JP7379747B1 - 微量な毒物・微量な油分・微量なカビ臭を連続測定するハイブリッド水質自動検出装置 - Google Patents

微量な毒物・微量な油分・微量なカビ臭を連続測定するハイブリッド水質自動検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原水の微量な毒物、微量な油分、微量なカビ臭、を24時間無人で自動検出ができる安価でコンパクトで操作性が容易なユニット化された装置を水道水を製造する全国の浄水場で長年求められてきた。【解決手段】微量毒物は小型魚類のヒメダカを監視カメラと画像処理装置を使い、微量な油分は酸化スズ半導体センサ素子を使い、微量なカビ臭は感応膜圧電共振センサ素子を使い、いずれもセンサ機能が違うものを水質監視の目的でハイブリッド化をすることで可能とした。【選択図】図1

Description

水道法により河川表流水や湖沼水や地下水やダム水等の水道原水を連続で浄水場に引き込み浄水処理により安全な水道水を市民に供給している。そのためには有毒物質に指定された51品目は毎月サンプリング検査が行われている。しかし連続水を浄水処理する浄水場においては毒物混入がいつ起こるか分からずサンプリングでは見損なうことから入水口に毒物混入を想定した魚類による連続監視を法律で義務化している。
浄水場においては以前は飼育水槽に金魚や近隣の河川魚を飼育する水槽に原水をバイパスで引き込み水質管理者が24時間目視監視をしていたが、肉体的精神的な疲労から見誤りや見損ないなどの課題や人員不足等から自動で魚類を監視する毒物自動監視装置が普及してきた。2001年「米国の同時多発テロ」後に厚生労働省から国内におけるテロ事件発生に関する対応として水道水のより一層の監視の重要性が指摘され、魚類を使った毒物自動監視装置が注目され広く普及するきっかけとなった。魚類を使った毒物自動監視装置は国内では数社が製造販売している。しかし水道法では有毒物質の濃度が微量であるため解析方法の技術は各メーカ独自開発で、例えば監視カメラと画像処理方式や電極による活動電位式、バクテリアによる酸素量測定式などが普及している。
しかし浄水場の水質事故は毒物混入事故より油流入事故の方が数段多い、特に雪の多い地域では春前に暖房機を仕舞うとき残油を廃棄し、それが河川を伝って浄水場に流れ込む、また車社会の自動車事故によるガソリンやオイルなどの河川の流れ込み、大雨などの災害による油タンクの流出事故等が事例としてある。
ところがこの十数年の異常気象の原因と考えられる水道原水の河川表流水やダム水や湖沼水などから、今まで発出しなかった東北や北海道の寒冷地でもカビ臭物質産生藍藻(カビ臭藍藻)の増殖でカビ臭のジェオスミンや2-メチルイソボルネオール(以後2-MIBと表記)が水道施設の浄水場で検出され水道水からカビ臭を嗅いだ市民の苦情が全国的に多く寄せられている。カビ臭は油やガスなどの検出に多く使用される酸化スズ半導体素子ではカビ臭の水質基準値である10ng/L(10ナノグラムパーリットル)の微量濃度は検出できず発明者の実験では水質基準値の約30倍の333ng/Lが検出限界値であった。唯一10ng/L以下でも検出できるのは質量分析器のガスクロマトグラフィ(通称ガスクロ、以後ガスクロと言う)であるが解析結果が出るまで専門の技術者で数時間かかり即応性や連続水に対応できないなど課題があり製品価格も検査官の数年分の給与に相当する高額であることから広く普及に至っていない。浄水場の水質管理者は市民の苦情解決には敏速性が要求されることから人の鼻で数分間隔に嗅ぐことを24時間交代制で行いカビ臭を嗅ぐと速やかに活性炭を原水に投入してカビ臭の除去作業を行うが、投入タイミングが遅れると苦情につながる。またカビ臭が無くてもいつ発生するか分からないため活性炭の投入を続け活性炭の費用が増加して経済的な負担が多くなることも関連課題であった。カビ臭は日本人が特別敏感と言われる由縁は梅雨がある日本では食物の腐敗のカビ臭を鼻でかいて安全か危険かを選別していた歴史的な背景からカビ臭に敏感な国民になったと言われている。
