JPH0987574A - フッ素樹脂組成物、フッ素樹脂塗料およびその塗膜 - Google Patents

フッ素樹脂組成物、フッ素樹脂塗料およびその塗膜

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JPH0987574A
JPH0987574A JP8206383A JP20638396A JPH0987574A JP H0987574 A JPH0987574 A JP H0987574A JP 8206383 A JP8206383 A JP 8206383A JP 20638396 A JP20638396 A JP 20638396A JP H0987574 A JPH0987574 A JP H0987574A
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JP
Japan
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fluororesin
resin
powder
coating film
binder
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JP8206383A
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English (en)
Inventor
Kenichi Takai
健一 高井
Hiroyuki Saito
博之 斎藤
Goro Yamauchi
五郎 山内
Yasuaki Imori
康堯 井守
Hisayoshi Takazawa
壽佳 高沢
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期の撥水性だけでなく、撥水性の経時劣化
耐性にも優れたフッ素樹脂組成物,フッ素樹脂塗料・塗
膜を提供すること。 【解決手段】 フッ素樹脂組成物、フッ素樹脂塗料およ
び塗膜は、フッ素樹脂粉末と、バインダと、表面自由エ
ネルギーがこのバインダの表面自由エネルギーより小さ
い物質の添加剤とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂粉末を
含む組成物、フッ素樹脂粉末をバインダに分散させたフ
ッ素樹脂塗料およびその塗膜に関する。本発明のフッ素
樹脂組成物および塗料を用いて形成された皮膜は撥水
性、防水性、耐着雪性、潤滑性を有するため、撥水性や
難着雪性・難着氷性が必要とされる多くの物品に塗布し
て使用することができる。撥水性が必要な物品として
は、例えば傘などの雨具、建物の外装、屋外構築物、自
動車などがあり、難着雪性・難着氷性が必要な物品とし
ては、例えば豪雪地の建物の屋根、無線通信用アンテ
ナ、ケーブル、鉄塔、鉄道車輌、船舶、自動車、土木機
械用治具などが挙げられる。また、金属物品の保護膜等
の広い用途に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来のフッ素樹脂塗料・塗膜は、耐候
性、耐汚染性に優れる塗料として、建築、自動車等の分
野で利用されている。これらは、フルオロオレフィンと
種々の炭化水素との共重合体を利用した1成分系の塗料
・塗膜である。また、主に、四フッ化エチレン又はフッ
化ビニリデンを主成分とし、特殊アクリル樹脂に混合し
た2成分系の塗料・塗膜もある。しかし、これらはいず
れも高い撥水性を有しておらず、形成した塗膜の水の接
触角は80°前後である。そこで本発明者らは、撥水特
性に優れたフッ素樹脂塗料・塗膜について検討したとこ
ろ、フッ素樹脂粉末をバインダ中に分散して塗料化した
2成分系の塗料において、形成した塗膜の水の接触角が
140°程度と高い撥水性を実現し、実用に供されつつ
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フッ素樹脂
粉末をバインダとして混合した2成分系の塗料・塗膜の
場合には、初期の撥水性は優れていても、長期的な水浸
漬により撥水性の低下が生じる問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の問題点を解決したフッ素樹脂組成物,フッ素樹脂塗料
およびその塗膜を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】すなわち、第一の形態に従えば、本発明の
提供するフッ素樹脂塗料は、フッ素樹脂粉末と、バイン
ダと、表面自由エネルギーが前記バインダの表面自由エ
ネルギーより小さい物質の添加剤とを含むことを特徴と
する。
【0006】ここで、前記添加剤がフッ素オイル、界面
活性剤のうち一種類、またはそれらの混合体であるのが
好ましい。
【0007】前記フッ素オイルがパーフルオロポリエー
テル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ化エ
チレン重合体のうち少なくとも一種類を含んでいてもよ
い。
【0008】前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤であ
ってもよい。
【0009】前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレン樹
脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一種類
もしくは複数種の混合粉末であってもよい。
【0010】前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分的ま
たは完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であるのが好
ましい。
【0011】前記バインダは、フッ化ビニリデン樹脂、
四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エチレン・一酸化炭素共重合体樹脂、エチ
レン・ビニルケトン共重合体、プロピレン・ビニルケト
ン共重合体あるいはスチレン・ビニルケトン共重合体の
少なくとも一種類以上の樹脂もしくは混合樹脂であって
もよい。 前記バインダは、フッ化ビニリデン樹脂、四
フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエス
テル樹脂いずれかまたはこれらの混合体であるのが好ま
しい。
【0012】前記添加剤の表面自由エネルギーが前記フ
ッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいのが好ま
しい。
【0013】前記フッ素樹脂粉末のフッ素樹脂が分子量
500〜20000であるのが好ましい。
【0014】第二の形態に従えば、本発明の提供するフ
ッ素樹脂塗膜は、フッ素樹脂粉末と、バインダと、表面
自由エネルギーが前記バインダの表面自由エネルギーよ
り小さい物質の添加剤とを含むことを特徴とする。
【0015】ここで、前記添加剤がフッ素オイル、界面
活性剤のうち一種類、またはそれらの混合体であるのが
好ましい。
【0016】前記フッ素オイルがパーフルオロポリエー
テル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ化エ
チレン重合体のうち少なくとも一種類を含んでいてもよ
い。前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤であってもよ
い。
【0017】前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレン樹
脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一種類
もしくは複数種の混合粉末であってもよい。
【0018】前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分的ま
たは完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であるのが好
ましい。
【0019】前記バインダは、フッ化ビニリデン樹脂、
四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エチレン・一酸化炭素共重合体樹脂、エチ
レン・ビニルケトン共重合体、プロピレン・ビニルケト
ン共重合体あるいはスチレン・ビニルケトン共重合体の
少なくとも一種類以上の樹脂もしくは混合樹脂であって
もよい。
【0020】前記バインダは、フッ化ビニリデン樹脂、
四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエ
ステル樹脂のいずれか、またはこれらの混合体であるの
が好ましい。
【0021】前記添加剤の表面自由エネルギーが前記フ
ッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいのが好ま
しい。
【0022】前記フッ素樹脂粉末のフッ素樹脂が分子量
500〜20000であるのが好ましい。
【0023】前記フッ素樹脂粉末が、前記バインダある
いは前記添加剤と混合し、凝集し、該凝集単位が集合し
て塗膜を構成するのが好ましい。
【0024】前記凝集単位が集合して形成した塗膜にお
いて前記バインダ、あるいは前記添加剤、あるいは前記
バインダおよび添加剤の混合体が前記フッ素樹脂粉末の
空隙を埋めているのが好ましい。
【0025】第三の形態に従えば、本発明の提供するフ
ッ素樹脂組成物は、分子量500〜20000のフッ素
樹脂からなるフッ素樹脂粉末と、フッ化ビニリデン樹
脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン・一酸化炭素
