JPH0983210A - 超伝導回路および超伝導マイクロ波回路 - Google Patents

超伝導回路および超伝導マイクロ波回路

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JPH0983210A
JPH0983210A JP7241472A JP24147295A JPH0983210A JP H0983210 A JPH0983210 A JP H0983210A JP 7241472 A JP7241472 A JP 7241472A JP 24147295 A JP24147295 A JP 24147295A JP H0983210 A JPH0983210 A JP H0983210A
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circuit
circuit board
superconductor
ground conductor
circuit pattern
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Satoru Owada
哲 大和田
Hidemasa Ohashi
英征 大橋
Hideki Asao
英喜 浅尾
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超伝導体の特性に悪影響を及ぼすことなく外
部回路との安定した接続が可能な超伝導回路を得ること
を目的としており、さらに該回路の構成を用いた超伝導
マイクロ波回路を得ること。 【解決手段】 第1の回路基板の超伝導体で形成された
回路パターンと外部回路基板の回路パターンとの接続部
となる、上記超伝導体で形成された回路パターンを設け
ない接続領域と、上記接続領域とその近傍の隣接する超
伝導体で形成された回路パターン上に亙って設けられた
電極層を備え、上記接続領域において上記第1の回路基
板の超伝導体で形成された回路パターンを上記外部回路
基板の回路パターンに接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は主としてマイクロ
波帯、その他VHF帯、UHF帯、ミリ波帯等で使用さ
れる超伝導回路および該回路を用いたフィルタバンクに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15および図16は、例えばIEEE MTT
-S International Microwave Symposium Dygest,1991に
掲載されている従来の超伝導マイクロ波回路を示すもの
で、図15は上面図、図16は断面図である。ここで、
1は誘電体基板、2は超伝導体で成る地導体、3は超伝
導体で成る中心導体を示す。また、5は誘電体基板1の
端部に形成されたAu膜等による膜電極であり、超伝導体
の上側に重なるように形成されている。即ち本従来例
は、誘電体基板1の一方の面に超伝導体で成る地導体2
および中心導体3を形成したコプレーナ線路型マイクロ
波回路を構成したものとなっている。また、図17およ
び図18は従来の超伝導マイクロ波回路における外部回
路の接続構造を示している。ここで、8は外部回路の誘
電体基板、9はAuで成る外部回路の地導体、10は同じ
くAuで成る外部回路の中心導体、11はAuリボン、12
はAuリボン11を膜電極5に密着させるためのAgペース
ト、13はAuリボン11を固定するためのリボンボンデ
ィングを行ったリボンボンディング位置を示している。
また、14は筺体、15は基板抑え、16は基板抑え1
5を固定するネジを示している。
【0003】超伝導マイクロ波回路では多くの場合、回
路を構成した誘電体基板の端部において外部の回路と電
気的な接続を図る必要がある。そこで、外部の回路との
接続は、AuリボンやAuワイヤ等を銀ペーストなどで接着
する、あるいはボンディングする、あるいはハンダ等を
用いて熱を加えて溶着するなどして行われる。しかし、
超伝導体は変質しやすいだけでなく外部からの熱や圧力
に弱い。特に、組成が非常に複雑な酸化物超伝導体など
の高温超伝導体でその傾向は顕著である。このため、超
伝導体に直接AuリボンやAuワイヤ等を接続することは超
伝導体の特性を劣化させ、接触抵抗を増加させてしまう
恐れがある。そこで図17および図18のように、外部
回路との接続を要する誘電体基板1端部において、超伝
導体以外の導体で成る膜を超伝導体の上側に形成して2
層またはそれ以上の多層膜部を構成して膜電極5とし、
この膜電極5の上からAuリボンやAuワイヤ等を接続する
