JPH0990557A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0990557A
JPH0990557A JP7243164A JP24316495A JPH0990557A JP H0990557 A JPH0990557 A JP H0990557A JP 7243164 A JP7243164 A JP 7243164A JP 24316495 A JP24316495 A JP 24316495A JP H0990557 A JPH0990557 A JP H0990557A
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JP
Japan
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sps
silver halide
acid
stretching
photographic support
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JP7243164A
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English (en)
Inventor
Shigeru Shiozaki
茂 塩崎
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腰が強く、寸法安定性のよい、透明なしかも
軽重量のシンジオタクティックポリスチレン系写真用支
持体を有するハロゲン化銀写真感光材料を提供する。特
に軽量で、腰が強いX線医療用ハロゲン化銀写真感光材
料を提供する。 【構成】 縦方向及び横方向のヤング率が共に460k
gf/mm2以上である二軸延伸シンジオタクティック
ポリスチレン系写真用支持体を有するハロゲン化銀写真
感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸延伸シンジオタク
ティックポリスチレン系写真用支持体を有するハロゲン
化銀写真感光材料に関する。詳しくは縦方向及び横方向
のヤング率が共に460kgf/mm2以上を満足する
二軸延伸シンジオタクティックポリスチレン系写真用支
持体を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0002】
【従来の技術】X線医療用ハロゲン化銀写真感光材料
(以下X線フィルムと略すことがある)の写真用支持体
にはポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)
フィルムが用いられている。以前はセルローストリアセ
テート写真用支持体(以下TACフィルムと略す)が用
いられていたが、弾性率が小さくて腰が弱く、診断時シ
ャーカステンに診断X線フィルムを差し込むのが困難で
あったこと、また、支持体自身の吸水性が大きく現像処
理において、乾燥に時間がかかり、即時診断に間に合わ
なかったことなどから、比較的ヤング率が大きく、腰が
強く、吸水性の小さなPET写真用支持体がX線フィル
ムに用いられ診断の迅速性が可能になった。この他に、
TAC写真用支持体のX線フィルムは厚さが230μm
と厚く、包装の嵩が大きく、また重量も大きかったた
め、物流上も問題があった。そのような欠点を解決する
ために、ヤング率が大きく、腰があり、しかも吸水性の
小さなPET写真用支持体がX線フィルムに用いられる
ようになった。
【0003】一方、印刷用ハロゲン化銀写真感光材料
(以下印刷用フィルムと略すことがある)においては、
TAC写真用支持体では湿度膨張係数が大きく、ヤング
率が小さく、また吸水性が大きいため印刷用フィルムの
伸び縮みの量が大きく、寸法安定性に欠けていた。これ
についても、PET写真用支持体に置き換えられた。
【0004】しかしながら、PET写真用支持体を用い
たハロゲン化銀写真感光材料においても、問題があり、
X線フィルムでは、ハロゲン化銀写真感光材料の包装状
態での重量が大きく、厚みが175μmとTAC写真用
支持体と同様に嵩張るため物流的に問題があった。また
印刷用フィルムでは寸法安定性に問題があり、このよう
な課題を解決出来る画期的な写真用支持体が求められて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ハロゲン化銀写真感光
材料の写真用支持体の腰の強さ、あるいは湿度膨張係数
の大きさはいずれもヤング率の大小に関係がある。即
ち、腰の強さはE・t3と、また湿度膨張係数はσ/
(E・△%RH)と密接な関係がある。ここで、Eはヤ
ング率、tはハロゲン化銀写真感光材料の厚さ、σは湿
度変化により発生する応力である。このように、いずれ
もヤング率Eに関係することがわかる。つまりEが大き
ければ、腰の強さは強くなり、また湿度膨張係数は小さ
くなる。
【0006】本発明は、腰が強く、軽量で、かつ寸法の
安定したハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあ
る。詳しくは、種々の物性値を概ね満足し、しかもヤン
グ率の大きい写真用支持体を有するハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0007】本発明者はこのような観点から鋭意検討し
た結果、比重が小さく軽量で、透明性に優れ、吸水率の
非常に小さく湿度膨張係数の小さな、しかもある程度の
ヤング率を有するものとしてシンジオタクティックポリ
スチレン(以下SPSと略すことがある)系フィルムが
本発明の目的に適していると考え、ヤング率を上げるこ
とによって腰が強く、軽量で、しかも、湿度膨張係数の
小さな写真用支持体が得られると確信し、特に腰の強さ
について検討をした。
【0008】SPS系写真用支持体は軽量であるけれど
も、ヤング率が低く、X線医療用ハロゲン化銀写真感光
材料に適用した場合、シャーカステンに差し込みがしに
くいという欠点があると考えられる。本発明者は、ヤン
グ率を向上することによって、腰を強くし、シャーカス
テンに差し込み易く、かつ軽量で物流し易いX線医療用
ハロゲン化銀写真感光材料に特に有用であろうと考えた
のである。PET写真用支持体とヤング率が同じなら、
PETと比較して、同じ厚みの写真用支持体であれば、
SPS系写真用支持体の方が比重が小さく、ハロゲン化
銀写真感光材料の製品包装梱包が、25%も軽くするこ
とができるというメリットがある。またヤング率を大き
くすれば、逆に厚みを薄くすることも出来るのである。
【0009】なお、最近、SPSに関する色々な提案が
なされている。例えば、SPSは写真用としては特開平
3−131843号、同7−234478号、またその
他の用途のものとしては、特開平1−110122号、
同1−168709号、同1−182346号、同2−
279731号、同3−74437号、同3−1316
44号、同6−207636号、同6−322149
号、同7−013024号、同7−001643号、同
7−001644号、同7−24911号等に提案され
ているが、本課題を解決するには至らなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明を以下に詳述す
る。
【0011】本発明のSPSについて説明する。本発明
のSPS、すなわちシンジオタクティック構造を有する
ポリスチレン系重合体とは、立体規則性構造(タクティ
シティー)が、シンジオタクティック構造を有するも
の、すなわち、炭素−炭素結合から形成された主鎖に対
して側鎖であるフェニール基や置換フェニール基が交互
に反対方向に位置する立体構造を有するものである。S
PSは全ての主鎖のスチレン単位がシンジオタクティッ
ク構造を取っているのではなく、シンジオタクティック
