JPH0989839A - バイオセンサ応用水質計 - Google Patents
バイオセンサ応用水質計Info
- Publication number
- JPH0989839A JPH0989839A JP7250290A JP25029095A JPH0989839A JP H0989839 A JPH0989839 A JP H0989839A JP 7250290 A JP7250290 A JP 7250290A JP 25029095 A JP25029095 A JP 25029095A JP H0989839 A JPH0989839 A JP H0989839A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biosensor
- water
- dissolved oxygen
- electrode
- water quality
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】上下水道の各処理プロセスの水や河川水などの
化学成分分析用バイオセンサ応用水質計測器で、実用上
の問題点である検水中の懸濁物質除去用の採水フィルタ
−の長寿命化と、白金正極、鉛負極とアルカリ性電解液
とから成るバイオセンサ用溶存酸素電極の出力安定化と
低下防止とを図る。 【解決手段】測定試料への空気供給用エア−ポンプを2
流路として、一方を採水フィルタの逆洗用と圧力センサ
を使った流路閉塞の検出用とすることにより、採水フィ
ルタの長寿命化が達成できた。また、溶存酸素電極をカ
−ボンフェルトの正極と鉛負極と酢酸を主成分とする酸
性電解液とすることにより、鉛負極に水酸化物が付着し
なくなり、出力が安定で長寿命とすることができ、電極
の再生頻度を少なくできた。さらに、金網を加えて固定
化微生物膜の装着や交換が容易なフローセルタイプのセ
ンサ構造に改良した。
化学成分分析用バイオセンサ応用水質計測器で、実用上
の問題点である検水中の懸濁物質除去用の採水フィルタ
−の長寿命化と、白金正極、鉛負極とアルカリ性電解液
とから成るバイオセンサ用溶存酸素電極の出力安定化と
低下防止とを図る。 【解決手段】測定試料への空気供給用エア−ポンプを2
流路として、一方を採水フィルタの逆洗用と圧力センサ
を使った流路閉塞の検出用とすることにより、採水フィ
ルタの長寿命化が達成できた。また、溶存酸素電極をカ
−ボンフェルトの正極と鉛負極と酢酸を主成分とする酸
性電解液とすることにより、鉛負極に水酸化物が付着し
なくなり、出力が安定で長寿命とすることができ、電極
の再生頻度を少なくできた。さらに、金網を加えて固定
化微生物膜の装着や交換が容易なフローセルタイプのセ
ンサ構造に改良した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下水道の各処理
プロセスの水や河川水・湖沼水などの化学成分をモニタ
リングすることを目的としたバイオセンサ応用水質計測
器に関する。
プロセスの水や河川水・湖沼水などの化学成分をモニタ
リングすることを目的としたバイオセンサ応用水質計測
器に関する。
【0002】
【従来の技術】バイオセンサは、溶液中の測定対象物質
を認識する分子識別素子(レセプタ)として酵素や微生
物などの生体機能性分子や生体そのものを利用し、これ
らの素子を多孔性膜で包むことにより固定した固定化膜
と電気化学的検出器とを組み合わせて試料液(検水)の
成分測定を行うセンサであり、シアン類など多種類の毒
物や有機汚濁物質(BOD)など、他の分析計では総合
的な計測が難しい生態系物質の計測に利用されている。
を認識する分子識別素子(レセプタ)として酵素や微生
物などの生体機能性分子や生体そのものを利用し、これ
らの素子を多孔性膜で包むことにより固定した固定化膜
と電気化学的検出器とを組み合わせて試料液(検水)の
成分測定を行うセンサであり、シアン類など多種類の毒
物や有機汚濁物質(BOD)など、他の分析計では総合
的な計測が難しい生態系物質の計測に利用されている。
【0003】バイオセンサは、検水を固定化膜に接触さ
せ、これによって生ずる生化学的反応による変化を電気
化学的検出器の電極の出力電流として測定し、この測定
値と既知の濃度の被測定物質の校正から得られる検量線
とから検水の濃度を算出するものである。例えば微生物
としてニトロソモナス属またはニトロバクタ−属に属す
る硝化菌類を固定化微生物膜に固定した場合、常時この
微生物は呼吸のために水中の溶存酸素を一定量消費して
いるが、微生物の呼吸活性を脅かすシアン類などの毒性
を持つ物質が水中に存在することにより溶存酸素の消費
量が減るため、固定化微生物膜を通過した検水中の溶存
酸素量を溶存酸素電極で測定すれば、毒物センサとして
利用できる。
せ、これによって生ずる生化学的反応による変化を電気
