動することは、図3で既に説明したラジアル主駆動コイ
ル25の入力に対する力の感度Gmまたはラジアル補助
駆動コイル14の入力に対する力の感度Gsが変化する
ことに他ならないので、補償回路31のhc (s) の変
化として取り扱うことができる。
【0115】図7は、図6に示したナイキスト線図を作
成するに当って利用された駆動回路に、磁気回路により
提供される磁束密度が±10%変動すると仮定し、補償
回路31のhc (s) を変化させた場合の対物レンズア
クチュエータ11の変位の伝達関数のナイキスト線図で
ある。なお、図6に示したナイキスト線図 (磁束密度の
変動が0%) も、比較のために示している。
【0116】図7から明らかなように、hc (s) を−
10%にした場合、変動が無い場合(0%) に比べて、
ナイキスト線図が (−1,0) により近づくので、制御
系は不安定になり易い。一方、hc (s) を+10%に
した場合は、変動が無い場合に比べて、位相が進むこと
になるので、制御系としては安定である。
【0117】このことから、ラジアル補助駆動コイル1
4の駆動力の支点にあたる磁気回路22がキャリッジ2
1に固定されている場合には、ラジアル補助駆動コイル
14が発生する力がラジアル主駆動コイル25が発生す
る力に、キャリッジ21ならびにその周辺部を含む質量
(キャリッジ21とラジアル主駆動コイル25の力点部
の等価質量の和) と対物レンズアクチュエータ11およ
びその周辺部の質量の和と、対物レンズアクチュエータ
11およびその周辺部の質量との比をかけた力よりも大
きくなるよう、以下に示す (11) 式のように、補償回路
31の特性hc(t) を設定することで、磁束密度が変
動した場合であっても、安定な制御系を構成できる。
【0118】
【数11】
【0119】なお、上述したこの発明の第1の実施の形
態である光ディスクドライブ装置1では、説明のため、
便宜的に、ゲイン交点周波数を5kHzとしたが、ゲイ
ン交点周波数は、実際には、対物レンズアクチュエータ
11の2次共振周波数によって決まることは周知であ
る。しかしながら、図1および図2に示した対物レンズ
アクチュエータ11は、従来の対物レンズアクチュエー
タと比べて2次共振周波数が高いので、ゲイン交点周波
数を上げることが可能になり、トラック精度を向上させ
ることができるのはいうまでもない。
【0120】図8は、この発明の第2の実施の形態とし
ての光ディスクドライブ装置の全体を示す概略図、図9
は、図8に示した光ディスクドライブ装置の対物レンズ
の周辺を拡大した部分拡大図である。なお、図1および
図2に示したこの発明の第1の実施の形態と同一の構成
には、同じ符号を附して詳細な説明を省略する。
【0121】図8を参照すれば、光ディスクドライブ装
置40は、光ディスクDの記録面と直交する方向 (実質
的に、対物レンズ10の光軸と直交する方向) に対物レ
ンズ10を移動可能に保持する対物レンズアクチュエー
タ41と、対物レンズアクチュエータ41を光ディスク
Dの半径方向に移動可能に支持するキャリッジ50を有
している。
【0122】キャリッジ50と対物レンズアクチュエー
タ41とは、キャリッジ50の本体50aを挟み込むよ
う、光ディスクDの記録面と平行な方向に距離を置いて
配置された2枚の平行板バネ51により接続されてい
る。なお、平行板バネ51は、図1および図2に示した
平行板バネ25と実質的に同一に構成され、光ディスク
Dの記録面と直交する方向の断面形状が直線状であるの
で、キャリッジ50における平行板バネ51の支持部か
ら対物レンズ10側の光ディスクDの半径方向の主共振
周波数を1kHzにすることができる。
【0123】キャリッジ50は、対物レンズ10の光軸
と直交する方向かつ光ディスクDの半径方向と直交する
方向に、対物レンズ10の光軸からおおむね等しい位置
に配置される一対のラジアル主駆動コイル52を有して
いる。
【0124】ラジアル主駆動コイル52の内周には、摺
動軸受53が配置され、それぞれ、図示しないベースに
固定された2本のガイドレール54により、光ディスク
Dの半径方向に移動自在に支持されている。
【0125】図9を参照すれば、対物レンズアクチュエ
ータ41は、光ディスクDの半径方向に延出された本体
41aを有している。本体41aは、図示しない半導体
レーザ素子等の光源からのレーザビームを案内する空洞
部41bを有している。
【0126】対物レンズアクチュエータ41の本体41
aを挟んで、対物レンズ10の光軸と直交する方向かつ
光ディスクDの半径方向と直交する方向には、対物レン
ズ10の光軸からおおむね等しい位置に配置される一対
のフォーカス駆動コイル42が配置されている。
【0127】対物レンズアクチュエータ41の本体41
aには、また、キャリッジの本体50aのラジアル主駆