構造のスチレン単位が幾つか繋がっている部分を有して
いて、それらが重なり合って結晶部分を形成している構
造になっている。この連鎖をラセモ連鎖といい、SPS
は主鎖にポリスチレンのラセモ連鎖を多く有している組
成物である。連続する複数個のスチレン構成単位が2個
の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の
場合はペンタッドと呼ばれ、本発明にいう主としてシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通
常ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以
上、若しくはラセミトリアッド60%以上、好ましくは
75%以上、若しくはラセミペンタッド30%以上、5
0%以上であることが好ましい。このタクティシティー
は同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)に
より定量することが出来る。
【0012】本発明のSPS系重合体は、スチレン単独
の重合体であってもよく、スチレン誘導体あるいはその
他の単量体それを含む組成物であってもよく、スチレン
の単独重合体であれば、特開昭62−117708号記
載の方法で重合することが出来、またその他の重合体に
ついては、特開平1−46912号、同1−17850
5号等に記載された方法により重合することにより得る
ことができる。
【0013】SPS系組成物を構成する重合体の具体的
な単量体としては、スチレンの他に、メチルスチレン等
のアルキルスチレン、クロロメチルスチレン、クロロス
チレン等のハロゲン化(アルキル)スチレン、アルコキ
シスチレン、ビニル安息香酸エステル等を挙げることが
できる。
【0014】本発明のSPS系写真用支持体がスチレン
以外のスチレン誘導体としての単量体を含有する場合に
は、15%以下含有してもよく、10%以下が好まし
い。特に5〜10%が好ましい。この場合スチレン誘導
体としては、4−メチルスチレンが好ましい。
【0015】本発明のシンジオタクティック構造を有す
るポリスチレン系樹脂は、上記のような原料単量体を重
合用触媒として、特開平5−320448号の4頁〜1
0頁に記載の(イ)(a)遷移金属化合物及び(b)ア
ルミノキサンを主成分とするもの、又は(ロ)(a)遷
移金属化合物及び(c)遷移金属化合物と反応してイオ
ン性錯体を形成しうる化合物を主成分とするものを用い
て重合して製造することが出来る。
【0016】本発明のSPS系写真用支持体に用いられ
るスチレン系重合体を製造するには、まず、前記スチレ
ン系単量体を十分に精製してから上記触媒のいずれかの
存在下に重合させる。この際、重合方法、重合条件(重
合温度,重合時間)、溶媒などは適宜選定すればよい。
通常は−50〜200℃、好ましくは30〜100℃の
温度において、1秒〜10時間、好ましくは1分〜6時
間程度重合が行われる。また、重合方法としては、スラ
リー重合法,溶液重合法,塊状重合法,気相重合法な
ど、いずれも用いることができ、連続重合,非連続重合
のいずれであってもよい。ここで、溶液重合にあって
は、溶媒として、例えばベンゼン,トルエン,キシレ
ン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素,シクロペン
タン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化
水素などを一種又は二種以上を組合わせて使用すること
ができる。この場合、単量体/溶媒(体積比)は任意に
選択することができる。また、重合体の分子量制御や組
成制御は、通常用いられている方法によって行えばよ
い。分子量制御は例えば水素,温度,単量体濃度などで
行うことができる。重合終了後は定法によりペレット化
して使用するのが好ましい。
【0017】本発明の写真用支持体に用いられるSPS
系重合体の分子量は、製膜される限りにおいては制限が
ないが、重量平均分子量で、10000〜300000
0であることが好ましく、特には30000〜1500
000のものが好ましい。またこの時の分子量分布(数
平均分子量/重量平均分子量)は、1.5〜8が好まし
い。この分子量分布については、異なる分子量のものを
混合することにより調整することも可能である。
【0018】本発明のSPS系写真用支持体を立体規則
性からみると、SPS系単独重合体であることが好まし
いが、シンジオタクティック構造の他に、主鎖がメソ連
鎖であるアイソタクティック構造を有するスチレン系重
合体(IPS)を混合してもよく、このものは結晶化速
度のコントロールが可能であり、より強固なフィルムと
することが出来る。SPSとIPSとを混合する際に
は、そのSPS:IPS比はお互いの立体規則性の高さ
に依存するが、30:70〜99:1が好ましく、特に
50:50〜98:2が好ましい。
【0019】本発明の写真用支持体中には、本発明の目
的を妨げない範囲において、機能性付与のために無機微
粒子、酸化防止剤、UV吸収剤、帯電防止剤、染料、顔
料、色素等をSPS系樹脂ペレット中に含有させること
が出来る。
【0020】写真用支持体を着色する際に用いられる染
料としては、高温で熱溶融して押し出すまでの間に、熱
で分解がおこるような染料は用いることが出来ない。従
って、350℃の温度に耐える染料が選ばれる。染料の
混合方法は、SPSペレットに撹拌式混合機で染料をま
ぶす方法、混練機でペレットと共に染料を溶融し、マス
ターペレットとし、使用時にバージンペレットと混合し
て押出機に導入して混合する方法等がある。本発明にお
いては、いずれの方法をも使用することが出来る。
【0021】高温耐熱性染料としては、下記の如きもの
があり、X線フィルムには青色の染料が使用されてお
り、またカラーフィルムの場合には2〜3色混合してニ
ュートラルな色にすることが行われている。
【0022】1,4−ジ(2,6−ジエチルアニリノ)
アンスラキノン 1,4−ジ(2,4,6−トリエチルアニリノ)アンス
ラキノン 1,4−ジ(2,6−ジメチルアニリノ)アンスラキノ
ン 1,4−ジ(2,6−ジエチル−4−メチルアニリノ)
アンスラキノン 1,4−ジ(2,メチル−6−イソプロピルアニリノ)
アンスラキノン 1,4−ジ(2,3,4,6−テトラメチル−5−シク
ロヘキシルアミノスルホニルアニリノ)アンスラキノン
と銅フタロシアニンの混合物 本発明のSPS系樹脂ペレットを製膜前に120〜18
0℃で、1〜24時間、真空下或いは、常圧下炭酸ガス
又は窒素等の不活性気体雰囲気下で乾燥することが好ま
しい。
【0023】本発明のSPS系写真用支持体の製膜につ
いて述べる。まず、製膜時に押し出す方法は、公知の方
法が適用出来、例えばTダイで押し出すことが好まし
い。真空乾燥されたSPSペレットを押出機に投入して
280〜350℃で溶融押出しして、キャスティングド
ラム上で静電印荷しながら冷却固化させて未延伸フィル
ムを作製する。
【0024】本発明のSPS系写真用支持体の製造法に
有用な延伸の方法は、縦および横方向の延伸温度、延伸
倍率、熱固定温度、および延伸の方法(縦延伸後、引き
続き横延伸する、あるいは、横延伸後、引き続き縦延伸
する逐次二軸延伸法、縦及び横両方向に同時に延伸する
同時二軸延伸法、縦、横、縦延伸あるいは、縦、縦、横
延伸等の三段延伸法等)等により異なり一義的には決め
られないが、これらのいずれの方式の組み合わせでも可
能である。
【0025】出来上がった延伸フィルムの縦方向および
横方向のヤング率は、それぞれ異なっていても良いが、
ハロゲン化銀写真感光材料としては、SPS系写真用支
持体の機械的、熱的特性等の物性上の観点から縦方向及
び横方向の物性がほぼ同じあることが好ましく、腰につ
