JPH0990898A - 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置 - Google Patents

冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置

Info

Publication number
JPH0990898A
JPH0990898A JP25153895A JP25153895A JPH0990898A JP H0990898 A JPH0990898 A JP H0990898A JP 25153895 A JP25153895 A JP 25153895A JP 25153895 A JP25153895 A JP 25153895A JP H0990898 A JPH0990898 A JP H0990898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold cathode
electrode
voltage
electron beam
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25153895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2748901B2 (ja
Inventor
Hideo Makishima
秀男 巻島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP25153895A priority Critical patent/JP2748901B2/ja
Publication of JPH0990898A publication Critical patent/JPH0990898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2748901B2 publication Critical patent/JP2748901B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極電流量の変化に係わらず常に最適あるいは
最適に近い集束状態を保持し、高い周波数まで動作す
る、冷陰極駆動回路ならびにこれを用いた表示装置、撮
像装置などの電子ビーム装置を実現する。 【解決手段】 本発明の冷陰極駆動回路においては、制
御電極ならびに集束電極に印加する電圧の比を調節可能
な一定値あるいは制御電極ならびに集束電極に印加する
電圧の差を調節可能な一定値に保持しながら、電子ビー
ム電流を変化させる。さらに、電流電圧変換手段によっ
て電子ビーム電流情報を電圧情報に変換し、これを高周
波信号成分を含む入力変調信号と比較して両者が常に等
しくなるように冷陰極素子に加える電圧あるいは電流を
制御する。さらに、この冷陰極駆動回路を用いて撮像装
置、マイクロ波管増幅装置、表示装置などの電子ビーム
装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜技術等によっ
て製作する冷陰極の駆動回路、特に電子引き出し電極
(ゲート電極あるいは制御電極)と集束電極を同一基板
上に集積した冷陰極から放出する電子ビームの電流量と
集束状態を制御する駆動回路、ならびにこれを用いた撮
像装置、マイクロ波増幅装置、表示装置などの電子ビー
ム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタと、エミッタの
すぐ近くに形成され、エミッタからの電流を引き出す機
能ならびに電流制御機能を持つ制御電極で構成された微
小冷陰極をアレイ上に並べた電界放射冷陰極が提案され
ている(Journal ofApplied Phy
sics,Vol.39,No.7,pp.3504,
1968)。この電界放射冷陰極の構造を図8(a)に
示す。図8(a)において、101はシリコンの基板、
102はシリコン酸化物の絶縁層で、絶縁層102の上
に制御電極103が積層されている。絶縁層102と制
御電極103の一部は除去されて、基板101の上に先
端の尖ったエミッタ104が形成されている。エミッタ
104、制御電極103および制御電極103と絶縁層
102に形成されたキャビティで微小冷陰極107が形
成され、この微小冷陰極107を多数アレイ状に並べて
平面上の電子放出領域を持つ冷陰極108が形成され
る。図8(b)はこの冷陰極108を構成する一つの微
小冷陰極107の断面図を示す。この冷陰極108は、
