JPH0985467A - 銅管とアルミニウム管との接合体及び接合方法 - Google Patents

銅管とアルミニウム管との接合体及び接合方法

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JPH0985467A
JPH0985467A JP27048795A JP27048795A JPH0985467A JP H0985467 A JPH0985467 A JP H0985467A JP 27048795 A JP27048795 A JP 27048795A JP 27048795 A JP27048795 A JP 27048795A JP H0985467 A JPH0985467 A JP H0985467A
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aluminum
copper
tube
copper pipe
curved surface
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Takeshi Fujimoto
健 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな接合面積を有するために十分な気密性
及び機械的強度を有する銅管とアルミニウム管との接合
体を提供する。 【解決手段】 (a) 銅管1の端部に長手方向の少なくと
も一部が凸曲面状のテーパ部11を形成し、その際凸曲面
部11aの長手方向接線が銅管1の長手方向接線となす角
度αを銅管1の先端部方向に単調増加とし、(b) 銅管1
のテーパ部11を銅/アルミニウムの共晶温度以上でアル
ミニウムの融点未満の温度に加熱し、(c) 銅管1のテー
パ部11に、銅管1の外径Dより小さい内径を有するアル
ミニウム管2を外嵌めして、銅管1の凸曲面部11aにア
ルミニウム管2の内面を加圧下で摺接させ、もって銅と
アルミニウムとの界面に相互拡散による共晶相を過渡的
に生成させ、(d) 脆い共晶相の成長を少なくするため
に、得られた接合部を急冷することにより、銅管/アル
ミニウム管の接合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な気密性及び
強度を有する銅管とアルミニウム管との接合体及び接合
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】冷蔵庫
や空調機器等に使用されている熱交換器には、圧縮機や
キャピラリー管等用の銅管と蒸発機や凝縮機等用のアル
ミニウム管とがあり、これらの管は種々の方法により接
合されている。従来から知られている接合方法として
は、圧接法(フリクションウェルディング法)、融接法
(フラッシュバットウェルディング法、超音波亜鉛ソル
ダリング法)、拡散接合法等が挙げられる。
【0003】一般に銅管とアルミニウム管との接合部に
は高い気密性と機械的強度が要求されるが、上記従来の
方法では上記要求を十分に満たすことができない。例え
ば融接法の場合、脆弱相の形成が避けられない。また圧
接法では加圧力に耐えるだけの肉厚が必要であり、また
突き合わせ部の脆弱相を完全に除去しきれないという問
題がある。さらに圧接法では瞬間的な加熱溶融、及び加
圧力の適正管理が困難であるので、接合品質の安定化及
びコスト削減に限界がある。
【0004】このような方法の中で拡散接合法は強固な
接合部が形成できるので有望であり、種々の方法が提案
されている。例えば特公昭62-55477号は、アルミニウム
部材の端面に断面V字状の環状溝を形成するとともに、
アルミニウム管の先端部を前記環状溝と相補的な断面形
状とし、アルミニウム管の環状溝に銅部材の先端部を当
接した状態で、接触面をアルミニウム/銅の共晶温度以
上でアルミニウムの融点以下の温度に高周波加熱し、共
晶反応により接触面に生じた融液相を両部材の相互押圧
により外部に排出し、その後直ちに急冷することを特徴
とするアルミニウム管と銅管との接合方法を開示してい
る。しかしながら、この接合方法では、アルミニウム管
の端面に形成した環状溝内に銅管の先端部を当接した状
態で接合するので、接合部分の面積が不十分であり、得