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の超
伝導マイクロ波回路においては、外部回路との接続部に
おいて超伝導体上に重なるように膜電極を設け、銀ペー
ストなどを用いてAuリボンやAuワイヤ等を接続するの
で、下側の超伝導体の特性を劣化させることは少ない。
しかし、超伝導マイクロ波回路は極低温まで冷却された
り、周囲の気圧を変化させたりと環境の変化が激しいた
め、このような外部回路の接続方法では接続部の機械的
な耐久性の点で信頼性に欠けるという問題点がある。
【0005】翻って、AuリボンやAuワイヤ等をボンディ
ングあるいは半田付け等で接続する接続方法は、銀ペー
ストなどを用いた接続方法と比較すると格段に強固であ
り信頼性も高い。しかし、膜電極下の超伝導体に加わる
圧力や熱は膜電極を備えていない場合と大差ないため、
接続作業の際に超伝導体の特性を劣化させてしまう可能
性が高く、これらの手段で接続するのは容易ではないと
いう問題点がある。
【0006】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、超伝導体の特性に悪影響を及ぼすこ
となく外部回路との安定した接続が可能な超伝導回路を
得ることを目的としており、さらに該回路の構成を用い
た超伝導マイクロ波回路を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
超伝導回路は、超伝導体で形成された回路パターンが設
けられた第1の回路基板と、上記第1の回路基板に隣接
配置され、上記超伝導体で形成された回路パターンに接
続して使用する回路パターンが設けられた少なくとも1
つの回路基板から成る外部回路基板とを備えた超伝導回
路において、上記第1の回路基板に設けられ、上記第1
の回路基板の超伝導体で形成された回路パターンと上記
外部回路基板の回路パターンとの接続部となる、上記超
伝導体で形成された回路パターンを設けない接続領域
と、上記接続領域とその近傍の隣接する超伝導体で形成
された回路パターン上に亙って設けられた電極層とを備
え、上記接続領域において上記第1の回路基板の超伝導
体で形成された回路パターンを上記外部回路基板の回路
パターンに接続したものである。
【0008】請求項2の発明に係わる超伝導回路は、超
伝導体で形成された回路パターンが設けられた第1の回
路基板と、上記第1の回路基板に隣接配置され、上記超
伝導体で形成された回路パターンに接続して使用する回
路パターンが設けられた少なくとも1つの回路基板から
成る外部回路基板と、上記第1の回路基板と上記外部回
路基板が収納された筺体とを備えた超伝導回路におい
て、上記筺体における地導体となる金属部に対向する面
に設けられた、上記第1の回路基板の超伝導体で形成さ
れた地導体の回路パターンと、上記第1の回路基板に設
けられ、上記第1の回路基板の超伝導体で形成された地
導体の回路パターンと上記外部回路基板の地導体の回路
パターンとの接続部となる、上記超伝導体で形成された
回路パターンを設けない接続領域と、上記接続領域とそ
の近傍の隣接する上記超伝導体で形成された地導体の回
路パターン上に亙って設けられた電極層とを備え、上記
接続領域の電極層と上記筺体における地導体となる金属
部とを短絡部材を介して圧接し、上記第1の回路基板の
超伝導体で形成された地導体の回路パターンを上記外部
回路基板の地導体の回路パターンに接続したものであ
る。
【0009】請求項3の発明に係わる超伝導回路は、請
求項2記載の超伝導回路において、上記第1の回路基板
の上記筺体における地導体となる金属部に対向する面に
設けられた回路パターンが地導体の回路パターンである
場合に、上記電極層を上記第1の回路基板の上記筺体に
おける地導体となる金属部に対向する面全体に亙って設
けたものである。
【0010】請求項4の発明に係わる超伝導回路は、一
方の面に超伝導体で形成された回路パターンが設けられ
た第1の回路基板と、上記第1の回路基板の他方の面に
対向する面に上記第1の回路基板の回路パターンに係わ
る超伝導体で形成された地導体の回路パターンが設けら
れ、上記第1の回路基板に略平行に配置された第2の回
路基板と、上記第1の回路基板と第2の回路基板に隣接
配置され、上記第1の回路基板と第2の回路基板の超伝
導体で形成された回路パターンに接続して使用する回路
パターンが設けられた少なくとも1つの回路基板から成
る外部回路基板と、上記第1の回路基板の超伝導体で形
成された回路パターンと上記外部回路基板の回路パター
ンとの接続部となる、上記超伝導体で形成された回路パ
ターンを設けない第1の接続領域と、上記第1の接続領
