JPH0985862A - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Info

Publication number
JPH0985862A
JPH0985862A JP7271888A JP27188895A JPH0985862A JP H0985862 A JPH0985862 A JP H0985862A JP 7271888 A JP7271888 A JP 7271888A JP 27188895 A JP27188895 A JP 27188895A JP H0985862 A JPH0985862 A JP H0985862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
corrugated
reinforced plastic
resin
honeycomb core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7271888A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3323373B2 (ja
Inventor
Kunihiko Hirosaki
邦彦 廣崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aircraft Industry Co Ltd
Original Assignee
Showa Aircraft Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Aircraft Industry Co Ltd filed Critical Showa Aircraft Industry Co Ltd
Priority to JP27188895A priority Critical patent/JP3323373B2/ja
Publication of JPH0985862A publication Critical patent/JPH0985862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3323373B2 publication Critical patent/JP3323373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、コルゲート成形装置のギヤやラック
等への離型性が確保され、剥げ落ちの不安もなく、第2
に、セル壁間の接合力が向上し剥離しにくく、第3に、
後処理として付着,含浸される樹脂の密着性に優れ、割
れ,ひび,クラック,剥離等が防止され、第4に、しか
も簡単容易でコスト面にも優れてなる、繊維強化プラス
チック製のハニカムコアの製造方法を提案する。 【解決手段】 この製造方法では、繊維強化プラスチッ
ク製のプリプレグシート2を、通気性を備えると共に離
型処理が施されたクロスシート8と離型性を備えた樹脂
吸着シート9で、それぞれ2重に両側から挟み込んでか
ら、コルゲート成型装置に供給して加熱加圧することに
より、外表面が粗面化された波板を成形する。そして、
クロスシート8と樹脂吸着シート9を除去してから、成
形された複数枚の波板を重積,接合することにより、ハ
ニカムコアが製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアの製造方法に関する。すなわち、
繊維と樹脂を組み合わせた繊維強化プラスチック(FR
P)製のハニカムコアの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック製のハニカムコア
は、一般的に次の工程を辿って製造されている。すなわ
ち、母材たる繊維強化プラスチック製のプリプレグシー
トを、ギヤやラック等のコルゲート成形装置に供給して
加熱加圧することにより、波板に成形した後、このよう
な複数枚の波板を、谷部と頂部とを合わせる位置関係で
重積,接合し、もって、波板をセル壁として区画形成さ
れた中空柱状のセルの平面的集合体である、繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアを得ていた。
【0003】そして、このようなハニカムコアの製造に
用いられるコルゲート成形装置のギヤやラック等につい
ては、従来その型面に、シリコーン,フッ素樹脂,その
他の離型剤や非粘着剤が、焼付け,付着,コーティング
されており、もって、加熱加圧により波板へと成形され
るプリプレグシート中から染み出し,フローした樹脂
が、型面に付着することを防止していた。つまり、従来
のこの種製造方法にあっては、このように焼付け,付
着,コーティングされた離型剤や非粘着剤により、コル
ゲート成形装置のギヤやラック等の型面に対し、プリプ
レグシート中の樹脂が付着したり、プリプレグシートが
密着したりすることが防止されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず第
1に、コルゲート成型装置のギヤやラック等の型面に焼
付け,付着,コーティングされた離型剤や非粘着剤が、
