JPH0986987A - セメント用硬化促進材 - Google Patents

セメント用硬化促進材

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JPH0986987A
JPH0986987A JP24205695A JP24205695A JPH0986987A JP H0986987 A JPH0986987 A JP H0986987A JP 24205695 A JP24205695 A JP 24205695A JP 24205695 A JP24205695 A JP 24205695A JP H0986987 A JPH0986987 A JP H0986987A
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良明 土田
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知伸 上保
Hisashi Suzuki
寿 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 CaO、Na2O及びAl2O3に換算した化学組成
がCaO 54〜65重量%、Na2O 5〜20重量%及びAl2
O3 21〜40重量%であるCaO-Na2O-Al2O3系焼成物、
又は8CaO・Na2O・3Al2O3を50重量%以上含むCaO-Na2O
-Al2O3系焼成物を含有するセメント用硬化促進材、及び
これを用いるセメントペースト、モルタル、コンクリー
トの凝結、硬化促進方法。 【効果】 このセメント用硬化促進材はセメントペース
ト、モルタル、コンクリートを極めて速やかに凝結、硬
化させ、かつ得られる硬化体の初期強度及び長期強度も
高いので、速硬材及び急結材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル、橋脚の
ような天井、壁面にセメントモルタルやコンクリートを
吹き付けるに際し、モルタルやコンクリートに自重によ
る剥落の余裕を与えず急速に硬化させるとともに、長期
にわたる強度を付与するための急結材や、セメントに混
合することにより初期強度発現性を高めるための硬化促
進材として有用なセメント用硬化促進材に関する。
【0002】
【従来の技術】水和活性に優れた組成物をセメントペー
スト、モルタルやコンクリートに混合することによっ
て、セメントの硬化、凝結速度を調整することができ、
これによりコンクリートやモルタルの初期強度を著しく
高めたり、凝結時間を極端に短くすることが可能であ
る。この組成物を用いてトンネルの天井部、橋台下など
の天板にコンクリートやモルタルを吹き付ける、いわゆ
る吹き付け工法が広く行われている。また、この組成物
は硬化時間が速いため即脱型のコンクリート二次製品等
にも使用されている。
【0003】この組成物はセメント用急結材、速硬性混
和材等と呼ばれ(本発明では、これらをセメント用硬化
促進材と総称する)、例えば水ガラスを主体とするも
の、アルミン酸塩を主体とするもの、か焼明ばん石を主
体とするもの等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のセメント用硬化促進材は、種々の欠点を有し、特
に吹き付け工事に利用する場合には未だ充分満足すべき
ものではない。
【0005】すなわち、吹き付け工事に使用する流動性
コンクリートとして必要な特性は、付着性が良好で跳ね
返りが少ないこと、コンクリートの凝結が早く付着後直
ちに硬化すること、芯材となる鋼材を腐食させないこと
などが挙げられる。これに対し水ガラスを主体とするも
のは硬化後のコンクリートの強度が向上せず長期安定性
が不充分で、しかもアルカリ量も多くアルカリ公害を生
じる恐れがある。
【0006】また、アルミン酸ソーダと炭酸ソーダとか
らなる急結材は、その添加量の変動により凝結時間、初
期強度が大きく変化し、品質が安定しないという問題点
が指摘されている。また、これらは吸湿性が高く、アル
カリ量も多く長期安定性にも問題があった。か焼明ばん
石を主体とするものは、付着性が低く初期強度発現性も
低い。溶融アルミン酸カルシウム系急結材では、溶融カ
ルシウムアルミネートの組成がCaO/Al2O3モル比で1.