域とその近傍の隣接する超伝導体で形成された回路パタ
ーン上に亙って設けられた第1の電極層と、上記第2の
回路基板の超伝導体で形成された地導体の回路パターン
と、上記第2の回路基板に設けられ、上記第2の回路基
板の超伝導体で形成された地導体の回路パターンと上記
外部回路基板の地導体の回路パターンとの接続部とな
る、上記超伝導体で形成された回路パターンを設けない
第2の接続領域と、上記第2の接続領域とその近傍の隣
接する上記超伝導体で形成された地導体の回路パターン
上に亙って設けられた第2の電極層とを備え、上記第1
の接続領域において上記第1の回路基板の超伝導体で形
成された回路パターンを上記外部回路基板の回路パター
ンに接続し、上記第2の接続領域の第2の電極層と上記
第1の回路基板の他方の面との間に、一端を上記外部回
路基板の地導体の回路パターンに接続した接続部材の他
端を挟み、上記第2の接続領域の第2の電極層に圧接
し、上記第2の回路基板の超伝導体で形成された地導体
の回路パターンを上記外部回路基板の地導体の回路パタ
ーンに接続したものである。
【0011】請求項5の発明に係わる超伝導マイクロ波
回路は、請求項1、2または3記載の接続領域と電極層
または請求項4記載の第1の接続領域および第2の接続
領域と第1の電極層および第2の電極層のいずれかを備
えて構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明による一実施の形態を図1およ
び図2に示す。図1は、誘電体基板1の一方の面に超伝
導体で形成した中心導体3及び地導体2を設けたコプレ
ーナ共振器と外部回路の誘電体基板8の一方の面に外部
回路の地導体9及び外部回路の中心導体10を設けたコ
プレーナ形の外部回路を筺体14に納めて接続した超伝
導マイクロ波回路の上面図、図2は図1における断面図
を示しており、5は誘電体基板1の端部に設けられたAu
膜等による膜電極である。また、6は外部回路との接続
のための領域であり、7は超伝導体で成る中心導体3お
よび地導体2の上側にAu膜等による膜電極5が形成され
た多層膜部を示す。また、10は外部回路の中心導体で
あり、11はAuリボン、13はリボンボンディングの位
置、14は誘電体基板1および外部回路の誘電体基板8
を収める筺体、15は基板抑え、16は基板抑えを固定
するネジをそれぞれ示している。
【0013】前記の共振器は中心導体3を挟んで両側に
地導体2を備えたコプレーナ線路で構成されており、誘
電体基板1の端部2カ所において外部回路と電気的な接
続をする必要がある。このため、前記の2カ所において
中心導体3および地導体2a、2bのそれぞれについて
Au膜等による膜電極5を設けている。ここで、外部回路
との接続のための領域6としてAu膜等による膜電極5の
みで形成され、膜電極5の下側に超伝導体が配置されな
い領域を設けて、この外部回路との接続のための領域6
において外部回路と連結するAuリボン11等を取り付け
るようにしたので、超伝導体で成る中心導体3および地
導体2は、Auリボン11等を取り付ける際に超伝導回路
に加わる圧力や熱等の影響を受けにくくなっている。従
って、ボンディングや半田づけ等といった機械的強度の
大きな手段を用いて外部回路と超伝導回路を接続するこ
とが可能となる。すなわち、前述した従来の例に比較し
て、極低温への冷却や周囲の圧力変化といった環境変化
による回路の切断や接触不良等の少ない、より安定した
超伝導回路を得られる。
【0014】実施の形態2.この発明による他の実施の
形態を図3、図4および図5を用いて説明する。図3
は、誘電体基板1の一方の面に超伝導体で形成した中心
導体及び第1の地導体25を備え、さらに他方の面に超
伝導体で形成した第2の地導体26を備えたコプレーナ
導波路型共振器と外部回路を筺体14に納めて接続した
超伝導回路の上面図である。また、図4は図3における
断面図を示しており、図5は図3のコプレーナ導波路型
共振器の下面図である。ここで、1は誘電体基板、25
は第1の地導体、26は第2の地導体、3は中心導体、
5は誘電体基板1の両面の端部に設けられたAu膜等によ
る膜電極である。また、6は外部回路との接続のための
領域であり、7は超伝導体で成る中心導体3および第1
の地導体25、第2の地導体26の上側に膜電極5が形
成された多層膜部を示す。また、8は外部回路の誘電体
基板、9は外部回路の地導体、10は外部回路の中心導
体であり、11は中心導体3と第1の地導体25、及び
誘電体基板1と外部回路の誘電体基板8の下側の面にお
いて第2の地導体26を外部回路と接続するAuリボン、
13はリボンボンディングの位置、14は誘電体基板1
