JPH0982452A - チップ型静電気保護素子の製造法 - Google Patents

チップ型静電気保護素子の製造法

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JPH0982452A
JPH0982452A JP7235297A JP23529795A JPH0982452A JP H0982452 A JPH0982452 A JP H0982452A JP 7235297 A JP7235297 A JP 7235297A JP 23529795 A JP23529795 A JP 23529795A JP H0982452 A JPH0982452 A JP H0982452A
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electrostatic protection
metal foil
holes
discharge gap
thickness
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JP7235297A
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English (en)
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Koichi Tsuyama
宏一 津山
Koji Nishimura
厚司 西村
Atsushi Suzunaga
厚 鈴永
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電ギャップ型の静電気保護素子において、精
度に優れ、小型化、低コスト化の可能な、チップ型静電
気保護素子の製造法を提供すること。 【解決手段】配線板の製造法を用い、放電ギャップの距
離を測定し、配線部を覆う保護めっきの厚さを制御する
ことにより、放電ギャップの距離を所望の距離にするギ
ャップ調整工程を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電ギャップを有
する有機樹脂製チップ型静電気保護素子の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電気保護素子は、電子機器の静電気保
護に使用されるものであり、通常は、静電気から保護す
るICやLSI素子と並列につなぎ、通常の状態(静電
気パルスのないとき)では、絶縁状態であり回路に影響
を及ぼさないが、静電気パルスが印加されたときにだけ
(図5のS1がonの状態)、保護素子が導通状態とな
り、ICやLSIなどの素子を静電気破壊から保護する
ものである。従来、静電気からICやLSIなどを保護
する素子には、バリスタ、ツェナダイオード、放電ギャ
ップ素子などがあり、用途によって使い分けられてい
る。バリスタやツェナダイオードの場合、もれ電流が大
きいこと、またツェナダイオードの場合、極性をもつた
め、単一では正電荷もしくは負電荷のいずれかにしか用
いることができず、正負の両方に適用するためには、2
個のツェナダイオードを対向させる必要があり、コスト
高になることなどの問題があった。これらに対し、放電
型素子は、もれ電流が小さく、原理的にも簡単であり、
故障もしにくいという長所がある。また、放電電圧は、
放電ギャップの調整や、さらに、放電ギャップを封止構
造とする場合、ガスの圧力、ガスの種類を変えることな
どによって決められる。
【0003】実際に市販されている素子としては、円柱
状のセラミックス表面に導体被膜を形成し、レーザ等に
よってその被膜に放電ギャップを設け、これをガラス封
管したものがあり、例えば、ダイヤサージプロテクタ
(三菱マテリアル株式会社製、商品名)等が知られてい
る。また、配線板上に、直接、放電ギャップを配線形成
する方法としては、特開平2−223182号公報、特
開平3−89588号公報、特開平3−261086号
公報、特開平4−22086号公報、特開平5−678
51号公報等により知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】市販されているガラス
封管型の放電ギャップ型素子は、特性に極めて優れるも
のの、その形態が複雑なことから、小型の表面実装用素
子(以下、チップという。)サイズ、例えば、1〜2mm
幅、2〜4mm長、1〜2mm厚というサイズにすることは
困難であり、また、構成材料の種類も多く、コストを下
げることも困難であると予想される。
【0005】一方、特開平2−223182号公報、特
開平3−89588号公報、特開平3−261086号
公報、特開平4−22086号公報、特開平5−678
51号公報等に示されているものは、基本的に基板上に