7付近でかつ非晶質のものを用いた場合に理想的な急結
性能を示すがCaO/Al2O3モル比の変動や、冷却速度の不
足によるアルミン酸カルシウムの結晶化によりその急結
性は低下する。
【0007】一方、ナトリウムカルシウムアルミネート
化合物系急結材では、セメントに対して充分な量を添加
しないと充分な急結性能が発揮できない場合があり、ま
た、通常では特に問題を生じないが、厳冬期には急結性
能が低下するもの、硬化後の強度が充分に発現しないも
のがある。
【0008】例えば、特開平2−258659号公報に
はCaO-Na2O-Al2O3系焼成物でCaOが20〜53重量%、N
a2Oが2〜20重量%及びAl2O3が35〜75重量%であ
る焼成物が開示されているが、この焼成物には3CaO・2N
a2O・5Al2O3の結晶質及びガラス質が含まれている。と
ころが、この3CaO・2Na2O・5Al2O3の結晶質ではガラス
質ほどの急結性は得られないため、その鉱物組成はガラ
ス質にした方が好ましいが、ガラス質を製造するには溶
融炉等を使用するためコストが高くなるという問題があ
る。
【0009】従って本発明の目的は、セメントペース
ト、モルタル、コンクリートの凝結、硬化を著しく促進
させ、しかも高い初期強度及び長期強度発現が期待でき
るセメント用硬化促進材を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはCaO-
Na2O-Al2O3系焼成物に着目し、その化学組成及び鉱物組
成と急結性能及び速硬性能との関係について種々検討し
た結果、CaO-Na2O-Al2O3系焼成物のうちで、化学組成を
CaOが54〜65重量%、Na2Oが5〜20重量%でAl2O3
が21〜40重量%に調整した焼成物が非常に急結性能
及び速硬性能を有し、セメント用速硬材として有用であ
ることを見出した。また、鉱物組成の検討においては、
CaO-Na2O-Al2O3系焼成物のうちで、8CaO・Na2O・3Al2O3
の含量が高いほど急結性能及び速硬性能が良好であり、
8CaO・Na2O・3Al2O3を50重量%以上含む焼成物が特に
セメント用速硬材として良好であることを見出した。更
に、これらの化学組成と鉱物組成との関係について詳細
に検討した結果、CaOが54重量%を超えると焼成温度
が低くても8CaO・Na2O・3Al2O3の生成が容易になり、上
記の化学組成のときに鉱物組成8CaO・Na2O・3Al2O3が5
0重量%以上のCaO-Na2O-Al2O3系焼成物が得られ易く、
この焼成物は特に水和活性が高く、急結性能及び速硬性
能が良好であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は、CaO、Na2O及びAl2O3
に換算した化学組成がCaO 54〜65重量%、Na2O 5
〜20重量%及びAl2O3 21〜40重量%であるCaO-Na
2O-Al 2O3系焼成物(A−1)を含有するセメント用硬化
促進材を提供するものである。
【0012】また、本発明は、8CaO・Na2O・3Al2O3を5
0重量%以上含むCaO-Na2O-Al2O3系焼成物(A−2)を
含有するセメント用硬化促進材を提供するものである。
【0013】更に本発明は、CaO、Na2O及びAl2O3に換算
した化学組成がCaO 54〜65重量%、Na2O 5〜20
重量%及びAl2O3 21〜40重量%であり、8CaO・Na2O
・3Al 2O3を50重量%以上含むCaO-Na2O-Al2O3系焼成物
(A−3)を含有するセメント用硬化促進材を提供する
ものである。
【0014】更にまた、本発明はコンクリート又はモル
タルを混練する際に、上記のセメント用硬化促進材をセ
メントに対し2〜40重量%添加することを特徴とする
コンクリート又はモルタルの凝結硬化促進方法を提供す
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるCaO-Na2O-Al2
O3系焼成物は、CaO、Na2O及びAl2O3に換算した化学組成
がCaO 54〜65重量%、Na2O 5〜20重量%及びAl2
O3 21〜40重量%であるもの(A−1);又は鉱物
組成8CaO・Na2O・3Al2O3を50重量%以上を含むもの
(A−2)のいずれでもよいが、これらの化学組成及び