および外部回路の誘電体基板8を収める筺体、15は基
板抑え、16は基板抑えを固定するネジをそれぞれ示し
ている。
【0015】上記の共振器は、誘電体基板1の一方の面
において中心導体3を挟んで両側に第1の地導体25、
他方の面に第2の地導体26を備えたコプレーナ導波路
で構成されている。このため、誘電体基板1の両面側に
膜電極5を設けている。ここで、外部回路との接続のた
めの領域を設けて、この外部回路との接続のための領域
6において外部回路と連結するAuリボン等を取り付ける
ようにしており、実施の形態1と同様に、極低温への冷
却や周囲の圧力変化といった環境変化による回路の切断
や接触不良等の少ない、より安定した超伝導コプレーナ
導波路型共振器が得られる。
【0016】また、図4に示すように第2の地導体26
を外部回路と接続するAuリボン11には超伝導体で成る
第2の地導体26よりも十分に厚いものを使用してお
り、誘電体基板1の上方からの押えつけのみで膜電極5
とAuリボン11が電気的に接続される構成となってい
る。従って、第2の地導体26には不要な圧力がかから
ず、超伝導体の特性を劣化させることがない。
【0017】実施の形態3.この発明による他の実施の
形態を図6、図7および図8を用いて説明する。図6
は、誘電体基板1の一方の面に超伝導体で形成した中心
導体及び第1の地導体25を備え、さらに他方の面に超
伝導体で形成した第2の地導体26を備えたコプレーナ
導波路型共振器と外部回路を筺体14に納めて接続した
超伝導マイクロ波回路の上面図である。また、図7は図
6における断面図を示しており、図8は図6のコプレー
ナ導波路型共振器の下面図である。この実施の形態3で
は、図7、図8に示すように、第2の地導体26を設け
た面に備えた膜電極5は誘電体基板1の面全体を覆うよ
うに形成したものである。なお、この他の構成は前記実
施の形態2と同様である。
【0018】以上のように第2の地導体26を設けた面
に備えた膜電極5が誘電体基板1の面全体を覆うように
形成されているので、膜電極5はパターニングが不要で
ある。従って、実施の形態2の有する効果に加え、実施
の形態2で述べた共振器に比較して簡単に超伝導コプレ
ーナ導波路型共振器が製作できるという効果を奏する。
【0019】実施の形態4.この発明による他の実施の
形態を図9、図10および図11を用いて説明する。図
9は、一方の面に超伝導体で形成した中心導体3と第1
の地導体25を備えた第1の誘電体基板27と、一方の
面に第2の地導体26を備えた第2の誘電体基板28と
を重ねて成るコプレーナ導波路型共振器と外部回路を筺
体14に納めて接続した超伝導回路の上面図である。ま
た、図10は図9における断面図を示しており、また、
図11は第2の誘電体基板28の上面図である。ここ
で、27は第1の誘電体基板、28は第2の誘電体基
板、25は第1の誘電体基板27の一方の面に形成され
た第1の地導体、26は第2の誘電体基板28の一方の
面に形成された第2の地導体、3は第1の誘電体基板2
7の一方の面に形成された中心導体、5は第1の誘電体
基板27および第2の誘電体基板28の端部に設けられ
たAu膜等による膜電極である。また、6は外部回路との
接続のための領域であり、7は超伝導体で成る中心導体
3および第1の地導体25、第2の地導体26の上側に
膜電極5が形成された多層膜部を示す。また、8は外部
回路の誘電体基板、9は外部回路の地導体、10は外部
回路の中心導体であり、11は中心導体3と第1の地導
体25、及び誘電体基板1と外部回路の誘電体基板8の
下側の面において第2の地導体26を外部回路と接続す
るAuリボン、13はリボンボンディングの位置、14は
誘電体基板1および外部回路の誘電体基板8を収める筺
体、15は基板抑え、16は基板抑えを固定するネジを
それぞれ示している。
【0020】外部回路との接続のための領域6として膜
電極5のみで形成され、膜電極5の下側に超伝導体が配
置されない領域を設けて、この外部回路との接続のため
の領域6において外部回路と連結するAuリボン等を取り
付けるようにしており、極低温への冷却や周囲の圧力変
化といった環境変化による回路の切断や接触不良等の少
ない、より安定した超伝導コプレーナ導波路型共振器が
得られる。
【0021】また、第2の地導体26を外部回路と接続
するAuリボン11には超伝導体で成る第2の地導体26
よりも十分に厚いものを使用しており、誘電体基板1の
上方からの押えつけのみで膜電極5とAuリボン11が電
気的に接続される構成となっている。従って、第2の地
導体26には不要な圧力がかからず、超伝導体の特性を
劣化させることがない。