共重合体、エチレン・ビニルケトン共重合体、プロピレ
ン・ビニルケトン共重合体、スチレン・ビニルケトン共
重合体およびこれらの混合樹脂よりなる群から選ばれた
少なくとも一種のマトリックス樹脂と、表面自由エネル
ギーが前記樹脂の表面自由エネルギーより小さい物質の
添加剤とを含むことを特徴とする。
【0026】ここで、前記マトリックス樹脂がフッ化ビ
ニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれ
らの混合樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも一種の
樹脂であるのが好ましい。
【0027】前記添加剤がフッ素オイル、界面活性剤の
うち一種類、またはそれらの混合体であるのが好まし
い。
【0028】前記フッ素オイルがパーフルオロポリエー
テル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ化エ
チレン重合体のうち少なくとも一種類を含んでいてもよ
い。
【0029】前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤であ
ってもよい。
【0030】前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレン樹
脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一種類
もしくは複数種の混合粉末であるのが好ましい。
【0031】前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分的ま
たは完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であるのが好
ましい。
【0032】前記添加剤の表面自由エネルギーが前記フ
ッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいのが好ま
しい。
【0033】
【発明の実施の形態】従来の2成分系のフッ素樹脂塗料
を用いて形成した塗膜の表面は、表面自由エネルギー差
が大きいため、フッ素樹脂粉末とバインダとの濡れ性が
悪く、バインダ表面からフッ素樹脂粉末が頭を露出させ
た構造となっている。このような塗膜では、長期的な水
浸漬により撥水性の低下がみられ、その原因を調べる
と、フッ素樹脂粉末とバインダとの間に形成されたすき
まである。このすきまに徐々に水が侵入し、その後すき
まから抜けずに撥水性の低下を引き起こしているものと
考えられる。また、表面に露出したバインダが変質ある
いは構造変化することにより、撥水性の低下が引き起こ
される可能性もある。
【0034】本発明者らは、検討の結果これらの撥水特
性の経時劣化は、フッ素樹脂粉末とバインダの表面自由
エネルギー差が大きく濡れ性が悪いため形成されるすき
まによりもたらされるものであることを突き止め、かか
る原因を取り除く視点から本発明を完成した。
【0035】本発明は上述したように、バインダの表面
自由エネルギーより小さい物質の添加剤を加えた塗料・
塗膜である。このため、フッ素樹脂粉末とバインダ相互
の濡れ性がよくなり、両者のすきまの発生を抑制するこ
とができる。
【0036】すなわち、フッ素樹脂粉末は,添加剤ある
いはバインダと混合し、個々のフッ素樹脂粒子間の間隙
は抑制される。また、添加剤はバインダより表面自由エ
ネルギーが小さいため、塗膜表面のバインダを添加剤が
覆うことになり、さらに、フッ素樹脂粉末は、添加剤お
よびバインダより表面自由エネルギーが小さいため、表
面近傍の粉末は表面から一部を露出することとなる。
【0037】以上のことにより塗膜の構造は、まず添加
剤あるいはバインダにフッ素樹脂粉末が混合し、個々の
フッ素樹脂粉末間の隙間が埋められる。2成分系塗料の
場合にバインダが塗膜表面に露出していたが、本発明の
場合には塗膜表面のバインダを添加剤が覆い、バインダ
が塗膜表面に露出することが少ない。
【0038】このような理由により本発明の塗膜は、撥
水特性の経時劣化を引き起こす隙間の発生を抑制できる
ので、長期浸漬においても撥水性の低下を防止できる。
【0039】その他、表面自由エネルギーがバインダよ
り小さい添加剤が塗膜表面に露出した形で存在すること
により、着氷力が低減される効果も期待される。
【0040】本発明の塗料・塗膜に使用できるフッ素樹
脂粉末は、例えば四フッ化エチレン樹脂粉末、四フッ化
エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末、フッ
化ビニル樹脂粉末のうち、一種類もしくは複数種の混合
粉末である。
【0041】これらのフッ素樹脂粉末は、末端基が部分
的または完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末である。
【0042】フッ素樹脂粉末の粒径は1〜100μmで
あるのが好ましい。
【0043】本発明の組成物、塗料、塗膜において、フ
ッ素樹脂、例えば四フッ化エチレン樹脂の分子量は50
0〜20,000の範囲が好ましい。これは、分子量5
00以下では炭素の結合の手を完全にフッ素化すること
が困難であり、カルボニル基等が骨格内に形成され、水
分子との水素結合が形成されやすくなるため、撥水性、
防水性が低下するためである。
【0044】このフッ素樹脂粉末の製造は公知の方法に
より行われるが、この場合、フッ素化率を高め、酸素の
少ない雰囲気下、すなわち、0.1%以下の酸素雰囲気
下で製造するのが好ましい。
【0045】上記バインダとしては、フッ化ビニリデン
樹脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、
ポリエステル樹脂、エチレン・一酸化炭素共重合体樹
脂、エチレン・ビニルケトン共重合体樹脂、プロピレン
・ビニルケトン共重合体樹脂あるいはスチレン・ビニル
ケトン共重合体樹脂の少なくとも一種類以上の樹脂もし
くは混合樹脂が使用できる。
【0046】上記のエチレン・一酸化炭素共重合体樹
脂、エチレン・ビニルケトン共重合体樹脂、プロピレン
・ビニルケトン共重合体樹脂、スチレン・ビニルケトン
共重合体樹脂等は、自然環境下で太陽光にさらされると
光分解し、分子量が低下し、脆くなって風雨によって崩
壊しやすい光分解性樹脂であるが、フッ素樹脂粉末を体
積分率で5〜90%となるように混入分散させた塗料と
することによって、上記崩壊が生起しても常に新しい撥
水性の面が現れるいわゆる自己蘇生型の撥水性塗料とす
ることができる。フッ素樹脂粉末の量を体積分率で5〜
90%としたのは、5体積%以下では撥水効果が乏し
く、90体積%以上ではフッ素樹脂粉末で太陽光が遮蔽
されて、上記樹脂の崩壊が遅れ、撥水効果の自己蘇生が
遅れることにある。
【0047】本発明で使用できる添加剤は表面自由エネ
ルギーがバインダより小さいものであれば特に限定され
ない。添加剤としては、フッ素オイル、界面活性剤が適
しており、これらは単独で使用しても混合体で使用して
もよい。
【0048】前記フッ素オイルの例としては、パーフル
オロポリエーテル、パーフルオロアルキルポリエーテ
ル、三フッ化エチレン重合体、これらの混合物が挙げら
れる。
【0049】上記界面活性剤の例としては、フッ素系界
面活性剤が好ましい。
【0050】上記添加剤の表面エネルギーが上記フッ素
樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいことが必要で
ある。
【0051】上記したフッ素オイル、及びフッ素系界面
活性剤のうちで、特に好適なものの例には、下記(表
1)に示すものが挙げられる。
【0052】
【表1】
【0053】上記(表1)中のフッ素オイル系(パーフ
ルオロエーテル)の構造は下式に示す通りである。
【0054】
【化1】
【0055】本発明の塗料は被塗装体に直接塗装しても
よい。あるいは、あらかじめアクリルシリコン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、フタル酸樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂の中の
少なくとも一種類以上の樹脂もしくは混合樹脂を付着さ
せた後、上記の撥水性塗料を塗装してもよい。さらに、
アクリルシリコン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フタル酸樹脂、フッ
素樹脂あるいはビニル樹脂の内の少なくとも一種類以上
の樹脂もしくは混合樹脂中に、分子量500〜20,0
00で、かつ末端までフッ素化したフッ素樹脂粉末を揮
発性成分揮発後の体積分率で5〜90%混入分散させた
撥水性塗料を被塗装体に付着させた後、上記本発明の撥
水性塗料を塗装してもよい。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0057】(実施例1)フッ素樹脂粉末は平均分子量
8500、粒径4μmの四フッ化エチレン樹脂の粉末を
体積分率で80%、バインダはフッ化ビニリデン樹脂を
体積分率で19.5%、添加剤はフッ素オイルであるパ
ーフルオロポリエーテルを体積分率で0.5%の3成分
をボールミルを用いて作製した。このとき、パーフルオ
ロポリエーテルは分子量の異なる4種類(分子量:27
00、4500、5600、8400)を使用した。こ
のフッ素樹脂塗料を、エポキシ樹脂を主材料とするFR
P(fiber reinforced plasti
cs)板にスプレー塗装を行い、本発明の効果を確認す
るためのサンプルを作製した。また、添加剤として上記
フッ素オイルの替わりに4種類のフッ素系界面活性剤
(表面自由エネルギー:17.4、26.4、34.