いては出来るだけ同じヤング率であることが特に好まし
い。
【0026】ある方向の延伸の後の延伸によって、縦方
向、あるいは横方向のいずれかの配向がキャンセルされ
るので、縦方向及び横両方向の配向を出来るだけ保持す
ることが重要であり、両方向のヤング率を共に上げるた
めには、縦延伸時、および横延伸時共、特に横延伸時に
破断が発生しない程度に、極力延伸温度を低くして延伸
倍率を上げ、面配向が最適になる最適熱固定温度を採用
する事が必要である。
【0027】一般に、SPS系写真用支持体の製膜を逐
次二軸延伸方法で行う場合には、縦方向延伸温度を、未
延伸シートのガラス転移温度(Tg)95℃程度で、縦
及び横方向の延伸倍率として3.0〜3.3倍、縦延伸
温度として120〜130℃、横延伸温度を、縦延伸温
度より5〜10℃高い125〜140℃の温度範囲で延
伸し、次に、この二軸延伸フィルムを250〜260℃
で、3〜100秒熱処理するという製膜条件がとられ
る。このようにして得られたSPS系写真用支持体の縦
横両方向のヤング率はせいぜい大きくても400kgf
/mm2程度であって、本発明の目的には不十分であっ
た。
【0028】本発明者は、鋭意検討の結果、下記の製膜
法に到達したものである。すなわち、逐次2軸延伸方法
でSPS写真用支持体を製膜する場合、縦延伸温度は、
破断しない程度に、極力未延伸SPSシートのTgに近
いが、Tgより高い温度で延伸することが好ましいこと
を見いだした。
【0029】一般のポリマーでは、同一延伸倍率であれ
ば、延伸温度が低い程延伸方向への配向は大きくなり、
また延伸倍率の増加に伴って配向度が大きくなるのであ
る。
【0030】SPS系ポリマーにおいては、屈折率の数
値は縦方向及び横方向に延伸するに従って、延伸方向に
は小さく、厚み方向には大きくなるという構造的特徴が
ある。
【0031】本発明のSPS写真用支持体の製膜の延伸
温度は、(Tg+3)℃〜(Tg+10)℃であり、延
伸フィルムが若干白濁する程度の範囲である。具体的な
製膜方法は、例えば、4−メチルスチレンを5モル%含
有したSPS系フィルム(Tg≒95℃)では、縦延伸
温度としては、98〜105℃で、縦延伸倍率として
は、3.0〜5.0倍で、好ましくは、3.3〜4.5
倍で延伸するのが良い。この延伸温度で、またこの延伸
倍率では、低温で延伸していることもあって、破断を避
ける倍率で延伸することが要求される。
【0032】横延伸温度は、縦延伸温度より5〜10℃
高い(Tg+8)℃〜(Tg+20)℃で延伸するのが
良い。つまり、103〜115℃の温度範囲で延伸し、
次いで235〜260℃で、3〜100秒熱固定処理す
る。
【0033】上述の方法を採用すると、SPS写真用支
持体の縦方向及び横方向のヤング率が共に、460kg
f/mm2以上、好ましくは475kgf/mm2以上を
達成できる。上限は特に限定されないが、上限は540
kgf/mm2程度である。
【0034】このようにして得られる本発明のSPS系
写真用支持体の厚さは、ハロゲン化銀写真感光材料の用
途に応じて異なるが、カラーフィルムの50〜250μ
m印刷感光材料フィルムの70〜200μm、X線フィ
ルムの100〜200μm等と多岐に亘るが、前述の製
膜条件は、50〜250μmの厚さのものに有効であ
る。
【0035】次に、SPS系写真用支持体の下引処理に
付いて述べる。下引層を塗設する前に、薬品処理、機械
的粗面化処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面処
理を施すのが好ましい。これらの処理により、SPS系
写真用支持体表面の水との接触角は65゜以下に、好ま
しくは55゜以下にする事が出来、下引層の塗布時の濡
れ性及び接着性を良好ならしめるのに有効である。
【0036】上記コロナ処理を行う場合には、その処理
条件として、放電周波数を50Hz〜5000KHz
に、好ましくは5KHz〜数100KHzにすることが
よい。放電周波数が小さすぎると、安定な放電が得られ
ず、かつ被処理物にピンホールが生じ、好ましくない。
また周波数が高すぎると、インピーダンスマッチングの
ための特別な装置が必要となり、装置の価格が高くなり
好ましくない。被処理物の処理強度は、SPS系写真用
支持体に対しては、5〜20W・分/m2、好ましくは
6〜15W・分/m2がよい。装置の種類(電極と誘電
体ロールのギャップクリアランス、放電形状、放電周波
数、波形等)により処理強度は異なる場合があり、写真
用支持体の処理表面と水との接触角が、上述の範囲、に
なるよう装置を調節すればよい。
【0037】紫外線処理は石英管からなる高圧水銀灯又
は低圧水銀灯の180〜380nmのスペクトルを有す
るものが好ましい。紫外線処理はフイルム製膜工程(延
伸プロセス、熱固定時、熱固定後)で行うことが好まし
く、とりわけ延伸工程の後半、あるいは熱固定時に行う
ことが好ましい。紫外線照射の方法は、高圧水銀ランプ
(365nmを主波長とするスペクトルを発生)であれ
ば、照射光量100〜1500(mJ/m2)が良く、
低圧水銀ランプ(254nmを主波長とするスペクトル
を発生)の場合には、照射光量200〜1500(mJ
/m2)が、また好ましくは、400〜1300(mJ
/m2)がよい。ランプの種類、装置の種類等により処
理強度は厳密に規定出来ないので、写真用支持体の処理
表面と水との接触角が、上述の範囲を満足するように調
節すればよい。
【0038】下引層については、当業界で用いられてい
るものならいずれをも用いられる。
【0039】本発明のSPS系写真用支持体への下引
は、PETフィルムと同様に製膜中延伸前、一軸延伸
後、二軸延伸後熱固定前、あるいは二軸延伸熱固定後の
いずれかのプロセスにおいて行うことが出来る。SPS
系写真用支持体も二軸延伸後熱固定された後の下引でも
十分な乳剤層等の接着には支障がないが、配向結晶完了
前下引の方が好ましい。下引層の乾燥温度は80〜25
0℃の温度範囲で行うのがよい。また下引前後の前述の
如き紫外線照射やコロナ放電等の処理は、SPS系写真
用支持体に対する接着性の向上に有効な手段である。
【0040】本発明のSPS系写真用支持体への下引素
材としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸もしくはエステル
(エステル基としてはC1〜C8のアルキル基、ヒドロキ
シエチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、
N,N−ジメチルアミノエチル基、グリシジル基等)、
アクリルアミド、N−置換アクリルアミド(置換基とし
ては、C1〜C4のアルキル基、フェニル基、スルホプロ
ピル基、ベンジル基、N−メチロール基、等)スチレ
ン、スチレンスルホン酸、塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル、ブタジエン等の単量体から得られる重合体、もしく
は共重合体が挙げられる。また水分散系のポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂
なども挙げられる。これらの中で好ましいものは、スチ
レン−ブタジエン共重合体が好ましく用いられる。具体
的には、スチレン/ブタジエンのモル比が9/1〜1/
9の共重合体が好ましい。また、第3のコモノマーとし
て上記アクリル酸等の親水性基を有するコモノマーをス
チレン/ブタジエン共重合体に対して、2〜10重量%
共重合して含ませることにより、SPS系写真用支持体
と写真乳剤層との接着性を更に向上させる効果が得られ
る。他の好ましい具体例としては、水分散性ポリエステ
ルとスチレン系重合体を構成要素とする共重合体であ
る。
【0041】上記水分散性ポリエステルとは、多塩基酸
またはそのエステル形成性誘導体とポリオールまたはそ
