JPH0980441A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JPH0980441A
JPH0980441A JP23082095A JP23082095A JPH0980441A JP H0980441 A JPH0980441 A JP H0980441A JP 23082095 A JP23082095 A JP 23082095A JP 23082095 A JP23082095 A JP 23082095A JP H0980441 A JPH0980441 A JP H0980441A
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JP
Japan
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liquid crystal
polyamic acid
mol
phenylenediamine
synthesis example
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Withdrawn
Application number
JP23082095A
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English (en)
Inventor
Michinori Nishikawa
通則 西川
Shigeo Kawamura
繁生 河村
Tsukasa Toyoshima
司 豊島
Soichi Yoshida
宗一 吉田
Yasuo Matsuki
安生 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のテトラカルボン酸化合物の二無水物お
よびシクロブタン環含有テトラカルボン酸二無水物なら
びに特定のジアミンから得られるポリアミック酸および
該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られるポリイミド
の少なくとも一方を含有している液晶配向剤。 【解決手段】 ラビング処理で生じる液晶配向膜表面の
傷が少なく、かつ液晶配向性に優れ、電圧保持率が高
く、残像が少なく、信頼性に優れ、高プレチルト角の液
晶表示素子を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子の液晶配
向膜を形成するために用いられる液晶配向剤に関する。
さらに詳しくは、液晶配向性が良好であり、電圧保持率
の高い液晶表示素子を構成することができ、形成される
液晶配向膜の表面にラビング処理に伴う傷(以下「ラビ
ング傷」ともいう。)がつきにくく、高プレチルト角が
得られる液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明導電膜を介して液晶配向膜が
表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方
性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッ
チ構造とし、前記液晶分子の長軸が一方の基板から他方
の基板に向かって連続的に90度捻れるようにしたTN
(Twisted Nematic)型液晶セルを有す
るTN型液晶表示素子が知られている。このTN型液晶
表示素子などにおける液晶の配向は、通常、ラビング処
理により液晶分子の配向能が付与された液晶配向膜によ
り実現される。ここに、液晶配向膜の材料としては、従
来より、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの
樹脂が知られており、特にポリイミドは、耐熱性、液晶
との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液
晶表示素子に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているポリイミドなどからなる液晶配向膜を用いて
TN型液晶表示素子などを作製した場合、液晶表示素子
のプレチルト角が低いために表示不良を生じたり、電圧
保持率が低かったり、液晶表示素子の残留電圧が大きい
ために残像が生じてしまったり、液晶表示素子の信頼性
試験中に白シミが発生したりする、という問題がある。
また、液晶配向膜のラビング処理の際に液晶配向膜の表
面が傷付き、液晶表示素子の表示不良を招く、という問
題もある。このため、ラビング傷が少なく、液晶配向
性、電圧保持率、残像特性および信頼性に優れた液晶表
示素子を与え、高プレチルト角が得られる液晶配向膜を
形成することができる液晶配向剤の開発が望まれてい
る。
【0004】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものであって、本発明の第1の目的は、ラビング処
理によって液晶分子の配向能が確実に付与され、優れた
液晶配向性を有する液晶表示素子を構成することができ
る液晶配向剤を提供することにある。本発明の第2の目
的は、電圧保持率の高い液晶表示素子を構成することが
できる液晶配向剤を提供することにある。本発明の第3
の目的は、残像の少ない液晶表示素子を構成することが
できる液晶配向剤を提供することにある。本発明の第4
の目的は、信頼性に優れた液晶表示素子を構成すること
ができる液晶配向剤を提供することにある。本発明の第
5の目的は、ラビング傷がつきにくい液晶配向膜を形成
することができる液晶配向剤を提供することにある。本
発明の第6の目的は、高プレチルト角が得られる液晶配
向剤を提供することにある。本発明のさらに他の目的お
よび利点は以下の説明から明らかになろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的は、[A]下記式(1)、(2)、(3)お
よび(4):
【0006】
【化7】
【0007】で表される化合物によりなる群から選ばれ
る少なくとも1種のテトラカルボン酸の二無水物(以
下、「化合物(I)」ともいう)70〜98モル%およ
び下記式(I)
【0008】
【化8】
【0009】ここでR1、R2、R3およびR4は互に独立
して水素原子あるいはメチル基を示すで表されるシクロ
ブタン環含有テトラカルボン酸の二無水物(以下、「化
合物(II)」ともいう)2〜30モル%と、[B]下記
式(II)
【0010】
【化9】
【0011】ここでR5は、ハロゲン原子、アルキル基
またはアルコキシル基であり、aは0〜4の整数であ
る、で表されるフェニレンジアミン化合物(以下、「化
合物(III)」ともいう)、下記式(III)
【0012】
【化10】
【0013】ここで、R6は−CH2−、−O−、−S
−、下記式(i)
【0014】
【化11】
【0015】で表される基または下記式(ii)
【0016】
【化12】
【0017】で表される基であり、R7およびR8は互に
独立してハロゲン原子またはアルキル基であり、bおよ
びcは互に独立して0〜4の整数である、で表されるジ
アミン化合物(以下、「化合物(IV)」ともいう)およ
び下記式(IV)
【0018】H2N−R9−NH2 ・・・(IV)
【0019】ここで、R9はステロイド骨格を有する2
価の有機基である、で表されるステロイド骨格を有する
ジアミン化合物(以下、「化合物(V)」ともいう)、
とを反応させることにより得られるポリアミック酸(以
下、「ポリアミック酸A」ともいう)および該ポリアミ
ック酸を脱水閉環させて得られるポリイミド(以下、
