JPH0988799A - カムモータ装置 - Google Patents

カムモータ装置

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JPH0988799A
JPH0988799A JP25084095A JP25084095A JPH0988799A JP H0988799 A JPH0988799 A JP H0988799A JP 25084095 A JP25084095 A JP 25084095A JP 25084095 A JP25084095 A JP 25084095A JP H0988799 A JPH0988799 A JP H0988799A
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end cap
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cam motor
housing body
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Yoichiro Kotake
洋一郎 小竹
Toshihiro Naruse
俊博 成瀬
Yasunari Muromiya
康成 室宮
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジングの剛性を大きくできるカムモータ
装置を提供する。 【課題手段】 カムリング3を挟んでハウジング本体1
とエンドキャップ6とをボルト71で締め付けてハウジ
ングを形成する。ハウジング本体1とエンドキャップ6
にそれぞれ軸受10,9を介して出力軸8を回転自在に
支持する。シリンダ31内にカムリング3の内周面3a
に案内されて出没するピストン5を嵌合したシリンダブ
ロック4を出力軸8に固定する。ハウジング本体1とエ
ンドキャップ6に、それぞれ出力軸8と平行な取付面5
1b,52b,61b,62bを有する複数の取付フラ
ンジ部51,52,61,62を形成する。ハウジング
本体1の複数の取付フランジ部51,52は出力軸8の
両側に位置するとともに、エンドキャップ6の複数の取
付フランジ部61,62は出力軸8の両側に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカムモータ装置に
関する。より詳しくは、本体を貫通する出力軸を有し、
この出力軸の両端にたとえば車輪を取り付けて駆動でき
るようにしたカムモータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカムモータ装置として
は、図4(a)に示すようなものが知られている。このカ
ムモータ装置(全体を190で示す)は、カムリング1
03の両側に当接したハウジング本体101とエンドキ
ャップ161とをボルト171で締め付けてハウジング
を形成し、ハウジングカバー102(外縁部102bが
ボルト172でハウジング本体101の外周部101b
に一体に取り付けられている)とエンドキャップカバー
106(エンドキャップカバー106はボルト173で
エンドキャップ161に固定されている)にそれぞれ円
錐ころ軸受110,109を介して出力軸108を回転
自在に支持する一方、放射状に配置されたシリンダ13
1内にピストン105を嵌合したシリンダブロック10
4を上記出力軸108に固定し、上記エンドキャップ1
61の内側に上記シリンダ131に対する流路の切り換
えを行うディストリビュータ107を設けたものであ
る。上記エンドキャップ161には、図示しない流体供
給口,流体排出口と、それらにつながる環状流路14
2,144が形成されている。これらの環状流路14
2,144は、ディストリビュータ107の流体供給路
143,流体排出路(図示せず)に通じ、さらにシリン
ダブロック104に形成された流路132を通してシリ
ンダ131と連通し得るようになっている。上記ピスト
ン105は、ディストリビュータ107からシリンダ1
31に供給された作動流体の圧力を受けて、ローラ15
0を介してカムリング103の内周面103aに案内さ
れつつシリンダ104の内外に出没する。これにより、
ピストン105がトルクを受けて、カムリング103に
対してシリンダブロック104が回転される。
【0003】上記エンドキャップ161の外周面161
bは、車両フレーム(図示せず)に設けられた脚部材
(図示せず)の穴に密に嵌合し得るようになっており、
上記エンドキャップ161の外縁部には、出力軸108
と垂直な取付面161aを有する取付フランジ161c
が設けられている。このカムモータ装置190は、上記