化学的検出器の電極の出力電流として測定し、この測定
値と既知の濃度の被測定物質の校正から得られる検量線
とから検水の濃度を算出するものである。例えば微生物
としてニトロソモナス属またはニトロバクタ−属に属す
る硝化菌類を固定化微生物膜に固定した場合、常時この
微生物は呼吸のために水中の溶存酸素を一定量消費して
いるが、微生物の呼吸活性を脅かすシアン類などの毒性
を持つ物質が水中に存在することにより溶存酸素の消費
量が減るため、固定化微生物膜を通過した検水中の溶存
酸素量を溶存酸素電極で測定すれば、毒物センサとして
利用できる。
【0004】バイオセンサの用途は広く、食品の品質管
理、醗酵・食品工業計測や排水処理における水質計測な
どの分野で利用されている。バイオセンサを水質計測に
利用した従来の例として有機汚濁物質(BOD)を測定
するバイオセンサを図5に示す。ここではトリコスポロ
ン属の酵母類を使い、この微生物を固定化した固定化微
生物膜を溶存酸素電極に装着したバイオセンサ1aを恒
温槽2aに設置する。まず、微生物の基質としての標準
液A19aと、微生物のPH調整用のりん酸塩から成る
緩衝液C6cとを、それぞれポンプ8cと8dとを用い
て送流し、さらに固定化微生物のために必要な酸素を飽
和溶解させるために、エアポンプ10aからの空気をニ
ードルバルブ12aで流量を調節して常時連続的に供給
し、前記溶液と混合して恒温槽2a内に送る。測定は恒
温槽2aに装着されたバイオセンサ1aを含む測定部1
7aで、また記録、表示は記録計16a、表示部14a
でそれぞれ行われる。次にバルブ切換器20を切り換え
て基質の濃度を変えた標準液B19b、標準液C19c
で、さらに洗浄水A5aと検水3で測定が繰り返され
る。標準液A〜Cでは基質の濃度を変えた場合のセンサ
の3点校正を、また洗浄水A5aでは零点校正を行うこ
とになり、この検量線を使って検水3での測定値が確定
できる。これら一連の測定は制御部15aに予め設定さ
れたシ−ケンスに従い、繰り返し行われるようになって
いる。
理、醗酵・食品工業計測や排水処理における水質計測な
どの分野で利用されている。バイオセンサを水質計測に
利用した従来の例として有機汚濁物質(BOD)を測定
するバイオセンサを図5に示す。ここではトリコスポロ
ン属の酵母類を使い、この微生物を固定化した固定化微
生物膜を溶存酸素電極に装着したバイオセンサ1aを恒
温槽2aに設置する。まず、微生物の基質としての標準
液A19aと、微生物のPH調整用のりん酸塩から成る
緩衝液C6cとを、それぞれポンプ8cと8dとを用い
て送流し、さらに固定化微生物のために必要な酸素を飽
和溶解させるために、エアポンプ10aからの空気をニ
ードルバルブ12aで流量を調節して常時連続的に供給
し、前記溶液と混合して恒温槽2a内に送る。測定は恒
温槽2aに装着されたバイオセンサ1aを含む測定部1
7aで、また記録、表示は記録計16a、表示部14a
でそれぞれ行われる。次にバルブ切換器20を切り換え
て基質の濃度を変えた標準液B19b、標準液C19c
で、さらに洗浄水A5aと検水3で測定が繰り返され
る。標準液A〜Cでは基質の濃度を変えた場合のセンサ
の3点校正を、また洗浄水A5aでは零点校正を行うこ
とになり、この検量線を使って検水3での測定値が確定
できる。これら一連の測定は制御部15aに予め設定さ
れたシ−ケンスに従い、繰り返し行われるようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な装置構成は、もともと先行開発されていた臨床検査機
器での酵素電極を用いたバイオセンサの構成をそのまま
水質分析用に適用したものであるために、水質計測用と
しての完成度は低く、検水前処理部と電気化学的検出器
については以下のような実用化上の問題点があった。
な装置構成は、もともと先行開発されていた臨床検査機
器での酵素電極を用いたバイオセンサの構成をそのまま
水質分析用に適用したものであるために、水質計測用と
しての完成度は低く、検水前処理部と電気化学的検出器
については以下のような実用化上の問題点があった。
【0006】すなわち、検水前処理部23aについて
は、 1)上下水道の各処理プロセス水などの検水3には、コ
ロイド状の粘土粒子などの濁質成分あるいは有機性懸濁
物質が多く混在するため、配管を閉塞させたりする。こ
のために検水の送液ポンプ8eと一次貯留槽22aとの
間には、採水フィルタ−として目の荒いスクリーン18
を入れているが、検水の全量を通すため目が詰まりやす
く、再生に手間がかかる。
は、 1)上下水道の各処理プロセス水などの検水3には、コ
ロイド状の粘土粒子などの濁質成分あるいは有機性懸濁
物質が多く混在するため、配管を閉塞させたりする。こ
のために検水の送液ポンプ8eと一次貯留槽22aとの
間には、採水フィルタ−として目の荒いスクリーン18