【0022】さらに、この実施の形態4では、上述のよ
うに中心導体3および第1の地導体25と第2の地導体
26とをそれぞれ別々の誘電体基板上に形成しているの
で、1枚の誘電体基板の両面にこれらを形成する場合に
比べて膜形成が容易であり、また、膜質に優れた超伝導
回路のパターンが得易くなる。
【0023】実施の形態5.この発明による他の実施の
形態の上面図を図12に示す。ここでは上記実施の形態
1の超伝導回路の構成を適用した超伝導マイクロ波回路
であるフィルタバンクを示している。先端17を開放ま
たは短絡した主線路18と、上記先端17とは反対側の
主線路18の膜電極5に電磁波を加えることにより生じ
る上記主線路18上の定在波の電界最大点の近傍に、異
なる共振周波数を有する複数個の共振器19の中心導体
3の一端を配置し、上記複数個の共振器19の中心導体
3の他端の近傍の膜電極5にコネクタ20を接続してい
る。この構造によりコネクタ20の中心導体21の圧力
や半田付け時の熱が直接超伝導体に加わらないため、超
伝導特性を損ねることなくフィルタバンクを組み立てる
ことができる。このようなフィルタバンクでは主線路1
8から入射した未知の周波数の電磁波が、共振器19を
介し、どのコネクタ20に現れるかで周波数を知ること
ができる機能を持つ。
【0024】以上のように、この発明の超伝導回路によ
ればフィルタバンクを容易に構成することができ、共振
器19の損失を非常に小さくできるため、従来では実現
できない高精度の周波数分解能を有するフィルタバンク
が得られる。
【0025】実施の形態6.この発明による他の実施の
形態を図13、図14を用いて説明する。図13はこの
実施の形態のフィルタバンクの上面図、図14は図13
における断面図を示す。この実施の形態のフィルタバン
クは、前記実施の形態5のフィルタバンクにおいて、主
線路18および複数個の共振器19を、それぞれ切り放
した別個の誘電体基板1で形成し、各共振器19の間に
導体の仕切り22を設けた構成としたものである。
【0026】なお、上記主線路18および複数個の共振
器19の形成においては、各共振器19の間に導体の仕
切り22を設置可能であれば良く、例えば図13に示し
たような、配置された複数の別個の誘電体基板1の輪郭
をその外形とする1個の誘電体基板を用いても良い。
【0027】以上のように構成したフィルタバンクにお
いては、筺体14を蓋23で閉じた場合に発生しやすい
不要な導波管モードの共振を抑制でき、さらに隣り合う
共振器間の結合も抑制することができる。
【0028】なお、以上の実施の形態では共振器回路お
よびフィルタバンクについて例示して説明したが、本発
明は、上記以外のフィルタ、遅延線、アンテナなどの超
伝導受動回路は勿論のこと、周波数変換器、増幅器など
の超伝導能動回路に適用しても良いことはいうまでもな
い。すなわち、超伝導体を応用したマイクロ波回路等に
総じて適用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、超伝導体で形成された回路パターンを設けない接続
領域と、上記接続領域とその近傍の隣接する超伝導体で
形成された回路パターン上に亙って設けられた電極層と
を備え、上記接続領域において第1の回路基板の超伝導
体で形成された回路パターンを外部回路基板の回路パタ
ーンに接続するので、極低温への冷却や周囲の圧力変化
といった環境変化による回路の切断や接触不良等の少な
い、より安定した超伝導回路を得られる効果がある。
【0030】また、請求項2の発明によれば、接続領域
の電極層と筺体における地導体となる金属部とを短絡部
材を介して圧接したので、超伝導体で形成した地導体に
不要な圧力がかからず、超伝導体の特性を劣化させるこ
とがないという効果がある。
【0031】請求項3の発明によれば、電極層のパター
ニングが不要となり、超伝導回路の製作を容易にすると
いう効果を奏する。
【0032】請求項4の発明によれば、第1の回路基板
の回路パターンに係わる超伝導体で形成された地導体の
回路パターンを、第1の回路基板に略平行に配置された
第2の回路基板に設けたので、1枚の回路基板の両面に
超伝導体で形成された回路パターンを形成する場合に比
べ、膜形成を容易とし、また、膜質に優れた回路パター
ンを容易に得られる効果がある。さらに、第2の接続領
域の第2の電極層と第1の回路基板の他方の面との間
に、一端を外部回路基板の地導体の回路パターンに接続
した接続部材の他端を挟み、上記第2の接続領域の第2
の電極層に圧接したので、第2の回路基板の超伝導体で
形成された地導体に不要な圧力がかからず、超伝導体の
特性を劣化させることがないという効果がある。
