JPH0986825A - エレベータガイドレールの接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータのかご或いはつり合おもりのガ
イドレールの接続部は、振動騒音の発生防止のための治
工具による心合わせ、更に緩み、ずれのない確実な締結
が要求されているが、現状では不十分である。 【解決手段】接続部にレールの幅、長さ方向に嵌め合い
による接続を成し、治工具を不要とし、作業の容易化、
時間の短縮を計る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータのガイド
レールの接続装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のガイドレール接続装置を図５を参
照して説明する。

【０００３】一般に、昇降路内をエレベータのかご及び
つり合おもりを円滑に走行させるためガイドレールを設
置するが、このガイドレールに起因する振動や騒音が問
題となる。特に、ガイドレールの接続部分がその原因と
なる場合が多いので、その接続方法が重要となる。

【０００４】ガイドレールは昇降路全長に渡って設置さ
れることになるが、このような長尺レールを一体で構成
することは事実上不可能であり、多数本のレールを接続
して一本化したものを据付るというのが一般である。

【０００５】このレール接続部は振動、騒音の発生原因
となり易い部分であるので、接続時には段差などが生じ
ないよう、レール案内面の心合せが特に必要である。

【０００６】ガイドレール接続装置は２本のガイドレー
ル１、２の端部を継目板３により接続するもので、これ
らには接続のためのガイドとして、夫々レール１にほぞ
のオス４、対してレール２にはほぞのメス５を設けてお
く。

【０００７】一方接続部の固定は、２本のレール両端部
に跨がる継目板３により２本のレールの背面をねじ締結
している。

【０００８】即ち、この継目板３とレール１、２の締結
面は平面加工が施されており、レール１，２の案内面
（れーるの前面と左右の側面の３面）の心合せを行った
後に継目板３にレール１，２が夫々ボルトナットにより
締結され接続部の固定が成される。

【０００９】実際にはレール１と継目板３は工場出荷時
に締結されてくることから、レール２の継目板３への接
続とその案内面の心を調整した後に、ボルトナット締結
を行って固定を完了することになる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のガイド
レール接続装置においては、継目の位置合わせだけを目
的とするほぞ４、５が用意されているだけであるから、
ガイドレール案内面を心合せするには、また別の装置を
必要とする。

【００１１】レール接続部では、振動や騒音の発生を押
さえたい要請から３案内面の心合せ作業が重要となる
が、この作業はエレベータが高速化するにつれ、より厳
しい精度が求められるようになる。このため場合によっ
ては接続部の締結、心確認、要すればもう一度緩めて修
正し締結、というサイクルを繰返すことになり、建物が
高階床になれば接続本数も増加していくこともあって、
作業時間が多く取られるようになる。

【００１２】心合せについては、ガイドレール組立て方
法及びその装置が種々提案されている。例えば、レール
つなぎ作業位置間を移動する手間を排し、定位置での繋
ぎ作業を実現するものであるが、このようなものでもレ
ール案内面の心合せは専用治具を用いてこれを実現して
いる。

【００１３】このように定位置での治工具の使用により
作業時間は短縮されるわけであるが、治工具などの持運
びがない代わりに重量が大きくなって、吊り元追加など
の前段取りとしての作業が新たに必要となる場合も多い
ため、結果として作業時間の短縮に大きな効果が期待で
きなくなる。

【００１４】締結の確実性についても、前述のように、
工場出荷時においてレール１と継目板３は締結済みであ
るが、これらの締結面面は平面加工されたものが合せら
れ、ボルトナットによって締結されているだけであり、
輸送中にぶつかった場合など、比較的簡単に継目板３が
ずれてしまって、結果としてもう一度つけ直すという二
度手間を必要とすることが多い。同じ理由から地震など
によって、ずれや変形が生じる可能性も大きい。その
他、工法によっては、レ−ルを繋ぎつつ揚重していく、
レール一体揚重という方法を取る場合があるが、この時
もレールを繋ぐ本数が増加するにつれて、レール自重に
より接続部にずれ（間隙）が生じる懸念がある。

【００１５】本発明はこの問題を解消するため、ガイド
レールの３案内面の心合せにおいて治具などを必要とせ
ず、ボルトナットの締結固定のみでレール案内面の心を
合致させることが可能な、一連のレール接続固定を楽
に、かつ確実に効率良く行うレール接続装置を得る事が
目的である。

【００１６】

【課題を解決するための手段】第一の手段は継目板の平
面加工部にガイドレール長手方向に溝を設け、一方、こ
れに嵌め合わせるレール接続部はこの溝に対して、ちょ
うど嵌合するようにレールの背面幅を加工する。更にこ
の嵌合が容易に行われるように、溝加工によって出来る
端部を、十分に面取りしたものである。

【００１７】こうした構成によるガイドレール接続装置
であれば、レール接続の幅方向の規制が確実で、輸送中
の衝突や地震による衝撃などで外力を加えられても、容
易には変形やずれを生じる事がない。

【００１８】第２の手段は前記の構成に加え、ガイドレ
ールが締結される場合、接続端面同士が相互に押付け勝
手の作用力を及ぼす機構を備えた構成を取ることであ
る。

【００１９】こうした構成を取ればガイドレール接続の
長手（上下）方向の規制が確実になり、前項第一の手段
に加え、ガイドレール一体揚重時における、レール継目
のずれ（間隙）が生じることを防止することができる。