鉱物組成の両者を満たすもの(A−3)が特に好まし
い。
【0016】すなわち、この8CaO・Na2O・3Al2O3(以
下、C8NA3と略す)はCaO-Na2O-Al2O3系焼成物の中で最
も高くカルシウムを含有する鉱物であり、他のCaO-Na2O
-Al2O3系焼成物に比べ(例えば3CaO・2Na2O・5Al2O
3(以下、C3N2A5と略す))に比べ非常に良好な急結性
能を示す。一方、このC8NA3はCaO-Na2O-Al2O3系焼成物
を焼成する際にCaOを54重量%以上に確保することに
より、その生成量が増加し、その結果急結性能が増大す
る。そして、特にC8NA3量が50重量%以上の場合、特
に良好な急結性能を示す。ところが、CaOが54重量%
未満の場合十分に焼成温度及び焼成時間をかけるとC8NA
3が生成するが、その生成量は少なく、他の鉱物特にC3N
2A5が多量に生成し急結性能が低下する。特にCaOが40
重量%以下の場合は3CaO・2Na2O・5Al2O3の生成量が増
加し急結性能も低下する。またCaOが65重量%以上に
なると遊離石灰量が増加しコンクリート硬化体等の膨張
の原因や、CaO-Na2O-Al2O3系焼成物中のC8NA3の含有量
が低下し、好ましくない。
【0017】また、良好な急結性能や速硬性を示した急
結材についての検討結果から、当該成分C8NA3は、ゲル
の生成→カルシウムアルミネート水和物の生成→エトリ
ンガイト、モノサルフェート水和物の生成の順で水和が
進行し、この反応の形態が非常に良好な急結性能を示す
ことが明らかになった。
【0018】本発明で用いるCaO-Na2O-Al2O3系焼成物
〔上記(A−1)、(A−2)及び(A−3)を総称し
て、以下成分(A)という〕においては、C8NA3含量が
高いほど急結性能が良好であり、60重量%以上がより
好ましく、70重量%以上が更に好ましく、90重量%
以上が特に好ましい。
【0019】また当該成分(A)中に含まれるC8NA3
外の成分としては、フリーCaO、Na2O・Al2O3が挙げられ
る。更に微量成分としてCaO・Al2O3、SiO2、K2O、MgO、
Fe2O3、TiO2等を合計で5重量%程度含有していてもよ
い。
【0020】かかる成分(A)は、CaO源、Na2O源及びA
l2O3源を1400℃未満の温度で焼成することにより得
ることができる。焼成は、電気炉等の適切な設備により
行われるが、Na2Oの揮散を考慮すると焼成温度が高い程
Na2Oの揮散は高くなり、必ずしも高い温度で焼成する必
要はないが、1100〜1400℃で焼成するのが好ま
しい。ここで、CaO源としてはCaO、CaCO3、Ca(OH)2など
が、Na2O源としてはNa 2CO3などが、Al2O3源としてはAl2
O3、Al(OH)3などが使用できる。なお、Na2OとAl2O3の共
通源としてアルミン酸ナトリウムも使用できる。
【0021】本発明のセメント用硬化促進材において
は、成分(A)に加えて、アルミン酸アルカリ、炭酸ア
ルカリ、石灰、石膏及び水酸化アルミニウムから選ばれ
る1種以上(成分(B))を配合すると、成分(A)の
急結性能が更に向上する。すなわち、成分(A)と成分
(B)の混合物をセメントに添加することにより、セメ
ントペースト、モルタル、コンクリート中に多量のエト
リンガイトやアルミナゲルが生成し凝結及び硬化が著し
く促進される。当該成分(B)の添加量は、成分(A)
100重量部に対し10〜300重量部が好ましいが、
50〜200重量部が特に好ましい。
【0022】これらのアルミン酸アルカリ、炭酸アルカ
リ、石灰、石膏及び水酸化アルミニウムは、このうち1
種のみを用いてもよいが、2種以上を組合わせて用いる
のが好ましく、これらすべてを配合するのが特に好まし
い。
【0023】アルミン酸アルカリ(B−1)としては特
にアルミン酸ソーダが好ましく、成分(A)100重量
部に対して0.1〜30重量部配合するのがより好まし
い。アルミン酸アルカリの配合量は、成分(A)の焼成
時に生成するアルミン酸ソーダ量によっても異なり、成
分(A)中のアルミン酸ソーダ生成量が多い場合には添
加しなくてもよく、30重量部を超えると吹き付け性状
が低下する。
【0024】炭酸アルカリ(B−2)は、成分(A)の
急結性の補完的役割を果たす副材であり、その例として