プリプレグシートの折曲加工に伴い次第に削られ,摩耗
し,劣化してしまい、離型性が低下しやすいと共に、剥
げ落ちてプリプレグシート側に付着しやすかった。更
に、このように焼付け,付着,コーティングされた離型
剤や非粘着剤は、元々、均一な同一厚みに形成されにく
いと共に、同一品でも耐久性に大きな差が存しやすく、
加熱により離型性にも差が生じやすい等、本来機能たる
離型性に多くの点で難があった。もって、型面へのプリ
プレグシートの密着や、プリプレグシートの損傷,劣化
等が生じやすく、結局、成形される波板そして製造され
る繊維強化プラスチック製のハニカムコアについて、品
質面に問題が生じやすかった。
【0005】第2に、型面に焼付け,付着,コーティン
グされた離型剤や非粘着剤が正常に機能したとしても、
これらを介し、コルゲート成型装置のギヤやラック等に
て加熱加圧されることにより、プリプレグシートから折
曲形成された波板は、その外表面が鏡面化されていた。
つまり、成形された波板の外表面は、加熱加圧により染
み出し,フローした樹脂が硬化して、完全にフラットで
滑らかに鏡面化していた。そこで、このような外表面の
鏡面化に起因して、次の工程で波板を重積,接合する
際、例えば接着剤による接着効果が出にくい、という問
題が指摘されていた。すなわち、外表面が鏡面化した波
板間は、接着剤を介装しても接着されにくい等、相互間
の接合力に不安が指摘され、もって、製造された繊維強
化プラスチック製のハニカムコアについて、波板にて形
成されたセル壁間の接合強度に不安があり、そのセル壁
間が剥離しやすく、この面からも、その品質面に問題が
生じていた。
【0006】第3に、製造された繊維強化プラスチック
製のハニカムコアに関しては、更に、補強のため後処理
として、そのセル壁の外表面に樹脂が付着、含浸される
ことが多い。しかしながら、このハニカムコアのセル壁
つまり波板の外表面は、上述したように鏡面化している
ので、後処理として付着,含浸される樹脂の密着性が悪
く、事後、付着,含浸された樹脂に割れ,ひび,クラッ
ク,剥離等が生じやすい等、この種の繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアについては、この面からも品質面
に問題が指摘されていた。なお従来、このような問題へ
の対策として、ハニカムコアのセル壁の鏡面化した外表
面をブラストすることにより、事後に付着,含浸される
樹脂の密着性を向上させることも試みられていたが、ブ
ラスト工程や付帯する洗浄工程等の工程が加わるので、
製造コスト上の問題が生じると共に、ブラストに用いら
れるブラスト材がハニカムコアのセル壁側に残留,付着
しやすく、ハニカムコアの製品品質面にも問題が生じて
いた。もって、このようにブラストを実施する従来例
は、問題への根本的解決策とはなりえない、と評価され
ていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例における課題を解決すべくなされたものであって、
プリプレグシートを、クロスシートと樹脂吸着シートで
両側から挟み込んで、波板に成形するようにしたことに
より、第1に、コルゲート成形装置のギヤやラック等へ
の離型性が確保され、剥げ落ちの不安もなく、第2に、
波板そしてセル壁間の接合力が向上し、第3に、後処理
として付着,含浸される樹脂の密着性にも優れ、第4
に、しかもこれらが簡単容易に実現される、繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアの製造方法を提案すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この繊維強化
プラスチック製のハニカムコアの製造方法では、母材た
る繊維強化プラスチック製のプリプレグシートを、通気
性を備えると共に離型処理が施されたクロスシートと離
型性を備えた樹脂吸着シートで、それぞれ2重に両側か
ら挟み込んでから、ギヤやラック等のコルゲート成形装
置に供給して、両側から加熱加圧することにより、波形
の凹凸が連続的に折曲形成されると共に外表面が粗面化
された波板が成形される。それから、該クロスシートと
樹脂吸着シートを除去してから、複数枚の該波板を、谷
部と頂部とを合わせる位置関係で重積,接合することに
より、該波板をセル壁として区画形成された、中空柱状
のセルの平面的集合体であるハニカムコアが得られる。
次に、請求項2については次のとおり。すなわち、この
請求項2の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製
造方法では、請求項1記載の繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの製造方法において、更に後処理として、
該ハニカムコアのセル壁の外表面に樹脂が付着,含浸さ
れる。
【0009】このように本発明に係る製造方法では、ま
ず、繊維強化プラスチック製のプリプレグシートを、ク
ロスシートと樹脂吸着シートで2重に両側から挟み込ん
でから、コルゲート成形装置に供給して加熱加圧するこ
とにより、外表面が粗面化された波板を成形する。そし