られる接合体に十分な気密性及び機械的強度を確保する
のが難しいという問題がある。
【0005】従って、本発明の目的は、大きな接合面積
を有するために十分な気密性及び機械的強度を有する銅
管とアルミニウム管との接合体を提供することである。
【0006】本発明のもう1つの目的は、かかる特徴を
有する接合体を得るために、銅管とアルミニウム管とを
安価にかつ効率良く接合する方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、内嵌用銅管の端部にテーパ部を
設けるとともに、テーパ部の長手方向の少なくとも一部
に凸曲面部を形成し、加熱したテーパ部の凸曲面部にア
ルミニウム管を外嵌めしてその内面を強く圧接させるこ
とにより、銅管とアルミニウム管との界面に共晶相が効
率良く形成され、もって気密性及び機械的強度に優れた
銅管/アルミニウム管の接合体が得られることを発見
し、本発明に想到した。
【0008】すなわち、本発明の銅管とアルミニウム管
との接合体は、銅管の端部に形成されたテーパ部に前記
銅管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管が外
嵌めされてなる接合体において、前記テーパ部は長手方
向の少なくとも一部に凸曲面部を有し、前記凸曲面部の
長手方向接線が前記銅管の長手方向接線となす角度は銅
管先端部方向に単調増加であり、かつ前記銅管の外面と
前記アルミニウム管の内面との界面に銅とアルミニウム
との共晶相が形成されていることを特徴とする。
【0009】また本発明の銅管とアルミニウム管との接
合方法は、(a) 前記銅管の端部に長手方向の少なくとも
一部が凸曲面状のテーパ部を形成し、その際凸曲面部の
長手方向接線が前記銅管の長手方向接線となす角度を銅
管先端部方向に単調増加とし、(b) 前記銅管のテーパ部
を銅/アルミニウムの共晶温度以上でアルミニウムの融
点未満の温度に加熱し、(c) 前記銅管のテーパ部に、前
記銅管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管を
外嵌めして、前記銅管の凸曲面部に前記アルミニウム管
の内面を加圧下で摺接させ、もって銅とアルミニウムと
の界面に相互拡散による共晶相を過渡的に生成させ、
(d) 脆い共晶相の成長を少なくするために、得られた接
合部を急冷することを特徴とする。
【0010】本発明の方法では、銅管の外面/アルミニ
ウム管の内面の界面に共晶相を生成させるので、共晶相
が生成する面積を広く取ることができる。またアルミニ
ウム管の外嵌め拡径式のため、共晶相の厚さは50μm以
下(特に5〜20μm)と薄くなり、接合部の脆性破壊の
おそれがない。
【0011】銅管のテーパ部の長さは銅管の外径の1〜
3倍とするのが好ましく、またテーパ部に長手方向の少
なくとも一部に凸曲面部を設けるのが好ましい。凸曲面
部の長手方向接線が銅管の長手方向接線となす角度は銅
管先端部方向に単調増加する。さらにテーパ部全体が1
つの凸曲面部をなす場合には、凸曲面部の曲率半径は24
0 〜640mm であるのが好ましく、凸曲面部がテーパ部に
部分的に存在する場合には凸曲面部の曲率半径は10〜60
mmであるのが好ましい。このようなテーパ部の形状のた
めに、両管の界面は常に強く圧接され、薄くて均一な共
晶相が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1] 第一の実施例 図1は本発明の好ましい一実施例を示す。銅管1は端部
にテーパ部11を有し、テーパ部11の長手方向の少なくと
も一部には外側に凸状の曲面部(特に円弧状の曲面部)
が形成されている。テーパ部11の長さは銅管1の外径の
1〜3倍であるのが好ましい。テーパ部11が銅管1の外
径より短いと共晶相の面積が不十分である。また銅管1
の外径の3倍を超えるとテーパ部11の傾斜が緩やか過ぎ
て、アルミニウム管2の外嵌め(銅管1の圧入)が困難
になる。例えば銅管1の外径が7〜9mm(特に8mm)の
場合、テーパ部11は10〜20mm(特に約15mm)であるのが
好ましい。
【0013】本実施例では、テーパ部11のほぼ全域に凸
曲面部11aがあり、先端部に曲面状の縮径部11bが設け
