JPH0980029A - 絶縁診断方法 - Google Patents

絶縁診断方法

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JPH0980029A
JPH0980029A JP7234141A JP23414195A JPH0980029A JP H0980029 A JPH0980029 A JP H0980029A JP 7234141 A JP7234141 A JP 7234141A JP 23414195 A JP23414195 A JP 23414195A JP H0980029 A JPH0980029 A JP H0980029A
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修哉 萩原
Hiroyuki Kamiya
宏之 神谷
Mitsuru Onoda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気機器の絶縁余寿命推定法の診断精度を高
める。 【構成】 残存破壊電圧の計算式として以下の関係式を
提案する。 Vr=100−a・(Δ−b)−c・log(Qm・A/d) Aは、絶縁層内部での剥離状態を示す係数である。剥離
状態は、打音の解析によって非破壊で検査できる。絶縁
層が健全な場合はA=1、単層剥離に近い場合はA=0.
3、単層剥離+多重剥離の場合はA=0.6、多重剥離がほ
とんどの場合はA=1とする。上記関係式の計算結果
を、プロットすると図1の等残存破壊電圧線1が得られ
る。図1は、横軸にQm・Aをとっているため、Aの値に
よって等残存破壊電圧線が変化しない。つまり、図1は
剥離状態によらず適用可能である。上記関係式に基づい
て算出される残存破壊電圧Vrあるいは図1の読み取り結
果を用いて、余寿命を推定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧が印加される電気
機器の絶縁診断法に関するものであり、特に信頼度の高
い余寿命予測が要求される電気機器に好適な絶縁診断法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気機器の絶縁診断法としては、
電気的パラメータを測定しその値をもとに残存破壊電圧
を推定することで、余寿命を予測する方法があった。こ
の方法は、残存破壊電圧(Vr)と、放電パラメータ
(Δ)と、最大放電電荷量(Qm)との関係式が一般に下
記数1のごとく与えられるとの前提の下に成り立つ方法
である。
【0003】
【数1】Vr=100−a・(Δ−b)−c・log(Qm/d) 数1中のa,b,cは、絶縁層の材料等に応じて別途定
められる係数である。dは、絶縁層の厚さである。な
お、放電パラメータ(Δ)は、誘電体損増加率(Δ2)
と、交流電流増加率(ΔI)との和である また、使用年数あるいは起動停止回数のような運転経歴
に基づいて余寿命を推定する方法があった。
【0004】これら従来の絶縁診断方法については、例
えば、電気学会論文誌B,110巻4号,p267-p276(199
0)に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気機
器の絶縁層は、電気的パラメータの値や運転経歴のみで
は判断することが困難な劣化形態を示すことがある。こ
のような場合、従来行われていたような電気的パラメー
タや運転経歴にのみ基づいた絶縁診断では精度のよい判
断ができなかった。例えば、上記数1によれば、Qmが大
きければ、Vrは小さくなるはずである。しかし、実際に
はQmが大きいにも関わらず、Vrが大きい場合も少なくな
かった。そのため、余寿命が十分ある機器を余寿命が無
いと判断したり、余寿命が残り少ないにもかかわらず余
寿命が長いと判断する可能性があった。
【0006】本発明は、電気機器の絶縁劣化状態をより
精度良く診断可能な絶縁診断方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、電気的パラ
メータに加えて、機器の絶縁の劣化状態を表しうる非電
気的なパラメータを、診断に導入することで精度の高い