てクロスシートと樹脂吸着シートを除去してから、複数
枚の波板を重積,接合することにより、繊維強化プラス
チック製のハニカムコアが得られる。なお適宜、このハ
ニカムコアのセル壁の外表面に、後処理として樹脂が付
着,含浸される。
【0010】さてそこで、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコアの製造方法にあっては、第1に、コルゲ
ート成形装置にて、プリプレグシートを波板に成形する
際、加熱加圧によりプリプレグシート中から染み出し,
フローした樹脂は、クロスシートを介し樹脂吸着シート
に吸着されるので、コルゲート成形装置の型面に付着し
たり、プリプレグシートが型面に密着することはない。
又、樹脂吸着シートはコルゲート成形装置に対する離型
性を備えてなり、クロスシートも波板への離型性を備え
てなると共に、樹脂吸着シートは毎回取り替えられるの
で、クロスシートや樹脂吸着シートが劣化して離型性が
低下することはなく、剥げ落ちて波板側に付着すること
もない。
【0011】第2に、コルゲート成形装置にてプリプレ
グシートを波板に成形する際、クロスシートが圧接され
ていたプリプレグシートそして波板の外表面は、粗面化
される。従って、次の工程で波板を重積,接合する際、
波板相互間の接合力が向上するので、製造された繊維強
化プラスチック製のハニカムコアのセル壁間の接合力も
向上し、その接合強度に優れてなる。第3に、このよう
に波板そしてセル壁の外表面が粗面化されるので、後処
理として樹脂を付着,含浸させる際、樹脂は密着性に優
れつつ付着,含浸される。第4に、しかもこれらは、ク
ロスシートと樹脂吸着シートを用いることにより、簡単
容易に実現される。しかも、クロスシートは繰り返し使
用でき、樹脂吸着シートは非常に安価である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示すその発
明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1は、
本発明の実施の形態の説明に供し、波板の成形工程の拡
大した正断面説明図である。図2は、成形された波板の
要部を拡大した正断面説明図であり、(1)図は、本発
明の実施の形態においてクロスシートと樹脂吸着シート
付の状態を示し、(2)図は、これらを除去した状態を
示し、(3)図は、この種従来例のものを示す。図3
は、この製造方法の一般例の説明に供する正面説明図で
あり、(1)図は、準備されたプリプレグシートを、
(2)図は、波板の成形工程を、(3)図は、成形され
た波板を、(4)図は、波板を重積,接合する工程を示
す。図4は、ハニカムコアの斜視図である。図5は、後
処理として樹脂を付着,含浸させる工程の斜視図であ
り、(1)図は、浴槽中に浸漬した状態を、(2)図
は、事後の乾燥,硬化状態を示す。
【0013】まず図3により、本発明に係る繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア1の製造方法について、そ
の前提となるいわゆるコルゲート法によるハニカムコア
1の製造方法について、一般的に述べる。この製造方法
では、まず図3の(1)図に示したように、母材たる繊
維強化プラスチック製のプリプレグシート2が準備され
る。繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス
繊維,ケブラー繊維,カーボン繊維,セラミック繊維,
金属繊維,樹脂繊維,その他の織・不織の繊維と、エポ
キシ系の樹脂,ポリイミド系の樹脂,その他の熱硬化性
樹脂や熱可塑性樹脂とを、付着,含浸,混入等により組
み合わせたものよりなる。プリプレグシート2は、この
ような繊維強化プラスチックがまだ完全硬化しない半硬
化状態、つまり柔軟性・粘性を備えたプリプレグ状をな
すと共に、極薄の平坦なシート状をなす。
【0014】そして、図3の(2)図に示したように、
このような母材たるプリプレグシート2を、ギヤ3(図
1参照)やラック4等のコルゲート成形装置5に供給す
る。コルゲート成形装置5は、図3の(2)図の例では
上下1対のラック4よりなり、後述する図1の例では上
下1対のギヤ3とラック4よりなるが、その他各種プレ
ス装置やベルト式金型を用いたものも可能である。そし
てプリプレグシート2は、このようなコルゲート成形装
置5のギヤ3やラック4間に挿入され、表裏両側から挟
み込まれる。このようにして加熱加圧されることによ
り、繊維強化プラスチック製のプリプレグシート2は、
図3の(3)図に示したように、波形の凹凸が連続的に
折曲形成された、繊維強化プラスチック製の波板6に成
形される。波板6は、図示の台形状のほか、略三角形
状,略四角形状,その他各種形状の波形の凹凸が、短手
方向に直線的で平行かつ長手方向に連続的に、所定ピッ
チと高さで折曲形成されたものよりなる。
【0015】しかる後、このように成形された繊維強化
プラスチック製の波板6は、例えば、波の谷部下面や頂
部上面等にノードボンドつまり接着剤7が塗布されて乾
燥されると共に、所定長さ毎に切断される。それから図