動コイル52と共働して対物レンズアクチュエータ41
を、光ディスクDの半径方向に移動させる駆動力を発生
するラジアル補助駆動コイル43が配置されている。
【0128】キャリッジの本体50aのラジアル主駆動
コイル52の内側には、ラジアル主駆動コイル52に作
用する磁束を提供するための磁気回路55が位置される
案内部50bが形成され、図示しないベースに固定され
た左右一対の磁気回路55が貫通されている。なお、磁
気回路55は、図示しない半導体レーザ等の光源から対
物レンズアクチュエータ41の本体41aの空洞部41
bを通って対物レンズ10に案内されるレーザビームに
近接する側にも磁束を提供可能であって、対物レンズア
クチュエータ41のフォーカス駆動コイル42およびラ
ジアル補助駆動コイル43に対しても作用する。
【0129】いま、図9のように、質量の比較的大きい
対物レンズアクチュエータ用の磁気回路55を図示しな
いベースに配置することでキャリッジ50を軽量化し、
キャリッジ50の本体51aの主要部をラジアル主駆動
コイル52によって形成することで、キャリッジ50の
剛性をバネとし、キャリッジ50を質量とする系の光デ
ィスクDの半径方向の主共振周波数を15kHzにする
ことができる。
【0130】これらの機構は、図1および図2を用いて
すでに説明した第1の実施の形態と同じく、図3のよう
に構成された駆動回路30により駆動される。
【0131】ここで、図8に示した光ディスクドライブ
装置40のキャリッジ50の質量をm1 、対物レンズア
クチュエータ41ならびに周辺部の質量をm2 、キャリ
ッジ50に駆動力を与えるラジアル主駆動コイル52の
力点部の等価質量をm3 とすると、補償回路31の特性
をラプラス変換したhc (s) は、ラジアル補助駆動コ
イル43に加わる駆動力の支点となる磁気回路55がベ
ースに固定されているので、以下に示す (12) 式で示さ
れる。
【0132】
【数12】
【0133】なお、位相補償回路33については、実質
的に、第1の実施の形態と同一であるから詳細な説明を
省略する。
【0134】以上説明したように、図8および図9に示
される対物レンズアクチュエータとキャリッジのよう
に、ラジアル補助駆動コイル43の駆動力の支点にあた
る磁気回路とキャリッジ50のラジアル主駆動コイル5
2の駆動力の支点にあたる磁気回路が共通であって、し
かも、図示しないベースに固定されている場合であって
も、 (12) 式に示すように補償回路31のhc (s) を
若干変化させ、補償回路31の特性hc (t) を、ラジ
アル補助駆動コイル43が発生する力がラジアル主駆動
コイル52が発生する力に、キャリッジ50およびその
周辺部の質量 (キャリッジ50とラジアル主駆動コイル
52の力点部の等価質量の和) と対物レンズアクチュエ
ータ41の質量との比をかけた力よりも大きくなるよう
に設定することにより、第1の実施の形態と同様に、ト
ラック精度が高く、磁束密度の変動等に対して安定な制
御系を構成できる。
【0135】図10は、この発明の第3の実施の形態と
しての光ディスクドライブ装置の全体を示す概略図、図
11は、図10に示した光ディスクドライブ装置の対物
レンズの周辺を拡大した部分拡大図である。
【0136】図10を参照すれば、光ディスクドライブ
装置70は、光ディスクDの記録面と直交する方向 (実
質的に、対物レンズ10の光軸と直交する方向) に対物
レンズ10を移動可能に保持する対物レンズアクチュエ
ータ71と、対物レンズアクチュエータ71を光ディス
クDの記録面と平行に回転するキャリッジ80を有して
いる。なお、キャリッジ80は、対物レンズアクチュエ
ータ71を保持した状態で回転軸81を中心に回転する
ことにより、対物レンズアクチュエータ71を介して保
持されている対物レンズ10を、光ディスクDの半径方
向の任意の位置に移動する。
【0137】対物レンズアクチュエータ71は、おおむ
ね三角形に形成された平行板バネ82により、光ディス
クDの記録面と直交する方向の移動が平行板バネ82の
板厚方向に、光ディスクDの半径方向の移動が平行板バ
ネ82の直線状の腕部82aの座屈方向になるよう、キ
ャリッジ80に固定されている。
【0138】対物レンズアクチュエータ71はまた、フ
ォーカス駆動コイル72とラジアル補助駆動コイル73
を有し、磁気回路74が発生する磁束によりキャリッジ
80を支点に、光ディスクDの記録面と直交する方向な
らびに光ディスクDの半径方向に、対物レンズ10を移
動可能に形成されている。
【0139】なお、平行板バネ82は、図1および図2
に示した平行板バネ25と実質的に同一の積層構造を有
し、腕部82aが直線状に形成されることにより平行板
バネ82の支持部から対物レンズ10側の光ディスクD
の半径方向の主共振周波数を1kHzにすることができ
る。
【0140】キャリッジ80は、回転軸81に同軸に形