カビ臭の検出の技術的な課題としては住民全体の1~2%の極少数の人は水道水から微量濃度でも感知して浄水場に苦情を言う、その濃度はガスクロマトグラフィでないと検出できない3~5Ng/L(5ナノグラムパーリットル:5Ng/L(5PPT≒0.000005mg/L))で水道法のカビ臭の水質基準値の10Ng/Lを下回る驚くべき嗅覚の持ち主と言える。そのため以前から即応性が良く簡便な操作で24時間無人で連続水の自動検出ができる安価のものが望まれていた。そのため各社で開発が進められているが課題も多くあり、その一つがカビ臭の試験溶液は市販されているがメタノールを溶媒としているためメタノールの臭いを検出してカビ臭の臭いはメタノールの臭いに覆い隠されて検出できなかった。また微量濃度のカビ臭を検知できる小型で安価なセンサ素子も開発されていなかった。
河川表流水や湖沼水や地下水やダム水等の原水に有毒物質が混入する事故の事例として、2012年に利根川水系からホルムアルデヒド(がん要因物質)が検出され、取水停止措置により87万人が断水の影響を受けた。また某ハム工場の地下水でシアンが検出され全国のスーパーからハムを含めた商品が返品され会社の存亡に影響した事例もある。有毒物質はPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有機塩素系化合物、水銀、カドミュム、鉛、亜鉛、六価クロムなどの有害重金属、史上最悪といわれるダイオキシン、急性毒物であるシアン化カリウムや農薬などあげればきりがないほどである。また化学物質が河川などで他の物質と化学反応を起こして有毒物質に変化する複合毒性の可能性も含んでいる。
公共水道や食品工場などは、いち早く有毒物質の原水混入を検出して取水を停止するなどの最善処置が求められる。そのためには魚類を使った毒物監視のバイオアッセイ法(生物検定法とも言う)は昔から広く認知され使用されてきた。毒物の混入は場合によっては人間の生死にかかわるためバイオアッセイ法は水道法で設置が義務付けされており水道法の第23条1項には給水の緊急停止がうたわれており水道事業者は、その供給する水道水が人の健康を害する恐れがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水道水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講じなければならない。
罰則規定(水道法 第52条)第23条1項の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金などの刑法の適用があり厳しく規定されている。バイオアッセイ法は法律でも規定されておりテロ対策からも重要な設備である。テロの事例としては、成田国際空港の整備に対して、過激派によって昭和53年6月千葉県北総浄水場への廃油・毒物投入事件が発生している。近年では、第三者による水道施設内への侵入、毒物の投入事件が発生している。
魚類を監視水槽に飼育して目視監視や毒物自動監視装置が広く実用に供されているが、原水の水質汚染事故の種類は油類の事故が圧倒的に多く図8は平成元年~10年度の水源水質汚染事故の発生件数であるが油類流出が圧倒的に多いのが分かる。そのため浄水場は対策として取水口に油分検出装置を設置している。
特にこの数年の異常気象によりカビ臭の苦情が北海道から沖縄まで全国で多く寄せられてきた。異常気象でカビ臭物質産生藍藻(カビ臭藍藻)の増殖でカビ臭のジェオスミン、2-メチルイソボルネオール(2-MIB)が水道施設の浄水場で検出されている。これらの課題から微量な毒物検出、微量な油分検出、微量なカビ臭検出、省力化、設置スペースの解消、コストの節減化、水質管理者の肉体的精神的な疲労の解消など浄水場の現場から開発が望まれていた。