脚部材にインロー結合、すなわち車両フレームの左側又
は右側から上記脚部材の穴に上記エンドキャップ106
の外周面106bを嵌合し、上記脚部材に取付フランジ
161をボルトで固定することによって取り付けられ
る。
【0004】また、上記円錐ころ軸受110,109の
外輪110c,109cはそれぞれハウジングカバー1
02の内縁部102a、エンドキャップカバー106の
内縁部106aに固定される一方、上記円錐ころ軸受1
10,109の内輪110a,109aは、それらの外
側にラビリンスシール114,113を形成するシール
リング118,117とともに、軸方向に摺動可能な状
態で出力軸108に嵌合されている。ハウジングカバー
102側の円錐ころ軸受110の内輪110aは出力軸
108の段部側面108cによって係止される一方、エ
ンドキャップ106側の円錐ころ軸受109の内輪10
9aは、図4(a)におけるA部分を拡大した同図(b)に示
すように、シールリング117とシム181を介して、
出力軸108の環状溝108dに嵌合したスナップリン
グ182によって係止されており、円錐ころ軸受11
0,109の軸方向のプリロード(予圧)は上記シム1
81によって調整されている。スナップリング182の
外周には外れ止めのためのリング部材183が嵌合さ
れ、さらに、このリング部材183は上記シールリング
117の環状溝184に嵌合した別のスナップリング1
85によって留められている。
【0005】なお、ハウジング本体101には出力軸1
08に制動をかけるためのブレーキ装置200が収容さ
れている。このブレーキ装置200は、出力軸108の
外周に固定された環状のフリクションプレート123
と、ハウジング本体101の円筒部101aの内壁に取
り付けられた環状のセパレートプレート124とを軸方
向に交互に重ねて配置し、これらのフリクションプレー
ト123,セパレートプレート124を、ハウジング本
体101内に設けられた環状押圧部材122の内縁部1
22aで軸方向に押圧し得るようにしたものである。環
状押圧部材122の外縁部122bは、ハウジング本体
101の円筒部101aと外周部101bとの間に嵌合
して軸方向に案内されるようになっており、かつ、ハウ
ジングカバー102との間に縮装されたコイルばね12
1によってカムリング103側へ付勢されている。ノー
マル状態では、フリクションプレート123とセパレー
トプレート124とが環状押圧部材122によってカム
リング103側へ押圧されて、ブレーキ装置200はロ
ックしている。ブレーキ油供給口126を通して環状押
圧部材122の外縁部122bとハウジング本体101
の側面部101cとの間の隙間125にブレーキ油が供
給されると、環状押圧部材122がハウジングカバー1
02側へ移動して、ブレーキ装置200のロックは解除
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記カムモータ装置1
90は主に車両に組み込まれ、車輪を駆動する用途に用
いられる。しかしながら、上記カムモータ装置190に
は次のような問題がある。
【0007】第一に、上記カムモータ装置190を上記
脚部材にインロー結合によって取り付ける場合、ハウジ
ングにおける取付箇所が出力軸108の方向、すなわち
水平方向に関して1箇所だけになるため、ハウジングの
剛性が小さくなり、垂直荷重やモーメント荷重等の外力
に対する強度が低くなるという問題がある。
【0008】第二に、カムリング103の両側にハウジ
ング本体101とエンドキャップ161が単に平坦面1
01e,161eで当接し、これらがボルト171によ
って位置決めされるだけであるため、芯出しの精度が低
くなるという問題がある。このため、芯振れによって円
錐ころ軸受110,109の寿命が低下する。また、出
力軸108に対するシリンダブロック104の傾斜(倒
れ)が生じて、シリンダブロック104とディストリビ
ュータ107との間の密閉性が低下し、油圧機能が低下
する。
【0009】第三に、円錐ころ軸受110,109のプ
リロードがスナップリング182とシム181によって
付与されているため、プリロードを正確に管理すること
ができないという問題がある。プリロードが大きすぎる
と、スラスト力が大きくなって円錐ころ軸受110,1
09の寿命が低下する。一方、プリロードが小さすぎる
と、内輪110a,109a,外輪110c,109c
と円錐ころ110b,109bとの間にガタが発生して
円錐ころ軸受110,109の寿命が低下するととも
に、シリンダブロック104の倒れが生じてシリンダブ
ロック104とディストリビュータ107との間の密閉
性が低下し、油圧機能が低下する。
【0010】そこで、この発明の目的は、ハウジングの
