JPH0982466A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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Publication number
JPH0982466A
JPH0982466A JP22982795A JP22982795A JPH0982466A JP H0982466 A JPH0982466 A JP H0982466A JP 22982795 A JP22982795 A JP 22982795A JP 22982795 A JP22982795 A JP 22982795A JP H0982466 A JPH0982466 A JP H0982466A
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JP
Japan
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temperature
cooking container
induction heating
heating device
switching element
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Application number
JP22982795A
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English (en)
Inventor
Masaharu Ohashi
正治 大橋
Nobuo Ganji
伸夫 元治
Shinji Kondo
信二 近藤
Hidekazu Yamashita
秀和 山下
Hideki Omori
英樹 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度検出が正確にでき、従って正確な温度制
御が可能な誘導加熱装置を提供することを目的としてい
る。 【構成】 調理容器4として感温金属を使用しており、
キューリー点付近に達すると電気特性が大きく変化する
ことを利用して、スイッチング素子8に流れる電流から
調理容器4の温度を非接触で検出するようにして、正確
な温度制御が可能な誘導加熱装置としているものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導加熱方式の誘導加
熱調理器や電子ジャー炊飯器等で使用する誘導加熱装置
の温度検出に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている誘導加熱調理器は、
図22・図23に示すような構成となっている。磁性材
料で構成した調理容器14は、図23に示しているよう
にプレート11上に載置しており、加熱コイル5による
高周波磁界を受けて発熱する構成となっている。加熱コ
イル5は、図22に示すような回路構成によって調理容
器14に対して高周波磁界を発生しているものである。
すなわち、交流電源1の電圧を整流する整流回路2と、
この出力を平滑するフィルタ3の出力に、前記加熱コイ
ル5は共振回路を構成する共振コンデンサ6とともに接
続されており、この共振回路の他端には共振電流を生成
するスイッチング素子8を接続している。このスイッチ
ング素子8の制御は、マイコン等によって構成した制御
手段9が実行しているものである。具体的には、図23
に示しているようにプレート11の下部に調理容器14
の温度を検知する温度検出手段12を設け、この検知温
度情報をA/D変換器13を介して受け、検知温度に応
じてスイッチング素子8のオン時間を変化させるように
しているものである。つまり、加熱コイル5が発生する
高周波磁界の強さを温度検出手段12の検知温度に応じ
て調整するようにしているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の誘導
加熱調理器は、正確な温度制御ができないという課題を
有している。つまり温度検出手段12の検知温度は、調
理容器14からプレート11に伝達された温度を検知し
た間接温度検知となっているものである。このため、調
理容器14の温度変化とはどうしてもタイムラグが存在
するものとなっている。また例えば使用している調理容
器14が底が反っている場合には、温度検出手段12の
検知温度は調理容器14からの輻射熱を充分反映したも
のとはならないものである。また誘導加熱調理器が電子
ジャー炊飯器である場合には、図24に示しているよう
に、温度検出手段12のカバーと炊飯鍋16との間に異
物が挟まったりすると、温度検出手段12の検知温度は
炊飯鍋16の温度とは異なるものとなる。
【0004】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決しようとするもので、温度検出が正確にで
き、従って正確な温度制御が可能な誘導加熱装置を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の第一の手段は、高周波磁界を発生する加熱コ
イルと、加熱コイルに高周波電流を供給するスイッチン
グ素子と、スイッチング素子のオンオフを制御する制御
手段と、温度によって磁性特性が変化する感温金属から
なる調理容器とを備え、前記制御手段はスイッチング素
子に流れる電流から調理容器の温度を検出する誘導加熱
装置とするものである。
【0006】また本発明の第二の手段は、特に制御手段
は、スイッチング素子のコレクタとエミッタ間の電圧を
レベル変換しピーク値を保持するVceピークホールド回
路によって調理容器の温度を検出する誘導加熱装置とす
るものである。
【0007】本発明の第三の手段は、特に制御手段は、
加熱コイルが構成する共振回路の共振周波数を検出する
周波数検知手段によって調理容器の温度を検出する誘導
加熱装置とするものである。
【0008】本発明の第四の手段は、特に制御手段は、
交流電源からの入力電流を検知する入力電流検知手段に
よって調理容器の温度を検出する誘導加熱装置とするも
のである。
【0009】本発明の第五の手段は、特に調理容器を、
温度によって磁性特性が変化する感温金属と、アルミ又
はアルミ合金あるいは銅又は銅合金である非磁性金属と
を積層して構成した誘導加熱装置とするものである。
【0010】また本発明の第六の手段は、特に調理容器
を、キューリー点の異なる複数の感温金属を積層して構
成した誘導加熱装置とするものである。
【0011】本発明の第七の手段は、特に調理容器を、
キューリー点の異なる複数の感温金属を同心円上に配置
して構成した誘導加熱装置とするものである。
【0012】また本発明の第八の手段は、特に調理容器
を、キューリー点の異なる複数の感温金属を扇形状に配
置して構成した誘導加熱装置とするものである。
【0013】本発明の第九の手段は、特に調理容器を載
置するプレートとして、熱伝導率が1.0よりも低いもの
を使用した誘導加熱装置とするものである。
【0014】更に本発明の第十の手段は、特にプレート
が調理容器の側面を覆う誘導加熱装置とするものであ
る。
【0015】また本発明の第十一の手段は、調理容器の
外側に断熱層を設けた誘導加熱装置とするものである。
【0016】
【作用】本発明の第一の手段は、調理容器として感温金
属を使用しており、キューリー点付近に達すると電気特
性が大きく変化することを利用して、スイッチング素子
に流れる電流から調理容器の温度を検出するようにし
て、正確な温度制御が可能な誘導加熱装置としているも
のである。
【0017】本発明の第二の手段は、特にスイッチング
素子のコレクタとエミッタ間の電圧をレベル変換しピー
ク値を保持するVceピークホールド回路によって、調理
容器の温度を検出するようにして、正確な温度制御が可
能な誘導加熱装置としているものである。
【0018】本発明の第三の手段は、特に加熱コイルが
構成する共振回路の共振周波数を検出する周波数検知手
段によって調理容器の温度を検出するようにして、正確
な温度制御が可能な誘導加熱装置としているものであ
る。
【0019】また本発明の第四の手段は、特に交流電源
からの入力電流を検知する入力電流検知手段によって調
理容器の温度を検出するようにして、正確な温度制御が
可能な誘導加熱装置としているものである。
【0020】また本発明の第五の手段は、調理容器を、
温度によって磁性特性が変化する感温金属と、アルミ又
はアルミ合金あるいは銅又は銅合金である非磁性金属と
を積層して構成したことによって、調理容器の温度を非
接触で正確に検知でき、また調理容器の温度分布を均一
にできて効率よく調理ができる誘導加熱装置としてい
る。
【0021】本発明の第六の手段は、キューリー点の異
なる複数の感温金属を積層して構成した調理容器を使用
して、複数の温度ポイントを正確に検知でき、正確な温
度制御が可能な誘導加熱装置としているものである。
【0022】本発明の第七の手段は、キューリー点の異
なる複数の感温金属を同心円上に配置して構成した調理
容器を使用して、複数の温度ポイントを正確に検知で
き、正確な温度制御が可能な誘導加熱装置としているも
のである。
【0023】また本発明の第八の手段は、キューリー点
の異なる複数の感温金属を扇形状に配置して構成した調
理容器を使用して、複数の温度ポイントを正確に検知で
き、正確な温度制御が可能な誘導加熱装置としているも
のである。
【0024】本発明の第九の手段は、調理容器を載置す
るプレートとして、熱伝導率が1.0よりも低いものを使
用して、調理容器からプレートへの放熱量を減少して加
熱効率の高い誘導加熱装置としているものである。
【0025】更に本発明の第十の手段は、プレートが調
理容器の側面を覆うようにして、調理容器からの放熱を
減少させ保温効果の高い誘導加熱装置としているもので
ある。
【0026】また本発明の第十一の手段は、調理容器の
外側に断熱層を設けて、保温効果の高い誘導加熱装置と
しているものである。
【0027】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の誘導加熱装置の第一の実施例
について説明する。図1は本実施例の電気回路を説明す
るブロック図である。10は調理容器4を誘導加熱する
加熱部で、商用交流電源1の交流を整流し直流に変換す
る整流回路2と、整流回路2の出力から交流成分を取り
除くフィルタ3と、このフィルタ3に接続され、高周波
磁界を発生することにより調理容器4を誘導加熱する加
熱コイル5と、加熱コイル5と共に共振回路7を構成す
る共振コンデンサ6と、共振回路7に接続した共振電流
を生成するスイッチング素子8と、スイッチング素子8
をオンオフ制御する制御手段9と、制御手段9にフィー
ドバックする調理容器4の温度を検知する温度検出手段
20とを備えている。調理容器4は使用状態では、図2
に示しているように加熱コイル5上のプレート11上に
載置しており、Fe1-xNixあるいはNi1-xCuxで表
現される感温金属で構成しているものである。このx
値によって、キューリー点は-20〜600℃程度と広範囲に
調整することができるものである。
【0028】以下本実施例の動作について説明する。ス
イッチング素子8の制御は、マイコン等によって構成し
た制御手段9が実行している。つまり、調理容器4の温
度を検知する温度検出手段20の情報を受け、この検知
温度に応じてスイッチング素子8のオン時間を変化させ
るようにしているものである。つまり、加熱コイル5が
発生する高周波磁界の強さを温度検出手段20の検知温
度に応じて調整するようにしているものである。
【0029】図3(a)は、本実施例の感温金属からな
る調理容器4をプレート11上に載置した場合に、加熱
コイル5から見た負荷のインダクタンスの温度特性を示
している。また図3(b)は同様に抵抗の温度特性を示
しているものである。どちらの場合も感温金属としての
特性が明確であり、キューリー点Tcを境にインダクタ
ンス或いは抵抗の値が急激に低下している。(以下感温
特性と称する。) そこで本実施例では、この感温特性を利用して温度検出
手段20の検知温度を利用して制御手段9がスイッチン
グ素子8のオン時間を調整するようにしているものであ
る。具体的には、図4に示しているように温度検出手段
20として、スイッチング素子8に流れるコレクタ電流
Icを検知するIc電流検出手段21を使用しているも
のである。本実施例ではIc電流検出手段21はカレン
トトランス等によって構成しており、スイッチング素子
8のコレクタ電流Icに比例した電圧Vsを出力してい
るものである。スイッチング素子8に流れるコレクタ電
流Icと、スイッチング素子8に印加される電圧Eとス
イッチング素子8のオン時間tとの間には、式1に示す
関係が存在している。
【0030】 Ic=(E/L)t (式1) つまり、前記説明の通り調理容器4の温度がキューリー
点を越えるとインダクタンスが急激に低下するため、こ
のコレクタ電流Icは増大する。このIc電流検出手段
21の動作波形Vsは図5(b)に示しているとおりで
ある。すなわち、スイッチング素子8のゲート、つまり
図4のA点を図5(a)のようにオンオフ制御すると、
図4のB点のIc電流検出手段21の出力波形は図5
(b)のようになる。つまり調理容器4の温度がキュー
リー点に到達する以前と、到達してから後のIcを示す
波形は大きく変わるものである。Ic電流検出手段21
からこのIc電流を示す情報Vsを受けた制御手段9
は、調理容器4の温度がキューリー点に到達したことを
認識するものである。制御手段9はこの情報を受ける
と、スイッチング素子8のオン時間を短くして加熱コイ
ル5に印加する電力を小さくするように制御するもので
ある。
【0031】尚図5(b)のIc電流を示す波形Vsを
検出する代わりに、この波形の傾きを検出するようにし
ても同様の効果を発揮することができるものである。ま
たIc電流検出手段21として、本実施例ではカレント
トランスを使用したが、スイッチング素子8のエミッタ
に直列に挿入した抵抗によってこの機能を実現すること
もできる。
【0032】以上のように本実施例によれば、制御手段
9はIc電流検出手段21の出力を常に検出することに
より、調理容器4の温度を非接触で検出することができ
るものである。従って、調理容器4の底の形状が変形し
ていても正確な温度検出ができ、正確な温度制御ができ
るものである。
【0033】次に、温度検出手段20として図6に示し
ているようなVceピークホールド回路22を使用した
場合について説明する。Vceピークホールド回路22
は、スイッチング素子8のコレクタとエミッタ間の電圧
をレベル変換し、ピーク値を保持するものである。すな
わち、抵抗22a・22bは前記スイッチング素子8の
コレクタとエミッタ間の電圧を5V程度にレベル変換し
ているものである。またVceピークホールド回路22
は、コンデンサ22cとトランジスタ22dと抵抗22
eを備えている。トランジスタ22dのベースとエミッ
タ間の電圧がオン電圧以上になるとコンデンサ22cは
充電され、オフになるとコンデンサ22cと抵抗22e
によって決まる時定数によってこの電圧を保持するもの
である。従って、Vceピークホールド回路22はピー
ク値を保持する動作をしている。
【0034】以下本実施例の動作について説明する。調
理容器4は前記したように図3(b)に示すような感温
特性を有している。つまりキューリー点以下の温度では
抵抗が大きいので、図6の点Cに示す共振回路7が蓄え
たエネルギーは、図7(b)に示すように早く減衰する
ものである。またキューリー点以上の温度では抵抗が小
さいので、共振回路7が蓄えたエネルギーの減衰は小さ
くQが高いので、図7(b)に示すようにピーク電圧は
高くなるものである。制御手段9は、Vceピークホー
ルド回路22のこの情報を受けることによって、調理容
器4の温度がキューリー点に到達したかどうかを正確に
認識することができるものである。
【0035】従って本実施例によっても、制御手段9は
Vceピークホールド回路22の出力を常に検出するこ
とにより、調理容器4の温度を非接触で検出することが
でき、調理容器4の底の形状が変形していても、正確な
温度制御ができるものである。
【0036】次に、温度検出手段20として図8に示し
ているような周波数検出手段23をを使用した場合につ
いて説明する。周波数検出手段23は周波数カウンタ等
によって構成しており、共振回路7の共振周波数を検出
しているものである。共振回路7の共振周波数fは、周
知のように式2で表現されるものである。
【0037】 f=1/2π√(LC) (式2) この式2中のインダクタンスLは、調理容器4の感温特
性によって、キューリー点以下の温度では大きく、キュ
ーリー点以上の温度では小さく変化するものである。従
って周波数検出手段23が検出する共振周波数fの値
は、キューリー点以下の温度では低く、キューリー点以
上の温度では高くなるものである。つまり図8の点Dで
の波形は、図9(a)・図9(b)に示しているように
調理容器4の温度がキューリー点以下かキューリー点以
上であるかによって変化するものである。
【0038】以上のように本実施例によれば、制御手段
9が周波数検出手段23の出力がfs以上に達したかど
うかを見ることによって、調理容器4の温度がキューリ
ー点に達したかどうかを認識することができるものであ
る。
【0039】次に、温度検出手段20として図10に示
しているような交流電源1からの入力電流を検知する入
力電流検知手段24を使用した場合について説明する。
入力電流検知手段24としては、交流電源1と整流回路
2との間に接続したカレントトランスを使用している。
【0040】以下本実施例の動作について説明する。調
理容器4の感温特性によって、図10の点Eで測定した
スイッチング素子8のIc・Vcは、図11(a)・図
11(b)に示しているように変化する。つまり、調理
容器4がキューリー点以上になると抵抗が小さくなっ
て、スイッチング素子8のオフ期間中に消費できなかっ
た共振回路7に蓄えられたエネルギーはダイオード25
を通してフィルタ3のコンデンサに回生電流として戻さ
れる。図11(a)の負の部分がこの回生電流を表して
いる。この期間中は、図11(b)に示しているように
E点の電圧もダイオード25の順方向電圧分だけ負にな
っている。高周波スイッチングの一周期間の平均電流は
正の電流と負の電流の差であるため、この期間での消費
電力は小さくなるものである。つまり、入力電流検出手
段24が検出する入力電流はこの期間においては小さく
なるものである。制御手段9はこの入力電流検出手段2
4の情報から、調理容器4がキューリー点に到達したこ
とを正確に検知することができるものである。
【0041】(実施例2)次に、図12に基づいて本発
明の第二の実施例について説明する。本実施例では調理
容器4を温度によって磁性特性が変化する感温金属と、
アルミ又はアルミ合金あるいは銅又は銅合金である非磁
性金属とを積層して構成しているものである。つまり調
理容器4の外側4aは、Fe1-xNixあるいはNi1-x
Cuxで表現される感温金属としており、調理容器4の
内側4bは前記抵抗率の小さい非磁性金属としているも
のである。
【0042】この構成とした調理容器4の感温特性は、
図13に示しているようになる。図13(a)は実施例
1で説明した調理容器4の感温特性を示しており、図1
3(b)は本実施例の調理容器4の感温特性を示してい
る。つまり、非磁性金属としてアルミを使用した場合に
は、キューリー点Tcに到達した場合に、インダクタン
スと抵抗の低下量は非常に大きいものとなる。従って本
実施例の調理容器4を使用した場合には、調理容器4の
温度検出がより明確に正確にできるものである。また、
調理容器4自体の温度分布もアルミ又はアルミ合金ある
いは銅又は銅合金である非磁性金属を使用した場合には
熱伝導率が非常に良いため、均一なものとなる。
【0043】このとき図14に示しているように調理容
器4を、キューリー点の異なる複数の感温金属を積層し
て構成した場合には、感温特性を図15に示すような段
階的な設定とすることができるものである。つまり、調
理容器の外側4aのキューリー点をTc1、中央4bのキ
ューリー点をTc2、内側4cのキューリー点をTc3とす
ると、調理容器4の感温特性は図15(d)に示すよう
なTc1・Tc2・Tc3に応じて電気特性が変化する段階的
なものとなる。なお図15(a)・(b)・(c)は、
それぞれ単体の感温金属を使用したとして説明している
図である。従ってこのような調理容器4を使用した場合
には、よりきめ細かな温度制御が実行できるものであ
る。つまり実施例1の図4で説明したように、温度検出
手段20としてIc電流検出手段21を使用した場合に
は、図16(b)に示すようなキューリー点に応じたコ
レクタ電流Icに比例した電圧Vsを得ることができる
ものである。すなわちIc電流検出手段21は、調理容
器4の温度がキューリー点T c1よりも低い間はVs1を、
調理容器4の温度がキューリー点Tc1とTc2との間であ
るときにはVs2を、調理容器4の温度がキューリー点T
c2とTc3との間であるときにはVs3を、調理容器4の温
度がキューリー点Tc3より高くなるとVs4を出力してい
るものである。
【0044】以上のように、キューリー点の異なる複数
の感温金属を積層して調理容器4を構成した場合には、
複数のキューリー点付近の温度を正確に検出でき、より
きめ細かな温度制御が実行できる誘導加熱装置とするこ
とができるものである。
【0045】尚温度検出手段20としてIc電流検出手
段21に代えて、図6で説明したVceピークホールド
回路22や、図8で説明した周波数検知手段23、ある
いは図10で説明した入力電流検知手段24を使用して
も同様の効果を発揮できるものである。
【0046】またこのとき調理容器4の構成を、図17
・図18に示すようにしても、調理容器4は同様の感温
特性を有するものである。図17に示したものは、キュ
ーリー点の異なる複数の感温金属を同心円上に配置した
構成としたものであり、図18に示したものはキューリ
ー点の異なる複数の感温金属を扇形状に配置した構成と
したものである。
【0047】(実施例3)次に、本発明の第三の実施例
について図19に基づいて説明する。本実施例では調理
容器4を載置するプレート11aとして、熱伝導率が1.
0よりも低い材質のものを使用しており、調理容器4の
側面を覆う立ち上がり部を有しているものである。具体
的にはプレート11aとして、木材・磁器・ゴム等の非
磁性体を使用している。木材の熱伝導率は0.09〜0.31kc
al/m・hr・℃、磁器は0.8〜1.0kcal/m・hr・℃、ゴムは0.1
〜0.2kcal/m・hr・℃であり、いずれも例えばアルミニウ
ム等の金属の熱伝導率60〜200kcal/m・hr・℃に比べて非
常に低いものである。従って、このような低熱伝導率を
有する材料をプレート11aとして使用すると、調理容
器4からの放熱を防止でき保温性を高めた誘導加熱装置
とすることができるものである。特に本実施例で示すよ
うに、プレート11aの形状を調理容器4の側面を覆う
立ち上がり部を有するものとした場合には、この保温性
を高める効果と同時にうっかり調理中の調理容器4に触
れて火傷を負うという事故を防止することもできるもの
である。
【0048】なおプレート11aとして木材を用いた場
合には、見た目に高級感を感じる外観を得ることもでき
る。
【0049】(実施例4)次に本発明の第四の実施例に
ついて説明する。本実施例では図20に示しているよう
に、調理容器4として真空層4cを備えたガラス容器を
使用している。つまり、中瓶4aは内部に実施例1で説
明した感温金属層4dを有しており、外瓶4bとの間を
真空層4cとしているものである。こうすることによっ
て、加熱コイル5の高周波磁界は直接感温金属層4dを
誘導加熱し収容した水等の被調理物を加熱することがで
きるものである。また、調理容器4は真空層4cを備え
ているため、保温性が非常に良く、例えばコーヒー抽出
液等を高温状態でいつでも飲用することができるもので
ある。
【0050】また図21に示しているように、使用する
調理容器4を木材・樹脂等で構成した構成した断熱層4
eと、断熱層4e中に設けている感温金属で構成した感
温金属層4fとで構成するようにすると、保温性が非常
に良く、被調理物を高温状態で保温することができる保
温性の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の第一の手段は、高周波磁界を発
生する加熱コイルと、加熱コイルに高周波電流を供給す
るスイッチング素子と、スイッチング素子のオンオフを
制御する制御手段と、温度によって磁性特性が変化する
感温金属からなる調理容器とを備え、前記制御手段はス
イッチング素子に流れる電流から調理容器の温度を検出
する構成として、温度検出が正確にでき、正確な温度制
御が可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0052】本発明の第二の手段は、特に制御手段は、
スイッチング素子のコレクタとエミッタ間の電圧をレベ
ル変換しピーク値を保持するVceピークホールド回路
によって調理容器の温度を検出する構成として、温度検
出が正確にでき、正確な温度制御が可能な誘導加熱装置
を実現するものである。
【0053】本発明の第三の手段は、制御手段は、加熱
コイルが構成する共振回路の共振周波数を検出する周波
数検知手段によって調理容器の温度を検出する構成とし
て、温度検出が正確にでき、正確な温度制御が可能な誘
導加熱装置を実現するものである。
【0054】また本発明の第四の手段は、特に制御手段
は、交流電源からの入力電流を検知する入力電流検知手
段によって調理容器の温度を検出する構成として、温度
検出が正確にでき、正確な温度制御が可能な誘導加熱装
置を実現するものである。
【0055】本発明の第五の手段は、特に調理容器を、
温度によって磁性特性が変化する感温金属と、アルミ又
はアルミ合金あるいは銅又は銅合金である非磁性金属と
を積層した構成として、感温特性をより明確として温度
検出が正確にでき、正確な温度制御が可能な誘導加熱装
置を実現するものである。
【0056】本発明の第六の手段は、特に調理容器を、
キューリー点の異なる複数の感温金属を積層した構成と
して、複数の温度を正確に検出でき、よりきめ細かな温
度制御が実行できる誘導加熱装置を実現するものであ
る。
【0057】本発明の第七の手段は、特に調理容器を、
キューリー点の異なる複数の感温金属を同心円上に配置
した構成として、複数の温度を正確に検出でき、よりき
め細かな温度制御が実行できる誘導加熱装置を実現する
ものである。
【0058】本発明の第八の手段は、特に調理容器を、
キューリー点の異なる複数の感温金属を扇形状に配置し
た構成として、複数の温度を正確に検出でき、よりきめ
細かな温度制御が実行できる誘導加熱装置を実現するも
のである。
【0059】また本発明の第九の手段は、調理容器を載
置するプレートとして、熱伝導率が1.0よりも低いもの
を使用するようにして、保温性を高めた誘導加熱装置を
実現するものである。
【0060】本発明の第十の手段は、特にプレートが調
理容器の側面を覆うようにして、保温性を高めた誘導加
熱装置を実現するものである。
【0061】また本発明の第十一の手段は、特に調理容
器の外側に断熱層を設けて、保温性を高めた誘導加熱装
置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である誘導加熱装置を示
すブロック図
【図2】同、誘導加熱装置を示す断面図
【図3】同、感温特性を示す説明図
【図4】同、Ic電流検出手段を示すブロック図
【図5】同、Ic電流検出手段の動作を説明する波形図
【図6】同、Vceピークホールド回路を示すブロック
【図7】同、Vceピークホールド回路の動作を説明す
る波形図
【図8】同、周波数検出手段を示すブロック図
【図9】同、周波数検出手段の動作を説明する波形図
【図10】同、入力電流検出手段を示すブロック図
【図11】同、入力電流検出手段の動作を説明する波形
【図12】本発明の第二の実施例である誘導加熱装置に
使用している調理容器を示す断面図
【図13】同、感温特性を説明する説明図
【図14】同、調理容器を示す断面図
【図15】同、感温特性を説明する説明図
【図16】同、Ic電流検出手段の動作を説明する波形
【図17】同、調理容器を示す平断面図
【図18】同、調理容器を示す平断面図
【図19】本発明の第三の実施例である誘導加熱装置に
使用しているプレートを示す断面図
【図20】本発明の第四の実施例である誘導加熱装置に
使用している調理容器を示す断面図
【図21】同、調理容器を示す断面図
【図22】従来の誘導加熱調理器を示すブロック図
【図23】同、誘導加熱調理器を示す断面図
【図24】従来の電子ジャー炊飯器を示す断面図
【符号の説明】
4 調理容器 5 加熱コイル 8 スイッチング素子 9 制御手段 11 プレート 11a プレート 21 IC電流検出手段 22 Vceピークホールド回路 23 周波数検知手段 24 入力電流検知手段
フロントページの続き (72)発明者 山下 秀和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大森 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波磁界を発生する加熱コイルと、加
    熱コイルに高周波電流を供給するスイッチング素子と、
    スイッチング素子のオンオフを制御する制御手段と、温
    度によって磁性特性が変化する感温金属からなる調理容
    器とを備え、前記制御手段はスイッチング素子に流れる
    電流から調理容器の温度を検出する誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 制御手段は、スイッチング素子のコレク
    タとエミッタ間の電圧をレベル変換しピーク値を保持す
    るVceピークホールド回路によって調理容器の温度を
    検出する請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、加熱コイルが構成する共振
    回路の共振周波数を検出する周波数検知手段によって調
    理容器の温度を検出する請求項1記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 制御手段は、交流電源からの入力電流を
    検知する入力電流検知手段によって調理容器の温度を検
    出する請求項1記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 調理容器を、温度によって磁性特性が変
    化する感温金属と、アルミ又はアルミ合金あるいは銅又
    は銅合金である非磁性金属とを積層して構成した請求項
    1から4のいずれか1項に記載した誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 調理容器を、キューリー点の異なる複数
    の感温金属を積層して構成した請求項1から5のいずれ
    か1項に記載した誘導加熱装置。
  7. 【請求項7】 調理容器を、キューリー点の異なる複数
    の感温金属を同心円上に配置して構成した請求項1から
    5のいずれか1項に記載した誘導加熱装置。
  8. 【請求項8】 調理容器を、キューリー点の異なる複数
    の感温金属を扇形状に配置して構成した請求項1から5
    のいずれか1項に記載した誘導加熱装置。
  9. 【請求項9】 調理容器を載置するプレートとして、熱
    伝導率が1.0よりも低いものを使用した請求項1から8
    のいずれか1項に記載した誘導加熱装置。
  10. 【請求項10】 プレートが調理容器の側面を覆う請求
    項9記載の誘導加熱装置。
  11. 【請求項11】 調理容器の外側に断熱層を設けた請求
    項1から9のいずれか1項に記載した誘導加熱装置。
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