放電ギャップを形成する方法であるが、通常の方法で
は、形成できる放電ギャップのギャップ間距離は、15
0μm以上であり、また、その形成精度も、プラスマイ
ナス20から30μm程度である。実際に特開平2−2
23182号公報では数mm、特開平3−89588号公
報では4mm、特開平3−261086号公報では0.5
mm、特開平5−67851号公報では0.15mmが、放
電ギャップの距離として例示されている。これらの値の
ギャップでは、放電電圧が高く、保護効果に限界があ
り、静電気に敏感なICやLSIの保護には適さない。
すなわち、平行電極間の放電電圧とギャップの関係は、
静「静電気ハンドブック」221頁(電気学会編,昭和6
3年6月20日オーム社発行)の式から作図した図4に
示すように、前記従来の技術で作成できる最小のギャッ
プは、0.15mmであるが、平行電極間の放電電圧は、
1.5kV程度に達する。突起型電極とした場合には、1
〜2割程度放電電圧が低下するものの、電源電圧が低い
ICやLSI等の保護には用いることができず、また、
ギャップの形成精度が低い。
【0006】また、前記の公報には、いずれも、使用環
境からの放電ギャップ部分の保護等が示されていない
が、この保護がなければ、環境中の湿度やガスのため、
導体表面の汚染等により放電電圧の変化が起こることが
予想される。そこで、保護のために、直接、通常のレジ
スト類を被覆してしまうと、放電ギャップ部分に、レジ
スト類が充填されてしまい、放電電圧の大幅な上昇が起
こり実用的でない。また、仮に、レジスト類を充填した
状態で静電気保護が得られるような極めて微小なギャッ
プが形成できたとしても(レジスト類が充填された場
合、ギャップ間隙を1から2μm以下にしないと、保護
効果の得られる放電電圧とならず、実際的ではない
が)、この様な状態で放電が起こると、放電ギャップに
充填されたレジスト類に微小な劣化が起こり、絶縁抵抗
の低下、場合によっては導通が起こるという課題があ
る。
【0007】本発明は、放電ギャップ型の静電気保護素
子において、精度に優れ、小型化、低コスト化の可能
な、チップ型静電気保護素子の製造法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型静電気
保護素子は、 a.両面金属箔張り積層板であって、その少なくとも片
面の金属箔の厚さが3から10μmの、両面金属箔張り
積層板の金属箔の不要な箇所をエッチング除去すること
によって放電ギャップとそれぞれのギャップを形成する
パターンに接続された配線部を有する複数の静電気保護
素子を形成する基板作成工程、 b.前記放電ギャップの距離を測定し、配線部を覆う保
護めっきの厚さを制御することにより、放電ギャップの
距離を所望の距離にするギャップ調整工程、 c.絶縁材料の、前記放電ギャップを有する複数の静電
気保護素子の部分に該当する位置に、前記静電気保護素
子と同じ数の穴を開ける工程、 d.前記基板と、前記穴の開いた絶縁材料と、片面金属
箔張り積層板とを、最外層が金属箔となるように、か
つ、前記穴の開いた絶縁材料の穴の位置と前記基板上の
静電気保護素子の位置とを合せて、積層接着する工程、 e.この積層接着物の静電気保護素子の配線部を切断す
るように、スルーホールをあける工程、 f.スルーホールの内壁を導体化する工程、 g.積層接着物の表面に、前記導体化されたスルーホー
ルと接続されたランドを形成する工程、 h.前記スルーホールを切断することによって、この切
断面が端面接続用端子となるように、個々の素子に切り
分ける工程、 によって製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】また、前記工程a,bを、 a1.両面金属箔張り積層板であって、その少なくとも
片面の金属箔の厚さが3から10μmの、両面金属箔張
り積層板の金属箔の表面に、配線部と放電ギャップの形
状に保護めっきを行ない、不要な箇所をエッチング除去
することによって放電ギャップとそれぞれのギャップを
形成するパターンに接続された配線部を有する複数の静
電気保護素子を形成する基板作成工程、に置き換えて作
製することもでき、このようにすることによって、端子
接続部分が補強され、チップ型静電気保護素子の温度変
化に対する信頼性を向上することができる。
【0010】即ち、素子の設置される場所の環境温度変
化等による温度変化による熱ストレスは、静電気保護素
子配線部が端面接続用の穴部分と接続するところに集中
しやすいので、静電気保護素子配線部のこの部分の厚さ
を厚くすることが、接続信頼性を向上するのに効果があ
る。その厚さは、厚いほど効果があるが、あまり厚い
と、製造上の負担(作業時間の増加、材料の増加、樹脂
材料による埋め込み性低下にともなう積層接着条件の変
更など)が増加し、また、ある程度以上の厚さになる
と、それ以上厚くしても、その効果が小さくなることか
ら、その厚さは、10から50μmが適している。な
お、このような構造とする方法としては、上記のめっき
による方法の他、エッチングで残す方法等、種々の方法
がある。
【0011】本発明に用いる、静電気保護素子である放
電ギャップと放電ギャップを形成するそれぞれのパター
ンに接続された配線部を形成するための金属箔は、導電
性、耐腐食性、配線形成のしやすさなどから選択され、
銅、ニッケル、金、銀、アルミニウムやこれらの合金等
が適している。この静電気保護素子の配線部の導体の最
低限の厚さは、瞬間的に流れる静電気を逃がすのに充分
な厚さがあればよく、この厚さは極めて薄くてもよいの
で、実際には、製造のしやすさおよびコストから、厚さ
は決められる。実際上の問題として、静電気保護素子配
線部の厚さは、3μm以下では、厚さ精度の管理が難し
く、また、ピンホールの発生も避けがたく、10μmを
越えると、放電ギャップ間隙の形成精度が低下し、均一
な特性を得ることが困難になる。さらに、配線を形成す
るために使用する金属箔としては、極薄銅箔やアルミニ
ウムキャリア付きの極薄銅箔、銅(キャリア)/ニッケ
ル合金(ストッパ)/銅(極薄銅)の複合箔を用いる方
法などがある。
【0012】この3層の複合箔を用いた場合、本発明の
両面金属箔張り積層板を、 i.10から50μmの範囲の厚さの第1の銅層と、3
から10μmの範囲の厚さの第2の銅層と、その2つの
銅層の中間層として厚さが1μm以下のニッケルあるい
はその合金層を有する金属箔の第2の銅層が絶縁基板に
接触するように、張りあわされた絶縁基板を作製する工
程、 j.第1の銅層を除去する工程、 k.さらに、中間層を除去し、第2の銅層を露出させる
工程、 によって作成することができる。
【0013】また、この3層の複合箔を用いて、前記工
程a及びbを、 i.10から50μmの範囲の厚さの第1の銅層と、3
から10μmの範囲の厚さの第2の銅層と、その2つの
銅層の中間層として厚さが1μm以下のニッケルあるい
はその合金層を有する金属箔の第2の銅層が絶縁基板に
接触するように、張りあわされた絶縁基板を作製する工
程、 j.第1の銅層を除去する工程、 k1.さらに、中間層を配線部と放電ギャップの形状を
残して他の部分を除去し、 第2の銅層を露出させる工
程、 に置き換えることも可能である。
【0014】穴を開けた絶縁材料については、種々の態
様があるが、少なくとも、放電ギャップ部分と接する基
材の材料には、フッ素系樹脂やポリイミド系樹脂が、放
電によって劣化しにくいことから、特に望ましい。フッ
素系樹脂には、ポリテトラフルオロエチレンや、テトラ
フルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン
共重合体のような共重合体、フッ素系樹脂を他の有機樹
脂で変性した変性樹脂等が使用可能である。価格から
は、ポリテトラフルオロエチレンが安く好適である。ま
た、成形温度が低いことから、テトラフルオロエチレン
/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体や、さらに
低いテトラフルオロエチレン/エチレン共重合体が適し
ている。ポリイミド系樹脂の場合、銅箔にポリイミド系
樹脂を接着剤なしで直接接着したものが望ましい。ま
た、変性を行ったポリイミドも使用可能である。本発明
のチップ型静電気保護素子の構成材料の一部もしくは全
部に強化材入りの樹脂基材を用いるか否か等について
は、種々の態ようがあり、機械強度や目的、コストなど
によって選択される。なお、強化材としては、例えば、
ガラス布、ガラス紙等がある。
【0015】具体的には、穴を開けた絶縁材料と他の材
料との接着には、穴を開けた絶縁材料そのものにその後
の工程で接着が可能な樹脂材料(例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂フィルムやプリプレグ)を用いる方
法や、また、接着性のない絶縁材料表面に軟化点の低い
材料を被覆する方法によって行うこともでき(図1に示
す。)、また、穴の開いた絶縁材料と他の絶縁板材料と
の間に、穴の開いた絶縁材料の樹脂よりも軟化点が低
く、かつ、その厚さが5から30μmである樹脂フィル
ムを介挿し、このフィルムによって接着することもでき
る(図2に示す。)。なお、この両方を併用し、即ち、
穴を開けた絶縁材料の表面には、軟化点の低い材料を形
成しておき、その上に、後者の樹脂フィルムを介挿して
積層接着する方法を用いてもよい。この場合、上記の望
ましい範囲に相当する厚さは、穴の開いた絶縁材料の表
面に形成した軟化点の低い材料と樹脂フィルムとをあわ
せた厚さとなる。これらの場合、接着時の樹脂フィルム
の流動によって、放電ギャップが充填されないように、
樹脂フィルムの種類、積層接着条件、放電ギャップの大
きさや形状、空隙の形状等を適切に選ぶ必要がある。積
層接着において、例えば、接着以外の絶縁材料には、ポ
リテトラフルオロエチレンを用い、接着には、ポリテト
ラフルオロエチレンに比べて軟化点の低いテトラフルオ
ロエチレンとエチレンの共重合体を用いる組合わせ等が
ある。このような組合わせにすることにより、積層接着
する時に、静電気保護素子配線部の形成物に用いられて
いる樹脂材料の軟化点よりも低い材料を用いているの
で、積層接着温度を低くでき、静電気保護素子の配線部
の形成物の熱歪みを小さくすることができる。
【0016】
【作用】本発明の、放電ギャップを、通常のエッチング
法で形成した後、その距離を確認した上で、その放電ギ
ャップ部分のパターン上に必要なめっきを施すことによ
って、放電ギャップ間隔を高精度に形成できるものであ
る。また、放電ギャップ部分のパターン形状にめっきを
行なった上で、不要な導体をエッチング除去する場合も
同様である。
【0017】放電特性の上では、上記めっきによって、
基材との接触面におけるギャップ間隔よりも、導体表面
におけるギャップ間隔が小さくなるため、沿面放電では
なく、気中放電となり、基材面の微細な凹凸の影響を受
けにくくなり、また、放電による基材面の劣化も実質上
起こらなくなる。また、めっきを行なった上で、不要な
導体をエッチング除去する場合でも、そのエッチング除
去をオーバーエッチングとすることによって、めっき部
分がオーバーハングするので、上記めっきの場合と同様
に気中放電となり、基材面の微細な凹凸の影響を受けに
くくなり、また、放電による基材面の劣化も実質上起こ
らなくなる。
【0018】環境からの保護については、その放電ギャ
ップの部分の周囲に空隙を形成し、放電部分を外部から
隔離された構造とし、基板の断面などから透過してきた
環境物質、例えば、水蒸気、亜硫酸ガスなどが微量なが
ら入り込み、静電気保護素子配線部を腐食することがな
い。また、放電ギャップ部分に接する基材にフッ素系樹
脂やポリイミド系樹脂を用いることにより、放電による
劣化が起こりにく、放電ギャップ部分に一般的な樹脂を
用いた時に比べて、安全性が高い。
【0019】本発明の、軟化点の低い樹脂フィルムを基
材と外層金属箔との間に介挿すると、放電ギャップパタ
ーンと配線部を支持する基材に、機械的強度を保つため
の強化材入り樹脂を用いた場合、環境物質が強化材界面
から拡散する影響を抑制でき好ましい。このような保護
層を設けることは、放電ギャップ部分を充填してしまう
おそれがあるが、この部分には熱圧着時の圧力がかかっ
ていないことから、高温時の粘度の高い樹脂フィルムの
選択と、接着条件の選択によって、放電ギャップ部分の
みを充填されないように被覆することが可能である。こ
の時の樹脂フィルムの厚さは、5〜30μmの範囲がの
ぞましく、30μmを越えると、樹脂フィルムの選択
と、接着条件の選択によって、放電ギャップ部分のみを
充填されないようにすることが困難であり、フィルムの
厚さの下限は、フィルム製造の可能限界、および、その
取扱性、ピンホールの有無等から決まり、その値は5μ
m程度である。
【0020】
【実施例】
実施例1 厚さが5μmの極薄銅箔を、一方の面に、他方の面には
通常の18μmの銅箔を張りあわせた銅張り積層板を作
製した(図1(a)に示す。)。この積層板の基材に
は、自家製のガラス布強化ポリテトラフルオロエチレン
樹脂プリプレグを用い、プレス条件を、温度380℃、
時間90分間、圧力20kg/cm2として作製した。電
着レジストであるゾンネEDUV(関西ペイント株式会
社製,商品名)を、基板に付着させ、露光、現像等一連
の作業を行って、レジストパターンを形成した。このレ
ジストパターンから露出した銅箔を、塩化第二銅溶液に
よる化学エッチング液を噴霧することによって、静電気
保護素子の放電ギャップパターンとそれに接続される配
線部のパターンの形成した基板を作成した。パターン形
状は、放電ギャップを有する複数の静電気保護素子が配
線部を挾んで縦方向には直列となるように配列し、横方
向には1列の連続した配列を並行に整列した形状とした
(図1(b)に示す。)。この時、試験のために、放電
ギャップの間隙距離は、100μmになるように、エッ
チング条件(エッチング液の組成、温度、噴霧圧力、時
間)を制御し、無電解銅めっきによって、放電ギャップ
と配線部にめっきを行い、放電ギャップの距離が、30
μmとなるようにめっき時間を制御した基板と、50μ
mとなるようにめっき時間を制御した基板を作成した。
実際に生産するときには、エッチング条件を粗調整して
おき、基板の平均的にエッチングされた箇所のギャップ
間隔を測定し、その間隔と、必要とするギャップ間隔と
の差から、めっき時間を制御することによって、めっき
による作業誤差の範囲で、ギャップ間隔の精度を求める
ことができる。別途、厚さ125μmのポリイミドフィ
ルムであるアピカル(鐘淵化学工業株式会社製、商品
名)の両面に、テトラフルオロエチレンとエチレンの共
重合体であるアフレックスフィルム(旭ガラス株式会社
製、商品名)の6μmの厚さのものと銅箔を重ねあわ
せ、プレス条件を、温度280℃、時間30分間、圧力
20kg/cm2で、熱圧着した(図1(c)に示
す。)。このものに、空隙形成用の穴を、穴径が1.4
mmとなるようにドリルで開けた後(図1(d)に示
す。)、前記化学エッチング液を噴霧して両面の銅箔を
除去し、穴開きの絶縁材料(図1(e)に示す。)を得
た。先に作製した基板(図1(c)に示す。)と、穴開
きの絶縁材料(図1(f)に示す。)と、片面に銅箔付
きのポリテトラフルオロエチレン樹脂製積層板を積層
し、加圧加熱して接着した(図1(g)に示す。)。こ
のようにして作成した積層物に、穴をあけ(図1(h)
に示す。)、穴内壁及び銅箔全面に15μmの厚さのめ
っきを行い(図1(i)に示す。)、ランド部の形状に
エッチングレジストを形成し、前記化学エッチング液を
噴霧して、ランド部を形成した(図1(j)に示
す。)。
【0021】実施例2 実施例1と同一材料、同一工程で、銅張り積層板の片面
に、静電気保護素子のパターンを形成した基板を作成し
た(図2(a)及び(b)に示す。)。この後、無電解
銅めっきによって、実施例と同じく、放電ギャップの距
離を30および50μmとなるようにした(図2(c)
に示す。)。別途、厚さ125μmのポリイミドフィル
ムであるアピカル(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)
に、空隙形成用の穴を、穴径が1.4mmとなるようにド
リルで開けて、穴開きの絶縁材料を得た(図2(d)に
示す。)。先に作製した基板と、穴開きの絶縁材料と、
この穴開きの絶縁材料の両面に、テトラフルオロエチレ
ンとエチレンの共重合体であるアフレックスフィルム
(旭ガラス株式会社製、商品名)の6μmの厚さのもの
と、片面に銅箔付きのポリテトラフルオロエチレン樹脂
製積層板とを重ねあわせ、プレス条件を、温度280
℃、時間30分間、圧力20kg/cm2で、加熱圧着し
た(図2(e)に示す。)。この積層物に、穴をあけ(図2
(f)に示す。)、穴内壁と銅箔全面に15μmの厚さ
のめっきを行い(図2(g)に示す。)、エッチングレ
ジストを形成し、前記化学エッチング液によって、ラン
ドを形成した(図2(h)に示す。)。
【0022】実施例1,2で作製したチップ型静電気保
護素子基板を、静電気保護素子単位となるように切断し
た個々の素子を用いて放電電圧の測定とICの保護効果
の確認を行った。放電電圧については、直流電圧で測定
を行った。ICの保護効果については、図5の回路を用
い、パルス発生器ESD8012(三基電子工業株式会
社製、商品名)で、電圧10kV、波形IEC801−
2規定の静電気パルスを、TTLICであるSN751
89AN(テキサスインスツルメンツ社製、商品名)の
入力端子に、パルス間隔1秒で10パルスを連続して加
えて、その後にICの動作確認を行った。放電電圧は、
実施例1,2ともに、放電ギャップが30μmのもので
は450〜530V(実施例1,2それぞれ5個づつ、
計10の結果)、50μmのものでは、650〜750
V(実施例1,2それぞれ5個づつ、計10の結果)の
範囲であった。また、ICの保護効果についての試験で
は、実施例1,2のいずれのものも、試験後にICは正
常に動作した。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によっ
て、放電ギャップの精度を高くでき、放電電圧を正確に
コントロールでき、かつ、比較的簡便であり低コスト
で、静電気保護素子を製造する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(k)は、それぞれ本発明の一実施例
を説明するための各工程を示す図であり、(a)及び
(c)〜(j)は断面図、(b)は工程(a)の配線部
を示す平面図、(k)は、各素子への切断の仕方を示す
平面図である。
【図2】(a1)〜(h)は、それぞれ本発明の他の実
施例を説明するための各工程を示す図であり、(a1)
及び(c)〜(h)は断面図、(b)は工程(a)の配
線を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例のチップ型静電気保護素子の
外観斜視図である。
【図4】本発明の課題を説明するための平行電極のギャ
ップ間距離と火花電圧の関係を示す線図である。
【図5】本発明の効果を説明するための測定方法を説明
するブロック図である。
【符号の説明】 120.基材 130.銅箔 140.端面接続用パッド 150.静電気
保護素子配線部 151.めっき 121.基材 122.軟化点の低い基材 123.基材 160.空隙形成用の穴 161.空隙 170.端面接続用の穴 180.めっき 190.端面接続用端子 191.切断線 124.軟化点の低い基材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(k)は、それぞれ本発明の一実施例
を説明するための各工程を示す図であり、(a)及び
(c)〜(j)は断面図、(b)は工程(a)の配線部
を示す平面図、(k)は、各素子への切断の仕方を示す
断面図である。
【図2】(a)〜(h)は、それぞれ本発明の他の実施
例を説明するための各工程を示す図であり、(a)及び
(c)〜(h)は断面図、(b)は工程(a)の配線を
示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例のチップ型静電気保護素子の
外観斜視図である。
【図4】本発明の課題を説明するための平行電極のギャ
ップ間距離と火花電圧の関係を示す線図である。
【図5】本発明の効果を説明するための測定方法を説明
するブロック図である。
【符号の説明】 120.基材 130.銅箔 140.端面接続用パッド 150.静電気保
護素子配線部 151.めっき 121.基材 122.軟化点の低い基材 123.基材 160.空隙形成用の穴 161.空隙 170.端面接続用の穴 180.めっき 190.端面接続用端子 191.切断線 124.軟化点の低い基材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.両面金属箔張り積層板であって、その
    少なくとも片面の金属箔の厚さが3から10μmの、両
    面金属箔張り積層板の金属箔の不要な箇所をエッチング
    除去することによって放電ギャップとそれぞれのギャッ
    プを形成するパターンに接続された配線部を有する複数
    の静電気保護素子を形成する基板作成工程、 b.前記放電ギャップの距離を測定し、配線部を覆う保
    護めっきの厚さを制御することにより、放電ギャップの
    距離を所望の距離にするギャップ調整工程、 c.絶縁材料の、前記放電ギャップを有する複数の静電
    気保護素子の部分に該当する位置に、前記静電気保護素
    子と同じ数の穴を開ける工程、 d.前記基板と、前記穴の開いた絶縁材料と、片面金属
    箔張り積層板とを、最外層が金属箔となるように、か
    つ、前記穴の開いた絶縁材料の穴の位置と前記基板上の
    静電気保護素子の位置とを合せて、積層接着する工程、 e.この積層接着物の静電気保護素子の配線部を切断す
    るように、スルーホールをあける工程、 f.スルーホールの内壁を導体化する工程、 g.積層接着物の表面に、前記導体化されたスルーホー
    ルと接続されたランドを形成する工程、 h.前記スルーホールを切断することによって、この切
    断面が端面接続用端子となるように、個々の素子に切り
    分ける工程、 を含むことを特徴とするチップ型静電気保護素子の製造
    法。
  2. 【請求項2】a1.両面金属箔張り積層板であって、そ
    の少なくとも片面の金属箔の厚さが3から10μmの、
    両面金属箔張り積層板の金属箔の表面に、配線部と放電
    ギャップの形状に保護めっきを行ない、不要な箇所をエ
    ッチング除去することによって放電ギャップとそれぞれ
    のギャップを形成するパターンに接続された配線部を有
    する複数の静電気保護素子を形成する基板作成工程、 c.絶縁材料の、前記放電ギャップを有する複数の静電
    気保護素子の部分に該当する位置に、前記静電気保護素
    子と同じ数の穴を開ける工程、 d.前記基板と、前記穴の開いた絶縁材料と、片面金属
    箔張り積層板とを、最外層が金属箔となるように、か
    つ、前記穴の開いた絶縁材料の穴の位置と前記基板上の
    静電気保護素子の位置とを合せて、積層接着する工程、 e.この積層接着物の静電気保護素子の配線部を切断す
    るように、スルーホールをあける工程、 f.スルーホールの内壁を導体化する工程、 g.積層接着物の表面に、前記導体化されたスルーホー
    ルと接続されたランドを形成する工程、 h.前記スルーホールを切断することによって、この切
    断面が端面接続用端子となるように、個々の素子に切り
    分ける工程、 を含むことを特徴とするチップ型静電気保護素子の製造
    法。
  3. 【請求項3】両面金属箔張り積層板が、 i.10から50μmの範囲の厚さの第1の銅層と、3
    から10μmの範囲の厚さの第2の銅層と、その2つの
    銅層の中間層として厚さが1μm以下のニッケルあるい
    はその合金層を有する金属箔の第2の銅層が絶縁基板に
    接触するように、張りあわされた絶縁基板を作製する工
    程、 j.第1の銅層を除去する工程、 k.さらに、中間層を除去し、第2の銅層を露出させる
    工程、 によって、少なくとも片面の金属箔が3から10μmの
    厚さの、両面金属張り積層板であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のチップ型静電気保護素子の製造
    法。
  4. 【請求項4】両面金属箔張り積層板が、 a.i.10から50μmの範囲の厚さの第1の銅層
    と、3から10μmの範囲の厚さの第2の銅層と、その
    2つの銅層の中間層として厚さが1μm以下のニッケル
    あるいはその合金層を有する金属箔の第2の銅層が絶縁
    基板に接触するように、張りあわされた絶縁基板を作製
    する工程、 j.第1の銅層を除去する工程、 k1.さらに、中間層を配線部と放電ギャップの形状を
    残して他の部分を除去し、第2の銅層を露出させる工
    程、 c.絶縁材料の、前記放電ギャップを有する複数の静電
    気保護素子の部分に該当する位置に、前記静電気保護素
    子と同じ数の穴を開ける工程、 d.前記基板と、前記穴の開いた絶縁材料と、片面金属
    箔張り積層板とを、最外層が金属箔となるように、か
    つ、前記穴の開いた絶縁材料の穴の位置と前記基板上の
    静電気保護素子の位置とを合せて、積層接着する工程、 e.この積層接着物の静電気保護素子の配線部を切断す
    るように、スルーホールをあける工程、 f.スルーホールの内壁を導体化する工程、 g.積層接着物の表面に、前記導体化されたスルーホー
    ルと接続されたランドを形成する工程、 h.前記スルーホールを切断することによって、この切
    断面が端面接続用端子となるように、個々の素子に切り
    分ける工程、 を含むことを特徴とするチップ型静電気保護素子の製造
    法。
  5. 【請求項5】穴を開けた絶縁材料が、フッ素系樹脂また
    はポリイミド系樹脂から選択されたものであることを特
    徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載のチップ
    型静電気保護素子の製造法。
  6. 【請求項6】穴を開けた絶縁材料が、その表面の5から
    30μmの厚さだけ軟化点の低い樹脂材料によって形成
    されたものであることを特徴とする請求項1から5のう
    ちいずれかに記載のチップ型静電気保護素子の製造法。
  7. 【請求項7】工程dにおいて、積層接着が、穴を開けた
    絶縁材料の両面に、穴の開いた絶縁材料の樹脂よりも軟
    化点が低く、かつ、その厚さが5から30μmの範囲で
    ある樹脂フィルムを介挿することによって行われること
    を特徴とする請求項1から5のうちいずれかに記載のチ
    ップ型静電気保護素子の製造法。
  8. 【請求項8】軟化点の低い樹脂材料が、エチレン/テト
    ラフルオロエチレン共重合体であり、他の基材の樹脂が
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂とポリイミド樹脂から
    選択された樹脂であることを特徴とする請求項1から7
    のうちいずれかに記載のチップ型静電気保護素子の製造
    法。
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DE19615395A DE19615395C2 (de) 1995-04-18 1996-04-18 Funkenstrecken-Schutzvorrichtung und Verfahren zu ihrer Herstellung
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JP2007317542A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Mitsubishi Materials Corp サージアブソーバ

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JP2007317541A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Mitsubishi Materials Corp サージアブソーバ
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