を入れているが、検水の全量を通すため目が詰まりやす
く、再生に手間がかかる。
【0007】2)検水3の濁度は降雨などによって大き
く変動するため、高濁度時にトラブルが多く発生するこ
とが予測されるが、配管の閉塞を検出する機能を持たな
いためにオペレ−タの対応処置が遅れる。 などであ
る。また電気化学的検出器としては、ポーラロタイプの
溶存酸素電極や過酸化水素電極や、ガルバニタイプの溶
存酸素電極などがある。この中では、電流発生型で回路
構成が簡単な上、安定な出力を装置始動時より得ること
ができることから、従来、白金の正極と鉛の負極とアル
カリ性電解液の構成のガルバニタイプの溶存酸素電極が
主に用いられてきた。しかしながらこの電極は、 1)鉛が水酸化鉛となって鉛負極表面上に付着し電流出
力が徐々に低下する。
く変動するため、高濁度時にトラブルが多く発生するこ
とが予測されるが、配管の閉塞を検出する機能を持たな
いためにオペレ−タの対応処置が遅れる。 などであ
る。また電気化学的検出器としては、ポーラロタイプの
溶存酸素電極や過酸化水素電極や、ガルバニタイプの溶
存酸素電極などがある。この中では、電流発生型で回路
構成が簡単な上、安定な出力を装置始動時より得ること
ができることから、従来、白金の正極と鉛の負極とアル
カリ性電解液の構成のガルバニタイプの溶存酸素電極が
主に用いられてきた。しかしながらこの電極は、 1)鉛が水酸化鉛となって鉛負極表面上に付着し電流出
力が徐々に低下する。
【0008】2)このため、電解液の交換と鉛負極の酸
洗浄により再生を頻繁に行う必要がある。 などの問題
点があった。最近、この問題点を解決した酸素電極(例
えば、工藤他、電気化学 Vol.57 No.6 1989)が開発さ
れているが、これらの電極は気相の酸素測定用であり、
バイオセンサにそのまま応用できなかった。
洗浄により再生を頻繁に行う必要がある。 などの問題
点があった。最近、この問題点を解決した酸素電極(例
えば、工藤他、電気化学 Vol.57 No.6 1989)が開発さ
れているが、これらの電極は気相の酸素測定用であり、
バイオセンサにそのまま応用できなかった。
【0009】本発明は上記の二つの課題を解決するため
になされたものであり、その目的は実用的な完成度の高
いバイオセンサ応用水質計を提供することにある。
になされたものであり、その目的は実用的な完成度の高
いバイオセンサ応用水質計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】検水前処理部の課題を解
決するために、空気配管系統を改良して、従来は微生物
の呼吸に必要なエア供給用だけの1流路のエア−ポンプ
を、図1、図2に示すように微生物の呼吸に必要なエア
供給用と、検水用採水フィルタの閉塞防止のための逆洗
浄用エア供給用と、を備えている2流路のエア−ポンプ
とし、エアによって採水フィルターや配管の詰まりを逆
洗することにより元に戻すことができるようにした。ま
た採水フィルタ21は測定用の検水だけを通過させる流
路に改良した。
決するために、空気配管系統を改良して、従来は微生物
の呼吸に必要なエア供給用だけの1流路のエア−ポンプ
を、図1、図2に示すように微生物の呼吸に必要なエア
供給用と、検水用採水フィルタの閉塞防止のための逆洗
浄用エア供給用と、を備えている2流路のエア−ポンプ
とし、エアによって採水フィルターや配管の詰まりを逆
洗することにより元に戻すことができるようにした。ま
た採水フィルタ21は測定用の検水だけを通過させる流
路に改良した。
【0011】次に、電気化学的検出器については、図3
に示すようにバイオセンサをフローセルタイプに変更
し、また溶存酸素電極はアルカリ性から有機酸を主成分
とする酸性の電解液に変更し、正電極と固定化微生物膜
が平面的に密着する構成に改良することで、安定性のあ
る実用性の高い装置が実現できた。
に示すようにバイオセンサをフローセルタイプに変更
し、また溶存酸素電極はアルカリ性から有機酸を主成分
とする酸性の電解液に変更し、正電極と固定化微生物膜
が平面的に密着する構成に改良することで、安定性のあ
る実用性の高い装置が実現できた。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の検水測定の前処理部の改
良のために、図2において、空気配管系統は、エア−の
供給口の一方の流路上に圧力センサ11を備え、流路を
分岐させて一方を電磁弁7fを介して採水フィルタ21
の逆洗用として検水吸入配管側に接続し、他方を電磁弁
7gを経て、前記エア−ポンプの他方の流路と合流させ
てニ−ドル弁12を介して、バイオセンサの酸素供給用
とし、液系配管と接続した。更に、採水フィルタ21の
配置を変更した。
良のために、図2において、空気配管系統は、エア−の
供給口の一方の流路上に圧力センサ11を備え、流路を