特開平10-307095号公報 特開2018-044831号公報 特開2019-124643報 特開2020-034436号公報 特願2020-151411
本発明者は長年メダカを使った毒物自動監視装置の研究開発から実用化までを担ってきたが水道管理者の近々の課題でもある油分流入事故やカビ臭の苦情などの解決のために毒物検出機能と油分検出機能とカビ臭検出機能の3つを1台のユニットでハイブリット化して住民の苦情と浄水場の水質改善を図ることを目的とする。ハイブリット化にすることで原水監視の省力化、設置スペースの削減、コストの節減、等で水道事業に貢献できる。
現在、油分を検出する自動油分測定法には,ヘキサンに抽出された物質の質量を測定するヘキサン抽出法や紫外線照射による紫外蛍光法,高分子膜を使用するオルガスタ法,におい感応膜に吸着したにおい分子質量を測定する水晶振動式などがある。また,油膜の検出法として,浮上油を油膜として検出する比誘電率法,水面に光を照射し反射光を測定する光反射法などがあるが、いずれも形状が大きく高額で操作性も複雑である。酸化スズ半導体センサ素子は煙感知器やアルコール検知器など広く応用されており油分に関しても検知機能が優れている。油分が浄水場の着水井やろ過池等に一旦入ると清掃しても油残臭が除去できず水道水の油臭苦情になり苦慮していた。
また、カビ臭においてはカビ臭の原因はカビそのものではなく、水道水源であるダム、湖沼、貯水池、及び河川等で繁殖する藻類等が産生する物質が原因であり藍藻類の中でも問題となる種類は、Pholmi-dium(フォルミディウム)、Anabena(アナベナ)等が知られており、これらが増殖すると、ジェオスミンと2-MIB(2-メチルイソボルネオール)が産生されカビ臭が発生する。
本発明者は特願2020-151411において低濃度のカビ臭を検出するためには上水試験法に準じて原水を40℃~50℃に温め、さらに温めながら激しく振ることの必要性から冷却水を循環させるなどの複雑で精巧なプロセスと多くの計器類を必要とする発明であったが、その後の研究において感応膜圧電共振センサは条件を整えれば常温水でも低濃度のカビ臭の検出ができることを発見した。その結果、コンパクトでシンプルな構造にすることで油検出と毒物検出とカビ臭検出のハイブリット化が可能となった。
上記課題を解決するため、請求項1記載のハイブリッド水質自動検出装置は、
浄水場に引き込む原水の毒物と、浄水場に引き込む原水の油臭と、浄水場で処理された浄水のカビ臭の3つをそれぞれ違う機能を持つセンサを用いて自動検出するセンシング機器を備えた水質監視の目的とするハイブリッド水質自動検出装置であって、
前記毒物の検出は原水中における魚類の異常行動を監視カメラと画像処理装置で自動検出し、油臭は原水を収容した油検出容器の上蓋に設置した酸化スズ半導体センサ素子と油臭制御装置と管理用PCソフトで自動検出し、カビ臭は前記浄水を収容したカビ臭検出容器とカビ臭がない純水を収容した純水ベース水容器とエアーポンプと感応膜圧電共振センサ素子と解析PCソフトを連携して検出することを特徴とする。
請求項2記載のハイブリッド水質自動検出装置は、請求項1記載のハイブリッド水質自動検出装置において、
前記浄水場の毒物用出水は着水井から原水を引き込み、油臭検出水も同じ着水井から原水を引き込み、カビ臭は浄水場で処理された浄水カビ臭検出容器に引き込んで検出することを特徴とする。

請求項3記載のハイブリッド水質自動検出装置は、請求項1記載のハイブリッド水質自動検出装置において、
前記純水ベース水容器の純水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることでセンサ素子表面を洗浄し、素子表面をクリアにしてカビ臭検出容器の浄水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることで微量なカビ臭を検知できるようにしたことを特徴とする。