0、44.6mN/m)をそれぞれ体積分率で0.5%
添加して作製した本発明のフッ素樹脂塗料をエポキシ樹
脂を主材料としガラス繊維を添加したFRP板にスプレ
ー塗装を行い、本発明の効果を確認するためのサンプル
を作製した。
【0058】(比較例1)比較例1として、実施例1と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとしてフッ化ビニリデン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を作製し
た。この塗料をエポキシ樹脂を主材料とするFRP板の
スプレー塗装を行い比較サンプルを作製した。
【0059】(試験例1)まず、実施例1および比較例
1の試料の撥水性について以下に説明する。水の接触角
は、撥水性の目安として最もよく知られており、その角
度が大きいほど撥水性が高い。撥水性は協和界面科学
(株)製の接触角計を用いて評価した。実施例の塗膜表
面に約4μl(4×10-93 )の水滴を滴下し、水の
接触角を測定した。図1(A)は、実施例の塗膜の上に
滴下された水滴の模式図であり、塗膜1上に水滴2が接
している。また、図1(B)は水の接触角の測定の模式
図である。測定は室温23℃で行い、測定数5点の平均
値を用いた。実施例の分子量2700のパーフルオロポ
リエーテルの場合は、水の接触角は150°であった。
また、他の分子量のパーフルオロポリエーテルの場合に
はその接触角は140°であった。
【0060】図2に、表面自由エネルギーの異なる添加
剤を加えた場合の水の接触角を示す。すなわち、図2
は、添加剤の表面自由エネルギー(mN/m、横軸)
と、水の接触角(度(°)、縦軸)との関係を示す図で
ある。図2において、黒丸印は界面活性剤系、白角印は
フッ素オイル系の添加剤を表す。既に述べたように、表
1に、添加剤として用いたフッ素オイルと界面活性剤の
一覧を示す。バインダより小さい表面自由エネルギーを
もつ添加剤では、140°以上の接触角が得られる。一
方、バインダより大きい表面自由エネルギーの添加剤を
加えると、高い水の接触角は得られないことがわかる。
参考までに、フッ素樹脂粉末の平均値、バインダである
フッ化ビニリデンの各表面自由エネルギーを点線で示す
(北崎寧昭、畑敏夫:日本接着協会誌、第8巻、第13
1頁)(1972)、E.G.シャフリン、およびW.
A.ジスマン(E.G. Shafrin,W.A.
Zisman),ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミ
ストリー(J.Phys.Chem.)、第64巻、第
519頁(1972)参照)。
【0061】一方、比較例の場合の水の接触角は140
°であった。これらのことから、バインダより表面自由
エネルギーが小さい添加剤を用いれば、撥水性は2成分
系のフッ素樹脂塗料を用いて形成した塗膜の撥水性と同
等のものが得られることがわかる。
【0062】(試験例2)次に、水浸漬試験による撥水
性経時劣化の結果について以下に述べる。図3は、上述
した添加剤として分子量の異なる4種類のパーフルオロ
ポリエーテルを用いた本発明の実施例である各フッ素樹
脂塗料について水浸漬日数と撥水性の関係を示した図で
ある。参考のために比較サンプルの特性も示してある。
すなわち、図3は、フッ素オイル添加サンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示す図であり、横軸は水浸漬
日数(日)、縦軸は水の接触角(度)を示す。黒丸印、
白丸印、黒角印、白角印はそれぞれ添加剤として使用し
たパーフルオロポリエーテルの分子量が2700、45
00、5600、8400の場合を示す。黒三角印は添
加剤を使用しなかった場合を示す。本発明の実施例1の
塗料を用いて作製したサンプルを純水に浸漬し、各日数
で取り出し、前記の方法で水の接触角を測定した。この
作業を繰り返し、長期水浸漬の影響を評価した。本発明
のフッ素樹脂塗料を塗布したサンプルは、比較サンプル
に比べ撥水性の経時的な劣化は少なく、水に対する長期
的耐性を有していることがわかる。特に、分子量270
0のフッ素オイルを添加したものは、100日間水浸漬
しても初期の高い撥水性を保持している。なお、本発明
で用いた添加剤のパーフルオロポリエーテルの分子量と
しては、長期水浸漬耐性に対し分子量5600以下のも
のがより望ましい。また、フッ素樹脂粉末は体積分率で
30%以上含むことが望ましい。添加剤については、体
積分率で10%以下であれば均一に分散し水の接触角で
140°以上が得られるため、10%以下が望ましい。
【0063】比較例1のサンプルの塗料表面について、
上記と同様に水の接触角を測定したところ140°であ
り、塗膜形成直後の初期の撥水性では、添加剤の分子量
2700以下のもの以外は本発明でも顕著な差はみられ
ないが、長期的な水浸漬に対する耐性については、本発
明のフッ素樹脂塗料は従来のフッ素樹脂塗料に比べて、
著しく優れていることが確認された。
【0064】また、図4に、添加剤としてフッ素系界面
活性剤を0.5%添加した本発明の実施例であるフッ素
樹脂塗料を塗布したサンプルについて、水浸漬日数と撥
水性の関係を示す。すなわち、図4は、フッ素系界面活
性剤添加サンプルの水浸漬による撥水性の経時変化を示
す図であり、横軸は水浸漬日数(日)、縦軸は水の接触
角(度)を示す。白角印および黒三角印はそれぞれフッ
素系界面活性剤の表面自由エネルギーが17.4mN/
mと26.4mN/mの場合に相当する。
【0065】上記と同様な方法で評価したところ、図3
の比較例1のサンプルに比べ撥水性の経時的低下は少な
く、水に対する長期的耐性を有していることがわかる。
【0066】(試験例3)氷の付着しやすさを比較する
ため、塗膜上に−5℃で氷を付着させ、着氷力テスター
を用いて着氷剪断力を測定した。この着氷力テスター
は、試料上に付着した直径32mmの円筒状の氷をワイ
ヤーを用いて塗膜と平行な方向へ一定速度で引張り、ロ
ードセルで氷が脱離するまでの荷重変化を読みとる装置
である。最大の荷重を着氷剪断力とした。本発明のフッ
素樹脂塗料のうち添加剤として分子量2700のパーフ
ルオロポリエーテルを0.5%添加した塗料をスプレー
塗装したサンプルと、前述の比較サンプルについて剪断
力を測定した。測定値は各5点の平均値を用いた。
【0067】本発明の実施例1の塗膜の着氷剪断力は2
3g/cm2 であったのに対して比較例1は55g/c
2 であった。比較例1の2成分系塗料に比べて本発明
の実施例1の塗料は着氷剪断力が小さく、氷が付着して
も脱離しやすいことが確認された。すなわち、本発明は
難着氷性についても従来技術に比べ著しい特性の向上が
得られるものである。
【0068】次に、実施例2〜31、比較例2〜31に
おいて、フッ素樹脂粉末、バインダ、添加剤の種類を変
えて塗膜の撥水性の経時劣化耐性を検討した。
【0069】(実施例2)フッ素樹脂粉末として分子量
8500、平均粒径1μmの四フッ化エチレン樹脂粉末
を用いた。バインダはフッ化ビニリデン樹脂、添加剤は
フッ素オイルであるパーフルオロポリエーテルとし、こ
の3成分をボールミルを用いて撹拌してフッ素樹脂塗料
を作製した。このとき、パーフルオロポリエーテルは分
子量2700のものを使用した。これらのフッ素樹脂塗
料をエポキシ樹脂を主材料とするFRP板にスプレー塗
装を行い、本発明の効果を確認するための塗膜を作製し
た。(表3)に、フッ化ビニリデンおよびパーフルオロ
ポリエーテルの体積分率を変えた実施例2のサンプルA
〜Cの成分を示す。
【0070】(比較例2)比較例2として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとしてフッ化ビニリデン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を作製し
た。この塗料を、エポキシ樹脂を主材料とするFRP板
にスプレー塗装を行い、本発明の効果を確認するための
塗膜を作製した。(表3)にこの塗膜の成分を示す。
【0071】(実施例3)バインダーとして四フッ化エ
チレン樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして実施
例3のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。
(表3)にバインダとしての四フッ化エチレン樹脂およ
び添加剤としてのパーフルオロポリエーテルの体積分率
を変えた本実施例のサンプルD,E,Fの成分を示す。
【0072】(比較例3)比較例3として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとして四フッ化エチレン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表3)にこの塗膜の成分を
示す。
【0073】(実施例4)バインダーとしてアクリルシ
リコン樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして実施
例3のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。
(表3)にバインダとしてのアクリルシリコン樹脂およ
び添加剤としてのパーフルオロポリエーテルの体積分率
を変えた本実施例のサンプルG,H,Iの成分を示す。
【0074】(比較例4)比較例4として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとしてアクリルシリコン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表3)にこの塗膜の成分を