のエステル形成性誘導体との縮重合反応により得られる
実質的に線状のポリマーである。このポリマーの多塩基
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸などを例示することができる。これら成分と共にマレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和多塩基酸
やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエト
キシ)安息香酸などのヒドロキシカルボン酸を小割合用
いることができる。
【0042】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールなどを例示
することができる。
【0043】該水分散性ポリエステルに水分散性及び水
溶性を付与するために、スルホン酸塩、ジエチレングリ
コール、ポリアルキレンエーテルグリコールなどの導入
が有効な手段である。特にスルホン酸塩を有するジカル
ボン酸成分(スルホン酸塩を有するジカルボン酸及び/
又はそのエステル形成性誘導体)を水分散性ポリエステ
ル中の全ジカルボン酸成分に対して5〜15モル%含有
することが好ましい。スルホン酸塩を有するジカルボン
酸及び/又はそのエステル形成性誘導体としてはスルホ
ン酸アルカリ金属塩の基を有するものが特に好ましく、
例えば4−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−ス
ルホフェノキシ)イソフタル酸などのアルカリ金属塩、
又はそのエステル形成性誘導体が用いられるが、5−ス
ルホイソフタル酸ナトリウム塩、又はそのエステル形成
性誘導体が特に好ましい。これらのスルホン酸塩を有す
るジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体
は、水溶性及び耐水性の点から全ジカルボン酸成分に対
し6〜10モル%で用いられることが特に好ましい。
【0044】水分散性ポリエステルとスチレン系(ビニ
ル系)重合体を構成要素とする共重合体とは、水分散系
ポリエステルに連鎖移動型の共重合する方法、水分散性
ポリエステルの末端に付加重合可能な基を導入してスチ
レン系(ビニル系)共重合体のモノマーと共重合するこ
とによりグラフト化する方法、スチレン系(ビニル系)
共重合体を重合しモノマーとしてカルボン酸、グリシジ
ル基もしくは置換アミノ基等水分散性ポリエステルを縮
重合する際に反応可能基を導入しグラフト化する方法等
がある。このスチレンを他のビニル系モノマーに変えて
反応させてもよい。
【0045】また、水分散性ポリエステルの存在下でビ
ニル系モノマーを共重合させる際、ラテックス状に重合
されるが、重合については、この場合特に界面活性剤を
必要とせず、重合反応が可能である。しかし、重合安定
性を改良する目的で、系内に界面活性剤を乳化剤として
用いてもよく、一般のノニオン・アニオンいずれの界面
活性剤も使用できる。
【0046】上記の水分散性ポリエステルとスチレン系
共重合体の割合は、99/1〜5/95、好ましくは9
7/3〜50/50、更に好ましくは95/5〜80/
20である。
【0047】これらの重合には重合開始剤を用いるが、
重合開始剤としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸類、過酸化水素等の過
酸化物、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸又はそ
の塩、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)塩酸塩
等のアゾビス系化合物等を用いることができる。また過
酸化物や過硫酸塩類は第1塩化鉄、第1硫酸鉄、第1硫
酸アンモンチオ硫酸ナトリウム等還元剤と組み合わせ
て、レドックス開始剤としても使用できる。
【0048】本発明のSPS系写真用支持体への下引は
水系、有機溶媒含有水系、あるいは有機溶媒系でするこ
とが出来る。有機溶媒の中で、SPSに対する溶媒とし
てはベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、
シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、メチ
ルエチルケトン、ソクロヘキサノンがあるが、これらの
溶媒を下引液として量を多く使用し過ぎると支持体がお
かされ、平面性が損なわれるので、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、シクロヘキサノール、アセトン、
等の貧溶媒中に少量混合させるのが好ましい。その量は
貧溶媒に対して15%以下が好ましい。
【0049】また、本発明のSPS系写真用支持体の下
引としてポリマーラテックスを用いる場合も多い。その
ための下引液は水が用いられるが、その中にメタノー
ル、エタノール、アセトンの如き有機溶媒を混合して用
いることが出来る。
【0050】SPS系写真用支持体への下引液の塗布性
は下記の如き水溶性ポリマーを含有させることにより塗
布性を向上させることが出来る。有用な水溶性ポリマー
としては、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロー
ス(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(H
PMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHE
C)、変性ヒドロキシエチルセルロース(HMHE
C)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレン
オキシド(PEO)、キサンタン、カチオン性ヒドロキ
シエチルセルロース(CATHEC)、ヒドロキシプロ
ピルグアー(HPグアー)、グアー、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナト
リウム、及びカーボポール(Carbopol;登録商
標)アクリルアミド増粘用組成物等を挙げることが出
来、特に有用な水溶性ポリマーとしてはCMC及びMC
が好ましい。例えばCMC−7LX(アクアロン社製、
置換度=0.65〜0.80、水中5重量%の濃度での
粘度が200〜1000mPa.s)がSPS系写真用
支持体の下引液に好都合であるが、これらの他の種類の
もの、種々の粘度のもの、また種々のカルボキシメチル
置換度を有するもの等も使用出来る。更にMC、及びH
EC(アクアロン社製)、EHEC(ベロール、ノベロ
ール社製、HPMC(アクアロン社製、ダウケミカル社
製)もSPS系写真用支持体の下引液に有用である。
【0051】本発明のSPS系写真用支持体用の下引液
中の下引ポリマーの塗布濃度は20重量%以下が好まし
く、均一な塗布性を考慮すると5〜15重量%の濃度が
特に好ましい。
【0052】また、SPS系写真用支持体への下引液の
塗布量は、乾燥後で1〜20g/m2がよく、特に塗布
性、接着性の点から5〜15g/m2が好ましい。また
下引ポリマーの塗布量は10〜3000mg/m2の範
囲がよく、100〜1000mg/m2の範囲が更に好
ましい。
【0053】ところで、SPS系写真用支持体は、PE
T写真用支持体のそれに比べて、誘電損失が小さく、こ
のため一度帯電すると除電されにくいという性質があ
り、そのために下引塗布をする際に電荷分布に従って、
液の付き方が変わり、塗布ムラを生ずる場合がある。こ
のような場合には、下引液を塗布する前後に、強制的に
除電することが望ましい。除電方法としては、搬送支持
体の接触するロールをアースする方法、超音波等により
霧化した水を吹き付ける方法、もしくは放射線を当てま
わりの空気をイオン化して電荷を中和する方法、除電ブ
ラシを用いる方法、高圧印加法、イオン風をつくり、そ
れを吹き付ける方法等を用いることが出来る。
【0054】下引層は、単層でも構わないが、より機能
性を求め、接着力を高めるためには、重層であることが
望ましい。以下に下引の重層法について説明する。重層
法においては、上記下引層を下引層といい、下記下引層
は下引上層という。
【0055】下引処理は、前記フィルム製膜後に行って
も構わないが、下引組成物が延伸可能であるならば、製
膜途中である縦延伸の前、縦延伸と横延伸の間、横延伸
後熱処理の前など任意の場所で行うことが可能である。
延伸ができない場合例えば、親水性基を有するポリマー
を用いるには、親水性高分子間での相互作用が強く、延
伸できないことがあるが、スチーム下で延伸したり、延
伸助剤としてポリグリセリンなどを添加することにより
延伸が可能となる。
【0056】下引上層は、写真乳剤層を良く接着させる
ために親水性バインダー層であることが好ましい。親水
性バインダー層を構成するバインダーとして、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソー
ダ、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等の水溶性ポリマー類、ポリスチレンス
ルホン酸ソーダ共重合体と疎水性ラテックスの組み合わ
せなどが挙げられるが、このうちでゼラチンが最も好ま
しい。
【0057】これら下引上層中のバインダー層には、硬
膜剤を用いて膜強度を高めることが好ましく、このよう
な硬膜剤としては、例えばホルムアルデヒド、グルタル
アルデヒドのようなアルデヒド化合物、米国特許第2,
732,303号、同3,288,775号、英国特許
第974,723号、同1,167,207号等に記載
されている反応性ハロゲンを有する化合物、ジアセチ
ル、シクロペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス
(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−
ジクロロ−1,3,5−トリアジン、ジビニルスルホ
ン、5−アセチル−1,3−ジアクリロイルヘキサヒド
ロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,232,
763号、同3,635,718号、英国特許第99
4,809号等に記載の反応性オレフィンを有する化合
物、米国特許第3,539,644号、同3,642,
486号、特公昭49ー13568号、同53ー472
71号、同56ー48860号、特開昭53ー5725
7号、同61ー128240号、同62−4275号、
同63ー53541号、同63−264572号等に記
載のビニルスルホン化合物、N−ヒドロキシメチルフタ
ルイミド、米国特許第2,732,316号、同2,5
86,168号等に記載のN−メチロール化合物、米国
特許第3,103,437号等に記載のイソシアネート
化合物、米国特許第2,983,611号、同3,10
7,280号等に記載のアジリジン化合物、米国特許第
2,725,294号、同2,725,295号等に記
載の酸誘導体類、米国特許第3,100,704号等に
記載のカルボジイミド系化合物、米国特許第3,09
1,537号等に記載のエポキシ系化合物、米国特許第
3,321,313号、同3,543,292号等に記
載のイソオキサゾール系化合物、ムコクロル酸のような
ハロゲノカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキ
サン、ジクロロジオキサン等のジオキサン誘導体等の有
機硬膜剤及びクロムミョウバン、硫酸ジルコニウム、三
塩化クロム等の無機硬膜剤である。またゼラチンに対し
て硬膜作用が比較的速い硬膜剤としては、特開昭50−
38540号に記載のジヒドロキノリン骨格を有する化
合物、特開昭51−59625号、同62−26285
4号、同62−264044号、同63−184741
号に記載のN−カルバモイルピリジニウム塩類、特公昭
55−38655号に記載のアシルイミダゾール類、特
公昭53−22089号に記載のN−アシルオキシイミ
ダゾール類、特公昭53−22089号に記載のN−ア
シルオキシイミノ基を分子内に2個以上有する化合物、
特開昭52−93470号に記載のN−スルホニルオキ
シイミド基を有する化合物、特開昭58−113929
号に記載のリン−ハロゲン結合を有する化合物、特開昭
60−225148号、同61−240236号、同6
3−41580号に記載のクロロホルムアミジニウム化
合物等が知られている。
【0058】この下引上層には、マット剤として2酸化
珪素、2酸化チタン等の無機微粒子や、ポリメタクリル
酸メチル等の有機系マット剤(1〜10μm)を含有す
ることが好ましい。これ以外にも必要に応じて、各種の
添加剤例えば、帯電防止剤、ハレーション防止剤、着色
用染料、顔料、塗布助剤を含有することができる。
【0059】下引層組成物の塗布液濃度は、通常20重
量%以下であり、好ましくは15重量%以下である。塗
布量は、塗布液重量で1〜30g/m2、更には5〜2
0g/m2であることが好ましい。
【0060】下引液の塗布方法としては、公知の種々の
方法が適用できる。例えば、ロールコート法グラビアロ
ールコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート
法、バーコート法、含浸法及びカーテンコート法等を、
単独もしくは組み合わせて、適用することができる。
【0061】このようにして得られるSPS系写真用支
持体はカラーフィルム、印刷用感光材料フィルム、X線
フィルム等ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるばか
りでなく、ハロゲン化銀写真感光材料以外の、印刷フィ
ルム、OHPフィルム、マーキングフィルム、フォトク
ロミック感光性フィルム、感光性樹脂フィルム等にも使
用出来る。
【0062】次に、ハロゲン化銀写真感光材料の感光層
をについて述べる。
【0063】ハロゲン化銀乳剤層としては白黒用、カラ
ー用いずれでもよい。ここではX線医療用ハロゲン化銀
写真感光材料について主として説明する。
【0064】本発明のX線医療用写真感光材料に用いら
れる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えば、リサー
チ・ディスクロージャー(以下RDと略す)No.17
643(1978年12月)・22〜23頁の1・乳剤
製造法(EmulsionPreparation a
nd types)、及び同(RD)No.18716
(1979年11月)・648頁に記載の方法で調製す
ることができる。
【0065】また、T.H.James著“Theth
eory of the photographic
process”第4版、Macmillan社刊(1
977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Da
uffin著「写真乳剤化学」“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Fo
cal press 社刊(1966年)、P.Gla
fkides著「写真の物理と化学」“Chimie
et physique photographiqu
e”Paul Montel 社刊(1967年)、
V.L.Zelikman 他著「写真乳剤の製造と塗
布」“Making and Coating pho
tographic Emulsion”Focal
press社刊(1964年)などに記載の方法により