【0033】請求項5の発明によれば、本願の超伝導回
路の接続領域と電極層の構成を備えたマイクロ波超伝導
回路を構成したので、マイクロ波超伝導回路へのコネク
タ接続や他の回路との接続を容易にし、超伝導体の特性
を劣化させることもないため、損失の非常に小さいマイ
クロ波回路を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による超伝導回路の
上面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による超伝導回路の
断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による超伝導回路の
上面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による超伝導回路の
断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による超伝導回路の
下面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による超伝導回路の
上面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による超伝導回路の
断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による超伝導回路の
下面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による超伝導回路の
上面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による超伝導回路
の断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による超伝導回路
の下面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5によるフィルタバ
ンクの上面図である。
【図13】 この発明の実施の形態6によるフィルタバ
ンクの上面図である。
【図14】 この発明の実施の形態6によるフィルタバ
ンクの断面図である。
【図15】 従来の超伝導マイクロ波回路の上面図であ
る。
【図16】 従来の超伝導マイクロ波回路の断面図であ
る。
【図17】 従来の超伝導マイクロ波回路と外部回路の
接続部の上面図である。
【図18】 従来の超伝導マイクロ波回路と外部回路の
接続部の断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 地導体、3 中心導体、5 膜電
極、6 外部回路との接続のための領域、7 多層膜
部、8 外部回路の誘電体基板、9 外部回路の地導
体、10 外部回路の中心導体、11 Auリボン、12
Agペースト、13 リボンボンディング位置、14
筺体、15 基板抑え、16 ネジ、17 先端、18
主線路、19 共振器、20 コネクタ、21 中心
導体、22 仕切り、23 蓋、25 第1の地導体、
26 第2の地導体、27 第1の誘電体基板、28
第2の誘電体基板。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導体で形成された回路パターンが設
    けられた第1の回路基板と、上記第1の回路基板に隣接
    配置され、上記超伝導体で形成された回路パターンに接
    続して使用する回路パターンが設けられた少なくとも1
    つの回路基板から成る外部回路基板とを備えた超伝導回
    路において、上記第1の回路基板に設けられ、上記第1
    の回路基板の超伝導体で形成された回路パターンと上記
    外部回路基板の回路パターンとの接続部となる、上記超
    伝導体で形成された回路パターンを設けない接続領域
    と、上記接続領域とその近傍の隣接する超伝導体で形成
    された回路パターン上に亙って設けられた電極層とを備
    え、上記接続領域において上記第1の回路基板の超伝導
    体で形成された回路パターンを上記外部回路基板の回路
    パターンに接続したことを特徴とする超伝導回路。
  2. 【請求項2】 超伝導体で形成された回路パターンが設
    けられた第1の回路基板と、上記第1の回路基板に隣接
    配置され、上記超伝導体で形成された回路パターンに接
    続して使用する回路パターンが設けられた少なくとも1
    つの回路基板から成る外部回路基板と、上記第1の回路
    基板と上記外部回路基板が収納された筺体とを備えた超