3の(4)図に示したように、複数枚の波板6が、上下
で波の半ピッチ分ずつずらされ、上下相互間で谷部と頂
部とを合わせる位置関係のもとに、全体的に空間が存し
た積層ブロック状に重積される。なお、このような波板
6間に、前述した所と同様な繊維強化プラスチック製の
平板(図示せず)が、更に介装される場合もある。しか
る後、このように重積された波板6は、加熱加圧される
ことにより、その樹脂が硬化すると共に塗布されていた
接着剤7が硬化し、相互間が接着される(前述により更
に平板が介装されていた場合は、各波板6とこの平板間
も接着される)。なお図示例では、接着剤7を用いた接
合方式が採用されていたが、これによらず、ろう材を用
いた接合方式や、波板6を構成する樹脂の加熱による溶
融硬化を利用した接合方式、等も考えられる。
【0016】このような各工程を辿ることにより、図4
に示した繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が製
造される。さて、本発明に係る繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1の製造方法では、上述した製造方法に
ついて、更に次の構成を付加してなる。
【0017】すなわち図1に示したように、本発明の製
造方法では、母材たる繊維強化プラスチック製のプリプ
レグシート2を、通気性を備えると共に離型処理が施さ
れたクロスシート8と離型性を備えた樹脂吸着シート9
で、それぞれ2重に上下両側から挟み込んでから、ギヤ
3等のコルゲート成形装置5に供給し、両側から加熱加
圧することにより、外表面が粗面化された波板6を成形
する。それから、クロスシート8と樹脂吸着シート9を
除去してから、複数枚の波板6を重積,接合することに
より、繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が製造
される。
【0018】このようなクロスシート8は、ナイロンク
ロス,ガラスクロス,その他の繊維基材に、テフロン樹
脂,シリコン樹脂,その他の樹脂を、焼付け,付着等せ
しめることにより、離型処理を施した布状材よりなる。
もって、このクロスシート8は、多数の小開孔が形成さ
れ通気性を備えたメッシュタイプ又は不織布タイプより
なると共に、離型性を備えてなる。又、樹脂吸着シート
9は、ガラスクロス,紙,合成フィルム等が用いられ、
樹脂の吸着性と共に離型性を備えてなる。そしてプリプ
レグシート2に対し、その内側にクロスシート8が外側
に樹脂吸着シート9が配され、プリプレグシート2にク
ロスシート8が重ねられ、このクロスシート8を介し樹
脂吸着シート9が重ねられる。
【0019】この製造方法では、前述したところに加
え、このようなクロスシート8と樹脂吸着シート9を用
いた構成を付加してなり、もって繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1が製造される。このハニカムコア1
は、図4に示したように、前述により重積,接合された
繊維強化プラスチック製の波板6(更には前述した平
板)をセル壁10として、各々独立空間に区画形成され
た中空柱状の多数のセル11の平面的集合体よりなる。
なお、セル壁10そしてセル11の断面形状は、図示の
正六角形状のものが代表的であるが、これによらず、台
形状,略三角形状,略四角形状,その他各種形状のもの
も可能である。そして、この繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア1は、一般のものと同様に、重量比強度に
優れ、軽量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整
流効果、平面精度、保温性,遮音性にも優れ、単位容積
当りの表面積が大である、等々の特性が知られ、広く各
種の構造材として使用される。
【0020】なお、このような繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1について、より高い剛性・強度が要求
される場合は、更に後処理として、そのセル壁10の外
表面への補強が実施される。このような後処理につい
て、更に詳述する。このような後処理を実施する場合、
前述により製造された繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコア1は、図5の(1)図に示したように、まず浴槽
12中に浸漬される。浴槽12中には、図示例では溶液
状態のエポキシ系の樹脂,フェノール系の樹脂等の熱硬
化性樹脂13が、溶剤と共に貯溜されているが、これに
よらず、加熱溶融されて液状態とされた熱可塑性樹脂が
貯溜される場合もある。図示例では、このような浴槽1
2中に浸漬されることにより、繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1のセル壁10の外表面に、補強用の熱
硬化性樹脂13が付着,含浸される。それから、このよ
うな付着,含浸が施された繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1は、浴槽12から取り出された後、図5の
