JPH0980753A - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH0980753A
JPH0980753A JP7235633A JP23563395A JPH0980753A JP H0980753 A JPH0980753 A JP H0980753A JP 7235633 A JP7235633 A JP 7235633A JP 23563395 A JP23563395 A JP 23563395A JP H0980753 A JPH0980753 A JP H0980753A
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JP
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group
acid
photosensitive composition
resist
general formula
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JP7235633A
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Inventor
Makoto Nakase
真 中瀬
Naoko Kihara
尚子 木原
Toru Gokochi
透 後河内
Takuya Naito
卓哉 内藤
Satoshi Saito
聡 斎藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学放射線に対して高い感度及び高解像性を
有するとともに、十分なドライエッチング耐性を備え、
かつパターン形成の工程を通じて、環境雰囲気に対する
耐性を有する感光性組成物を提供する。 【解決手段】 下記化1に示す一般式(1)で表わされ
る化合物と、化学放射線の照射によって酸を発生する化
合物とを含有することを特徴とする感光性組成物であ
る。 【化1】 (上記一般式(1)中、Arはベンゼン環または縮合芳
香環、Xは2価の有機基、Yは水素原子または1価の有
機基、Zは1価の有機基またはハロゲン原子、Rは酸に
よって分解する置換基、aおよびbは0または正の整
数、mおよびnは、m+n=1の関係を満たす0から1
までの間の数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子等の製
造における微細加工に用いられるレジスト材料として好
適な感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIなどの半導体集積回路を初めとす
る各種の電子部品は、リソグラフィー技術を用いた超微
細加工が施されており、その加工工程にはレジストが広
く用いられている。特に最近では、電子部品の高密度
化、大容量化を図るために、レジストパターンの微細化
が要求されている。微細なレジストパターンを形成する
ための一つの施策として、露光光源の短波長化が行なわ
れており、例えば、従来のi線(波長365nm)から
KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、ArF
エキシマレーザー光(波長193nm)、さらには電子
線、X線等の電離放射線を用いることが試みられてい
る。このような露光光の短波長化に対応して、高感度、
高解像力、かつ、ドライエッチング耐性を有するレジス
ト材料の開発が望まれている。
【0003】このような超微細加工に用いられているレ
ジストとしては、例えば、特開昭63−27829号な
どに開示されている化学増幅型レジストが挙げられる。
この化学増幅型レジストは、アルカリ可溶性樹脂と、溶
解抑止剤と、光酸発生剤とを含有する組成物であり、未
露光の状態では溶解抑止剤によってアルカリ現像液への
溶解が抑えられている。
【0004】一方、基板上に形成されたレジスト膜に紫
外線、X線、または高エネルギーの電子線等を照射する
ことにより、前記光酸発生剤が分解して酸が発生し、さ
らに、ベーキング処理を施すと、この酸が触媒として作
用して溶解抑止剤が分解される。これによって、露光部
分がアルカリ溶解性を呈して現像液に溶解し、パターン
が形成されるものであり、かかるレジストはポジ型のレ
ジストである。一方、ネガ型の化学増幅型レジストは、
アルカリ可溶性樹脂、架橋剤、および光酸発生剤を含有
するものであり、ポジ型の場合と同様に露光によって生
じた酸が触媒として作用し、アルカリ可溶性樹脂が架橋
して高分子量化が生じ、現像液に対して不溶化すること
によってネガ型のパターンが得られる。
【0005】上述の酸触媒型の化学増幅型レジストを用
いたパターン形成では、露光によって微量の酸を発生さ
せて、この酸を触媒とする連鎖反応を利用していること
から、極めて高い感度が得られる。しかしながら、触媒
として作用するのが微量の酸であるため、雰囲気や用い
られる基板によっては、所望のパターンを形成すること
ができず、レジストパターンの寸法が変化したり、パタ