成された図示しない支持軸に対し、図示しない2個のベ
アリングを介して回転自在に支持されている。これによ
り、ラジアル主駆動コイル83と磁気回路84から発生
される磁束により光ディスクDの記録面と平行な面内を
旋回される。
【0141】いま、図10のように、キャリッジ80を
回転式にすることで、キャリッジ80の等価的な可動部
質量を、たとえば、図1および図2あるいは図8および
図9に示した光ディスクドライブ装置に比較して低減す
るとともに、キャリッジ80をアルミで形成し、さら
に、円筒形にしたラジアル主駆動コイル83をキャリッ
ジ80の両端に固めて配置することにより、ラジアル主
駆動コイル83もしくはキャリッジ80のねじり剛性を
バネとし、コイル、キャリッジを慣性モーメントとする
系の光ディスクDの半径方向の主共振周波数を15kH
zにすることができる。
【0142】これらの機構は、図1および図2を用いて
すでに説明した第1の実施の形態と同じく、図3のよう
に構成された駆動回路30により駆動される。
【0143】ここで、図10に示した光ディスクドライ
ブ装置70のキャリッジ80の回転軸81の回りのキャ
リッジ80の慣性モーメントをI1 、対物レンズアクチ
ュエータ71の慣性モーメントをI2 、キャリッジ80
に駆動力を与えるラジアル主駆動コイル83の力点部の
等価慣性モーメントをI3 とすると、補償回路31の特
性をラプラス変換したhc (s) は、以下に示す (13)
式で示される。
【0144】
【数13】
【0145】なお、位相補償回路33については、実質
的に、第1の実施の形態と同一であるから詳細な説明を
省略する。
【0146】以上説明したように、図10および図11
に示される回転式のキャリッジに搭載された対物レンズ
アクチュエータであっても、補償回路30の特性におい
て、質量を慣性モーメントに置き換えるだけで、第1の
実施の形態と同じく、トラック精度が高い制御系を構成
できることはいうまでもない。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の光ディ
スクドライブ装置によれば、対物レンズ部を支持する平
行板バネは、対物レンズが光軸方向に移動するときの変
形が板バネの板厚方向になるよう、かつ、対物レンズが
ディスクの半径方向に移動するときは、挫屈変形するよ
う構成される。
【0148】これにより、平行板バネにおける光ディス
クの面方向の平行な方向のバネ剛性と対物レンズ質量か
ら定まる共振周波数を光ディスクが回転される周波数の
近傍に設定可能で、しかも、平行板バネのディスク半径
方向のバネ剛性と対物レンズ質量から定まる共振周波数
を、10倍以上に設定可能である。
【0149】また、対物レンズを保持する対物レンズア
クチュエータおよびこれを駆動する磁気回路が軽量化で
きるので、結果として、可動部全体の重量が低減し、高
速のトラックアクセスに対して有利になる。
【0150】このことから、対物レンズがキャリッジに
対してディスク半径方向で相対変位することがほとんど
無くなる。
【0151】また、2軸のアクチュエータとは異なり、
磁気回路と対物レンズ部にディスク半径方向の相対変位
分のクリアランスを設ける必要がなく、かつ、対物レン
ズを対物レンズアクチュエータの中心に配置することが
できるので、アクチュエータの2次共振周波数が上が
り、結果として、ゲイン交点周波数が高周波側にシフト
されることから、トラック精度を向上させることができ
る。
【0152】さらに、長距離のアクセス動作等で発生す
る低周波かつ大きな駆動力に対しては、対物レンズアク
チュエータを支持する平行板バネのディスク半径方向の
バネ剛性と対物レンズアクチュエータとその周辺部の質
量から定まる共振周波数を高く設定可能で、相対変位を
十分小さくできるので、トラックミスカウントが増加す
る問題もない。
【0153】また、キャリッジに電力を供給するフレキ
シブルケーブル等に代表されるキャリッジに復元力を与
えるバネ成分のバネ定数と同バネ成分の減衰が、主駆動
機構入力に対するキャリッジ部の変位の伝達関数の位相
関係に影響をおよぼす周波数範囲と、対物レンズアクチ
ュエータを支持する平行板バネのディスク半径方向のバ
ネ剛性と対物レンズ部質量から定まる共振周波数とが十
分に離れているので、補償回路に含まれるハイパスフィ
ルタが十分に機能し、駆動回路が安定される。一方、対
物レンズアクチュエータに補助駆動機構を配置しない場
合には、制御回路の入力に対する対物レンズアクチュエ
ータの変位の伝達関数は、対物レンズアクチュエータを
支持する平行板バネの光ディスクの半径方向のバネ剛性
と対物レンズアクチュエータとその周辺部の質量から定
まる共振周波数において位相が−270°に達するた
め、位置制御のゲイン交点周波数の付近の位相補償して