は炭酸リチウム、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等が挙げら
れる。炭酸アルカリの配合量は、成分(A)100重量
部に対し10〜40重量部が好ましい。これが10重量
部未満ではAl2O3イオンの溶出の増進が充分でなく、充
分な急結性を示さないことがある。またこれが40重量
部を超えると長期強度及び耐久性が低下することがあ
る。
【0025】石灰(B−3)は実質上80%以上のCaO
又はCa(OH)2となり、エトリンガイトの生成量及び生成
速度を制御する重要な役割を果たす。その配合比は、成
分(A)100重量部に対し5〜40重量部が好まし
い。これが40重量部を超えると強度発現性が低下する
ことがあり、またこれが5重量部未満では充分な急結性
を示さないことがある。石灰として生石灰を用いる場合
は、硬焼としてCa2+イオンの溶出を極力低下させたも
のが良好な性能を示す。
【0026】石膏(B−4)は、エトリンガイト及びモ
ノサルフェート水和物の生成のバランスを図るものであ
り、水不溶性のII型無水石膏が最も好ましい。その添加
量は使用温度によって異なるが、成分(A)100重量
部に対し0.1〜50重量部の範囲が好ましい。使用温
度が5〜10℃では石膏の配合比は0.1〜20重量部
が好ましい。低温度使用の場合、これらが20重量部以
上となるとエトリンガイトの生成量が低く、強度発現が
低くなる恐れがあるのでこの範囲が好ましい。石膏は、
使用温度が10〜30℃では20〜30重量部、使用温
度が30℃以上の場合は30〜50重量部で更に良好な
急結性を示す。
【0027】水酸化アルミニウム(B−5)は、アルミ
ン酸ソーダの配合比が多い場合は可溶性アルミニウムを
多く必要としない。アルミン酸ソーダの配合比が15重
量部以下のときは使用すると良好な結果が得られる。ま
た、水酸化アルミニウムの配合量は成分(A)100重
量部に対し1〜20重量部が好ましく、使用温度が20
℃以下のときは10〜20重量部、20℃以上のときは
1〜10重量部使用するとより好ましい。
【0028】このように、成分(A)100重量部に対
し(B−1)アルミン酸アルカリを0.1〜30重量
部、(B−2)炭酸アルカリを10〜40重量部、(B
−3)石灰を5〜40重量部、(B−4)石膏を0.1
〜50重量部、及び(B−5)水酸化アルミニウムを1
〜20重量部配合すると、凝結時間が短縮されることか
ら、吹き付け工事等に使用するセメント用急結材として
特に有用である。
【0029】また、本発明においては、成分(A)10
0重量部に対し、(C)CaO、Na2O及びAl2O3に換算した
化学組成がCaO 1〜20重量%、Na2O 20〜40重量
%、Al2O3 40〜65重量%であり、アルミン酸ソーダ
を主体とした焼成物を10〜40重量部配合すると、急
結性能が更に向上し、特に低温での凝結時間が短縮さ
れ、強度も向上する。ここで、当該成分(C)の焼成物
はアルミン酸ソーダを主体とするものであるが、アルミ
ン酸ソーダの含量は30重量%以上、特に50重量%以
上が好ましい。また成分(C)にはアルミン酸ソーダ以
外に主としてフリーCaOが含まれ、CaO・Al2O3の含量は
少ないほうが好ましい。なお、成分(C)は、CaO、Na2
O及びAl2O3を1400℃未満の温度で焼成することによ
り得られる。
【0030】なお、当該成分(A)及び成分(C)を含
む組成物に前記成分(B)を配合する場合、その配合量
は成分(A)及び成分(C)の合計量100重量部に対
して(B−1)アルミン酸アルカリ0.1〜30重量
部、(B−2)炭酸アルカリ10〜40重量部、(B−
3)石灰5〜40重量部、(B−4)石膏0.1〜50
重量部、(B−5)水酸化アルミニウム1〜20重量部
が好ましい。この配合量は、成分(A)100重量部に
対しては、(B−1)0.1〜42重量部、(B−2)
11〜56重量部、(B−3)5.5〜56重量部、
(B−4)0.1〜56重量部、(B−5)1〜28重
量部である。
【0031】本発明のセメント用硬化促進材を用いてセ
メントペースト、コンクリートやモルタルの凝結、硬化
を促進させるには、セメントペースト、コンクリート又
はモルタルを混練する際にこのセメント用硬化促進材を
セメントに対し2〜40重量%添加すればよい。