従来の熱陰極と比較して高い電流密度が得られ、放出電
子の速度分散が小さい等の利点を持つ。また、数10〜
200Vの低い電圧で動作し、比較的悪い真空度の環境
中でも動作する。
【0003】しかし、このような冷陰極から放出される
電子には横方向の速度成分を持つ成分が含まれる。これ
は主にエミッタ104先端付近の電位分布がエミッタ1
04先端の鋭い尖りによって強く歪み、電子に横方向の
速度成分を発生させるためである。このような電位分布
の歪みによって生じる横方向速度成分は電子が先端の尖
ったエミッタから放出される電界放射冷陰極固有のもの
で、従来の熱陰極では平面状の陰極より電子が放出され
るため、このような横方向速度成分は含まれない。熱陰
極から放出される電子が持つ熱速度成分は陰極の直前に
存在する空間電荷層で緩和されるためのその影響は小さ
い。
【0004】この横方向の速度成分を持つ電子は、電子
ビームを利用した機器あるいは装置の特性を劣化させ
る。たとえば、平面ディスプレイ装置に適用すれば、隣
の画素の蛍光体を発光させ、解像度や色純度の劣化原因
になる。また、撮像管に適用すると十分な電子ビームの
集束が実現できず、高い解像度の達成が不可能になる。
これを解決するため、特開平5−242794には、図
8(c)に示すように、図8(b)の制御電極103の
上に更に絶縁層105、集束電極106を積層して集束
作用を持たせる冷陰極が開示されている。
【0005】一方、pn接合型、MIM型(MOS型、
MIS型)などの冷陰極を制御する方法として、図9,
10,11に示す方法が開示されている(特開昭63−
136437)。この方法では電子放出素子(図9,1
0,11ではMEB)の両端に流れる電流を温度変化な
どにかかわらず一定に保つことによって放出電流を一定
に保つものである。この方法はMEBの両端に流れる電
流と放出電流がほぼ比例することを利用して、MEBに
流れる電流を一定に保とうとしたものである。
【0006】更に、従来の受像管において、電子ビーム
の集束を回路的に制御する方法がある。一つは、スクリ
ーン上のビームの位置によらずに常に最良の集束状態を
保つため、偏向コイル電流に同期した電圧を受像管の集
束電極の一部に挿入された4重極レンズ電極に印加する
方法である。
【0007】もう一つは、輝度変化に伴い集束状態を最
適に補正する方法である。特公昭52−018547に
は、図12に示すように、主レンズを構成する電極の一
つである第5グリッド109に陰極に印加する信号と定
電圧比信号を印加する方法が開示されている。本方法
は、電流変調に伴うクロスオーバーの位置の変動を主レ
ンズの強度を変えて常に最適集束ビームスポットを得よ
うとしたものである。
【0008】また、特開平7−085812には、図1
3に示すように電子ビーム電流を変調する電圧を受像管
の集束電極の間に挿入された補正電極に印加する方法が
開示されている。図13において、110は電子ビーム
の集束改善のために導入された補正電極で、第1加速電
極111と集束電極112との間に両者とは等距離離し
て設置され、電流変調用電圧を増幅した電圧が印加され
る。補正電極110に印加する電圧によって、主静電レ
ンズ113の集束条件を陰極114に印加される輝度変
調信号に応じて最適に補正する。
【0009】さらに、特開昭50−146264には、
図14に示すように、受像管(CRT)電子銃の任意電
極間に電子ビーム電流変化に応じて変化する電圧の印加
される電極である副第2グリッド115を配設し、電子
ビーム電流増加に伴うビームスポット径増大を抑制する
技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8(c)に示す従来
の技術では、絶縁層102は薄膜技術で形成されている
ため、その厚さはせいぜい2〜3μm程度であり、エミ
ッタ104からの放出電流に影響するエミッタ先端付近
の電界強度は制御電極電圧ばかりでなく、集束電極電圧
によっても強く影響を受ける。この結果、集束状態の制
御のために集束電極電圧を変えるとエミッション電流も
変化する。逆に、エミッション電流制御のためにゲート
電極電圧を変えると最適な集束状態から離れて、基板と
平行方向の電子速度成分(横方向速度成分)が増加する
という不都合がある。
【0011】図9,10,11に示す従来技術は、pn
接合型やMIM型のように素子に電流を流すタイプの冷
陰極において、電子ビーム電流を一定にする効果はある
が、電界放出型の冷陰極のように素子に電流を流さない
タイプの冷陰極には適用できない。また、電子ビームの