ーンの断面形状がひさし形状または裾引き形状になると
いう現象が生じていた。このような現象は、塗布、露
光、ベーキングおよび現像の間の待機時間の違いによっ
ても、しばしば発生しており、次のように考察される。
すなわち、露光によってレジスト中に発生した酸が、大
気中に含まれる微量の塩基性物質や基板上に吸着した微
量の塩基性物質などによって中和され、失活し、酸が不
足した状態になることから、ポジ型レジストでは難溶化
層が形成されて寸法が太り、逆にネガ型レジストの場合
には、溶解層が形成されて寸法が細ってしまう。
【0006】このように、化学増幅型レジストにおいて
は、その特徴であるところの高感度性が逆に作用して、
環境雰囲気の影響による解像性の低下を招いていた。こ
れに対し、化学増幅型レジストの環境安定性を向上させ
るために、各種の方法が報告されており、その一つは、
レジスト層の上層に雰囲気から遮断する保護膜を設け
る、あるいは基板を前処理するなどのプロセスによる対
策である。他の方法は、材料面からの対策であり、例え
ば、特開昭63−149640号には、アミン化合物を
添加することが記載されている。さらに、J.Phot
opoly.Sci.Technol.,vol.6,
no.4,p.547,(1993)には、樹脂のガラ
ス転移温度を低下させることによって、樹脂の自由体積
が減少して塩基性物質のレジストへの吸着量を低減さ
せ、環境安定性が向上することが記載されている。この
場合、ガラス転移温度以上の温度で露光前にベーキング
を施すことによって、樹脂の自由体積は効果的に減少
し、さらに環境安定性が向上するので好ましいとされて
いる。
【0007】なお、化学増幅型レジストにおいては、溶
解抑止基をアルカリ可溶性樹脂の一部に導入して、高分
子の溶解抑止剤として使用することもでき、従来は、下
記化2に示す一般式(2)で表わされるパラ位の異性体
ポリ(t−ブトキシカルボニロキシスチレン)が用いら
れていた。この化合物は、下記化3に示す一般式(3)
で表わされるように、溶解抑止基の位置をメタ位とする
ことで、ガラス転移温度がある程度低下することが知ら
れている。
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】また、J.Photopoly.Sci.
Technol.,vol.7,no.3,p.433
(1994)には、化4に示す一般式(4)で表わされ
る4−ヒドロキシスチレンと、t−ブチルアクリレート
との共重合体が、ガラス転移温度の低い高分子の溶解抑
止剤として報告されている。
【0011】
【化4】
【0012】しかしながら、一般式(3)で表わされる
樹脂は、未露光部の溶解速度があまり低下せず、露光部
と未露光部との溶解速度コントラストが取れないため、
解像力が十分ではない。
【0013】また、一般的に、溶解抑止基が分解した後
は、フェノール性の水酸基が形成されると、アルカリ現
像液への溶解がスムーズに進むので高い解像力が得ら
れ、好ましいとされているが、一般式(4)で表わされ
る樹脂では、溶解抑止基が分解した後に形成されるのは
カルボン酸である。このため、pKaが低くなりすぎ
て、アルカリ現像液への溶解が不規則となり、解像力が
低下する。さらに、この樹脂は、スチレン系化合物とア
クリル系化合物との共重合体であるために、前述の一般
式(2)および(3)で表わされる化合物と比較して、
樹脂中の芳香環の割合が相対的に少なくなり、十分なド
ライエッチング耐性を得ることができない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点を
鑑みてされたものであり、紫外線または電離放射線等の
化学放射線に対して高い感度を有し、解像性に優れると
ともに、十分なドライエッチング耐性を備え、かつパタ
ーン形成の工程を通じて、環境雰囲気に対する耐性が高
く、パターンの断面にひさし形状や裾引き形状などの生
じないレジスト材料として好適な感光性組成物を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、下記一般式(1)で表わされる化合物
と、化学放射線の照射によって酸を発生する化合物とを
含有することを特徴とする感光性組成物を提供する。
【0016】
【化5】
【0017】上記一般式(1)中、Arは、ベンゼン環
または縮合芳香環であり、特に、ナフタレン環、アント
ラセン環またはフェナントレン環の場合には、感光性組
成物の透明性が向上するので好ましい。Xは、2価の有
機基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、または
プロピレン基等が挙げられる。Yは、メチル基、エチル
基およびプロピル基等の1価の有機基;または水素原子
である。また、Zは、メチル基、エチル基、プロピル
基、塩素、臭素およびヨウ素等の1価の有機基;または
ハロゲン原子である。Rは酸によって分解する置換基で
あり、aおよびbは0または正の整数、mおよびnは、
m+n=1の関係を満たす0から1までの間の数であ
る。