示す。
【0075】(実施例5)バインダーとしてポリエステ
ル樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして実施例5
のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表
3)にバインダとしてのポリエステル樹脂および添加剤
としてのパーフルオロポリエーテルの体積分率を変えた
本実施例のサンプルJ,K,Lの成分を示す。
【0076】(比較例5)比較例5として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとしてポリエステル樹脂を体積分率で20%の
2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらに
その塗膜を形成した。(表3)にこの塗膜の成分を示
す。
【0077】(実施例6)バインダーとしてエポキシ樹
脂を使用した以外は実施例2と同様にして実施例6のフ
ッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表3)
にバインダとしてのエポキシ樹脂および添加剤としての
パーフルオロポリエーテルの体積分率を変えた本実施例
のサンプルM,N,Oの成分を示す。
【0078】(比較例6)比較6として、実施例2と同
様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、バ
インダとしてエポキシ樹脂を体積分率で20%の2成分
をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらにその塗
膜を形成した。(表3)にこの塗膜の成分を示す。
【0079】(実施例7)添加剤としてパーフルオロア
ルキルポリエーテルを使用した以外は実施例2と同様に
して実施例7のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形
成した。(表4)にバインダとしてのフッ化ビニリデン
樹脂および添加剤としてのパーフルオロアルキルポリエ
ーテルの体積分率を変えた本実施例のサンプルA−1,
B−1,C−1の成分を示す。
【0080】(比較例7)比較例7として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとして実施例2と同様のフッ化ビニリデン樹脂
を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合
し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表4)に
この塗膜の成分を示す。
【0081】(実施例8)添加剤として実施例7と同様
のパーフルオロアルキルポリエーテルを使用した以外は
実施例3と同様にして実施例8のフッ素樹脂塗料を調製
し、その塗膜を形成した。(表4)にバインダとしての
四フッ化エチレン樹脂および添加剤としてのパーフルオ
ロアルキルポリエーテルの体積分率を変えた本実施例の
サンプルD−1,E−1,F−1の成分を示す。
【0082】(比較例8)比較例8として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとして実施例3と同様の四フッ化エチレン樹脂
を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合
し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表4)に
この塗膜の成分を示す。
【0083】(実施例9)添加剤として実施例7と同様
のパーフルオロアルキルポリエーテルを使用した以外は
実施例4と同様にして実施例9のフッ素樹脂塗料を調製
し、その塗膜を形成した。(表4)にバインダとしての
アクリルシリコン樹脂および添加剤としてのパーフルオ
ロアルキルポリエーテルの体積分率を変えた本実施例の
サンプルG−1,H−1,I−1の成分を示す。
【0084】(比較例9)比較例9として、実施例2と
同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80%、
バインダとしてアクリルシリコン樹脂2を体積分率で2
0%の2成分をボールミルを用いて混合し、塗料を調製
し、さらにその塗膜を形成した。(表4)にこの塗膜の
成分を示す。
【0085】(実施例10)添加剤として実施例7と同
様のパーフルオロアルキルポリエーテルを使用した以外
は実施例5と同様にして実施例10のフッ素樹脂塗料を
調製し、その塗膜を形成した。(表4)にバインダとし
てのポリエステル樹脂および添加剤としてのパーフルオ
ロアルキルポリエーテルの体積分率を変えた本実施例の
サンプルJ−1,K−1,L−1の成分を示す。
【0086】(比較例10)比較例10として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例5と同様のポリエステル樹脂
を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合
し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表4)に
この塗膜の成分を示す。
【0087】(実施例11)添加剤として実施例7と同
様のパーフルオロアルキルポリエーテルを使用した以外
は実施例6と同様にして実施例11のフッ素樹脂塗料を
調製し、その塗膜を形成した。(表4)にバインダとし
てのエポキシ樹脂および添加剤としてのパーフルオロア
ルキルポリエーテルの体積分率を変えた本実施例のサン
プルM−1,N−1,O−1の成分を示す。
【0088】(比較例11)比較11として、実施例2
と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例6と同様のエポキシ樹脂を体
積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合し塗
料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表4)にこの
塗膜の成分を示す。
【0089】(実施例12)添加剤として三フッ化エチ
レン重合体を使用した以外は実施例2と同様にして実施
例12のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成し
た。(表5)にバインダとしてのフッ化ビニリデン樹脂
および添加剤としての三フッ化エチレン重合体の体積分
率を変えた本実施例のサンプルA−2,B−2,C−2
の成分を示す。
【0090】(比較例12)比較例12として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例2と同様のフッ化ビニリデン
樹脂を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて
混合し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表
5)にこの塗膜の成分を示す。
【0091】(実施例13)添加剤として実施例12と
同様の三フッ化エチレン重合体を使用した以外は実施例
3と同様にして実施例13のフッ素樹脂塗料を調製し、
その塗膜を形成した。(表5)にバインダとしての四フ
ッ化エチレン樹脂および添加剤としての三フッ化エチレ
ン重合体の体積分率を変えた本実施例のサンプルD−
2,E−2,F−2の成分を示す。
【0092】(比較例13)比較例13として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例3と同様の四フッ化エチレン
樹脂を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて
混合し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表
5)にこの塗膜の成分を示す。
【0093】(実施例14)添加剤として実施例12と
同様の三フッ化エチレン重合体を使用した以外は実施例
4と同様にして実施例14のフッ素樹脂塗料を調製し、
その塗膜を形成した。(表5)にバインダとしてのアク
リルシリコン樹脂および添加剤としての三フッ化エチレ
ン重合体の体積分率を変えた本実施例のサンプルG−
2,H−2,I−2の成分を示す。
【0094】(比較例14)比較例14として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとしてアクリルシリコン樹脂2を体積分率
で20%の2成分をボールミルを用いて混合し、塗料を
調製し、さらにその塗膜を形成した。(表5)にこの塗
膜の成分を示す。
【0095】(実施例15)添加剤として実施例12と
同様の三フッ化エチレン重合体を使用した以外は実施例
5と同様にして実施例15のフッ素樹脂塗料を調製し、
その塗膜を形成した。(表5)にバインダとしてのポリ
エステル樹脂および添加剤としての三フッ化エチレン重
合体の体積分率を変えた本実施例のサンプルJ−2,K
−2,L−2の成分を示す。
【0096】(比較例15)比較例15として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例5と同様のポリエステル樹脂
を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合
し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表5)に
この塗膜の成分を示す。