「ポリイミドB」ともいう)よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の重合体を含有することを特徴とする液晶
配向剤によって達成される。
【0020】以下、本発明についてその詳細を説明す
る。本発明の液晶配向剤は、化合物(I)および化合物
(II)からなるテトラカルボン酸二無水物と、化合物
(III)、化合物(IV)および化合物(V)からなるジ
アミン化合物とを反応させることにより得られるポリア
ミック酸Aおよび/またはポリイミドBを含有する。
【0021】<化合物(I)>本発明に用いられる化合
物(I)は、上記式(1)〜(4)で示されるテトラカ
ルボン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物の二無水
物であり、これを用いることにより、電圧保持率の高い
液晶表示素子を与える液晶配向剤が得られる。これらは
単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0022】<化合物(II)>本発明に用いられる化合
物(II)は上記式(I)で表されるシクロブタン環含有
テトラカルボン酸の二無水物であり、これを用いること
によりラビング傷が生じにくい液晶配向剤が得られる。
これは、化合物(II)が剛直なシクロブタン構造を有し
ているためと考えられる。
【0023】化合物(II)としては、例えばシクロブタ
ンテトラカルボン酸の二無水物、1,3−ジメチルシク
ロブタンテトラカルボン酸の二無水物、1−メチルシク
ロブタンテトラカルボン酸の二無水物などを挙げること
ができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせ
て用いられる。これらのうちで、シクロブタンテトラカ
ルボン酸の二無水物および1,3−ジメチルシクロブタ
ンテトラカルボン酸の二無水物は、これらを用いて得ら
れる液晶配向剤から形成される液晶配向膜が長期に渡っ
て良好な液晶配向性を有する点から特に好ましい。
【0024】化合物(II)の使用割合は、全テトラカル
ボン酸二無水物の総量に対して、通常、2〜30モル%
であり、好ましくは2〜20モル%である。使用割合が
2モル%未満である場合には、ラビング傷低減の効果を
発現しにくく、30モル%を超える場合には、得られる
配向剤が保存安定性に劣る場合がある。特に使用割合が
20モル%以下の場合には、長々期にわたる保存が可能
で保存安定性に極めて優れたものとなる。
【0025】<化合物(III)>本発明に用いられる化
合物(III)は上記式(II)で表されるフェニレンジア
ミン化合物であり、これを用いることにより、残像特性
に優れた液晶配向剤が得られる。化合物(III)を表す
式(II)において、ハロゲン原子としては、例えばフッ
素、塩素、臭素などを挙げることができ、アルキル基と
しては炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル
基が好ましく、またアルコキシル基としては炭素数1〜
4の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシル基が好まし
い。
【0026】このような化合物(III)としては、例え
ば1,2−フェニレンジアミン、3−メチル−1,2−フ
ェニレンジアミン、4−メチル−1,2−フェニレンジ
アミン、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミ
ン、3−エチル−1,2−フェニレンジアミン、3−メ
チル−1,2−フェニレンジアミン、4−エチル−1,2
−フェニレンジアミン、4,5−ジエチル−1,2−フェ
ニレンジアミン、3−メトキシ−1,2−フェニレンジ
アミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、
4,5−ジメトキシ−1,2−フェニレンジアミン、3−
エトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−エトキシ
−1,2−フェニレンジアミン、3−クロロ−1,2−フ
ェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジ
アミン、3−フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、
4−フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、1,3−フ
ェニレンジアミン、2−メチル−1,3−フェニレンジ
アミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、5
−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2−エチル−
1,3−フェニレンジアミン、4−エチル−1,3−フェ
ニレンジアミン、5−エチル−1,3−フェニレンジア
ミン、2−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、4
−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、5−メトキ
シ−1,3−フェニレンジアミン、4−エトシキ−1,3
−フェニレンジアミン、5−エトキシ−1,3−フェニ
レンジアミン、4−クロロ−1,3−フェニレンジアミ
ン、5−クロロ−1,3−フェニレンジアミン、4−フ
ルオロ−1,3−フェニレンジアミン、5−フルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミ
ン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2,3−
ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチ
ル−1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンジアミン、2,3−ジエチル−1,4
−フェニレンジアミン、2,5−ジエチル−1,4−フェ
ニレンジアミン、2,6−エチル−1,4−フェニレンジ
アミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、
2−エトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2−クロ
ロ−1,4−フェニレンジアミン、2,3−ジクロロ−
1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4
−フェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−1,4−フェ
ニレンジアミン、2−フルオロ−1,4−フェニレンジ
アミン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、
2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミンなどが
挙げられる。これらの内、1,2−フェニレンジアミ
ン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジ
アミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2
−エチル−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ
−1,4−フェニレンジアミン、2−エトキシ−1,4−
フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレン
ジアミンおよび2−フルオロ−1,4−フェニレンジア
ミンが好ましく、1,3−フェニレンジアミンおよび1,
4−フェニレンジアミンが特に好ましい。これらは単独
でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0027】<化合物(IV)>本発明に用いられる化合
物(IV)は上記式(III)で表されるジアミン化合物で
あり、これを用いることにより、信頼性に優れた液晶表
示素子を与える液晶配向剤が得られる。化合物(IV)を
表す式(III)において、ハロゲン原子およびアルキル
基としては、式(II)について前述したものと同じもの
を挙げることができる。
【0028】このような化合物(IV)としては、例えば
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスル
フィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(p−フェ
ニレンジイソプリデン)ビスアニリン、4,4’−(m
−フェニレンジイソプリデン)ビスアニリンなどを挙げ
ることができる。これらの内、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ンおよび4,4’−(p−フェニレンジイソプリデン)
ビスアニリンが好ましく、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
が特に好ましい。これらは単独でまたは2種以上組み合
わせて用いられる。
【0029】<化合物(V)>本発明に用いられる化合
物(V)は、上記式(IV)で表されるステロイド骨格を
有するジアミン化合物であり、これを用いることによ
り、高いプレチルト角を示す液晶配向剤が得られる。
【0030】このような化合物(V)としては、例えば
下記式(V)
【0031】
【化13】
【0032】ここで、R10はハロゲン原子またはアルキ
ル基であり、R11は2価の有機基であり、R12はステロ
イド骨格を有する1価の有機基であり、dは0〜3の整
数である、で表される化合物および下記式(VI)
【0033】
【化14】
【0034】ここで、R13およびR14は独立してハロゲ
ン原子またはアルキル基であり、R15およびR16は2価
の有機基であり、R17はステロイド骨格を有する2価の
有機基であり、eおよびfは互に独立して0〜4の整数
である、で表される化合物を好ましいものとして挙げる
ことができる。ここで、式(V)および(VI)で表され
る化合物の具体例としては、
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】で表される化合物を好ましいものとして挙
げることができる。これらの内、式(5),式(6),式
(9)および式(11)で表される化合物が特に好まし
い。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用い
られる。
【0038】ポリアミック酸Aおよび/またはポリイミ
ドB中の全ジアミン化合物に対する各使用ジアミンの割
合は、好ましくは化合物(III)10〜69モル%、化
合物(IV)30〜80モル%および化合物(V)1〜2
5モル%である。化合物(III)の使用割合が10モル
%未満だと液晶表示素子の残像改良効果が少なく、69
モル%を超えると液晶表示素子の信頼性が低下する場合
がある。また、化合物(IV)の使用割合が30モル%未
満だと液晶表示素子の信頼性が低下する場合があり、8
0モル%を超えると高プレチルト角が得られ難くなる。
そして、化合物(V)の使用割合が1モル%未満だと高
プレチルト角が得られ難くなり、25モル%を超えると
ポリアミック酸およびポリイミドの溶媒への溶解性が低
下する傾向がある。
【0039】また、ポリアミック酸Aおよび/またはポ
リイミドBには、本発明の効果を発現し得る範囲におい
て、他のテトラカルボン酸二無水物や他のジアミンを使
用することができる。
【0040】かかる他のテトラカルボン酸二無水物とし
ては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無
水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボ
ン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフ
ラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−
7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物な
どの脂肪族または脂環族テトラカルボン酸二無水物;ピ
ロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシラン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロ
パン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプ
ロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)
フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレ
ン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェ
ニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエー
テル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは単独
でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0041】かかる他のジアミンとしては、例えば4,
4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,
4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10
−ヒドロアントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェ
ニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−ク
ロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,
4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,
4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニルなど
の芳香族ジアミン類;ジアミノテトラフェニルチオフェ
ンなどのヘテロ原子を有する芳香族ジアミン類;1,1
−メタキシリレンジアミン、1,2−エチレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘ
キサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペ
ンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.
