JP3413157B2 - カビ臭物質検出装置 - Google Patents

カビ臭物質検出装置

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JP3413157B2 JP2000139806A JP2000139806A JP3413157B2 JP 3413157 B2 JP3413157 B2 JP 3413157B2 JP 2000139806 A JP2000139806 A JP 2000139806A JP 2000139806 A JP2000139806 A JP 2000139806A JP 3413157 B2 JP3413157 B2 JP 3413157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、湖沼、ダム
などの上水道原水中に含まれるカビ臭物質の検出や濃度
測定を行うための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】わが国では、上水道の水源を、河川・湖
沼・ダムといった停滞水域に依存している場合が多い。
このような停滞水域に生活排水等が流入し、富栄養化が
進行することにより藻類が増殖する。これら藻類の中に
はカビ臭物質を産生する種類があることが知られてい
る。
【0003】カビ臭物質にはジェオスミンや2MIBが
あるが、これらは通常の浄水過程では処理することが困
難であり、配水される水道水に混入する場合がある。こ
のとき混入しているカビ臭物質が非常に低濃度であって
も、人にカビ臭として感知され異臭味障害を発生する。
このため、極低濃度のカビ臭物質を検出できるようにす
る必要がある。
【0004】また近年、オゾン処理による高度浄水処理
を備える浄水場が増えてきている。このオゾン処理の目
的の一つとして、カビ臭物質の分解がある。よって、カ
ビ臭物質の濃度は、オゾン処理の最適な運転を行うため
のパラメータとしても重要である。
【0005】以上より、カビ臭物質の検出および濃度の
定量的な測定を行う技術が必要となっている。従来は、
低濃度の分析が必要ということもあって、化学分析によ
り化学物質種ごとに濃度を定量する手法が採られてい
る。上水試験方法においてもガスクロマトグラフィ質量
分析法(以下「GC/MS法」という)が規定されてい
る。このGC/MS法は化学物質種の同定および低濃度
の検出において優れた手法であり、他の有機物の分析に
も適用可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、良好な品質の
飲料水を安定して供給するためには、水質を常時監視す
ることで、カビ臭物質の水道水への混入を防ぐことが望
ましい。また、オゾン処理による高度浄水処理のパラメ
ータの一つとしてカビ臭物質濃度を利用する場合も、連
続的に測定する必要がある。
【0007】しかし、従来のGC/MS法のような化学
分析手法では、サンプルをバッチ的にサンプリングし、
煩雑な前処理を行ってから分析する方法が行われている
ため、水道原水中のカビ臭物質を常時、連続的に監視す
ることは困難である。
【0008】本発明は以上のような点を考慮してなされ
たものであり、水中のカビ臭物質の検出ないし濃度測定
を連続的に行うことのできるようなカビ臭物質検出装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、水中のカ
ビ臭物質によって活性阻害を生ずるような微生物と、こ
の微生物を水中に保持するための保持手段とを有する微
生物保持体と、この微生物保持体における前記微生物の
活性阻害を検知するための活性検知手段とを備えたこと
を特徴とするカビ臭物質検出装置である。
【0010】微生物の中には、水中のカビ臭物質によっ
て活性阻害を引き起こされる種類がある。そこで、この
第1の手段は、当該微生物のカビ臭物質による活性阻害
を水中で直接検出することにより、カビ臭物質の連続的
な検出を可能としたものである。
【0011】第2の手段は、第1の手段において、前記
微生物保持体の微生物は、カビ臭物質によって呼吸阻害
を生ずるような微生物であり、前記活性検知手段は、前
記微生物保持体付近の水中酸素濃度を計測する酸素濃度
計測手段であるようにしたものである。
【0012】微生物の活性のうち、特に微生物が酸素を
細胞内に取り込む過程である呼吸活性は、周囲に存在す
る物質によって影響を受けやすい。また、呼吸活性の変
化は、微生物周囲の酸素濃度を計測することで追跡可能
である。そこで、この第2の手段は、第1の手段におい
て、カビ臭物質による微生物の呼吸活性の変化を、酸素
濃度の計測によって間接的に検出することにより、カビ
臭物質の検出および定量を行うものである。
【0013】第3の手段は、第2の手段において、前記
微生物保持体は、前記保持手段としての酸素透過性の膜
に前記微生物を固定化した微生物固定化膜であり、前記