(2)図に示したようにヒーター14や輻射熱等により
加熱,乾燥され、もって付着,含浸されていた熱硬化性
樹脂13が硬化して、セル壁10の外表面に強力に接合
固定される。そして、このようにして付着,含浸された
熱硬化性樹脂13により、繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1の剛性・強度が補強される。
【0021】本発明は、以上説明したようになってい
る。そこで以下のようになる。この製造方法では、まず
図1に示したように、母材たる繊維強化プラスチック製
のプリプレグシート2を、クロスシート8と樹脂吸着シ
ート9で、それぞれ2重に上下両側から挟み込んでか
ら、図3の(1)図,(2)図,(3)図に示したよう
に、ギヤ3やラック4等のコルゲート成形装置5に供給
して加熱加圧することにより、外表面が粗面化された波
板6を成形する。そして、クロスシート8や樹脂吸着シ
ート9を除去してから、図3の(4)図に示したよう
に、複数枚の波板6を、谷部と頂部を合わせる位置関係
で重積,接合することにより、図4に示した繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア1が得られる。なお適宜、
図5に示したように、このようなハニカムコア1の波板
6にて形成されたセル壁10の外表面に、後処理として
熱硬化性樹脂13が付着,含浸される。さてそこで、こ
の繊維強化プラスチック製のハニカムコア1の製造方法
にあっては、次の第1,第2,第3,第4のようにな
る。
【0022】第1に、コルゲート成形装置5のギヤ3や
ラック4等にて、プリプレグシート2を波板6に成形す
る際、加熱加圧によりプリプレグシート2中から染み出
し,フローした樹脂は、通気性を備えたクロスシート8
を介し、樹脂吸着シート9側に吸着される。もって、染
み出し,フローした樹脂が、コルゲート成形装置5のギ
ヤ3やラック4等の型面に付着し、プリプレグシート2
がその型面に密着することは確実に防止されると共に、
樹脂吸着シート9自体も離型性を備えてなるので、波板
6への成形後のコルゲート成形装置5のギヤ3やラック
4等に対する離型性も、確実に確保される。しかもクロ
スシート8は、離型処理が施されプリプレグシート2そ
して波板6への離型性を備えてなるので、事後、容易に
波板6から除去されると共に、樹脂吸着シート9は毎回
取り替えられる方式よりなる。従って、クロスシート8
や樹脂吸着シート9が、削られ,摩耗し,劣化して離型
性が低下するようなことはなく、剥げ落ちてプリプレグ
シート2そして波板6側に付着することも回避される。
【0023】第2に、コルゲート成形装置5のギヤ3や
ラック4等にて、プリプレグシート2を波板6に成形す
る際、加熱加圧によりプリプレグシート2中から染み出
し,フローした樹脂は、通気性を備えたクロスシート8
を介し、樹脂吸着シート9に吸着されるが、このような
クロスシート8が圧接されていたプリプレグシート2そ
して波板6の外表面は、鏡面化されることなく粗面化さ
れる。図2はこのような粗面A化の説明に供し、その
(1)図から(2)図に示したようにクロスシート8等
を除去すると、プリプレグシート2そして波板6の外表
面が粗面A化される。これに対し、図2の(3)図はこ
の種従来例の波板15を示し、その外表面は鏡面B化さ
れてなる。つまり、波板6の外表面に染み出した樹脂
(つまり樹脂吸着シート9に吸着されなかった染み出し
た樹脂)は、圧接されていたクロスシート8の外表面に
対応して鏡面Bが破壊され、荒く微細な凹凸が存した状
態で硬化し、波板6の外表面は粗面A化される。従っ
て、次の工程で波板6を重積,接合する際、このように
粗面A化した外表面を利用し、波板6相互間が例えば接
着剤7にて確実に接着される等、波板6相互間の接合力
が向上し、結局、製造された繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア1について、そのセル壁10間の接合力が
向上し、その接合強度に優れてなる。
【0024】第3に、同様に成形された波板6そしてセ
ル壁10の外表面が、粗面A化されているので、図5に
示したように補強のため後処理として熱硬化性樹脂13
等を付着,含浸させる際も、このように粗面A化した外
表面を利用し、セル壁10に熱硬化性樹脂13等が、密
着性に優れつつ付着,含浸される。このように、この繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、後処理として
付着,含浸される熱硬化性樹脂13や熱可塑性樹脂の密
着性にも優れている。
【0025】第4に、しかもこれらは、母材たる繊維強
化プラスチック製のプリプレグシート2を、クロスシー
ト8と樹脂吸着シート9で挟み込んでから、コルゲート
成形装置5のギヤ3やラック4等に供給するようにした
ことにより、簡単容易に実現される。しかも、クロスシ
ート8は繰り返し使用でき、又、毎回取り替えられる樹
脂吸着シート9は非常に安価である。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの製造方法は、以上説明したように、プリ