2.1.02.7 ]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,
4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂
肪族または脂環族ジアミン類;さらに、下記式(12)
などで示されるジアミノオルガノシロキサンなどを挙げ
ることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合
わせて用いられる。また、これらジアミン化合物は市販
品をそのまま使用してもよいし、市販品を再還元してか
ら使用してもよい。
【0042】 H2N−(CH2p−SiR2−(O−SiR2−)q−(CH2r−NH2 ・・・(12)
【0043】式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル
基などから選ばれたアルキル基;シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基またはフェニル基などのアリール基
のような炭素数1〜12の炭化水素基を示す。pは1〜
3の整数であり、qは1〜20の整数であり、rは1〜
3の整数である。
【0044】<ポリアミック酸Aの合成>本発明の液晶
配向剤を構成するポリアミック酸Aは、上記テトラカル
ボン酸二無水物と上記ジアミン化合物との反応により合
成される。ポリアミック酸Aの合成反応に供されるテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合
は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対し
て、テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基が
0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましく
は0.3〜1.4当量となる割合である。テトラカルボン
酸二無水物に含まれる酸無水物基の割合が0.2当量未
満の場合および2当量を超える場合のいずれにおいて
も、得られるポリアミック酸Aの分子量が低下し、液晶
配向剤の塗布性が劣るものとなる。ポリアミック酸Aの
合成反応は、有機溶媒中で通常0〜150℃、好ましく
は0〜100℃の温度条件下で行われる。反応温度が0
℃未満であると原料となる化合物の溶媒に対する溶解性
が劣り、150℃を超えると得られるポリアミック酸A
の分子量が低下する。
【0045】ポリアミック酸Aの合成に用いられる有機
溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化
合物および生成するポリアミック酸Aを溶解し得るもの
であれば特に制限はなく、例えばγ−ブチロラクトン、
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリ
アミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、
キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなど
のフェノール系溶媒を挙げることができる。
【0046】有機溶媒の使用量(a)としては、反応原
料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と
の総量(b)が反応溶液の全量(a+b)に対して0.
1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0047】なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸
Aの貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル
類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類な
どを、生成するポリアミック酸Aが析出しない範囲で併
用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸
ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールエチ
ルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテ
ル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコ
ール−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エ
チレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、
エチレングリコール−i−プロピルエーテルアセテー
ト、エチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコール−n−ヘキシルエーテルアセテ
ート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、
2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオン酸メチル、エトキシ酢酸エチル、ヒド
ロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン
酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メト
キシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エ
チル、3−エトキシプロピオン酸メチル、テトラヒドロ
フラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,
4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げること
ができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせ
て用いられる。
【0048】以上の合成反応によって、ポリアミック酸
Aを溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反
応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出
物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸Aを得る
ことができる。また、このポリアミック酸Aを再び有機
溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出する工程を1回ま
たは数回行うことにより、ポリアミック酸Aの精製を行
うことができる。
【0049】<ポリイミドB>本発明の液晶配向剤を構
成するポリイミドBは、ポリアミック酸Aをイミド化反
応に供することにより得られる。イミド化反応は、
(i)ポリアミック酸Aを加熱する方法により、または
(ii)ポリアミック酸Aを有機溶媒に溶解し、この溶液
中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し必要に応じて加
熱する方法により行われる。
【0050】上記(i)のポリアミック酸Aを加熱する
方法における反応温度は、通常60〜200℃とされ、
好ましくは100〜170℃とされる。反応温度が60
℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が
200℃を超えると得られるポリイミドBの分子量が低
下することがある。
【0051】一方、上記(ii)のポリアミック酸Aの溶
液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加する方法におい
て、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸Aの繰り
返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好
ましい。また、イミド化触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができる。しかし、これらに限定さ
れるものではない。イミド化触媒の使用量は、使用する
脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ま
しい。なお、イミド化反応に用いられる有機溶媒として
は、ポリアミック酸Aの合成に用いられるものとして例
示した有機溶媒を挙げることができる。そして、イミド
化反応の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは6
0〜150℃とされる。また、このようにして得られる
反応溶液に対し、ポリアミック酸Aの精製方法と同様の
操作を行うことにより、ポリイミドBを精製することが
できる。
【0052】<ポリアミック酸およびポリイミドの固有
粘度>以上のようにして得られるポリアミック酸Aおよ
びポリイミドBの固有粘度(30℃、N−メチル−2−
ピロリドン中で測定。以下において同じ。)は、通常
0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/
gである。
【0053】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、ポ
リアミック酸Aおよび/またはポリイミドBが有機溶媒
中に溶解された溶液として使用される。本発明の液晶配
向剤を溶解する有機溶媒としては、ポリアミック酸Aの
合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げる
ことができる。また、ポリアミック酸Aの合成の際に併
用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選
択して併用することができる。
【0054】また、本発明の液晶配向剤の溶液における
ポリアミック酸Aおよび/またはポリイミドBの濃度
は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好まし
くは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明
の液晶配向剤は、溶液として基板表面に塗布され、液晶
配向膜となる塗膜が形成されるが、濃度が1重量%未満
である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な
液晶配向膜を得ることができず、濃度が10重量%を超
える場合にも、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配
向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増
大して塗布特性が劣るものとなる。
【0055】本発明の液晶配向剤を構成するポリアミッ
ク酸Aおよび/またはポリイミドBは分子量が調節され
た末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の
ポリアミック酸AおよびポリイミドBを用いることによ
り、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布
特性などを改善することができる。このような末端修飾
型のものは、ポリアミック酸Aを合成する際に、酸一無
水物やモノアミン化合物を反応系に添加することにより
合成することができる。
【0056】ここで、酸一無水物としては、例えば無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシ
ルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸
無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−
ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることが
できる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニ
リン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−
ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルア
ミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デ
シルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミ
ン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、
n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n
−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−
エイコシルアミンなどを挙げることができる。
【0057】本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸A
および/またはポリイミドBと塗布される基板表面との
接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物
が含有されていてもよい。
【0058】このような官能性シラン含有化合物として
は、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウ
レイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカ
ルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミ
ン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリ
アミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリア
ザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリ
アザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザ
ノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−
ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエ
チレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどを挙げることができる。
【0059】<液晶表示素子の製造>本発明の液晶配向
剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法に
よって製造することができる。
【0060】(1)パターニングされた透明導電膜が設
けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例え
ば印刷法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱するこ
とにより塗膜を形成する。 ここに、基板としては、例
えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプ
ラスチックからなる透明基板を用いることができる。基
板の一面に設けられた透明導電膜としては、酸化スズ
(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商
標)、酸化インジウム−酸化スズ(In23−Sn
2)からなるITO膜などを用いることができ、これ
らの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチン
グ法や予めマスクを用いる方法などが用いられる。液晶
配向剤の塗布方法としては、印刷法のほか、ロールコー
ター法、スピンナー法などの方法も用いることができ
る。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明
導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基
板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン
含有化合物などを予め塗布することもできる。加熱温度
は80〜250℃とされ、好ましくは120〜200℃
とされる。なお、ポリアミック酸Aを含有する本発明の
液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによっ
て液晶配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱する
ことによってイミド化された塗膜とすることもできる。
形成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであ
り、好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0061】(2)形成された塗膜面を、例えばナイロ
ン、レーヨンまたはコットン繊維からなる布を巻き付け
たロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これに
より、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜
となる。
【0062】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、
2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基
板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内
に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成
する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セル
を構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その
偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラ
ビング方向と一致または直交するように貼り合わせるこ
とにより、液晶表示素子が得られる。
【0063】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を
挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好
ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、
ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エ
ステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロ
ヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液
晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用
いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレ
スチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステ
リルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名
「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売
されているようなカイラル剤などを添加して使用するこ
ともできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p
−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電
性液晶も使用することができる。また、液晶セルの外表
面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコ
ールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と
称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板
またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができ
る。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例および比較例により作
製された各液晶表示素子について、液晶配向膜のラビ
ング傷、液晶表示素子の配向性、液晶表示素子の電
圧保持率、液晶表示素子の残留電圧、液晶表示素子
の信頼性、液晶表示素子のプレチルト角について評価
した。評価方法は以下のとおりである。
【0065】[液晶配向膜のラビング傷]ラビング処理
後の液晶配向膜の表面を光学顕微鏡(倍率100倍)で
観察し、ラビング処理によるラビング傷の発生の有無を
調べた。
【0066】[液晶表示素子の液晶配向性]電圧をオン
・オフさせた時の液晶表示素子中の異常ドメインの有無
を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良
好」と判定した。
【0067】[液晶表示素子の電圧保持率]80℃の恒
温槽中に設置した液晶表示素子に5Vの電圧を印加し、
その印加電圧をオフにして、16.7msec後の電圧
保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製V
HR−1を使用した。
【0068】[液晶表示素子の残留電圧]80℃の恒温
槽中に設置した液晶表示素子に5Vの電圧を3時間印加
し、その後1秒間ショートさせた後の液晶表示素子の最
大残留電圧を測定した。この条件における液晶表示素子
の残留電圧が0.5V以下の場合、残像の少ない液晶表
示素子として良好である。
【0069】[液晶表示素子の信頼性]温度80℃、湿
度85%の恒温恒湿槽中で、液晶表示素子に5V,60
Hzの矩形波を印加し、1000時間後も液晶表示素子
に白シミが生じていない場合を良好と判断した。
【0070】[液晶表示素子のプレチルト角]液晶表示
素子のプレチルト角は、[T.J.Schffer et al., J. App
l. Phys., 19, 2013 (1980)]に記載の方法に準拠し、H
e-Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した。
【0071】合成例1 上記式(1)で表される化合物51.05g(0.17モ
ル)、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物5.88g(0.03モル)、1,4−フェニレン
ジアミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン25.78g(0.13モル)および
式(5)で表される化合物10.42g(0.02モル)
をN−メチル−2−ピロリドン394gに溶解させ、室
温で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメ
タノールに注いで、反応生成物を沈澱させた。その後、
メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させ
て、固有粘度0.92dl/gのポリアミック酸(A−
1);88.7gを得た。
【0072】合成例2 合成例1で得られたポリアミック酸(A−1)30.0
gをγ−ブチロラクトン570gに溶解し、この溶液に
ピリジン21.6gと無水酢酸16.74gを添加し、8
0℃で3時間加熱することによりイミド化反応を行っ
た。次いで、反応生成液を合成例1と同様にして沈澱さ
せ、固有粘度0.94dl/gのポリイミド(B−
1);28.3gを得た。
【0073】合成例3 合成例1において、上記式(1)で表される化合物の代
わりに上記式(2)で表される化合物51.05g(0.