集束状態を制御する機能はない。さらに、図9,10,
11に示す従来技術は放出電流を検出して制御する方法
を採用していないので、pn接合型やMIM型のように
素子に電流を流すタイプの冷陰極であっても、制御電流
−ビーム電流の関係には素子の特性に依存する直線性と
傾きがあり、完全な制御電流−ビーム電流の直線性を実
現することは困難である。
【0012】図12〜図14で主レンズ系の集束条件を
最適に補正したとしても、薄膜技術で形成された冷陰極
では個々の微小冷陰極の集束条件を補正することができ
ないので最良の集束条件は決して得られない。また、熱
陰極を使用した従来の受像管や撮像管においては、電子
ビーム電流は陰極とG1電極の間の電圧および陰極とG
2電極の間の電圧でほぼ決まり、電子ビームの集束状態
を制御するG3電極やG4電極などの電圧の影響を受け
ない。一方、薄膜技術で形成された冷陰極では、集積さ
れた集束電極の電圧を変えると微小冷陰極の集束状態が
変化すると同時にエミッション電流も変化するため、従
来技術である図12〜図14は、薄膜技術で形成された
冷陰極には不十分である。
【0013】なお、薄膜技術で形成された冷陰極でも、
図12〜図14で補正される主レンズの集束条件の変化
も予想されるのでこの補正は原理的には必要であり、こ
れに加えて冷陰極固有の補正として個々の微小冷陰極の
集束条件の変化を補正しなければならない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の冷陰極駆動回路
においては、ゲート電極ならびに集束電極に印加する電
圧の比を調節可能な一定値あるいはゲート電極ならびに
集束電極に印加する電圧の差を調節可能な一定値に保持
しながら、ゲート電極電圧を変えて電子ビーム電流を変
化させる。
【0015】さらに、電流電圧変換手段によってエミッ
ション電流あるいは電子ビーム電流情報を電圧情報に変
換し、これを高周波信号成分を含む入力変調信号と比較
して両者が常に等しくなるように冷陰極素子に加える電
圧あるいは電流を制御する。
【0016】さらに、この冷陰極駆動回路を用いて撮像
装置、マイクロ波管増幅装置、表示装置などの電子ビー
ム装置を構成する。
【0017】この結果、微小冷陰極から放出される電子
の発散角を電子ビーム電流値に関わらず常に最良あるい
は最良に近い状態に保つことができる。このため、この
駆動回路を用いた電子装置の電子ビーム集束状態を電子
ビーム電流値に関わらず常に最良あるいは最良に近い状
態に保つことができる。逆に、電子ビームの集束状態を
制御しても電子ビーム電流が変化せず、電子ビームの電
流を一定値に保持することができる。
【0018】さらに、ゲート電極の静電容量の充放電に
必要な電力を小さくできるので、電流変調回路の負荷が
小さくなり、電流変調回路の消費電力が軽減され、周波
数特性を改善することができる。
【0019】さらに、この冷陰極駆動回路を冷陰極採用
の撮像管、マイクロ波管、受像管のような電子ビームデ
バイスに適用すれば、集束と電子ビーム電流を独立に制
御でき、電子ビーム電流値に関わらずに常に最良に近い
集束状態を保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明について図面を参照して詳
細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す
冷陰極駆動回路図で、冷陰極には電界放射冷陰極を使用
した回路である。図1において、基板1の上に絶縁層2
が堆積されており、絶縁層2の上には金属薄膜の制御電
極(ゲート電極)3が積層されている。絶縁層2と制御
電極3には単数あるいは複数のキャビティが形成され、
その中に円錐状のエミッタ4が形成されている。制御電
極3の上には絶縁層5、集束電極6がエミッタ4の付近
を除いて積層されている。基板1、絶縁層2、制御電極
3、エミッタ4、絶縁層5、集束電極6で微小冷陰極7
が構成され、単数あるいは複数の微小冷陰極7で冷陰極
15が構成される。実際には、エミッタ4から放出され
た電子ビーム8は陽極9に衝突し、正の電圧を発生する
陽極電源10に流れる。この電流は検出抵抗11に流れ
回路は完結する。検出抵抗11では電子ビーム8の電流
に比例した電圧がその両端に発生し、この電圧はたとえ
ば演算増幅器で構成された誤差増幅器13の反転入力
(−)に入る。一方、誤差増幅器13の非反転入力
(+)には、可変抵抗器12で作られた直流電圧が入力
する。
【0021】誤差増幅器13ではその非反転入力電圧と