【0097】(実施例16)添加剤として実施例12と
同様の三フッ化エチレン重合体を使用した以外は実施例
6と同様にして実施例16のフッ素樹脂塗料を調製し、
その塗膜を形成した。(表5)にバインダとしてのエポ
キシ樹脂および添加剤としての三フッ化エチレン重合体
の体積分率を変えた本実施例のサンプルM−2,N−
2,O−2の成分を示す。
【0098】(比較例16)比較16として、実施例2
と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例6と同様のエポキシ樹脂を体
積分率で20%の2成分をボールミルを用いて混合し塗
料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表5)にこの
塗膜の成分を示す。
【0099】(実施例17)フッ素樹脂粉末として四フ
ッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を
使用した以外は実施例2と同様にして実施例17のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表6)に
バインダとしてのフッ化ビニリデン樹脂および添加剤と
してのパーフルオロポリエーテルの体積分率を変えた本
実施例のサンプルA−3,B−3,C−3の成分を示
す。
【0100】(比較例17)比較例17として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例2と同様のフッ化ビニリデン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表6)にこの塗膜の成分を
示す。
【0101】(実施例18)フッ素樹脂粉末として実施
例17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン
共重合体樹脂粉末を使用した以外は実施例3同様にして
実施例18のフッ素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成
した。(表6)にバインダとしての四フッ化エチレン樹
脂および添加剤としてのパーフルオロポリエーテルの体
積分率を変えた本実施例のサンプルD−3,E−3,F
−3の成分を示す。
【0102】(比較例18)比較例18として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例3と同様の四フッ化エチレン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表6)にこの塗膜の成分を
示す。
【0103】(実施例19)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例4と同様にして実施例19のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表6)にバ
インダとしてのアクリルシリコン樹脂および添加剤とし
てのパーフルオロポリエーテルの体積分率を変えた本実
施例のサンプルG−3,H−3,I−3の成分を示す。
【0104】(比較例19)比較例19として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例4と同様のアクリルシリコン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し、塗料を調製
し、さらにその塗膜を形成した。(表6)にこの塗膜の
成分を示す。
【0105】(実施例20)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例5と同様にして実施例20のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表6)にバ
インダとしてのポリエステル樹脂および添加剤としての
パーフルオロポリエーテルの体積分率を変えた本実施例
のサンプルJ−3,K−3,L−3の成分を示す。
【0106】(比較例20)比較例20として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例5と同様のポリエステル樹脂を体積分率で20%の
2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらに
その塗膜を形成した。(表6)にこの塗膜の成分を示
す。
【0107】(実施例21)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例6と同様にして実施例21のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表6)にバ
インダとしてのエポキシ樹脂および添加剤としてのパー
フルオロポリエーテルの体積分率を変えた本実施例のサ
ンプルM−3,N−3,O−3の成分を示す。
【0108】(比較例21)比較21として、実施例1
7と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重
合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実施
例6と同様のエポキシ樹脂を体積分率で20%の2成分
をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらにその塗
膜を形成した。(表6)にこの塗膜の成分を示す。
【0109】(実施例22)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例7と同様にして実施例22のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表7)にバ
インダとしてのフッ化ビニリデン樹脂および添加剤とし
てのパーフルオロアルキルポリエーテルの体積分率を変
えた本実施例のサンプルA−4,B−4,C−4の成分
を示す。
【0110】(比較例22)比較例22として、実施例
2と同様の四フッ化エチレン樹脂粉末を体積分率で80
%、バインダとして実施例2と同様のフッ化ビニリデン
樹脂を体積分率で20%の2成分をボールミルを用いて
混合し塗料を調製、さらにその塗膜を形成した。(表
7)にこの塗膜の成分を示す。
【0111】(実施例23)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例8と同様にして実施例23のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表7)にバ
インダとしての四フッ化エチレン樹脂および添加剤とし
てのパーフルオロアルキルポリエーテルの体積分率を変
えた本実施例のサンプルD−4,E−4,F−4の成分
を示す。
【0112】(比較例23)比較例23として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例3と同様の四フッ化エチレン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表7)にこの塗膜の成分を
示す。
【0113】(実施例24)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例9と同様にして実施例24のフッ素
樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表7)にバ
インダとしてのアクリルシリコン樹脂および添加剤とし
てのパーフルオロアルキルポリエーテルの体積分率を変
えた本実施例のサンプルG−4,H−4,I−4の成分
を示す。
【0114】(比較例24)比較例24として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとしてア
クリルシリコン樹脂を体積分率で20%の2成分をボー
ルミルを用いて混合し、塗料を調製し、さらにその塗膜
を形成した。(表7)にこの塗膜の成分を示す。
【0115】(実施例25)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例10と同様にして実施例25のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表7)に
バインダとしてのポリエステル樹脂および添加剤として
のパーフルオロアルキルポリエーテルの体積分率を変え
た本実施例のサンプルJ−4,K−4,L−4の成分を
示す。
【0116】(比較例25)比較例25として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例5と同様のポリエステル樹脂を体積分率で20%の
2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらに
その塗膜を形成した。(表7)にこの塗膜の成分を示
す。
【0117】(実施例26)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例11と同様にして実施例26のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表7)に
バインダとしてのエポキシ樹脂および添加剤としてのパ
ーフルオロアルキルポリエーテルの体積分率を変えた本
実施例のサンプルM−4,N−4,O−4の成分を示
す。
【0118】(比較例26)比較26として、実施例1
7と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重