本発明のハイブリッド水質自動検出装置は、上述のように構成することで、以下に述べるような効果が得られる。
すなわち、浄水場に引き込む原水の毒物と油とカビ臭の3つをそれぞれ違う機能を持つセンサを用いて自動検出するセンシング機器を一つのコンパクトなユニットに納めて水質監視ができる。
また、毒物検出は魚類の異常行動を監視カメラと画像処理装置等で自動検出する。油臭は油検出容器の上蓋に設置した酸化スズ半導体センサ素子と油臭制御装置と管理用PCソフトで自動検出する。カビ臭はカビ臭検出容器とカビ臭純水ベース水容器とエアーポンプと感応膜圧電共振センサ素子と解析PCソフト等を連携して使用できる。
また、浄水場の毒物用検査水は着水井から原水を引き込み、油分検出水も同じ着水井から原水を引き込む、カビ臭は浄水からカビ臭検出容器に引き込む、など引き込み口の異なる検査水を使用できる。
また、カビ臭純水ベース水検出容器の純水ベース水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることでセンサ素子表面を洗浄し、素子表面をクリアにして次のカビ臭検出容器2の浄水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることを繰り返すことで微量なカビ臭を検知できる。
上述のように構成することで、住民の苦情の軽減、水質管理者の精神的肉体的疲労の軽減、浄水場の省力化、設置スペースの削減、コストの節減、等を図り水道水の安全と快適な住生活に貢献することができる。
実施例のハイブリッド監視のシステム構成図である。 実施例の臭い嗅がせと初期化のサイクル図である。 実施例のカビ臭検出試験表である。 実施例の浄水場の浄水処理プロセスとハイブリッド監視の試料水の引込口の構成図である。 実施例の浄水場の浄水処理プロセスと臭い監視に特化した場合の試料水の引込口の構成図である。 実施例の毒.油.カビ.のハイブリッド機能ユニットの外観図である。 実施例の臭いセンサに特化した場合のユニットの外観図である。 実施例の10年間の水質汚染事故発生内容と件数である。
以下にこの発明を図面に基づいて説明する。
図1はハイブリッド監視のシステム構成図である。発明者は先願で詳細に記載しているので簡潔に説明をする、まず着水井の原水2はヒータを備えた受水槽52に連続給水し、その原水をヒメダカ51が約20匹飼育している監視魚水槽5に給水する。監視魚水槽5は水中ポンプや水位センサやヒータやLED照明を備えており給水された水量と同水量が排出され水槽の水量を一定に保っている。水槽上部に監視カメラ53を設置し監視魚水槽5を俯瞰撮影する。カメラの映像信号は画像処理装置54に入り警報を4段階にするため4映像に分配され画像解析され信号を周辺制御装置55のタイマ制御で注意1→注意2→注意3→異常の段階警報を出力し異常警報のときは電磁弁を開放して監視魚水槽5の原水が水質分析用の試料水として採水容器に自動保管される。4段階の警報はブロック画像解析と言われる監視魚水槽5を映像上で縦7個の横8個の計56個のブロックを配置し約20匹のヒメダカが56ブロックに何匹泳いでいるかで警報段階にしている。例えば毒物混入で段階的に警報を発し最終的に全匹が死んだ場合は泳いでいる匹数は0(ゼロ)なので異常警報になる。俯瞰撮影された監視魚水槽5の映像は液晶モニタで目視ができ、段階的に警報や機器の故障などは表示パネル56で確認ができる。
また図1の受水槽52からの給水は監視魚水槽5ともう一方の油臭検出容器6である。油臭検出容器6の上蓋には油臭センサ素子61が具備し酸化スズ半導体センサと言われる素子である。油臭検出容器6は連続給水された水量と同水量が排出され容器の水量は定空間を確保し一定に保たれている。油臭センサ素子61は油臭検出容器6の定空間の臭いを連続的に嗅いでデータを油臭制御装置62に送り感度の調整などを行い臭気管理パソコン64の油臭管理ソフト63で臭い値の記録やグラフ化や閾値での警報の設定などを行う。