剛性を大きくできるカムモータ装置を提供することにあ
る。さらに、芯出しの精度を高めることができ、また、
出力軸を受ける軸受のプリロードを正確かつ簡単に管理
できるカムモータ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載のカムモータ装置は、カムリングを
挟んでハウジング本体とエンドキャップとを締結部材で
締め付けてハウジングを形成するとともに、上記ハウジ
ング本体とエンドキャップにそれぞれ軸受を介して出力
軸を回転自在に支持する一方、放射状に配置されたシリ
ンダ内に上記カムリングの内周面に案内されて出没する
ピストンを嵌合したシリンダブロックを上記出力軸に固
定し、上記エンドキャップの内側に上記シリンダに対す
る流路の切り換えを行うディストリビュータを設けたカ
ムモータ装置において、上記ハウジング本体とエンドキ
ャップに、それぞれ上記出力軸と平行な取付面を有する
複数の取付フランジ部を形成し、かつ、上記ハウジング
本体の複数の取付フランジ部は上記出力軸の両側に位置
するとともに、上記エンドキャップの複数の取付フラン
ジ部は上記出力軸の両側に位置することを特徴とする。
【0012】この請求項1のカムモータ装置を車両フレ
ームに設けられた脚部材に取り付ける場合、出力軸を水
平にした状態で、車両フレームの後方又は前方から、上
記脚部材に対してハウジング本体の取付フランジ部とエ
ンドキャップの取付フランジ部とが取り付けられる。こ
の結果、ハウジングにおける取付箇所が出力軸の方向、
すなわち水平方向に関して複数箇所になる。また、上記
ハウジング本体の複数の取付フランジ部は上記出力軸の
両側に位置するとともに、上記エンドキャップの複数の
取付フランジ部は上記出力軸の両側に位置することか
ら、ハウジングにおける取付箇所が鉛直方向に関しても
複数箇所になる。したがって、ハウジングの剛性が大き
くなり、垂直荷重やモーメント荷重等の外力に対する強
度が高くなる。
【0013】請求項2に記載のカムモータ装置は、請求
項1に記載のカムモータ装置において、上記ハウジング
本体と上記エンドキャップは、上記カムリングの外周に
インロー結合していることを特徴とする。
【0014】この請求項2のカムモータ装置では、ハウ
ジング本体とエンドキャップがカムリングの外周にイン
ロー結合しているので、単に平坦面で当接し、ボルトに
よって位置決めされるだけの場合に比して、芯出しの精
度が高くなる。したがって、上記ハウジング本体やエン
ドキャップと上記出力軸との間の軸受について、芯振れ
による寿命低下が防止される。また、芯出しの精度が高
くなるので、出力軸に対するシリンダブロックの傾斜
(倒れ)が抑制され、シリンダブロックとディストリビ
ュータとの間の密閉性が高まり、油圧機能が向上する。
【0015】請求項3に記載のカムモータ装置は、請求
項1または2に記載のカムモータ装置において、上記軸
受は円錐ころ軸受であって、上記円錐ころ軸受の軸方向
のプリロードを出力軸に固定したダブルロックナットに
よって付与していることを特徴とする。
【0016】この請求項3のカムモータ装置では、上記
軸受は円錐ころ軸受であって、上記円錐ころ軸受の軸方
向のプリロードを出力軸に固定したダブルロックナット
によって付与しているので、ダブルロックナットのトル
ク調整によってプリロードが管理される。すなわち、プ
リロードは、一度嵌合したナットを取り外すことなく、
トルク計を見ながらナットのトルク値に応じて所望の値
に設定される。したがって、スナップリングとシムによ
ってプリロードを付与する場合に比して、プリロードが
正確かつ簡単に管理される。このようにプリロードを管
理した場合、プリロードが大きすぎることに起因するス
ラスト力による軸受の寿命低下が防止される。一方、プ
リロードが小さすぎることに起因する内輪,外輪と円錐
ころとの間のガタによる軸受の寿命低下が防止される。
これとともに、シリンダブロックの倒れが抑制され、シ
リンダブロックとディストリビュータとの間の密閉性が
高まり、油圧機能が向上する。
【0017】請求項4に記載のカムモータ装置は、請求
項1乃至3のいずれか一つに記載のカムモータ装置にお
いて、上記ハウジング本体に、上記出力軸に制動をかけ
るためのブレーキ装置を設けたことを特徴とする。
【0018】この請求項4のカムモータ装置では、ハウ
ジング本体にブレーキ装置が設けられているので、ブレ
ーキ装置をカムモータ装置と別体に構成する場合に比し
て、車両がコンパクトに構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0020】図1はこの発明を具体化したカムモータ装
置90の部分切り欠き断面を示している。このカムモー
タ装置90は、ブレーキ装置100を収容した略円筒状
のハウジング本体1と、カムリング3と、ディストリビ
ュータ7を収容した略円錐状のエンドキャップ6と、こ
れらを貫通する出力軸8を備えている。
【0021】ハウジング本体1は、円筒状の外周部1b
と、外周部1bの内側で出力軸8を取り囲む円筒部1a
と、これらの外周部1bと円筒部1aとをつなぐととも
に円筒部1aからさらに径方向内向きに延びる側面部1
cと、側面部1cから外周部1bと反対側、すなわちカ
ムリング3側へ環状に突起した外縁部1eを有してい
る。ハウジング本体1の外周部1bには、略円錐状のハ
ウジングカバー2の外縁部2bが締結部材としての複数
のボルト72A,72B,…によって一体に取り付けら
れている。
【0022】ハウジング本体1には出力軸8に制動をか
けるためのブレーキ装置100が収容されている。この
ブレーキ装置100は、出力軸8の外周に固定された環
状のフリクションプレート23と、ハウジング本体1の
円筒部1aの内壁に取り付けられた環状のセパレートプ
レート24とを軸方向に交互に重ねて配置し、これらの
フリクションプレート23,セパレートプレート24
を、ハウジング本体1内に設けられた環状押圧部材22
の内縁部22aで軸方向に押圧し得るようにしたもので
ある。環状押圧部材22は内縁部22aと外縁部22b
との間で屈曲しており、その内縁部22aは、ハウジン
グカバー2との間に介挿された皿ばね21によってカム
リング3側へ付勢されている。環状押圧部材22の外縁
部22bは、ハウジング本体1の円筒部1aと外周部1
bとの間に嵌合して軸方向に案内されるようになってい
る。ノーマル状態では、フリクションプレート23とセ
パレートプレート24とが環状押圧部材22によってカ
ムリング3側へ押圧されて、ブレーキ装置100はロッ
クしている。図示しないブレーキ油供給口を通して環状
押圧部材22の外縁部22bとハウジング本体1の側面
部1cとの隙間25にブレーキ油が供給されると、環状
押圧部材22がハウジングカバー2側へ移動して、ブレ
ーキ装置100のロックは解除される。このように、ハ
ウジング本体1にブレーキ装置100を収容しているの
で、ブレーキ装置をカムモータ装置90と別体に構成す
る場合に比して、車両をコンパクトに構成することがで
きる。
【0023】上記ハウジング本体1とエンドキャップ6
は、カムリング3を挟んで複数のボルト71(1本のみ
示す)で締め付けられて、このカムモータ装置90のハ
ウジングを形成している。ハウジング本体1の外縁部1
eとエンドキャップ6の外縁部6eには、それぞれカム
リング3と密に嵌合する環状溝28,48が形成されて
おり、この結果、ハウジング本体1とエンドキャップ6
はカムリング3の外周にインロー結合している。このよ
うにハウジング本体1とエンドキャップ6がカムリング
3の外周にインロー結合しているので、単に平坦面で当
接し、ボルトによって位置決めされるだけの場合に比し
て、芯出しの精度が高くなる。したがって、上記ハウジ
ング本体1,エンドキャップ6と上記出力軸8との間の
軸受10,9について、芯振れによる寿命低下を防止す
ることができる。また、芯出しの精度が高くなるので、
出力軸8に対するシリンダブロック4の傾斜(倒れ)を
抑制でき、シリンダブロック4とディストリビュータ7
との間の密閉性を高め、油圧機能を向上させることがで
きる。
【0024】上記出力軸8は、ハウジングカバー2とエ
ンドキャップ6にそれぞれ円錐ころ軸受(テーパローラ
ベアリング)10,9を介して回転自在に支持されてい
る。詳しくは、円錐ころ軸受10,9の外輪10c,9
cはそれぞれハウジングカバー2の内縁部2a、エンド
キャップ6の内縁部6aに固定される一方、円錐ころ軸
受10,9の内輪10a,9aは、それらの外側にダス
トシール14,13及びオイルシール16,15を形成
するシールリング18,17とともに、軸方向に摺動可
能な状態で出力軸8に嵌合されている。円錐ころ軸受1
0,9の内輪10a,9aは、それぞれシールリング1
8,17を介して、出力軸8に固定されたダブルロック
ナット12,11によって係止されている。この結果、
円錐ころ軸受10,9の軸方向のプリロードは出力軸8
に固定したダブルロックナット12,11によって付与
されている。このように、円錐ころ軸受10,9の軸方
向のプリロードをダブルロックナット12,11によっ
て付与しているので、ダブルロックナット12,11の
トルク調整によってプリロードを管理することができ
る。すなわち、プリロードを、一度嵌合したナット1
2,11を取り外すことなく、トルク計を見ながらナッ
トのトルク値に応じて所望の値に設定できる。したがっ
て、スナップリングとシムによってプリロードを付与す
る場合に比して、プリロードを正確かつ簡単に管理する
ことができる。このようにプリロードを管理した場合、
プリロードが大きすぎることに起因するスラスト力によ
る軸受10,9の寿命低下を防止できる。一方、プリロ
ードが小さすぎることに起因する内輪10a,9a,外
輪10c,9cと円錐ころ10b,9bとの間のガタに
よる軸受10,9の寿命低下を防止できる。これととも
に、出力軸8に対するシリンダブロック4の傾斜(倒
れ)を抑制でき、シリンダブロック4とディストリビュ
ータ7との間の密閉性を高め、油圧機能を向上させるこ
とができる。
【0025】上記出力軸8のうちカムリング3と対応す
る箇所には、シリンダブロック4がスプライン34を介
して出力軸8に取り付けられ、出力軸8と一体に回転す
るようになっている。このシリンダブロック4には、放
射状に配置された複数のシリンダ31と、各シリンダ3
1の内端部から軸方向に延びて側面4aに開口する流路
32が形成されている。シリンダ31内には上記カムリ
ング3の内周面3aにローラ50を介して案内されて出
没するピストン5が嵌合されている。
【0026】エンドキャップ6の外周面には流体供給口
41,流体排出口(図示せず)が形成され、エンドキャ
ップ6の内周面にはそれらにつながる環状流路42,4
4が形成されている。これらの環状流路42,44は、
エンドキャップ6の内側に設けられたスリーブ状のディ
ストリビュータ7の外周面を取り巻いている。このディ
ストリビュータ7はエンドキャップ6と出力軸8との隙
間に嵌合されており、ディストリビュータ7のシリンダ
ブロック4側の端面7aはシリンダブロック4の側面4
aと摺接する状態にある。ディストリビュータ7には、
一端側が外周面7bに開口して上記エンドキャップ6の
環状流路42,44に通じる一方、軸方向に延びて他端
側がシリンダブロック4側の端面7aに開口する流体供
給路43,流体排出路45が形成されている。これらの
流体供給路43,流体排出路45は、ディストリビュー
タ7の周方向に関して交互に複数形成されており、シリ
ンダブロック4の回転に伴って上記流路32を通して各
シリンダ31と連通し得るようになっている。
【0027】上記ピストン5は、ディストリビュータ7
からシリンダ31に供給された作動流体の圧力を受け
て、ローラ50を介してカムリング3の内周面3aに案
内されてシリンダ31の内外に出没する。これにより、
ピストン5がトルクを受けてカムリング3に対してシリ
ンダブロック4が回転され、シリンダブロック4ととも
に出力軸8が回転される。カムリング3に対するピスト
ン5の動きを模式的に示すと、例えば図3(a)〜(j)のよ
うになる。図3(a)〜(j)はカムリング3に対するピスト
ンの0°〜27°の動きを3°毎に示している。同図
(a)に示すように、符号〜を付した8個のピストン
5のうちカムリング3の内周面3aの山の右側(カムリ
ングの中心から見て)に当接しているピストン5(と
)に対して環状流路42、流体供給路43を通して高
圧の作動流体が供給される一方、カムリング3の内周面
3a山の左側に当接しているピストン5(と)が嵌
合しているシリンダ31からは作動流体が流体排出路4
5、環状流路44を通して排出される。この結果、全体
としてピストン5に右回りのトルクが与えられ、シリン
ダブロック4はカムリング3に対して右回りに回転す
る。この状態は実質的に同図(f)(15°回転)に至る
直前まで維持される。同図(f)(15°回転)を過ぎる
と、同図(g)に示すように、8個のピストン5のうちカ
ムリング3の内周面3aの山の右側に当接しているピス
トン5(と、と)に対して環状流路42、流体
供給路43を通して高圧の作動流体が供給される一方、
カムリング3の内周面3a山の左側に当接しているピス
トン5(と、と)が嵌合しているシリンダ31
からは作動流体が流体排出路45、環状流路44を通し
て排出される。この結果、同図(a)〜(f)の場合と同様
に、全体としてピストン5に右回りのトルクが与えら
れ、シリンダブロック4はカムリング3に対して右回り
に回転する。このようにして、順次カムリング3の内周
面3aの山の右側に当接するピストン5に高圧の作動流
体が供給されて、カムリング3に対するシリンダブロッ
ク4の回転が継続され、したがって出力軸8の回転が継
続される。
【0028】図1に示すように、上記ハウジング本体1
とエンドキャップ6には、出力軸8と平行な取付面51
b,52b,61b,62bを有する各一対の略矩形状
の取付フランジ51,52;61,62が形成されてい
る。上記ハウジング本体1の一対の取付フランジ51,
52は鉛直方向に関して出力軸8の両側に位置するとと
もに、上記エンドキャップ6の一対の取付フランジ6
1,62は鉛直方向に関して出力軸8の両側に位置して
いる。この例では、各取付フランジ51,52,61,
62と出力軸8との距離は等しく設定され、それらの取
付面51b,52b,61b,62bは出力軸8と平行
な同一平面内に配置されている。また、各取付フランジ
51,52,61,62には、ボルトを通すための貫通
穴51a,52a,61a,62aが形成されている。
各取付フランジ51,52,61,62の根元には、こ
のカムモータ装置90の取り付けの便宜のために、段差
53,54,63,64が形成されている。段差53と
段差63は出力軸8と平行な直線上にあり、同様に、段
差54と段差64は出力軸8と平行な同一直線上にあ
る。この例では、これらの段差53,63;54,64
は、このカムモータ装置90を取り付けるべき車両フレ
ーム95(図2参照)の脚部材96の後面に形成された
段差97,98に対応している。
【0029】図2(a),(b)に示すように、このカムモー
タ装置90を、車両フレーム95に設けられた脚部材9
6に取り付けるものとする。同図(a)は車両フレームの
後方から見たところ、同図(b)は車両フレームの右側方
から見たところをそれぞれ示している。なお、91はタ
イヤ、92はリムである。この脚部材96の後面には、
上記カムモータ装置90の取付フランジ51,52,6
1,62の段差53,54,63,64に対応する位置
に水平方向に延びる段差97,98が形成されるととも
に、各取付フランジ51,52,61,62の貫通穴5
1a,52a,61a,62aに対応する位置にネジ穴
(雌ネジ)97a,98aが形成されている。上記カム
モータ装置90を車両フレーム95の脚部材96に取り
付ける場合、出力軸8を水平にした状態で、車両フレー
ム96の後方からカムモータ装置90を上記脚部材96
に接近させ、脚部材96の段差97,98と取付フラン
ジ51,52,61,62の段差53,63;54,6
4とを対応させて合わせる。そして、上記脚部材96に
対してハウジング本体1の取付フランジ51,52とエ
ンドキャップ6の取付フランジ61,62とをボルト9
9によって取り付ける。このようにした場合、脚部材の
段差97,98と取付フランジの段差53,63;5
4,64とを対応させることにより、車両フレーム95
の脚部材96に対してカムモータ装置90を鉛直方向に
関して正確に位置決めすることができる。なお、カムモ
ータ装置90の水平方向の位置はボルト99によって定
まる。また、カムモータ装置90のハウジングにおける
取付箇所が、出力軸8の方向、すなわち水平方向に関し
てハウジング本体1側とエンドキャップ6側との2箇所
になる。これとともに、ハウジング本体1の一対の取付
フランジ51,52とエンドキャップ6の一対の取付フ
ランジ61,62はいずれも出力軸8の上下に位置する
ので、カムモータ装置90のハウジングにおける取付箇
所が鉛直方向に関しても2箇所になる。したがって、ハ
ウジングの剛性を大きくして、垂直荷重やモーメント荷
重等の外力に対する強度を高めることができる。
【0030】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1のカ
ムモータ装置では、出力軸を水平にした状態で、車両フ
レームの後方又は前方から、車両フレームに設けられた
脚部材に対して、ハウジング本体の取付フランジ部とエ
ンドキャップの取付フランジ部とが取り付けられるの
で、ハウジングにおける取付箇所が出力軸の方向、すな
わち水平方向に関して複数箇所になる。また、上記ハウ
ジング本体の複数の取付フランジ部は上記出力軸の両側
に位置するとともに、上記エンドキャップの複数の取付
フランジ部は上記出力軸の両側に位置することから、ハ
ウジングにおける取付箇所が鉛直方向に関しても複数箇
所になる。したがって、ハウジングの剛性を大きくし
て、垂直荷重やモーメント荷重等の外力に対する強度を
高めることができる。
【0031】請求項2のカムモータ装置では、ハウジン
グ本体とエンドキャップがカムリングの外周にインロー
結合しているので、単に平坦面で当接し、ボルトによっ
て位置決めされるだけの場合に比して、芯出しの精度が
高くなる。したがって、上記ハウジング本体やエンドキ
ャップと上記出力軸との間の軸受について、芯振れによ
る寿命低下を防止することができる。また、芯出しの精
度が高くなるので、出力軸に対するシリンダブロックの
傾斜(倒れ)を抑制でき、シリンダブロックとディスト
リビュータとの間の密閉性を高め、油圧機能を向上させ
ることができる。
【0032】請求項3のカムモータ装置では、上記軸受
は円錐ころ軸受であって、上記円錐ころ軸受の軸方向の
プリロードを出力軸に固定したダブルロックナットによ
って付与しているので、ダブルロックナットのトルク調
整によってプリロードを管理することができる。すなわ
ち、プリロードを、一度嵌合したナットを取り外すこと
なく、トルク計を見ながらナットのトルク値に応じて所
望の値に設定できる。したがって、スナップリングとシ
ムによってプリロードを付与する場合に比して、プリロ
ードを正確かつ簡単に管理することができる。このよう
にプリロードを管理した場合、プリロードが大きすぎる
ことに起因するスラスト力による軸受の寿命低下を防止
できる。一方、プリロードが小さすぎることに起因する
内輪,外輪と円錐ころとの間のガタによる軸受の寿命低
下を防止できる。これとともに、シリンダブロックの倒
れを抑制でき、シリンダブロックとディストリビュータ
との間の密閉性を高め、油圧機能を向上させることがで
きる。
【0033】請求項4に記載のカムモータ装置では、ハ
ウジング本体にブレーキ装置が設けられているので、ブ
レーキ装置をカムモータ装置と別体に構成する場合に比
して、車両をコンパクトに構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化したカムモータ装置の構造
を示す図である。
【図2】 上記カムモータ装置を車両フレームの脚部材
に取り付けた状態を示す図である。
【図3】 上記カムモータ装置の回転動作を説明する図
である。
【図4】 従来のカムモータ装置の構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ハウジング本体 2 ハウジン
グカバー 3 カムリング 4 シリンダ
ブロック 5 ピストン 6 エンドキャップ(エンドキャップカバー) 7 ディストリビュータ 8 出力軸 9,10 円錐ころ軸受 11,12
ダブルロックナット 28,48 環状溝 51,52,61,62 取付フランジ 71,72A,72B ボルト 90 カムモータ装置 100 ブレーキ装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムリング(3)を挟んでハウジング本
    体(1)とエンドキャップ(6)とを締結部材(71)
    で締め付けてハウジングを形成するとともに、上記ハウ
    ジング本体(1)とエンドキャップ(6)にそれぞれ軸
    受(10,9)を介して出力軸(8)を回転自在に支持
    する一方、放射状に配置されたシリンダ(31)内に上
    記カムリング(3)の内周面(3a)に案内されて出没
    するピストン(5)を嵌合したシリンダブロック(4)
    を上記出力軸(8)に固定し、上記エンドキャップ
    (6)の内側に上記シリンダ(31)に対する流路の切
    り換えを行うディストリビュータ(7)を設けたカムモ
    ータ装置において、 上記ハウジング本体(1)と上記エンドキャップ(6)
    に、それぞれ上記出力軸(8)と平行な取付面(51
    b,52b;61b,62b)を有する複数の取付フラ
    ンジ部(51,52;61,62)を形成し、かつ、上
    記ハウジング本体(1)の複数の取付フランジ部(5
    1,52)は上記出力軸(8)の両側に位置するととも
    に、上記エンドキャップ(6)の複数の取付フランジ部
    (61,62)は上記出力軸(8)の両側に位置するこ
    とを特徴とするカムモータ装置(90)。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカムモータ装置におい
    て、 上記ハウジング本体(1)と上記エンドキャップ(6)
    は、上記カムリング(3)の外周にインロー結合してい
    ることを特徴とするカムモータ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のカムモータ装
    置において、 上記軸受は円錐ころ軸受(10,9)であって、上記円
    錐ころ軸受(10,9)の軸方向のプリロードを出力軸
    (8)に固定したダブルロックナット(12,11)に
    よって付与していることを特徴とするカムモータ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の
    カムモータ装置において、 上記ハウジング本体(1)に、上記出力軸(8)に制動
    をかけるためのブレーキ装置(100)を設けたことを
    特徴とするカムモータ装置。
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