られている。凸曲面部11aの曲率半径Rは、銅管1にア
ルミニウム管2を外嵌めする際に、アルミニウム管2が
拡径しながら銅管1の外面に大きな圧力で摺接するよう
に、設定するのが好ましい。このためには、凸曲面部11
aの曲率半径は240 〜640 mmであるのが好ましい。凸曲
面部11aの曲率半径が240 mm未満であると、界面での圧
接力が大きすぎる。一方凸曲面部11aの曲率半径が640
mmを超えると、凸曲面部11aの傾斜(従ってテーパ部11
の傾斜)が緩すぎる。例えば銅管1の外径が6〜10mm
(特に8mm)の場合、曲率半径Rは250 〜600 mmである
のが好ましい。凸曲面部11aは全域にわたって同一の曲
率半径を有する必要はないが、その曲率半径Rが全域に
わたって同一の場合に大きな圧接力が生じ、凸曲面部11
a全体に均一な共晶相が得られる。なお、テーパ部11が
ほぼ直線的に縮径している場合には、共晶相の形成が少
なく、十分な接合相が得られない。
【0014】図2は図1の銅管1のテーパ部11の傾斜を
示す概略図である。明瞭化のために図2ではテーパ部11
の傾斜角は誇張されている。まず銅管1の長手方向接線
に対する凸曲面部11aの平均傾斜角αは1〜3°であ
る。平均傾斜角αがこの範囲内にあると、両管の圧接力
が適度であり、銅管1の外面とアルミニウム管2の内面
とがぴったりと密着する。そのため均一な薄い共晶相が
形成されるという利点が得られる。より好ましい平均傾
斜角αは約2°である。このため、凸曲面部11aの膨ら
み(テーパ部11の表面とテーパ部11の両端を結ぶ直線と
の最大距離)dは0.05〜0.15mmであるのが好ましい。例
えば銅管1の外径が6〜10mm(特に8mm)の場合、膨ら
みdは0.1 mm程度であるのが好ましい。
【0015】テーパ部11の先端部に設けられた縮径部11
bは、図2及び図3に示すように、銅管1がアルミニウ
ム管2にスムーズに挿入できるようにするとともに、ア
ルミニウム管2の内面が最初に強く圧接される部分であ
り、縮径部11bでアルミニウム管2は拡径される。縮径
部11bは0.5 〜2mmの長さ及び20〜45°の平均傾斜角β
(銅管1の長手方向接線に対する)を有するのが好まし
い。例えば銅管1の外径が6〜10mm(特に8mm)の場
合、縮径部11bは1mm程度の長さ及び30°の平均傾斜角
βを有するのが好ましい。
【0016】凸曲面部11a及び縮径部11bのために、銅
管1の先端部における外径D2 は銅管1の本体の外径D
1 の0.1 倍以上縮径している。縮径比[(D1 −D2
/D1 ]が0.1 未満であると、アルミニウム管2の外嵌
めが困難になる。また縮径比が0.2 を超えると銅管1の
先端部の内径が小さすぎて、管内の流体抵抗が大きくな
る。従って、好ましい縮径比は0.1 〜0.2 である。例え
ば銅管1の外径が6〜10mm(特に8mm)の場合、縮径の
程度は1mm以上が好ましく、特に1.3 mm以上が好まし
い。
【0017】アルミニウム管2は、銅管1の外径より小
さな内径を有する限り特に限定されないが、接合体内を
流体がスムーズに流れるために銅管1と実質的に同じ内
径及び外径を有するのが好ましい。また銅管1がアルミ
ニウム管2にスムーズに挿入できるように、アルミニウ
ム管2の先端に拡径部21を形成してもよい。拡径部21
は、0.5 〜2mm長さ及び20〜45°の傾斜角γを有するの
が好ましい。
【0018】[2] 第二の実施例 図4は本発明の別の実施例を示す縦断面図である。この
実施例では、銅管1のテーパ部12の長さは銅管1の外径
の1〜3倍であるのが好ましい。テーパ部12は、1つの
凸曲面部12aと、凸曲面部12aより先端側のほぼ平坦な
テーパ部分12bと、凸曲面部12aより本体側のほぼ平坦
なテーパ部分12cとからなる。ほぼ平坦なテーパ部分12
a及び12cの接線は凸曲面部12aの接線と整合してい
る。すなわち不連続に傾斜角が変化する部分がない。好
ましい実施例では、凸曲面部12aは銅管1の外径の0.3
〜1倍の長さ及び10〜60mmの曲率半径を有する。またほ
ぼ平坦なテーパ部分12bは、銅管1の外径の0.3 〜1倍
の長さを有するのが好ましい。さらに、ほぼ平坦なテー
パ部分12cは、銅管1の外径の0.3 〜1倍の長さ及び0.