も制御回路が不安定になるが、対物レンズアクチュエー
タに補助駆動機構を設けてキャリッジと同じもしくはそ
れ以上の加速度を発生するように補償回路の特性を設定
することで、安定な駆動回路が構成される。
【0154】さらに、補助駆動機構が対物レンズアクチ
ュエータを駆動する力の支点がベースに位置される場
合、補助駆動機構が発生する力は、主駆動機構が発生す
る力にキャリッジ部の質量もしくは慣性モーメントと対
物レンズアクチュエータの質量もしくは慣性モーメント
との比をかけた力よりも大きくなるよう設定されている
ので対物レンズアクチュエータに発生する加速度は、キ
ャリッジに発生する加速度よりも常に大きく設定され、
対物レンズアクチュエータを支持する平行板バネの光デ
ィスクの半径方向のバネ剛性と対物レンズアクチュエー
タの質量から定まる共振周波数近傍で、入力に対する対
物レンズ部の変位の位相は常に進み方向になり、補助駆
動機構と主駆動機構の感度の誤差によらず安定した駆動
回路が提供される。
【0155】またさらに、補助駆動機構が対物レンズア
クチュエータを駆動する力の支点がキャリッジである場
合、補助駆動機構が発生する力は、主駆動機構が発生す
る力にキャリッジの質量もしくは慣性モーメントと対物
レンズアクチュエータの質量もしくは慣性モーメントの
和と、対物レンズアクチュエータの質量もしくは慣性モ
ーメントとの比をかけた力よりも大きくなるように設定
されているので、対物レンズアクチュエータに発生する
加速度は、キャリッジに発生する加速度よりも常に大き
くなり、対物レンズアクチュエータを支持する平行板バ
ネの光ディスクの半径方向のバネ剛性と対物レンズ部質
量から定まる共振周波数近傍で、入力に対する対物レン
ズアクチュエータの変位の位相が常に進み方向に規定さ
れることから、補助駆動機構と主駆動機構の感度の誤差
に支配されることのない安定な制御が可能となる。
【0156】従って、高速アクセスが可能で、しかも、
トラック精度の高い制御系を比較的単純な構成で提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態としての光ディス
クドライブ装置の全体を示す概略図。
【図2】図1に示した光ディスクドライブ装置の対物レ
ンズの周辺を拡大した部分拡大図。
【図3】図1および図2に示した光ディスクドライブ装
置のキャリッジおよび対物レンズアクチュエータを協調
動作させるための駆動回路の一例を示すブロック図。
【図4】図3に示した駆動回路において、ラジアル補助
駆動コイルの入力を0とした場合ならびにラジアル補助
駆動コイルの入力を (8) 式に示したハイパスフィルタ
を通した入力とした場合のそれぞれに関し、入力に対す
る対物レンズアクチュエータおよびその周辺部の変位を
示すボード線図。
【図5】図3に示した駆動回路において、 (9) 式で与
えられる入力を用いた場合の入力に対する対物レンズア
クチュエータの変位の伝達関数のボード線図。
【図6】図5に示した特性に1次の位相補償を掛け合わ
せたときの入力に対する対物レンズアクチュエータの変
位の伝達関数のナイキスト線図。
【図7】図6に示したナイキスト線図を作成するに当っ
て利用された駆動回路に、磁気回路により提供される磁
束密度の変動を±10%と見込んだ時の補償回路のhc
(s) を変化させた場合の対物レンズアクチュエータの
変位の伝達関数のナイキスト線図。
【図8】この発明の第2の実施の形態としての光ディス
クドライブ装置の全体を示す概略図。
【図9】図8に示した光ディスクドライブ装置の対物レ
ンズの周辺を拡大した部分拡大図。
【図10】この発明の第3の実施の形態としての光ディ
スクドライブ装置の全体を示す概略図。
【図11】図10に示した光ディスクドライブ装置の対
物レンズの周辺を拡大した部分拡大図。
【図12】対物レンズアクチュエータの従来の例の一例
を示す概略図。
【図13】対物レンズアクチュエータの従来の例の一例
を示す概略図。
【図14】対物レンズアクチュエータの従来の例の一例
を示す概略図。
【図15】図12ないし図14に示した対物レンズアク
チュエータのいづれかが搭載されるキャリッジを示す概
略図。
【図16】図15に示す機構をディスクの半径方向に駆
動する駆動回路を示す概略ブロック図。
【図17】キャリッジの加速度と対物レンズ部の加速度
とを同じにして、両者を協調動作させる駆動回路の一例
を示す概略ブロック図。
【図18】従来から利用されているベアリングにより支
持されたキャリッジにおける入力に対するキャリッジ本
体の変位の伝達関数のボード線図。
【符号の説明】