【0032】この方法によれば混練するセメントペース
ト、コンクリートやモルタルに必要な速硬性を付与する
ことができる。予めセメントに本発明セメント用硬化促
進材を混合した場合一定の使い方しかできないが、この
ように混練の際に添加すれば配合や添加量を変えること
により任意に硬化速度をコントロールすることができ
る。また特に急結性能に優れた硬化促進材を用いれば、
コンクリート又はモルタルの吹き付けで使用できる。セ
メント用硬化促進材の添加量が2重量%未満では凝結、
硬化速度が遅く吹き付け工事用としては充分でなく、ま
たこれが40重量%を超えると長期強度及び耐久性が低
下し好ましくない。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】実験例1 C8NA3の生成量と化学組成の関係を明らかにするため化
学組成の異なるCaO-Na2O-Al2O3系焼成物の試製を実施し
た。CaO源には生石灰、Al2O3源には日本軽金属社製の純
アルミナ、Na2O源として炭酸ソーダを使用し電気炉で焼
成した。尚焼成温度は1250℃、焼成時間は1時間と
した。
【0035】試製したCaO-Na2O-Al2O3系焼成物のC8NA3
の生成量を図1に示す。その結果、Na2O含量が7〜8重
量%の場合に特にC8NA3生成量が高くなり、CaO/Al2O3
が1.4〜1.5(重量比)のときに最もC8NA3の生成
量が高くなることが判明した。また、CaO/Al2O3比が
1.2以下の場合はC3N2A5の生成が確認され、その急結
性能は低下した。CaO/Al2O3比が1.1以下の場合は、C
8NA3の生成量が更に低下し、急結性能も低下することが
判明した。
【0036】製造例1 (1)成分(A)及び成分(C)の製造 CaO源に生石灰、アルミ源に日本軽金属社製の純アルミ
ナ、Na2O源として炭酸ソーダを使用し、ロータリーキル
ンにて1200〜1400℃で焼成し、C8NA3のX線強
度の最も高くなった試料を得た。
【0037】得られた成分(A)の焼成物及び成分
(C)の焼成物の化学組成を表1及び表2に示す。また
ブレーン比表面積は約6000cm2/gとした。また成
分(A)中のC8NA3の含有量及び成分(C)中のアルミ
ン酸ソーダ及びC3N2A5の含有量はX線回折により求め
た。ソーダ灰(B−2)及びアルミン酸ソーダ(B−
1)は工業用市販品を、また水酸化カルシウム(B−
3)は純度98%の工業試薬を、また無水石膏(B−
4)にはブレーン比表面積6000cm2/gのものを、
水酸化アルミニウム(B−5)は純度98%の試薬を用
いた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1 表3に示す組成のセメント用硬化促進材を調製し、その
速硬性能を評価した。評価は、セメントの中20重量%
を表2の硬化促進材に置き換えJIS R5201に準
じてモルタル強さ試験を実施することにより行った。そ
の結果、表3に示すように本発明の硬化促進材はいずれ
も優れた速硬性を有することが判明した。
【0041】
【表3】
【0042】実施例2 表4に示す組成のセメント用硬化促進材を調製し、その
急結性能を評価した。すなわち、口径10cm、高さ15
cmの円筒型ポリ容器にセメント(普通ポルトランドセメ
ント)400gを秤取り、これに水240ml(水セメン
ト比0.6)を入れた後、直径5cmの羽付ハンドドリル
で1000rpmの回転数で1分間混合し、28gの硬化
促進材を添加後、5秒間攪拌し、セメントペーストを平
滑にした後、静置した。硬化促進材を添加した直後より
セメントペーストの表面が完全に乾燥し始める時間を表
乾時間とし、1/20in2のプロクター貫入針を使用し
1in.貫入した時の抵抗値を1、2、3及び5分後に測
定した。なお、実験は20℃で行った。ここで表乾時間
はセメントの凝結の開始時間を示し、プロクター貫入抵
抗値は凝結に続く強度の促進を示す。その結果、表4に
示すように本発明の硬化促進材は、比較例の急結材より
も急速に凝結し、かつその強度も高かった。
【0043】
【表4】
【0044】実施例3 表5に示す組成のセメント用硬化促進材を調製し、その
急結性能を実施例2と同様にして評価した。その結果、
表5に示すように、本発明の硬化促進材は10℃及び2