【0018】酸によって分解する基Rとしては、例え
ば、t−ブチルエステル、イソブチルエステル、エチル
エステル、ベンジルエステルなどのエステル類;テトラ
ヒドロプラニルエーテルなどのエーテル類;t−ブトキ
シカーボネート、メトキシカーボネート、エトキシカー
ボネート等のアルコキシカーボネート類;トリメチルシ
リルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリフェニ
ルシリルエーテルなどのシリルエーテル類を挙げること
ができる。ここで、このような溶解抑止基がベンゼン環
のパラ位に結合している場合には、露光部と未露光部と
の現像液に対する溶解速度の差をより大きくして、解像
性を向上させることができるので、ベンゼン環のメタ位
に結合している場合よりも好ましい。
【0019】なお、上記一般式(1)で表わされる化合
物としては、OH基を有するモノマー成分とOR基を有
するモノマー成分とのポリマーを用いてもよいし、一般
式(1)において、m=1、n=0の構造に相当するO
H基を有するモノマー成分のホモポリマー、およびm=
0、n=1の構造に相当するOR基を有するモノマー成
分のホモポリマーとの混合物であってもよい。さらに、
OR基を有するモノマー成分のホモポリマーを単独で用
いることも可能であり、低分子量の溶解抑止剤などが配
合される場合は、OH基を有するモノマー成分のホモポ
リマーについても単独で用いられ得る。
【0020】また、一般式(1)で表わされる化合物の
分子量は、好ましくは5000以上50000以下であ
る。5000未満の場合には、基板への塗布性や安定性
が低下するおそれがあり、一方、50000を越える
と、感度および解像度が低下するおそれがある。
【0021】一般式(1)で表わされる化合物は、例え
ば、m−あるいはp−アリールフェノールのOH基をt
−ブトキシカルボニル基で保護した後、アゾビスイソブ
チロニトリルなどの重合開始剤を用いて重合反応させて
得ることができる。水酸基の保護基は、t−ブトキシカ
ルボニル基を酸触媒反応によって除去した後、改めて必
要な置換基を高分子反応により導入することができる。
【0022】本発明の感光性組成物において、化学放射
線の照射によって酸を発生する化合物(以下、光酸発生
剤という)としては、例えば、オニウム塩、オルトキノ
ンジアジドスルフォン酸誘導体、有機ハロゲン化化合
物、スルホン酸誘導体、およびスルホニル化合物などを
使用することができる。
【0023】オニウム塩としては、例えば、CF3 SO
3 - 、p−CH3 −PhSO3 - およびp−NO2 −P
hSO3 - 等を対イオンとするジアゾニウム塩、スルフ
ォニオウム塩、ホスホニウム塩およびヨードニウム塩等
が挙げられる。特に、化学放射線の照射に対して感度が
良好なトリアリールスルホニウム塩およびジアリルヨー
ドニウム塩が好ましい。
【0024】なお、オニウム塩の対イオンがテトラフル
オロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニ
オン、ヘキサフルオロヒ素酸アニオンである場合には、
発生する酸の強度が十分ではない。また、これらのオニ
ウム塩は、いずれも半導体素子製造工程において混入を
制限されている元素を含有しているため、使用する際に
は工程管理条件が厳しくなる。したがって、このような
点を考慮すると、対アニオンがメタンスルホン酸アニオ
ン、トリフルオロ酢酸アニオン、およびトルエンスルホ
ン酸アニオンなどのルイス塩基であるオニウム塩を使用
することが好ましい。具体的には、ジフェニルヨードニ
ウム、4,4´−ジ−t−ブチルヨードニウム、トリフ
ェニルスルホニウム、t−ブチルトリフェニルスルホニ
ウムなどのトリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンス
ルフォン酸塩、トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。また、これらのオニウム塩のフェニル基に置換基を
有する化合物を使用してもよい。
【0025】光酸発生剤の配合量は、感光性組成物中、
0.1〜20重量%とすることが好ましい。これは、光
酸発生剤の配合量が少なすぎると、高い感度でレジスト
パターンを形成することが困難となり、光酸発生剤の配
合量が多すぎると、レジスト膜を形成したときにその機
械的強度などが損なわれるおそれがあるからである。
【0026】また、本発明においては、酸分解性の置換
基を有する低分子量の溶解抑止剤を加えて、3成分の化
学増幅型レジストとすることもできる。低分子の溶解抑
止剤は、例えば、前述のような酸分解性の置換基を、例
えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、トリヒド
ロキシフェニルメタン、フェノールフタレイン、クレゾ
ールフタレイン、チモールフタレイン、カテコール、ピ
ロガロール、ナフトール、安息香酸誘導体などの低分子
量芳香族化合物、コレート、ステロイド化合物、テルペ