1,40,70…光ディスクドライブ装置、 2…スピンドルモーター、 10…対物レンズ、 11,41,71…対物レンズアクチュエータ、 12,51,82…平行板バネ、 13,42,72…フォーカス駆動コイル、 14,43,73…ラジアル補助駆動コイル、 21,50,80…キャリッジ、 22,55,74,84…磁気回路、 23,54…ガイドレール、 24…ベアリング、 25,52,83…ラジアル主駆動コイル、 30…駆動回路、 31…補償回路、 32…増幅装置、 33…位相補償回路、 D…光ディスク。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部と、 この対物レンズ部が前記対物レンズの光軸方向に移動す
    るときに、変形の方向が板厚方向になるように構成され
    た直線状の平行板バネと、 この平行板バネを保持して前記対物レンズ部を、ベース
    に対して前記ディスクの半径方向に移動自在に支持する
    キャリッジ部と、 前記対物レンズ部に、前記ディスクの半径方向に力を加
    える補助駆動機構と、 前記キャリッジ部に、前記ディスクの半径方向に力を加
    える主駆動機構と、を有することを特徴とする光ディス
    クドライブ装置。
  2. 【請求項2】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部と、 この対物レンズ部が前記対物レンズが前記光学式ディス
    クの半径方向に移動するときに、挫屈変形するように構
    成された直線状の平行板バネと、 この平行板バネを保持して前記対物レンズ部を、ベース
    に対して前記ディスクの半径方向に移動自在に支持する
    キャリッジ部と、 前記対物レンズ部に、前記ディスクの半径方向に力を加
    える補助駆動機構と、 前記対物レンズ部に、前記ディスクの半径方向に力を加
    える主駆動機構と、を有することを特徴とする光ディス
    クドライブ装置。
  3. 【請求項3】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部と、 この対物レンズ部を、ベースに対して前記ディスクの半
    径方向に移動自在に支持するキャリッジ部と、 前記対物レンズ部に配置され、前記対物レンズ部に前記
    ディスクの半径方向に力を加える補助駆動機構と、 前記キャリッジ部に配置され、前記対物レンズ部に前記
    ディスクの半径方向に力を加える主駆動機構と、 前記対物レンズ部と前記キャリッジ部との間に介在さ
    れ、前記対物レンズの光軸方向に移動するときに、変形
    が板バネの板厚方向になるように、かつ、前記対物レン
    ズが前記ディスクの半径方向に移動するときは、挫屈変
    形するよう構成された直線状の平行板バネと、を有する
    ことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
  4. 【請求項4】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部と、 この対物レンズ部を、ベースに対して前記ディスクの半
    径方向に移動自在に支持するキャリッジ部と、 前記キャリッジ部に配置され、前記対物レンズ部に前記
    ディスクの半径方向に力を加える主駆動機構と、 前記対物レンズ部に配置され、電磁力を発生させる第1
    の電磁駆動要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の
    電磁駆動要素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆
    動要素がベースに固定されている場合に、前記対物レン
    ズ部に対して、前記主駆動機構が発生する力に、前記キ
    ャリッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レ
    ンズ部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力
    よりも大きな駆動力を、前記ディスクの半径方向に加え
    る補助駆動機構と、 前記対物レンズ部と前記キャリッジ部との間に介在さ
    れ、前記対物レンズの光軸方向に移動するときに、変形
    が板厚方向になるように、かつ、前記対物レンズが前記
    ディスクの半径方向に移動するときは、挫屈変形するよ
    う構成された平行板バネと、を有することを特徴とする
    光ディスクドライブ装置。
  5. 【請求項5】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部と、 この対物レンズ部を、ベースに対して前記ディスクの半
    径方向に移動自在に支持するキャリッジ部と、 前記キャリッジ部に配置され、前記対物レンズ部に前記
    ディスクの半径方向に力を加える主駆動機構と、 前記対物レンズ部に配置され、電磁力を発生させる第1