合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実施
例6と同様のエポキシ樹脂を体積分率で20%の2成分
をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらにその塗
膜を形成した。(表7)にこの塗膜の成分を示す。
【0119】(実施例27)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例12と同様にして実施例27のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表8)に
バインダとしてのフッ化ビニリデン樹脂および添加剤と
しての三フッ化エチレン重合体の体積分率を変えた本実
施例のサンプルA−5,B−5,C−5の成分を示す。
【0120】(比較例27)比較例27として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例2と同様のフッ化ビニリデン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表8)にこの塗膜の成分を
示す。
【0121】(実施例28)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例13と同様にして実施例28のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表8)に
バインダとしての四フッ化エチレン樹脂および添加剤と
しての三フッ化エチレン重合体の体積分率を変えた本実
施例のサンプルD−5,E−5,F−5の成分を示す。
【0122】(比較例28)比較例28として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例3と同様の四フッ化エチレン樹脂を体積分率で20
%の2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さ
らにその塗膜を形成した。(表8)にこの塗膜の成分を
示す。
【0123】(実施例29)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例14と同様にして実施例29のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表8)に
バインダとしてのアクリルシリコン樹脂および添加剤と
しての三フッ化エチレン重合体の体積分率を変えた本実
施例のサンプルG−5,H−5,I−5の成分を示す。
【0124】(比較例29)比較例29として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとしてア
クリルシリコン樹脂を体積分率で20%の2成分をボー
ルミルを用いて混合し、塗料を調製し、さらにその塗膜
を形成した。(表8)にこの塗膜の成分を示す。
【0125】(実施例30)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例15と同様にして実施例30のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表8)に
バインダとしてのポリエステル樹脂および添加剤として
の三フッ化エチレン重合体の体積分率を変えた本実施例
のサンプルJ−5,K−5,L−5の成分を示す。
【0126】(比較例30)比較例30として、実施例
17と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実
施例5と同様のポリエステル樹脂を体積分率で20%の
2成分をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらに
その塗膜を形成した。(表8)にこの塗膜の成分を示
す。
【0127】(実施例31)実施例17と同様の四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂粉末を使
用した以外は実施例16と同様にして実施例31のフッ
素樹脂塗料を調製し、その塗膜を形成した。(表8)に
バインダとしてのエポキシ樹脂および添加剤としての三
フッ化エチレン重合体の体積分率を変えた本実施例のサ
ンプルM−5,N−5,O−5の成分を示す。
【0128】(比較例31)比較31として、実施例1
7と同様の四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重
合体樹脂粉末を体積分率で80%、バインダとして実施
例6と同様のエポキシ樹脂を体積分率で20%の2成分
をボールミルを用いて混合し塗料を調製、さらにその塗
膜を形成した。(表8)にこの塗膜の成分を示す。
【0129】下記(表2)は下記(表3)〜(表8)に
おいて使用する略号を示す。
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
【表7】
【0136】
【表8】
【0137】(試験例4)試験例1と同様にして実施例
2〜6および比較例2〜6のフッ素樹脂塗膜のサンプル
の撥水性を測定した。実施例2〜6のサンプルA〜O、
比較例2〜6のサンプルV1〜V5のいずれの塗膜も、
水の接触角は約150°であった。従って、初期の撥水
性に関しては実施例および比較例で差は認められない。
【0138】次に、水浸漬による経時劣化の結果につい
て以下に述べる。実施例2〜6のサンプルA〜Oと比較
例2〜6のサンプルV1〜V5の塗膜を純水に浸漬し、
各日数で取り出し、前記の方法で水の接触角を測定し
た。この作業を繰り返し、長期水浸漬の影響を評価し
た。結果を図5、図6、図7、図8、図9に示す。図5
〜図9中、白丸、白四角、白三角印はそれぞれ添加剤含
有量が0.5体積%、2.0体積%、5.0体積%のサ
ンプルを示す。黒三角印は添加剤を含有していない比較
サンプルを示す。実施例2〜6のフッ素樹脂塗料は、比
較例2〜6の塗膜に比べ撥水性の経時的な低下は少な
く、上記と同様に水の接触角を測定したところ初期は1
50°であり、塗膜形成直後の初期の撥水性では、実施
例2〜6と差はみられない。しかし、長期的な水浸漬に
よる耐性については、実施例2〜6のフッ素樹脂塗料は
従来のフッ素樹脂塗料に比べて著しく優れていることが
確認された。
【0139】さらに、実施例7〜31のサンプルA−1
〜O−1、A−2〜O−2、A−3〜O−3、A−4〜
O−4およびA−5〜O−5並びに比較例7〜31のサ
ンプルV6〜V30について、実施例2〜6および比較
例2〜6と同様に撥水性試験を行ったところ、実施例2
〜6および比較例2〜6と同様の結果が得られた。
【0140】図10に、水に対する長期耐久性の一つの
尺度として、200日水浸漬による撥水性残存率に及ぼ
すパーフルオロポリエーテル添加量の影響を示す。図1
0中、A0、B0、C0はパーフルオロポリエーテルの
添加量がそれぞれ0.5体積%、2.0体積%、5.0
体積%のサンプル群を示す。V0は添加剤を含有しない
比較サンプル群を示す。この撥水性残存率は、次式
【0141】
【数1】撥水性残存率=200日水浸漬時の水の接触角
/初期の水の接触角 で与えられ、図5〜図9からそれぞれ算出した。図10
から、パーフルオロポリエーテルが0.5%(サンプル
群A0 )添加されていれば、撥水性残存率が200日水
浸漬後でも90%以上と長期耐久性を有することがわか
る。
【0142】次に、塗膜の構造と撥水性の経時変化の相
関を調べるために、走査型電子顕微鏡(SEM)により
塗膜表面を観察した。図11、図12、図13および図
14はそれぞれ比較例2のサンプルV1および実施例2
のサンプルA〜Cの塗膜表面の電子顕微鏡写真(拡大
率:3000倍)である。また、比較例2のサンプルV
1および実施例2のサンプルA〜Cの塗膜表面の電子顕
微鏡写真(図11〜図14)に基づいて作製した模式図
を図15、図16、図17および図18にそれぞれ示
す。図15〜図18において、3はフッ素樹脂粉末、4
はバインダ、5は凝集塊である。実施例2のサンプルA
〜Cの模式図(図16,図17および図18)から、パ
ーフルオロポリエーテルを添加することにより、特にサ
ンプルBとCにおいて、フッ素樹脂粉末3がバインダ4
(あるいはフッ素オイル)に取り込まれて凝集し、個々
のフッ素樹脂粉末3間の隙間を埋めた構造のフッ素樹脂
塗料となっていることがわかる。また、この凝集塊5の
表面は、フッ素樹脂粉末3で覆われていることがわか
る。これらの結果から、上記実施例2のサンプルで観察
された塗膜の構造が水に対する長期耐久性に寄与してい
ると思われる。
【0143】図11〜図14(図15〜図18)で認め
られた表面形状が、塗膜内部においても同じ形状が保た
れているかを調べるため、塗膜の断面を観察した。図1
9(A)、(B)、(C)、(D)は、SEMによる拡
大(1000倍)した比較例2のサンプルV1および実
施例2のサンプルA〜Cの塗膜断面の模式図である。基
板のFRPに切り欠きを入れ、剪断応力を加えて切断
し、断面観察用サンプルとした。比較例2では、フッ素
樹脂粉末の凝集が塗膜表面から内部に至るまで観察され
ない。一方、パーフルオロポリエーテルを添加すると凝
集がみられ、特にサンプルCでは塗膜表面から基板のF
RP直下までフッ素樹脂粉末の凝集が顕著に観察され
る。凝集が顕著に観察されないサンプルAおよびBで
は、破断はフッ素樹脂粒子間で起こり、バインダまたは
オイルが粒子間を充たしていることがわかる。
【0144】前記の表面観察および断面観察で得られた
フッ素樹脂粉末の凝集状態を定量化する目的で、比較例
2のサンプルV1および実施例2のサンプルA〜Cの表
面粗さの測定を行った。表面粗さは東京精密(株)製の