酸素濃度計測手段は、前記微生物固定化膜と密着させた
酸素電極によって酸素濃度を計測するように構成されて
いるものである。
【0014】この第3の手段によれば、検出対象の水は
微生物固定化膜を通して酸素電極に到達することにな
る。そこで、例えば水中に微生物の栄養源となる基質を
含んだ水溶液を供給すると、微生物の呼吸により水中の
溶存酸素が消費されることから、酸素電極に到達する酸
素濃度は小さくなる。このとき水中にカビ臭物質が混入
すると、微生物の呼吸活性が低下し、酸素電極に到達す
る酸素量が増加する。その結果、酸素電極の出力である
電流値が増加することになる。
【0015】従って、酸素電極における電流値の増加を
捕捉することにより、カビ臭物質の検出を行うことが可
能となる。また、一般に電流値の増加量とカビ臭物質濃
度との間に一定の相関関係があることから、これを利用
してカビ臭物質濃度を計測することも可能である。
【0016】第4の手段は、第1乃至第3の手段のいず
れかにおいて、前記微生物保持体の周囲に、検出対象と
なるサンプル水と、前記微生物の栄養源となる基質を含
む基質溶液とを流すためのフローセルと、前記フローセ
ルに対して前記サンプル水を供給するためのサンプル水
供給手段と、前記フローセルに対して前記基質溶液を供
給するための基質溶液供給手段とを更に備えたものであ
る。
【0017】この第5の手段によれば、第1乃至第3の
手段のいずれかにおいて、サンプル水供給手段と基質溶
液供給手段によって、フローセル内の微生物保持体の周
囲にサンプル水と基質溶液とを流すことで、微生物保持
体を利用したカビ臭物質の連続的な検出や濃度測定を安
定して行うことができる。
【0018】第5の手段は、第1乃至第4の手段のいず
れかにおいて、前記微生物保持体の周囲の温度を一定範
囲内に保持するための温度保持手段を更に備えたもので
ある。
【0019】一般に微生物の呼吸活性は温度により変化
する。そこで、この第5の手段によれば、第1乃至第4
の手段のいずれかにおいて、温度保持手段によって微生
物保持体の周囲の温度を一定範囲内に保持することで、
温度による微生物の活性変化を抑え、カビ臭物質の検出
の精度および安定性を向上させることができる。
【0020】微生物としては、アエロモナス・ハイドロ
フィラ(Aeromonas hydrophila)がカビ臭物質であるジ
ェオスミンや2MIBで呼吸阻害を起こすことがわかっ
ている。そこで、第6の手段は、第1乃至第5の手段の
いずれかにおいて、前記微生物をアエロモナス・ハイド
ロフィラとしたものである。
【0021】この場合、例えば、アエロモナス・ハイド
ロフィラを純粋培養し、メンブランフィルタに吸引ろ
過、固定化したものを第3の手段における微生物固定化
膜として利用することができる。
【0022】このアエロモナス・ハイドロフィラについ
ては、栄養源となる基質としてバクト・ペプトン(Bact
o-peptone)を与えることにより、十分な呼吸活性が得
られることが判明している。このバクト・ペプトンは酵
母等、その他の微生物の培養にも用いられる一般的な薬
品であり、容易に入手可能であることから、基質が大量
に必要となる連続測定用に適している。
【0023】そこで、第7の手段は、第6の手段におい
て、前記微生物の栄養源となる基質としてバクト・ペプ
トンを与えるようにしたものである。
【0024】適用する微生物は、一般に中性条件(pH
7前後)で活性である。そこで、第8の手段は、第6又
は第7の手段において、前記微生物保持体の周囲のpH
がほぼ7となるようにしたものである。
【0025】第9の手段は、第8の手段において、検出
対象となる水に対して、前記微生物の栄養源となる基質
とリン酸緩衝液とを含む基質溶液を添加するようにした
ものである。
【0026】この第9の手段によれば、リン酸緩衝液の
作用により、検出対象となる水のpH変動を吸収し、微
生物の周囲のpHをほぼ7に保持することが可能とな
る。
【0027】ここで、上記第3の手段において、微生物
固定化膜に固定化される微生物の菌体数を増加させる
と、基質添加時に酸素消費量が増えて酸素電極における
電流減少量は増加する。そして、基質添加時の電流減少
値が大きい方が、カビ臭物質混入時の電流増加を高感度
に捉えられる。そこで、微生物固定化膜に固定化する微
生物の単位面積当たりの菌体数と、基質添加時の電流減
少値の関係を調べると、0.5×10cells/cm以上
の菌体数では、電流減少値はほぼ一定となる。よって、
高感度測定のために必要な単位面積当たりの菌体数は
0.5×10cells/cmである。また、安定した測定
を図る観点からは、菌体数を過剰にしてもよい。
【0028】そこで、第10の手段は、第3の手段にお
いて、前記微生物固定化膜における前記微生物の単位面
積当たりの菌体数を0.5×10cells/cm以上と
したものである。
【0029】また、微生物固定化膜に供給する基質の濃