    伝導回路において、上記筺体における地導体となる金属
    部に対向する面に設けられた、上記第1の回路基板の超
    伝導体で形成された地導体の回路パターンと、上記第1
    の回路基板に設けられ、上記第1の回路基板の超伝導体
    で形成された地導体の回路パターンと上記外部回路基板
    の地導体の回路パターンとの接続部となる、上記超伝導
    体で形成された回路パターンを設けない接続領域と、上
    記接続領域とその近傍の隣接する上記超伝導体で形成さ
    れた地導体の回路パターン上に亙って設けられた電極層
    とを備え、上記接続領域の電極層と上記筺体における地
    導体となる金属部とを短絡部材を介して圧接し、上記第
    1の回路基板の超伝導体で形成された地導体の回路パタ
    ーンを上記外部回路基板の地導体の回路パターンに接続
    したことを特徴とする超伝導回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の超伝導回路において、上
    記第1の回路基板の上記筺体における地導体となる金属
    部に対向する面に設けられた回路パターンが地導体の回
    路パターンである場合に、上記電極層を上記第1の回路
    基板の上記筺体における地導体となる金属部に対向する
    面全体に亙って設けたことを特徴とする超伝導回路。
  4. 【請求項4】 一方の面に超伝導体で形成された回路パ
    ターンが設けられた第1の回路基板と、上記第1の回路
    基板の他方の面に対向する面に上記第1の回路基板の回
    路パターンに係わる超伝導体で形成された地導体の回路
    パターンが設けられ、上記第1の回路基板に略平行に配
    置された第2の回路基板と、上記第1の回路基板と第2
    の回路基板に隣接配置され、上記第1の回路基板と第2
    の回路基板の超伝導体で形成された回路パターンに接続
    して使用する回路パターンが設けられた少なくとも1つ
    の回路基板から成る外部回路基板と、上記第1の回路基
    板の超伝導体で形成された回路パターンと上記外部回路
    基板の回路パターンとの接続部となる、上記超伝導体で
    形成された回路パターンを設けない第1の接続領域と、
    上記第1の接続領域とその近傍の隣接する超伝導体で形
    成された回路パターン上に亙って設けられた第1の電極
    層と、上記第2の回路基板の超伝導体で形成された地導
    体の回路パターンと、上記第2の回路基板に設けられ、
    上記第2の回路基板の超伝導体で形成された地導体の回
    路パターンと上記外部回路基板の地導体の回路パターン
    との接続部となる、上記超伝導体で形成された回路パタ
    ーンを設けない第2の接続領域と、上記第2の接続領域
    とその近傍の隣接する上記超伝導体で形成された地導体
    の回路パターン上に亙って設けられた第2の電極層とを
    備え、上記第1の接続領域において上記第1の回路基板
    の超伝導体で形成された回路パターンを上記外部回路基
    板の回路パターンに接続し、上記第2の接続領域の第2
    の電極層と上記第1の回路基板の他方の面との間に、一
    端を上記外部回路基板の地導体の回路パターンに接続し
    た接続部材の他端を挟み、上記第2の接続領域の第2の
    電極層に圧接し、上記第2の回路基板の超伝導体で形成
    された地導体の回路パターンを上記外部回路基板の地導
    体の回路パターンに接続したことを特徴とする超伝導回
    路。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載の接続領域と
    電極層または請求項4記載の第1の接続領域および第2
    の接続領域と第1の電極層および第2の電極層のいずれ
    かを備えて構成したことを特徴とするマイクロ波超伝導
    回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999021243A1 (en) * 1997-10-20 1999-04-29 Infrared Components Corporation Signal conduit between different temperature and pressure environments

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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