反転入力電圧が等しくなるように出力電圧が作られ、こ
の電圧が制御電極3に加えられる。この結果、電子ビー
ム8の電流は可変抵抗器12で設定した電圧に追従した
ものになる。もし、エミッタ4の表面状態が変化し、電
子放出が容易になった場合、誤差増幅器13の出力電圧
が減少し、制御電極3の電圧を低下させて常に非反転入
力電圧に追従した電流の電子ビームが形成されて、可変
抵抗器12で設定された初期値の一定電流値に保持され
る。
【0022】集束電極6には制御電極3に印加する電圧
を可変抵抗器14で分圧した電圧が加えられる。この結
果、制御電極3の電圧と集束電極6の電圧の比は可変抵
抗器14で設定した値に常に保たれる。
【0023】いま、冷陰極付近の電界分布から電子軌道
を考察する。エミッタ4の高さ、絶縁層2の厚さ、およ
び制御電極開口径はいずれも1μm程度で、絶縁層5の
厚さおよび集束電極6の開口径はいずれも約1.5〜3
μm程度である。これに対し、陽極9と制御電極3との
間の距離は、用途にもよるが一般には100μm以上の
ことが多い。この時、エミッタ4の先端から集束電極6
付近までの電位分布は制御電極3と集束電極6の電圧で
ほぼ決定され、陽極電圧の影響は極めて小さい。この状
態の時、制御電極3の電圧と集束電極6の電圧の比を一
定に保持すれば、等電位面の形状は変化せず、従ってエ
ミッタ4から放出される電子の軌道もほぼ同一に保たれ
る。完全に同一にならない原因には電子ビーム電流変化
に伴う空間電荷効果の変化ならびに陽極電圧の影響が考
えられる。空間電荷の影響は、一つのエミッタから放出
される電流が10μA以下ならば、大きくはない。
【0024】従って、図1に示す回路においては、可変
抵抗器14によってあるビーム電流における集束状態を
調節すれば、可変抵抗器12あるいは検出抵抗11など
によって電子ビーム電流の設定値を変えてもほぼ同じ集
束状態が保持される。また、逆に可変抵抗器14によっ
て集束状態を変えても、電子ビーム8の電流は一定に保
たれる。
【0025】また、この実施の形態においては、周波数
特性の優れた演算増幅器の動作周波数は数100MHz
程度まで達しているのに対し、電界放射冷陰極特有のパ
ルス状雑音や1/f状雑音の周波数成分はたかだか数1
0kHz以下であるので、これらの雑音が実効的に影響
を及ぼす周波数においては誤差増幅器10は十分な閉ル
ープ利得があり、雑音成分を十分に抑圧することが出来
る。
【0026】図2は本発明の第2の実施の形態を示す冷
陰極駆動回路図で、冷陰極には電界放出冷陰極を使用し
た回路である。図2において、図1と同じ番号は図1と
同じ構成要素を示し、それ以外の構成要素、17は制御
電極電源である。図2は図1の簡略化した回路で、電子
ビーム8の電流を一定にする機能が省略されている。制
御電極3に印加する電圧は制御電極電源17で発生さ
れ、集束電極6には制御電極3に印加する電圧を可変抵
抗器14で分圧した電圧が印加される。この結果、制御
電極3の電圧と集束電極6の電圧の比は可変抵抗器14
で設定した値に常に保たれる。
【0027】図2においても、可変抵抗器14によって
あるビーム電流量における集束状態を調節すれば、制御
電極電源17の出力電圧によってエミッタ4から取り出
す電子ビーム電流設定値を変えてもほぼ同じ集束状態が
保持される。ただし、電子ビーム8の電流を一定にする
機能が省略されているため、制御電極電圧を変えなくと
も可変抵抗器14の設定を変えて集束状態を変えればビ
ーム電流は変化する。
【0028】なお、第1の実施の形態、第2の実施の形
態において電流量を変えると、空間電荷効果、静電レン
ズひずみの影響、陽極電極電圧の影響のため完全に同じ
集束状態が厳密には維持できない。完全な最良状態を常
に実現するには、制御電極3と集束電極6に印加する電
圧を一定比電圧から僅かに補正が必要になる。このよう
な一定比電圧を僅かに補正した電圧を印加することも本
発明の思想に含まれることは明らかである。
【0029】図3は本発明の第3の実施の形態を示す冷
陰極駆動回路を使用した電子装置である撮像装置で、図
1と同じ番号は図1と同じ構成要素を示している。図3
において、冷陰極15は撮像管49の中に納められてい
る。冷陰極15から放出された電子は、撮像管49の電
極であるグリッド50で加速されて電子ビーム8とな
り、静電型の集束・偏向電極51でさらに集束されると
同時に、変更されて所定の位置の光導電膜53を衝撃す
る。電子ビーム電流8の一部は電子銃の方向に戻り、残
りは光導電膜53、透明導電膜54を通り、管外の負荷
抵抗55を通って電源40に流れこむ。負荷抵抗55に