度を増やしてやると、基質添加時の電流減少値は増加す
る。そこで、基質添加時の電流減少値の関係を調べたと
ころ、単位面積当たりの菌体数1.0×10cells/cm
の条件では、基質濃度1.25g/L以上では電流減
少値はほぼ一定となる。よって、高感度測定のために必
要な基質濃度1.25g/Lである。また、この基質濃
度についても、安定した測定を図る観点からは過剰に設
定してもよい。
【0030】そこで、第11の手段は、第3の手段にお
いて、前記微生物の栄養源となる基質を含む基質溶液に
おける基質の濃度を1.25g/L以上としたものであ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明によ
るカビ臭物質検出装置の一実施形態について説明する。
図1及び図2は、本実施形態の構成を示す模式図であ
り、図3乃至図6は、本実施形態の原理等を説明するた
めのグラフである。
【0032】まず、図1において、本実施形態のカビ臭
物質検出装置は、微生物保持体としての微生物固定化膜
1と、活性検知手段としての酸素電極4とを備えてい
る。また、微生物固定化膜1の周囲に、検出対象となる
サンプル水と基質溶液とを流すためのフローセル・ユニ
ット7が設けられている。
【0033】ここで、図2に示すように、微生物固定化
膜1は、保持手段としての酸素透過性の膜1bに多数の
微生物1aを固定化したものである。その微生物1aと
しては、例えば、カビ臭物質であるジェオスミンや2M
IBで呼吸阻害を起こすアエロモナス・ハイドロフィラ
(Aeromonas hydrophila)が用いられる。また、保持手
段としての膜1bには、例えば、メンブランフィルタが
用いられる。具体的には、当該微生物1aを培養した液
を、所定の単位面積当たり菌体数となるよう膜1bに吸
引ろ過することにより、微生物固定化膜1が形成され
る。
【0034】また、酸素電極4は、酸素電極本体4a
と、この本体4aの先端面に取り付けられた隔膜部4b
とを有している。その酸素電極本体4aの後端部には変
換器6が接続され、酸素濃度に応じた電流を計測できる
ようになっている。
【0035】そして、微生物固定化膜1と酸素電極4と
は、固定用治具3を用いて、前者の微生物1a固定側が
後者の隔膜部4bに密着するように固定されている。こ
のような構造により、サンプル水は微生物固定化膜1を
通して酸素電極4の隔膜部4bに到達することになる。
【0036】この場合、サンプル水中の酸素濃度を一定
とすると、微生物固定化膜1における微生物1aの呼吸
活性により酸素の消費量が変化するため、酸素電極隔膜
部4bに到達する酸素量も当該微生物1aの呼吸活性に
より変化することになる。そして、隔膜部4bを透過し
た酸素が酸素電極本体4a内に取り込まれ、変換器6に
よって、ポーラログラフ測定法により酸素濃度に応じた
電流が計測されることになる。
【0037】次に、図1に示すように、フローセル・ユ
ニット7に対してサンプル水を供給するためのサンプル
水供給手段として、サンプル水タンク10、吸入管1
2、送液用ポンプ8aおよび送液管9a,9が設けられ
ている。また、フローセル・ユニット7に対して基質溶
液を供給するための基質溶液供給手段として、基質溶液
タンク11、吸入管13、送液用ポンプ8bおよび送液
管9b,9が設けられている。
【0038】この場合、各送液管9a,9bからのサン
プル水および基質溶液が1本の送液管9に合流し、混合
された状態でフローセル・ユニット7に供給されるよう
になっている。また、微生固定化膜1の周囲を通過した
サンプル水および基質溶液をフローセル・ユニット7か
ら排出するための排出管14が設けられている。なお、
両送液用ポンプ8a,8bの運転を調節することで、フ
ローセル・ユニット7に供給されるサンプル水と基質溶
液の割合を変化させ、微生物固定化膜1の周囲の基質濃
度を調節できるようになっている。
【0039】なお、上記の基質溶液は、微生物の栄養源
となる基質を含む溶液であり、アエロモナス・ハイドロ
フィラのための基質としては、例えば炭水化物の1種で
あるバクト・ペプトン(Bacto-peptone)が用いられ
る。
【0040】次に、以上のような構成のカビ臭物質検出
装置によるカビ臭物質濃度の測定原理について説明す
る。
【0041】まず、フローセル・ユニット7にサンプル
水のみを流した場合、微生物1aの呼吸による酸素消費
はほとんど起こらないため、サンプル水中の溶存酸素濃
度に対応した電流が計測される。このサンプル水に基質
溶液を添加すると、微生物1aは呼吸により酸素を消費
するようになり、酸素電極隔膜部4bに到達する酸素量
が減少する結果、計測される電流値は減少する。
【0042】通常は、この状態でサンプル水である水道
原水と基質溶液とをそれぞれ一定流量でフローセル・ユ
ニット7に連続的に供給し、そのときの電流値の変化を
モニタリングする。このとき水道原水にカビ臭物質が混