分岐させて一方を電磁弁7fを介して採水フィルタ21
の逆洗用として検水吸入配管側に接続し、他方を電磁弁
7gを経て、前記エア−ポンプの他方の流路と合流させ
てニ−ドル弁12を介して、バイオセンサの酸素供給用
とし、液系配管と接続した。更に、採水フィルタ21の
配置を変更した。
【0013】このような構成にしたことにより、次に述
べる特徴が得られた。 1)検水吸入配管の先端に濁質成分を除去する目的でつ
けた採水フィルタ−21を前記エアポンプのエアによっ
て逆洗することができる。 2)配管の閉塞をエアポンプのエアの圧力変化として圧
力センサにより検出することにより上限警報出力として
測定器本体の表示部に表示すると同時にシステムアラ−
ムとして出力することができ、自己診断機能を付加する
ことができる。
べる特徴が得られた。 1)検水吸入配管の先端に濁質成分を除去する目的でつ
けた採水フィルタ−21を前記エアポンプのエアによっ
て逆洗することができる。 2)配管の閉塞をエアポンプのエアの圧力変化として圧
力センサにより検出することにより上限警報出力として
測定器本体の表示部に表示すると同時にシステムアラ−
ムとして出力することができ、自己診断機能を付加する
ことができる。
【0014】3)採水フィルタ21は配置を変更し、測
定に必要な検水だけを通過させる流路に改良したため、
処理する流量が減りメッシュの細かいものにすることに
より測定系への汚濁物質の侵入を減少させることができ
た。次に、電気化学的検出器については、バイオセンサ
全体として見直し、図3に示すようにバイオセンサを隔
膜34をもつ溶存酸素電極37、固定化微生物膜35、
金網36とフローセル41で構成し、溶存酸素電極の隔
膜34と固定化微生物膜35とが平面で密着するフロー
セルタイプの構造とした。
定に必要な検水だけを通過させる流路に改良したため、
処理する流量が減りメッシュの細かいものにすることに
より測定系への汚濁物質の侵入を減少させることができ
た。次に、電気化学的検出器については、バイオセンサ
全体として見直し、図3に示すようにバイオセンサを隔
膜34をもつ溶存酸素電極37、固定化微生物膜35、
金網36とフローセル41で構成し、溶存酸素電極の隔
膜34と固定化微生物膜35とが平面で密着するフロー
セルタイプの構造とした。
【0015】溶存酸素電極37は、有機高分子膜の隔膜
34に密着した金蒸着膜を有するカ−ボンフェルトの正
極31、鉛負極32と酢酸を主成分とする酸性電解液3
3とから構成される。正極31は隔膜34および微生物
膜35との密着性と共に、電極内の電解液が流通し易い
ようにポーラスなカーボンフェルトが選定された。金網
36は、40〜100メッシュ、厚さ0.1〜0.2m
mの金属製の網で構成される。これはフローセル試料通
路39中を流れる検水3などの液体の流速による減圧の
ために、機械的には弱い微生物膜35が流路側に伸びて
変形するのを防ぐ支持物としてと共に、微生物膜35を
傷めず、また検水3が微生物膜35をバイパスして溶存
酸素電極37に流れないような網として目の粗さと厚さ
が選定された。
34に密着した金蒸着膜を有するカ−ボンフェルトの正
極31、鉛負極32と酢酸を主成分とする酸性電解液3
3とから構成される。正極31は隔膜34および微生物
膜35との密着性と共に、電極内の電解液が流通し易い
ようにポーラスなカーボンフェルトが選定された。金網
36は、40〜100メッシュ、厚さ0.1〜0.2m
mの金属製の網で構成される。これはフローセル試料通
路39中を流れる検水3などの液体の流速による減圧の
ために、機械的には弱い微生物膜35が流路側に伸びて
変形するのを防ぐ支持物としてと共に、微生物膜35を
傷めず、また検水3が微生物膜35をバイパスして溶存
酸素電極37に流れないような網として目の粗さと厚さ
が選定された。
【0016】微生物膜35としては、水中のシアンなど
の毒物の測定にはニトロソモナス属またはニトロバクタ
−属に属する硝化菌類が、また水中の有機性汚濁物質す
なわちBODの測定にはトリコスポロン属に属する酵母
類を使用して、膜内に固定化することにより上下水道用
の水質計として利用できる。隔膜34は、FEP(4フ
ッ化エチレン−6フッ化プロピレンコポリマ)がガス透
過性が良く、酸やアルカリに安定であるために選定され
た。
の毒物の測定にはニトロソモナス属またはニトロバクタ
−属に属する硝化菌類が、また水中の有機性汚濁物質す
なわちBODの測定にはトリコスポロン属に属する酵母
類を使用して、膜内に固定化することにより上下水道用
の水質計として利用できる。隔膜34は、FEP(4フ
ッ化エチレン−6フッ化プロピレンコポリマ)がガス透
過性が良く、酸やアルカリに安定であるために選定され
た。
【0017】バイオセンサを上記のような構成にしたこ
とにより、次に述べる特徴が得られた。 1)溶存酸素電極用の電解液として、酸性電解液を使用