【００２０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１、図２
を参照して説明する。

【００２１】本発明の第一の形態として、ガイドレール
６、７を、その背面幅方向を規制して継目板８で接続す
る。

【００２２】継目板８にはレール６、７との接触部にあ
たる左右両側に設けたに細長の締結面９、９を設け、均
一な平面加工がなされている。

【００２３】一方レール６、７の接続部には、継目板８
の溝に所定の幅精度を有して嵌合し、継ぎ目板の締結面
９、９と当たるように平面加工された締結面１０が設け
られる。

【００２４】レール６に継目板８の取付を行う。レール
６と継目板８は丁度溝の凹凸が嵌合するように加工され
ているから、その取付は幅方向が規制される事になる。
継目板８の溝がレール６長手方向に平行なの対して、こ
れに嵌合するレール側の角端部の丸め加工によって、そ
れにガイドされて継目板８はレール長手方向に嵌めあっ
て取付く。締結はボルト、ナットの組合せにより行う。
取付時において完全には面同士が当たっていなくても、
ボルトナット締結時の加圧力によって締結終了時には完
全に当たり、継目板８はレール６の長手方向に正確に固
定されることになる。

【００２５】上記組立作業は現地において行っても、加
工後の工場出荷前に行ったとしても、作業内容には何等
変りがなく、何時作業するかは自由である。

【００２６】現地におけるレールの接続作業は図１の状
態から行うことになる。継目板８が締結されたレール６
を縦置きして、レール７を例えばチェーンブロックなど
の揚重機により持ち上げて繋ぎ込む。まずレール７を、
双方のほぞ４，５が噛み合うように揚重機を操作して仮
置きする。次にボルトを通してレール７及び継目板８を
仮止めし、レール６と７の間に隙ができないことを確認
しながら各ボルトナットを締結すると、レール６と継目
板８の取付と同様、レール７は継目板８の溝により拘束
を受けて、継目板８の溝長手方向に正確に固定される。
この結果、レール７はレール６と心ずれがなく取付けら
れ、レール案内面の心合わせも行われる。

【００２７】本発明の第二の実施の形態として、ガイド
レールをその長手方向を規制して接続方法を次のように
行う。（図３、４）継目板８の左右の締結面９、９の上
下２箇所に夫々向き合って傾斜した突起１１、１２、１
１、１２の４個を設ける。レール背面にこれら突起１
１、１２に応じる間隔を置いて傾斜面１３、１４、１
３、１４を切欠き１３、１４に形成する。

【００２８】このような構成により、レール６、７を継
目板８で締結する際、傾斜面１１、１２、１３、１４に
よってレール６、７の突合わせ端面は相互に押付け勝手
の作用力を受けつつ接続され、レールの長手方向に規制
が生じ、レール間に間隙が生じることがなくなる。

【００２９】このようにして、押付け勝手の力が作用す
ることによりレール端面間に間隙が生じることがなく接
続が可能であり、接続後にレール一体揚重の場合でも、
レール自重による接続部のずれも生じないで済む。

【００３０】図４に示すものは、上記の場合（図３のも
の）の変形で、レール６、７と継目板８の締結面側に夫
々溝１５、１６を設けこれに傾斜を有するブロック１７
を嵌めて、レール６、７と継目板８の間に押付け勝手の
力を作用させるもので、前記の突起の代わりとしてレー
ル長手方向の規制をするものである。

【００３１】

【発明の効果】本発明によりガイドレールの接続作業時
の心合わせに、特殊な治工具などが不要で、容易に心合
わせができ、短時間作業で変形やずれの生じない確実な
固定が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の形態によるガイドレール接続装
置の分解斜視図、

【図２】図１の組立後の平面図、

【図３】第二の形態による本発明の装置の分解斜視図、

【図４】第二の形態の更に他の実施例の分解斜視図、

【図５】従来のガイドレール接続装置の分解斜視図。

【符号の説明】

１、２、６、７ ガイドレール ３、８ 継目板 ４ ほぞ（オス） ５ ほぞ（メス） ９ 継目板の締結面 １０ レールの締結面 １１、１２ （継目板の傾斜した）突起 １３、１４ （レールの傾斜した）切欠き １７ ブロック

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に突き合わせた２本のガイドレール
   の端部を、前記両端部に跨がってレール背部に当てた継
   目板により、ガイドレールの案内面を心合せして締結固
   定するエレベータガイドレールの接続装置において、 前記継目板にガイドレール長手方向に合わせた溝を設
   け、一方端部の背面幅をこの溝に嵌合する大きさに成し
   た２本のガイドレールとにより、背面幅方向精度を与え
   たことを特徴とするガイドレールの接続装置。
2. 【請求項２】 前記継目板の長手方向の左右側に、夫々
   上下２箇所に突起を設け、一方接続される２本のガイド
   レール端部に前記上下の２箇所の突起の間隔に対応し
   て、押付け勝手の作用力を及ぼして嵌め合う２箇所の切
   り欠きを設けて、２本のガイドレールの長手方向間隔を
   規制することを特徴とする請求項１記載のガイドレール
   の接続装置。