また図1の浄水地の浄水3はカビ臭検出容器7に連続給水される。カビ臭検出容器7は給水された水量と同水量が排出され容器の水量は定空間を確保し一定に保たれている。定空間の臭いはエアーポンプ72で吸い込みカビ臭センサ73に吹き付け臭い管理パソコン64のカビ臭管理ソフト74で臭い値の記録や解析を行い閾値に達した時は警報を自動で発する。カビ臭センサ73は感応膜圧電共振センサ素子と言われる素子である。カビ臭検出を連続無人測定で行うには素子表面の膜に付着した分子レベルの物質を常に剥ぎ落して初期化をしなければならない、そのためにはカビ臭純水ベース容器71の純水の臭いをエアーポンプ72で吸い込みカビ臭センサ73に吹き付けて膜に付着した分子レベルの物質をその度に剥ぎ落して初期化をして臭いを新たに嗅ぐ必要がある。
図2は臭い嗅がせと初期化のサイクル図である。図1で記載した初期化と臭い嗅ぎとのサイクルを図式したものである。初期化から臭い嗅がせをして純水ベースをあてて臭い物質剥ぎ落しをして初期化が1回目の測定で2回目は臭いを嗅がせその後に純水ベース水を膜にあてて臭い物質を剥ぎ落し初期化をするまでが2回目でこのサイクルを繰り返す。臭い嗅がせ時間や臭い物質剥ぎ落し時間や初期化の時間は自由に設定が可能で浄水場の浄水プロセスなどの違いにより設定時間を割りあてるが通常は1回の測定時間は約60秒である。
図3はカビ臭検出試験表である。図2のサイクルを50回連続の試験で検証したものである、横軸に測定回数で縦軸は測定値である。浄水池の浄水3は消毒用に次亜塩素酸ナトリュウム(次亜と以後記す)が約0.5mg/L が注入されている、発明者も自社の水道水の次亜濃度を測定したが0.5mg/Lであつた、カビ臭は2-MIBとジェオスミンで水を溶媒としておりメタノールは含まれていない。それぞれの濃度は0.5mg/Lである。グラフ表では実線が次亜だけのとき、破線は次亜に2-NIBを注入し濃度を3ng/Lにしたとき、一点鎖線は次亜にジェオスミンを注入し濃度を3ng/Lにしたとき、測定回数50回で次亜だけのときは平均―141.08、次亜に2-NIBを注入したときは平均417.46、次亜にジェオスミンを注入したときは平均704.54、であり次亜の臭い値にカビ臭が上乗せされて検出されている。この測定値は特定の単位を表すものではない。
図4は浄水場の浄水処理プロセスとハイブリッド監視の試料水の引込口の構成図である。浄水場に引き込む原水の毒物と油とカビ臭の3つをそれぞれ違う機能を持つセンサを用いて自動検出するハイブリッド化した自動監視をするためには浄水場の浄水処理プロセス1の何処の池から試料水を引き込むかが重要であり、油検知と毒物検知は着水井の原水2から引き込み、カビ臭検知は浄水池の浄水3から引き込む。住民全体の1~2%の極少数の人は水道水から微量濃度カビ臭をガスクロマトグラフィでないと検出できない3~5Ng/Lで判別できる人が浄水場に苦情を言う。この低濃度でカビ臭センサで検知するためには、浄水場は多量の水道水を作るため緩速ろ過方式に比べて約25倍もろ過速度が速い急速濾過方式に変えたことで水溶性有機物や合成洗剤や細菌などがすり抜けるため浄水場の浄水処理プロセス1の殺菌用の次亜塩素酸ナトリュウム(通称で次亜と言う)の注入(塩素処理とも言う)後の浄水を使用する。微量カビ臭検出には塩素臭が邪魔をして微量カビ臭の検出は難しいのではないかと考えられていたが本発明で使用するカビ臭センサの感応膜圧電共振センサ素子の膜に付着した塩素臭の分子にカビ臭の分子も付着し比重が上乗せすることを発見した。その裏付けの試験は図3で記載した。