プレグシートを、クロスシートと樹脂吸着シートで両側
から挟み込んで、波板に成形するようにしたことによ
り、次の効果を発揮する。
【0027】第1に、コルゲート成形装置のギヤやラッ
ク等への離型性が確保され、剥げ落ちの不安もない。す
なわちこの製造方法によると、染み出し,フローしたプ
リプレグシート中の樹脂が、コルゲート成形装置のギヤ
やラック等の型面に付着することは、確実に防止され、
型面にプリプレグシートが密着することは防止される。
すなわち、前述したこの種従来例のように、焼付け,付
着,コーティングされた離型剤や非粘着剤が、削られ,
摩耗し,劣化して、離型性が低下したり、剥げ落ちてプ
リプレグシートつまり波板側に付着するようなことは、
回避される。もって、成形される波板そして製造される
繊維強化プラスチック製のハニカムコアの品質面に優れ
ている。
【0028】第2に、波板そしてセル壁間の接合力が向
上する。すなわちこの製造方法によると、成形された波
板そしてセル壁は、外表面が粗面化されているので、相
互間が接着剤にて確実に接着される等、相互間の接合力
が向上する。もって、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコアは、前述したこの種従来例に比し、セル壁間
の接合強度に優れセル壁間が剥離しにくい等、この面か
らも品質面に優れている。
【0029】第3に、後処理として付着,含浸される樹
脂の密着性にも優れている。すなわちこの製造方法によ
ると、成形された波板そしてセル壁は、外表面が粗面化
されているので、補強のため後処理として付着,含浸さ
れる樹脂の密着性にも優れている。もって、この繊維強
化プラスチック製のハニカムコアは、前述したこの種従
来例に比し、付着,含浸された樹脂の割れ,ひび,クラ
ック,剥離等が生じにくい等、この面からも品質面に優
れている。
【0030】第4に、しかもこれらは簡単容易に、コス
ト面にも優れて実現される。すなわちこの製造方法は、
クロスシートと樹脂吸着シートを用いるようにしたこと
により、上述した第1,第2,第3の点が簡単容易に実
現される。しかも、クロスシートは繰り返し使用でき、
樹脂吸着シートは非常に安価である等、コスト面にも優
れている。このように、この種従来例に存した課題がす
べて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にし
て大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアの製造方法について、その発明の実施の形態の説
明に供し、波板の成形工程の拡大した正断面説明図であ
る。
【図2】成形された波板の要部を拡大した正断面説明図
であり、(1)図は、本発明の実施の形態においてクロ
スシートと樹脂吸着シート付の状態を示し、(2)図
は、これらを除去した状態を示し、(3)図は、この種
従来例のものを示す。
【図3】同製造方法の一般例の説明に供する正面説明図
であり、(1)図は、準備されたプリプレグシートを、
(2)図は、波板の成形工程を、(3)図は、成形され
た波板を、(4)図は、波板を重積,接合する工程を示
す。
【図4】ハニカムコアの斜視図である。
【図5】後処理として樹脂を付着,含浸させる工程の斜
視図であり、(1)図は、浴槽中に浸漬した状態を、
(2)図は、事後の乾燥,硬化状態を示す。
【符号の説明】
1 ハニカムコア 2 プリプレグシート 3 ギヤ 4 ラック 5 コルゲート成形装置 6 波板(本発明のもの) 7 接着剤 8 クロスシート 9 樹脂吸着シート 10 セル壁 11 セル 12 浴槽 13 熱硬化性樹脂 14 ヒーター 15 波板(従来例のもの) A 粗面 B 鏡面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材たる繊維強化プラスチック製のプリ
    プレグシートを、通気性を備えると共に離型処理が施さ
    れたクロスシートと離型性を備えた樹脂吸着シートで、
    それぞれ2重に両側から挟み込んでから、 ギヤやラック等のコルゲート成形装置に供給して、両側
    から加熱加圧することにより、波形の凹凸が連続的に折
    曲形成されると共に外表面が粗面化された波板を成形し
    た後、該クロスシートと樹脂吸着シートを除去してか
    ら、複数枚の該波板を、谷部と頂部とを合わせる位置関
    係で重積,接合することにより、 該波板をセル壁として区画形成された、中空柱状のセル
    の平面的集合体であるハニカムコアを得ること、を特徴
    とする繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維強化プラスチック製
    のハニカムコアの製造方法において、更に後処理とし
    て、該ハニカムコアのセル壁の外表面に樹脂が付着,含
    浸されること、を特徴とする繊維強化プラスチック製の
    ハニカムコアの製造方法。