調製される。
【0066】即ち、中性法、酸性法、アンモニア法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロールド・ダブルジェット法などの混合条
件、コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製
条件及びこれらの組合わせ法を用いて製造することがで
きる。本発明の実施態様の1つとしては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。
【0067】本発明においては、平板状粒子が好ましく
用いられる。平板状ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.
2〜2.5μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜
2.0μmである。
【0068】平板状ハロゲン化銀乳剤は、粒子直径/厚
さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アスペクト比
と呼ぶ)が3以上であり、好ましくは6〜60であり、
より好ましくは7〜50、特に好ましくは8〜20であ
る。
【0069】平均厚さは0.4μm以下が好ましく、よ
り好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.05
〜0.25μmである。
【0070】本発明において、ハロゲン化銀粒子の直径
は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察から粒子
の球相当径として定義される。ハロゲン化銀粒子の厚さ
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のものと定義される。
【0071】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、ハロゲ
ン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真又はハロゲン化
銀乳剤を支持体に塗布し乾燥したサンプル断層の電子顕
微鏡写真から求めることができる。
【0072】平均アスペクト比を求めるためには、最低
100サンプルの測定を行う。
【0073】本発明のハロゲン化銀乳剤において、平板
状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に占める割合
は50%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ま
しくは70%以上である。
【0074】平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散性である
ものが好ましく用いられ、平均粒径を中心に±20%の
粒径範囲に含まれるハロゲン化銀粒子が50重量%以上
のものが特に好ましく用いられる。
【0075】平板状ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化
銀、塩沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀塩沃臭化銀等ハロゲ
ン組成は任意であるが、高感度という点から沃塩臭化銀
が好ましく、平均沃化銀含有率は、0〜4.0モル%で
あって特に好ましくは0.2〜3.0モル%で、平均塩
化銀含有率は0〜5モル%である。
【0076】又、平板状ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン
組成が粒子内で均一であってもよく、沃化銀が局在した
ものであってもよいが、中心部に局在したものが好まし
く用いられる。
【0077】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58−113926号、同58−113927号、
同58−113934号、同62−1855号、ヨーロ
ッパ特許219,849号、同219,850号等を参
考にすることもできる。又、単分散性の平板状ハロゲン
化銀乳剤の製造方法として、特開昭61−6643号を
参考にすることができる。
【0078】高アスペクト比を持つ平板状の沃臭化銀乳
剤の製造方法としては、pBrが2以下に保たれたゼラ
チン水溶液に硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン
化物水溶液を同時に添加して種晶を発生させ、次にダブ
ルジェット法により成長させることによって得ることが
できる。
【0079】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、粒子
形成時の温度、銀塩及びハロゲン化物水溶液の添加速度
によってコントロールできる。
【0080】平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有
率は、添加するハロゲン化物水溶液の組成、即ち臭化物
と沃化物の比を変えることによりコントロールすること
ができる。
【0081】また、平板状ハロゲン化銀粒子の製造時
に、必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素
等のハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0082】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌード
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされてよい。好ましい水洗法としては、例えば特公昭
35−16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水
素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平2−70
37号号記載の凝集高分子剤例示G3,G8などを用い
る方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0083】本発明に係る乳剤は、物理熟成又は化学熟
成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いるこ
とができる。公知の添加剤としては、例えばRD N
o.17643(1978年12月)、同No.187
16(1979年11月)及び同No.308119
(1989年12月)に記載された化合物が挙げられ
る。これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示さ
れている化合物種類と記載箇所を表1に掲載した。
【0084】
【表1】
【0085】ここでTgの測定法について説明する。
【0086】〈Tgの測定法〉本発明におけるガラス転
移温度(Tg℃)は、差動走査熱量計(DSC)を用
い、サンプルフイルム10mgを窒素気流中、20℃/
分で昇温していった時、ベースラインからずれはじめる
温度と、新たなベースラインに戻る温度の算術平均温度
(℃)と定義される。但し吸熱ピークが現れる時は、こ
の吸熱ピークの最大値を示す温度をTg(℃)として定
義する。
【0087】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0088】
【実施例】
〔SPS系写真用支持体の作製〕 〈SPS系樹脂ペレットの作製〉特開平3−13184
3号に準じてSPS系樹脂ペレットを作製した。触媒の
調整から重合反応までは、全て乾燥アルゴン気流下で行
った。内容積500mlのガラス性容器に硫酸銅5水塩