流れた電流は、負荷抵抗55の両端に電子ビーム電流す
なわち光導電膜53に当たった光の強度に比例した電圧
すなわち映像信号を発生する。39はグリッド50に印
加する正の電圧を発生する電源で、52は集束・偏向電
極を駆動する信号を作る偏向制御回路である。
【0030】電子ビーム電流は検出抵抗11で検出さ
れ、電流に比例する電圧は誤差増幅器13で基準電圧と
比較され、誤差増幅器13の出力はこの電流が一定にな
るように冷陰極15の制御電極3に印加され、同時に可
変抵抗14で分圧された出力は冷陰極15の集束電極6
に印加される。同様の駆動回路構成は撮像管以外の電子
ビーム装置、たとえばマイクロ波管増幅装置などにも適
用できる。
【0031】なお、第3の実施の形態ではターゲット電
流に信号成分が含まれるため、陰極電流を検出する回路
を示したが、第1,第2の実施の形態と同様に陽極電流
を検出する方法もマイクロ波管増幅装置などに適用でき
る。ただし、検出抵抗11の電圧の極性に合わせて可変
抵抗器12のバイアス電圧を第1の実施の形態の場合は
負、第3の実施の形態の場合には正にする。
【0032】図4は本発明の第4の実施の形態を示す冷
陰極駆動回路図である。図4においては、図1に示す第
1の実施の形態の機能の他に、さらに、入力信号によっ
て電子ビーム電流を変調する機能が含まれている。図1
と同じ番号は図1と同じ構成要素を示している。増幅回
路19,入力抵抗20,抵抗21,抵抗22によって入
力信号を増幅する増幅器23を構成する。増幅器23の
出力は誤差増幅器13の非反転入力端子(+)に伝えら
れて、電子ビーム変調の基準信号となり、検出抵抗11
の両端の電圧がこの基準信号と等しくなるように微小冷
陰極7の制御電極3に電圧が印加される。
【0033】図4においては、信号入力に加えた信号電
圧波形に完全に追従した電子ビーム電流が流れる。この
時、信号レベルに関係なく、すなわち変調された電子ビ
ーム電流の値に関係なく常にほぼ同様な集束状態が保た
れる。
【0034】また、微小冷陰極7(および冷陰極15)
のエミッタ4と制御電極3の間の電圧がある閾値を超え
ると電子放出が開始され、この電圧を増加させると放出
電子数(電流)も増加する。しかし、この閾値と電圧増
加に対する電流増加の割合は、制御電極3やエミッタ4
の構造のわずかな違いによって大幅に変わり、個々の冷
陰極によって、大きな違いがある。しかし、図4から明
らかなように冷陰極15は誤差増幅器13の帰還ループ
の中に納められているので、個々の冷陰極15の特性や
特性の経時変化および環境変化に関係なく、増幅器19
に一定の電圧波形を加えれば、常に同じ電流波形が得ら
れる。特に、電界放出冷陰極の電圧電流特性は強い非直
線性を示すが、この回路によれば、電流電圧特性に常に
完全な直線性を持たすことができる。
【0035】さらに、図4に示す回路においては、信号
入力に対し、集束電極6の電圧が制御電極(ゲート電
極)6の電圧と同じ方向に変化するため、集束電極6電
圧一定の場合と比較して見かけ上の制御電極3の入力静
電容量が減少し、制御電極3を駆動する信号増幅回路の
負荷が軽減され、周波数特性が改善できる。
【0036】図5は本発明の第5の実施の形態を示す冷
陰極駆動回路図である。図4の第4の実施の形態と比較
して電子ビーム電流を一定に保持する機能が省略されて
いる。図5において、図1,図4と同じ番号は図1,図
4と同じ構成要素を示しており、図1,図4に示されて
いない入力キャパシタ24とチョークコイル25は入力
信号と制御電極電源17を分離する。
【0037】図5においても、可変抵抗器14によって
ある電子ビーム電流における集束状態を調節すれば、制
御電極電源17によって電子ビーム電流値を変えても同
じ集束状態が保持される。さらに、信号入力に応じて電
子ビーム電流が変化しても常にほぼ同じ集束状態が保持
できる。ただし、電子ビーム8の電流を一定にする機能
が省略されているため、制御電極電圧を変えなくとも可
変抵抗器14の設定を変えて集束状態を変えればビーム
電流は変化する。
【0038】図6(a)は本発明の第6の実施の形態を
示す冷陰極駆動回路図、図6(b)は可変低電圧電源の
一例で、ツェナダイオード、可変抵抗、固定抵抗で構成
される。図5に示す第5の実施の形態と比較して、集束
電極6には制御電極3に対し調整可能な一定電圧差の電
圧が印加されるところが異なる。図6において、図1〜
図5と同じ番号は図1〜図5と同じ構成要素を示してお
り、図1〜図5に示されていない可変低電圧電源25は
制御電極3と集束電極6との電圧差を常に一定に保つ。