ノイド誘導体、糖類などの低分子量アルコール類に直接
または置換基を介して導入することによって得ることが
できる。さらに、必要に応じて、コントラストまたは溶
解速度調整用の化合物、上記一般式(1)で表わされる
化合物とは別のアルカリ可溶性樹脂を添加してもよい。
【0027】本発明の感光性組成物は、以上の成分を有
機溶媒に溶解し、濾過することによって調製することが
できる。使用し得る有機溶媒としては、例えば、シクロ
ヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、およびメ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メチルセロソ
ルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ
アセテート、およびブチルセロソルブアセテート等のセ
ロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソア
ミル、およびγ−ブチロラクロンなどのエステル系溶媒
などが挙げられる。また、レジストの組成によっては、
溶解性向上のため、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアルデヒド、またはN−メチルピロリジノンなどを
用いてもよい。
【0028】さらに、近年、低毒性溶媒への代替溶媒と
して着目されているメチルプロピオン酸メチルなどのプ
ロピオン酸誘導体、乳酸エチルなどの乳酸エステル類、
およびPGMEA(プロピレングリコールモノエチルア
セテート)などの溶媒を使用することもできる。
【0029】前述の溶媒は、単独で、または混合物の形
で使用してもよい。また、これらの溶媒に、トルエン、
キシレンまたはイソプロピルアルコール等の脂肪族アル
コールを適量含有させてもよい。
【0030】なお、本発明の感光性組成物には、前述し
た成分に加えて、必要に応じて、塗膜改質剤としての界
面活性剤;密着促進剤;塩基性物質;エポキシ樹脂、ポ
リメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、プ
ロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体、および
ポリスチレン等の他のポリマー;または反射防止剤とし
ての染料を配合してもよい。
【0031】次に、本発明の感光性組成物を用いたパタ
ーン形成方法について、ポジ型の化学増幅型レジストを
例に挙げ説明する。まず、上述したような有機溶媒に溶
解されたレジストのワニスを回転塗布法やディッピング
法などで所定の基板上に塗布した後、上記一般式(1)
で表わされる化合物のガラス転移温度付近あるいはそれ
以上で、かつ、光酸発生剤が分解されることのない温度
条件、具体的には、150℃以下、好ましくは120℃
以下でプリベークしてレジスト膜を成膜する。
【0032】このとき、本発明の感光性組成物において
は、上記一般式(1)で表わされる化合物のガラス転移
温度が十分に低いので、こうしたプリベークでその自由
体積が減少して塩基性物質の吸着が有効に抑えられ得
る。なおここでの基板としては、例えばシリコンウェ
ハ、表面に各種の絶縁膜や電極、配線などが形成された
シリコンウェハ、ブランクマスク、GaAs、AlGa
AsなどのIII−V族化合物半導体ウェハ、クロムま
たは酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、IBPS
Gコート基板、PSGコート基板、SOGコート基板、
カーボン膜スパッタ基板などを使用することができる。
【0033】次いで、所定のマスクパターンを介して化
学線を照射するか、またはレジスト膜表面に化学線を直
接走査させて、レジスト膜を露光する。ここでの化学線
としては、紫外線、X線、低圧水銀ランプ光のi線、h
線、g線、キセノンランプ光、KrFやArFエキシマ
レーザー光等のdeepUV光やシンクロトロンオービ
タルラジエーション(SOR)、電子線(EB)、γ
線、イオンビームなどを使用することが可能である。
【0034】続いて、熱板上やオーブン中での加熱ある
いは赤外線照射などにより、レジスト膜に150℃以下
程度のベーキング処理を適宜施す。この後、浸漬法、ス
プレー法などでレジスト膜を現像し、露光部または未露
光部のレジスト膜をアルカリ溶液に選択的に溶解・除去
して、所望のパターンを形成する。このとき、アルカリ
溶液の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド水溶液、コリン水溶液などの有機アルカ
リ水溶液や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの
無機アルカリ水溶液、これらにアルコールや界面活性剤
などを添加した溶液が挙げられる。なおここでのアルカ
リ溶液の濃度は、露光部と未露光部とでの溶解速度の差
を十分なものとする観点から、15重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0035】こうして、本発明の感光性組成物を用いて
形成されたレジストパターンは、極めて解像性が良好で
あり、例えば、このレジストパターンをエッチングマス
クとしたドライエッチングで、露出した基板などにクォ
ーターミクロン程度の超微細なパターンを忠実に転写す
ることができる。なお、上述したような工程以外の他の
工程が付加されても何等差支えなく、例えば、レジスト
膜の下地としての平坦化層形成工程、レジスト膜と下地
との密着性向上のための前処理工程、レジスト膜の現像
後に現像液を水などで除去するリンス工程、ドライエッ
チング前の紫外線の再照射工程を適宜施すことが可能で
ある。
【0036】以上のように、本発明の感光性組成物は、
前述の一般式(1)で表わされる化合物を含有している
ので、高解像性、ドライエッチング耐性を損ねることな
く、ガラス転移温度を低下させて環境安定性を向上させ
ることが可能となる。すなわち、本発明では、一般式
(1)において、ベンゼン環または縮合芳香環を2価の
有機基Xを介して側鎖に導入し、分子間力を弱めること
で樹脂の自由度を向上させたので、分子鎖が動きやすく
なり、樹脂のガラス転移温度が低下している。しかも、
芳香環の含有割合が高いポリマーとしているので、優れ
たアルカリ溶解性とドライエッチング耐性を確保するこ
とができる。
【0037】このようにガラス転移温度の低い化合物を
含有する本発明の感光性組成物は、塩基性物質の吸着量
が減少することから、アルカリ溶解性や溶解抑止能等の
特性を何等損なうことなく、環境安定性を大幅に向上さ
せることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例および比
較例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。感光性
組成物の調製に当たって、まず、下記表1に示す5種類
のアルカリ可溶性樹脂を準備した。
【0039】
【表1】
【0040】なお、表1に示したアルカリ可溶性樹脂の
うち、(A−2),(A−3)および(A−5)は、本
発明で規定した化合物であり、(A−1)は、従来の樹
脂である。また、(A−4)は、文献“J.Photo
poly.Sci.Technol.vol.6,n
o.4,p.547(1993)”に記載のアルカリ可
溶性樹脂である。
【0041】表1に示したように、本発明で規定した化
合物のガラス転移温度は、従来のものより最大で60℃
低下している。さらに、下記表2〜4に示す10種類の
溶解抑止剤を準備した。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】前述の溶解抑止剤のうち、(B−2),
(B−3),(B−4),(B−5),(B−6),
(B−7)および(B−10)は本発明で規定した化合
物であり、(B−1)および(B−8)は従来の溶解抑
止剤である。また、(B−9)は、“J.Photop
oly.Sci.Technol.vol.7,no.
3,p.433(1994)”に記載の溶解抑止剤であ
る。
【0046】前述の表2〜4から、本発明で規定された
化合物のガラス転移温度は、従来のものより、最大で6
0℃低下していることがわかる。なお、光酸発生剤とし
ては、下記表5に示す化合物を使用した。
【0047】
【表5】
【0048】前述のアルカリ可溶性樹脂、溶解抑止剤、
および光酸発生剤を用いて、下記表6に示すような配合
および組成にしたがって、本発明の感光性組成物(実施
例1〜21)を調製した。
【0049】
【表6】
【0050】まず、上記各成分をエチルセロソルブアセ
テートに溶解し、これらの溶液を、0.2μmのテフロ
ンフィルターで濾過することによって感光性組成物を調
製した。
【0051】これらの感光性組成物を、シリコンウェハ
基板上に、スピンコートにより0.8μmの膜厚で塗布
し、ホットプレート上で120℃2分間のプリベークを
行なって、レジスト膜を形成した。その後、波長248
nmのKrFエキシマレーザー光を光源とした露光装置
を用いて、露光量を変えてパターン露光を施した。露光
後、速やかにホットプレート上で100℃2分間のベー
クを行ない、最後に、0.21Nのテトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド水溶液により2分間現像して
パターンを形成した。
【0052】実施例1〜21の感光性組成物を用いて形
成された各レジストパターンについて、所望のパターン
寸法が得られる最適露光の値を感度と定義し、その時の
レジストパターンの断面を走査型電子顕微鏡により観察
して、解像力とパターン寸法W1 を求めた。
【0053】また、環境安定性を調べるために、各感光
性組成物を、前述と同様にして基板に塗布し、プリベー
ク、露光を施したレジスト膜を60分間放置した。放置
後のレジスト膜は、前述と同様に、ホットプレート上で
100℃2分のベークを行ない、0.21Nのテトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で2分間現