0℃のいずれの条件下でも極めて急速に凝結し、かつそ
の強度も高いので、低温条件下でも使用できることがわ
かる。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明のセメント用硬化促進材はセメン
トペースト、モルタル、コンクリートを極めて速やかに
凝結、硬化させ、かつ得られる硬化体の初期強度及び長
期強度も高いので、速硬材及び急結材として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】CaO-Na2O-Al2O3系焼成物におけるCaONa2O及びA
l2O3の化学組成とC8NA3の生成量との関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 寿 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 宇智田 俊一郎 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO、Na2O及びAl2O3に換算した化学組成
    がCaO 54〜65重量%、Na2O 5〜20重量%及びAl2
    O3 21〜40重量%であるCaO-Na2O-Al2O3系焼成物を
    含有するセメント用硬化促進材。
  2. 【請求項2】 8CaO・Na2O・3Al2O3を50重量%以上含
    むCaO-Na2O-Al2O3系焼成物を含有するセメント用硬化促
    進材。
  3. 【請求項3】 CaO、Na2O及びAl2O3に換算した化学組成
    がCaO 54〜65重量%、Na2O 5〜20重量%及びAl2
    O3 21〜40重量%であり、8CaO・Na2O・3Al2O3を5
    0重量%以上含むCaO-Na2O-Al2O3系焼成物を含有するセ
    メント用硬化促進材。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1〜3のいずれかの項記載
    のCaO-Na2O-Al2O3系焼成物100重量部、並びに(B)
    アルミン酸アルカリ、炭酸アルカリ、石灰、石膏及び水
    酸化アルミニウムから選ばれる1種以上10〜300重
    量部を含有するセメント用硬化促進材。
  5. 【請求項5】 (A)請求項1〜3のいずれかの項記載
    のCaO-Na2O-Al2O3系焼成物100重量部、(B−1)ア
    ルミン酸アルカリ0.1〜30重量部、(B−2)炭酸
    アルカリ10〜40重量部、(B−3)石灰5〜40重
    量部、(B−4)石膏0.1〜50重量部、及び(B−
    5)水酸化アルミニウム1〜20重量部を含有するセメ
    ント用硬化促進材。
  6. 【請求項6】 (A)請求項1〜3のいずれかの項記載
    のCaO-Na2O-Al2O3系焼成物100重量部、(C)CaO、N
    a2O及びAl2O3に換算した化学組成がCaO 1〜20重量
    %、Na2O 20〜40重量%、Al2O3 40〜65重量%
    であり、アルミン酸ソーダを主体とした焼成物10〜4
    0重量部、(B−1)アルミン酸アルカリ0.1〜42
    重量部、(B−2)炭酸アルカリ11〜56重量部、
    (B−3)石灰5.5〜56重量部、(B−4)石膏
    0.1〜56重量部、及び(B−5)水酸化アルミニウ
    ム1〜28重量部を含有するセメント用硬化促進材。
  7. 【請求項7】 セメントペースト、コンクリート又はモ
    ルタルを混練する際に、請求項1〜6のいずれかの項記
    載のセメント用硬化促進材をセメントに対し2〜40重
    量%添加することを特徴とするセメントペースト、コン
    クリート又はモルタルの凝結、硬化促進方法。
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JP2002128572A (ja) * 2000-10-16 2002-05-09 Denki Kagaku Kogyo Kk 耐火物用粉末急結材、それを含有してなる耐火物用吹付け材料、及びそれを用いた吹付け施工方法

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