【0039】集束電極6には制御電極3に対し調整可能
な定電圧差の電圧が印加されているので、制御電極電圧
変化に対して必ずしも一定の等電位面形状が保たれな
い。従って、信号入力電圧によっては最良の集束状態に
はならない可能性があるが、使用用途によっては十分許
容可能である。しかし、交流信号成分については、集束
電極6と制御電極3との間の静電容量が電子ビーム変調
信号源の負荷容量とはならないので、集束電極電圧一定
の場合と比較して負荷容量は約1/2となり、電子ビー
ム変調信号源の負荷が軽減され、変調信号の周波数応答
特性を改善することができる。
【0040】図7は本発明の第7の実施の形態で、冷陰
極駆動回路を使用した電子装置である受像管(CRT)
表示装置である。図7において、図1と同じ番号は図1
と同じ構成要素を示している。冷陰極15は陰極線管3
2の中に納められている。冷陰極から放出された電子
は、陰極線管32の中の電極で、電子銃を構成する第1
電極33、第2電極34、第3電極35で集束、加速さ
れて電子ビーム8となり、偏向コイル36で偏向されて
所定の位置の蛍光体を衝撃する。電子ビーム電流は蛍光
体と接続された陽極端子38を通して陽極電源10に流
れこむ。同じ電流は検出抵抗11にも流れ、検出抵抗1
1の両端に電子ビーム電流に比例した電圧を発生する。
39,40,41はそれぞれ第1電極33、第2電極3
4、第3電極35に印加する正の電圧を発生する電源で
ある。入力の映像信号は入力抵抗20を通して冷陰極駆
動回路に入力する。なお、この実施の形態に示す冷陰極
駆動回路は電界放射平面ディスプレイ(FED)装置に
も適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
冷陰極の尖った先端を持つエミッタから放出される電子
の軌道を電子ビーム電流値に関わらず常に最良あるいは
最良に近い状態に保つことができる。このため、この駆
動回路を用いた電子装置の電子ビーム集束状態を電子ビ
ーム電流値に関わらず常に最良あるいは最良に近い状態
に保つことができる。逆に、電子ビームの集束状態を制
御しても電子ビーム電流が変化せず、電子ビームの電流
を一定値に保持することができる。
【0042】この冷陰極駆動回路を、受像管を用いた表
示装置および平面ディスプレイを用いた表示装置に適用
すれば、電子ビーム量と集束状態を独立に制御でき、画
面の輝度の変化に対しても常に良好な集束を保持するこ
とができる。さらに、変調信号の周波数応答特性を改善
することができる。
【0043】この冷陰極駆動回路を撮像管を用いた撮像
装置やマイクロ波管を用いたマイクロ波管増幅装置に適
用しても、電子ビーム量と集束状態を独立に制御でき、
一般の電子ビーム応用装置にも適用可能である。
【0044】また、冷陰極の微小構造や表面状態が変化
しても、また、冷陰極素子の安定性が不十分であって
も、電流雑音や不安定性がなく、100MHz以上の周
波数で変調された電子ビームを形成することができる。
また、入力電圧波形に比例あるいは任意の変換関数で変
換され電流波形や、特定の周波数成分を強調あるいは抑
圧した電子ビーム電流を得ることが出来る。
【0045】さらに、この駆動回路に入力する信号の電
圧波形を常に一定の規格(電圧振幅)とすれば、冷陰極
の特性に関係なく常に一定の電流振幅の電子ビームが得
られ、このため、回路の調整が極めて簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の冷陰極駆動回路を
示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の冷陰極駆動回路を
示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の冷陰極駆動回路を
用いた撮像装置を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の冷陰極駆動回路を
示す図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の冷陰極駆動回路を
示す図である。
【図6】(a)は本発明の第6の実施の形態の冷陰極駆
動回路,(b)はこれに用いる可変定電圧電源回路であ
る。
【図7】本発明の第7の実施の形態の冷陰極駆動回路を
用いた表示装置を示す図である。
【図8】従来例の電界放射冷陰極の構造で、(a)は冷
陰極の構造、(b)は制御電極付き微小冷陰極の断面
図、(c)は制御電極、集束電極付き微小冷陰極の断面
図である。