JP27188895A 1995-09-26 1995-09-26 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 Expired - Fee Related JP3323373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27188895A JP3323373B2 (ja) 1995-09-26 1995-09-26 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27188895A JP3323373B2 (ja) 1995-09-26 1995-09-26 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0985862A true JPH0985862A (ja) 1997-03-31
JP3323373B2 JP3323373B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=17506301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27188895A Expired - Fee Related JP3323373B2 (ja) 1995-09-26 1995-09-26 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3323373B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115196702A (zh) * 2022-06-29 2022-10-18 福建省蓝深环保技术股份有限公司 装配式污水处理池用玻璃钢模块及其制作方法及装配式污水处理池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115196702A (zh) * 2022-06-29 2022-10-18 福建省蓝深环保技术股份有限公司 装配式污水处理池用玻璃钢模块及其制作方法及装配式污水处理池

Also Published As

Publication number Publication date
JP3323373B2 (ja) 2002-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01299023A (ja) 構造ハニカムコア及びその製造方法
RU2366579C2 (ru) Способ формирования слоистого материала с соединением в шпунт
JP2007512977A5 (ja)
JPS6092831A (ja) 複合材製スキン部材を共硬化させ直接ハネカムコアに接合させる方法
JPH0797465A (ja) プリプレグ及び積層構造体
JPH0390340A (ja) サンドイッチ構造体及びその製造方法
WO2020262483A1 (ja) ハニカム積層体とその製造方法
JP3323373B2 (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法
JP3822182B2 (ja) 複合材料ハニカムサンドイッチ構造の製造方法
JPH0911371A (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法
CN108527945A (zh) 一种心形孔格的柔性蜂窝及制造方法
JP4396057B2 (ja) Frp積層体及びfrpの成形方法
JP3157403B2 (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法
JPH0768676A (ja) ハニカムコアの製造方法
JP2004148700A (ja) 複合材製ラミネートシムとその製作方法
JPH0857996A (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法
JPH106416A (ja) ハニカムコアの製造方法
JP3193590B2 (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法
JPH10146904A (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法
JP2001179843A (ja) バイセクトタイプの繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法
JPH08207181A (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカム構造体、およびその製造方法
JP7498317B2 (ja) ハニカム積層体の製造方法、ハニカム積層体、積層体
JPH0825534A (ja) ハニカムコアの製造装置および製造方法
JP2014037101A (ja) 繊維強化プラスチック製ハニカムコアの製造方法
JPH11207842A (ja) 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees