JPH0983028A - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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JPH0983028A
JPH0983028A JP7237159A JP23715995A JPH0983028A JP H0983028 A JPH0983028 A JP H0983028A JP 7237159 A JP7237159 A JP 7237159A JP 23715995 A JP23715995 A JP 23715995A JP H0983028 A JPH0983028 A JP H0983028A
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oxide
oxide superconductor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物超電導体層とその下層との格子整合性
を高め、酸化物超電導体層の配向性や界面での平坦性を
改善すると共に残留ストレスを緩和し、さらに相互拡散
の影響を減少させることが求められている。 【解決手段】 基板1上に設けられた酸化物超電導体層
3と、酸化物超電導体層3の下地して設けられた非超電
導層とを具備する超電導素子である。非超電導層は、 A
x AEy MOw (Aは Yおよび希土類元素、AEはアルカリ土類
元素、 MはGa、Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なく
とも 1種の元素、 0≦ x≦ 1、 0≦ y≦ 1(xおよび yは
同時に 0ではない)、 0.8≦ x+y< 1、 2≦ w≦ 4)で
実質的に組成が表される酸化物層2を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッファ層やバリ
ア層として非超電導酸化物層を有する超電導素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高温酸化物超電導体は、ジョセフソン素
子、超電導トランジスタ、LSI配線等への応用が期待
されている。これらに応用する際には、いずれも高温酸
化物超電導体を薄膜化することが必要となる。しかし、
従来の高温酸化物超電導体に対する薄膜技術において
は、以下に示すような様々な問題があった。
【0003】例えば、従来から高温酸化物超電導体とし
ては、 Y-Ba-Cu-0系、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系、 Tl-Ba-Ca-Cu
-O系、 Hg-Ba-Ca-Cu-O系等が用いられている。また、こ
れらの酸化物超電導体を成膜する際の基板としては、通
常、 SrTiO3 、 MgO、 LaAlO3 、 NdGaO3 等が頻繁に用
いられているが、スパッタ法、レーザーアブレーション
法、CVD法、真空蒸着法等の成膜方法によらず、基板
と酸化物超電導体との界面での格子不整合や残留ストレ
スにより、配向性が乱れた層や析出物等により凹凸の激
しい層が発生し易いといった問題があった。このため、
バッファ層との界面や酸化物超電導体層にモフォロジー
の乱れを招き、超電導特性やデバイスの動作特性の劣化
につながっていた。さらに、界面でのストレスが薄膜成
長過程で緩和されずに残留し、この残留ストレスにより
超電導転移温度Tc 等の電気特性が低下することも、素
子特性向上に向けての大きな問題となっていた。
【0004】また、特に酸化物超電導体/バリア層/酸
化物超電導体の 3層積層構造を有するジョセフソン素子
の特性に関しては、上述したような問題点を含む薄膜を
用いて作製した際に、上述した電気的特性の低下と共
に、リーク電流、フラックスフロー、磁束トラップ等の
ように電極層/バリア層界面での凹凸、不純物の介在、
膜厚の不均一、バリア層の被覆率の低下等が原因になっ
ていると思われる現象が非常に頻繁に見られ、素子とし
ての特性劣化を招いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の超電導素子においては、基板と酸化物超電導体層との
界面等における格子不整合や金属元素の相互拡散等に起
因して、酸化物超電導体層のモフォロジーの乱れや残留
ストレス等の問題が生じている。このような問題を解決
するために、バッファ層やバリア層として種々の酸化物
材料が検討されているが、未だに上記した問題点を完全
に解決する良質な材料は開発されておらず、積層型ジョ
セフソン素子に代表される超電導素子は、依然として十
分な高性能化が実現していない。
【0006】このようなことから、超電導特性やデバイ
ス特性の向上を図る上で、酸化物超電導体の初期成長時
におけるバッファ層やバリア層等の下地との格子整合性
を高めると共に、バッファ層やバリア層と酸化物超電導
体とが共有する元素数を増やし、相互拡散が生じても結
晶性や電気特性に悪影響を及ぼさない膜構造とすること
が、従来の超電導素子においては最大の課題とされてい
る。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、下地と酸化物超電導体層との格子不
整合や相互拡散の影響を減少させることによって、酸化
物超電導体層の配向性を改善すると共に、界面での平坦
性を原子レベルまで高め、さらには残留ストレスを緩和
することを可能にした超電導素子を提供することを目的
としている。また、これらの性質を改善することによっ
て、実用的なレベルにまで特性を向上させた超電導素子
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の超
電導素子は、請求項1に記載したように、基板と、前記
基板上に設けられた酸化物超電導体層と、前記酸化物超
電導体層の下地として設けられた非超電導層とを具備す
る超電導素子において、前記非超電導層は、 組成式: Ax AEy MOw ……(1) (式中、 Aは Yおよび希土類元素から選ばれる少なくと
も 1種の元素を、AEはCa、SrおよびBaから選ばれる少な
くとも 1種の元素を、 MはGa、Fe、Co、NiおよびCuから
選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 x、 yおよび w
は 0≦ x≦ 1、 0≦ y≦ 1(ただし、 xおよび yは同時
に 0ではない)、 0.8≦ x+y< 1、 2≦ w≦ 4を満足す
る数である)で実質的に組成が表される酸化物層を有す
ることを特徴としている。
【0009】また、第2の超電導素子は、請求項2に記
載したように、基板と、前記基板上に設けられた酸化物
超電導体層と、前記酸化物超電導体層の下地として設け
られた非超電導層とを具備する超電導素子において、前
記非超電導層は、 組成式:(A1a AEy )MOw ……(2) (式中、A1はLa、Ce、Pr、Nd、Pm、SmおよびEuから選ば
れる少なくとも 1種の元素を、AEはCa、SrおよびBaから
選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはGa、Fe、Co、Ni
およびCuから選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、
a、 yおよび uは0< a≦ 1、 0≦ y≦ 1、 0.8≦ a+y≦
1.2、 2≦ w≦ 4を満足する数である)で実質的に組成
が表され、前記基板側に形成される第1の酸化物層と、 組成式:(A2b AEy )MOw ……(3) (式中、A2は Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu
から選ばれる少なくとも1種の元素を、AEはCa、Srおよ
びBaから選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはGa、F
e、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも 1種の元素
を示し、 b、 yおよび uは 0< b≦ 1、 0≦ y≦ 1、
0.8≦ b+y≦ 1.2、 2≦ w≦ 4を満足する数である)で
実質的に組成が表され、前記酸化物超電導体層側に形成
される第2の酸化物層とを有することを特徴としてい
る。
【0010】本発明の第1の超電導素子においては、酸
化物超電導体と共通のペロブスカイト型結晶構造を持つ
と共に、酸化物超電導体と共通する構成金属元素が多
い、上記 (1)式で実質的に組成が表される酸化物層を、
基板と酸化物超電導体層との間のバッファ層や酸化物超
電導体層間のバリア層として用いている。バッファ層や
バリア層と酸化物超電導体の構成金属元素を共通させる
ことによって、それらの相互拡散により結晶性や配向性
が乱れたり、電気特性が劣化することが避けられる。従
って、特にバッファ層と酸化物超電導体層との界面やバ
リア層と酸化物超電導体層との界面での電気特性が改善
され、良質の超電導素子が得られる。
【0011】さらに、第1の超電導素子においては、上
述したペロブスカイト型構造の酸化物のAサイトの金属
元素の有効イオン半径を、Aサイト組成を制御して酸化
物超電導体の格子定数に近付くように変化させているた
めに、バッファ層やバリア層となる酸化物層と酸化物超
電導体層との格子整合性を大幅に改善することができ
る。
【0012】ここで、酸化物超電導体は斜方晶の対称性
を持ち、構造的に異方性を持つ材料であるため、これの
a軸、b軸、c軸のいずれとも格子整合性に優れる基板
や中間層を作製することは非常に困難である。これを解
決するために、第1の超電導素子ではペロブスカイト型
構造のAサイトの有効イオン半径をAサイト組成を制御
して変化させることによって、その上部に作製される様
々な酸化物超電導体と著しく格子整合性のよいバッファ
層やバリア層が得られる。
【0013】具体的には、通常Aサイトを占めるイオン
半径の大きいAE元素(アルカリ土類金属)や中間の A元
素(Yおよび希土類金属)の一部を、これらよりもイオン
半径が小さいCu等の M元素(遷移金属)で置換すること
によって、言い換えると AサイトをAE元素、 A元素お
よび M元素の三者の固溶系とすることによって、中間層
となる酸化物の格子定数を酸化物超電導体の格子定数に
近付けることを可能にし、さらには酸化物層と酸化物超
電導体層との界面での格子不整合値を実質的に0%にする
ことを可能にしている。
【0014】すなわち、バッファ層やバリア層を構成す
る酸化物層は、上記 (1)式においてイオン半径の大きい
AE元素や A元素に対しイオン半径の小さい M元素が過剰
となる、 0.8≦ x+y< 1なる組成を有しており、これに
よってAサイトをAE元素、 A元素および M元素の三者の
固溶系としている。さらに本発明では、上記 (1)式にお
ける組成が 0.8≦ x+y≦0.95となるようにすることがよ
り好ましい。すなわち、 x+yの値が0.95を超えると、上
述した効果を十分に得ることができないおそれがあり、
一方 0.8未満ではペロブスカイト型構造の形成が困難と
なり、また過剰な M元素が析出物を生成して膜質が劣化
する。また、酸素の組成を示す wの値については、化学
量論的組成では w=3であるが、この値からの多少の変動
は許容される。ただし、 w=3からあまりに外れた組成を
得ることは困難であり、通常は 2≦ w≦ 4である。
【0015】上述したように、バッファ層やバリア層と
なる酸化物層と酸化物超電導体層との格子整合性を高め
ることによって、界面での配向性の乱れ、析出物や残留
ストレスの発生等を抑制することができ、また平坦性を
大幅に向上させることができるため、Tc 等の超電導特
性やデバイス特性の向上を図ることが可能となる。
【0016】なお、上記した (1)式で表される酸化物層
において、 A元素およびAE元素の具体的な種類や比率
は、それと接する酸化物超電導体層に応じて適宜選択さ
れるものである。
【0017】また、本発明の第2の超電導素子において
は、上述した第1の超電導素子と同様に、酸化物超電導
体と共通のペロブスカイト型結晶構造を持つと共に、酸
化物超電導体と共通する構成金属元素が多い、上記 (2)
式で実質的に組成が表される第1の酸化物層と (3)式で
実質的に組成が表される第2の酸化物層とを有する非超
電導層を、基板と酸化物超電導体層との間のバッファ層
等として用いているため、酸化物超電導体層とバッファ
層等との相互拡散により結晶性や配向性が乱れたり、電
気特性が劣化することが避けられる。
【0018】その上で、第2の超電導素子においては、
(2)式で実質的に組成が表される第1の酸化物層を基板
側に形成すると共に、 (3)式で実質的に組成が表される
第2の酸化物層を酸化物超電導体層側に形成している。
ここで、第1の酸化物層は、希土類元素(A1元素)とし
て、比較的イオン半径が大きいLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm
およびEuから選ばれる少なくとも 1種の元素を用いてお
り、高温成膜で立方晶ペロブスカイト構造をとるため、
SrTiO3 、 LaAlO3 、 NdGaO3 、 MgO、 YSZ(Y安定化 Z
rO2 )、 YAG、サファイア、 Y2 O 3 等の基板材料と格
子整合性に優れ、かつ平坦性や配向性に優れると共に、
析出物密度が非常に低いという特徴を有する反面、酸化
物超電導体との格子整合性は劣るものである。例えば、
(Pr0.3 Ba0.7 )CuOw と高温正方晶 YBa2 Cu3 O z (6≦
z≦7)との格子不整合値は約4%となる。
【0019】一方、第2の酸化物層は、希土類元素(A2
元素)として、比較的イオン半径が小さい Y、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも 1
種の元素を用いており、酸化物超電導体と同様な結晶構
造をとるために、酸化物超電導体との格子整合性に優
れ、かつ平坦性や配向性に優れるという特徴を有する反
面、比較的低温で成膜する必要があることから、基板上
に直接成膜すると非常に高い不純物密度を持つという性
質がある。しかし、共有元素および共有構造を多く持つ
第1の酸化物層上に形成した場合には、析出物密度を非
常に低くすることができる。
【0020】従って、基板側に形成した第1の酸化物層
と酸化物超電導体層側に形成した第2の酸化物層とを有
する非超電導層においては、酸化物超電導体との格子整
合性に優れ、かつ界面での平坦性や配向性に優れると共
に、析出物密度が非常に低いという特性が得られる。そ
して、このような非超電導層上に形成した酸化物超電導
体層は、析出物密度を非常に低くすることができると共
に、界面の平坦性を高めることができ、さらに界面での
格子不整合によるストレスを受けないため、Tc 等の超
電導特性やデバイス特性の向上を図ることが可能とな
る。
【0021】ただし、 (2)式および (3)式におけるAサ
イト元素量(a+y/b+y)が 0.8未満であると、ペロブスカ
イト的構造を保ち得るAサイトの格子欠陥量を上回り、
ペロブスカイト的構造を維持することができなくなり、
一方 1.2を超えると過剰なAサイト金属が析出物を構成
してしまうため、 a+yおよび b+yの値はいずれも 0.8〜
1.2の範囲とする。また、第2の発明の効果を十分に得
るには、 0.2≦ a≦ 1および 0.2≦ b≦ 1であることが
好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の超電導素子の一実
施形態を示す断面図である。同図において、1は SrTiO
3 、 LaAlO3 、 NdGaO3 、 MgO、 YSZ、 YAG、サファイ
ア、Y2 O 3 等からなる基板であり、この基板1上には
前述した (1)式で実質的に組成が表される非超電導酸化
物層2がバッファ層として形成されている。そして、こ
のバッファ層としての非超電導酸化物層2上に、酸化物
超電導体層3が形成されている。なお、非超電導酸化物
層2の具体的な組成は、酸化物超電導体層3に応じて適
宜設定するものとする。
【0024】非超電導酸化物層2は、前述したように、
通常ペロブスカイト構造のAサイトを占めるAE元素およ
び A元素の一部を M元素で置換し、AサイトをAE元素、
A元素および M元素の三者の固溶系としているため、酸
化物超電導体層3との格子整合性に優れるものであり、
非超電導酸化物層2と酸化物超電導体層3との界面での
格子不整合値は組成選択により実質的に0%にすることが
できる。
【0025】例えば、 SrTiO3 (100) 基板上に直接 YBa
2 Cu3 O z の (100)および (001)配向膜を形成した場
合、格子不整合値は約2%となるが、 (Pr0.3 Ba0.6 )Cu
1.1 Ow ′をバッファ層として採用した場合には、 YBa
2 Cu3 O z の (100)および(001)配向膜との界面での格
子不整合値を実質的に0%にすることができる。またさら
に、 YBa2 Cu3 O z と格子整合性が悪い基板を用いた場
合でも、上記バッファ層を介在させることによって、格
子不整合値を実質的に0%にすることが可能である。
【0026】従って、非超電導酸化物層2と酸化物超電
導体層3との界面の平坦性が大幅に改善され、また界面
や酸化物超電導体層3内での異相、異配向粒、析出物等
の発生や配向性の乱れ等が防止でき、結晶性、配向性、
表面平坦性、電気特性に優れる酸化物超電導体層3を得
ることができる。さらに、非超電導酸化物層2と酸化物
超電導体層3との相互拡散により結晶性や配向性が乱れ
たり、電気特性が劣化することを抑制することができ
る。これらによって、リーク電流、磁束トラップ等の悪
影響を排除したRSJ(Resistively Shunted Junction)
タイプまたはSISタイプ(SNSタイプも含む。以下
同じ)の特性を持つ高品質のジョセフソン素子等を実現
することができる。
【0027】非超電導酸化物層2は 0.3〜 100nm程度の
厚さで形成することが好ましい。非超電導酸化物層2は
単位格子が0.38nm程度あることに起因して、 0.3nm未満
の厚さでは成膜が困難であり、また 100nmを超えると平
坦性がかえって悪くなり、バッファ層やバリア層に適さ
なくなる。バッファ層に用いる場合には、完全な被覆を
行うことができ、かつ平坦性も良好である10〜50nm程度
の厚さとすることが好ましい。また、バリア層として
は、SISタイプの特性を得るためには 0.3〜100nmの
領域で膜厚を制御し、素子の抵抗値や臨界電流を制御す
ることが望まれる。また、その成膜方法は特に限定され
るものではなく、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、
レーザーアブレーション法等、各種成膜方法を適用する
ことが可能である。
【0028】また、 (1)式で実質的に組成が表される非
超電導酸化物層2は、図1に示されるバッファ層に限ら
ず、例えば図2に示すように、下部酸化物超電導体層4
と上部酸化物超電導体層5とのバリア層として利用する
ことも可能である。この場合には、バリア層による被覆
率、下部酸化物超電導体層4および上部酸化物超電導体
層5との界面の平坦性、さらに上部酸化物超電導体層5
の結晶性、配向性、表面平坦性、電気特性等を改善する
ことができる。これらによって、電気特性と共に、リー
ク電流、フラックスフロー、磁束トラップ等を改善する
ことが可能となり、同様にRSJタイプまたはSISタ
イプの特性を持つ高品質のジョセフソン素子を実現する
ことができる。また、酸化物超電導体層4、5とバリア
層との界面での電子状態の制御を再現性よく行うことが
できるため、ジョセフソン素子に適用した場合には、著
しく特性が向上した素子を得ることができる。
【0029】ところで、上述したバッファ層やバリア層
等として用いる非超電導酸化物層2は、単純な単層構造
膜として用いても、上述したような効果を得ることがで
きるが、さらにAサイト組成を制御して膜厚方向に格子
定数を連続的もしくは断続的に変化させたり、あるいは
多層積層構造膜とすることによって、さらに特性の向上
を図ることができる。例えば、基板1側ではイオン半径
が小さい M元素の組成を少なくすると共に、 A元素とAE
元素の組成を多くし、逆に酸化物超電導体層3側では M
元素の組成を多くすることによって、基板1および酸化
物超電導体層3との格子整合性をそれぞれ高めることが
できる。このようなAサイト組成を連続的もしくは断続
的に変化させた非超電導酸化物層2は、異なる酸化物超
電導体層4、5間のバリア層としても有効である。
【0030】また、酸化物薄膜は、材料によって決まる
ある膜厚以下とした場合には、下層および上層から格子
不整合による歪を受け、格子長がその格子不整合を緩和
するように変化する。このような性質を利用し、組成が
異なる非超電導酸化物層2を多重積層することによっ
て、基板1および酸化物超電導体層3との格子整合性を
それぞれ高めることができる。
【0031】さらに、多重積層構造膜のバッファ層やバ
リア層を利用する場合には、例えば図3に示すように
(1)式で実質的に表される非超電導酸化物層2と酸化物
超電導体層3と同一組成を有する酸化物層3′とを交互
に積層した多重積層構造膜や、例えば図4に示すように
(1)式で実質的に表される非超電導酸化物層2と酸化物
超電導体層3と同一組成を有する酸化物層3′と基板1
と同一組成を有する酸化物層1′とを順に積層した多重
積層構造膜等を、バッファ層6等として用いることも可
能である。このような場合にも、基板1および酸化物超
電導体層3との格子整合性をそれぞれ高めることができ
る。なお、以上のような多重積層構造膜の好ましい厚さ
については、各層が上述したような 0.3〜 100nmの範囲
内に設定されていればよい。
【0032】(1)式で実質的に表される非超電導酸化物
層2は、図1ないし図4に示したバッファ層やバリア層
に限らず、例えば図5に示すように、非超電導酸化物層
2と酸化物超電導体層3とを交互に積層した多重ジョセ
フソン素子等に利用することも可能である。このような
素子構造においても、非超電導酸化物層2と酸化物超電
導体層3との各界面における格子整合性を高めることが
できるため、素子特性の向上等を図ることができる。
【0033】図6は、本発明の第2の超電導素子の一実
施形態を示す図であり、1は前述した実施形態と同様な
基板であり、この基板1上にはバッファ層7として非超
電導層が形成されており、このバッファ層7上に酸化物
超電導体層3が形成されている。そして、このバッファ
層7は、前述した (2)式で実質的に組成が表され、基板
1側に形成された第1の非超電導酸化物層8と、前述し
た (3)式で実質的に組成が表され、酸化物超電導体層3
側に形成された第2の非超電導酸化物層9とを有してい
る。なお、第1および第2の非超電導酸化物層8、9の
具体的な組成は、基板1や酸化物超電導体層3に応じて
適宜設定するものとする。
【0034】ここで、第1の非超電導酸化物層8は、基
板1の構成材料との格子整合性に優れると共に、平坦性
や配向性に優れ、またこの第1の非超電導酸化物層8上
に形成された第2の非超電導酸化物層9は、酸化物超電
導体層3との格子整合性に優れるという特徴を維持した
上で、析出物密度を非常に低くすることが可能であるた
め、バッファ層7と酸化物超電導体層3との界面の平坦
性を大幅に改善する事ができ、また界面や酸化物超電導
体層3内での異相、異配向粒、析出物等の発生や配向性
の乱れ等が防止できる。これらによって、結晶性、配向
性、表面平坦性、電気特性に優れる酸化物超電導体層3
を得ることが可能となる。また、バッファ層7と酸化物
超電導体層3との相互拡散により結晶性や配向性が乱れ
たり、電気特性が劣化することも抑制することができ
る。従って、RSJタイプまたはSISタイプの特性を
持つ高品質のジョセフソン素子を実現することができ
る。
【0035】この場合のバッファ層の好ましい厚さとし
ては、第1の非超電導酸化物層8および第2の非超電導
酸化物層9の厚さを、それぞれ 0.3〜 100nmの範囲内と
すればよい。なお、上述した第1の非超電導酸化物層8
および第2の非超電導酸化物層9は、これらを多重積層
した多重積層構造膜等として利用することも可能であ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例に関して説明する。
【0037】実施例1 基板上に、厚さ30nmの(Pr0.3 Ba0.6 )Cu1.1 O w ′
をバッファ層として形成し、その上に YBa2 Cu3 O z
成の酸化物超電導体層を成膜した。基板としては、 SrT
iO3 (100) 、MgO(100)、 NdGdO3 (110) 、 YSZ、 LaAlO
3 (100) 、サファイアのr-面をそれぞれ用いた。成膜
は、全て多元メタルターゲットを装着したRFマグネト
ロンスパッタを用いて行った。ターゲットは金属Y 、 B
a/Cu合金、金属Cu、金属Prを用いた。特に SrTiO3 (10
0) 基板を用いた場合の成膜条件を表1に示す。また、
バッファ層上に形成した YBa2 Cu3 O z のc軸配向膜の
特性を表1に併せて示す。
【0038】バッファ層としての(Pr0.3 Ba0.6 )Cu
1.1 O w ′層は、構造解析によりAサイトのPr、Ba、Cu
がランダムに固溶しており、かつ酸素欠損も存在してお
り、酸素欠損を有する立方晶ペロブスカイト型の構造を
持つものであることを確認した。この相の格子定数は室
温において0.3860nmであり、格子定数の温度依存性の計
測から870K以上での YBa2 Cu3 O z との格子不整合値は
0.1%以下であった。また、上記バッファ層は電気的には
半導体的な性質を持つことが抵抗測定から確認された。
さらに、上記バッファ層上に形成した YBa2 Cu3 O z
c軸配向膜は、表1に示すように、(Pr0.3 Ba0.7 )CuO
w をバッファ層として形成した場合に比べて、著しく配
向性、平坦性、電気特性に優れていることが確認され
た。
【0039】
【表1】 実施例2 実施例1において、バッファ層としての酸化物層の組成
を表2に示す酸化物組成とする以外は、実施例1と同様
に、多元メタルターゲットを用いたRFスパッタ法によ
り、基板温度893Kでそれぞれ基板上にバッファ層を形成
した。各酸化物層の組成、構造および室温での格子定数
を表2に併せて示す。表2に示す酸化物層は全て923K以
上の高温において、正方晶 YBa2 Cu3 Oz との格子不整
合値が0.1%以下であった。また、これら各酸化物層上に
実施例1と同様にして、 YBa2Cu3 Oz のc軸配向膜を
形成したところ、著しく配向性、平坦性、電気特性に優
れた酸化物超電導体層が得られた。
【0040】
【表2】 実施例3 図3に示したように、基板上に(Pr0.3 Ba0.6 )Cu1.1
O w ′膜と YBa2 Cu3O z のa軸配向膜とを、基板温度8
43Kにおいて互いに 100単位格子(約40nm)ずつ交互に
各10層多重積層した。この多重積層構造膜をバッファ層
とした。この際の成膜条件を表3に示す。さらに、上記
多重積層構造のバッファ層上に YBa2 Cu3 Oz のa軸配
向膜を同じ基板温度で成膜した。バッファ層上に形成し
た YBa2Cu3 O z 膜の特性を表3に併せて示す。
【0041】電子顕微鏡等による構造解析から、上記多
重積層構造のバッファ層においては、積層方向に膜厚が
増すに従って 2層の格子不整合値がb軸およびc軸方向
共に減少し、その上部に形成した YBa2 Cu3 Oz のa軸
配向膜との界面では、格子不整合値は0.1%以下となって
いた。表3に示すように、バッファ層の上部に形成した
YBa2 Cu3 Oz のa軸配向膜はバッファ層を用いない場
合に比べて、著しく特性が向上したものであった。
【0042】
【表3】 実施例4 図4に示したように、 SrTiO3 (100) 基板上に、 SrTiO
3 膜、(Pr0.3 Ba0.6)Cu1.1 O w ′膜および YBa2 Cu
3 O z のc軸配向膜を、それぞれ 100単位格子、 100単
位格子および10単位格子ずつ各 3層順に多重積層し、こ
の多重積層構造膜をバッファ層とし、さらにその上部に
YBa2 Cu3 Oz のc軸配向膜を形成した。この際の成膜
条件および特性測定結果を表4に示す。上記多重積層構
造のバッファ層を用いることにより、その上部に形成し
た YBa2 Cu3 Oz のc軸配向膜との界面での格子不整合
値は0.1%以下となり、平坦性、配向性、電気特性共に極
めて優れた酸化物超電導体層が得られた。
【0043】
【表4】 実施例5 図7に示すように、 SrTiO3 (100) 基板1上に、膜厚方
向にAサイトの金属組成を変化させた非超電導酸化物層
(Prx Bay CuO 3 層)2をバッファ層として100単位格
子形成し、さらにその上に YBa2 Cu3 O z の a軸配向膜
を酸化物超電導体層3として形成した。このバッファ層
は、基板1および YBa2 Cu3 O z の a軸配向膜のb軸、
c軸との格子不整合値が全て0.1%以下であり、その結果
としてYBa2 Cu3 Oz の a軸配向膜の平坦性、配向性、
電気特性はいずれも著しく向上した。
【0044】実施例6 図6に示したように、 SrTiO3 (100) 基板1上に、基板
温度893Kで第1の非超電導酸化物層8として (Pr0.3 Ba
0.7 )CuOw 層を 100単位格子形成し、続いて基板温度82
3Kで第2の非超電導酸化物層9として(Y0.3 Ba0.7 )CuO
w 層を形成して、この 2重積層膜をバッファ層7とし
た。このバッファ層7上に基板温度 843Kで YBa2 Cu3
O z の a軸配向膜を酸化物超電導体層3として成膜し
た。その際の成膜条件および特性評価結果を表5に示
す。
【0045】下部の (Pr0.3 Ba0.7 )CuOw 層は、平坦性
および配向性に優れ、また析出物密度が非常に低いとい
う特徴を有するが、高温正方晶 YBa2 Cu3 O z との格子
不整合値は約4%と悪い。一方、上部の(Y0.3 Ba0.7 )CuO
w 層は、高温正方晶 YBa2 Cu3 O z との格子不整合値は
ほぼ0%であり、配向性および平坦性にも優れているもの
の、低温で成膜する必要があるために、基板上に直接成
膜すると非常に高い不純物密度を持つ性質がある。しか
し、共有元素および共有構造を多く持つ下部の(Pr0.3 B
a0.7 )CuOw 層上に形成した場合には析出物密度が非常
に低くなり、格子整合性に極めて優れたバッファ層7を
得ることができる。このようなバッファ層7上に形成し
た YBa2 Cu3 O z の a軸配向膜は析出物密度が非常に低
く、また格子不整合によるストレスを受けないため、常
伝導抵抗値が低く、かつTc が再現性よく 90Kゼロ抵抗
を持つようになった。
【0046】
【表5】 実施例7 図8に示すように、まず基板温度843Kにおいて、 SrTiO
3 (100) 基板11上に(Pr0.3 Ba0.6 )Cu1.1 O w ′
をバッファ層12として 100単位格子形成し、その上に
下部超電導電極13として YBa2 Cu3 O z の a軸配向膜
を 240nmの膜厚で形成し、さらに膜厚10 nm のPrBa2 Cu
3 O z ′(6≦ z′≦7)膜からなるバリア層14を介し
て、上部超電導電極15として YBa2 Cu3 O z の a軸配
向膜を膜厚120nmで形成した。この積層型薄膜は、バッ
ファ層12を用いない場合に比べ、界面や表面での平坦
性が大幅に改善され、空隙や不純物をほとんど含まない
ものであった。
【0047】次に、上記積層型薄膜をフォトリソグラフ
ィー技術を用いて加工することにより、図8に示した構
造を有するジョセフソン素子を作製した。この積層型ジ
ョセフソン素子は、接合面積が20×20μm となるように
パターニングされており、上部超電導電極15上には絶
縁層間膜16を介して金配線17が設けられており、上
部超電導電極15と金配線層17とは金コンタクト18
を介して接続されている。
【0048】上述したバッファ層12を用いることによ
って、典型的なフラウンホーファー型の特性が得られ、
従来の超電導素子に頻繁にみられた電極間のショート、
フラックスフロー特性等は全く観測されない良質で均一
なジョセフソン特性が観測された。この素子の典型的な
I−V特性を図9に示す。得られた素子はRSJ的な特
性を示し、また図10に示す磁場印加の実験結果から、
従来より高品質なジョセフソン素子が形成されているこ
とが分かる。この素子は従来よりバリア層14の厚さが
約 1/5から1/10程度と薄いため、Ic ・Rn 積は10倍程
度に上昇した。実施例8実施例7と同様に、 SrTiO3 (1
00) 基板上に実施例7と同組成のバッファ層および下部
超電導電極を形成した後、バリア層として組成がバッフ
ァ層と同じ (Pr0.3 Ba0.6 )Cu1.1 O w ′層を膜厚50nm
で形成した積層型ジョセフソン素子を作製した。バリア
層の抵抗率はPrBa2 Cu3 O z ′と比較して約1/10であ
り、素子の特性は典型的なRSJ的な特性となり、Ic
・Rn 積は従来のPrBa2 Cu3 O z ′層をバリア層として
用いた素子に比べて約10倍程度に上昇した。
【0049】実施例9 図5に示したように、 SrTiO3 (100) 基板11に、非超
電導酸化物層2として膜厚50nmの (Pr0.3 Ba0.6 )Cu
1.1 O w ′層と、酸化物超電導体層3として膜厚50nmの
YBa2 Cu3 O z 層とを交互に各10層ずつ多重積層した素
子を作製した。この素子は各層界面で約 0.4nmの単位格
子程度の平坦性を保っており、電気特性評価からは多重
ジョセフソン素子の特性を示した。
【0050】なお、本発明は上記した各実施例に限定さ
れるものではなく、バッファ層、バリア層中に他の希土
類元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素を用いた場合
においても、またAサイトにおける各金属元素の組成比
を変化させた場合においても、さらに上部に作製される
酸化物超電導体層が YBa2 Cu3 O z 以外の酸化物超電導
体においても、同様な効果が得られた。また、基板は S
rTiO3 (100) に限らず、 MgO、La AlO3 、 NdGaO3 、 Y
SZ、 Y2 O 3 等の通常頻繁に利用される基板を利用する
場合にも、本発明は同様に有効である。実際に、これら
酸化物基板上において、Bi系、Tl系、Hg系等をバッファ
層の一部や酸化物超電導体層として用いた場合にも、同
様に優れた結晶性および素子特性が得られた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導素
子によれば、酸化物超電導体層の配向性を改善すること
ができると共に、バッファ層やバリア層との界面の平坦
性を大幅に高めることができ、さらには残留ストレスを
緩和することができる。従って実用的なレベルまで特性
を向上させた超電導素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の超電導素子の一実施形態を示
す断面図である。
【図2】 本発明の第1の超電導素子の他の実施形態を
示す断面図である。
【図3】 図1に示す超電導素子の変形例を示す断面図
である。
【図4】 図1に示す超電導素子の他の変形例を示す断
面図である。
【図5】 本発明の第1の超電導素子のさらに他の実施
形態を示す断面図である。
【図6】 本発明の第2の超電導素子の一実施形態を示
す断面図である。
【図7】 本発明の実施例5による超電導素子の構造と
バリア層のAサイト組成および格子定数を示す図であ
る。
【図8】 本発明の実施例7によるジョセフソン素子の
構造を示す断面図である。
【図9】 図8に示すジョセフソン素子の電流−電圧特
性を示す図である。
【図10】 図8に示すジョセフソン素子の臨界電流値
の磁場依存性を示す図である。
【符号の説明】
1……基板 2……非超電導酸化物層 3……酸化物超電導体層 4……下部酸化物超電導体層 5……上部酸化物超電導体層 8……第1の非超電導酸化物層 9……第2の非超電導酸化物層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 53/00 C01G 53/00 A C30B 29/22 501 C30B 29/22 501N H01L 39/02 ZAA H01L 39/02 ZAAB

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に設けられた酸化物
    超電導体層と、前記酸化物超電導体層の下地として設け
    られた非超電導層とを具備する超電導素子において、 前記非超電導層は、 組成式: Ax AEy MOw (式中、 Aは Yおよび希土類元素から選ばれる少なくと
    も 1種の元素を、AEはCa、SrおよびBaから選ばれる少な
    くとも 1種の元素を、 MはGa、Fe、Co、NiおよびCuから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 x、 yおよび w
    は 0≦ x≦ 1、 0≦ y≦ 1(ただし、 xおよび yは同時
    に 0ではない)、 0.8≦ x+y< 1、 2≦ w≦ 4を満足す
    る数である)で実質的に組成が表される酸化物層を有す
    ることを特徴とする超電導素子。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板上に設けられた酸化物
    超電導体層と、前記酸化物超電導体層の下地として設け
    られた非超電導層とを具備する超電導素子において、 前記非超電導層は、 組成式:(A1a AEy )MOw (式中、A1はLa、Ce、Pr、Nd、Pm、SmおよびEuから選ば
    れる少なくとも 1種の元素を、AEはCa、SrおよびBaから
    選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはGa、Fe、Co、Ni
    およびCuから選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、
    a、 yおよび uは0< a≦ 1、 0≦ y≦ 1、 0.8≦ a+y≦
    1.2、 2≦ w≦ 4を満足する数である)で実質的に組成
    が表され、前記基板側に形成される第1の酸化物層と、 組成式:(A2b AEy )MOw (式中、A2は Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu
    から選ばれる少なくとも1種の元素を、AEはCa、Srおよ
    びBaから選ばれる少なくとも 1種の元素を、 MはGa、F
    e、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも 1種の元素
    を示し、 b、 yおよび uは 0< b≦ 1、 0≦ y≦ 1、
    0.8≦ b+y≦ 1.2、 2≦ w≦ 4を満足する数である)で
    実質的に組成が表され、前記酸化物超電導体層側に形成
    される第2の酸化物層とを有することを特徴とする超電
    導素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008140789A (ja) * 2006-11-29 2008-06-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology サファイア基板上超電導酸化物多層薄膜及びその作製方法

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