【図9】従来例の電子放出装置の回路図である。
【図10】従来例の電子放出装置の回路図である。
【図11】従来例の電子放出装置の回路図である。
【図12】従来例の受像管装置を示す図である。
【図13】従来例の受像管装置を示す図である。
【図14】従来例の受像管装置で、(a)は断面図、
(b)は原理図である。
【符号の説明】
1,101 基板 2,5,102,105 絶縁層 3,103 制御電極 4,104 エミッタ 6,106,112 集束電極 7,15,108 冷陰極 8 電子ビーム 9 陽極 10 陽極電源 11 検出抵抗 12,14 可変抵抗器 13 誤差増幅器 17 制御電極電源 19 増幅回路 20 入力抵抗 21,22 抵抗 23 増幅器 24 入力キャパシタ 25 チョークコイル 26 可変低電圧電源 32 陰極線管 33 第1電極 34 第2電極 35 第3電極 36 偏向コイル 37 蛍光体 38 陽極端子 39,40,41 電源 49 撮像管 50 グリッド 51 集束・偏向電極 52 偏向制御回路 53 光導電膜 54 透明導電膜 55 負荷抵抗 107 微小冷陰極 109 第5グリッド 110 補正電極 111 第1加速電極 113 主静電レンズ 114 陰極 115 副第2グリッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、電子放出電極と、前記電子
    放出電極からの電子放出を制御する第1の電極と、放出
    された電子の軌道に影響を与える電圧が印加された第2
    の電極を同一の基板上に形成した冷陰極と、前記第1の
    電極に印加する電圧と前記第2の電極に印加する電圧の
    比を一定に保つ電気回路とを有することを特徴とする冷
    陰極駆動回路。
  2. 【請求項2】 少なくとも、電子放出電極と、前記電子
    放出電極からの電子放出を制御する第1の電極と、放出
    された電子の軌道に影響を与える電圧が印加された第2
    の電極を同一の基板上に形成した冷陰極と、前記第1の
    電極に印加する電圧と前記第2の電極に印加する電圧の
    差を一定に保つ電気回路とを有することを特徴とする冷
    陰極駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の冷陰極駆動回路
    において、放出された電子の電流量を一定とするように
    前記第1の電極に印加する電圧を制御する回路を備える
    ことを特徴とする冷陰極駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の冷陰極駆動回路
    において、放出電流を検出する電流電圧変換手段の出力
    電圧と、入力信号電圧とを電圧比較手段で比較し、両者
    が等しくなるように第1の電極に印加する電圧を制御す
    ることを特徴とする冷陰極駆動回路。
  5. 【請求項5】 電子ビームを放出する陰極を備える電子
    ビーム装置において、前記陰極として請求項1または請
    求項2または請求項3または請求項4記載の冷陰極駆動
    回路を用いることを特徴とする電子ビーム装置。
JP25153895A 1995-09-28 1995-09-28 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置 Expired - Lifetime JP2748901B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25153895A JP2748901B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25153895A JP2748901B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0990898A true JPH0990898A (ja) 1997-04-04
JP2748901B2 JP2748901B2 (ja) 1998-05-13

Family

ID=17224314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25153895A Expired - Lifetime JP2748901B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2748901B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324955A (ja) * 2000-05-17 2001-11-22 Futaba Corp 輝度調整装置及び電界放出形表示素子