(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミリモル)精
製ベンゼン200mlおよびトリメチルアルミニウム2
4mlをいれ、40℃で8時間撹拌して触媒の調整を行
った。これをアルゴン気流下No.3ガラスフィルター
で濾過して、濾液を凍結乾燥させた。これを取り出し、
2lのステンレス製容器にいれ、この中にさらにトリブ
チルアルミニウムとペンタシクロペンタジエチルチタン
メトキシドを混合し90℃に加熱した。この中に、精製
した4−メチルスチレンを5モル%含むスチレンを1l
入れ、この温度中で8時間重合反応を続けた。この後室
温まで冷却し、1lの塩化メチレンを入れ、さらに撹拌
しながらナトリウムメチラートのメタノール溶液を加え
て触媒を失活させた。内容物を20lのメタノール中に
徐々に滴下して、更にNo.3Aのガラスフィルターで
濾過し、1lのメタノールで3回洗浄した後乾燥し、1
50℃で12時間減圧乾燥をしSPS系樹脂を得た。
1,2,4−トリクロルベンゼンを溶媒として、135
℃で標準ポリスチレンで検量したGPCの測定結果から
求めたこの重合体の重量平均分子量は280000であ
った。またこの重合体の融点は245℃であった。13
C−NMRの測定により、得られた重合体はシンジオタ
クティック構造を有することを確認した。このSPS系
樹脂を300℃の押出機に導入し押出し、ペレット化し
た。このSPS系樹脂のTgは95℃であった。
【0089】〈着色SPS系写真用支持体の作製〉得ら
れた一部のSPS系ペレットを150℃で8時間真空乾
燥した後、湿気を遮断したまま140℃でチップを青色
染料(Bayer社製染料MacrolexBlueR
R)と回転混合機でまぶし、押出機で熔融混合着色させ
ながら330℃でTダイから層状に溶融押出し、回転す
る40℃の冷却ドラム上に静電印荷しながら樹脂シート
を密着させ、急冷却固化させ、未延伸シートとなし、続
いてこの未延伸シートをロール式縦延伸工程で、表2に
記載した縦延伸温度及び縦延伸倍率で一軸延伸を行い、
引き続きクリップで一軸延伸フィルムの両端をくわえて
表2に記載した横延伸温度及び横延伸倍率で逐次二軸延
伸し、更に、245℃で10秒間熱固定し、冷却して、
厚さ175μmのSPS系写真用支持体をそれぞれ得
た。同時に、延伸温度を変えて比較用のSPS系写真用
支持体を作製した。
【0090】〈SPS系写真用支持体の下引〉得られた
二軸延伸済みの各SPS系写真用支持体の両表面を放電
条件7(W・分/m2)で連続的にコロナ放電処理を施
した後、イオンブロア(RH−20型)でイオン風によ
り両表面を除電し、両面に片面ずつエアードクター方式
の塗布機で下引塗布液a−1及びb−1(同一処方)を
乾燥膜厚が1.0μmとなるように塗布し、160℃で
乾燥して下引層A−1及びB−1とした。
【0091】続いて、下引層の上に同様に下引上層塗布
液a−2及びb−2を乾燥膜厚が0.2μmとなるよう
に塗布し、140℃で乾燥して下引上層A−2及びB−
2とした。
【0092】 《下引塗布液a−1及びb−1》 スチレン−ブタジエンラテックス (ニッポールLX432A日本ゼオン社製) 25重量部 メチルセルロース(10%) 10.0重量部 シリカマット剤(平均粒径3.0μm) 0.5重量部 (C−1) 0.5重量部 純水 66重量部 《下引上層塗布液a−2及びb−2》 ゼラチン水溶液(10%) 80重量部 メチルセルロース(10%) 20重量部 C1225O(CH2CH2O)10SO3Na 4重量部 プロキセル 0.3重量部 (C−1) 0.5重量部 純水で1lに仕上げる。
【0093】
【化1】
【0094】〔SPS系写真用支持体を持つハロゲン化
銀写真感光材料の作製〕各SPS系写真用支持体のA−
2及びB−2の上に下記ハロゲン化銀乳剤塗布液等を塗
設し、X線医療用ハロゲン化銀写真感光材料とした。
【0095】〈X線用ハロゲン化銀写真フィルムの作
成〉 《ハロゲン化銀乳剤処方》 (種乳剤の調製)40℃で激しく撹拌した過酸化水素処
理ゼラチンを含む0.05Nの臭化カリウム水溶液に硝
酸銀水溶液と過酸化水素処理ゼラチンを含む等モルの臭
化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加し、1.5
分後から30分間かけて25℃まで液温度を下げてから
硝酸銀1モル当たり80ミリリットルのアンモニア水
(28%)を加え5分間撹拌を続けた。
【0096】その後、酢酸にてpHを6.0に合わせ、
花王アトラス社製デモールN水溶液と硫酸マグネシウム
水溶液を用いて脱塩した後、ゼラチン水溶液を加えて再
分散した。
【0097】得られた種乳剤は、平均粒径0.23μ
m、変動係数0.28の球型粒子だった。
【0098】(種乳剤からの成長)上述の種乳剤を用い
次のように粒を成長させた。75℃で激しく撹拌したオ
セインゼラチンとプロピルオキシ・ポリエチレンオキシ
ジサクシネート・ジナトリウム塩を含む水溶液に臭化カ
リウムと沃化カリウムの水溶液及び硝酸銀水溶液をダブ
ルジェット法で添加した。この間pH=5.8、pAg
=9.0に保った。添加終了後、pHを6.0に合わ
せ、5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウ
ム塩の無水物(減感色素GD−1)を400mg/モル
AgX添加した。さらに40℃にて花王アトラス社製デ
モールN水溶液を用いて脱塩した後、ゼラチン水溶液を
加えて再分散した。
【0099】この方法により平均沃化銀含有率1.5モ
ル%で投影面積直径0.96μm、変動係数0.25、
アスペクト比(投影面積直径/粒子の厚さ)4.0の平
板状沃臭化銀乳剤を調製した。
【0100】〈試料の調製〉得られた乳剤に55℃にて
GD−1と、5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−
1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スルホブチ
ル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の無
水物を(200:1の重量比)、ハロゲン化銀1モル当
たり500mg添加した。
【0101】10分後、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムを加えて化学熟成を行っ
た。熟成終了15分前に、沃化カリウムをハロゲン化銀
1モル当たり200mg添加し、その後4−ヒドロキシ
−6−メチル−,3,3a,7−テトラザインデンをハ
ロゲン化銀1モル当たり3×10-2モル加え、ゼラチン
を70g含む水溶液に分散した。
【0102】乳剤に対し特開平2−301744号、9
5頁16行目〜96頁20行目に示された通りの添加剤
を加えた。
【0103】 1,1′−ジメチロ−ル−1−1ブロム−1−ニトロメタン 70mg t−ブチルカテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロライド 50mg 1,3−ジホドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 15mg 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg トリメチロールプロパン 10g C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0104】
【化2】
【0105】さらに下記に示す染料乳化分散液1.2g
を加え乳剤塗布液とした。
【0106】《染料乳化分散液の調製》下記の染料10
kgをトリクレジルホスヘート28リットルと酢酸エチ
ル85リットルからなる溶媒に55℃で溶解した。これ