浄水場においては離れた河川等の取水口や着水井の原水2でカビ臭を検出できれば浄水場の浄水処理プロセス1の段階で活性炭を投入してカビ臭物質を除去したいとの要望もある、その対策として市販されている災害時にパッケージ化されたろ過膜や塩素注入器を備えた小型可搬型の浄水装置を避難場所に設置してプールの水や近くの池や河川の水を浄化して避難者に飲み水を提供している、この浄水装置をオプションとして備えれば検査水量の少なさもあり浄水場の小型版で同じような浄水処理をしているので原水でも微量カビ臭検出が可能になる。
図5は浄水場の浄水処理プロセスと臭い監視に特化した場合の試料水の引込口の構成図である。毒物検知機能を取り除いた油臭とカビ臭の2種類の臭いだけを上記と同じ仕様の単体装置にすることで臭い検知に特化することによりコンパクトで安価にできる。こちらも油の検知は着水井の原水2を引き込みカビ臭検知が浄水池の浄水3である。図4及び図5の浄水場の浄水処理プロセス1は一つの事例で浄水プロセスが全て図と同じではない。例えば都市部の浄水場では塩素が原水中の有機物と反応して、トリハロメタンを副生するためオゾン酸化と活性炭の吸着処理との組み合わせの高度浄水処理などを取り入れて美味しい水道水の取り組みをしている。
図6は毒,油,カビ,のハイブリット機能ユニットの外観図である。着水井の原水2は受水槽52に連続給水され、監視魚水槽5と油臭検出容器6に連続給水をする。まず監視魚水槽5にはヒメダカ51が約20匹飼育しており水槽上部の監視カメラ53で監視魚水槽5を俯瞰撮影する。カメラの映像信号は画像処理装置54に入り4映像に分配する周辺制御装置55で注意1→注意2→注意3→異常の段階警報を表示パネル56で表示し水槽の魚は液晶テレビ58で確認できる。もう一方の油臭検出容器6の上蓋には酸化スズ半導体の油臭センサ素子61が具備し、油臭検出容器6の定空間の臭いを連続的に嗅いでデータを油臭制御装置62に送り感度の調整などを行い臭気管理パソコン64の油臭管理ソフト63で臭い値の記録やグラフ化や閾値での警報の設定などを行う。油と水は表面張力の差が大きくまざりあわないので微量の油でも臭いは薄められずに油そのものが表面に漂っているため検出が容易で実験では灯油・軽油・ガソリン・エンジンオイル等のいずれも0.00001mg/L濃度で検出した。
また図6のカビ臭検出容器7には浄水池の浄水3が連続給水され給水された水量と同水量が排出され容器の定空間の臭いはエアーポンプ72で吸い込み感応膜圧電共振センサ素子と言われるカビ臭センサ73に吹き付け臭い管理パソコン64のカビ臭管理ソフト74で臭い値の記録や解析を行い閾値に達した時は警報を自動で発する。カビ臭センサ73は感応膜圧電共振センサ素子と言われる素子である。カビ臭検出容器7の近くに純水を入れたカビ臭純水ベース容器71が備えられ純水の臭いをエアーポンプ72で吸い込みカビ臭センサ73に吹き付けて膜に付着した分子レベルの物質を測定回数の度に剥ぎ落して初期化をする。純水は定期的に交換する必要がある。臭い嗅がせと初期化のサイクルは図2で説明済みである。
図7は臭いセンサに特化した場合のユニットの外観図である。油臭とカビ臭の2種類の臭いだけの単体ユニット図であり、着水井の原水2は原水受水槽52に受水し寒冷地対策として平均常温20℃程度をキープするためヒータ65を設置し水温はサーモスタット66でコントロールされる。原水受水槽52から油検出容器6に入水と排水を繰り返し一定水量に保たれる。原水の上部の空間の臭いを油臭センサ素子61で臭いを嗅いでその臭いを油臭制御装置で数値化して臭気管理パソコン64の油臭管理ソフト63で監視画面を表示し予め設定した設定値以上の数値の場合は自動警報を出す。また浄水池の浄水3を。カビ検知容器7に入水し、こちらも入水と排水を繰り返し一定水量に保たれる浄水の上部の空間の臭いをエアーチューブを通してエアーポンプ72で吸い込みカビ臭センサ素子73に定量吹き付ける。カビ臭センサ素子73はその臭い値を臭気管理パソコン64のカビ臭管理ソフトにより、臭いの数値を測定と記録を行う。カビ臭検出容器7の近くに純水を入れたカビ臭純水ベース容器71が備えられ純水の臭いをエアーポンプ72で吸い込みカビ臭センサ73に吹き付けて膜に付着した分子レベルの物質を測定回数の度に剥ぎ落して初期化をする。純水は定期的に交換する必要がある。臭い嗅がせと初期化のサイクルは図2で既に記載した。