するので鉛負極に水酸化物が付着せず出力が安定で長寿
命とすることができる。 2)フローセルタイプにして構造を簡単にしたことによ
り、固定化微生物膜の装着や交換が容易にできる。
とにより、次に述べる特徴が得られた。 1)溶存酸素電極用の電解液として、酸性電解液を使用
するので鉛負極に水酸化物が付着せず出力が安定で長寿
命とすることができる。 2)フローセルタイプにして構造を簡単にしたことによ
り、固定化微生物膜の装着や交換が容易にできる。
【0018】以上、検水測定の前処理と電気化学的検出
器の考案により、実用的な水質計測器が提供することが
できる。
器の考案により、実用的な水質計測器が提供することが
できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。図
1は本発明のバイオセンサ応用水質計の構成を示すフロ
−図である。まず図3に示すフロ−セル41内に金網3
6を入れ、次に硝化菌の1種であるニトロソモナス・ユ
ーロピア(Nitorosomonas europaea)を公知の方法で純
粋培養して固定化した微生物膜35を、最後に溶存酸素
電極37を取り付けナットで固定し、毒物検出用微生物
センサ1を構成する。これを30℃±1℃に設定された
恒温槽2に入れる。
1は本発明のバイオセンサ応用水質計の構成を示すフロ
−図である。まず図3に示すフロ−セル41内に金網3
6を入れ、次に硝化菌の1種であるニトロソモナス・ユ
ーロピア(Nitorosomonas europaea)を公知の方法で純
粋培養して固定化した微生物膜35を、最後に溶存酸素
電極37を取り付けナットで固定し、毒物検出用微生物
センサ1を構成する。これを30℃±1℃に設定された
恒温槽2に入れる。
【0020】はじめに零点校正のために緩衝液A6aと
純水4とを流し、溶存酸素電極37の安定化した電流値
を記憶する。次に有害物質のない状態のセンサ出力とし
て、バルブ7dを閉、バルブ7eを開にして、アンモニ
ア態窒素を含む緩衝液B6bと純水4とを流し、センサ
出力の安定化後の電流値を記憶する。検水3の測定はバ
ルブ7bを閉、バルブ7aを開にして行う。本装置は1
日1回程度、前記のようにしてセンサの自動校正を行う
がこのとき、検水3の採水用配管の先端の採水フィルタ
21を電磁弁7fを開いてエア−を送り逆洗する。圧力
センサ11により圧力が所定の圧力以下になったとき、
逆洗を終了して検水3の測定を再開する。また、検水3
の測定時には電磁弁7fを閉じ、電磁弁7gが開き、セ
ンサ部へ供給するエア−配管と合流するように配管され
ているので、測定部の流路が閉塞した場合にはこれを圧
力の変化として検出できる。
純水4とを流し、溶存酸素電極37の安定化した電流値
を記憶する。次に有害物質のない状態のセンサ出力とし
て、バルブ7dを閉、バルブ7eを開にして、アンモニ
ア態窒素を含む緩衝液B6bと純水4とを流し、センサ
出力の安定化後の電流値を記憶する。検水3の測定はバ
ルブ7bを閉、バルブ7aを開にして行う。本装置は1
日1回程度、前記のようにしてセンサの自動校正を行う
がこのとき、検水3の採水用配管の先端の採水フィルタ
21を電磁弁7fを開いてエア−を送り逆洗する。圧力
センサ11により圧力が所定の圧力以下になったとき、
逆洗を終了して検水3の測定を再開する。また、検水3
の測定時には電磁弁7fを閉じ、電磁弁7gが開き、セ
ンサ部へ供給するエア−配管と合流するように配管され
ているので、測定部の流路が閉塞した場合にはこれを圧
力の変化として検出できる。
【0021】図4は従来のアルカリ性の電解液を用いた
溶存酸素電極の出力の経時変化(図中52)と本発明の
酸性の電解液を用いた溶存酸素電極の出力の経時変化
(図中51)とを比較したものである。この図から明ら
かなように本発明の電極は長期に渡って安定な出力が得
られている。図2に示した逆洗機構および流路閉塞検出
機構および図3に示した構造の溶存酸素電極を用いるこ
とにより安定な測定が可能となる。
溶存酸素電極の出力の経時変化(図中52)と本発明の
酸性の電解液を用いた溶存酸素電極の出力の経時変化
(図中51)とを比較したものである。この図から明ら
かなように本発明の電極は長期に渡って安定な出力が得
られている。図2に示した逆洗機構および流路閉塞検出
機構および図3に示した構造の溶存酸素電極を用いるこ
とにより安定な測定が可能となる。
【0022】
【発明の効果】本発明では、従来測定試料への空気供給
用として用いていたエア−ポンプを2流路として、片方
を採水フィルタの逆洗や流路閉塞の検出用に用いたので
より実用的な水質監視用バイオセンサを提供できる。ま
た、溶存酸素電極を長寿命化できたので電極の再生操作
の頻度が少なくなり定期的なメンテナンス項目を少なく
でき、この点からもより実用性の高い装置とすることが
できる。