をオイル系溶媒と称する。一方アニオン界面活性剤(A
S)を1.35kgを含む9.3%ゼラチン水溶液に溶
解し、このゼラチン水溶液を水系溶媒と称する。
【0107】次にオイル系溶剤と水系溶剤を分散釜に入
れ、液温を40℃に保ちながら分散した。
【0108】
【化3】
【0109】また保護層に用いた添加剤は次の通りであ
る。添加量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0110】 《保護層用塗布液》 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム−i−アミル−n−デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径5.0μmのマット剤)1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径3.0μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイドシリカ) 30g グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 1.5ml CH2=CHSO2CH22O(硬膜剤) 500mg (C−1) 1.0mg
【0111】
【化4】
【0112】尚、乳剤層は片面当たり銀換算値で1.7
g/m2、ゼラチン付量として2.5g/m2、保護層は
ゼラチン付量として0.99g/m2となるように2台
のスライドホッパー型コーターで毎分90mのスピード
で、175μmのSPS系写真用支持体のA−2及びB
−2の下引面上に乳剤層、保護層を両面同時塗布し、2
分15秒で乾燥して試料を得た。
【0113】〔現像処理〕なお、現像は自動現像機SR
X−501(コニカ(株)製)で現像温度が35℃、定
着温度が33℃、水洗水は温度18℃で毎分3.5lを
供給し、乾燥温度45℃で全処理工程を次ぎに示す45
秒モードで処理した。
【0114】 〈処理工程〉 工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 補充量 挿入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 33cc/四ッ切 定着+渡り 33 8.2 63cc/四ッ切 水洗+渡り 18 7.2 3.5l/分 スクイズ 40 5.7 乾燥 45 8.1 合計 − 45.0 《現像液処方》 亜硫酸カリウム 70g ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム 8g 1,4−ジヒドロキシベンゼン 28g 硼酸 10g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.04g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.01g メタ重亜硫酸ナトリウム 5g 酢酸(90%) 13g トリエチレングリコール 15g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−ニトロインダゾール 0.2g グルタールアルデヒド 4g 臭化カリウム 4g 5−ニトロベンゾイミダゾール 1g 1リットルの水に溶かし、水酸化ナトリウムでpH10.5の液とした。
【0115】 《スターター液》 臭化カリウム 300g 1リットルの水溶液にして氷酢酸でpH4.2の液とした。
【0116】 《定着液処方》 チオ硫酸ナトリウム5水塩 4.5g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 0.5g チオ硫酸アンモニウム 150g 無水亜硫酸ナトリウム 8g 酢酸カリウム 16g 硫酸アルミニウム10〜18水塩 10g 硫酸(50wt%) 5g クエン酸 1g 硼酸 7g 氷酢酸 5g 1リットルの水溶液にして氷酢酸でpH4.2の液とした。
【0117】〔評価法〕 〈ヤング率の測定〉オリエンテック(株)社製のテンシ
ロンRTA−100を用い、23℃、55%RHの雰囲
気で測定した。SPS系写真用支持体の縦方向(機械進
行方向)及び横方向(幅手方向)に1cm幅×15cm
長さに切り出し、写真用支持体長さが10cmになるよ
うに、テンシロンに把持して、100%/分のスピード
で引っ張り、応力〜歪み曲線を描かせ、立ち上がり部の
接線よりヤング率を求めた。ヤング率の単位はkgf/
mm2で表す。
【0118】〈腰の強さの実技試験評価法〉得られたハ
ロゲン化銀写真感光材料を縦方向及び横方向が断裁試料
の長手方向に取れるように、四つの大きさに断裁し、現
像処理をして、3時間23℃、55%RHの雰囲気の部
屋で調湿の後、手で四つ試料の長手の下側をもち、シャ
ーカステンに差し込む実技試験を行った。
【0119】評価ランク A:試料を垂直に片手で持っても試料が倒れることな
く、また斜めにしても曲がらなかった。試料を片手でシ
ャーカステンに差し込んだところスムースに差し込むこ
とが出来た B:試料を垂直に片手で持っても試料が倒れることはな
かったが、試料を斜めにするとやや曲がり倒れた。同様
にシャーカステン差し込んだところスムースに差し込め
た C:試料を垂直に片手で持った時やや倒れた。同様にシ
ャーカステンに差し込んだところ、どうにか差し込むこ
とが出来た D:試料を垂直に片手で持っら倒れ易く、立てるのが難
しかった。同様にシャーカステンに片手で差し込んだと
ころ、曲がっていまい、差し込めなかった。しかし、両
手で持ってやっと差し込めた E:試料を倒れ曲がってしまい垂直に持てなかった。シ
ャーカステンに両手でも差し込もうとしたが差し込むの
がむつかしかった 以上の結果を表2に示した。
【0120】
【表2】
【0121】〔結果〕表2から分かるように、縦延伸温
度を(Tg+3)〜(Tg+10)℃、横延伸温度を
(Tg+8)〜(Tg+20)℃の範囲で延伸すること
により、ヤング率が本発明の460kgf/mm2以上
となり、またバランス良く延伸すれば、実技試験におい
てシャーカステンへの差し込みし易いのが分かる。しか
し、バランスの悪い延伸をすると、縦あるいは横いずれ
かの方向で差し込みが難しくなることもわかった。縦横
共にヤング率が460kgf/mm2以上であれば、元
巻ロールからの切り出しが縦でも横でも自由に出来るた
め、経済的である。
【0122】
【発明の効果】延伸方法を改良することにより、縦及び
横方向のヤング率を共に460kgf/mm2以上の、
腰の強いシンジオタクティックポリスチレン系写真用支
持体をX線医療用ハロゲン化銀写真感光材料に用いるこ
とによって、シャーカステンに容易に差し込めるように
なり、診療がし易くなるばかりでなく、比重が小さいた
めに製品包装梱包が軽量になり物流上メリットを生ず
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦方向及び横方向のヤング率が共に46
    0kgf/mm2以上である二軸延伸シンジオタクティ
    ックポリスチレン系写真用支持体を有することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 該ヤング率が共に475kgf/mm2
    以上であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
JP7243164A 1995-09-21 1995-09-21 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH0990557A (ja)

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