絶縁診断を行うものである。
【0008】本発明の第1の態様としては、最大放電電
荷量を含んだ演算によって絶縁劣化の程度を表す残存破
壊電圧を求める絶縁診断方法において、絶縁層内部の剥
離状態を検査し、その検査結果に応じて上記最大放電電
荷量を補正し、該補正後の最大放電電荷量を用いて上記
残存破壊電圧を求めること、を特徴とする絶縁診断方法
が提供される。
【0009】上記剥離状態の検査は、絶縁層の打音を解
析することで行ってもよい。
【0010】上記打音の解析は、オクターブスペクトル
分析分布をパターン分けすることで行うことが好まし
い。
【0011】本発明の第2の態様としては、絶縁層の化
学的劣化状態を検査し、その検査結果に応じて放電パラ
メータを補正した上で、絶縁劣化の程度を表す残存破壊
電圧を補正後の該放電パラメータを含んだ演算によって
求めることを特徴とする絶縁診断方法が提供される 上記化学的劣化状態の検査は、絶縁層の色に基づいて行
ってもよい。この場合、上記絶縁層の色は、分光スペク
トルの最大強度の波長に代表させてもよい。
【0012】上記化学的劣化状態の検査は、絶縁物の赤
外線分光スペクトルの吸光度のピーク位置に基づいて行
ってもよい。
【0013】
【作用】第1の態様の作用について説明する。
【0014】絶縁層内部の剥離状態を検査する。この検
査は、絶縁層の打音を解析することで行えば非破壊で可
能である。打音の解析は、例えば、オクターブスペクト
ル分析分布をパターン分けすることで可能である。
【0015】剥離状態の検査結果に応じて上記最大放電
電荷量を補正する。そして、該補正後の最大放電電荷量
を用いて所定の演算を行うことで上記残存破壊電圧を求
める。
【0016】第2の態様の作用について説明する。
【0017】絶縁層の化学的劣化状態を検査する。絶縁
層の色、吸光度等は、化学的劣化状態に応じて変化す
る。そのため、この検査は、絶縁層の色(これは、分光
スペクトルの最大強度の波長に代表させてもよい)に基
づいて行うことができる。あるいは、絶縁物の赤外線分
光スペクトルの吸光度のピーク位置に基づいて行うこと
ができる。
【0018】化学的劣化状態の検査結果に応じて上記放
電パラメータを補正する。そして、該補正後の最大放電
電荷量を用いて所定の演算を行うことで上記残存破壊電
圧を求める。
【0019】このように、電気的パラメータ(例えば、
最大放電電荷量、放電パラメータ)に、剥離状態、化学
的劣化状態等を反映したパラメータを組み合わせること
により、絶縁層の状態をより詳しく分類可能になるため
劣化状態の判定の精度が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0021】実施例1 図1は、本発明によって得られた新Dマップである。図
1の横軸は最大放電電荷量(Qm)に剥離係数(A)を乗
算した値である。図1の縦軸は放電パラメータ(Δ)の
値である。図1のグラフ中に描いた曲線は、等残存破壊
電圧カーブである。従って、各パラメータ( Qm,A,
Δ )の値を求め、図1を参照することで、残存破壊電
圧を知ることができる。なお、図1は、本発明を高圧回
転機のコイルの絶縁余寿命診断に適用した場合の例であ
る。
【0022】この図1に示したマップは、下記数2に各
種データを代入した結果をプロットすることで得られる
ものである。本発明では本願発明者が実験によって得た
知見に基づいて、上述の数1に剥離係数Aを新たに導入
することでこの数2を得た。該数2は本願発明者が初め
て提案するものである。
【0023】
【数2】Vr=100−a・(Δ−b)−c・log(Qm・A/d) 数2に含まれている最大放電電荷量(Qm)および放電パ
ラメータ(Δ)は、電気的パラメータである。なお、放
電パラメータ(Δ)は、誘電体損増加率(Δ2)と、交
流電流増加率(ΔI)との和である。a,b,cは、絶
縁層の材料等に応じて別途定められる係数である。d
は、絶縁層の厚さである。
【0024】剥離係数Aは、非電気的なパラメータであ
る。剥離係数Aは、絶縁層内部での剥離の状態を反映し
たものである。詳細は後ほど説明する。
【0025】以下、数2の導出過程(あるいは、根拠)
を、順を追って説明する。
【0026】 剥離状態− 残存破壊電圧(Vr) 回転機のコイル等に形成される絶縁層は一般に多層で構
成される。本願発明者は、様々なパラメータ間の相関を
調査した結果、Vrと、絶縁層内部での剥離状態とに関係
があることを見いだした。剥離状態と、モデルとしたコ
イルのVrとの関係を示す実測データを図2に示した。
【0027】 剥離状態− Qm 本願発明者は、さらに詳細な実験を行った結果、剥離状
態は、Vrを決定づけているパラメータのうちのQmと特に
関係があることを見いだした。剥離状態と、Qmとの関係
を示す実測データを図3に示した。両者の間に相関が見
られるのは、最大放電電荷量(Qm)に影響を与えるボイ
ドは、コイル絶縁層の剥離により生じるためと思われ
る。
【0028】 Qmの補正 上述の、の結果から、本願発明者は、上述の数1に
おけるQmを剥離状態に応じて補正することで、より正確
な残存破壊電圧Vrおよび余寿命の予測が可能になると結
論づけた。このQmの補正は、剥離状態に応じて定まるパ
ラメータ(すなわち、上述の剥離係数A)を、Qmに乗算
することで行うこととした。このようにして得られたの
が、上述の数2である。
【0029】 剥離係数Aの決定 次に、本願発明者はQmの補正の程度、すなわち、剥離係
数Aの具体的値を決定すべく、Vrの経時変化を絶縁層の
剥離状態毎に測定した。この測定結果を図4に示した。
但し、該図4に示した剥離状態は、後述する打音を用い
た検査方法によって判定した結果である。
【0030】この測定結果(図4)と上述の数2とを比
較することで、コイルの絶縁層の剥離状態毎に剥離係数
Aの具体的値を以下の通り決定した。
【0031】絶縁層が健全な場合:A=1 単層剥離に近い場合:A=0.3 単層剥離+多重剥離の場合:A=0.6 多重剥離がほとんどの場合:A=1 以上のようにして数2および剥離係数Aの具体的値が求
められた。しかし、これらを実際に用いるには、絶縁層
を破壊することなくその剥離状態を知る必要がある。本
願発明者は様々な試行を繰り返した結果、絶縁層の打音
を分析することでその内部における剥離状態を非破壊で
検査できることを見いだした。以下、該検査方法につい
て述べる。
【0032】絶縁層の剥離状態は、コイル絶縁層の打音
のオクターブ分析により得られるスペクトルパターンに
より分類することができる。オクターブスペクトル分析
は人間の聴覚に近い分析法であり、専門家の打音による
剥離状態判定と良い一致を示す。本実施例では剥離状態
を、4つの状態に場合分けしている。すなわち、打音良
で健全な場合と、単層剥離の場合、単層剥離+多重剥
離、多重剥離のみの4つの場合である。図5に1/3オク
ターブスペクトルでパターン分類した結果を示す。な
お、打音の発生のさせ方を変えても、ここで述べた4つ
のパターンは、基本的には変化しなかった。
【0033】絶縁皮膜に単層剥離が生じている場合、従
来の絶縁診断方法(数1)では、最大放電電荷量が大き
な値をとっている場合には残存破壊電圧が大きく低下し
ているかのように診断されていた。しかし、本実施例
(数2)ではこのような場合でも残存破壊電圧が高い値
となり、実際の状況により適合した結果が得られること
が確認された。
【0034】上述の図1は、横軸としてQmにAを乗算し
た値をとっている。従って、Aの値が、直接、等残存破
壊電圧線1の曲線形状に影響を与えることはない。つま
り、図1は、診断対象となる絶縁層の剥離状態によらず
適用可能である。
【0035】残存余寿命を知るには、このようにして得
られる残存破壊電圧(数2参照)と、運転時間との関係
をグラフ上にプロットし、該プロット点を外挿すればよ
い(図6参照)。
【0036】本実施例の絶縁診断法によれば、絶縁層の
剥離状態によらず、常に正確な絶縁診断が可能である。
【0037】既に述べたとおり上述の図1は横軸にQmと
Aを乗算した値をとっていたため、等残存破壊電圧線1
の位置および形状は、絶縁層の剥離状態(つまり、A)
によらず一定である。従って、図1は、どのような剥離
状態の絶縁層の診断にもそのまま使用可能なものであっ
た。
【0038】しかし、絶縁層の剥離状態毎に等残存破壊
電圧線(すなわち、残存破壊電圧を求める式)を用意し
てもよい。このような例を実施例2として説明する。
【0039】実施例2 この場合には、図7に示すとおり、横軸にQmをとる。そ
して、剥離状態(すなわち、剥離係数Aの値)ごとに、
等残存破壊電圧線を描く。図7の例では、実施例1と同
様に、剥離状態を4種類(健全,単層剥離,単層+多重
剥離,多重剥離)に分類している。このうち、健全な場
合と多重剥離の場合とでは同じ曲線となる。
【0040】図7を実際に使用して残存破壊電圧を求め
るには、打音に基づいて剥離状態を4種類に分類し、そ
の分類に対応した図を参照すればよい。
【0041】絶縁余寿命は、実施例1と同様にして推定
できる。
【0042】本実施例の絶縁診断法によれば剥離状態に
応じて正しい絶縁余寿命推定が可能である。また、等残
存破壊電圧線を読みとる際に、横軸上での位置は、Qmそ
のままでよい。実施例1のごとくQmとAとの乗算を行っ
た上で、横軸上での位置を決定する必要はない。そのた
め、読み取り作業が容易である。
【0043】実施例3 実施例3は、絶縁層の化学的劣化を考慮した絶縁劣化診
断を行うものである。該実施例3では、該化学的劣化状
態を絶縁層の色に基づいて判断している。
【0044】絶縁層の色は、その劣化状態に応じて変化
してゆく。そこで、絶縁層のスペクトル(380nm〜780n
m)中、最も強度の強い主波長の波長位置に基づいて、
図8に示すとおり、絶縁層の化学的劣化状態を健全、劣
化中、劣化大に分類する。そして、各分類毎にあらかじ
め定めた色係数Bを、上述の数1に導入することで下記
数3を得ている。
【0045】
【数3】Vr=100−a・(B・Δ−b)−c・log(Qm・d) 数3において、色係数Bを放電パラメータに乗算してい
るのは、色係数Bは絶縁物の平均的劣化状態を代表する
ものであり、放電パラメータと同様な意味を有するから
である。このような取り扱いは、色係数Bによって(つ
まり、化学的劣化状態に応じて)放電パラメータ(Δ)
を補正しているとみることもできる。
【0046】本実施例によれば電気的パラメータだけで
は判定できなかった絶縁物の化学的劣化状態を考慮して
残存破壊電圧を表せるので、残存破壊電圧をより正確に
推定することが可能となる。該数3に各種データを代入
し計算した結果をプロットしたのが、図9である。該図
9では、縦軸に放電パラメータ(Δ)と色係数Bを乗算
した値をとっている。従って、等残存破壊電圧線1は、
色係数Bの値(すなわち、化学的劣化状態)に応じてそ
の位置、形状が変化することはない。そのため、図9
は、診断対象となっている絶縁層の化学的劣化状態によ
らず適用可能である。
【0047】縦軸に放電パラメータをとってプロットし
てもよい。この場合には、色係数Bごとに等残存破壊電
圧線の位置および形状が異なる。そのため、色係数B
(絶縁層の化学的劣化状態)の分類毎に図を用意する必
要がある。
【0048】実施例4 実施例4は、絶縁層の化学的劣化を考慮した診断を行う
例である。該実施例4では、該化学的劣化を絶縁層の赤
外線分光スペクトルの吸光度のピーク位置に基づいて判
断している。
【0049】絶縁層の赤外線分光スペクトルの特性ピー
クの波数位置は、絶縁層の劣化の程度に応じてシフトし
てゆく(図10参照)。例えば、絶縁物の劣化に関係す
るカルボニル基の赤外線吸収係数は、絶縁物の劣化が進
むと低波数側にシフトする。そこで吸光度のピークの波
数(あるいは、そのシフト量)に応じて吸収係数Fを決
定する。そして、この吸収係数Fを、上述の数1に導入
することで下記数4を得ている。
【0050】
【数4】Vr=100−a・(F・Δ−b)−c・log(Qm・d) ここで、吸収係数Fを放電パラメータ(Δ)に乗算して
いるのは、赤外分光スペクトルは絶縁物の平均的劣化状
態を代表するものであり、放電パラメータ(Δ)と同様
な意味を有するからである。このような取り扱いは、吸
収係数Fによって(つまり、絶縁層の化学的劣化状態に
応じて)放電パラメータを補正しているとみることもで
きる。
【0051】吸収係数Fの具体的値は、上記数4の計算
結果Vrが破壊電圧の実測値とが一致するように、ピーク
波数の位置ごとに(つまり、劣化状態ごとに)あらかじ
め決定しておく。
【0052】なお、赤外線分光スペクトルの特性ピーク
の波数位置は、非電気的パラメータである。
【0053】本実施例によれば電気的パラメータだけで
は判定できなかった絶縁物の化学的劣化状態を考慮し
て、一つの図または式で残存破壊電圧を表現することが
できる。従って、残存破壊電圧をより正確に推定するこ
とが可能となる。
【0054】さらに分光係数Fごとに残存破壊電圧の式
または図をわけて用いるようにしても構わない。このよ
うにしても絶縁層の化学的劣化状態を考慮しつつ、残存
破壊電圧を正確に推定できる。
【0055】以上説明した各実施例の構成を必要に応じ
て組み合わせても構わない。例えば、剥離係数A、色係
数B、吸収係数Fを一つの式に一度に含めるようにして
もよい。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば絶縁層の残存破壊電圧が
正確に推定できるため、高電界,高温,高機械力といっ
た過酷な条件で使用される電気機器の絶縁システムの余
寿命を正確に推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によって得られる等残存破壊
電圧線を示す図である。
【図2】剥離状態と破壊電圧と相関を示す図である。
【図3】剥離状態と最大放電電荷量との相関を示す図で
ある。
【図4】剥離状態と、破壊電圧の課電時間依存性との関
係を示す図である。
【図5】剥離状態と打音の1/3オクターブスペクトルパ
ターンの関係を示す図である。
【図6】残存寿命の求め方を示す図である。
【図7】本発明の実施例2における、絶縁層の剥離状態
毎の等残存破壊電圧線である。
【図8】本発明の実施例3において用いられている、可
視光のスペクトル強度と絶縁物劣化との関係を示す図で
ある。
【図9】実施例3における等残存破壊電圧を示す図であ
る。
【図10】本発明の実施例4において用いられている、
赤外線波数と特性吸収ピークと絶縁物劣化との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1…等残存破壊電圧線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 宏之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小野田 満 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最大放電電荷量を含んだ演算によって絶縁
    劣化の程度を表す残存破壊電圧を求める絶縁診断方法に
    おいて、 絶縁層内部の剥離状態を検査し、その検査結果に応じて
    上記最大放電電荷量を補正し、該補正後の最大放電電荷
    量を用いて上記残存破壊電圧を求めること、 を特徴とする絶縁診断方法。
  2. 【請求項2】上記剥離状態の検査は、絶縁層の打音を解
    析することで行うこと、 を特徴とする請求項1記載の絶縁診断方法。
  3. 【請求項3】上記打音の解析は、オクターブスペクトル
    分析分布をパターン分けすることで行うこと、 を特徴とする請求項2記載の絶縁診断法。
  4. 【請求項4】絶縁層の化学的劣化状態を検査し、その検
    査結果に応じて放電パラメータを補正した上で、絶縁劣
    化の程度を表す残存破壊電圧を補正後の該放電パラメー
    タを含んだ演算によって求めること、 を特徴とする絶縁診断方法。
  5. 【請求項5】上記化学的劣化状態の検査は、絶縁層の色
    に基づいて行うものであること、 を特徴とする請求項4記載の絶縁診断方法。
  6. 【請求項6】上記絶縁層の色は、分光スペクトルの最大
    強度の波長に代表させること、 を特徴とする請求項5記載の絶縁診断方法。
  7. 【請求項7】上記化学的劣化状態の検査は、絶縁物の赤
    外線分光スペクトルの吸光度のピーク位置に基づいて行
    うものであること、 を特徴とする請求項4記載の絶縁診断方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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