    の電磁駆動要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の
    電磁駆動要素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆
    動要素がベースに固定されている場合に、前記対物レン
    ズ部に対して、前記主駆動機構が発生する力に、前記キ
    ャリッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レ
    ンズ部の質量もしくは慣性モーメントの和と前記対物レ
    ンズ部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力
    よりも大きな駆動力を、前記ディスクの半径方向に加え
    る補助駆動機構と、 前記対物レンズ部と前記キャリッジ部との間に介在さ
    れ、前記対物レンズの光軸方向に移動するときに、変形
    が板厚方向になるように、かつ、前記対物レンズが前記
    ディスクの半径方向に移動するときは、挫屈変形するよ
    う構成された平行板バネと、を有することを特徴とする
    光ディスクドライブ装置。
  6. 【請求項6】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部を、少なくとも前記対物レ
    ンズの光軸方向に移動可能とする支持機構を用いてキャ
    リッジに取り付け、前記キャリッジを、ベースに対して
    前記ディスク半径方向に移動自在に支持し、さらに、前
    記対物レンズ部に、前記ディスク半径方向に力を加える
    補助駆動機構を配置し、前記キャリッジに、前記ディス
    ク半径方向に力を加える主駆動機構を有する光ディスク
    ドライブにおいて、 前記補助駆動機構は電磁力を発生させる第1の電磁駆動
    要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の電磁駆動要
    素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆動要素がベ
    ースに固定されている場合に、前記補助駆動機構が発生
    する力は、前記主駆動機構が発生する力に、前記キャリ
    ッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レンズ
    部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力より
    も大きいことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
  7. 【請求項7】前記支持機構は、前記対物レンズの光軸方
    向に移動するときに、変形の方向が板厚方向になるよう
    に構成された前記光学式ディスクの記録面と直交する方
    向の断面形状が直線状の平行板バネであることを特徴と
    する請求項6記載の光ディスクドライブ装置。
  8. 【請求項8】光学式ディスクに光束を収束させる対物レ
    ンズを保持する対物レンズ部を、少なくとも前記対物レ
    ンズの光軸方向に移動可能とする支持機構を用いてキャ
    リッジに取り付け、前記キャリッジを、ベースに対して
    前記ディスク半径方向に移動自在に支持し、さらに、前
    記対物レンズ部に、前記ディスク半径方向に力を加える
    補助駆動機構を配置し、前記キャリッジに、前記ディス
    ク半径方向に力を加える主駆動機構を有する光ディスク
    ドライブにおいて、 前記補助駆動機構は電磁力を発生させる第1の電磁駆動
    要素と第2の電磁駆動要素とを含み、第1の電磁駆動要
    素が対物レンズ部に固定され、第2の電磁駆動要素がベ
    ースに固定されている場合に、前記補助駆動機構が発生
    する力は、前記主駆動機構が発生する力に、前記キャリ
    ッジ部の質量もしくは慣性モーメントと前記対物レンズ
    部の質量もしくは慣性モーメントの和と前記対物レンズ
    部の質量もしくは慣性モーメントとの比をかけた力より
    も大きいことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
  9. 【請求項9】前記支持機構は、前記対物レンズの光軸方
    向に移動するときに、変形の方向が板厚方向になるよう
    に構成された前記光学式ディスクの記録面と直交する方
    向の断面形状が直線状の平行板バネであることを特徴と
    する請求項8記載の光ディスクドライブ装置。
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