用として用いていたエア−ポンプを2流路として、片方
を採水フィルタの逆洗や流路閉塞の検出用に用いたので
より実用的な水質監視用バイオセンサを提供できる。ま
た、溶存酸素電極を長寿命化できたので電極の再生操作
の頻度が少なくなり定期的なメンテナンス項目を少なく
でき、この点からもより実用性の高い装置とすることが
できる。
【図1】本発明のバイオセンサ応用水質計の系統構成を
示す模式図
示す模式図
【図2】本発明のバイオセンサ応用水質計の空気配管系
統の詳細を示す模式図
統の詳細を示す模式図
【図3】本発明のバイオセンサとフローセルの構造を示
す模式図
す模式図
【図4】本発明と従来の溶存酸素電極との出力電流の経
時変化の比較
時変化の比較
【図5】従来のバイオセンサ応用水質計の系統構成を示
す模式図
す模式図
1 バイオセンサ 1a バイオセンサ 2 恒温槽 2a 恒温槽 3 検水 4 純水 5 酸洗浄水 5a 洗浄水 6a 緩衝液A 6b 緩衝液B 6c 緩衝液C 7a 電磁弁 7b 電磁弁 7c 電磁弁 7d 電磁弁 7e 電磁弁 7f 電磁弁 7g 電磁弁 8a 送液ポンプ 8b 送液ポンプ 8c 送液ポンプ 8d 送液ポンプ 8e 送液ポンプ 9 熱交換器 9a 熱交換器 10 エアポンプ 10a エアポンプ 11 圧力センサ 12 ニードルバルブ 12a ニードルバルブ 13 二方切換三方弁 14 表示部 14a 表示部 15 制御部 15a 制御部 16 記録計 16a 記録計 17 測定部 17a 測定部 18 スクリーン 19a 標準液A 19b 標準液B 19c 標準液C 20 バルブ切替器 21 採水フィルタ 22 一次貯留槽 22a 一次貯留槽23 検水前処理部23a 検水前処理部 31 正極(金蒸着膜を有するカーボンフェルト) 32 負極(鉛) 33 電解液(酢酸が主成分) 34 隔膜 35 微生物膜 36 金網37 溶存酸素電極 38a リード線(正極) 38b リード線(負極) 39 試料通路 40a Oリング 40b Oリング 40c Oリング 40d Oリング 40e Oリング 40f Oリング41 フローセル 51 本発明の溶存酸素電極の出力電流の経時変化 52 従来の溶存酸素電極の出力電流の経時変化
Claims (4)
- 【請求項1】バイオセンサにより検水の成分分析を行う
装置であって、 エア−ポンプが、微生物の呼吸に必要なエア供給用配管
系と、検水用採水フィルタの閉塞防止のための逆洗浄用
エア供給用配管系と、を備えていることを特徴とするバ
イオセンサ応用水質計。 - 【請求項2】バイオセンサにより検水の成分分析を行う
装置であって、 バイオセンサが、検水の流れるフロ−セルと、固定化微
生物膜と、該固定化微生物膜を支持する金網と、溶存酸
素電極と、該溶存酸素電極を該フロ−セルに固定する取
り付け部品と、で構成され、 該溶存酸素電極がガルバニ電池式であって、隔膜に密着
した金蒸着膜を有するカ−ボンフェルトの正極と鉛負極
と有機酸を主成分とする電解液とから構成され、該隔膜
が固定化微生物膜と平面的に密着し、かつ該フロ−セル
に固定される機構を備えていることを特徴とするバイオ
センサ応用水質計。 - 【請求項3】請求項1記載のバイオセンサ応用水質計に
おいて、 バイオセンサが、検水の流れるフロ−セルと、固定化微
生物膜と、該固定化微生物膜を支持する金網と、溶存酸
素電極と、該溶存酸素電極を該フロ−セルに固定する取
り付け部品と、で構成され、 該溶存酸素電極がガルバニ電池式であって、隔膜に密着
した金蒸着膜を有するカ−ボンフェルトの正極と鉛負極
と有機酸を主成分とする電解液とから構成され、該隔膜
が固定化微生物膜と平面的に密着し、かつ該フロ−セル
に固定される機構を備えていることを特徴とするバイオ
センサ応用水質計。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のバイ
オセンサ応用水質計において、 固定化微生物膜に固定化された微生物が、ニトロソモナ
ス属またはニトロバクタ−属に属する硝化菌類、あるい
はトリコスポロン属に属する酵母類であることを特徴と
するバイオセンサ応用水質計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7250290A JPH0989839A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | バイオセンサ応用水質計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7250290A JPH0989839A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | バイオセンサ応用水質計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0989839A true JPH0989839A (ja) | 1997-04-04 |