像して、パターンを形成し、得られたパターンの寸法W
2 を求めた。
【0054】この時のパターン寸法変動量(W1 −W
2 )を、環境安定性の指標とした。さらに、CF4 ガス
を用いた平行平板のリアクティブイオンエッチング装置
により、実施例1〜21の感光性組成物を用いて形成さ
れたレジストパターンのエッチングを行なって、エッチ
ング速度を求めた。得られた結果を、解像力、感度等と
ともに、下記表7にまとめる。
【0055】
【表7】 また、下記表8に示す配合および組成に従い、比較例R
1〜R3の感光性組成物を、実施例と同様の方法により
調製した。
【0056】
【表8】
【0057】さらに、比較例の感光性組成物を、実施例
と同様の基板に塗布し、同様の条件でプリベーク、露
光、ベーク、および現像してパターンを形成し、解像力
および感度を調べた。また、実施例の場合と同様にして
ドライエッチング耐性および寸法安定性を調べた。得ら
れた結果を、解像力、感度とともに下記表9にまとめ
る。
【0058】
【表9】
【0059】表7に示すように、本発明の感光性組成物
は、いずれも高感度であり、また、線幅0.35μm以
下のパターンを解像することができる。特に、光酸発生
剤としてC−1またはC−2のオニウム塩を使用し、溶
解抑止基としてt−ブトキシカルボニルメチル基を導入
した溶解抑止剤B−4またはB−5を用いた実施例1
3、14、16および17では、0.25μmという極
めて高い解像力が得られている。
【0060】また、ドライエッチング速度は、最大でも
27nm/分であるので、十分なドライエッチング耐性
を有していることがわかる。さらに、本発明の感光性組
成物を用いて形成されたパターンの寸法変動量は、いず
れも0.02μmと極めて小さく、この程度の変動は、
パターンの寸法や形状に影響を及ぼさない。したがっ
て、本発明の感光性組成物は、環境雰囲気に対する耐性
が高いことがわかる。すなわち、本発明の感光性組成物
は、解像力、感度、ドライエッチング耐性および環境安
定性の全てにおいて、良好な特性を有するものである。
【0061】これに対して、表9に示すように、比較例
R1の感光性組成物は、寸法変動量が0.5μmと大き
く、環境安定性が著しく劣っており、比較例R2の感光
性組成物は、露光部と未露光部との溶解速度差が不十分
なために、解像力が0.4μmにとどまっている。ま
た、比較例R3の感光性組成物では、組成物中の芳香環
の含有量が少ないことに起因して、ドライエッチング速
度が35nm/分と大きく、ドライエッチング耐性に問
題があった。
【0062】このように、一般式(1)で表わされる化
合物を含有しない場合には、感度、解像力、ドライエッ
チング耐性、および環境安定性の特性を全て満足する感
光性組成物を得ることができないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた解像力、感度、ドライエッチング耐性、環境安定
性を有し、精度よくパターン形成およびパターン転写を
行なうことが可能な感光性組成物が提供される。かかる
感光性組成物は、高集積度の半導体装置を製造するため
の微細加工用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 卓哉 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 斎藤 聡 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示す一般式(1)で表わされ
    る化合物と、化学放射線の照射によって酸を発生する化
    合物とを含有することを特徴とする感光性組成物。 【化1】 (上記一般式(1)中、Arはベンゼン環または縮合芳
    香環、Xは2価の有機基、Yは水素原子または1価の有
    機基、Zは1価の有機基またはハロゲン原子、Rは酸に
    よって分解する置換基であり、aおよびbは0または正
    の整数、mおよびnは、m+n=1の関係を満たす0か
    ら1までの間の数である。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)中のArが、ナフタレ
    ン環、アントラセン環およびフェナントレン環から選択
    された縮合芳香環である請求項1に記載の感光性組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7018785B2 (en) 2000-11-15 2006-03-28 Az Electronic Materials Usa Corp. Method for forming pattern and treating agent for use therein

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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