5 〜1.5 °の平均傾斜角δを有するのが好ましい。長さ
に関しては、例えば銅管1の外径が6〜10mm(特に8m
m)の場合、凸曲面部12aは3〜8mm、好ましくは4〜
6mm(特に5mm)であり、テーパ部分12bは3〜8mm、
好ましくは4〜6mm(特に5mm)であり、テーパ部分12
cは3〜8mm、好ましくは4〜6mm(特に5mm)であ
る。第二の実施例の接合体では、薄くて均一で空孔の無
い共晶相が得られる。
【0019】なお、第一実施例と同様に、銅管1の先端
部に縮径部を設けてもよい。またテーパ部分12cを平坦
(直線状)とする代わりに、曲率半径の小さな凸曲面状
としてもよい。この場合、テーパ部分12cの曲率半径は
第一実施例の曲率半径(240〜640 mm)と同じでよい。
【0020】いずれの実施例の場合でも、優れた気密性
及び機械的強度を有するためには、共晶相の厚さは50μ
m以下程度が好ましく、5〜20μm程度がより好まし
い。共晶相の厚さが50μmを超えると、脆い合金である
Al 3 Cu(θ相)、AlCu(η相)等が成長し、接合部が
脆化する。なお、共晶相の厚さの下限については、5μ
m未満であると十分な気密性及び機械的強度が得られに
くい。
【0021】[3] 接合方法 図5は、図1に示す銅管1とアルミニウム管2との接合
方法の一例を示す。銅管1のテーパ部11後方を2つ割り
のクランプ3a、3bでしっかり保持するとともに、ア
ルミニウム管2を2つ割りのクランプ(図示せず)でし
っかり保持する。銅管1のテーパ部11の周囲に高周波加
熱コイル4を配置し、テーパ部11の先端部付近にアルミ
ニウム管2の先端部を位置させた状態で、高周波加熱コ
イル4によりテーパ部11を銅/アルミニウムの共晶温度
以上でかつアルミニウムの融点未満の温度に加熱する。
テーパ部11の温度が共晶温度未満であると共晶相が得ら
れず、またアルミニウムの融点以上であるとアルミニウ
ム管が変形して強固な共晶接合相が得られない。具体的
には、テーパ部11の加熱温度は600 〜800 ℃が好まし
い。なお、高周波加熱コイル4への通電時間は3〜10秒
間でよい。
【0022】テーパ部11が前記温度に達したら、銅管1
のテーパ部11が共晶温度以上に維持される限り、高周波
加熱コイル4への通電を停止しても、或いは通電量を減
少させてもよい。直ちにアルミニウム管2を外嵌めす
る。アルミニウム管2の外嵌め速度は10mm/秒以上とす
るのが好ましい。外嵌め速度が10mm/秒未満であると、
銅管の外面とアルミニウム管の内面との界面に薄くて均
一な共晶相が形成されにくい。好ましい外嵌め速度は10
〜200mm /秒である。
【0023】テーパ部11の加熱及びアルミニウム管2の
外嵌め中、銅管1及びアルミニウム管2の表面の酸化及
び共晶相の酸化を防止する目的で、不活性ガス雰囲気を
作るのが好ましい。このためには、銅管1の中に窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガスを流通させるととも
に、加熱されるテーパ部11の周囲にも不活性ガスを吹き
つけて空気を遮断するのが好ましい。
【0024】加熱した銅管1のテーパ部11にアルミニウ
ム管を外嵌めすると、まずアルミニウム管2の内面は銅
管1の縮径部11bに圧接される。アルミニウム管2に熱
を奪われて銅管1の温度は僅かに低下するが、両管の接
触面における温度は共晶温度(548 ℃)より僅かに高い
ので、銅/アルミニウムの共晶相が生成する。縮径部11
bを通過したアルミニウム管2は拡径しながらテーパ部
11上を進行し、両管の界面では圧接された銅とアルミニ
ウムとが次々と共晶相を生成していく。過剰の共晶相は
液相としてアルミニウム管2の先端部から前方に排出さ
れるので、銅管1とアルミニウム管2との界面には適量
の共晶相しか存在しないことになる。
【0025】良好な接合状態を得るために、共晶相を50
μm以下の厚さにするとともに、テーパ部11の全長の約
1/2以上にわたって共晶相を形成するのが好ましい。
共晶相の厚さが50μm未満であると、接合部が脆く、十
分な機械的強度が得られない。好ましい共晶相の厚さは
5〜20μmである。また共晶相の形成範囲については、
テーパ部11の全長の約1/2未満であると、十分な気密
性及び機械的強度が得られない。
【0026】共晶相の生成後、直ちに接合部を急冷す
る。急冷のためには、銅管1内を流す不活性ガスの量を
増大すればよい。急冷速度は一般に100 ℃/秒以上であ
る。急冷速度が100 ℃/秒未満であると、得られた共晶
相が脆化してしまう。好ましい急冷速度は100 〜200 ℃
/秒である。
【実施例】本発明を以下の実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ90mmの脱酸銅製の管1
と、外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ150 mmのアルミニ
ウム(純度99.3%)製管2とを用意した。図1に示すよ
うに、銅管1の先端から15mmの長さの部分に絞り加工を
施して、全体的に凸状の円弧曲面状のテーパ部11とし
た。またアルミニウム管2の先端部に拡径部を形成し
た。
【0028】図5に示すように、銅管1を長さ約40mmの
ステンレス製2つ割りクランプ3a、3bでしっかり保
持するとともに、アルミニウム管2も銅管1と正確に整