入すると、カビ臭物質により微生物1aが呼吸阻害を受
け、酸素電極隔膜部4bに到達する酸素量は増加する。
その結果、計測される電流値も増加することから、この
電流値の増加からカビ臭物質の混入を検知することが可
能となる。
【0043】ここで、図3は、サンプル水に基質として
バクト・ペプトン、カビ臭物質としてジェオスミンを添
加した場合における、電流値の時間変化の一例(実験結
果)を示したものである。図3に示すように、バクト・
ペプトンを添加した直後から電流値は急激に減少し、ほ
ぼゼロとなっている。そして、この状態でジェオスミン
を添加したところ、一定時間経過後に電流の増加が見ら
れた。このように、カビ臭物質としてのジェオスミンの
存在を、微生物の呼吸阻害により間接的に検出すること
が可能である。
【0044】このカビ臭物質としてのジェオスミンの水
中濃度と、ジェオスミンによる電流値の増加量との関係
の一例(実験結果)を、図4に示す。図4に示すよう
に、ジェオスミン濃度の増大によって電流値も増加する
ような一定の相関関係があり、ジェオスミン濃度を電流
値の増加量から算定することが可能であることがわか
る。その検出下限濃度は1.0pptと極低濃度であ
り、水道原水をサンプルとしても十分適用が可能であ
る。
【0045】ここで、一般に微生物の呼吸活性は温度に
より変化する。そこで、微生物固定化膜1の周囲の温度
を一定範囲内に保持するための温度保持手段を設けるこ
とが好ましい。そうすることで、温度による微生物の活
性変化を抑え、カビ臭物質の検出の精度および安定性を
向上させることができる。
【0046】また、カビ臭物質を検出するための微生物
の活性を維持するためには、微生物固定化膜1の周囲の
pHを7(中性)付近にする必要がある。このため、p
H緩衝効果を持つ成分を基質溶液に添加することが好ま
しい。そのための緩衝溶液としては、中性付近のpHを
設定するのに用いられるリン酸緩衝液が適当である。
【0047】また、微生物固定化膜1に固定化する微生
物1aの数により、基質添加時の電流減少値は異なる。
そして、基質添加時の電流減少量を大きくし、カビ臭物
質混入前の電流値をほぼゼロまで低下させることによ
り、カビ臭物質混入時の電流増加値も大きく測定され、
測定精度が向上することが期待される。そのための最適
な微生物の菌体数を検討するため、微生物固定化膜1
(膜面積2cm)に固定化する微生物1aの単位面積当
たりの菌体数と、電流減少値との関係を測定した。
【0048】その結果、図5に示すように、単位面積当
たりの菌体数の増加と共に、電流減少値も増加している
が、0.5×10cells/cm以上では電流減少値は変
化していない。よって、サンプル水中の溶存酸素をほぼ
完全に消費するのに必要な菌体数は0.5×10cells
/cmである。
【0049】本装置の運用上も、理論的には0.5×1
cells/cmであれば良いのであるが、実用上、使
用時間の経過と共に菌体数が変化する恐れがある。その
ため、長期間での安定した測定を実現する観点からは、
0.5×10cells/cmよりも過剰な菌体数の微生物
を固定化することが好ましい。
【0050】また、微生物固定化膜1に対して供給する
基質の濃度を増やしてやると、基質添加時の電流減少値
は増加する。そこで、基質濃度と電流減少値の関係を調
べたところ、図6に示すような結果が得られた。図6に
示すように、単位面積当たりの菌体数1.0×10cel
ls/cmの条件では、基質濃度1.25g/L以上で電
流減少値がほぼ一定となった。よって、菌体を十分に活
性化するのに必要な基質濃度は1.25g/Lというこ
とになる。この基質濃度についても菌体数と同様、安定
した測定を可能とする観点からは、1.25g/Lより
も過剰な濃度で供給することが好ましい。
【0051】以上、カビ臭物質による微生物の呼吸阻害
を利用する場合について説明したが、その他のカビ臭物
質による微生物の特定の活性阻害(例えば増殖阻害やタ
ンパク質等の生成阻害)を利用して、そのような活性阻
害を検知するための活性検知手段による検出を行うよう
に構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、微生物の
カビ臭物質による活性阻害を水中で直接検出すること
で、カビ臭物質の連続的な検出が可能となるので、水中
のカビ臭物質を常時、連続的に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカビ臭物質検出装置の一実施形態
を示す模式図。
【図2】図1に示すカビ臭物質検出装置における酸素電
極周辺を拡大して示す図。
【図3】基質溶液およびカビ臭物質を添加した場合の電
流値の時間変化を示すグラフ。
【図4】ジェオスミンの水中濃度と、ジェオスミンによ
る電流値の増加量との関係を示すグラフ。
【図5】微生物の単位面積当たりの菌体数と、基質添加
時の電流減少値との関係を示すグラフ。