US7329978B2 (en) 2003-03-12 2008-02-12 Sony Corporation Cold cathode field emission display
JP2010231904A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 電子源アレイ並びにそれを備えた撮像装置及び表示装置
JP2011086454A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 電子放出素子、それを備えた表示装置及び撮像装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324955A (ja) * 2000-05-17 2001-11-22 Futaba Corp 輝度調整装置及び電界放出形表示素子
US7329978B2 (en) 2003-03-12 2008-02-12 Sony Corporation Cold cathode field emission display
JP2010231904A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 電子源アレイ並びにそれを備えた撮像装置及び表示装置
JP2011086454A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 電子放出素子、それを備えた表示装置及び撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2748901B2 (ja) 1998-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2907113B2 (ja) 電子ビーム装置
US5850120A (en) Electron gun with a gamma correct field emission cathode
US5910792A (en) Method and apparatus for brightness control in a field emission display
JP2004514253A (ja) 表示装置及び陰極線管
JP2004512559A (ja) 電界放出型冷陰極素子の駆動方法及び駆動装置
US5814931A (en) Cold cathode and cathode ray tube using the cold cathode
JP2551984B2 (ja) 走査電子顕微鏡
JP2748901B2 (ja) 冷陰極駆動回路およびこれを用いた電子ビーム装置
JP2687886B2 (ja) 冷陰極電流変調回路とこれを用いた表示装置
JPH11224618A (ja) Crt用電子銃および電子流を制御する方法
JP2002311877A (ja) 受像管の駆動方法および駆動装置
Van Der Vaart et al. 54.1: Invited Paper: A Novel Cathode for CRTs based on Hopping Electron Transport
US7365481B2 (en) Field emission device with change in emission property
JP2783202B2 (ja) 電界放出型電子銃及びその制御方法
KR100440526B1 (ko) Crt 표시 장치
JP2865297B2 (ja) 画像表示装置
JPS63150835A (ja) 陰極線管
US4529915A (en) CRT Focus control circuit
EP1363312A2 (en) Color image display device
JP2956613B2 (ja) 電界放射型電子銃の駆動方法
US3065375A (en) Cathode ray device
JPH0447886Y2 (ja)
KR100489950B1 (ko) 평판형 디스플레이 소자의 편향 회로
JP3407473B2 (ja) 陰極線管制御装置
JPH05211641A (ja) 輝度測定による陰極線管のカットオフ電圧のサーボ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980120