Family
ID=17205713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7250290A Pending JPH0989839A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | バイオセンサ応用水質計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0989839A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002544519A (ja) * | 1999-05-19 | 2002-12-24 | アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド | 解析物の抽出及び集積を伴う水のサンプリング |
JP2005321195A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Mitsubishi Electric Corp | 水質計器システム |
JP2006242933A (ja) * | 2004-05-19 | 2006-09-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 土壌診断用バイオセンサおよびこれを用いた土壌診断法 |
JP2008032691A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-02-14 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 水質監視システムおよび水質監視方法 |
CN103076380A (zh) * | 2012-12-25 | 2013-05-01 | 广东电网公司电力科学研究院 | 利用界面电化学反应监测变压器油中糠醛含量的电化学监测仪器 |
CN104237346A (zh) * | 2014-10-09 | 2014-12-24 | 无锡百灵传感技术有限公司 | 在线检测纯化水pH值的电化学传感器 |
CN106970129A (zh) * | 2017-05-05 | 2017-07-21 | 合肥师范学院 | 一种微量元素检测装置 |
JP2017133999A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 中国電力株式会社 | 水質分析装置及び水質分析方法 |
CN111077203A (zh) * | 2020-01-13 | 2020-04-28 | 清池水环境治理科技发展(天津)有限公司 | 一种应急检测用双通道微生物传感器式bod快速测定仪 |
WO2022201868A1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | 横河電機株式会社 | 溶液混合システム及び溶液混合方法 |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP7250290A patent/JPH0989839A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002544519A (ja) * | 1999-05-19 | 2002-12-24 | アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド | 解析物の抽出及び集積を伴う水のサンプリング |
JP2005321195A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Mitsubishi Electric Corp | 水質計器システム |
JP4484575B2 (ja) * | 2004-05-06 | 2010-06-16 | 三菱電機株式会社 | 水質計器システム |
JP2006242933A (ja) * | 2004-05-19 | 2006-09-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 土壌診断用バイオセンサおよびこれを用いた土壌診断法 |
JP4568879B2 (ja) * | 2004-05-19 | 2010-10-27 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 土壌診断用バイオセンサおよびこれを用いた土壌診断法 |