図8は10年間の水質汚染事故発生内容と件数である。平成元年~10年度の水源水質汚染事故の発生件数で浄水場に関係する油類流出の事故が73.4%で圧倒的に多く、次に多いのが異臭の19.9%でこの2件で93.3%を占めており本発明が浄水場で如何に必要性が求められているかが分かる。
本発明は、水道水を製造する浄水場において原料は河川表流水や湖沼水や地下水やダム水等で原水と言われる。原水に含まれる毒物や油分やカビ臭などの検出が重要であり毒物に関しては魚類監視が法律で義務になっているほどである。原水は連続水であるためサンプリング検査では不十分で夜間も含めて24時間連続監視をしなければならず自動化は必需である。自動化を行うには人間と同じようなセンサ機能を備えなければならず、検出物質の違いから適切なセンサを組み合わせたハイブリットな監視が要求されるようになった。本発明は毒物と油分とカビ臭を24時間無人で自動監視が出来ることで省力化、設置スペースの削減、コストの節減、水質管理者の精神的肉体的疲労の軽減などを図り水道水の安全と快適な食生活に貢献できることで、水道事業体以外にも飲料水メーカや食品メーカなど水を使用する産業分野に利用が可能である。
1 浄水場の浄水処理プロセス
2 着水井の原水
3 浄水池の浄水
4 ハイブリッド監視ユニット
5 監視魚水槽
6 油臭検出容器
7 カビ臭検出容器
51 ヒメダカ
52 受水槽
53 監視カメラ
54 画像処理装置
55 周辺制御装置
56 表示パネル
57 液晶モニタ
61 油臭センサ素子
62 油臭制御装置
63 油臭管理ソフト
64 臭気管理パソコン
71 カビ臭純水ベース水容器
72 エアーポンプ
73 カビ臭センサ素子
74 カビ臭管理ソフト

Claims (3)

  1. 浄水場に引き込む原水の毒物と、浄水場に引き込む原水の油臭と、浄水場で処理された浄水のカビ臭の3つをそれぞれ違う機能を持つセンサを用いて自動検出するセンシング機器を備えた水質監視を目的とするハイブリッド水質自動検出装置であって、
    前記毒物の検出は原水中における魚類の異常行動を監視カメラと画像処理装置で自動検出し、油臭は原水を収容した油検出容器の上蓋に設置した酸化スズ半導体センサ素子と油臭制御装置と管理用PCソフトで自動検出し、カビ臭は前記浄水を収容したカビ臭検出容器とカビ臭がない純水を収容した純水ベース水容器とエアーポンプと感応膜圧電共振センサ素子と解析PCソフトを連携して検出することを特徴とするハイブリッド水質自動検出装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド水質自動検出装置において、
    前記浄水場の毒物用出水は着水井から原水を引き込み、油臭検出水も同じ着水井から原水を引き込み、カビ臭は浄水場で処理された浄水カビ臭検出容器に引き込んで検出することを特徴とするハイブリッド水質自動検出装置。
  3. 請求項1記載のハイブリッド水質自動検出装置において、
    前記純水ベース水容器の純水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることでセンサ素子表面を洗浄し、素子表面をクリアにしてカビ臭検出容器の浄水のエアーをエアーポンプで感応膜圧電共振センサ素子に吹付けることで微量なカビ臭を検知できるようにしたことを特徴とするハイブリッド水質自動検出装置。
JP2023081571A 2023-05-17 2023-05-17 微量な毒物・微量な油分・微量なカビ臭を連続測定するハイブリッド水質自動検出装置 Active JP7379747B1 (ja)

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