合するようにクランプ(図示せず)で保持した。銅管1
及びアルミニウム管2のいずれもクランプからの突出長
さは約50mmであった。この状態で高周波加熱コイル4を
テーパ部11の周囲に配置し、N2 ガスを銅管1内及びテ
ーパ部11の周囲に流しながら、約20kw及び10kHzの
電流を高周波加熱コイル4に10秒間流した。テーパ部11
の温度が約750 ℃に達したら、高周波加熱コイル4への
通電量を減少させ、接合部の温度を約560 ℃に維持しな
がらアルミニウム管2を銅管1のテーパ部11上に外嵌め
した。この時の外嵌め時間は約0.3 秒であった(外嵌め
速度:50mm/秒)。
【0029】アルミニウム管2を押圧して外嵌めする
と、銅/アルミニウムの共晶相が形成され、余分の共晶
相は玉状になってアルミニウム管2の先端から排出され
た。アルミニウム管2の外嵌め完了後、銅管1内に流す
不活性ガス量を増加して、接合部を急冷した。このよう
にして得られた銅管1とアルミニウム管2との接合部の
断面写真を図6に示す。
【0030】得られた銅管/アルミニウム管の接合体に
対して、以下の気密性の評価テストを行った。 (1) 水中耐圧テスト 接合体の一端を密封し水中に浸漬した後で、接合体内を
10 kgf/cm 2 に加圧し、加圧流体の流れがあるか否かを
テストした。このテストを100 本の接合体に対して行っ
た。その結果、100 %合格であった。
【0031】(2) ヘリウムリークテスト 接合部を完全に密封状態に金属容器で覆い、金属容器内
にヘリウム(1気圧)を充填した。接合体に連通する真
空装置により金属容器内を真空引きし、接合部からリー
クするヘリウムの量を測定した。ヘリウムのリーク速度
が1×10-8cc/秒以下であれば合格である。このテスト
を100 本の接合体に対して行った。その結果、100 %合
格であった。
【0032】次に図7に示す装置を用いて、接合テスト
を行った。接合部50より僅かに大きい内径を有するダイ
51の孔51aにアルミニウム管2を挿入し、接合部50が孔
51aの上端に位置するように、接合体を位置決めした。
次に下端に球面52を有する鋼製の治具53を銅管1の上か
ら外嵌めし、球面52がダイ51の上面に接するようにし
た。この状態で、治具53を前後左右に7°づつ4回傾斜
させ、接合部の曲げテストを行った。接合部50の共晶相
の破壊音がなかったので、接合相は十分に強靭であり、
曲げに対して脆性破壊しないことがわかった。
【0033】次に治具53の傾斜角度を左右15°にして、
接合部50の破壊テストを行った。治具53の傾斜を10回、
20回と繰り返すと接合部50付近のアルミニウム管2が切
れ、接合部が脆性破壊しないことが分かった。
【0034】実施例2 外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ90mmの脱酸銅製の管1
と、外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ150 mmのアルミニ
ウム(純度99.3%)製管2とを用意した。図4に示すよ
うに、銅管1の先端から15mmの長さの部分に絞り加工を
施し、平均傾斜角1°及び長さ5mmの平坦なテーパ部分
12c、曲率半径50mmの凸曲面部12a及び長さ5mmの平坦
なテーパ部分12bを設けた。
【0035】実施例1と同じ条件でアルミニウム管2を
銅管1に強制的に外嵌めした。得られた銅管/アルミニ
ウム管の接合体に対して、実施例1と同じ気密性テスト
及び接合テストを行った。その結果、100 %の接合体が
気密性テスト及び接合テストに合格であった。
【0036】比較例1 外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ90mmの脱酸銅製の管1
と、外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ150 mmのアルミニ
ウム(純度99.3%)製管2とを用意した。図8に示すよ
うに、銅管1の先端から15mmの長さの部分に絞り加工を
施して、直線的に径が減少するテーパ部11を形成した。
またアルミニウム管2の先端部に実施例1と同じ拡径部
を形成した。
【0037】実施例1と同じ条件でアルミニウム管2を
銅管1に強制的に外嵌めした。得られた銅管/アルミニ
ウム管の接合体に対して、実施例1と同じ気密性テスト
及び接合テストを行った。その結果、90%の接合体が気
密性テストに不合格であり、90%の接合体が 接合テス
トに不合格であった。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の銅管/アル
ミニウム管の接合体は、加熱下で圧入された銅管とアル
ミニウム管との界面に非常に薄い共晶相が均一に形成さ
れているので、接合部が良好な気密性及び機械的強度を
有する。また本発明の方法は、加熱した銅管にアルミニ
ウム管を外嵌めして拡径しながら共晶相を形成するの
で、良好な気密性及び機械的強度を有する接合部が安価
に効率良く得られ、かつ製品歩留りも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例により接合体を構成する銅管
及びアルミニウム管の先端部を示す縦断面図である。
【図2】図1の銅管のテーパ部の表面傾斜を示す概略図
である。
【図3】図1の銅管及びアルミニウム管の先端部の部分
拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例により接合体を構成する銅
管の先端部を示す縦断面図である。
【図5】本発明の接合方法の一例を示す概略断面図であ
る。
【図6】実施例1で得られた銅管/アルミニウム管の接
合部を示す写真である。
【図7】銅管/アルミニウム管の接合体の接合テストを
行うための装置を示す概略断面図である。
【図8】比較例1において使用した直線状のテーパ部を
有する銅管及びアルミニウム管を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・銅管 11、12・・・テーパ部 11a、12a・凸曲面部 11b・・・・縮径部 2・・・・・アルミニウム管 21・・・・・拡径部 3a、3b・治具 4・・・・・高周波加熱コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F28F 1/00 F28F 1/00 E // B23K 103:18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅管の端部に形成されたテーパ部に前記
    銅管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管が外
    嵌めされてなる接合体において、前記テーパ部は長手方
    向の少なくとも一部に凸曲面部を有し、前記凸曲面部の
    長手方向接線が前記銅管の長手方向接線となす角度は銅
    管先端部方向に単調増加であり、かつ前記銅管の外面と
    前記アルミニウム管の内面との界面に銅とアルミニウム
    との共晶相が形成されていることを特徴とする接合体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の銅管とアルミニウム管
    との接合体において、前記テーパ部のほぼ全体が凸曲面
    部からなり、前記凸曲面部の曲率半径は240 〜640mm で
    あることを特徴とする接合体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の銅管とアルミニウム管
    との接合体において、前記銅管のテーパ部に1つの凸曲
    面部が形成されており、前記凸曲面部の曲率半径は10〜
    60mmであり、かつ前記凸曲面部と前記銅管先端部との距
    離は前記銅管の外径の0.25〜0.75倍であることを特徴と
    する接合体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の銅管と
    アルミニウム管との接合体において、前記銅管のテーパ
    部の長さは前記銅管の外径の1〜3倍であり、かつ前記
    テーパ部の平均傾斜角は1〜5°であることを特徴とす
    る接合体。
  5. 【請求項5】 銅管とアルミニウム管との接合方法にお
    いて、(a) 前記銅管の端部に長手方向の少なくとも一部
    が凸曲面状のテーパ部を形成し、その際凸曲面部の長手
    方向接線が前記銅管の長手方向接線となす角度を銅管先
    端部方向に単調増加とし、(b) 前記銅管のテーパ部を銅
    /アルミニウムの共晶温度以上でアルミニウムの融点未
    満の温度に加熱し、(c) 前記銅管のテーパ部に、前記銅
    管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管を外嵌
    めして、前記銅管の凸曲面部に前記アルミニウム管の内
    面を加圧下で摺接させ、もって銅とアルミニウムとの界
    面に相互拡散による共晶相を過渡的に生成させ、(d) 脆
    い共晶相の成長を少なくするために、得られた接合部を
    急冷することを特徴とする接合方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の銅管とアルミニウム管
    との接合方法において、前記銅管のテーパ部のほぼ全体
    が凸曲面部からなり、前記凸曲面部の曲率半径は240 〜
    640mm であることを特徴とする接合方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の銅管とアルミニ
    ウム管との接合方法において、前記アルミニウム管の外
    嵌め速度が10mm/秒以上であることを特徴とする接合方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の銅管と
    アルミニウム管との接合方法において、前記銅管のテー
    パ部に1つの凸曲面部が形成されており、前記凸曲面部
    の曲率半径は10〜60mmであり、かつ前記凸曲面部と前記
    銅管先端部との距離は前記銅管の外径の0.25〜0.75倍で
    あることを特徴とする接合方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載の銅管と
    アルミニウム管との接合方法において、前記銅管のテー
    パ部の長さは前記銅管の外径の1〜3倍であり、かつ前
    記テーパ部の平均傾斜角は1〜5°であることを特徴と
    する接合方法。
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