表面粗さ測定器を用い、測定方法はJIS B 060
1(日本規格協会編:JISハンドブック34 金属表
面処理 第17項(1994))に基づいて行った。図
20(A)、(B)、(C)、(D)に、2次元測定に
おける各サンプルの粗さ曲線とスケールを示す。また、
そのときの十点平均粗さ(JIS B 0601)を下
記(表9)に示す。
【0145】
【表9】
【0146】これらの結果から、パーフルオロポリエー
テルを添加していくに従い、塗膜の粗さが増すことがわ
かる。この粗さの増加は、図12、図13、図14(図
16、図17、図18)および図19(B)、(C)、
(D)で観察されたように、フッ素樹脂粉末が添加剤あ
るいはバインダに取り込まれ凝集する現象に対応してい
るものと思われる。
【0147】以上の結果から、フッ素樹脂粉末とバイン
ダの他に添加剤を含む本発明の塗膜は凝集単位に集合
し、フッ素樹脂粉末間の空隙を埋める構造を有している
ことにより、長期水浸漬においても撥水性の低下を防止
できるものと考えられる。
【0148】(実施例32)フッ素樹脂粉末として平均
分子量8500、平均粒径1μmの四フッ化エチレン樹
脂粉末を用いた。このフッ素樹脂粉末は、その調製の際
にフッ素化率を高め、0.1%以下の酸素雰囲気下で調
製したものである。調製したフッ素樹脂粉末(H)は5
%アセトン水に浮いた。バインダはフッ化ビニリデン樹
脂、添加剤としてフッ素オイルであるパーフルオロポリ
エーテル(分子量2700)とし、これら3成分をボー
ルミルを用いて撹拌し、塗料を作製した。これらのフッ
素樹脂塗料を、エポキシ樹脂を主材料とするFRP板に
スプレー塗装を行い、本発明の効果を確認するための塗
膜を作製した。(表4)にバインダとしてのフッ化ビニ
リデン樹脂および添加剤としてのパーフルオロポリエー
テルの体積分率を変えた本実施例のサンプルA−6,B
−6,C−6の成分を示す。
【0149】さらに、フッ素樹脂粉末として調製の際に
フッ素化率や酸素雰囲気条件をコントロールせずに調製
した四フッ化エチレン樹脂粉末(L)を用いた以外は上
記と同様にしてフッ素樹脂塗料を作製し、スプレー塗装
を行い、塗膜を作製した。このフッ素樹脂粉末(L)は
5%アセトン水に沈んだ。(表4)にバインダとしての
フッ化ビニリデン樹脂および添加剤としてのパーフルオ
ロポリエーテルの体積分率を変えた本実施例のサンプル
A−7,B−7,C−7の成分を示す。
【0150】(比較例32)添加剤を用いなかった以外
は実施例32と同様にして比較例32の塗膜のサンプル
V31およびV32を作製した。
【0151】(試験例5)次に、実施例32および比較
例32のサンプルの撥水性の経時劣化耐性を調べた。実
施例32および比較例32のサンプルの塗膜を純水に浸
漬し、各日数で取り出し前記の方法で水の接触角を測定
した。この作業を繰り返し、長期水浸漬の影響を評価し
た。結果を図21および図22に示す。図21および図
22において、白丸、白四角、白三角印はそれぞれ添加
剤含有量が0.5体積%、2.0体積%、5.0体積%
のサンプルを示す。また、黒三角印は添加剤含有量が0
体積%のサンプルを示す。これらの結果からわかるよう
に、フッ素化率を高め、0.1%以下の酸素雰囲気下で
調製されたフッ素樹脂粉末(H)を使用すると、経時劣
化耐性の傾向は、フッ素化率や酸素雰囲気をコントロー
ルせずに調製されたフッ素樹脂粉末(L)と同様である
が、初期の水の接触角がHでは150度程度であり、L
では130度程度であり、撥水効果のレベル自体を高く
するのに有効である。
【0152】
【発明の効果】本発明は、フッ素樹脂粉末とバインダに
加え、バインダより自由エネルギーの小さな物質である
添加剤を含むため、この塗料を用いて塗膜を形成した場
合、この添加剤がフッ素樹脂粉末とバインダ樹脂の間の
すきまを埋め、水が塗膜中に侵入しないようにできるた
め、長期にわたって高い撥水性を保持する。すなわち、
本発明は水にさらされるような屋外で使用されても、長
期にわたって撥水性の低下は起こらない。また、本発明
は着氷剪断力も小さくなり難着氷性においても優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の塗膜上の水滴の状態を示す
模式図であり、(A)は塗膜上に水滴を滴下した状態を
表し、(B)は水の接触角の測定を示す。
【図2】添加剤の表面自由エネルギーと水の接触角の関
係を示す図である。
【図3】フッ素オイル添加サンプルの水浸漬による撥水
性の経時変化を示す図である。
【図4】フッ素系界面活性剤添加サンプルの水浸漬によ
る撥水性の経時変化を示す図である。
【図5】フッ素オイル添加量を変えたサンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示すグラフである。
【図6】フッ素オイル添加量を変えたサンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示すグラフである。
【図7】フッ素オイル添加量を変えたサンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示すグラフである。
【図8】フッ素オイル添加量を変えたサンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示すグラフである。
【図9】フッ素オイル添加量を変えたサンプルの水浸漬
による撥水性の経時変化を示すグラフである。
【図10】200日水浸漬による撥水性残存率に及ぼす
フッ素オイル添加量の影響を説明するグラフである。
【図11】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜
表面の顕微鏡写真(300倍)である。
【図12】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜
表面の顕微鏡写真(300倍)である。
【図13】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜
表面の顕微鏡写真(300倍)である。
【図14】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜
表面の顕微鏡写真(300倍)である。
【図15】図11の顕微鏡写真に基づいて作成された、
フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜表面の模式
図(300倍)である。
【図16】図12の顕微鏡写真に基づいて作成された、
フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜表面の模式
図(300倍)である。
【図17】図13の顕微鏡写真に基づいて作成された、
フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜表面の模式
図(300倍)である。
【図18】図14の顕微鏡写真に基づいて作成された、
フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜表面の模式
図(300倍)である。
【図19】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗膜
表面の模式図(1000倍)であり、(A)はフッ素オ
イルを含有しない場合、(B)は0.5%含有する場
合、(C)は2.0%含有する場合、(D)は5.0%
含有する場合をそれぞれ示す。
【図20】フッ素オイル添加量を変えたフッ素樹脂塗料
の断面曲線を示すグラフであり、(A)はフッ素オイル
を含有しない場合、(B)は0.5%含有する場合、
(C)は2.0%含有する場合、(D)は5.0%含有
する場合をそれぞれ示す。
【図21】フッ素樹脂粉末の調製方法の相違による撥水
性に対する影響を説明するグラフである。
【図22】フッ素樹脂粉末の調製方法の相違による撥水
性に対する影響を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 塗膜 2 水滴 3 フッ素樹脂粉末 4 バインダ 5 凝集塊
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 183/07 PMU C09D 183/07 PMU (72)発明者 井守 康堯 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 高沢 壽佳 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂粉末と、バインダと、表面自
    由エネルギーが前記バインダの表面自由エネルギーより
    小さい物質の添加剤とを含むことを特徴とするフッ素樹
    脂塗料。
  2. 【請求項2】 前記添加剤がフッ素オイル、界面活性剤
    のうち一種類、またはそれらの混合体であることを特徴
    とする請求項1に記載のフッ素樹脂塗料。
  3. 【請求項3】 前記フッ素オイルがパーフルオロポリエ
    ーテル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ化
    エチレン重合体のうち少なくとも一種類を含むことを特
    徴とする請求項2または3に記載のフッ素樹脂塗料。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤で
    あることを特徴とする請求項2または3に記載のフッ素
    樹脂塗料。
  5. 【請求項5】 前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレン
    樹脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重
    合体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一種
    類もしくは複数種の混合粉末であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ素樹脂塗料。
  6. 【請求項6】 前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分的
    または完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であること
    を特徴とする請求項5に記載のフッ素樹脂塗料。
  7. 【請求項7】 前記バインダは、フッ化ビニリデン樹
    脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポ
    リエステル樹脂、エチレン・一酸化炭素共重合体樹脂、
    エチレン・ビニルケトン共重合体、プロピレン・ビニル
    ケトン共重合体あるいはスチレン・ビニルケトン共重合
    体の少なくとも一種類以上の樹脂もしくは混合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載
    のフッ素樹脂塗料。
  8. 【請求項8】 前記バインダは、フッ化ビニリデン樹
    脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポ
    リエステル樹脂いずれかまたはこれらの混合体であるこ
    とを特徴とする請求項7に記載のフッ素樹脂塗料。
  9. 【請求項9】 前記添加剤の表面自由エネルギーが前記
    フッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいことを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のフッ素
    樹脂塗料。
  10. 【請求項10】 前記フッ素樹脂粉末のフッ素樹脂が分
    子量500〜20000であることを特徴とする請求項
    1に記載のフッ素樹脂塗料。
  11. 【請求項11】 フッ素樹脂粉末と、バインダと、表面
    自由エネルギーが前記バインダの表面自由エネルギーよ
    り小さい物質の添加剤とを含むことを特徴とするフッ素
    樹脂塗膜。
  12. 【請求項12】 前記添加剤がフッ素オイル、界面活性
    剤のうち一種類、またはそれらの混合体であることを特
    徴とする請求項11に記載のフッ素樹脂塗膜。
  13. 【請求項13】 前記フッ素オイルがパーフルオロポリ
    エーテル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ
    化エチレン重合体のうち少なくとも一種類を含むことを
    特徴とする請求項12に記載のフッ素樹脂塗膜。
  14. 【請求項14】 前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤
    であることを特徴とする請求項12または13に記載の
    フッ素樹脂塗膜。
  15. 【請求項15】 前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレ
    ン樹脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
    重合体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一
    種類もしくは複数種の混合粉末であることを特徴とする
    請求項11〜14のいずれか一項に記載のフッ素樹脂塗
    膜。
  16. 【請求項16】 前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分
    的または完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であるこ
    とを特徴とする請求項15に記載のフッ素樹脂塗膜。
  17. 【請求項17】 前記バインダは、フッ化ビニリデン樹
    脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポ
    リエステル樹脂、エチレン・一酸化炭素共重合体樹脂、
    エチレン・ビニルケトン共重合体、プロピレン・ビニル
    ケトン共重合体あるいはスチレン・ビニルケトン共重合
    体の少なくとも一種類以上の樹脂もしくは混合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に
    記載のフッ素樹脂塗膜。
  18. 【請求項18】 前記バインダは、フッ化ビニリデン樹
    脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポ
    リエステル樹脂いずれかまたはこれらの混合体であるこ
    とを特徴とする請求項17に記載のフッ素樹脂塗膜。
  19. 【請求項19】 前記添加剤の表面自由エネルギーが前
    記フッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいこと
    を特徴とする請求項11〜18のいずれか一項に記載の
    フッ素樹脂塗膜。
  20. 【請求項20】 前記フッ素樹脂粉末のフッ素樹脂が分
    子量500〜20000であることを特徴とする請求項
    11に記載のフッ素樹脂塗膜。
  21. 【請求項21】 前記フッ素樹脂粉末が、前記バインダ
    あるいは前記添加剤と混合し、凝集し、該凝集単位が集
    合して塗膜を構成することを特徴とする請求項11〜2
    0のいずれか一項に記載のフッ素樹脂塗膜。
  22. 【請求項22】 前記凝集単位が集合して形成した塗膜
    において前記バインダ、あるいは前記添加剤、あるいは
    前記バインダおよび添加剤の混合体が前記フッ素樹脂粉
    末の空隙を埋めたことを特徴とする請求項11〜21の
    いずれか一項に記載のフッ素樹脂塗膜。
  23. 【請求項23】 分子量500〜20000のフッ素樹
    脂からなるフッ素樹脂粉末と、フッ化ビニリデン樹脂、
    四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエ
    ステル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン・一酸化炭素共重
    合体、エチレン・ビニルケトン共重合体、プロピレン・
    ビニルケトン共重合体、スチレン・ビニルケトン共重合
    体およびこれらの混合樹脂よりなる群から選ばれた少な
    くとも一種のマトリックス樹脂と、表面自由エネルギー
    が前記樹脂の表面自由エネルギーより小さい物質の添加
    剤とを含むことを特徴とするフッ素樹脂組成物。
  24. 【請求項24】 前記マトリックス樹脂がフッ化ビニリ
    デン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、アクリルシリコン樹
    脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの
    混合樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂
    であることを特徴とする請求項23に記載のフッ素樹脂
    組成物。
  25. 【請求項25】 前記添加剤がフッ素オイル、界面活性
    剤のうち一種類、またはそれらの混合体であることを特
    徴とする請求項23に記載のフッ素樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 前記フッ素オイルがパーフルオロポリ
    エーテル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三フッ
    化エチレン重合体のうち少なくとも一種類を含むことを
    特徴とする請求項25に記載のフッ素樹脂組成物。
  27. 【請求項27】 前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤
    であることを特徴とする請求項25または26に記載の
    フッ素樹脂組成物。
  28. 【請求項28】 前記フッ素樹脂粉末が四フッ化エチレ
    ン樹脂粉末、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
    重合体樹脂粉末、フッ化ビニリデン樹脂粉末のうち、一
    種類もしくは複数種の混合粉末であることを特徴とする
    請求項23〜27のいずれか一項に記載のフッ素樹脂組
    成物。
  29. 【請求項29】 前記フッ素樹脂粉末は、末端基が部分
    的または完全にフッ素化されたフッ素樹脂粉末であるこ
    とを特徴とする請求項28に記載のフッ素樹脂組成物。
  30. 【請求項30】 前記添加剤の表面自由エネルギーが前
    記フッ素樹脂粉末の表面自由エネルギーより大きいこと
    を特徴とする請求項23〜29のいずれか一項に記載の
    フッ素樹脂組成物。
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