17モル)とした以外は、合成例1と同様にしてポリア
ミック酸(A−2)を得、さらにこのポリアミック酸
(A−2)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応
を行い、固有粘度0.89dl/gのポリイミド(B−
2);27.2gを得た。
【0074】合成例4 合成例1において、上記式(1)で表される化合物代わ
りに上記式(3)で表される化合物51.05g(0.1
7モル)とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミ
ック酸(A−3)を得、さらにこのポリアミック酸(A
−3)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.81dl/gのポリイミド(B−
3);27.0gを得た。
【0075】合成例5 合成例1において、上記式(1)で表される化合物の代
わりに上記式(4)で表される化合物51.05g(0.
17モル)とした以外は、合成例1と同様にしてポリア
ミック酸(A−4)を得、さらにこのポリアミック酸
(A−4)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応
を行い、固有粘度0.86dl/gのポリイミド(B−
4);27.0gを得た。
【0076】合成例6 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を上記式
(1)で表される化合物57.05g(0.19モル)お
よび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物1.96g(0.01モル)とした以外は、合成例1
と同様にしてポリアミック酸(A−5)を得、さらにこ
のポリアミック酸(A−5)を用いて合成例2と同様に
してイミド化反応を行い、固有粘度0.79dl/gの
ポリイミド(B−5);26.3gを得た。
【0077】合成例7 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を上記式
(1)で表される化合物45.04g(0.15モル)お
よび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物9.81g(0.05モル)とした以外は、合成例1
と同様にしてポリアミック酸(A−6)を得、さらにこ
のポリアミック酸(A−6)を用いて合成例2と同様に
してイミド化反応を行い、固有粘度1.01dl/gの
ポリイミド(B−6);27.9gを得た。
【0078】合成例8 合成例5において、テトラカルボン酸二無水物を上記式
(4)で表される化合物45.04g(0.15モル)お
よび1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物6.72g(0.05モル)とした
以外は、合成例5と同様にしてポリアミック酸(A−
7)を得、さらにこのポリアミック酸(A−7)を用い
て合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度
0.76dl/gのポリイミド(B−7);26.9gを
得た。
【0079】合成例9 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン2.16g(0.02モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン31.72g(0.16モル)および上記
式(5)の化合物10.42g(0.02モル)とした以
外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸(A−8)
を得、さらにこのポリアミック酸(A−8)を用いて合
成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.
86dl/gのポリイミド(B−8);27.5gを得
た。
【0080】合成例10 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン14.06g(0.13モル)、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン9.91g(0.05モル)および上記
式(5)で表される化合物10.42g(0.02モル)
とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸
(A−9)を得、さらにこのポリアミック酸(A−9)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.95dl/gのポリイミド(B−9);27.
6gを得た。
【0081】合成例11 合成例5において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン29.34g(0.148モル)および上
記式(5)で表される化合物1.04g(0.002モ
ル)とした以外は、合成例5と同様にしてポリアミック
酸(A−10)を得、さらにこのポリアミック酸(A−
10)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.94dl/gのポリイミド(B−1
0);27.3gを得た。
【0082】合成例12 合成例5において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン19.83g(0.10モル)および上記
式(5)で表される化合物26.25g(0.05モル)
とした以外は、合成例5と同様にしてポリアミック酸
(A−11)を得、さらにこのポリアミック酸(A−1
1)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.69dl/gのポリイミド(B−1
1);25.9gを得た。
【0083】合成例13 合成例1において、ジアミンを1,3−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン25.78g(0.13モル)および上記
式(5)で表される化合物10.42g(0.02モル)
とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸
(A−12)を得、さらにこのポリアミック酸(A−1
2)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.70dl/gのポリイミド(B−1
2);25.9gを得た。
【0084】合成例14 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル26.04g(0.13モル)および上
記式(5)で表される化合物10.42g(0.02モ
ル)とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミック
酸(A−13)を得、さらにこのポリアミック酸(A−
13)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.94dl/gのポリイミド(B−1
3);27.9gを得た。
【0085】合成例15 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド28.12g(0.13モル)および
上記式(5)で表される化合物10.42g(0.02モ
ル)とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミック
酸(A−14)を得、さらにこのポリアミック酸(A−
14)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.78dl/gのポリイミド(B−1
4);27.3gを得た。
【0086】合成例16 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−(p−フェ
ニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン44.79g
(0.13モル)および上記式(5)で表される化合物
10.42g(0.02モル)とした以外は、合成例1と
同様にしてポリアミック酸(A−15)を得、さらにこ
のポリアミック酸(A−15)を用いて合成例2と同様
にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.72dl/g
のポリイミド(B−15);27.0gを得た。
【0087】合成例17 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−(m−フェ
ニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン44.79g
(0.13モル)および上記式(5)で表される化合物
10.42g(0.02モル)とした以外は、合成例1と
同様にしてポリアミック酸(A−16)を得、さらにこ
のポリアミック酸(A−16)を用いて合成例2と同様
にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.65dl/g
のポリイミド(B−16);25.2gを得た。
【0088】合成例18 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェニキシ)フェニル]プロパン53.3
7g(0.13モル)および上記式(5)で表される化
合物10.42g(0.02モル)とした以外は、合成例
1と同様にしてポリアミック酸(A−17)を得、さら
にこのポリアミック酸(A−17)を用いて合成例2と
同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.88dl
/gのポリイミド(B−17);27.2gを得た。
【0089】合成例19 合成例5において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン25.78g(0.13モル)および上記
式(6)で表される化合物10.46g(0.02モル)
とした以外は、合成例5と同様にしてポリアミック酸
(A−18)を得、さらにこのポリアミック酸(A−1
8)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.78dl/gのポリイミド(B−1
8);26.9gを得た。
【0090】合成例20 合成例5において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン25.78g(0.13モル)および上記
式(9)で表される化合物12.85g(0.02モル)
とした以外は、合成例5と同様にしてポリアミック酸
(A−19)を得、さらにこのポリアミック酸(A−1
9)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.75dl/gのポリイミド(B−1
9);26.9gを得た。
【0091】合成例21 合成例5において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン25.78g(0.13モル)および上記
式(11)で表される化合物14.78g(0.02モ
ル)とした以外は、合成例5と同様にしてポリアミック
酸(A−20)を得、さらにこのポリアミック酸(A−
20)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行
い、固有粘度0.74dl/gのポリイミド(B−2
0);26.8gを得た。
【0092】合成例22 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を上記式
(1)で表される化合物39.04g(0.13モル)お
よび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物13.72g(0.07モル)とした以外は、合成例
1と同様にしてポリアミック酸(A−21)を得、さら
にこのポリアミック酸(A−21)を用いて合成例2と
同様にしてイミド化反応を行ったが、イミド化中に析出
物が生じ、白濁したポリイミド溶液(B−21)となっ
た。
【0093】合成例23 合成例1において、ジアミンを4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン35.69g(0.18モル)および上記式
(5)で表される化合物10.42g(0.02モル)と
した以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸(A
−22)を得、さらにこのポリアミック酸(A−22)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.62dl/gのポリイミド(B−22);2
5.2gを得た。
【0094】合成例24 合成例1において、ジアミンを1,4−フェニレンジア
ミン5.41g(0.05モル)、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン29.74g(0.15モル)とした以外
は、合成例1と同様にしてポリアミック酸(A−23)
を得、さらにこのポリアミック酸(A−23)を用いて
合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度
0.99dl/gのポリイミド(B−23);27.9g
を得た。
【0095】合成例25 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を上記式
(1)で表される化合物60.05g(0.20モル)と
した以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸(A
−24)を得、さらにこのポリアミック酸(A−24)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.72dl/gのポリイミド(B−24);2
6.9gを得た。
【0096】合成例26 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をピロメ
リット酸二無水物43.62g(0.20モル)とした以
外は、合成例1と同様にして、固有粘度1.23dl/
gのポリアミック酸(A−25);76.3gを得た。
【0097】実施例1 (1)液晶配向剤の調製 合成例1で得られたポリアミック酸(A−1)をγ−ブ
チロラクトンに溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液
とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過し、液
晶配向剤を調製した。
【0098】(2)液晶表示素子の作製 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜
からなる透明導電膜上に、液晶配向膜塗布用の印刷機を
用いて本発明の液晶配向剤を塗布し、180℃で1時間
乾燥することにより乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成
した。
【0099】形成された塗膜面を、レーヨン製の布を
巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラ
ビング処理を行うことにより、液晶分子の配向能を塗膜
に付与して液晶配向膜を作製した。ここに、ラビング処
理条件は、ロールの回転数500rpm、ステージの移
動速度1cm/秒とした。得られた液晶配向膜にはラビ
ング傷は認められなかった。
【0100】上記のようにして液晶配向膜が形成され
た基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径