JP2008032691A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-02-14 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 水質監視システムおよび水質監視方法 |
CN103076380A (zh) * | 2012-12-25 | 2013-05-01 | 广东电网公司电力科学研究院 | 利用界面电化学反应监测变压器油中糠醛含量的电化学监测仪器 |
CN104237346A (zh) * | 2014-10-09 | 2014-12-24 | 无锡百灵传感技术有限公司 | 在线检测纯化水pH值的电化学传感器 |
CN104237346B (zh) * | 2014-10-09 | 2016-08-24 | 无锡百灵传感技术有限公司 | 在线检测纯化水pH值的电化学传感器 |
JP2017133999A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 中国電力株式会社 | 水質分析装置及び水質分析方法 |
CN106970129A (zh) * | 2017-05-05 | 2017-07-21 | 合肥师范学院 | 一种微量元素检测装置 |
CN111077203A (zh) * | 2020-01-13 | 2020-04-28 | 清池水环境治理科技发展(天津)有限公司 | 一种应急检测用双通道微生物传感器式bod快速测定仪 |
CN111077203B (zh) * | 2020-01-13 | 2024-05-07 | 清池水环境治理科技发展(天津)有限公司 | 一种应急检测用双通道微生物传感器式bod快速测定仪 |
WO2022201868A1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | 横河電機株式会社 | 溶液混合システム及び溶液混合方法 |
JP7147907B1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-10-05 | 横河電機株式会社 | 溶液混合システム及び溶液混合方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Trojanowicz et al. | Enzyme entrapped polypyrrole modified electrode for flow-injection determination of glucose | |
CN101315347B (zh) | 在线测定样品中生化需氧量的装置及方法 | |
JPH0989839A (ja) | バイオセンサ応用水質計 | |
CN109142491A (zh) | 基于连续流无膜生物阴极微生物燃料电池的水质监测方法 | |
JPH05215745A (ja) | 工業用水中のファウリングをモニターする装置、ファウリングモニター、及びファウリングの連続測定方法 | |
JP4355560B2 (ja) | 有害物質のモニタリング方法 | |
JP4801062B2 (ja) | Sire流れ検出器 | |
CN111443116A (zh) | 一种基于微生物燃料电池的毒性评价方法 | |
CN211978896U (zh) | 一种快速获得活性污泥最大呼吸速率装置 | |
Bailey | Electrochemical sensors for process stream monitoring | |
JP3678093B2 (ja) | 環境水中の有害物質の検出方法 | |
CN210953907U (zh) | 一种污水处理厂进水毒性在线检测装置 | |
CA2085374C (en) | Continuous rbcod measurement | |
JP4406792B2 (ja) | バイオセンサの校正方法 | |
CA2372851A1 (en) | Device and method for monitoring and controlling biologically active fluids | |
JP3077461B2 (ja) | 水中の有害物質のモニタ方法 | |
JP2001228110A (ja) | バイオセンサ応用水質計 | |
JP3413157B2 (ja) | カビ臭物質検出装置 | |
JPH0735741A (ja) | Bod測定装置 | |
JPS62155996A (ja) | 生物学的脱窒素プロセスにおける有機炭素源注入制御装置 | |
JP3522512B2 (ja) | バイオセンサ応用水質計 | |
JP4161111B2 (ja) | 環境水中の有害物質のモニタリング方法 | |
JPH0545352A (ja) | Bod測定装置 | |
JPH1038842A (ja) | 水質計用緩衝溶液 | |
JP3032831B2 (ja) | 有害物質検出装置 |