【図6】基質濃度と、基質添加時の電流減少値との関係
を示すグラフ。
【符号の説明】
1 微生物固定化膜 1a 微生物 1b 酸素透過性の膜(微生物保持体) 3 固定用治具 4 酸素電極(酸素濃度検出手段) 4a 酸素電極本体 4b 隔膜部 6 変換器 7 フローセル・ユニット 8a,8b 送液用ポンプ 9,9a,9b 送液管 10 サンプル水タンク 11 基質溶液タンク 12,13 吸入管 14 排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12N 11/02 G01N 27/46 323 C12R 1:01) (C12Q 1/00 C12R 1:01) (72)発明者 宇 野 弘 高 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 松 永 是 東京都小金井市中町2−24−16 (56)参考文献 特開 昭54−47699(JP,A) 特開 平10−90270(JP,A) 特開 平10−28591(JP,A) 特開 平8−242857(JP,A) 特開 平10−52298(JP,A) 特開2000−74870(JP,A) 実開 昭63−105072(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/327 C12N 11/02 C12Q 1/00 G01N 27/404 G01N 27/416 C12R 1:01 C12Q 1/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中のカビ臭物質によって活性阻害を生ず
    るような微生物と、この微生物を水中に保持するための
    保持手段とを有する微生物保持体と、 この微生物保持体における前記微生物の活性阻害を検知
    するための活性検知手段とを備えたことを特徴とするカ
    ビ臭物質検出装置。
  2. 【請求項2】前記微生物保持体の微生物は、カビ臭物質
    によって呼吸阻害を生ずるような微生物であり、 前記活性検知手段は、前記微生物保持体付近の水中酸素
    濃度を計測する酸素濃度計測手段であることを特徴とす
    る請求項1記載のカビ臭物質検出装置。
  3. 【請求項3】前記微生物保持体は、前記保持手段として
    の酸素透過性の膜に前記微生物を固定化した微生物固定
    化膜であり、 前記酸素濃度計測手段は、前記微生物固定化膜と密着さ
    せた酸素電極によって酸素濃度を計測するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項2記載のカビ臭物質検
    出装置。
  4. 【請求項4】前記微生物保持体の周囲に、検出対象とな
    るサンプル水と、前記微生物の栄養源となる基質を含む
    基質溶液とを流すためのフローセルと、 前記フローセルに対して前記サンプル水を供給するため
    のサンプル水供給手段と、 前記フローセルに対して前記基質溶液を供給するための
    基質溶液供給手段とを更に備えたことを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のカビ臭物質検出装置。
  5. 【請求項5】前記微生物保持体の周囲の温度を一定範囲
    内に保持するための温度保持手段を更に備えたことを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカビ臭物質
    検出装置。
  6. 【請求項6】前記微生物はアエロモナス・ハイドロフィ
    ラであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のカビ臭物質検出装置。
  7. 【請求項7】前記微生物の栄養源となる基質としてバク
    ト・ペプトンを与えるようにしたことを特徴とする請求
    項6記載のカビ臭物質検出装置。
  8. 【請求項8】前記微生物保持体の周囲のpHがほぼ7と
    なるようにしたことを特徴とする請求項6又は7記載の
    カビ臭物質検出装置。
  9. 【請求項9】検出対象となる水に対して、前記微生物の
    栄養源となる基質とリン酸緩衝液とを含む基質溶液を添
    加するようにしたことを特徴とする請求項8記載のカビ
    臭物質検出装置。
  10. 【請求項10】前記微生物固定化膜における前記微生物
    の単位面積当たりの菌体数を0.5×10cells/cm
    以上としたことを特徴とする請求項3記載のカビ臭物
    質検出装置。
  11. 【請求項11】前記微生物の栄養源となる基質を含む基
    質溶液における基質の濃度を1.25g/L以上とした
    ことを特徴とする請求項3記載のカビ臭物質検出装置。
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