17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂
をスクリーン印刷塗布した後、それぞれの液晶配向膜に
おけるラビング方向が直交あるいは逆並行となるように
2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当
接させて圧着して接着剤を硬化させた。
【0101】基板の表面および外縁部の接着剤により
区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶「M
LC−2002」(メルク・ジャパン社製)を注入充填
し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶
セルを構成した。その後、液晶セルの外表面に、偏光方
向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング
方向と一致するように偏光板を貼り合わせることによ
り、液晶表示素子を作製した。以上のようにして作製し
た液晶表示素子は、液晶表示素子に電圧をオン・オフさ
せた時において異常ドメインは認められず、優れた液晶
配向性を有するものであった。電圧保持率は94.4%
と高い値を示し、残留電圧は0.34Vと低い値であっ
た。そして、液晶表示素子の信頼性を評価したところ、
液晶表示素子に白シミは発生しなかった。さらに、液晶
表示素子のプレチルト角を評価したところ、3.2゜と
高い値であった。
【0102】実施例2〜実施例21 表1に示す処方に従って、合成例2〜合成例21により
得られたポリイミドBのそれぞれを用い、実施例1
(1)と同様にして本発明の液晶配向剤を調製した。次
いで、このようにして得られた液晶配向剤の各々を用
い、実施例1(2)と同様にして液晶表示素子を作製し
た。各実施例において、液晶配向膜におけるラビング傷
の発生状況、液晶表示素子の液晶配向性、電圧保持率、
残留電圧、信頼性およびプレチルト角について評価し
た。結果を表1に実施例1と併せて示す。
【0103】
【表1】
【0104】比較例1〜5 表2に示す処方に従って、合成例22〜26により得ら
れたポリイミドBのそれぞれを用い、実施例1(1)と
同様にして比較用の液晶配向剤を調製した。次いで、こ
のようにして得られた液晶配向剤の各々を用い、実施例
1(2)と同様にして液晶表示素子を作製した。各比較
例において、液晶配向膜におけるラビング傷の発生状
況、液晶表示素子の液晶配向性、電圧保持率、残留電
圧、信頼性およびプレチルト角について評価した。結果
を表2に併せて示す。
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、ラビング処理で生じる
液晶配向膜表面の傷が少なく、かつ液晶配向性に優れ、
電圧保持率が高く、残像が少なく信頼性に優れた液晶表
示素子を与え、高プレチルト角を与える液晶配向剤が得
られる。
【0107】また、本発明の液晶配向剤により形成され
た液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報
や特開平6−281937号公報に示されているような
紫外線を照射することによってプレチルト角を変化させ
るような処理、あるいは特開平5−107544号公報
に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向
膜表面にレジスト膜を部分的に形成して先のラビング処
理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜
を除去して、液晶配向膜の配向能を変化させるような処
理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善
することが可能である。
【0108】本発明の液晶配向剤を用いて形成した液晶
配向膜を有する液晶表示素子は、TN型液晶表示素子を
はじめ、使用する液晶を選択することにより、STN
(Super Twisted Nematic)型、
SH(Super Homeotropic)型、強誘
電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使
用することができる。さらに、本発明の液晶配向剤を用
いて形成した液晶配向膜を有する液晶表示素子は、液晶
の配向性および信頼性に優れ、種々の装置に有効に使用
でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示
板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液
晶テレビなどの表示装置に用いられる。
【0109】以下に本発明の好ましい態様を列挙する。 1)化合物(II)の使用割合が、全テトラカルボン酸二
無水物の総量に対して、2〜20モル%である液晶配向
剤。 2)化合物(III)が、1,4−フェニレンジアミンであ
る液晶配向剤。 3)化合物(IV)が、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)
ビスアニリンおよび4,4’−(m−フェニレンジイソ
プロピリデン)ビスアニリンから選ばれたものである液
晶配向剤。 4)化合物(II)が、シクロブタンテトラカルボン酸の
二無水物または1,3−ジメチルシクロブタンテトラカ
ルボン酸の二無水物である液晶配向剤。 5)化合物(III)の使用割合が、全ジアミンの総量に
対して、10〜50モル%である液晶配向剤。 6)化合物(IV)の使用割合が、全ジアミンの総量に対
して、40〜80モル%である液晶配向剤。 7)化合物(V)の使用割合が、全ジアミンの総量に対
して、3〜20モル%である液晶配向剤。 8)全ジアミン化合物に対する各ジアミンの化合物の使
用割合が、一般式(II)で表されるフェニレンジアミン
化合物10〜69モル%、一般式(III)で表されるジ
アミン化合物30〜80モル%および一般式(IV)で表
されるステロイド骨格を有するジアミン化合物1〜25
モル%である液晶配向剤。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 宗一 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]下記式(1)、(2)、(3)お
    よび(4): 【化1】 で表される化合物によりなる群から選ばれる少なくとも
    1種のテトラカルボン酸の二無水物70〜98モル%お
    よび下記式(I) 【化2】 ここでR1、R2、R3およびR4は互に独立して水素原子
    あるいはメチル基を示すで表されるシクロブタン環含有
    テトラカルボン酸の二無水物2〜30モル%と、[B]
    下記式(II) 【化3】 ここでR5は、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコ
    キシル基であり、aは0〜4の整数である、で表される
    フェニレンジアミン化合物、下記式(III) 【化4】 ここで、R6は−CH2−、−O−、−S−、下記式
    (i) 【化5】 で表される基または下記式(ii) 【化6】 で表される基であり、R7およびR8は互に独立してハロ
    ゲン原子またはアルキル基であり、bおよびcは互に独
    立して0〜4の整数である、で表されるジアミン化合物
    および下記式(IV) H2N−R9−NH2 ・・・(IV) ここで、R9はステロイド骨格を有する2価の有機基で
    ある、で表されるステロイド骨格を有するジアミン化合
    物、とを反応させることにより得られるポリアミック酸
    および該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られるポリ
    イミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体
    を含有することを特徴とする液晶配向剤。
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